JP2855823B2 - プリント配線板の孔明け加工法 - Google Patents

プリント配線板の孔明け加工法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、両面或いは多層プリント配線板のスルーホ
ール孔明け方法に関し、水溶性滑剤を配置することによ
り、孔明け時のドリルビットの発熱を抑え、高品質で高
能率の孔明けをするものである。
〔従来の技術およびその課題〕 絶縁体に金属箔が接着された積層体に表裏導通用のド
リル孔明けを該積層体の片面或いは両面に水溶性滑剤を
配置して行う方法が、USP−4,781,495及びUSP−4,929,3
70に開示され、これらの方法は固形の水溶性滑剤である
ジエチレングリコールやジプロピレングリコールなどの
グリコール類と脂肪酸などの剛性ワックス、非イオン系
界面活性剤との混合物を紙などに含浸したシートを用い
ることが開示されている。
ところが、これらの方法は、ドリル発熱防止効果が不
十分であったり、多孔質シートへのこれら混合物の含浸
性が劣ったり、さらにベタツキがあったりする欠点があ
った。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結
果、水溶性滑剤としてポリオキシエチレンプロピレンブ
ロックポリマーを用いる方法を見出し、これに基づいて
完成したものである。
すなわち、本発明は、絶縁体に金属箔が接着された積
層体に表裏導通用のドリル孔明けを該積層体の片面或い
は両面に水溶性滑剤を配置して行う方法において、該水
溶性滑剤がポリオキシエチレンプロピレンブロックポリ
マーであることを特徴とするプリント配線板の孔明け加
工法であり、該水溶性滑剤が、多孔質シートに該ポリオ
キシエチレンプロピレンブロックポリマーを配置した水
溶性滑剤シートとして配置するものであること、プラス
チックスシート又は金属箔に該ポリオキシエチレンプロ
ピレンブロックポリマーを塗布した水溶性滑剤シートと
して配置するものであること、又はプラスチックスシー
ト又は金属箔で該ポリオキシエチレンプロピレンブロッ
クポリマーを挟んでなる水溶性滑剤シートとして配置す
るものであることであり、更に該水溶性滑剤が、該積層
体に該ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー
を塗布することにより配置するものであることを特徴と
するプリント配線板の孔明け加工法である。
以下、本発明の構成について説明する。
本発明の絶縁体に金属箔が接着された積層体とは、金
属箔と電気絶縁体とが一体化された種々のプリント配線
板用として使用される材料であり、金属箔張積層板、内
層にプリント配線網を有する多層積層板、内層にプリン
ト配線網を有する多層金属箔張積層板、金属箔張プラス
チックスフィルムなどが例示されるものである。
本発明の水溶性滑剤であるポリオキシエチレンプロピ
レンブロックポリマーは、一般、酸化プロピレンを付加
重合した後、さらに酸化エチレンを付加重合して得られ
るものであり、一般式 HO(C2H4O)(C3H6O)(C2H4O)nH で表されるものである。
本発明の水溶性滑剤を本発明の積層体に配置する方法
としては、単に水溶性滑剤を適宜、加熱或いは加温又は
水溶液として厚さ0.01〜3mmの塗布層を形成する方法;
紙、プラスチック不織布、多孔質金属シートなどに適
宜、加熱或いは加温又は水溶液として水溶性滑剤を含浸
してなる厚さ0.01〜3mmのシートとして配置する方法;
プラスチックスや金属箔の少なくとも片面に適宜、加熱
或いは加温又は水溶液として厚さ0.01〜3mmの水溶性滑
剤層を塗布したシートとして塗布面側を重ねる方法;更
に、プラスチックスや金属箔で適宜、加熱或いは加温又
は水溶液として厚さ0.01〜3mmの水溶性滑剤層を形成し
はさんでなるサンドイッチシートとして重ねる方法など
である。積層体への配置は片面の場合、ドリルビット側
となるように本発明の水溶性滑剤を配置することが好適
であり、また、両面となるように配置することはより好
ましい。
〔実施例〕
以下、実施例等により本発明を説明する。
実施例1 厚さ0.15mmの紙に、ポリオキシエチレンプロピレンブ
ロックポリマー(ニューポールPE−68、三洋化成社製)
を100℃で溶融し、塗布量が60重量%となるようにロー
ルを用いて塗布した後、室温まで冷却して、水溶性滑剤
シート(以下「本シート1」と記す)を得た。
厚さ1.6mmのガラスエポキシ6層板(内層4層、内層
銅箔厚さ70μm、外層厚さ18μm銅箔)を用い、ドリル
孔明け加工を下記条件にて行った。
〔孔明け加工条件〕
・ドリルビット 0.35mmφ. ・回転数 80,000r.p.m. ・送り速度 1.6mm/min. ・重ね枚数 2枚. 〔配置〕(ドリルビット側より) ・100μmアルミニウム箔/本シート1/6層板/本シート
1/6層板/紙フェノール積層板 本シートのベタツキの有無、スミヤー発生状況を試験
した結果を第1表に示した。
また、孔明け後、6層板を4N・HClに25℃で5分間浸
漬した後、ハローの発生状況を評価した。その結果を第
2表に示した。
比較例1 本シートを用いず、100μmアルミニウム箔/6層板/6
層板/紙フェノール積層板の配置とするほかは実施例1
と同様にした結果を第1、2表に示した。
比較例2 PEG200トリヒドロキシステアリン670mlを54℃とし、
これにジプロピレングリコール250mlを加え混合した
後、62℃とし、脂肪酸エステル(商品名;Paricin13,Cas
Cen社製)80mlを添加混合した。
上記で得た混合物を60℃で厚さ0.15mmの紙に、60重量
%となるようにロールを用いて塗布した後、室温まで冷
却して、水溶性滑剤シート(以下「シート2」と記す)
を得た。
このシート2を本シート1の代わりに用いる他は実施
例1と全く同様とした結果を第1、2表に示した。
実施例2 ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー(ニ
ューポールPE−88:三洋化成社製)を120℃で溶融し、厚
さ100μmのアルミニウム箔の片面に厚さ0.3mmとなるよ
うに塗布した後、その塗布面上に厚さ100μmのアルミ
ニウム箔を乗せ、室温まで冷却して、水溶性滑剤シート
(以下「本シート2」と記す)を得た。
本シート2を用い、その配置をドリルビット側より、
本シート2/6層板/6層板/紙フェノール積層板とする他
は実施例1と同様とした結果を第1、2表に示した。
〔発明の作用および効果〕 以上、発明の詳細な説明および実施例、比較例から明
瞭な如く、本発明の水溶性滑剤を用いる方法はベタツキ
がないので取扱が容易である上に、ドリル孔明け性を改
良されるものであり、工業的な実用性は極めて高いもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/00,3/46 B23B 41/00 B23Q 11/10 B01F 17/00 - 17/56

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁体に金属箔が接着された積層体に表裏
    導通用のドリル孔明けを該積層体の片面或いは両面に水
    溶性滑剤を配置して行う方法において、該水溶性滑剤が
    ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマーである
    ことを特徴とするプリント配線板の孔明け加工法.
  2. 【請求項2】該水溶性滑剤が、多孔質シートに該ポリオ
    キシエチレンプロピレンブロックポリマーを配置した水
    溶性滑剤シートとして配置するものである請求項1記載
    のプリント配線板の孔明け加工法.
  3. 【請求項3】該水溶性滑剤が、プラスチックスシート又
    は金属箔に該ポリオキシエチレンプロピレンブロックポ
    リマーを塗布した水溶性滑剤シートとして配置するもの
    である請求項1記載のプリント配線板の孔明け加工法.
  4. 【請求項4】該水溶性滑剤が、プラスチックスシート又
    は金属箔で該ポリオキシエチレンプロピレンブロックポ
    リマーを挟んでなる水溶性滑剤シートとして配置するも
    のである請求項1記載のプリント配線板の孔明け加工
    法.
  5. 【請求項5】該水溶性滑剤が、該積層体に該ポリオキシ
    エチレンプロピレンブロックポリマーを塗布することに
    より配置するものである請求項1記載のプリント配線板
    の孔明け加工法.
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TWI549598B (zh) * 2014-11-05 2016-09-11 Shu-Jing Yang Method for manufacturing heat - resistant auxiliary sheet

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