JP2855353B2 - 内燃機関 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は内燃機関に関する。

（従来の技術） 内燃機関における騒音としては、シリンダ及びシリン
ダヘッドから放射される音、シリンダヘッドの吸気通路
から出る吸気音及び燃料噴射ポンプの騒音等がある。

従来の内燃機関では、エアクリーナの配置位置あるい
はこれと燃料噴射ポンプとの関係において、エアクリー
ナを利用して騒音の低減を図る工夫はなされていない。

（発明の目的） 本発明はエアクリーナの配置等を工夫することにより
上記各種騒音を低減することを目的としている。

（目的を達成するための技術的手段） 上記目的を達成するために本願請求項１記載の発明
は、シリンダヘッド３の吸気通路入口側に、シリンダヘ
ッド３及びシリンダ２の吸気通路入口側の略全面を覆う
広い形状のエアクリーナ15を一定の間隔において配置
し、エアクリーナ15の吸気通路23の出口部を上記シリン
ダヘッド３の吸気通路入口11aに接続し、燃料噴射ポン
プ12をシリンダヘッド３の吸気通路入口11aより下方
で、シリンダヘッド３及びシリンダ２とエアクリーナ本
体16の間に配置することによりエアクリーナ15によって
燃料噴射ポンプ12をも覆うようにしている。

エアクリーナ本体16は、シリンダヘッド３の吸気通路
11で発生する吸気音を消音し、かつシリンダヘッド３、
シリンダ２及び燃料噴射ポンプ12から発生する音を遮蔽
する。

請求項２記載の発明は、請求項１記載の内燃機関にお
いて、シリンダヘッド３及びシリンダ２の吸気通路入口
側の面とエアクリーナ本体16の間に、エアクリーナ本体
16のシリンダヘッド側の端面の外形に概ね沿ってＬ字形
に延びる新気吸込み管20を配置し、該新気吸込み管20を
エアクリーナ本体16と一体に形成したことを特徴として
ある。エアクリーナ本体は、シリンダヘッド内吸気通路
で発生する吸気音を消音する。また新気吸込み管23から
直接外気やダスト等を吸い込み難くなり、エレメントの
寿命も延び、機関のコンパクト化も達成することができ
る。

（実施例） 第１図〜第４図は本願請求項１、２を適用したディー
ゼル機関を示しており、正面図を示す第１図において、
シリンダ２はクランクケース１と一体に形成され、シリ
ンダ２の上にシリンダヘッド３及びヘッドカバー５が順
に固着されている。シリンダヘッド３の排気通路９は正
面に開口し、吸気通路11は第１図の右側に開口してい
る。燃料噴射ポンプ12は吸気通路入口11a側に配置さ
れ、クランクケース１に取り付けられている。シリンダ
中心線に対する燃料噴射ポンプ12の角度αは小さな角度
（例えば20゜）で取り付けられており、燃料噴射ポンプ
12は燃料高圧管13を介して燃料噴射弁10に接続されてい
る。

排気マフラ８は左側に配置され、その排気管部8aはシ
リンダヘッド３の正面を左方へと延び、正面の排気通路
９の出口に接続されている。

エアクリーナ15はシリンダヘッド３に対して燃料噴射
ポンプ配置側（右側）に配置されており、シリンダヘッ
ド３及びシリンダ２の吸気通路入口側の略全面を覆うよ
うな広い形状でかつ大きな容積で形成されている。

エアクリーナ15は樹脂製のエアクリーナ本体16とエア
クリーナ蓋17を有し、エアクリーナ本体16はシリンダヘ
ッド３のエアクリーナ取付け面14から一定の間隔を隔て
ており、エアクリーナ本体16とエアクリーナ取付け面14
の間であって、吸気通路入口11aよりも下方に前記燃料
噴射ポンプ12が位置している。エアクリーナ本体16には
シリンダヘッド側へ延びるクリーナ側吸気通路管部23が
樹脂により一体に形成されており、該吸気通路管部23は
図示しないボルトによりエアクリーナ取付け面14に固定
され、前記シリンダヘッド３の吸気通路11の入口11aに
接続している。エアクリーナ本体６のシリンダヘッド側
の面には新気吸込み管20が、樹脂によりエアクリーナ本
体16と一体に形成されている。

エアクリーナ蓋17は、取付けボルト24及び蝶ナット25
によりエアクリーナ本体16に着脱自在に取り付けられて
おり、エアクリーナ蓋17内にはエレメント21が装着され
ている。

第１図のIV−IV断面を示す第４図において、エアクリ
ーナ15の新気吸込み管20はＬ字型に形成されており、上
端の裏面側の新気取入れ口20aから吸気通路管部23の上
方を正面側へと略水平に延び、正面側の端部で下方へと
折れ曲がり、下端出口部20bが第３図のようにエレメン
ト21の外側空間部28に連通している。

第３図において、エレメント21は矩形枠状に形成さ
れ、内側空間部29は吸気通路管部23に連通している。30
はエレメント本体取付け用ボルトを挿通するためのボル
ト孔である。

上面図を示す第２図において、シリンダヘッド３の裏
面側には燃料タンク18が配設され、該燃料タンク18は左
右の排気マフラ８及びエアクリーナ15の範囲まで左右方
向に延びている。

吸込み管20の新気取入れ口20aは燃料タンク18に向い
て開口しており、燃料タンク18により間隔を隔てて覆わ
れている。

エンジン運転中、第２図の新気取入れ口20aから吸い
込まれる新気は、吸込み管20から第３図のエレメント外
側空間部28に入り、エレメント21を通過して清浄され、
内部空間29に入る。そしてエアクリーナ側吸気通路管部
23を通ってシリンダヘッド３の吸気通路11に入る。

（別の実施例） エアクリーナ本体及びエアクリーナ蓋を金属製とし、
スポット溶接等により新気吸込み管を一体の儲けること
もできる。

（発明の効果） 以上説明したように本願請求項１記載の発明は、シリ
ンダヘッド３及びシリンダ２の吸気通路入口側の略全面
を覆う広い形状のエアクリーナ15により、シリンダヘッ
ド３の吸気通路入口11aを覆うと共に、シリンダヘッド
３及びシリンダ２との間で燃料噴射ポンプ12をも覆うよ
うにしているので、シリンダヘッド等から放射される騒
音を低減できるばかりでなく、燃料噴射ポンプ12の音を
も近接遮蔽でき、各種騒音を低減できる。

またエアクリーナの容積が大きく取れるため、吸気音
の低減になる。

燃料噴射ポンプ12をエアクリーナ15とエアクリーナ取
付面14との間で、吸気通路入口11aの下方に位置させて
いるので、燃料噴射ポンプ12のシリンダ中心線に対する
角度αを小さくでき、これにより燃料噴射弁10と燃料噴
射ポンプ12の間の高圧管を短くでき、高速、高負荷性能
が向上する。

請求項２記載の発明によると、エアクリーナ15とシリ
ンダヘッド３及びシリンダ２の側面との間に限られた空
間内に新気吸込み管20を配置することにより、外気やダ
スト等の吸込を減少させてエアクリーナの寿命が延びる
と共に機関のコンパクト化を達成でき、上記新気吸込み
管20の形状及び配置姿勢として、エアクリーナ本体16の
シリンダヘッド側の端部の外形に概ね沿ってＬ字形に延
びるように配置していることにより、上記のようにダス
ト吸込等を阻止してコンパクト化を達成しながらも、新
気吸込み管20を長くすることができ、吸気音の低減を達
成できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願請求項１、２記載の発明を適用したディー
ゼル機関の正面図、第２図は上面図、第３図は第１図の
III−III断面図、第４図は第１図のIV−IV断面図であ
る。２……シリンダ、３……シリンダヘッド、11……吸
気通路、12……燃料噴射ポンプ、15……エアクリーナ本
体、20……新気吸込み管、エアクリーナ側吸気通路管部

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−29545（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−230558（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−35423（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F02B 77/13 F02B 67/10 F02M 39/00 F02M 35/04

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダヘッド３の吸気通路入口側に、シ
   リンダヘッド３及びシリンダ２の吸気通路入口側の略全
   面を覆う広い形状のエアクリーナ15を一定の間隔をおい
   て配置し、エアクリーナ15の吸気通路23の出口部を上記
   シリンダヘッド３の吸気通路入口11aに接続し、燃料噴
   射ポンプ12をシリンダヘッド３の吸気通路入口11aより
   下方で、シリンダヘッド３及びシリンダ２とエアクリー
   ナ本体16の間に配置することによりエアクリーナ15によ
   って燃料噴射ポンプ12をも覆うようにしていることを特
   徴とする内燃機関。
2. 【請求項２】請求項１記載の内燃機関において、シリン
   ダヘッド３及びシリンダ２の吸気通路入口側の面とエア
   クリーナ本体16の間に、エアクリーナ本体16のシリンダ
   ヘッド側の端面の外形に概ね沿ってＬ字形に延びる新気
   吸込み管20を配置し、該新気吸込み管20をエアクリーナ
   本体16と一体に形成したことを特徴とする内燃機関。