JP2853559B2 - 熱間圧延時のデスケーリング方法 - Google Patents
熱間圧延時のデスケーリング方法Info
- Publication number
- JP2853559B2 JP2853559B2 JP6617094A JP6617094A JP2853559B2 JP 2853559 B2 JP2853559 B2 JP 2853559B2 JP 6617094 A JP6617094 A JP 6617094A JP 6617094 A JP6617094 A JP 6617094A JP 2853559 B2 JP2853559 B2 JP 2853559B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- descaling
- hot rolling
- scale
- nozzle
- rolling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は熱間圧延して鋼板を製造
する時の水ジェットを用いたデスケーリング方法に関す
る。
する時の水ジェットを用いたデスケーリング方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】熱間圧延により鋼板を製造する際に、ス
ケール疵がなく良好な表面性状の鋼板を得るため、圧延
前に１００〜１８０ｋｇ／ｃｍ2 の圧力の水ジェットで
鋼片表面の酸化層（スケール）を剥離除去するデスケー
リングが行われている。
ケール疵がなく良好な表面性状の鋼板を得るため、圧延
前に１００〜１８０ｋｇ／ｃｍ2 の圧力の水ジェットで
鋼片表面の酸化層（スケール）を剥離除去するデスケー
リングが行われている。
【０００３】スケールの剥離性はデスケーリング条件の
みならず鋼の組成の影響も受けるが、特にＳｉ含有量の
高い鋼においては、通常のデスケーリング条件では剥離
除去できない難剥離性の２ＦｅＯ・ＳｉＯ2 （フェアラ
イト）が生成し、圧延後の製品表面に赤スケールと呼ば
れるスケール欠陥が無数に発生し商品価値を著しく損な
っている。
みならず鋼の組成の影響も受けるが、特にＳｉ含有量の
高い鋼においては、通常のデスケーリング条件では剥離
除去できない難剥離性の２ＦｅＯ・ＳｉＯ2 （フェアラ
イト）が生成し、圧延後の製品表面に赤スケールと呼ば
れるスケール欠陥が無数に発生し商品価値を著しく損な
っている。
【０００４】そこでこのスケール欠陥を除去する方法と
して、特公昭６０ー１０８５号公報には、圧延開始から
起算した累積圧下率が６５％以上で、かつ鋼片温度が１
０００℃以上にある圧延期間内に８０〜２５０ｋｇ／ｃ
ｍ2 の高圧水ジェットで０．０４秒以上デスケーリング
する方法が、また特開昭６３ー６８２１４号公報には、
仕上圧延機直前において単位散布面積あたりの衝突圧が
２５ｇ／ｍｍ2 以上の高圧水スプレーでデスケーリング
する方法が提案されている。
して、特公昭６０ー１０８５号公報には、圧延開始から
起算した累積圧下率が６５％以上で、かつ鋼片温度が１
０００℃以上にある圧延期間内に８０〜２５０ｋｇ／ｃ
ｍ2 の高圧水ジェットで０．０４秒以上デスケーリング
する方法が、また特開昭６３ー６８２１４号公報には、
仕上圧延機直前において単位散布面積あたりの衝突圧が
２５ｇ／ｍｍ2 以上の高圧水スプレーでデスケーリング
する方法が提案されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特公昭６
０ー１０８５号公報の方法においては、仕上圧延直前温
度を１０００℃以上に確保するためにスラブの加熱温度
を高温化する必要があり、そのため熱量原単位が増加し
たり、スケールロスの増加によって歩留りが低下するな
どの問題がある。また本発明者等が特開昭６３ー６８２
１４号公報の方法を追試したところ、Ｓｉ量が０．１ｗ
ｔ％以上でかつＰ量が０．０１５ｗｔ％未満の鋼では、
十分なスケール剥離性が得られなかった。
０ー１０８５号公報の方法においては、仕上圧延直前温
度を１０００℃以上に確保するためにスラブの加熱温度
を高温化する必要があり、そのため熱量原単位が増加し
たり、スケールロスの増加によって歩留りが低下するな
どの問題がある。また本発明者等が特開昭６３ー６８２
１４号公報の方法を追試したところ、Ｓｉ量が０．１ｗ
ｔ％以上でかつＰ量が０．０１５ｗｔ％未満の鋼では、
十分なスケール剥離性が得られなかった。
【０００６】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、スラブの加熱温度や鋼の成分に制約さ
れずに難剥離性のスケールを剥離除去できる熱間圧延時
のデスケーリング方法を提供することを目的とする。
なされたもので、スラブの加熱温度や鋼の成分に制約さ
れずに難剥離性のスケールを剥離除去できる熱間圧延時
のデスケーリング方法を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題は、熱間圧延に
より鋼板を製造するに際し、仕上圧延に先立つ水ジェッ
トを用いたデスケーリングにおいて、供給高圧水の吐出
圧力をＰ（ｋｇ／ｃｍ 2 ）、ノズル１ケあたりの吐出水
量をＱ（ｌ／ｍｉｎ）、ノズル高さをＨ（ノズル先端か
ら鋼片表面までの距離、ｍｍ）、材料速度をｖ（ｍ／ｍ
ｉｎ）とするとき、下記の式（１）好ましくは式（２）
を満足することを特徴とするデスケーリング方法によっ
て解決される。 Ｐx ・Ｑy ／Ｈz ≧Ｆ（ｖ） （１） ただしｘ、ｙ、ｚは０を越える数であり、Ｆ（ｖ）はｖ
が大きくなると大きくなるｖの関数である。 Ｐ1.5 ・Ｑ0.8 ／Ｈ1.1 ≧１４ｖ−３７０ （２）
より鋼板を製造するに際し、仕上圧延に先立つ水ジェッ
トを用いたデスケーリングにおいて、供給高圧水の吐出
圧力をＰ（ｋｇ／ｃｍ 2 ）、ノズル１ケあたりの吐出水
量をＱ（ｌ／ｍｉｎ）、ノズル高さをＨ（ノズル先端か
ら鋼片表面までの距離、ｍｍ）、材料速度をｖ（ｍ／ｍ
ｉｎ）とするとき、下記の式（１）好ましくは式（２）
を満足することを特徴とするデスケーリング方法によっ
て解決される。 Ｐx ・Ｑy ／Ｈz ≧Ｆ（ｖ） （１） ただしｘ、ｙ、ｚは０を越える数であり、Ｆ（ｖ）はｖ
が大きくなると大きくなるｖの関数である。 Ｐ1.5 ・Ｑ0.8 ／Ｈ1.1 ≧１４ｖ−３７０ （２）
【０００８】
【作用】前記特開昭６３ー６８２１４号公報では、供給
高圧水の吐出圧力Ｐとノズル高さＨから求まる鋼片単位
面積あたりの衝突圧を制御してデスケーリングを行う方
法が提案されているが、本発明者等はＰとＨの他にノズ
ル１ケあたりの吐出水量Ｑおよび材料速度ｖも考慮に入
れて、Ｓｉ量が０．１ｗｔ％以上でかつＰ量が０．０１
５ｗｔ％未満の難剥離性スケールを生じる鋼を用いてそ
のデスケーリング性（赤スケール発生の有無）を調査検
討した。
高圧水の吐出圧力Ｐとノズル高さＨから求まる鋼片単位
面積あたりの衝突圧を制御してデスケーリングを行う方
法が提案されているが、本発明者等はＰとＨの他にノズ
ル１ケあたりの吐出水量Ｑおよび材料速度ｖも考慮に入
れて、Ｓｉ量が０．１ｗｔ％以上でかつＰ量が０．０１
５ｗｔ％未満の難剥離性スケールを生じる鋼を用いてそ
のデスケーリング性（赤スケール発生の有無）を調査検
討した。
【０００９】その結果、以下のことを見出した。 １）供給高圧水の吐出圧力Ｐとノズル１ケあたりの吐出
水量Ｑは、大きな値ほどデスケーリング性が向上するこ
とは容易に推察できるが、実際には多数のノズルが巾方
向に配置されているので水流の干渉が起こり、そのデス
ケーリング性はＰとＱに単純には比例せず、Ｐx ・Ｑy
比例する。ただしｘ、ｙは０を越える数であり、望まし
くはｘが１．５で、ｙが０．８である。
水量Ｑは、大きな値ほどデスケーリング性が向上するこ
とは容易に推察できるが、実際には多数のノズルが巾方
向に配置されているので水流の干渉が起こり、そのデス
ケーリング性はＰとＱに単純には比例せず、Ｐx ・Ｑy
比例する。ただしｘ、ｙは０を越える数であり、望まし
くはｘが１．５で、ｙが０．８である。
【００１０】２）ノズル高さＨは、小さいほどデスケー
リング性が向上することは容易に推察できるが、１）と
同様な理由でそのデスケーリング性はＨz に反比例す
る。ただしｚは０を越える数であり、望ましくは１．１
である。
リング性が向上することは容易に推察できるが、１）と
同様な理由でそのデスケーリング性はＨz に反比例す
る。ただしｚは０を越える数であり、望ましくは１．１
である。
【００１１】３）１）、２）より、デスケーリング性は
Ｐx ・Ｑy ／Ｈz の値が大きいほど良くなることは明ら
かであるが、この値は材料速度ｖにも依存し、式（１）
に示すごとくｖが大きくなるにしたがい大きな値にする
必要がある。
Ｐx ・Ｑy ／Ｈz の値が大きいほど良くなることは明ら
かであるが、この値は材料速度ｖにも依存し、式（１）
に示すごとくｖが大きくなるにしたがい大きな値にする
必要がある。
【００１２】４）またｘ、ｙ、ｚが前記のごとく望まし
い値のとき、図１にＰ1.5 ・Ｑ0.8 ／Ｈ1.1 の値と材料
速度ｖによる赤スケールの発生状況を示すように、デス
ケーリング性は式（２）を満たすように材料速度ｖに応
じてＰ、Ｑ、Ｈを調整すれば赤スケールの発生を防止で
きる。
い値のとき、図１にＰ1.5 ・Ｑ0.8 ／Ｈ1.1 の値と材料
速度ｖによる赤スケールの発生状況を示すように、デス
ケーリング性は式（２）を満たすように材料速度ｖに応
じてＰ、Ｑ、Ｈを調整すれば赤スケールの発生を防止で
きる。
【００１３】
【実施例】表１に示す鋼を用い、実機にて仕上圧延機直
前のデスケーリング条件すなわちＰ、Ｑ、Ｈのパラメー
タおよび材料速度ｖを変えて熱間圧延を行い、圧延後の
鋼板表面における赤スケールの有無を目視により調査し
た。結果を表２に示す。Ｐ1.5 ・Ｑ0.8 ／Ｈ1.1 ≧１４
ｖ−３７０を満足するように材料速度とデスケーリング
条件を設定すれば、赤スケールが発生せず良好な表面性
状の鋼板が得られることが判る。
前のデスケーリング条件すなわちＰ、Ｑ、Ｈのパラメー
タおよび材料速度ｖを変えて熱間圧延を行い、圧延後の
鋼板表面における赤スケールの有無を目視により調査し
た。結果を表２に示す。Ｐ1.5 ・Ｑ0.8 ／Ｈ1.1 ≧１４
ｖ−３７０を満足するように材料速度とデスケーリング
条件を設定すれば、赤スケールが発生せず良好な表面性
状の鋼板が得られることが判る。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【表２】
【００１６】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、スラブの加熱温度や鋼の成分などに制約され
ずに難剥離性のスケールを剥離除去できる。
いるので、スラブの加熱温度や鋼の成分などに制約され
ずに難剥離性のスケールを剥離除去できる。
【図１】Ｐ1.5 ・Ｑ0.8 ／Ｈ1.1 の値と材料速度ｖによ
る赤スケール発生の有無を表す図である。
る赤スケール発生の有無を表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−68214（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−127912（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−238620（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−71330（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−114432（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−190433（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−144213（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−99214（ＪＰ，Ａ) 特公 昭60−1085（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B21B 45/08
Claims (2)
- 【請求項１】 熱間圧延により鋼板を製造するに際し、
仕上圧延に先立つ水ジェットを用いたデスケーリングに
おいて、供給高圧水の吐出圧力をＰ（ｋｇ／ｃｍ2 ）、
ノズル１ケあたりの吐出水量をＱ（ｌ／ｍｉｎ）、ノズ
ル高さをＨ（ノズル先端から鋼片表面までの距離、ｍ
ｍ）、材料速度をｖ（ｍ／ｍｉｎ）とするとき、下記の
式を満足することを特徴とするデスケーリング方法。 Ｐx ・Ｑy ／Ｈz ≧Ｆ（ｖ） ただしｘ、ｙ、ｚは０を越える数であり、Ｆ（ｖ）はｖ
が大きくなると大きくなるｖの関数である。 - 【請求項２】 前記の式が下記の式であることを特徴と
する請求項１のデスケーリング方法。 Ｐ1.5 ・Ｑ0.8 ／Ｈ1.1 ≧１４ｖ−３７０
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6617094A JP2853559B2 (ja) | 1994-04-04 | 1994-04-04 | 熱間圧延時のデスケーリング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6617094A JP2853559B2 (ja) | 1994-04-04 | 1994-04-04 | 熱間圧延時のデスケーリング方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07275921A JPH07275921A (ja) | 1995-10-24 |
| JP2853559B2 true JP2853559B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=13308114
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6617094A Expired - Fee Related JP2853559B2 (ja) | 1994-04-04 | 1994-04-04 | 熱間圧延時のデスケーリング方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2853559B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020038888A (ko) * | 2000-11-18 | 2002-05-24 | 이구택 | 열연강대의 제조방법 및 산화막제거장치 |
-
1994
- 1994-04-04 JP JP6617094A patent/JP2853559B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07275921A (ja) | 1995-10-24 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2853559B2 (ja) | 熱間圧延時のデスケーリング方法 | |
| JP3872609B2 (ja) | 高Ｓｉ鋼の熱間圧延方法 | |
| JP3994582B2 (ja) | 鋼板のデスケーリング方法 | |
| JP3296374B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼熱間圧延時のデスケーリング方法 | |
| CA2459881C (en) | Slab cleaning in front of the roller hearth furnace of a mini mill | |
| JP2003181522A (ja) | 表面性状の優れた鋼板の製造方法及びその装置 | |
| JP3811380B2 (ja) | 熱間圧延による厚鋼板の製造方法 | |
| JP3231698B2 (ja) | 表面性状の優れた熱延鋼板の製造方法 | |
| JP3129967B2 (ja) | 熱延鋼板のスケール除去方法 | |
| JP3882465B2 (ja) | 表面性状の良好な熱延鋼板の製造方法 | |
| JPH09271832A (ja) | フェライト系ステンレス熱延鋼板のデスケーリング方法 | |
| JP3985401B2 (ja) | 鋼板の圧延方法 | |
| JP3802848B2 (ja) | Ｓｉ含有鋼板の熱間圧延方法 | |
| JPH11267739A (ja) | 熱延鋼板の製造方法 | |
| JP3425017B2 (ja) | 熱延鋼板の製造方法 | |
| JP2900765B2 (ja) | 鋼材のデスケール方法 | |
| JP2002316206A (ja) | 表面性状の優れた形鋼と該形鋼用の鋼材およびそれらの製造方法と製造装置 | |
| JP3774686B2 (ja) | 熱間圧延におけるデスケーリング方法 | |
| JPH10263677A (ja) | 熱間圧延鋼片のデスケーリング方法 | |
| JPH06114432A (ja) | 高Ｓｉ鋼の熱延鋼板の製造方法 | |
| JPH04238620A (ja) | 熱間圧延時のデスケーリング方法 | |
| JP4655379B2 (ja) | 鋼片の表面手入れ方法 | |
| JP2004167586A (ja) | 表面性状の優れた鋼板の製造方法及び鋼板 | |
| JP2672392C (ja) | ||
| JPH10192952A (ja) | 熱延鋼板の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19981020 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071120 Year of fee payment: 9 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081120 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091120 Year of fee payment: 11 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101120 Year of fee payment: 12 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111120 Year of fee payment: 13 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111120 Year of fee payment: 13 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120 Year of fee payment: 14 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120 Year of fee payment: 15 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |