JPH10192952A - 熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

熱延鋼板の製造方法

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JPH10192952A
JPH10192952A JP12397A JP12397A JPH10192952A JP H10192952 A JPH10192952 A JP H10192952A JP 12397 A JP12397 A JP 12397A JP 12397 A JP12397 A JP 12397A JP H10192952 A JPH10192952 A JP H10192952A
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JP
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descaling
scale
rolling
nozzle
hot
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JP12397A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Kudo
芳郎 工藤
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】難スケール剥離材であるSi及びNi含有鋼
に対して適切なデスケーリングを実施することにより、
スケール疵のない表面性状の良好な熱延鋼板を製造でき
るようにする。 【解決手段】粗圧延から仕上圧延前までの各パスの圧下
率が25%以上、圧延開始からの累積圧下率が85%以
上であり、鋼材温度が850〜1000℃の鋼材に対
し、仕上圧延機2入側に設けたノズル高さ(鋼材表面か
らノズル先端までの距離)を50〜150mm、ノズルの
迎え角度を10〜45°としたFSB3より、吐出流量
50〜100l/min/ノズル、吐出圧力100〜300kg
f/cm2 、噴射水の温度20℃以下でデスケーリングす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、熱間圧延時に鋼材
表面に高圧水ジェットを噴射してデスケーリングを行
い、スケール疵やスケール模様の発生を防止し、表面性
状の優れた熱延鋼板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】鋼板の製造に当たっては、素材のスラブを
酸化性雰囲気の加熱炉により、通常1100〜1300
℃の温度で数時間加熱し、ついでホットストリップミル
にて熱間圧延されるのが一般的であるが、この際、スラ
ブ表面に生成したスケールが十分に除去されない状態の
まゝで鋼材が圧延されると、スケールが製品の表面に押
し込まれ、スケール疵やスケール模様として残る。
【0003】このようなスケール疵やスケール模様は、
圧延後の製品(黒皮製品)の外観を悪化させるのみなら
ず、酸洗によりスケールを除去した後の製品(白皮製
品)の表面に凹凸状の欠陥を残存させる原因となり、ま
た曲げ加工時のクラックの起点となったり、熱間圧延工
程内の鋼板矯正冷却時にスケール残存部と剥離部の冷却
能の差により、材質の機械的特性値にムラが発生する
等、鋼板の表面に重大な悪影響を及ぼす。
【0004】通常、このようなスケール疵の発生を防止
するための方法としては、圧延ラインに100〜150
kgf/cm2 の吐出圧力の水ジェットによるデスケーリング
装置を設置し、これによって鋼材表面のスケールを剥離
し除去した後に圧延を行う方法がとられている。しかし
ながらスケールの剥離性の良否は、スケールの組成及び
構造によって大きく左右され、特にSiやNiを多く含
む鋼のスケールの場合、著しく剥離性が悪くなることが
知られている。
【0005】この原因は、高温酸化に際して鋼中のSi
が選択酸化されてFeO(ウスタイト)と地鉄の界面に
2FeO・SiO2 (ファイアライト)が形成され、こ
れが低融点(1170℃)のため溶融状態となり、スケ
ールと地鉄中に楔状に侵入するため、スケールと地鉄界
面が複雑に入り組んだ特有構造のスケール層が形成され
るためである。また鋼中にNiを含む場合は、酸化が進
行すると、Niの濃化部が凸状として残存し、界面形状
が凹凸となる。そのためスケールの剥離性が悪くなる。
【0006】このような悪影響は、鋼の化学組成に依存
するものであるが、特にSiの影響が大きく、Si含有
量が0.2%以上の場合に著しく増大し、この範囲の鋼
を熱間圧延する場合には、スケール疵の発生を完全に防
止することは極めて困難であった。これを改善する手段
としては、例えば加熱温度をファイアライト溶融点(1
170℃)以下とする方法や、加熱前のスラブ表面にス
ケールを改質し、剥離性を向上させるための薬剤を塗布
する方法(特開昭57−6493号)、ブラシロールを
使用して機械的にスケールを剥離させる方法(特開昭5
9−13926号)などが提案されているが、いづれも
繁雑で作業性に劣る、製造コストの面で問題がある、温
度低下により仕上圧延が制約される等の問題があり、い
づれもスケール疵を防止する抜本的な対策とはなってい
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解消することを目的としてなされたもので、デスケー
リングを最適な条件で実施することにより、スケール疵
がなく、表面性状が良好な熱延鋼板を製造する方法を提
供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】上記の目的を達成するための第1の
発明は、スラブを熱間圧延して熱延鋼板を製造するに際
し、デスケーリングを鋼材表面からノズル先端までの距
離であるノズル高さ50〜150mm、吐出流量50〜1
00l/min/ノズル、吐出圧力100〜300kgf/cm2
実施することを特徴とする。
【0009】第1の発明において、ノズル高さを50〜
150mmとしたのは、次の理由による。ノズル高さは、
低くなるほど鋼材表面のスプレー水膜が薄くなり、一ノ
ズル当たりの噴射面積が減少して単位面積当たりの衝突
力が増大する。デスケーリング効果を上げ、スケールの
剥離性を向上させるには、ノズル高さを低くして衝突圧
を増大させるとよいが、粗圧延を終え、仕上圧延に搬送
させる際の鋼材の先後端は通常、上下方向に反っている
ため、ノズル高さを50mm以下にすると、先後端が上反
りした鋼材に対しては、ノズルと鋼材の衝突頻度が増大
し、機器の損傷が生じるため好ましくない。一方、ノズ
ル高さを150mm以上にすると、スプレー水膜が厚くな
り、単位面積当たりの衝突力が低下してスケール残存率
が増加する。衝突圧を上げるため、ポンプの吐出圧力及
び流量を上げるのは、デスケーリング設備やその付帯設
備の巨大化による設備費及び稼働費の増加をもたらすう
え、メンテナンス性も悪化するようになり好ましくな
い。
【0010】一方、吐出流量に関しては1ノズル当たり
の吐出流量が50l/min 以下だと、スケール残存率が大
であり、1ノズル当たりの吐出流量が100l/min 以上
になると、スケール残存率は低下する反面、鋼材が過冷
却され、仕上圧延機での通板性の悪化をもたらすほか、
特殊鋼の一部においては、コイルエッジ部分の延性の低
下による耳割れを発生するようになり好ましくない。
【0011】吐出圧力を100〜300kgf/cm2 とした
のは、100kgf/cm2 以下では単位面積当たりのスケー
ル残存率が大きくなり、また300kgf/cm2 以上だとデ
スケーリング設備やその付帯設備の巨大化による設備費
及び稼働費の増加をもたらすうえ、メンテナンス性も悪
化するようになり好ましくないからである。第2の発明
は上記第1の発明のデスケーリングをSi含有量が0.
2〜2.0%の鋼板に実施することを特徴とし、第3の
発明は、上記デスケーリングをNi含有量が0.2〜
2.0%の鋼板に実施することを特徴とする。
【0012】鋼中のSi含有量が0.2%以上になる
と、加熱時のスケールや二次スケール中に生成するファ
イアライトが地鉄中に深く侵入してスケール剥離が困難
を極める。第1の発明のデスケーリングを実施すれば、
Siを0.2%以上含有するような難スケール剥離材に
対しても、より効果的なスケール剥離が可能となる。上
限は本来限定する必要はないが、2.0%としたのは、
それ以上だと溶接性、冷間加工性が悪化するためであ
る。
【0013】一方Niも含有量が0.2%以上になる
と、地鉄界面の凹凸が著しくなり、スケール剥離が困難
となる。Ni含有量が0.2%を越えるNi鋼に対して
も、第1の発明のデスケーリングを実施すれば、より効
果的なデスケーリングが可能となる。上限は本来限定す
る必要はないが、靱性、延性や経済性等を総合的に判断
してNi含有量を2.0%以下とした。
【0014】第4の発明は、上記各発明のデスケーリン
グを粗圧延から仕上圧延前までの各パスの圧下率が25
%以上であり、かつ圧延開始からの累積圧下率が85%
以上の鋼材に対して行うことを特徴とする。本発明者ら
は、熱間圧延時の鋼材表面に生成するスケールの剥離性
は、地鉄とスケール界面の構造(凹凸性)のほか、鋼材
の表面清浄に起因し、デスケーリングによるスケール剥
離性を向上させるには、地鉄とスケール界面をフラット
にさせると共に、鋼材表面にクラックを生じさせること
が必要であると考えた。そこで本発明者らは、この要因
と考えた、粗圧延から仕上圧延前までの各パスの圧下率
及び圧延開始からの累積圧下率について、上記各パスの
圧下率及び累積圧下率を変えた時のスケール発生割合の
変化を調査した。その結果、粗圧延から仕上圧延前まで
の各パスの圧下率及び圧延開始からの累積圧下率は、特
に前者の各パスの圧下率が25%以上で、かつ後者の累
積圧下率が85%以上の鋼材に対し、上記発明のデスケ
ーリングを実施すると、スケール残存率の著しい低下が
見られた。このことは上記圧下率による圧延により、鋼
材表面にクラックが入り易くなり、スケールが容易に剥
離し易くなったためと思われる。
【0015】第5の発明は、仕上前の上記各発明のデス
ケーリングを850〜1000℃の鋼材に対して行うこ
とを特徴とする。第5の発明において、デスケーリング
を実施する鋼材温度を850〜1000℃に限定したの
は、次の理由による。デスケーリングを850℃以下の
鋼材に対して実施すると、スケールの強度が地鉄強度よ
り上昇してしまい、スケール剥離が困難となる。また、
過度に鋼材温度が低下すると、圧延性、通板性が悪化
し、圧延不可となる場合がある。850℃以上では、冷
却歪み効果が生じ易くなってスケール剥離効果が増大
し、効率よくデスケーリングが可能となる。一方100
0℃以上の鋼材では、生成スケールの状況が異なること
を見出した。本発明者らは、数多くの生成スケールの状
況を観察した結果、スケール中の空孔がスケール剥離性
の良否に大きく影響することを見出した。すなわち10
00℃以上になると、酸化の進行が著しく速くなるた
め、スケール厚が増加すると共に、スケール中に大きな
空孔が生成し、この空孔による緩衝でスケール剥離が困
難となり、スケールが残存し易くなるのである。
【0016】第6の発明は、デスケーリングノズルの鋼
材に対する迎え角度を10〜45°とすることを特徴と
する。迎え角度45°以上の場合は、ノズルと鋼材間距
離が増大し、デスケーリングの衝突圧が低下することに
より、スケール残存率が増加するため好ましくない。下
限は0°以上であれば特に限定する必要はないが、角度
が小さくなるに従い、デスケーリングの鋼材に対する水
平方向の速度成分が小さくなり、このため剥離後のスケ
ールを飛ばす力が低下するため10°以上とするのが望
ましい。
【0017】第7の発明は、デスケーリング噴射水の温
度が20℃以下であることを特徴とする。デスケーリン
グ噴射水の温度が20℃以上であると、デスケーリング
水による鋼材表面の熱歪み効果が弱まり、スケール剥離
性が悪化するためである。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に示す仕上圧延機2の入側に
は、スラブの移動方向と直行する方向にノズル高さ50
〜150mmとした1ないし複数列のノズルヘッダーより
なるスケールブレーカー(以下「FSB」という)3が
配置され、粗圧延機1から仕上圧延機2までの各パスの
圧下率が25%以上、圧延開始からの累積圧下率が85
%以上であり、かつ鋼材温度850〜1000℃のSi
及びNi含有鋼(Si含有量0.2〜2.0%、Ni含
有量0.2〜2.0%)4に対し、FSB3よりデスケ
ーリングを1ノズル当たりの流量50〜100l/min/ノ
ズル、吐出圧力100〜300kgf/cm2 で、図2に示す
ノズル迎え角度θを10〜45°、デスケーリング噴射
水温度を20℃以下で実施する。
【0019】
【実施例】表1に示す組成の鋼材A、B及びCに対し、
図1の仕上圧延機2入側に設けたFSB3より表2に示
した条件で粗圧延機1より送り出された鋼材に対し、デ
スケーリングしたのち仕上圧延を行い、得られたコイル
をリコイルし、画像解析により鋼材表面のスケール残存
率%を測定した。その結果を表2に併記した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表2に示されるように、ノズル高さが50
〜150mm、1ノズル当たりの流量が50〜100l/mi
n/ノズル、吐出圧力100〜300kgf/cm2 の本発明範
囲内にあるNo.1、3、10の鋼材はそれぞれ、スケ
ール残存率が1%以下となったが、吐出圧力で外れたN
o.2、5、9、及び吐出流量で外れたNo.4、8、
またノズル高さで外れたNo.4、5、6はそれぞれ、
No.2で38%、No.4で21%、No.5で12
%、No.6で20%、No.8で10%、No.9で
49%となった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、従来スケール除去が困
難と考えられていた高Si鋼及び高Ni鋼に対しても、
ノズル高さを50〜150mm、1ノズル当たりの流量を
50〜100l/min/ノズル、吐出圧力を100〜300
kgf/cm2 でデスケーリングを実施することによりスケー
ル除去が行われ、スケールの疵の無い表面性状の良好な
圧延鋼板を得ることができる。
【0024】また、デスケーリングを請求項4記載のよ
うに、粗圧延機から仕上圧延機までの各パスの圧下率が
25%以上であり、圧延開始からの累積圧下率が85%
以上の鋼材に対して行ったり、請求項5記載のように、
鋼材温度850〜1000℃の鋼材に対して行うことに
より、また請求項6記載のように、ノズル迎え角度を1
0〜45°としたり、請求項7記載のようにデスケーリ
ング噴射水温度を20℃以下でデスケーリングを実施す
ることにより、デスケーリングによる剥離性をより一層
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延ラインの模式図。
【図2】デスケーリングの迎え角を示した図。
【符号の説明】 1・・粗圧延機 2・・仕上圧延機 3・・FSB 4・・鋼材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/40 C22C 38/40 C23G 3/00 C23G 3/00 A 3/02 3/02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スラブを熱間圧延して熱延鋼板を製造する
    に際し、デスケーリングを鋼材表面からノズル先端まで
    の距離であるノズル高さ50〜150mm、吐出流量50
    〜100l/min/ノズル、吐出圧力100〜300kgf/cm
    2 の高圧水ジェットによりデスケーリングすることを特
    徴とする熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】Si含有量が0.2〜2.0%の鋼材を対
    象とする請求項1記載の熱延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】Ni含有量が0.2〜2.0%の鋼材を対
    象とする請求項1又は2記載の熱延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】デスケーリングを粗圧延から仕上圧延前ま
    での各パスの圧下率が25%以上であり、かつ圧延開始
    からの累積圧下率が85%以上の鋼材に対して行う請求
    項1ないし3のいづれかの請求項に記載の熱延鋼板の製
    造方法。
  5. 【請求項5】デスケーリングが鋼材温度850〜100
    0℃の鋼材に対して行われる請求項1ないし4のいづれ
    かの請求項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】デスケーリングノズルの鋼材に対する迎え
    角度を10〜45°とする請求項1ないし5のいづれか
    の請求項に記載の熱延鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】デスケーリング噴射水の温度が20℃以下
    である請求項1ないし6のいづれかの請求項に記載の熱
    延鋼板の製造方法。
JP12397A 1997-01-06 1997-01-06 熱延鋼板の製造方法 Withdrawn JPH10192952A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212671A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Nippon Steel Corp Ni含有鋼の圧延表面疵防止方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212671A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Nippon Steel Corp Ni含有鋼の圧延表面疵防止方法
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Effective date: 20040406