JP2900765B2 - 鋼材のデスケール方法 - Google Patents
鋼材のデスケール方法Info
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- JP2900765B2 JP2900765B2 JP22645093A JP22645093A JP2900765B2 JP 2900765 B2 JP2900765 B2 JP 2900765B2 JP 22645093 A JP22645093 A JP 22645093A JP 22645093 A JP22645093 A JP 22645093A JP 2900765 B2 JP2900765 B2 JP 2900765B2
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- Japan
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- pressure
- descaling
- steel
- scale
- pressure water
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱間圧延により鉄鋼
製品を製造する場合において、表面に生成するスケール
を除去する鋼材のデスケール方法に関する。
製品を製造する場合において、表面に生成するスケール
を除去する鋼材のデスケール方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材を加熱炉で加熱する際に発生する一
次スケールおよび圧延過程で発生する二次スケールは、
延性がなく圧延によって鋼材に圧着され、圧延ロールの
摩耗を早めると共に、製品の表面肌を悪化させる。この
ため、熱間圧延スタンド直前あるいは直後において高圧
水を吹付けてスケール除去を行っている。高圧水による
鋼材表面のスケール除去は、高圧水の噴射による運動エ
ネルギーで吹き飛ばすものである。そのため、デスケー
リング能力を高くするためには、高圧水の圧力をさらに
高圧力化するか、あるいは流量を増加させる必要があ
る。しかし、高圧力化、流量の増加は、設備コストの上
昇を招くばかりでなく、被圧延材の温度低下を招くた
め、通常圧力15〜25MPa(約150〜255kg
f/cm2)前後、ノズル段数1〜3段程度が一般的で
ある。
次スケールおよび圧延過程で発生する二次スケールは、
延性がなく圧延によって鋼材に圧着され、圧延ロールの
摩耗を早めると共に、製品の表面肌を悪化させる。この
ため、熱間圧延スタンド直前あるいは直後において高圧
水を吹付けてスケール除去を行っている。高圧水による
鋼材表面のスケール除去は、高圧水の噴射による運動エ
ネルギーで吹き飛ばすものである。そのため、デスケー
リング能力を高くするためには、高圧水の圧力をさらに
高圧力化するか、あるいは流量を増加させる必要があ
る。しかし、高圧力化、流量の増加は、設備コストの上
昇を招くばかりでなく、被圧延材の温度低下を招くた
め、通常圧力15〜25MPa(約150〜255kg
f/cm2)前後、ノズル段数1〜3段程度が一般的で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の高圧水によるス
ケール除去は、炭素鋼のデスケーリングにおいては製品
上問題とならない程度までスケールを除去することがで
きる。しかしながら、Cr、Si含有量の多い合金鋼の
場合は、炭素鋼のスケールに比較して緻密かつ強固なC
r酸化物、Si酸化物、その他の酸化物からなるスケー
ルが生成するため、十分にスケールを除去することがで
きず、残存するスケールが圧延過程で被圧延材に押し込
まれてプリントされ、製品表面の疵となるという問題を
有している。
ケール除去は、炭素鋼のデスケーリングにおいては製品
上問題とならない程度までスケールを除去することがで
きる。しかしながら、Cr、Si含有量の多い合金鋼の
場合は、炭素鋼のスケールに比較して緻密かつ強固なC
r酸化物、Si酸化物、その他の酸化物からなるスケー
ルが生成するため、十分にスケールを除去することがで
きず、残存するスケールが圧延過程で被圧延材に押し込
まれてプリントされ、製品表面の疵となるという問題を
有している。
【0004】すなわち、図2に示すとおり、炭素鋼のス
ケール層は、外側からFe2O3、Fe3O4、FeOの3
層構造で、FeOのみが母材側に形成されるのに対し、
図3に示すとおり、合金鋼のスケール層は、FeOとC
r2O3、FeCr2O4、Fe2SiO4等のCr酸化物、
Si酸化物の緻密かつ強固な混合層が母材側に形成され
る。これらのスケール組成によるデスケール性は、Fe
O>Fe3O4>Fe2O3>(FeCr2O4等々)と差が
ある。このため、合金鋼表面に発生するスケールは、炭
素鋼と同じデスケール方法を適用しても、十分にデスケ
ーリングできずに酸化物が残留したままで圧延されるこ
ととなる。
ケール層は、外側からFe2O3、Fe3O4、FeOの3
層構造で、FeOのみが母材側に形成されるのに対し、
図3に示すとおり、合金鋼のスケール層は、FeOとC
r2O3、FeCr2O4、Fe2SiO4等のCr酸化物、
Si酸化物の緻密かつ強固な混合層が母材側に形成され
る。これらのスケール組成によるデスケール性は、Fe
O>Fe3O4>Fe2O3>(FeCr2O4等々)と差が
ある。このため、合金鋼表面に発生するスケールは、炭
素鋼と同じデスケール方法を適用しても、十分にデスケ
ーリングできずに酸化物が残留したままで圧延されるこ
ととなる。
【0005】この発明の目的は、熱間圧延工程でスケー
ルを効果的に除去し、製品外面の品質向上ならびに表面
手入れ工数を削減できる鋼材のデスケール方法を提供す
ることにある。
ルを効果的に除去し、製品外面の品質向上ならびに表面
手入れ工数を削減できる鋼材のデスケール方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験検討を重ねた。その結果、高圧水
に脈動圧を与えることによってノズルから噴射された高
圧水が滴化され、滴化された水滴がスケール層に作用す
る圧力ρcv(ただし、ρ:密度、c:水中の音速、
v:水の速度)は、運動エネルギー1/2ρv2より数
倍大きいこと、このため、高圧化、流量増加を伴うこと
なく、デスケール性大幅に向上できることを確認し、こ
の発明に到達した。
を達成すべく種々試験検討を重ねた。その結果、高圧水
に脈動圧を与えることによってノズルから噴射された高
圧水が滴化され、滴化された水滴がスケール層に作用す
る圧力ρcv(ただし、ρ:密度、c:水中の音速、
v:水の速度)は、運動エネルギー1/2ρv2より数
倍大きいこと、このため、高圧化、流量増加を伴うこと
なく、デスケール性大幅に向上できることを確認し、こ
の発明に到達した。
【0007】すなわちこの発明は、継目無鋼管、熱延鋼
板等の熱間圧延時に発生する二次スケールを高圧水によ
るデスケーリング装置により除去する鋼材のデスケール
方法において、周波数500〜2000Hz、脈圧比2
以上の脈動圧を付与した吐出圧力100kgf/cm2
以上の高圧水をノズルから鋼材表面に噴射することを特
徴とする鋼材のデスケール方法である。
板等の熱間圧延時に発生する二次スケールを高圧水によ
るデスケーリング装置により除去する鋼材のデスケール
方法において、周波数500〜2000Hz、脈圧比2
以上の脈動圧を付与した吐出圧力100kgf/cm2
以上の高圧水をノズルから鋼材表面に噴射することを特
徴とする鋼材のデスケール方法である。
【0008】
【作用】この発明においては、周波数500〜2000
Hz、脈圧比2以上の脈動圧を付与した吐出圧力500
kgf/cm2以上の高圧水を鋼材表面に噴射するか
ら、ノズルから噴射された高圧水は滴化され、その滴が
鋼材表面のスケールに作用する圧力Pは、密度をρ、水
中の音速をc、水の速度をvとすれば、P=ρcvであ
る。これは単に高圧水を噴射してデスケーリングする場
合の運動エネルギー1/2ρv2より数倍大きいため、
より強い力をスケール層に与え、スケールに多くの亀裂
を発生させることができ、流量増加を伴うことなく、デ
スケール性を向上させることができる。
Hz、脈圧比2以上の脈動圧を付与した吐出圧力500
kgf/cm2以上の高圧水を鋼材表面に噴射するか
ら、ノズルから噴射された高圧水は滴化され、その滴が
鋼材表面のスケールに作用する圧力Pは、密度をρ、水
中の音速をc、水の速度をvとすれば、P=ρcvであ
る。これは単に高圧水を噴射してデスケーリングする場
合の運動エネルギー1/2ρv2より数倍大きいため、
より強い力をスケール層に与え、スケールに多くの亀裂
を発生させることができ、流量増加を伴うことなく、デ
スケール性を向上させることができる。
【0009】この発明において、高圧水に与える脈動圧
の周波数を500〜2000Hzとしたのは、脈動圧の
周波数が500Hz未満では噴流の滴化が十分でなく、
2000Hzを超える周波数を付与することは現状技術
レベルでは困難であるからである。また、脈圧比を2以
上としたのは、脈圧比が2未満では、水の圧力の強弱の
差が小さく、噴流の滴化によるρcvの運動量の利用が
不可能となるからである。さらに、高圧水の吐出圧力を
100kgf/cm2以上としたのは、100kgf/
cm2未満では、圧力が弱くデスケーリングすら困難と
なるからである。
の周波数を500〜2000Hzとしたのは、脈動圧の
周波数が500Hz未満では噴流の滴化が十分でなく、
2000Hzを超える周波数を付与することは現状技術
レベルでは困難であるからである。また、脈圧比を2以
上としたのは、脈圧比が2未満では、水の圧力の強弱の
差が小さく、噴流の滴化によるρcvの運動量の利用が
不可能となるからである。さらに、高圧水の吐出圧力を
100kgf/cm2以上としたのは、100kgf/
cm2未満では、圧力が弱くデスケーリングすら困難と
なるからである。
【0010】高圧水への脈動圧の付与は、いかなる方法
でもよいが、例えば、水中に電気放電することによって
キャビテーションを発生させる方式、機械的に噴流を遮
断して変動を与える方式、配管もしくはノズル内でピス
トン等を用いてチャンバー容積を変化させて変動を与え
る方式等があるが、ノズル先端で孔もしくはスリットを
有する円盤を回転させて直噴流を切断する機械方式のノ
ズル外変調方式が設備費等の面から得策である。
でもよいが、例えば、水中に電気放電することによって
キャビテーションを発生させる方式、機械的に噴流を遮
断して変動を与える方式、配管もしくはノズル内でピス
トン等を用いてチャンバー容積を変化させて変動を与え
る方式等があるが、ノズル先端で孔もしくはスリットを
有する円盤を回転させて直噴流を切断する機械方式のノ
ズル外変調方式が設備費等の面から得策である。
【0011】
【実施例】図1に示すとおり、マンネスマン・マンドレ
ルミルラインの最終仕上圧延機であるストレッチレデュ
ーサ1の直前に、ノズル個数10個、噴射角度20°、
取付け角度8°、噴射リング径500mmのデスケーリ
ング装置2を設け、再加熱炉内で管3の表面に発生する
スケールを圧延直前にデスケーリングしている。このデ
スケーリング装置に、ポンプ吐出圧力500kgf/c
m2の高圧水に、周波数1600Hz、脈圧比3の脈動
を与えて流量200L/minの噴流を用いてデスケー
リングを実施した本発明法と、圧力150kgf/cm
2の高圧水を流量500L/minで噴射してデスケー
リングを実施した従来法のそれぞれについて、特にあば
た疵等の外面品質不良品の発生率を目視観察により測定
した。その結果、高圧水に脈動圧を付与してデスケーリ
ングした本発明法の場合は、0.01%であったのに対
し、単に高圧水を噴射した従来法の場合は、0.1%で
あった。
ルミルラインの最終仕上圧延機であるストレッチレデュ
ーサ1の直前に、ノズル個数10個、噴射角度20°、
取付け角度8°、噴射リング径500mmのデスケーリ
ング装置2を設け、再加熱炉内で管3の表面に発生する
スケールを圧延直前にデスケーリングしている。このデ
スケーリング装置に、ポンプ吐出圧力500kgf/c
m2の高圧水に、周波数1600Hz、脈圧比3の脈動
を与えて流量200L/minの噴流を用いてデスケー
リングを実施した本発明法と、圧力150kgf/cm
2の高圧水を流量500L/minで噴射してデスケー
リングを実施した従来法のそれぞれについて、特にあば
た疵等の外面品質不良品の発生率を目視観察により測定
した。その結果、高圧水に脈動圧を付与してデスケーリ
ングした本発明法の場合は、0.01%であったのに対
し、単に高圧水を噴射した従来法の場合は、0.1%で
あった。
【0012】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、高圧水によるデスケーリングにおいて、高圧水に脈
動圧を付与することによって、流量増加を伴うことなく
デスケール性が大幅に向上し、スケール残存に起因する
鋼材製品の表面疵発生を低減でき、表面手入れ工数を削
減することができる。
ば、高圧水によるデスケーリングにおいて、高圧水に脈
動圧を付与することによって、流量増加を伴うことなく
デスケール性が大幅に向上し、スケール残存に起因する
鋼材製品の表面疵発生を低減でき、表面手入れ工数を削
減することができる。
【図1】実施例におけるデスケーリング装置の設置位置
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図2】炭素鋼のスケール層の拡大断面図である。
【図3】合金鋼のスケール層の拡大断面図である。
【符号の説明】 1 ストレッチレデューサ 2 デスケーリング装置 3 管
Claims (1)
- 【請求項1】 継目無鋼管、熱延鋼板等の熱間圧延時に
発生するスケールを高圧水によるデスケーリング装置に
より除去する鋼材のデスケール方法において、周波数5
00〜2000Hz、脈圧比2以上の脈動圧を付与した
吐出圧力100kgf/cm2以上の高圧水を鋼材表面
に噴射することを特徴とする鋼材のデスケール方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22645093A JP2900765B2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 鋼材のデスケール方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22645093A JP2900765B2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 鋼材のデスケール方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0751730A JPH0751730A (ja) | 1995-02-28 |
JP2900765B2 true JP2900765B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=16845292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22645093A Expired - Lifetime JP2900765B2 (ja) | 1993-08-18 | 1993-08-18 | 鋼材のデスケール方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2900765B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2143824B1 (en) * | 2007-05-01 | 2015-04-15 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel sheet rinsing method, and steel sheet continuous rinsing apparatus |
BRPI0912658B1 (pt) * | 2008-05-13 | 2020-01-07 | Nippon Steel Corporation | Método de produção de chapa de aço laminada a quente |
JP5890735B2 (ja) * | 2012-04-12 | 2016-03-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 酸洗性と加工性を兼備する熱延鋼板の製造方法 |
-
1993
- 1993-08-18 JP JP22645093A patent/JP2900765B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0751730A (ja) | 1995-02-28 |
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