JP3811380B2 - 熱間圧延による厚鋼板の製造方法 - Google Patents

熱間圧延による厚鋼板の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間圧延による厚鋼板の製造方法に関し、より詳しくは、有害スケールの生成を抑制あるいは除去した、表面性状の良好で材質が均一な厚鋼板を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延により厚鋼板を製造する場合、鋼スラブを加熱炉で加熱する過程で1次スケールが発生し、また、粗圧延および仕上げ圧延過程で2次スケールが発生することが知られている。
これらのスケールは、仕上げ圧延後の熱間矯正中に噛み込まれ厚鋼板表面に残留してスケール疵を発生させる、塗装用鋼板の表面微粉状スケール発生による塗装不具合、あるいは、スケール厚のむらから一部剥離することによる腐食の進行による溶接不具合、塗装不良などの表面品質の低下の原因となる。こうした鋼板表面品位の低下を防止するために、例えば特開平7−178436号公報に記載されるように、熱間矯正後にデスケーリングによって除去することが開示されている。
【0003】
一方、均一な材質特性および平坦度を得るために、板幅方向の温度分布が一様となるように冷却制御を行う必要があり、例えば、特開平9−57327号公報には、仕上げ圧延終了後に熱間矯正を行って強制冷却する場合において、仕上げ圧延の最終パスの直前および直後の少なくともいずれか一方でデスケーリングを行い、仕上げ圧延終了後の熱間矯正後に成長する2次スケールのデスケーリングを強制冷却の直前に行うことによって、スケールの成長を抑制し、しかもタイトにして矯正冷却時における冷却ムラを防止し、機械的特性および形状、表面性状に優れた鋼板を製造することが開示されている。
【0004】
しかし、上記の従来例における加熱炉での加熱条件、デスケーリング条件では、Siを0.1質量%以上含んだ厚鋼板用鋼材を熱間圧延対象とする場合、表面スケール性状および材質の均一性という点において、十分に目的を達成できる条件を有しないものである。特に、加熱炉内での鋼材表面の加熱履歴温度で1173℃以上になる区間がある場合には、鉄の結晶粒界にくさび状に入り込むファイアライト(Fe2 SiO4 、融点1173℃)の溶融再凝固物の生成を十分に抑制することができず、スケールを除去することが困難となる。
このファイアライトの溶融再凝固物は、鋼材のSi含有量が多い場合には、加熱炉から抽出した鋼材に対して粗圧延前に10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングを行っても十分に除去できず、厚鋼板表面の有害スケール(ファイアライト層が鉄表面に残存し、さらに、その上に鉄酸化物がある層、以下「有害スケール」という。)として残存することになり、仕上げ圧延後にデスケーリングしても有害スケールが残存しやすく、この残存スケールの上に、さらにスケールが生成するなどして、スケールの厚みのむら、表面性状の悪化を招くという問題がある。
また、デスケーリングに際しては、デスケーリング後、鋼板の上を流れるデスケーリング水の流れが不均一になり、デスケーリング水による冷却ムラの発生があり、また、一旦除去(剥離)したスケールが付着残留してスケール疵を発生させ、表面性状、機械的特性に優れた厚鋼板の製造が難しいという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特にSiを0.1質量%以上含んだ鋼材を対象とし熱間圧延して厚鋼板を製造する場合において、粗圧延前でのファイアライトの生成を十分に抑制して、粗圧延および仕上げ圧延して得られる厚鋼板に生成するスケールを薄くし密着性の良好なものにするとともに、デスケーリングによる冷却むらの発生やデスケーリングで一旦除去(剥離)されたスケールの付着残留を抑制することにより、表面性状および機械的特性に優れた厚鋼板を製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基本的には、Siを0.1質量%以上含有する鋼材を熱間圧延して厚鋼板を製造する場合において適用されるものであり、以下の(1)〜(6)を要旨とするものである。
(1) 熱間圧延による厚鋼板の製造方法において、鋼材をSi含有量(質量%)に応じた加熱炉温度で加熱した後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、仕上げ圧延後に、10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングおよび0.2〜2MPa の低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行うことを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
(2) 熱間圧延による厚鋼板の製造方法において、鋼材をSi含有量(質量%)に応じた加熱炉温度で加熱した後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、仕上げ圧延後に、10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングおよび0.2〜2MPa の低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行い、鋼板表面温度が650℃以下になるように強制冷却することを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
(3) 熱間圧延による厚鋼板の製造方法において、鋼材をSi含有量(質量%)に応じた加熱炉温度で加熱した後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、仕上げ圧延後に、熱間矯正を行う場合に、熱間矯正の前あるいは熱間矯正の後に10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングおよび0.2〜2MPa の低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行うことを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
(4) 熱間圧延による厚鋼板の製造方法において、鋼材をSi含有量(質量%)に応じた加熱炉温度で加熱した後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、仕上げ圧延後に、熱間矯正を行う場合に、熱間矯正の前あるいは熱間矯正の後に10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングおよび0.2〜2MPa の低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行い、表面温度が650℃以下になるように強制冷却することを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
(5) (1)〜(4)のいずれかにおいて、仕上げ圧延後のデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りの前に厚鋼板を強制冷却することを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
(6) (1)〜(5)のいずれかにおいて、デスケーリングの高圧水を水平方向に対して傾斜させて噴射し、このデスケーリング水の水切りのための低圧水を、デスケーリングの高圧水の噴射方向に相対するように一定の距離をおいて水平方向に対して傾斜させて噴射することを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、基本的には、Siを0.1質量%以上含有する鋼材を、加熱炉で加熱して、熱間粗圧延機および熱間仕上圧延機で熱間圧延して厚鋼板を製造する場合において適用されるものである。
具体的には、図1に示すように、Siを0.1質量%以上含有する鋼材Sbを、加熱炉1において鋼材のSi含有量(質量%)に応じた温度域で加熱して鋼材Sb表面でのファイアライトの生成を抑制し、加熱炉1から抽出した鋼材Sbに対して、デスケーリング装置2からの10〜20MPa の高圧水噴射により1次スケールを除去後、粗圧延機3および仕上圧延機4で熱間圧延して厚鋼板Stを圧延し、この厚鋼板Stに対して、デスケーリング装置5からの10〜20MPa 高圧水噴射によりデスケーリングを行うと同時に、このデスケーリング装置5の上流側に向き合うように、一定の距離をおいて配置した水切り装置6から0.2〜2MPa の低圧水を噴射してデスケーリング水の水切り、すなわち、この低圧水による水切り水を、図7に示すように、厚鋼板の表面で高圧水によるデスケーリング水と距離cの一定領域内で衝突させて、デスケーリング水と水切り水の衝突流を速やかに厚鋼板の両側端から排出させるものである(以下、これを「デスケーリング水の水切り」という。)。
このようにして、デスケーリング水による冷却むらを防止しながら、粗圧延、仕上げ圧延過程で生成した2次スケールを確実に除去するものである。そして、厚鋼板の表面の残存スケールの層厚を、10μm以下、好ましくは5μm以下にして、スケールの密着性を良好にするものである。
【0008】
デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後は、復熱によるスケールの再生成をより確実に防止するために、図2に示すように、デスケーリング装置5の後段に冷却装置7を配置して強制冷却してから放冷することも可能である。この場合の強制冷却では、厚鋼板Stの表面温度が650℃以下になるようにすることが有効である。
【0009】
図3では、図1、図2の場合と同様に、仕上圧延機4の後にデスケーリング装置5を配置するとともに、このデスケーリング装置の上流側で向き合うように水切り装置6を配置し、その後に熱間矯正機8を配置して、仕上げ圧延して得られた厚鋼板Stに対して、デスケーリング装置5で高圧水噴射によるデスケーリングを行うと同時に、水切り装置6で低圧水噴射によりデスケーリング水の水切りを行って、デスケーリング水による冷却むらを防止しながら、粗圧延、仕上げ圧延過程で生成した2次スケールを確実に除去してから、熱間矯正機8で熱間矯正を行う場合を示している。
図4は、図3の場合で、熱間矯正後に、復熱によるスケールの再生成をより確実に防止するために、熱間矯正機8の後に冷却装置7を配置して強制冷却してから放冷するものである。この場合の強制冷却では、厚鋼板Stの表面温度が650℃以下になるようにすることが有効である。
【0010】
図5では、仕上圧延機4の後に熱間矯正機8を配置し、この熱間矯正機の後にデスケーリング装置5を配置するとともに、このデスケーリング装置の上流側で向き合うように水切り装置6を配置して、仕上げ圧延して得られた厚鋼板Stに対して、熱間矯正機8で熱間矯正を行い、熱間矯正後にデスケーリング装置5で高圧水噴射によるデスケーリングを行うと同時に、水切り装置6で低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行って、デスケーリング水による冷却むらを防止しながら2次スケールを除去する場合を示している。
図6は、図5の場合で、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後、復熱によるスケールの再生成をより確実に防止するために、デスケーリング装置5の後に冷却装置7を配置して強制冷却してから放冷するものである。この場合の強制冷却では、厚鋼板Stの表面温度が650℃以下になるようにすることが有効である。
【0011】
なお、図1〜図6において、デスケーリング装置5が上流側にあってもよい。ただし、水切り装置6はデスケーリング装置5と向き合うに一定距離をおいて配置して、水切り水がデスケーリング水と厚鋼板の表面で衝突するようにする。
図1〜図2の場合、仕上げ圧延後にデスケーリングを行う際、仕上げ圧延〜デスケーリングを行うまでの時間は5〜60秒の間である。図3〜図4の場合、仕上げ圧延後にデスケーリングを行う際、仕上げ圧延〜デスケーリングを行うまでの時間は5〜60秒、デスケーリング後、熱間矯正を行うまでの時間は1〜5秒程度である。図5〜図6の場合、仕上げ圧延後に熱間矯正を行う際、仕上げ圧延〜熱間矯正を行うまでの時間は5〜60秒、熱間矯正後、デスケーリングを行うまでの時間は1〜5秒程度である。
【0012】
なお、図1の例で仕上げ圧延に続いてデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行う場合において、仕上げ圧延直後の厚鋼板Stの温度が高い場合には、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り前に強制冷却を行ってもよい。
また、図3および図4の例で、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切りに続いて熱間矯正を行う場合において、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り直後の厚鋼板Stの温度が高い場合には、熱間矯正前に強制冷却を行ってもよい。
図5および図6の例で、仕上げ圧延に続いて熱間矯正を行う場合において、仕上げ圧延後の厚鋼板Stの温度が高い場合には、熱間矯正前に強制冷却を行ってもよい。
なお、図11に示すように、厚鋼板のスケール残存厚を10μm以下にするためには、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後の厚鋼板温度は、850℃以下が望ましい。
【0013】
以下に本発明の要部について詳述する。
本発明では、
(1)加熱炉で鋼材をSi含有量(質量%)に応じた温度域で加熱することを第一の構成要件とする。これは以下の知見に基づくものである。
加熱炉での加熱時の表面温度が高いと、鉄−Si酸化物が、ファイアライト (Fe2 SiO4 )を生成する。ファイアライトの融点は、SiO−FeO系の平行状態図より1173℃であり、加熱温度が1173℃以上になると、図8に示すように、このファイアライトAは鉄の結晶粒界Bに根のように入り込んだ状態になり、温度が融点以下になると固化し、40MPa 以上の高圧水噴射によるデスケーリングでなければ除去が困難なものであり、通常レベルの10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングでは残留することが多く、残留した場合には、粗圧延および仕上げ圧延過程において表面品質を低下させるとともに、ファイアライト上に密着性が悪く剥離しやすい鉄酸化物によるスケール層が成長(再生成を含む)する。
【0014】
この鉄スケール層は、一般に、図9に示すように、鉄に近い方から、FeO、Fe34 、Fe23 から構成され、このうち表層部のFe23 は、破壊されると粉状になり赤色を呈し表面品質を低下させる。
本発明者らは、このような知見から、鋼材を、加熱炉で加熱後、10〜20MPa の高圧水によるデスケーリングを行って、粗圧延および仕上げ圧延後に10〜20MPa の高圧水によるデスケーリングを行って得られた厚鋼板の鉄スケールの残存厚みを室温で測定して、加熱炉での加熱温度と仕上げ圧延後の鉄スケールの残存厚みとの関係を調査した。
その結果は、図10に示す通りで、加熱温度が1165℃以上の場合、鉄スケール層の残存厚みは10〜30μm以上であり、このスケールは表層部が密着性に乏しく破壊・剥離しやすい有害性の高いスケールになる。
これに対して、加熱温度が1165℃の以下の場合では、ファイアライトの生成は殆どなく、鉄スケールの残存厚みは10μm以下であり、このスケールは密着性があり剥離し難く、有害性の小さいものであり厚鋼板の表面品質を低下させるものではない。
【0015】
Si含有量(質量%)が0.1%の際には、前記の加熱温度が1230℃程度までは鉄スケールの厚みは10μm以下であった。また、図10に示すSi含有量(質量%)とスケール残存厚みの関係から、加熱炉温度のSi含有量(質量%)による加熱炉温度の規制値は以下の(1)式に従うように設定した。
Si>0.25% T=1173 T:温度(℃)
Si<0.25% T=−380Si+1268 (1)
【0016】
このような知見から、本発明では、加熱炉での加熱温度をSi含有量(質量%)に応じて規制し、10〜20MPa の高圧水によるデスケーリングを行うことによって、厚鋼板の表面に生成する鉄スケールの層厚を、10μm以下、好ましくは5μm以下にすることにより、鉄スケールの密着性を高め、破壊され難くすることにより、外観が赤色を呈さない鉄スケール層を実現させるものである。
【0017】
(2)粗圧延及び仕上げ圧延後に10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングを行い、圧延した厚鋼板に生成したスケールを除去するとともに、デスケーリング水の水切りを行って、デスケーリング水を一定領域内で安定排出させることを第二の要件にする。
デスケーリングは、粗圧延および仕上げ圧延過程で厚鋼板表面に生成したスケールの除去と、冷却に機能するものであり、このデスケーリングで厚鋼板の表面品質を安定確保するとともに、デスケーリング水の水切りを行って、厚鋼板に衝突後のデスケーリング水と水切り水を一定領域で衝突させて、この衝突流を厚鋼板の両側端から、すみやかに安定排出させるすることにより、デスケーリングで除去(剥離)したスケールの浮遊を助長させて、その排出をより確かなものにし、スケールの排出効率を高めることができる。
【0018】
また、図12に示すように、デスケーリング水の水切りを行わない場合に比較して、デスケーリング水(および水切り水)を一定領域で均一に流動させて速やかに排出させるため、冷却作用が均一になり、厚鋼板に対する進行方向の冷却むらを緩和して厚鋼板の温度分布をより均一化させ形状と機械的性質を安定確保できる。
ここでのデスケーリングは、10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングで、厚鋼板の上面側と下面側で行うものであり、噴射する高圧水は水切りを行うことから、前方または後方に角度α(60〜90°)傾斜させて噴射させることが好ましい。なお、高圧水の圧力は、10MPa 以上ないとデスケーリング能力が不十分であり、また、20MPa 超ではデスケーリング装置が過大になるため上記の圧力範囲とした。
【0019】
デスケーリング水の水切りは、厚鋼板の上面側で行う。下面側はデスケーリング水が衝突後、重力により落ちるので、水切りを行う必要はない。水切りは、0.2〜2MPa の低圧水噴射によるものであり、デスケーリングの高圧水噴射方向に対向するように、水平方向に対して角度β(30〜80°)傾斜させて低圧水を噴射させる。そして、図7に示すように、デスケーリング水の厚鋼板への衝突点から厚鋼板進行方向に沿った長さcだけ離れた地点でデスケーリング水の水切り水を衝突させ、デスケーリング水を厚鋼板幅方向端部より安定的に排出させることができる。なお、このデスケーリング装置と水切り装置は反対の位置関係になるように配置してもよい。
このように、デスケーリング水の水切りによって、デスケーリング水を厚鋼板幅方向端部より排出することにより、デスケーリング水が厚鋼板上に残存することによる厚鋼板冷却の不均一を抑制することができ、除去したスケールを安定的に浮遊させて除去することができる。
【0020】
デスケーリング水とデスケーリング水の水切り水の厚鋼板上での距離cについては、cが小さいと、水切り水がデスケーリング能力に影響し、デスケーリング能力が低下する現象が生じる。これは、水切り水とデスケーリング水が形成する滞留水により、デスケーリング水の衝突力が厚鋼板に衝突前に減衰するためである。また、cが小さいと、水切り能力が低下して、デスケーリング水が水切り水の衝突位置を越えて広がってしまい、厚鋼板冷却の不均一を抑制できない。cが大きいと、厚鋼板が冷却され温度の低下が著しいため、厚鋼板の機械的性質への影響が生じる可能性があり好ましくない。上記の理由により、cとしては、500〜4000mmが妥当である。
【0021】
なお、水切りの低圧水の噴射ノズル1本当たりの噴射圧力は、デスケーリングの高圧水の噴射ノズル1本当たりの噴射圧力の0.5〜20%程度にし、噴射量は、デスケーリングの高圧水の噴射量の20〜60%程度にすることで十分な効果が得られる。
高圧、すなわち、2MPa を超えるとデスケーリング水によるスケール除去効果が低下し、冷却が不均一になりやすくなるので好ましくない。さらに、低圧側、すなわち、0.2MPa 未満であると、デスケーリング水の排出効果が不十分となる。
このようなデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りによって、厚鋼板表面にデスケーリングで一旦除去(剥離)したスケールの付着残留を防止して、後工程でのスケール疵の発生を防止することができ、また、厚鋼板表面の鉄スケールを10μm程度まで厚みを薄くして、密着性のある無害性のものにすることができる。
【0022】
(3)(2)のデスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後は、放冷または強制冷却する。
仕上げ圧延直後の厚鋼板の表面温度は、750〜900℃であり、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切りによって、厚鋼板表面の鉄スケールを10μm程度まで薄くして、密着性のある無害性のものにすることができるが、厚鋼板の表面温度によっては、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後、復熱して、有害性の鉄スケールを再生成してスケールの厚みが10μm以上になり、厚鋼板の表面品質を低下させることがある。
【0023】
本発明者らの実験によれば、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後の厚鋼板の表面温度と、30℃以下まで温度降下した厚鋼板表面のスケールの厚みとの関係は、図11に示す通りで、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後の有害性の鉄スケールの再生成を防止し、厚鋼板表面の鉄スケールを、厚み10μm以下で密着性のある無害性のものに安定させるためには、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後、厚鋼板の表面温度を850℃以下にすることが有効である。
したがって、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切りによって、厚鋼板の表面温度を850℃以下にできる場合には、放冷しても有害性の鉄スケールの再生成はないが、850℃以上になる場合には、直ちに(好ましくは3秒以内)強制冷却して850℃以下に温度降下させることが好ましい。あるいは、圧延温度の調整により、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後の厚鋼板の表面温度を850℃以下にすることが可能である。
また、スケール厚みを5μm程度まで低減し、より密着性の高いスケールとするためには、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後に強制冷却を行う、あるいは圧延温度の調整で、厚鋼板の表面温度を図11に示すように、650℃以下にすることも可能である。
【0024】
(4)仕上げ圧延後に厚鋼板の形状を整えるために熱間矯正を行う場合は、熱間矯正前または熱間矯正直後にデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行う。
熱間矯正を、仕上げ圧延後に(2)のようにデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行った後に行う場合、厚鋼板の表面温度が850℃以下の場合には、熱間矯正中および熱間矯正後に復熱によるスケールの再生成は殆どなく、スケールの部分剥離などによる表面品質の低下はないので、熱間矯正後は放冷しても問題はない。
なお、熱間矯正後の厚鋼板の表面温度が850℃以上の場合には、復熱によるスケールの再生成の懸念があるので、熱間矯正後に強制冷却を行ってもよい。また、スケール厚みを5μm程度まで低減し、より密着性の高いスケールとするためには、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後に強制冷却を行う、あるいは圧延温度の調整で、厚鋼板の表面温度を図11に示すように、650℃以下にすることも可能である。
【0025】
このように、熱間矯正を、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行った後に行う場合には、熱間矯正におけるスケール疵の発生が抑制できる。
熱間矯正を、仕上げ圧延後に引き続いて行う場合には、熱間矯正後にデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行う。この場合、熱間矯正によってスケールの一部が剥離し、熱間矯正後のデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りによるスケールの除去が容易である。
熱間矯正後にデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行った後の厚鋼板の表面温度が850℃以下の場合には、スケールの生成は殆どなく、スケールの部分剥離などによる表面品質の低下はないので、熱間矯正後は放冷しても問題はない。
熱間矯正後の厚鋼板の表面温度が850℃以上の場合には、復熱によるスケールの再生成の懸念があるので、熱間矯正後に強制冷却を行ってもよい。また、スケール厚みを5μm程度まで低減し、より密着性の高いスケールとするためには、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後に強制冷却を行う、あるいは圧延温度の調整で、厚鋼板の表面温度を図11に示すように、650℃以下にすることも可能である。
【0026】
【実施例】
[実施例1]
図1の例において、Siを0.3質量%含有する鋼材Sbを、加熱炉1で1160℃以下で加熱し、加熱炉1から抽出後、デスケーリング装置2で15MPa の高圧水噴射によるデスケーリングを施し、加熱炉で生成した1次スケールを除去後、粗圧延機3および仕上圧延機4によって、厚み30mm、幅3000mmの厚鋼板Stを熱間圧延した。この圧延後の厚鋼板に対して、デスケーリング装置5で高圧水噴射によるデスケーリングを行うと同時に水切り装置6で低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行い、この厚鋼板を放冷した。
デスケーリング装置5は、複数のノズルを組み合わせ配置したもので、高圧水の噴射圧力14MPa 、水量はノズル1本当たり28リットル/分、ノズル先端と鋼板Stの表面間の距離は、板厚により異なるが、120〜200mm、噴射角度αを75°とした。
【0027】
デスケーリング水の水切り装置6は、複数のノズルを組み合わせ配置したもので、低圧水の噴射圧力は0.5MPa 、水量はノズルは1本当たり76〜110リットル/分、ノズル先端と厚鋼板Stの表面間の距離は、板厚により異なるが、600mm、噴射角度βを50°とし、噴射した低圧水による水切り水とデスケーリング水とが厚鋼板の表面において、その進行方向の約3mの範囲で衝突流を形成するようにした。
この実施例1では、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後の厚鋼板の表面温度は800〜830℃であった。この厚鋼板の放冷後の表面温度が30℃に温度降下した段階では、厚鋼板の表面には、9〜10μmの密着性の良好な無害性のスケールがあり、デスケーリングにより一旦除去されたスケールの付着残留も認められず、表面品質は良好であった。また、この厚鋼板はデスケーリング水の水切りによる冷却むら防止効果によって、形状および機械的性質も安定していた。
【0028】
[実施例2]
図2の例において、Siを0.15質量%含有する鋼材Sbを、加熱炉1で1200℃以下で加熱し、加熱炉1から抽出後、デスケーリング装置2で15MPa の高圧水噴射によるデスケーリングを施し、加熱炉で生成した1次スケールを除去後、粗圧延機3および仕上圧延機4によって、厚み25mm、幅2800mmの厚鋼板Stを熱間圧延した。
この圧延後の厚鋼板に対して、デスケーリング装置5で高圧水噴射によるデスケーリングを行うと同時に水切り装置6で低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行った。その直後の厚鋼板の表面温度は、830〜850℃であり、直後のクーリングベッドに設けた散水による簡易冷却装置7あるいは制御冷却装置7により厚鋼板の表面温度が650℃以下になるように強制冷却後、放冷した。デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り条件は、実施例1と同じ条件にした。
厚鋼板の表面温度が30℃に温度降下した段階では、厚鋼板の表面には、2〜4μmの密着性の良好な無害性のスケールが存在に、デスケーリングにより一旦除去されたスケールの付着残留も認められず、表面品質は良好であった。また、この厚鋼板はデスケーリング水の水切りによる冷却むら防止効果によって、形状および機械的性質も安定していた。
【0029】
また、上記の例において、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行った後に、制御冷却装置を用いて、冷却停止温度400℃まで制御冷却を行った。制御冷却時の表面のスケールむらが少ないため、制御冷却時の冷却むらがなく、制御冷却後、厚鋼板の表面温度が30℃に降下した段階では、表面品質、形状、機械的性質とも良好であった。
【0030】
[実施例3]
(1)図3の例において、Siを0.2質量%含有する鋼材Sbを、加熱炉1で1170℃以下で加熱し、加熱炉1から抽出後、デスケーリング装置2で15MPa の高圧水噴射によるデスケーリングを施し、加熱炉1で生成した1次スケールを除去後、粗圧延機3および仕上圧延機4によって、厚み32mm、幅2500mmの厚鋼板Stを熱間圧延した。
この圧延後、厚鋼板に対して、デスケーリング装置5で高圧水噴射によるデスケーリングを行うと同時に水切り装置6で圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行った。デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り条件は、実施例1と同じ条件にした。この厚鋼板を熱間矯正機(ここではローラーレベラー)8により、厚鋼板の形状をさらに安定化するために熱間矯正を行った。矯正直後の温度は750〜800℃であった。
この実施例3では、厚鋼板表面の温度が30℃に温度降下した段階では、厚鋼板の表面には7〜9μmの密着性の良好な無害性のスケールがあり、デスケーリングにより一旦除去されたスケールの付着残留は認められず、表面品質は良好であり、熱間矯正により形状をさらに安定させることができ、機械的性質も安定させることができた。
【0031】
[実施例4]
図4の例において、Siを0.1質量%含有する鋼材Sbを、加熱炉1で1220℃以下で加熱し、加熱炉1から抽出後、デスケーリング装置2で15MPa の高圧水噴射によるデスケーリングを施し、加熱炉で生成した1次スケールを除去後、粗圧延機3および仕上圧延機4によって、厚み30mm、幅2600mmの厚鋼板Stを熱間圧延した。
この圧延後、厚鋼板に対して、デスケーリング装置5で高圧水噴射によるデスケーリングを行うと同時に水切り装置6で圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行った。デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り条件は、実施例1と同じ条件にした。
【0032】
この厚鋼板を熱間矯正機(ここではローラーレベラー)8により、厚鋼板の形状をさらに安定化するために熱間矯正を行った。矯正後の温度は830〜850℃であり、その直後にクーリングベッドに設けた簡易冷却装置7あるいは制御冷却装置7により冷却して、厚鋼板の表面温度を650℃以下にして放冷した。
厚鋼板の表面温度が30℃に温度降下した段階では、厚鋼板の表面には、2〜4μmの密着性の良好な無害性のスケールがあり、デスケーリングにより一旦除去されたスケールの付着残留は認められず、表面品質は良好であり、熱間矯正により形状をさらに安定させることができ、機械的性質も安定させることができた。
【0033】
また、上記の例において、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行った後に、制御冷却装置を用いて、冷却停止温度400℃まで制御冷却を行った。制御冷却時の表面のスケールむらが少ないため、制御冷却時の冷却むらがなく、制御冷却後、厚鋼板の表面温度が30℃に降下した段階では、表面品質、形状、機械的性質とも良好であった。
【0034】
[実施例5]
図5の例において、Siを0.3質量%含有する鋼材Sbを、加熱炉1で1160℃以下で加熱し、加熱炉1から抽出後、デスケーリング装置2で15MPa の高圧水噴射によるデスケーリングを施し、加熱炉で生成した1次スケールを除去後、粗圧延機3および仕上圧延機4によって、厚み28mm、幅2800mmの厚鋼板Stを熱間圧延した。
この圧延後の厚鋼板に対して、熱間矯正機(ここではローラーレベラー)8により、厚鋼板の形状をさらに安定化するために熱間矯正を行った。熱間矯正後の厚鋼板の表面温度は650〜700℃であった。
【0035】
この熱間矯正後の厚鋼板にデスケーリング装置5で高圧水噴射によるデスケーリングを行うと同時に水切り装置6で圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行った。デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り条件は、実施例1と同じ条件にした。
厚鋼板の表面温度が30℃に温度降下した段階では、厚鋼板の表面には、厚みが3〜5μmの密着性の良好な無害性のスケールがあり、デスケーリングにより一旦除去されたスケールの付着残留は認められず、表面品質は良好であリ、熱間矯正により形状をさらに安定させることができ、機械的性質も安定させることができた。
【0036】
[実施例6]
図6の例において、Siを0.3質量%含有する鋼材Sbを、加熱炉1で1160℃以下で加熱し、加熱炉1から抽出後、デスケーリング装置2で15MPa の高圧水噴射によるデスケーリングを施し、加熱炉で生成した1次スケールを除去後、粗圧延機3および仕上圧延機4によって、厚み32mm、幅3000mmの厚鋼板Stを熱間圧延した。この圧延後の厚鋼板に対して、熱間矯正機(ここではローラーレベラー)8により、厚鋼板の形状をさらに安定化するために熱間矯正を行った。
【0037】
この熱間矯正後の厚鋼板にデスケーリング装置5で高圧水噴射によるデスケーリングを行うと同時に水切り装置6で圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行った。デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り条件は、実施例1と同じ条件にした。
デスケーリングおよびデスケーリング水の水切り後の厚鋼板の表面温度は830〜850℃であった。その直後に、クーリングベッドに設けた簡易冷却装置7あるいは制御冷却装置7により冷却して厚鋼板の表面温度を650℃以下にして放冷した。
厚鋼板の表面温度が30℃に温度降下した段階では、厚鋼板の表面には、厚みが2〜4μmの密着性の良好な無害性のスケールがあったが、デスケーリングにより一旦除去されたスケールの付着残留は認められず、表面品質は良好であリ、熱間矯正により形状をさらに安定させることができ、機械的性質も安定させることができた。
【0038】
また、上記の例において、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行った後に、制御冷却装置を用いて、冷却停止温度400℃まで制御冷却を行った。制御冷却時の表面のスケールむらが少ないため、制御冷却時の冷却むらがなく、制御冷却後、厚鋼板の表面温度が30℃に降下した段階では、表面品質、形状、機械的性質とも良好であった。
【0039】
[比較例1]
実施例1〜実施例6において、加熱炉1での鋼材Sbの加熱温度(最高温度)を(1)式の温度以上にした場合では、放冷または強制冷却して厚鋼板Stの表面温度を30℃まで降下させた段階での厚鋼板のスケール残存厚は15〜40μmとかなり厚く表層部が剥離しやすいものになっており表面品質が低下した。
【0040】
[比較例2]
実施例1〜実施例6において、デスケーリング水の水切りを省略した場合、デスケーリング後の鋼板の表面にデスケーリングで一旦除去(剥離)されたスケールの付着残留が認められ、実施例3および実施例4の場合では熱間矯正機後の厚鋼板表面にスケール疵の発生が認められ、表面品質が低下した。また、厚鋼板の温度分布が不均一で、矯正工程を有しない実施例1および実施例2の場合には、形状が不安定になり、また、機械的性質も不均一であった。
【0041】
なお、本発明は、上記の各実施例の内容に限定されるものではない。例えば、鋼材の加熱条件、デスケーリング条件、デスケーリング水切り条件、デスケーリングとデスケーリング水の水切り位置関係、熱間矯正条件、冷却条件などについては、圧延対象鋼材、厚鋼板のサイズ(特に板厚)、圧延条件、厚鋼板に要求される表面品質、形状、機械的性質などに応じて、上記請求項を満足する範囲内で変更のあるものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明では、Siを0.1〜wt%以上含有する鋼材を熱間圧延して、厚鋼板を製造する場合において、加熱炉でSi含有量(質量%)に応じた加熱温度で加熱して有害スケールの生成(成長)を抑制することができ、デスケーリングによるスケールの除去を容易にすることができる。
また、デスケーリング水の水切りを同時に行うことによって、厚鋼板の冷却むらを防止すると同時に、有害スケールを効果的に除去するものであり、残存スケールを均一に薄くして密着性のよいものにすることにより、厚鋼板の表面品質、形状、機械的性質を安定確保することができ、また、表面が滑らかであるため、刻印、製造番号などの視認性を良好にすることもできる。
さらに、スケールを除去することにより、制御冷却時の冷却の均一性も確保でき、制御冷却時の厚鋼板の形状、機械的品質についても良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の厚鋼板の製造方法を実施する設備配置例を示す説明図。
【図2】本発明の厚鋼板の製造方法を実施する他の設備配置例を示す説明図。
【図3】本発明の厚鋼板の製造方法を実施する他の設備配置例を示す説明図。
【図4】本発明の厚鋼板の製造方法を実施する他の設備配置例を示す説明図。
【図5】本発明の厚鋼板の製造方法を実施する他の設備配置例を示す説明図。
【図6】本発明の厚鋼板の製造方法を実施する他の設備配置例を示す説明図。
【図7】本発明の厚鋼板の製造方法におけるデスケーリングとデスケーリング水の水切りの際の噴射高圧水の衝突流とその排出状態を示す説明図。
【図8】加熱炉で加熱された鋼材表面におけるファイアライト生成状態を示す説明図。
【図9】厚鋼板の表面の鉄スケール層の形成状態を示す説明図。
【図10】鋼材の加熱炉内加熱温度と熱間圧延した厚鋼板の放冷後のスケール残存厚との関係を示す説明図。
【図11】仕上圧延後のデスケーリング後の厚鋼板の表面温度と放冷後の厚鋼板表面のスケール残存厚との関係を示す説明図。
【図12】仕上圧延後のデスケーリングのみ行った場合と、デスケーリングおよびデスケーリング水の水切りを行った場合と、デスケーリングを行わなかった場合の鋼板進行方向の温度分布を示す説明図。
【符号の説明】
Sb 鋼材
St 厚鋼板
1 加熱炉
2 スケール
3 粗圧延機
4 仕上圧延機
5 デスケーリング装置
6 水切り装置
7 冷却装置
8 熱間矯正機

Claims (6)

  1. 熱間圧延による厚鋼板の製造方法において、鋼材をSi含有量(質量%)に応じた加熱炉温度で加熱した後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、仕上げ圧延後に、10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングおよび0.2〜2MPa の低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行うことを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
  2. 熱間圧延による厚鋼板の製造方法において、鋼材をSi含有量(質量%)に応じた加熱炉温度で加熱した後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、仕上げ圧延後に、10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングおよび0.2〜2MPa の低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行い、鋼板表面温度が650℃以下になるように強制冷却することを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
  3. 熱間圧延による厚鋼板の製造方法において、鋼材をSi含有量(質量%)に応じた加熱炉温度で加熱した後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、仕上げ圧延後に、熱間矯正を行う場合に、熱間矯正の前あるいは熱間矯正の後に10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングおよび0.2〜2MPa の低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行うことを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
  4. 熱間圧延による厚鋼板の製造方法において、鋼材をSi含有量(質量%)に応じた加熱炉温度で加熱した後、粗圧延および仕上げ圧延を行い、仕上げ圧延後に、熱間矯正を行う場合に、熱間矯正の前あるいは熱間矯正の後に10〜20MPa の高圧水噴射によるデスケーリングおよび0.2〜2MPa の低圧水噴射によるデスケーリング水の水切りを行い、表面温度が650℃以下になるように強制冷却することを特徴とする熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
  5. 仕上げ圧延後のデスケーリングおよびデスケーリング水の水切りの前に厚鋼板を強制冷却することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
  6. デスケーリングの高圧水を水平方向に対して傾斜させて噴射し、このデスケーリング水の水切りのための低圧水を、デスケーリングの高圧水の噴射方向に相対するように一定の距離をおいて水平方向に対して傾斜させて噴射することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の熱間圧延による厚鋼板の製造方法。
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