JPS6321925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は熱間圧延用素材であるスラブ、鋼塊等
を加熱炉にて加熱した後圧延機にて圧延する前に
デスケーリングする水圧式スケールブレーカーに
関するものである。

〔従来技術〕

一般に素材は、加熱炉内で、また圧延材も時間
の経過とともにスケールがその表面に生成する。
これらスケールが付着したままの圧延材を圧延す
ると、ロールでスケールが押え込まれてスケール
疵、肌あれとなり、特にパス回数の少ない比較的
太径サイズで顕著となる。これを防止するために
熱間圧延に当つては、デスケーリング（以下デス
ケと略称する。）装置を設置し、圧延途中でスケ
ールを除去する。

従来、上述のデスケーリング装置としての水圧
式スケールブレーカーは、圧延素材（スラブ等）
の上下面のスケールを除去するために素材の上面
側、下面側にヘツダーおよびノズルを配設した装
置となつている。また一部には素材の両側面のス
ケールを除去できるようにヘツダー、ノズルを配
置したものもある。このようなスケールブレーカ
ーの場合、上下面側、あるいは両側面側のスケー
ルを除去できるが、この素材を圧延機に噛込ませ
ると、素材の進行方向に向つて前部及び後部の端
面のスケールが、ストリツパーガイドの上面に落
下し、次に材料が圧延機に噛込んだ際、前の落下
したスケールを捲き込み、落下疵となつて、製品
が不合格となることが多い。特に厚板圧延機にお
いて、この傾向が強く、この落込疵による不合格
率が0.1％にも達することがあり、改善が従来か
ら要望されていた。

〔考案の概要〕

本考案は叙上の従来装置におけるデスケーリン
グにおける欠点である落込疵を防止するためにな
されたものであり、素材（スラブ等）端面のスケ
ールを除去するために素材の上面側または下面側
にヘツダー及びノズルを配置し更に上下面デスケ
噴射用ノズルの中間にノズルを設け、素材の前後
部端面に高圧水を噴射する熱間スケールブレーカ
を提供することを目的とする。

即ち本考案は、熱間圧延用パスラインの鋼材の
スケール除去装置において、鋼材の上下面用デス
ケーリング噴射用ノズルを、前記パスラインの上
下に垂直面に対して鋼材の進行方向の上流側に向
つて10〜15゜の角度で複数組設けると共に、前記
鋼材の前後部端面用デスケーリング噴射ノズルを
前記上下面デスケーリング噴射用ノズルの中間部
でかつ前記パスラインの下方に鋼材の進行方向の
上流側と下流側に向つて夫々前記パスラインに対
して25〜30゜の角度で設け、更に該前後部端面用
デスケーリング噴射ノズルと前記パスラインとの
間に噴射孔を有する保護用エプロンを配設し、該
保護用エプロンの噴射孔を介して高圧水を噴射せ
しめ、前記鋼材の進行方向の前端面及び後端面の
スケールを除去することを特徴とする熱間圧延用
スケールブレーカである。

〔考案の実施例〕

本考案を実施例である図な基いて説明する。第
１図は本考案の実施例の説明図である。図におい
て１は搬送テーブルローラ、２は下面用デスケヘ
ツダーおよびノズル、３は上面用デスケヘツダー
およびノズル、４は前後部端面用デスケヘツダー
およびノズル５はデスケ保護用エプロン、６は素
材で７は素材の端面矢視は素材の進行方向を示す
ものである。

上下面用デスケノズル３および２の噴射角度β
は垂直面に対し10〜15゜程度の傾き角度をもつて
素材の上下面のスケールを除去しているのが通常
であり、素材の前後部端面７のスケール除去まで
は及ばない。なお噴射角度が15゜を越えると水の
垂直分力が小さくなり、脱スケーリング効果が小
さい又噴射角度が10゜未満と小さいとスケールの
排出方向，水の排水方向が圧延ロール側となるの
で好ましくない。そこで前後部端面用デスケヘツ
ダーおよびノズル４を上下面用デスケヘツダー２
と３の中間に配置する。然る場合前後部端面用デ
スケノズル４は素材が搬送されるパスラインＬと
αなる角度の噴射角度をもつて高圧水を素材の進
行方向に向つて前部及び後部の端面７に噴射する
構成となつている。この場合パスラインＬとの角
度αは小さい程スケールの除去能力は増加する
が、パスラインＬと前後部端面用デスケノズル４
との距離が短くなり、素材とノズル４が衝突する
危険性が増加する。そこでパスラインＬとの角度
αを25〜35゜にすると、スケールの剥離性も良好
で素材との衝突もなくなる。

角度αが35゜を越え大きいと鋼材の前後端面で
の水の直交力の分力の減少で脱スケール力が減少
し、かつ鋼材の前後端面に当たるまでの距離が大
きくなり脱スケール時間が短い。又角度αが25゜
未満と小さいと、テーブルロールに水が当たり、
かつ鋼材の前後端面の上部に当たる距離が長くな
り脱スケールが低下する。従つてパスラインＬと
の角度αを25〜35゜とすることが好ましい。

更に前後部端面用デスケ噴射ノズルを、上下面
デスケ噴射用ノズルの中間部でかつパスラインの
下方に鋼材の進行方向の上流側と下流側に向つて
夫々前記パスラインに対して25〜30゜の角度で設
けると、これらの噴射ノズルで前端面、後端面を
一圧延方向で圧延可能とするものであり、かつ下
部から噴射するものであり距離も近く水力を有効
に活用出来る。

なおデスケノズル保護用エプロン５を前後部端
面デスケノズル４上に設置し、デスケノズルの噴
射水を保護用エプロンの噴射孔８より噴射するこ
とにより上記危険性はより低減することとなる。

また前後部端面用デスケヘツダー４を上下面用
デスケヘツダー２，３の中間に配置したことによ
り、搬送テーブルローラ１上に素材が無い場合、
前後部端面用デスケヘツダーのノズルより高圧水
を噴射しても、高圧噴射水がＣ点において衝突し
互に干渉をし、特に前後部端面用デスケノズルの
高圧水の防水板を別に必要としない。

また素材後部の端面への高圧水の噴射は素材の
進行方向と同じ方向に噴射するので衝突エネルギ
ーを減少させる方向となつているが通常の約150
Kg／cm²程度の高圧噴射水を用いるのであれば、ス
ケールの剥離性には問題がなく、スケールの除去
は可能である。

本実施例においては前後部端面用デスケノズル
をパスラインＬの下面側に配置したが上面側でも
同様であり、必要であれば上下両面側に配置して
よいことは勿論のことである。

〔考案の効果〕

叙上の如く本考案の熱間圧延用スケールブレー
カーによれば、従来除去できなかつた圧延素材の
端面スケールを除去し得て、製品の落込疵をなく
し、製品の品質が著しく向上し、生産性を向上せ
しめ得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の熱間圧延用スケールブレーカ
ーの実施例説明図である。 １……搬送テーブルローラ、２……下面用デス
ケヘツダおよびノズル、３……下面用デスケヘツ
ダーおよびノズル、４……前後部端面用デスケヘ
ツダーおよびノズル、５……デスケ保護用エプロ
ン、６……素材、７……前後部素材の端面、８…
…噴射孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱間圧延用パスラインの鋼材のスケール除去装
   置において、鋼材の上下面用デスケーリング噴射
   用ノズルを、前記パスラインの上下に垂直面に対
   して前記鋼材の進行方向の上流側に向つて10〜
   15゜の角度で複数組設けると共に、前記鋼材の前
   後部端面用デスケーリング噴射ノズルを前記上下
   面デスケーリング噴射用ノズルの中間部でかつ前
   記パスラインの下方に鋼材の進行方向の上流側と
   下流側に向つて夫々前記パスラインに対して25〜
   30゜の角度で設け、更に該前後部端面用デスケー
   リング噴射ノズルと前記パスラインとの間に噴射
   孔を有する保護用エプロンを配設し、該保護用エ
   プロンの噴射孔を介して高圧水を噴射せしめ、前
   記鋼材の進行方向の前端面及び後端面のスケール
   を除去することを特徴とする熱間圧延用スケール
   ブレーカ。