JP2853534B2 - 塗装金属板 - Google Patents

塗装金属板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建造物外壁或いは道
路やトンネル等の構築物等に用いられる建材として施工
後も風砂による傷や汚れ、或いはNOx やSOx 等によ
る化学的侵食に耐える塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建造物の屋根材や外壁材、構築物
の内外装材等に用いられている塗装金属板は長期間の使
用に耐え、メンテナンスフリーを意図して耐汚染性や耐
薬品性、耐侯性を向上させる等の高性能化が図られてい
る。又、地域環境との調和を重んじて色調や光沢或いは
艶消しなどの意匠性も追求されている。
【0003】このような観点から、これらの性能を維持
するために塗装金属板の運搬時或いは加工時に発生する
塗膜の傷付きや施工後の風砂等による塗膜の摩耗や傷そ
の他汚染物質の沈着等が問題となる。
【0004】この問題に対処するため、一つの方策とし
て、塗膜の高硬度が得られやすいアクリル樹脂塗料を電
子線硬化させ高架橋化する方法が提案されている(例え
ば、特公昭55−5422号公報、特公昭56−807
0号公報)。しかし、電子線硬化法では、金属帯を連続
的に処理することが困難であり、切り板を用いねばなら
ず、又電子線照射雰囲気の酸素濃度を管理しなければな
らない等ライン生産上の不利な面が多い。
【0005】このため、従来、ライン生産上有利な焼付
け塗装法により上記の問題に対処しようとする試みがな
されてきた。これは、塗膜に骨材を添加することでその
硬度を高め性能を向上させようとするものである。
【0006】例えば、特公昭50−25485号公報や
特公昭51−8128号公報には最上層塗膜にガラス繊
維やガラスビーズを添加して塗膜の硬度を高め耐傷付き
性と耐摩耗性を向上させること、さらに、表面が滑らか
で塗膜との付着性に劣るこれらの添加物をシランカップ
リング剤で処理しその欠点を補う技術が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ガラス繊維や
ガラスビーズ等の骨材をシランカップリグ剤で処理して
も、これらと塗膜との付着性が未だ十分でないために塗
膜が擦られたとき骨材が摩耗するよりも脱落する傾向が
強く塗膜の減少量は大きい。しかも、骨材脱落部は汚れ
や腐食物質が溜まり欠陥を露呈するという問題があっ
た。
【0008】この発明はこの問題を解決するために行わ
れたもので、適切な焼付け硬化型塗膜中に繊維状或いは
粒状の骨材と共に粉状の骨材を共存させることにより、
耐傷付き性とともに耐摩耗性、耐薬品性及び耐汚染性を
兼ね備えた塗装金属板を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の手段は、金属板と化成処理層及び焼付け硬化型塗膜よ
り構成される金属板において、最上層塗膜がアクリル樹
脂を主体として、10wt% 以上40wt% 以下のモース硬
度4以上の混合骨材を含有するが、この混合骨材には粉
状骨材を必ず含み他の骨材が繊維状或いは粒状であっ
て、粉状骨材と繊維状骨材との混合物或いは粉状骨材と
粒状骨材との混合物又は粉状骨材と繊維状骨材及び粒状
骨材との混合物であり、前記粉状骨材は平均径が0.1
μm以上3μm以下であり、前記繊維状の骨材は平均太
さが0.1μm以上30μm以下で長さが太さの100
倍以下であり、粒状の骨材は平均粒径3μm以上30μ
m以下である塗装金属板、及び、この塗装金属板の望ま
しい態様である、繊維状骨材と粒状骨材の合計重量の
0.5〜10倍の重量の粉状骨材を含む前記の塗装金属
板である。
【0010】以下、本発明についてさらに詳しく述べ
る。金属板としては、冷延鋼板、亜鉛、亜鉛系合金、ア
ルミニウム、クロム、ニッケル或いはこれらの合金をめ
っきした鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板
等各種の金属板が使用できる。
【0011】化成処理層は、金属板に適した塗装前処理
により形成されればよく、クロメート処理、燐酸塩処理
や酸或いはアルカリによる活性化処理等により形成され
るものの他、電解処理により形成されるものでもよい。
【0012】下塗り層は本発明では必須ではない。必要
に応じ、金属板と上塗りとの密着性を高めたり、特別な
環境に対応したり意匠効果を期待する場合等に下塗り層
を形成してもよく、このような下塗り層を有するものも
本発明に含まれることはいうまでもない。下塗り層には
ラッカー系やオイル系の下塗り塗料も使用可能であり、
合成樹脂系塗料でもエポキシ系の他にウレタン系やリニ
ヤーポリエステル系樹脂塗料等或いはジンククロメート
等防錆顔料含有塗料など一般に用いられる下塗り塗料を
用いることができる。
【0013】最上層塗膜はアクリル樹脂を焼付け硬化し
て得られた塗膜よりなる。耐傷付き性および耐摩耗性の
観点から塗膜自身が一定の強度、硬度を持つことが必要
であり、また、耐薬品性および耐汚染性を兼ね備えた塗
膜が必要である。これらの特性をもつ樹脂としてアクリ
ル樹脂が優れている。
【0014】アクリル樹脂としては、例えば以下のよう
なモノマーを通常の重合法で合成したものが挙げられ
る。即ち、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブ
チル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシル
基を有するエチレン性モノマーや(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)
アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸n−オクチル等の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル型のエチレン性モノマー、更にこれらのモノ
マーと共重合可能なエチレン性モノマー並びに(メタ)
アクリルニトリル、スチレン等である。
【0015】アクリル樹脂の硬化剤としてはアミノ樹脂
またはブロックイソシアネートが好適である。アミノ樹
脂としてはn−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メ
ラミン樹脂等のメラミン樹脂やベンゾグアナミン樹脂等
が挙げられる。これらの樹脂は通常メラミン、ベンゾグ
アナミン等のアミノ化合物にホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド等のアルデヒドを付加させたものに炭素
数1〜4の一価のアルコールでエーテル化して得られ
る。このようなメラミン樹脂の例を挙げると、アルコキ
シ基がメトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基等であ
るアルコキシメチルメラミン樹脂等である。
【0016】これらのメラミン樹脂のアクリル樹脂に対
する使用量はアクリル樹脂100重量部に対し10〜1
00重量部であり、好ましくは20〜80重量部であ
る。硬化剤の量が少ないと耐薬品性、耐汚染性や耐傷付
き性が低くなる傾向があり、他方多過ぎると下地との密
着性が低下し加工に耐え難くなる。
【0017】ブロックイソシアネートとしては、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシア
ネートなどのブロックタイプが挙げられる。ブロック剤
としてはメチルエチルケトンオキシムやフェノール等で
ある。
【0018】ブロックイソシアネートのアクリル樹脂に
対する使用量は−NCO/−OH比で8/2〜1/9で
あり、好ましくは6/4〜2/8である。ブロックイソ
シアネートの使用量が少ないと耐薬品性、耐汚染性や耐
傷付き性が低くなる傾向があり、他方多過ぎると下地と
の密着性が低下し加工に耐え難くなる。
【0019】樹脂成分のみでは耐傷付き性と耐磨耗性の
改善に限度があり、より優れた耐傷付性及び耐磨耗性を
得るために本発明では骨材を添加する。本発明では塗膜
全体の10wt% 以上40wt% 以下のモース硬度4以上の
混合骨材を含有し、この混合骨材は粉状骨材を必ず含み
他の骨材が繊維状或いは粒状であって、粉状骨材と繊維
状骨材との混合物或いは粉状骨材と粒状骨材との混合物
又は粉状骨材と繊維状骨材及び粒状骨材との混合物から
なる。
【0020】即ち、骨材として形状、寸法の異なった骨
材を併用することが本発明における最大の特徴である。
前記粉状骨材は平均径が0.1μm以上3μm以下であ
り、前記繊維状の骨材は平均太さが0.1μm以上30
μm以下で長さが太さの100倍以下であり、粒状の骨
材は平均粒径3μm以上30μm以下である。骨材の硬
度は塗膜の耐磨耗性を上げるために大きい方がよいが、
モース硬度で4以上あれば充分である。
【0021】これらの骨材の量が少な過ぎると塗膜硬度
の増加が不充分であり、又、多過ぎると塗料の流動特性
を低下させ塗装作業性を阻害したり、塗膜の可撓性を低
下させる。骨材の総量が塗膜全体の10wt% 以上で40
wt% 以下の範囲で含ませるのが適切である。
【0022】繊維状骨材或いは粒状骨材骨材は比較的大
きく、主として傷付きや摩耗から塗膜を護るために添加
する。繊維状骨材或いは粒状骨材の大きさは塗膜の厚さ
に関連する。建材等に使われる塗装金属板の塗膜は加工
性や耐食性を考慮して一般に数10μmの厚さであり、
骨材が大き過ぎるとこれを保持しにくくなり、擦られた
ときに脱落しやすい。粒状骨材の粒径も繊維状骨材の太
さも30μmが上限である。粒径や太さが30μmを超
すと塗膜表面に凹凸が生じて水溶液や埃等が溜まり易く
なる。繊維状骨材の長さは分散状態に影響し、径に対し
長さが大き過ぎると塗料中で均一に分散させることが困
難になる。塗料中での偏在は塗装性を損ない、不均一な
塗膜が形成されるので、繊維状骨材の長さを太さの10
0倍以下に限定する。
【0023】他方、塗膜の硬度向上の効果から繊維状骨
材の平均の太さは0.1μmが下限であり、又粒状骨材
は平均粒径3μmが下限である。この繊維状骨材と粒状
骨材とは下記の粉状骨材と混在するとき同じように作用
するので、両方を併用してもよくまた、どちらか一方だ
けを使用してもよい。
【0024】本発明では上記の骨材に対して粉状骨材を
併用して使用することに大きな特徴がある。この粉状骨
材を繊維状骨材、粒状骨材と共存させると、粉状骨材が
これらの骨材に付着して絡まり、塗膜が擦られたときに
繊維状骨材、粒状骨材が脱落が少なくなり、耐傷付き性
が向上するとともに、耐磨耗性も向上する。効果的な範
囲は直径0.1μm以上3μm以下である。粉状骨材が
3μmを超えると繊維状骨材、粒状骨材に付着しにく
く、又0.1μm未満では絡まりの効果が小さくなり、
いずれも繊維状骨材、粒状骨材の脱落防止の効果が低下
する。又、径が3μm以下の粉状骨材は繊維状骨材、粒
状骨材の脱落を防止するだけでなく、大きな繊維状骨
材、粒状骨材の間隙を埋めて塗膜の硬度化に直接的にも
寄与する。更に、粉状骨材は繊維状骨材、粒状骨材の塗
料中の分散状態を均一化し塗装性を良くし、結果として
均一な塗膜が得られ塗装金属板の耐久性を向上させる。
【0025】また、粉状骨材は繊維状骨材、粒状骨材と
共存するこにより種々の効果を奏するが、繊維状骨材、
粒状骨材に対して含まれる量が少ないと、脱落防止、高
硬度化及び分散化効果も小さいく、又多過ぎれば繊維状
骨材、粒状骨材の耐傷付き性・耐磨耗性効果を減ずるこ
とになると共に、粉状骨材は形状が複雑なので塗膜表面
に微細な凹凸が多くなり耐汚染性や耐薬品性を低下させ
る。又、粉状骨材の周辺に繊維状骨材や粒状骨材が存在
しないと、粉状骨材は掻きむしられ易くなる。粉状骨材
の繊維状、粒状骨材との望ましい混合比は、繊維状骨材
および/または粒状骨材に対し粉状骨材が重量比で0.
5以上10以下の範囲である。
【0026】骨材として、粉状のものにアルミナ、炭化
チタン、窒化チタン、炭化珪素、窒化珪素、シリカ、ジ
ルコニア、アルミ−ジルコン複合酸化物、窒化硼素、炭
化硼素等が列挙され、繊維状骨材としては、ソーダ石灰
や硼珪酸のガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、炭素繊
維、セラミックス繊維等、粒状骨材としてはガラスビー
ズ、セラミックスビーズ等を用いることが出来る。これ
らの骨材には、塗膜との濡れ性及び密着性の向上のため
に、シランカップリング剤処理やチタンカップリング剤
処理等の表面処理を施してもよい。
【0027】上塗り、下塗り塗料には、可塑剤、乾燥
剤、分散剤、硬化触媒、顔料等も使用でき、特に、高温
焼付けの場合は酸化防止剤の添加は有用である。顔料と
しては、各種着色顔料の他体質顔料、防錆顔料の使用が
可能である。これらの塗料は、ロールコーター、カーテ
ンコータ、その他適宜の方法で塗装することができる。
【0028】
【作用】最上層塗膜がアクリル樹脂を主体とする塗膜で
あるので塗膜硬度が高く、耐傷付性、耐磨耗性および耐
薬品性、耐汚染性に優れる。また、上層塗膜中の繊維状
骨材、粒状骨材の存在により塗膜の耐疵付性、耐磨耗性
が優れる。
【0029】さらに、上層塗膜中の粉状骨材は前記の骨
材に絡まり、これらの骨材の脱落を防ぎ、また、これら
の骨材の間隙を埋めることにより塗膜の硬度の増加に寄
与し、さらに、これらの骨材の塗料中の分散状態を均一
化するので、塗装性が向上し、結果として均一な塗膜が
得られ、塗装金属板の耐久性が向上する。
【0030】
【実施例】金属板の表面に塗布型クロメート処理を施
し、その上にクロム系防錆顔料を混入したエポキシ樹脂
下塗り塗料を乾燥膜厚5μm塗布し成膜後、上塗りとし
て骨材を含むアクリル樹脂塗料を塗布し、焼付け硬化さ
せて金属塗装板試料を得た。金属板としては、SUS3
04、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板を使用
した。
【0031】上塗り塗料は、アミノ樹脂硬化型のアクリ
ルメラミン樹脂塗料〔商品名アクローゼ#6000クリ
ヤー〕(A)及びブロックイソシアネート硬化型のアク
リルウレタン樹脂塗料〔商品名オレスタ−Q−602〕
(B)を用い、これに粉状骨材と繊維状又は粒状骨材を
加え、サンドミルで攪拌し調整した。塗装はバーコータ
ーを用いて行い塗布量は乾燥膜厚25μm、焼付け条件
は280℃で120秒である。
【0032】試料はこの発明の条件範囲である実施例と
条件を外れた比較例及び粉状骨材を含まない従来例とに
ついて作製した。試料作製段階での上塗り塗装性、及び
得られた試料についての耐摩耗性、耐傷付き性、耐薬品
性及び耐汚染性については次の要領で調べた。
【0033】塗装性:平滑で一様な外観が容易に得られ
ることを指標にして、非常に良いものを◎、問題のない
ものを○、塗りにくいが塗装が可能なものを△、塗装が
困難なものを×として評価した。 耐摩耗性:JIS−K−5400−8.9に基づくテー
パー摩耗試験機を使用し、荷重500gで1000回転
後の摩耗量(mg)を求めた。
【0034】耐傷付き性:JIS−K−5400−6−
8.4に基づき、鉛筆硬度計を用い塗膜に傷が付かない
最高の鉛筆の硬さを求めた。 耐薬品性:5%硝酸又は5%苛性ソーダ水溶液を塗膜上
に1mL滴下して24時間放置した後、表面の変化を観
察し、変化のないものを○、わずかに滴下の跡が残った
ものを△、変色或いは塗膜が剥離したものを×として評
価した。
【0035】耐汚染性:赤及び青のマジックインキを塗
膜表面に塗り24時間後にエタノールを浸したガーゼで
拭い観察した。変化のないものを○、わずかにインキが
残ったものを△、明瞭に残ったものを×で評価した。調
査の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】この発明の実施例では、全ての試料につい
て塗装性が非常に良く、塗膜性能は耐傷付き性、耐薬品
性、耐汚染性の全ての特性を十分に満足するものであっ
た。これらの試験は塗装金属板使用前の試験であり、耐
薬品性及び耐汚染性については使用中に変化する可能性
がある。しかし、この発明では耐磨耗性及び耐傷付き性
が非常に良いので塗膜表面が変化せず、使用初期の優れ
た耐薬品性及び耐汚染性が長期にわたって保持される。
【0038】これに対して比較例では、大き過ぎる骨材
が含まれるNo. 12は塗装性、耐摩耗性、耐傷付き性に
劣り、繊維状骨材の長さが大き過ぎるNo. 13は塗装困
難で、塗膜の性能を調べられなかった。骨材の硬度が小
さいNo. 14、15は耐磨耗性と耐傷付き性に劣り、粉
状骨材の径が大き過ぎるNo. 16と小さ過ぎるNo. 17
は耐磨耗性と耐傷付き性に劣るとともにNo. 16は耐汚
染性にも若干劣った。繊維状又は粒状骨材に対して粉状
骨材の比率が小さ過ぎるNo. 18と大き過ぎるNo. 19
は耐磨耗性、耐傷付き性、耐薬品性、耐汚染性共に劣
り、骨材含有率が大き過ぎるNo. 20は塗装性も含め全
ての性能が不足した。
【0039】従来例では、粉状骨材が共存しないので、
耐磨耗性及び耐傷付き性に劣った。耐磨耗性及び耐傷付
き性に劣るものは、使用中に塗膜表面が荒れてやがて耐
薬品性や耐汚染性にも劣るようになることは容易に推測
できる。
【0040】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば比較
的大きい繊維状や粒状の骨材に比較的小さい粉状骨材を
付着させ絡ませている。このため、塗膜が擦られても繊
維状或いは粒状の骨材が脱落することがなく優れた耐磨
耗性と耐傷付き性とが得られ、又、塗料樹脂と繊維状又
は粒状の骨材が塗膜に与える耐薬品性と耐汚染性は長期
わたって持続される。このように、生産性の高い焼付け
硬化型塗装金属板の性能を満足のゆく段階にまで高めた
この発明の効果は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沢 健次 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 大村 雅紀 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特公 昭63−13827(JP,B2) 特表 平5−502051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 7/14 B32B 15/08 C08K 3/00 C08K 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板と化成処理層及び焼付け硬化型塗
    膜より構成される金属板において、最上層塗膜がアクリ
    ル樹脂を主体としてモース硬度4以上の混合骨材を10
    wt% 以上40wt% 以下含有し、この混合骨材は粉状骨材
    と繊維状骨材との混合物或いは粉状骨材と粒状骨材との
    混合物又は粉状骨材と繊維状骨材及び粒状骨材との混合
    物であり、前記粉状骨材は平均径が0.1μm以上3μ
    m以下であり、前記繊維状の骨材は平均太さが0.1μ
    m以上30μm以下で長さが太さの100倍以下であ
    り、粒状の骨材は平均粒径3μm以上30μm以下であ
    ることを特徴とする塗装金属板。
  2. 【請求項2】 繊維状骨材と粒状骨材の合計重量の0.
    5〜10倍の重量の粉状骨材を含む請求項1記載の塗装
    金属板。
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KR101821872B1 (ko) * 2013-03-28 2018-01-24 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 금속 기판, 그것을 이용한 서브스트레이트형 박막 태양 전지 및 톱 에미션형 유기 el 소자

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