JP2002248415A - 塗装鋼板およびその製造方法 - Google Patents
塗装鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
性および加工部の耐食性に優れた塗装鋼板およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 Alを質量%で、20〜95%含有し、
塗装前に130℃以上、250℃以下、好ましくは20
0℃以下に加熱保持された溶融めっき層を下地とし、塗
装前処理用の化成処理皮膜上に、塗膜厚が2μm以上、
15μm以下の下塗り塗膜、更に塗膜厚が5μm以上、
30μm以下でガラス転移温度:30℃以上、90℃以
下の上塗り塗膜を塗布する。 但し、溶融めっき層の
加熱昇温時間:t1(hr)はめっき皮膜が完全に凝固
している温度より式(1)を満足する時間、保持時間:
t2(hr)は30時間以内、且つ式(2)または式
(3)を満足する時間とする。 t1≦(T−30)/10・・・・(1) ここでt1(hr),T(℃):最高加熱温度 t2≦(280−T)/3・・・・(2) t2≦(200−T)/2・・・・(3) ここでt2(hr)、T(℃):最高加熱温度
Description
部においてもクラックが発生しない加工性に優れた塗装
鋼板およびその製造方法に関する。
鉛めっき鋼板を下地とした塗装鋼板は、特公昭46−7
161号公報に記載されているように、下地のめっき鋼
板が溶融亜鉛めっき鋼板に比べて高耐食性を有するた
め、優れた耐食性を示し、特にAlを55質量%含有す
る溶融亜鉛めっき鋼板表面に塗装を施した塗装鋼板を中
心に、近年建材分野で需要が伸びている。
めっき鋼板は、熱間圧延後酸洗脱スケールした熱延鋼
板、または冷延鋼板を連続式溶融めっき設備に装入して
製造される。
ず還元性雰囲気に保持された焼鈍炉に入り、所定温度に
加熱後、焼鈍と同時に鋼板表面に付着する圧延油等の除
去、酸化膜の還元除去が行われた後、下端がめっき浴に
浸漬されたスナウト内を通って、所定量のAlを含有し
た溶融亜鉛が入っているめっき浴内に浸漬される。
は、シンクロールを経由し、めっき浴の上方に引き上げ
られ、次いでめっき浴上に配置されたワイピングノズル
から加圧した気体の噴射により、めっき付着量が調整さ
れ、その後、冷却されて所定のめっき皮膜を有する溶融
めっき鋼板となる。
での熱処理条件、焼鈍炉の雰囲気条件、めっき浴組成や
めっき後の冷却速度等の操業条件が所有のめっき品質や
材質を確保するため、精度良く管理されている。
量%含有する溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜は,めっ
き皮膜の膜厚方向に積層し、主としてZnを過飽和に含
有したAlがデンドライト凝固した部分と、デンドライ
ト間隙の部分からなっており、優れた耐食性が得られ
る。
加されているSiの働きにより、めっき皮膜/下地鋼板
界面の合金相成長が抑制され、合金相の厚さは約1〜2
μmと薄く、優れた耐食性を示す特徴的な皮膜構造の部
分が多い。
工時にクラック起点として作用するので、合金相の成長
抑制はクラック発生を減じ、加工性向上効果をもたらす
ことが知られている。
めっき浴中機器等から溶出するFe,合金相抑制のため
のSiが含まれるが、それら以外にも何らかの元素が添
加され、合金相やめっき皮膜中にはそれらの元素が合金
あるいは単体として存在している。
用いられ、加工時にクラック(塗膜の割れ)の発生を防
止することが非常に重要となっている。上述したAlを
20〜95質量%含有する溶融亜鉛めっき鋼板を下地と
した塗装鋼板は、優れた耐食性を有する反面、めっきの
加工性の影響を大きく受け、他のめっき、例えばAlを
5質量%含有する亜鉛めっきを下地とした塗装鋼板(以
下、5%Al−Zn塗装鋼板)に比べ、加工時にクラッ
クが容易に発生し、加工強度が制限される場合が多い。
存在する約1〜2μm厚の合金相を起点とするものであ
るが、めっき皮膜のデンドライト間隙部を伝播経路とす
るため、同一加工条件においても同一めっき皮膜厚の5
%Al−Zn塗装鋼板と比し、開口部が大きく、肉眼で
視認され、外観不良とされやすい傾向がある。
や、特公昭61−28748号公報に開示されているよ
うに、めっき鋼板に所定の熱処理を施し、めっき鋼板自
体の延性を改善することが提案されている。
なるなど、他の特性が低下するため、厳しい加工を伴う
用途には用いられず、後者では、めっき皮膜の延性が改
善されたとしても、塗装を行った塗装鋼板としての加工
性やクラックが発生することにより低下する加工部の耐
食性が直接改善されるものではない。
Al−Zn塗装鋼板は、加工時にクラックの発生はない
ものの、耐食性に劣り、一方、Alを20〜95質量%
含有する溶融亜鉛めっき鋼板を下地とした塗装鋼板は、
折り曲げなどの加工の程度によって被加工部にクラック
が発生するため、加工性の向上が望まれている。
0〜95質量%含有する溶融亜鉛めっき鋼板を下地と
し、5%Al−Zn塗装鋼板を凌ぐ加工性に優れた塗装
鋼板及びその製造方法を提供することを目的とすること
にある。
を達成するため、Alを20〜95質量%含有する溶融
亜鉛めっき鋼板を下地とする塗装鋼板としての加工性、
加工部の耐食性を向上させる手段について鋭意検討を行
い、最適なめっき皮膜と塗膜の構成を見出した。
えてなされたものであり、すなわち、本発明は、 1.溶融めっき鋼板の表面を塗装する塗装鋼板であっ
て、 Alを質量%で、20〜95%含有し、塗装前に13
0℃以上、250℃以下に加熱保持された溶融めっき
層、但し、加熱昇温時間:t1(hr)はめっき皮膜が
完全に凝固している温度より式(1)を満足する時間、
保持時間:t2(hr)は30時間以内、且つ式(2)
を満足する時間とする。
度:30℃以上、90℃以下の上塗り塗膜、 を具備したことを特徴とする塗装鋼板。
び/又はエポキシ系樹脂を含むことを特徴とする1記載
の塗装鋼板。
含むことを特徴とする1又は2記載の塗装鋼板。
樹脂とアクリル樹脂を含むことを特徴とする1又は2記
載の塗装鋼板。
130℃以上、200℃以下で、加熱保持時間が式
(3)、式(4)を満足することを特徴とする1乃至4
の何れか一つに記載の塗装鋼板。
が完全に凝固している温度より式(3)を満足する時
間、保持時間:t2(hr)は30時間以内、且つ式
(4)を満足する時間とする。
塗り塗膜にクロム酸系化合物を塗膜の乾燥重量の1〜5
0重量%含むことを特徴とする1乃至5の何れか一つに
記載の塗装鋼板。
る塗装鋼板の製造方法。
る溶融めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板を、塗装前
に130℃以上、250℃以下に加熱保持する工程、但
し、加熱昇温時間:t1(hr)はめっき皮膜が完全に
凝固している温度より最高加熱温度まで式(1)を満足
する時間、保持時間:t2(hr)は30時間以内、且
つ式(2)を満足する時間とする。
上、15μm以下の下塗り塗膜を形成する工程、 .上塗り塗料を塗布し、焼付けし、塗膜厚が5μm以
上、30μm以下、ガラス転移温度が30℃以上、90
℃以下の上塗り塗膜を形成する工程。
ポキシ系樹脂を含有する塗料を最高到達温度150℃以
上270℃以下で焼付けて下塗り塗膜を形成し、ポリエ
ステル系樹脂またはポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリ
ル樹脂を含有する塗料を最高到達温度150℃以上28
0℃以下で焼付けて上塗り塗膜を形成することを特徴と
する7記載の塗装鋼板の製造方法。
130℃以上、200℃以下で、加熱保持時間が式
(3)、式(4)を満足することを特徴とする7又は8
に記載の塗装鋼板の製造方法。
が完全に凝固している温度より式(3)を満足する時
間、保持時間:t2(hr)は30時間以内、且つ式
(4)を満足する時間とする。
0〜95%含有する溶融めっき層を有する溶融亜鉛めっ
き鋼板を対象とし、溶融亜鉛めっき鋼板におけるめっき
層、及び該鋼板を下地とする塗装膜を規定する。
合は、めっき皮膜が、45〜65質量%のAlと、0.
7〜2.0質量%のSi,10質量%未満のFe,残部
が不可避不純物を含む実質的なZnから構成される溶融
めっき鋼板とすることが好ましい。
っき皮膜を完全に凝固している温度から加熱し、一定時
間保持する。
上、250℃以下の温度に加熱する。加熱温度は、めっ
き皮膜の加工性を十分向上させるため、130℃以上と
し、250℃を超えると、めっき皮膜/下地鋼板界面の
合金相が早く成長し、加工性を低下させるため、250
℃以下とする。望ましくは200℃以下とする。
(hr)が、式1(式3)を満足し、該温度における保
持時間t2が30時間以内、且つ式2を、望ましくは式
4を満足するように行う。保持時間は30時間よりも長
い場合、生産性を著しく低下させ、t2よりも長い場
合、めっき皮膜/下地鋼板界面の合金相が成長し、加工
性が低下する。
ないが、連続式溶融めっき設備内に加熱機構を設けイン
ラインで行う方法と、コイルに巻き取ったものをオフラ
インでバッチ焼鈍設備によりコイル毎加熱する方法とが
代表的なものとしてある。バッチ焼鈍設備の場合、大気
雰囲気、窒素などの不活性ガス雰囲気のいずれでも良
く、特に規定しない。
テイング、昇温加熱等に時間を要し、生産性を低下さ
せ、工業的原価を上昇させる場合がある。
ロメート処理、リン酸亜鉛処理、及び有機樹脂を主成分
とする処理等を用いることができる。一般的に、環境を
重視した場合は、有機樹脂を主成分とする処理、耐食性
を重視した場合は、クロメート処理が用いられる。但
し、リン酸亜鉛処理は工程が煩雑で、また、20〜70
%質量%のアルミを含む亜鉛系めっき鋼板ではリン酸が
反応が十分でない場合もあり得るので使用する場合には
その点を考慮する必要がある。
mを下回ると十分な防錆性が得られず、一方、15μm
を超えると耐傷付き性が低下し、工業的原価が上昇する
ため、2μm〜15μm(2μm以上、15μm以下)
とする。
を十分なものとする場合、ポリエステル系樹脂及び/又
はエポキシ系樹脂を用いることが好ましい。
ルA付加ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂として一部
をウレタン樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂など変性
したものが含まれる。
000〜30000、より好ましくは3000〜200
00のものが好ましい。数平均分子量が1000未満で
は、塗膜の伸びが不十分で、十分な加工性が得られず、
塗膜性能が不十分となる場合がある。
と主樹脂が高粘度となるため、過剰の希釈溶剤が必要
で、塗料中に占める樹脂の比率が低下し、適正な塗膜が
得られなくなり、他の配合成分との相溶性も低下する場
合がある。
ポリエステル樹脂を使用する場合、樹脂中のビスフェノ
ールAの含有量は、樹脂固形分中、1〜70質量%、よ
り好ましくは3〜60質量%、特に好ましくは5〜50
質量%とするのが好ましい。
塗膜強度を確保し、上限は塗膜の伸びの観点から、規定
される。
ルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレン、グリ
コール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプ
ロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、ア
ンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが
挙げられ、また、これらの多価アルコールを2種類以上
組合わせて用いることもできる。
基としては、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、
トリメリット酸が挙げられる。
酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク
酸、無水コハク酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸などが挙げられ、これらの多価塩基酸成分を2種類以
上組合わせて用いることもできる。
A,ビスフェノールF,ビスフェノールS等のビスフェ
ノール類とエピハロヒドリンあるいはβメチルエピハロ
ヒドリンとからなるエポキシ化合物、またはこれらの共
重合物が挙げられる。
ボン酸あるいはジカルボン酸変性物、モノ、ジもしくは
ポリアルコール変性物、モノもしくはジアミン変性物、
モノ、ジもしくはポリフェノール変性物もエポキシ樹脂
として使用できる。
ト化合物または/及びアミノ樹脂を用いることができ
る。
的製法で得られるイソシアネート化合物を用いることが
できるが、特に1液型塗料としての使用が可能である、
フェノール、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級ア
ルコール、ラクタム、オキシム等のブロック剤でブロッ
ク化されたポリイソシアネート化合物が好ましい。この
ブロック化ポリイソシアネート化合物を用いることによ
り1液での保存が可能となり、塗料としての使用が容易
となる。
合物としては、非黄変性のヘキサメチレンジイソシアネ
ート(以下、HDI)及びその誘導体、トリレンジイソ
シアネート(以下、TDI)及びその誘導体、4、4´
−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDI)
及びその誘導体、キシリレンジイソシアネート(以下、
XDI)及びその誘導体、イソホロンジイソシアネート
(以下、IPDI)及びその誘導体、トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート(以下、TMDI)及びその
誘導体、水添TDI及びその誘導体、水添MDI及びそ
の誘導体、水添XDI及びその誘導体が挙げられる。
エルウレタン(株)製)、デスモジュール(商品名、住
友バイエルウレタン(株)製)、コロネード(商品名、
日本ポリウレタン(株)製)などの市販のイソシアネー
ト化合物も使用できる。
用いる場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基とベース樹脂中の水酸基との配合比[NCO/O
H]はモル比で0.8〜1.2、より好ましくは0.9
0〜1.10の範囲とすることが望ましい。
は塗膜の硬化が不十分であり、所望の塗膜硬度及び強度
が得られない。
を超えると、過剰のイソシアネート基同士の或いはイソ
シアネート基とウレタン配合との副反応が生じて、塗膜
の加工性が低下する。
ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドと
の反応で得られる樹脂、及びこれらをメタノール、ブタ
ノールなどのアルコールによりアルキルエーテル化した
ものが使用できる。
ル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、n
−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラミン樹
脂などを挙げることができる。
ミッド(株)製)、ユーバン(商品名、三井化学(株)
製)、スミマール(商品名、住友化学工業(株)製)、
メラン(商品名、日立化成工業(株)製)等の市販のア
ミノ樹脂も使用できる。
ミノ樹脂とベース樹脂との配合比(固形分の重量比)
は、ベース樹脂/アミノ樹脂で(95/5)〜(65/
35),望ましくは(90/10)〜(75/25)と
することが好ましい。
で、9〜50質量%とするのが好ましい。9質量%未満
では、塗膜硬度が十分でなく、50質量%を超えると加
工性が不十分となる。
樹脂組成物には、目的、用途に応じてp−トルエンスル
ホン酸、オクトエ酸錫、ジブチル錫ジラウレートなどの
硬化触媒、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、酸化チ
タン、弁柄、マイカ、カーボンブラック、アルミニウム
粉などの顔料、クロム酸塩、リン酸塩など防錆顔料、そ
の他消泡剤、流れ止め剤などの各種添加剤を添加するこ
とができる。
れることが好ましい。これはクロム酸塩を含有すること
で、耐食性を向上させる効果があるためである。
ウム、クロム酸カリウム、クロム酸亜鉛、クロム酸カル
シウム、クロム酸バリウム等が挙げられ、中でもクロム
酸ストロンチウムが好適である。
に対し、1重量%以下であると十分な防錆が得られず、
50重量%以上であれば上塗り塗膜との十分な密着性が
得られない。このためクロム酸塩の含有量は1〜50重
量%とするのが好ましく、さらに好ましくは10〜45
重量%である。
μmを下回ると十分な加工性、加工部耐食性が得られ
ず、一方、30μmを超えると加工性が低下し、工業的
原価が上昇するため5μm〜30μm(5μm以上、3
0μm以下)とする。
℃以上、90℃以下とする。ガラス転移点が、30℃以
下では耐傷付き性が低下し、一方、90℃を超えると加
工性が低下し、めっき鋼板の加工性が向上しても、塗装
鋼板としての加工性は低下するため、30℃以上、90
℃以下とする。
を十分なものとする場合、ポリエステル系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いることが
好ましい。加工性の観点からはポリエステル系樹脂また
はポリフッ化ビニリデン系樹脂がより好ましく、さらに
コストを考慮するとポリエステル系樹脂が好ましい。
脂、シリコン変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリ
エステル樹脂を含み、主剤樹脂の硬化剤としては、プラ
イマーと同様にポリイソシアネート化合物又は/及びア
ミノ樹脂などを用いることが可能である。
も2個の水酸基を有し、且つ数平均分子量が1000〜
20000の化合物であれば特に限定されるものではな
いが、2000〜20000が特に好ましい。
場合がある。一方、20000を超えると耐候性が低下
し、高粘度になるため過剰の希釈溶剤が必要となり、塗
料中の樹脂の比率が低下するため、適切な塗膜が得られ
なくなり、他の配合成分との相溶性も低下する場合があ
る。
は、分子中の末端または側鎖のいずれにあってもよい。
数平均分子量は、GPCにより測定したポリスチレン換
算分子量とする。
ールを常法で加熱反応させて得られる共重合体である。
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット
酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸等を用いること
ができる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタンなどを用いることができる。
は、アルマテックス(商品名、三井化学(株)製)、ア
ルキノール(商品名、住友バイエルウレタン(株)
製)、デスモフェン(商品名、住友バイエルウレタン
(株)製)、バイロン(商品名、東洋紡績(株)製)等
がある。
成分として配合する場合、ポリフッ化ビニリデン樹脂と
アクリル樹脂とを混合して使用する。
均分子量が300000〜700000、融点150〜
180℃のものが好ましい。例えば、日本ペンウオルト
(株)製の「カイナー500(重量平均分子量:350
000、融点:160〜165℃)」等が例示できる。
リル樹脂としては数平均分子量が1000〜2000の
ものが好ましい。またアクリル樹脂は以下のようなモノ
マーの少なくとも一種(但、少なくとも一種のアクリル
モノマーを含む)を通常の方法により重合(または共重
合)させることにより得ることができる。
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシブチル等のヒドロキシル基を有するエチレン性モ
ノマー。
イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等のカルボキシル
基を有するエチレン性モノマー。
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
アクリン酸ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル等の、上述のモノマー(1)
及び(2)と共重合可能なエチレン性モノマー。
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン等のスチレン誘導体。
キシル基などの官能基を有するモノマーを使用すること
により、他の反応可能な成分との架橋反応が可能であ
る。
である必要はないが、自己架橋性とする場合には、分子
中に2個以上のラジカル重合性不飽和結合を有するいわ
ゆる架橋性モノマーを含有させる。ラジカル重合可能な
モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレ
ングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチル
グリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタ
エリエスリトールテトラメタクリレート、グリセロール
ジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、ジア
リルテレフタレート、ジアリルフタレート、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート等の重合性不
飽和化合物が挙げられる。架橋性モノマーはアクリル樹
脂の20重量%まで添加することができる。
との重量比(樹脂固形分の重量比)は[ポリフッ化ビニ
リデン樹脂]:[アクリル樹脂]=90:10〜50:
50とすることが好ましい。アクリル樹脂に対するポリ
フッ化ビニリデン樹脂の重量比が90:10を超えると
チクソトロピー性が高まり、ロールコーターでの塗装が
困難になるため仕上がりが不均一な塗膜となり塗装外観
が劣る。一方、50:50を下回ると塗膜密着性の経時
劣化が著しく、また耐候性も大きく低下するので好まし
くない。
リル樹脂を混合する場合、合計が塗膜の40重量部以上
となるように配合することが好ましい。合計が40重量
部未満では目的とする塗膜性能が十分に得られない。
はアクリル樹脂は硬化剤と組み合わせて使用される。こ
こで用いられる硬化剤としては、ポリイソシアネート化
合物または/及びアミノ樹脂を用いることができる。
的製法で得られるイソシアネート化合物を用いることが
できるが、特に1液型塗料としての使用が可能である、
フェノール、クレゾール、芳香族第二アミン、第三級ア
ルコール、ラクタム、オキシム等のブロック剤でブロッ
ク化されたポリイソシアネート化合物が好ましい。この
ブロック化ポリイソシアネート化合物を用いることによ
り1液での保存が可能となり、塗料としての使用が容易
となる。
合物としては、HDI及びその誘導体、TDI及びその
誘導体、MDI及びその誘導体、XDI及びその誘導
体、IPDI及びその誘導体、TMDI及びその誘導
体、水添TDI及びその誘導体、水添MDI及びその誘
導体、水添XDI及びその誘導体が挙げられる。
エルウレタン(株)製)、デスモジュール(商品名、住
友バイエルウレタン(株)製)、コロネード(商品名、
日本ポリウレタン(株)製)などの市販のイソシアネー
ト化合物も使用できる。
用いる場合、ポリイソシアネート化合物のイソシアネー
ト基とベース樹脂中の水酸基との配合比[NCO/O
H]はモル比で0.8〜1.2、より好ましくは0.9
0〜1.10の範囲とすることが望ましい。
は塗膜の硬化が不十分であり、所望の塗膜硬度及び強度
が得られない。
を超えると、過剰のイソシアネート基同士の或いはイソ
シアネート基とウレタン配合との副反応が生じて、塗膜
の加工性が低下する。
ベンゾグアナミン、メラミンなどとホルムアルデヒドと
の反応で得られる樹脂、及びこれらをメタノール、ブタ
ノールなどのアルコールによりアルキルエーテル化した
ものが使用できる。
ル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、n
−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラミン樹
脂などを挙げることができる。
ミッド(株)製)、ユーバン(商品名、三井化学(株)
製)、スミマール(商品名、住友化学工業(株)製)、
メラン(商品名、日立化成工業(株)製)等の市販のア
ミノ樹脂も使用できる。
ミノ樹脂とベース樹脂との配合比(固形分の重量比)
は、ベース樹脂/アミノ樹脂で(95/5)〜(65/
35),望ましくは(90/10)〜(75/25)と
することが好ましい。
で、9〜50質量%とするのが好ましい。9質量%未満
では、塗膜硬度が十分でなく、50質量%を超えると加
工性が不十分となる。
の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
定しないが、ロールコーター塗装、カーテンフロー塗装
などが好ましい。塗料組成物を塗装後、熱風加熱、赤外
線加熱、誘導加熱などにより、塗膜を焼き付け、樹脂を
架橋させて樹脂層を形成する。
(プライマー)では最高到達温度を150℃以上、27
0℃以下とし、30秒〜3分間保持するのが好ましい。
150℃未満では樹脂の重合反応が不十分で、溶剤に溶
け出したり、耐食性が低下する。一方、270℃を超え
ると、反応が過剰となり、上塗り塗料との密着性が低下
する場合がある。
280℃以下とし、30秒〜3分間保持するのが好まし
い。150℃未満では樹脂の重合反応が不十分で、溶剤
に溶け出したり、耐傷つき性が低下する。一方、280
℃を超えると、反応が過剰となり、加工性が低下する場
合がある。より好ましくは、200℃以上、280℃以
下とする。
mm)を連続式溶融めっき設備に通板し、55%Al−
Zn−1.5%Siめっき浴を用いて、溶融めっき鋼板
を製造した。ラインスピードは、160m/secと
し、片面めっき付着量は、75〜90g/m2とした。
尚、比較例として、5%アルミー亜鉛溶融めっきによる
溶融めっき鋼板も製造した。
(最高加熱温度、昇温加熱時間、保持時間)、及び下塗
り、上塗り塗膜の条件を種々変化させて、塗装鋼板を製
造した。
密着性、加工部耐食性および鉛筆硬度について評価を行
った。
折り曲げを行い、目視評価でクラックなしの最小板はさ
み枚数(T)を評価した。
°の6T折り曲げを行い、粘着テープを粘着・剥離し、
折り曲げ部の塗膜の剥離率(面積率%)を測定した。
70mmに切断し、20℃の室内にて3T折り曲げを行
い、4端部をタールエポキシ塗料でシールした試験片を
用いて、JIS K 5621に規定される乾湿繰り返
し条件を導入した促進試験(以下、CCT試験)を30
0サイクル実施した後、塗膜の膨れ率(面積率)を測定
した。
条件は、「5%塩水噴霧、30℃、0.5時間→湿潤9
5%RH,30℃、1.5時間→乾燥20%RH、50
℃、2時間→乾燥20%RH、30℃、2時間」を1サ
イクル(6時間)とし、これを所定の回数になるまで繰
り返すというものである。
基づいて、鉛筆硬度がHの鉛筆を用い、塗膜に傷が生じ
るか否かで判断した。
果を示す。表中、Tgはガラス転移温度を示す。尚、C
CT試験を300サイクル行った場合の本発明の実施例
を表1(但し、実施例2、4は、請求項5、9に対して
は比較例となる)、比較例の結果を表2に示す。また、
表3、4にプライマー塗膜成分、上塗り塗膜成分を示
す。
っき付着量は片面75g/mm2)に通常のクロメート
処理を施した後、下塗り、上塗りした塗装鋼板の性能を
評価したものである。
ブロックウレタン変性エポキシ樹脂(エポキー830、
三井化学製)125重量部、顔料としてクロム酸ストロ
ンチウム75重量部と酸化チタン25重量部とクレー2
5重量部を配合し、サンドミルで1時間攪拌して樹脂層
用の塗料組成物を調整したものとし、乾燥塗膜厚が4μ
mになるようにバーコーターで塗布し、鋼板の到達温度
220℃、焼付け時間38秒で焼付けた。
ポリエステル樹脂(アルマテックスP645,三井化学
製):100重量部、硬化剤としてメチル化メラミン
(サイメル303、三井化学製)25重量部、硬化触媒
としてp−トルエンスルホン酸を0.2重量部と顔料と
して酸化チタンを100重量部配合し、サンドミルで1
時間攪拌して樹脂層用の塗料組成物を調整したものと
し、乾燥塗膜厚が13μmになるようにバーコーターで
塗布し、鋼板の到達温度230℃、焼付け時間53秒で
焼付けた。
ツ製SS6100)にて0℃から150℃まで昇温スピ
ード10℃/min,荷重10gでガラス転移点を測定
したところ60℃であった。
塗料を乾燥塗膜厚が6μmになるようにバーコーターで
塗布し、鋼板の到達温度220℃、焼付け時間38秒で
焼き付け、塗装鋼板を得た。
板は加工性、加工部密着性、加工部耐食性、鉛筆硬度の
いずれの評価試験でも良好な特性が得られた。
きの熱処理条件を、実施例6、7は、下塗り(プライマ
ー)の塗膜厚を本発明の範囲内で変化させたものであ
り、良好な特性が得られている。尚、実施例2の熱処理
条件は保持時間が、実施例4の熱処理条件は、最高加熱
温度が240℃で、請求項4、請求項7の発明範囲外と
なっている。
(プライマー)の主樹脂としてポリエステル樹脂(アル
マテックスHMP27,三井化学製)を100重量部、
硬化剤としてメチル化メラミン(サイメル303、三井
化学製)25重量部、硬化触媒としてp−トルエンスル
ホン酸を0.2重量部に変更したもので、良好な特性が
得られている。
(プライマー)の主樹脂をウレタン変性エポキシ樹脂
(エポキー802−302CX,三井化学製)に変更し
たもので、良好な特性が得られている。
塗りの膜厚を本発明の範囲内で変化させたものであり、
良好な特性が得られている。実施例12は、上塗りの主
樹脂をアクリル樹脂(アルマテックス745−5M、三
井化学製),実施例13は、ポリフッ化ビニリデン樹脂
(カイナー500、日本ペンウォルト(株)製)とアク
リル樹脂(パロライト、ロームアンドハース(株)製)
とをフッ素樹脂/アクリル樹脂=70:30の比率で混
合したもの、実施例14はポリエステル樹脂(アルマテ
ックスP647BC)に変更したものであり、何れも良
好な特性が得られている。
硬化剤を主樹脂100重量部に対し、40重量部配合し
たものであり、良好な特性が得られている。
本発明範囲外であり、加工性等の特性が本発明実施例と
比較して劣っている。
2、3は、下塗り(プライマー)の塗膜厚、比較例4、
5は、上塗りの塗膜厚、比較例6、7は、上塗りのガラ
ス転移点が、本発明範囲外となっている。比較例8は、
めっきの熱処理を行わず、比較例9は、下塗り(プライ
マー)が省略され、比較例11は、めっき下地が5%ア
ルミー亜鉛溶融めっき鋼板で熱処理が省略となってい
る。
とし、折り曲げなどの加工部においても、耐食性が劣化
しない加工性に優れた塗装鋼板およびその製造方法が得
られ、産業上極めて有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】 溶融めっき鋼板の表面を塗装する塗装鋼
板であって、 1.Alを質量%で、20〜95%含有し、塗装前に1
30℃以上、250℃以下に加熱保持された溶融めっき
層、 但し、加熱昇温時間:t1(hr)はめっき皮膜が完全
に凝固している温度より式(1)を満足する時間、保持
時間:t2(hr)は30時間以内、且つ式(2)を満
足する時間とする。 t1≦(T−30)/10・・・・(1) ここでt1(hr),T(℃):最高加熱温度 t2≦(280−T)/3・・・・(2) ここでt2(hr)、T(℃):最高加熱温度 2.塗装前処理用化成処理皮膜、 3.塗膜厚が2μm以上、15μm以下の下塗り塗膜、 4.塗膜厚が5μm以上、30μm以下でガラス転移温
度:30℃以上、90℃以下の上塗り塗膜、 を具備したことを特徴とする塗装鋼板。 - 【請求項2】 下塗り塗膜がポリエステル系樹脂及び/
又はエポキシ系樹脂を含むことを特徴とする請求項1記
載の塗装鋼板。 - 【請求項3】 上塗り塗膜がポリエステル系樹脂を含む
ことを特徴とする請求項1又は2記載の塗装鋼板。 - 【請求項4】 上塗り塗膜にポリフッ化ビニリデン樹脂
とアクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2
記載の塗装鋼板。 - 【請求項5】 塗装前の溶融めっき層の加熱保持が13
0℃以上、200℃以下で、加熱保持時間が式(3)、
式(4)を満足することを特徴とする請求項1乃至4の
何れか一つに記載の塗装鋼板。 加熱昇温時間:t1(hr)はめっき皮膜が完全に凝固
している温度より式(3)を満足する時間、保持時間:
t2(hr)は30時間以内、且つ式(4)を満足する
時間とする。 t1≦(T−30)/10・・・・(3) ここでt1(hr),T(℃):最高加熱温度 t2≦(200−T)/2・・・・(4) ここでt2(hr)、T(℃):最高加熱温度 - 【請求項6】 下塗り塗膜にクロム酸系化合物を塗膜の
乾燥重量の1〜50重量%含むことを特徴とする請求項
1乃至5の何れか一つに記載の塗装鋼板。 - 【請求項7】 以下の工程を備えたことを特徴とする塗
装鋼板の製造方法。 1.Alを質量%で、20〜95%含有する溶融めっき
層を有する溶融亜鉛めっき鋼板を、塗装前に130℃以
上、250℃以下に加熱保持する工程、但し、加熱昇温
時間:t1(hr)はめっき皮膜が完全に凝固している
温度より最高加熱温度まで式(1)を満足する時間、保
持時間:t2(hr)は30時間以内、且つ式(2)を
満足する時間とする。 t1≦(T−30)/10・・・・(1) ここでt1(hr),T(℃):最高加熱温度 t2≦(280−T)/3・・・・(2) ここでt2(hr)、T(℃):最高加熱温度 2.塗装前処理用化成処理を行なう工程、 3.下塗り塗料を塗布し、焼付けし、塗膜厚が2μm以
上、15μm以下の下塗り塗膜を形成する工程、 4.上塗り塗料を塗布し、焼付けし、塗膜厚が5μm以
上、30μm以下、ガラス転移温度が30℃以上、90
℃以下の上塗り塗膜を形成する工程。 - 【請求項8】 ポリエステル系樹脂及び/またはエポキ
シ系樹脂を含有する塗料を最高到達温度150℃以上2
70℃以下で焼付けて下塗り塗膜を形成し、ポリエステ
ル系樹脂またはポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹
脂を含有する塗料を最高到達温度150℃以上280℃
以下で焼付けて上塗り塗膜を形成することを特徴とする
請求項7記載の塗装鋼板の製造方法。 - 【請求項9】 塗装前の溶融めっき層の加熱保持が13
0℃以上、200℃以下で、加熱保持時間が式(3)、
式(4)を満足することを特徴とする請求項7又は8に
記載の塗装鋼板の製造方法。 加熱昇温時間:t1(hr)はめっき皮膜が完全に凝固
している温度より式(3)を満足する時間、保持時間:
t2(hr)は30時間以内、且つ式(4)を満足する
時間とする。 t1≦(T−30)/10・・・・(3) ここでt1(hr),T(℃):最高加熱温度 t2≦(200−T)/2・・・・(4) ここでt2(hr)、T(℃):最高加熱温度
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