JP2850782B2 - 電子写真用キャリア、その製造方法、電子写真用現像剤、及び、電子写真用帯電付与部材 - Google Patents

電子写真用キャリア、その製造方法、電子写真用現像剤、及び、電子写真用帯電付与部材

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JP2850782B2
JP2850782B2 JP7006885A JP688595A JP2850782B2 JP 2850782 B2 JP2850782 B2 JP 2850782B2 JP 7006885 A JP7006885 A JP 7006885A JP 688595 A JP688595 A JP 688595A JP 2850782 B2 JP2850782 B2 JP 2850782B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法等により形成される静電荷像を二成分現像剤で現像す
るときに用いる正帯電性電子写真用キャリア、その製造
方法、正帯電性電子写真用帯電付与部材、及び、電子写
真用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法など静電荷像を経て画像情報
を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されてい
る。電子写真法では、帯電、露光工程で感光体上に静電
潜像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像
し、転写、定着工程を経て可視化される。ここで用いる
現像剤は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤と、
磁性トナーなどのように単独で用いる一成分現像剤があ
るが、二成分現像剤は、キャリアが現像剤の攪拌、搬
送、帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離が
なされているため、制御性がよいなどの理由で現在広く
用いられている。特に、樹脂被覆キャリアを用いる現像
剤は、帯電制御性が優れ、環境依存性並びに経時安定性
の改善が比較的容易である。また、現像方法としては、
古くはカスケード法などが用いられてきたが、現在は現
像剤搬送担体として磁気ロールを用いる磁気ブラシ法が
主流である。
【0003】二成分現像剤を用いる磁気ブラシ法には、
現像剤の帯電劣化による画像濃度の低下、著しい背景部
汚れの発生、画像へのキャリアの付着による画像の荒
れ、キャリアの消費、及び、画像濃度ムラの発生などの
問題がある。現像剤の帯電劣化は、キャリアコート層へ
のトナー成分の固着又はコートの剥がれなどにより発生
し易く、また、コート層が不均一になると、湿度、温度
などの環境変動時、トナー追加時及び高トナー濃度時に
背景部汚れ等を発生する傾向がある。
【0004】これらの帯電劣化を防止するため、被覆樹
脂の硬度を挙げて剥がれ難くしたり、被覆樹脂の表面エ
ネルギーを下げることにより、キャリアコート層へのト
ナー成分の固着を防止したり、これらの方法を併用して
帯電劣化を防止する努力がなされてきた。例えば、帯電
安定性及びキャリア劣化防止を目的に、ポリアクリロニ
トリル及びアクリロニトリル共重合体を用いた負帯電性
キャリアが提案されている。なお、トナーは、エポキシ
系正帯電トナーと組み合わせた実施例が記載されている
(特開昭54─92244号公報参照)。ポリアクリロ
ニトリル樹脂は通常有機溶媒に不溶であるため、ここで
は、モノマーの状態のアクリロニトリルを核体粒子表面
にコートした状態で重合するか、アクリロニトリルにス
チレン及びブタジエンを共重合したABS樹脂をクロロ
ホルムに溶解して核体粒子に被覆する方法が採用されて
いる。しかし、これらの方法では、均一で、安定した被
膜を形成することは困難であった。
【0005】一方、省エネルギー、高速化の要請に対応
するために、より低温定着性を有するトナーが求められ
ているが、この種のトナーは、接触加熱定着方式では、
熱ロールへのオフセットが発生し易く、低温定着性と耐
オフセット性を両立させることが課題となっている。
【0006】従来、定着性を改善する目的で、結着樹脂
に低分子量と高分子量の領域にそれぞれ分子量分布の極
大値を有するものを使用すること(例えば、特開昭56
─16144号公報参照)や、結晶性でシャープメルト
性を有するポリエステル樹脂を用いることが提案されて
いるが、貯蔵中の熱凝集性が悪い。熱凝集性を改善する
ために、一般的にはトナー表面に無機微粒子を付着させ
るが、ポリエステル樹脂自体の帯電環境依存性が良くな
い上、多量の無機微粒子を付着すると、一層帯電環境依
存性が悪化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の欠点を解消し、以下の特徴を備えた正帯電性電子写
真用キャリア、その製造方法、正帯電性電子写真用帯電
付与部材及び電子写真用現像剤を提供しようとするもの
である。 (1) 環境変動などによる帯電性変化に対する画質維持性
を改善すること。 (2) 接触加熱定着方式で、最低定着温度とホットオフセ
ットを生じない最高温度との幅が広く、定着可能温度域
が極めて広いこと。 (3) 貯蔵中に熱凝縮を起こさないこと。 (4) トナー追加時の背景部汚れを改善するとともに、現
像剤、帯電付与部材の寿命を延長すること。 (5) キャリア付着を防止して安定した高い画質を確保す
るとともに、キャリアの消費を抑制すること。 (6) 黒ベタ及び細線再現性に優れた画質を提供できる静
電荷像現像用正帯電キャリア及び正帯電付与部材を提供
すること。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アクリロ
ニトリル共重合体が正帯電維持性に優れていることに着
目し、上記の課題を解決することができる正帯電性電子
写真用キャリア及びその製造方法、並びに正帯電性電子
写真用帯電付与部材を完成するに至った。また、トナー
の結着樹脂としてポリエステルを使用し、上記の正帯電
性電子写真用キャリアとともに現像剤として使用するこ
とにより、広い定着可能温度域を有し、かつ、ポリエス
テル樹脂の欠点である帯電環境依存性、凝集性を改善す
る手段を見出し、本発明を完成した。具体的な態様は以
下のとおりである。
【0009】 (1) アクリロニトリルを単量体成分とし
て5〜80重量%含有する共重合体であって、ガラス転
移温度が70〜200℃の範囲にあるものを少なくとも
含有する樹脂で、芯材を被覆してなることを特徴とする
正帯電性電子写真用キャリア。
【0010】(2) アクリロニトリル以外の共重合成分と
して、スチレン及び(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルのうちの少なくとも1種を含有することを特徴とする
上記(1) 記載の正帯電性電子写真用キャリア。
【0011】 (3) アクリロニトリル共重合体の溶融粘
度が280℃で 104ポイズ以下であることを特徴と
する上記(1) 又は(2) 記載の正帯電性電子写真用キャリ
ア。
【0012】 (4) アクリロニトリルを単量体成分とし
て含有する共重合体であって、ガラス転移温度が70〜
200℃の範囲にあるものを少なくとも含有する樹
と、核体粒子とを乾式混合した後、前記樹脂を加熱して
溶融し、核体粒子を被覆することを特徴とする正帯電性
電子写真用キャリアの製造方法。
【0013】 (5) アクリロニトリルを単量体成分とし
て5〜80重量%含有する共重合体であって、ガラス転
移温度が70〜200℃の範囲にあるものを少なくとも
含有する樹脂で、芯材を被覆してなることを特徴とする
正帯電性電子写真用帯電付与部材。
【0014】 (6) アクリロニトリルを単量体成分とし
て含有する共重合体であって、ガラス転移温度が70〜
200℃の範囲にあるものを少なくとも含有する樹脂
で、芯材を被覆してなる正帯電性電子写真用キャリア
と、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いてなる負帯
電性トナーとからなることを特徴とする電子写真用現像
剤。
【0015】(7) 前記結着樹脂がテトラハイドロフラン
不溶分を10〜40重量%含有してなるポリエステル樹
脂であることを特徴とする上記(6) 記載の電子写真用現
像剤。
【0016】(8) 前記トナー表面に無機微粒子を0.2
〜3重量%添加してなることを特徴とする上記(6) 又は
(7) 記載の電子写真用現像剤。 (9) 前記無機微粒子が無機酸化物であることを特徴とす
る上記(8) 記載の電子写真用現像剤。
【0017】(10)前記無機微粒子の表面が疎水化処理さ
れてなることを特徴とする上記(8)又は(9) 記載の電子
写真用現像剤。 (11)前記無機微粒子がシリコーンオイル、ジメチルジク
ロロシラン又はヘキサメチルジシラザンで表面処理され
ていることを特徴とする上記(10)記載の電子写真用現像
剤。
【0018】本発明に用いるアクリロニトリル共重合体
は、アクリロニトリルを含有するものであればよいが、
アクリロニトリル共重合成分としては、スチレン、又
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸ノルマルブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル類が好適である。
【0019】アクリロニトリルの含有量は、組み合わせ
る共重合体により異なるが、5〜80重量%、好ましく
は10〜70重量%、より好ましくは10〜65重量%
の範囲が適当である。80重量%を越えると、共重合体
のガラス転移温度が高くなりすぎ、5重量%未満では帯
電制御効果を充分に発揮することができない。
【0020】本発明に用いるアクリロニトリル共重合体
は、ガラス転移温度が70〜200℃、好ましくは75
〜190℃、より好ましくは80〜180℃の範囲が適
している。ガラス転移温度が70℃を下回ると、実機内
で使用するときに、熱でキャリアの流動性を悪化する。
また、200℃を上回ると、溶融時に被覆樹脂が分解す
る恐れがある。
【0021】なお、本発明におけるガラス転移温度は、
島津製作所(株)製示差走査熱量計DSC−50を用い
た。また、溶融開始温度及び溶融粘度の測定は、島津製
作所(株)製フローテスターCFT−500Cを用い
た。そして、溶融粘度は直径0.5mmのダイを用い、
荷重20kgf、昇温速度3℃/分で測定した。
【0022】本発明に用いるアクリロニトリル共重合体
は、溶融粘度が280℃で104 ポイズ以下、好ましく
は260℃で104 ポイズ以下、より好ましくは240
℃で104 ポイズ以下が好適である。溶融粘度が280
℃で104 ポイズを越えると、均一なコート被膜を得る
ことが困難になる。また、適度の溶融粘度を得るため
に、280℃より高い温度にすると、被覆樹脂を溶融す
るときに樹脂の分解を生ずる恐れがある。
【0023】本発明で使用する被覆樹脂は、アクリロニ
トリル共重合体単独で使用してもよいが、表面エネルギ
ー低減や帯電量の調整等の目的で、他の樹脂を混合して
使用することもできる。他の樹脂としては、フッ化ビニ
リデン、テトラフロロエチレン、ヘキサフルオロプロピ
レン、モノクロロトリフロロエチレン、モノクロロエチ
レン、トリフロロエチレン、パーフロロアルキルアクリ
レートなどのフッ素含有モノマーの重合体;スチレン、
クロルスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;メチ
ルメタクリレート、メチルアクリレート、プロピルアク
リレート、ラウリルアクリレート、メタクリル酸、アク
リル酸、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、
2-エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート
等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸類;ジメチルア
ミノエチルメタクリレートなどの含窒素脂肪族モノカル
ボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
ニトリル類;2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン等の
ビニルピリジン類;ビニルエーテル類;ビニルケトン
類:エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン
類;メチルシリコン、メチルフェニルシリコン等のシリ
コン類などの単独重合体、又は共重合体を使用すること
ができる。また、ビスフェノール、グリコール等を含む
ポリエステル類も使用することができる。アクリロニト
リル共重合体と他の樹脂を混合して使用するときには、
その混合比を99:1乃至20:80、好ましくは9
0:10乃至50:50の範囲にするのがよい。
【0024】磁性核体粒子としては、通常のフェライト
粒子、造粒マグネタイトなどほぼ球形の形状を有し、表
面性の制御可能な粒子を使用することができ、表面性の
制御手段としては、原料粒子径と焼成条件がある。核体
粒子の粒径は通常20〜120μmの範囲のものが使用
される。
【0025】被覆樹脂の配合量は、キャリアに対して総
量で0.1〜10重量%、好ましくは1.0〜7重量
%、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲が、画質維
持性、2次障害の回避、及び、帯電性を確保する上で適
している。また、帯電付与部材については、金属スリー
ブやブレード表面に対し、上記の被覆樹脂を溶融して被
覆もしくは溶剤に溶解して被覆することができる。
【0026】本発明のキャリアの製造方法は、被覆樹脂
と核体粒子を溶剤を用いずに乾燥状態で混合した後、被
覆樹脂の融点以上の温度に加熱し、混練して被覆樹脂を
溶融被覆する。製造装置としては、加熱型ニーダー、加
熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサー、プラネタリー
ミキサーなどを使用することができる。
【0027】被覆樹脂の添加は、常温で核体粒子と混合
した後、融点以上に加熱するか、核体粒子のみ融点以上
の温度に加熱した状態で添加することも可能である。上
記の方法で被覆された粒子は、そのままキャリアとして
使用できるが、さらに、他の樹脂を溶融被覆したり、溶
剤に溶解した他の樹脂を溶液コート法で被覆して複層キ
ャリアとして用いることも可能である。
【0028】本発明のトナーは、結着樹脂中に着色剤を
分散させたものが使用される。トナーに使用する結着樹
脂としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチ
ルスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n
−プロピル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸2-エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪族モノ
カルボン酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル等の
ビニルニトリル類;2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジ
ン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニ
ルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメ
チルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニ
ルケトン等のビニルケトン類:エチレン、プロピレン、
イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素類及びその
ハロゲン化物、クロロプレン等のハロゲン系不飽和炭化
水素類などの単量体による重合体、又は、これらの単量
体を2種以上組み合わせて得られる共重合体、さらに
は、これらの混合物、また、ロジン変性フェノールホル
マリン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエ
ーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、又は、これらと上
記のビニル系樹脂との混合物を挙げることができる。
【0029】本発明のトナーに用いる結着樹脂の中で
は、特に、ポリエステル樹脂が好ましい。このポリエス
テル樹脂は、多価ヒドロキシ化合物と、多価カルボン酸
又はこれらの低級アルキルエステル、酸無水物、酸ハロ
ゲン化物等の反応性酸誘導体とからなる。
【0030】前記多価ヒドロキシ化合物としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレ
ングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等
のポリプロピレングリコール、ビスフェノールA及びそ
の誘導体、そのアルキレンオキサイド付加物、水素添加
ビスフェノールA等の2価ヒドロキシ化合物の他に、グ
リセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、トリメ
チロールプロパン等の3価以上のヒドロキシ化合物等を
用いることができる。
【0031】前記多価カルボン酸としては、マロン酸、
コハク酸、グルタル酸、1,2,5−ヘキサントリカル
ボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、
n−オクチルコハク酸、1,3−ジカルボキシ−2−メ
チル−2−カルボキシメチルプロパン、テトラ(カルボ
キシメチル)メタン、マレイン酸、フマル酸、ドデセニ
ルコハク酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ナフタレントリ
カルボン酸等を用いることができる。
【0032】本発明で使用するポリエステル樹脂の重量
平均分量Mwは7000〜50000の範囲、数平均分
量Mnは2000〜10000の範囲で、ガラス転移点
Tgは50〜70℃の範囲が望ましい。本発明で使用す
るトナー用結着樹脂は、テトラハイドロフラン(以下、
THFと略記する)不溶分が5〜40重量%の範囲、好
ましくは10〜25重量%の範囲が適している。10重
量%を下回ると、耐オフセット性が劣り、40重量%を
越えると、粉砕性が劣る。
【0033】本発明において、THF不溶分とは、紙料
をTHFに溶解するときの紙不透過分をいい、次のよう
にして求めることができる。 紙料200〜300mgを25mlの三角フラスコに
直接量り取り、20mlのTHFを入れて一晩放置す
る。 をポリテトラフルオロエチレン製遠心分離用チュー
ブに入れる。 の三角フラスコでもう一度20mlのTHFにて洗
浄し、のチューブに入れて計40mlにし、フィルム
で密閉する。 を回転数18000rpm、−10℃の条件で20
分間遠心分離を行う。 を取り出し、室温に戻るまで放置する。 の上澄みを5ml量り取り、重量を測定してあるア
ルミ皿に取り出し、次いで、THFをホットプレートに
て蒸発させる。 を50℃の真空乾燥機に入れて一晩放置して乾燥さ
せ、これを5ml中のトルエン可溶分として、アルミ皿
の重量と合わせて秤量する。 次式により、THF不溶分を算出する。 {<サンプル量>−〔(<THF可溶分+アルミ皿の重
量>−<アルミ皿の重量>)×(40/5)〕}÷<サ
ンプル量>×100=THF不溶分(%)
【0034】本発明のトナーに用いる着色剤としては、
公知のものを使用することができるが、具体的には、カ
ーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、
クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイ
ルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライ
ド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサ
レート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメ
ント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57、1 、C.
I.ピグメント・レット122 、C.I.ピグメント・イエロー
12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イ
エロー97、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメン
ト・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げることがで
きる。これらの着色剤は、一般に、トナー中に2〜50
重量%の範囲で含有させればよい。
【0035】また、本発明のトナーを磁性トナーとして
使用する場合、磁性粉としては、公知の磁性体、例え
ば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属、及び、これらの
合金、Fe3 4 、γ−Fe2 3 、コバルト添加酸化
鉄等の金属酸化物、MnZnフェライト、マグネタイ
ト、ヘマタイト等が使用でき、さらに、これらをシラン
カップリング剤やチタンカップリング剤などで処理した
ものを使用できる。
【0036】本発明のトナーは、電荷制御、電気抵抗制
御等の目的で、種々の物質を添加することができる。例
えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸、クロム錯体の
ようなクロム系染料、マレイン酸、アミノ基含有ビニル
モノマーを単量体成分として含む共重合体などの電荷制
御用樹脂、第4級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジ
ン系染料等を添加することができる。
【0037】内添剤としては、サリチル酸金属塩、含金
属アゾ化合物、ニグロシンや第四級アンモニウム塩等の
電荷制御剤、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエ
チレンに代表されるポリオレフィンやパラフィンワック
ス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、モンタ
ンワックス等の天然ワックス及びその誘導体等のオフセ
ット防止剤等の公知の他の成分を添加することができ
る。特に、重量平均分子量が500〜5000の低分子
量ポリプロピレンが好ましい。トナーの平均粒径は、小
径の方が高画質であり、5〜12μm、好ましくは5〜
10μm程度が良好である。
【0038】また、耐オフセット性をより完全にするた
めに離型剤を添加してもよく、低分子量ポリエチレン、
低分子量ポリプロピレンに代表されるポリオレフィンや
パラフィンワックス、キャンデリラワックス、カルナバ
ワックス、モンタンワックス等の天然ワックス及びその
誘導体を使用することができる。
【0039】本発明でトナー粒子に外添される無機化合
物微粒子としては、SiO2 ,TiO2 ,Al2 3
CuO,ZnO,SnO2 ,CeO2 ,Fe2 3 ,M
gO,BaO,CaO,K2 O,Na2 O,ZrO2
CaO・SiO2 ,K2 O・(TiO2 n ,Al2
3 ・2SiO2 ,CaCO3 ,MgCO3 ,BaS
4 ,MgSO4 等、及び、それらの表面を樹脂や種々
のカップリング剤で処理したものなどを挙げることがで
きる。特に、環境依存性が低い疎水化処理したものが好
ましい。さらに、流動性、凝集性を向上させるために
は、SiO2 が優れており、特に、16nm以下の粒径
のものが好ましい。さらに、シリコーンオイル又はジメ
チルジクロロシラン又はヘキサメチルジシラザンで処理
したシリカ微粉末は、環境依存性を改善することができ
るのでより好ましい。
【0040】上記の無機化合物微粒子の添加量は、0.
2〜3重量%、好ましくは0.3〜1.5重量%、より
好ましくは0.3〜1.0重量%が適している。0.2
重量%を下回ると、その添加効果が小さく、凝集度の悪
いトナーとなり、また、3重量%を越えると、遊離外添
剤による感光体へのフィルミングなどが発生する。
【0041】
【作用】本発明のキャリアは、上記のアクリロニトリル
共重合体を用いることにより、環境変動時、トナー追加
時、高トナー濃度時においても安定した正帯電性を維持
することができ、背景部汚れを解消し、かつキャリア付
着を防止して安定した高い画質の提供を可能にし、現像
剤及び帯電付与部材の寿命を延長することに成功した。
【0042】また、本発明のトナーは、結着樹脂として
ポリエステル樹脂を使用し、THF不溶分を一定の範囲
で含有させることにより、低温定着性と耐オフセット性
を両立させることができた。そして、正帯電性に優れた
アクリロニトリル共重合体で被覆したキャリアと、結着
樹脂として上記のポリエステル樹脂を用い、シリコーン
オイル又はジメチルジクロロシラン又はヘキサメチルジ
シラザンで処理されたシリカ微粒子で外添したトナーを
用いることにより、ポリエステル樹脂を使用するときの
帯電環境依存性を改善することができ、さらに、凝集性
も改善することができた。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、こ
れにより本発明が限定されるものではない。なお、実施
例において「部」は重量部を意味する。 〔実施例1〕 Cu−Znフェライト(パウダーテック社製、平均粒径50μm)1000部 スチレン・アクリロニトリル共重合体(共重合比7:3、Tg=115℃、 180℃での溶融粘度=2×103 ポイズ) 30部 上記材料を加熱ヒーターを備えた1L小型ニーダー中
で、室温で5分間混合した後、熱媒温度を200℃に上
昇させて40分間攪拌混練し、次いでヒーターを切り、
攪拌しながら50分間冷却した。その後、105μmの
篩で篩分してキャリアを得た。
【0044】〔実施例2〕Cu−Znフェライト(パウ
ダーテック社製、平均粒径50μm)1000部を加熱
ヒーターを備えた1L小型ニーダー中で、熱媒温度を2
00℃に上昇させて加熱攪拌しながら、メチルメタクリ
レート・アクリロニトリル共重合体(共重合比8:2、
Tg=88℃、180℃での溶融粘度=3.8×102
ポイズ)30部を添加して40分間攪拌混練した後、ヒ
ーターを切り、攪拌をしながら50分間冷却した。その
後、105μmの篩で篩分してキャリアを得た。
【0045】〔実施例3〕 Cu−Znフェライト(パウダーテック社製、平均粒径50μm)1000部 スチレン・アクリロニトリル共重合体(共重合比7:3、Tg=115℃、 180℃での溶融粘度=2×103 ポイズ) 20部 メチルメタクリレート・パーフロロオクチルメタクリレート共重合体 (共重合比8:2)5部 上記材料を用い、実施例1と同様にしてキャリアを得
た。
【0046】〔比較例1〕Cu−Znフェライト(パウ
ダーテック社製、平均粒径50μm)1000部及びポ
リスチレン(Tg=115℃、180℃での溶融粘度=
2×103 ポイズ)30部を用い、実施例1と同様にし
てキャリアを得た。
【0047】〔比較例2〕Cu−Znフェライト(パウ
ダーテック社製、平均粒径50μm)1000部及びポ
リメチルメタクリレート(Tg=110℃、180℃で
の溶融粘度=3.8×102 ポイズ)30部を用い、実
施例2と同様に処理してキャリアを得た。
【0048】〔比較例3〕Cu−Znフェライト(パウ
ダーテック社製、平均粒径50μm)1000部、ポリ
メチルメタクリレート(Tg=110℃、180℃での
溶融粘度=3.8×102 ポイズ)20部、及び、メチ
ルメタクリレート・パーフロロオクチルメタクリレート
共重合体(共重合比8:2)5部を用い、実施例1と同
様の処理を行いキャリアを得た。
【0049】〔比較例4〕Cu−Znフェライト(パウ
ダーテック社製、平均粒径50μm)1000部、トリ
クロルエチレン150部、アクリロニトリルモノマー1
0部、及び過硫酸カリウム0.05部を、ステンレス製
ロータリードライミルポットに入れて均一になるまで攪
拌した後重合させた。その後、溶剤を吸引乾燥し、さら
に、105℃の恒温槽で乾燥してキャリアを得た。
【0050】(トナーの製造例1) 結着樹脂(スチレン-n- ブチルメタクリレート、共重合比70:30)87部 カーボンブラック(キャボット社製BPL) 8部 帯電制御剤(保土谷化学社製TRH) 1部 ポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P) 4部 上記材料を用いて混練粉砕法で平均粒径7.5μmのト
ナー粒子を得た。そして、上記トナー粒子100部及び
コロイダルシリカ(日本アエロジル社製R972)1部
をヘンシェルミキサーで混合して評価用トナーを得た。
【0051】(評価)実施例1〜3及び比較例1〜4で
得たキャリアは、トナー濃度5%となるようにトナー製
造例1で得たトナーと混合して評価用現像剤を作製し
た。これらの現像剤について、富士ゼロックス社製50
39改造機を用いて画質評価試験を行い、また、キャリ
アのコート状態を電子顕微鏡で観察して結果を表1に示
した。表1から明らかなように、実施例の現像剤は、比
較例に比べてソリッド部濃度、背景部汚れ、コート状態
がいずれも良好であり、帯電安定性が優れていることが
分かる。
【0052】
【表1】
【0053】〔実施例4〕スチレン・アクリロニトリル
共重合体(共重合比7:3、Tg=115℃、180℃
での溶融粘度=2×103 ポイズ)をアセトンに溶解
し、その溶液に富士ゼロックス社製レーザープリンター
4105用現像ロールスリーブ(ステンレス製)表面を
ディッピングしてスリーブ上に50g/m2 のコート層
を形成した。
【0054】〔実施例5〕メチルメタクリレート・アク
リロニトリル共重合体(共重合比80:20、Tg=8
8℃、180℃での溶融粘度=3.8×102 ポイズ)
を加熱溶融した状態で、富士ゼロックス社製レーザープ
リンター4105用現像ロールスリーブ(ステンレス
製)表面をディッピングしてスリーブ上に50g/m2
のコート層を形成した。
【0055】〔比較例5〕富士ゼロックス社製レーザー
プリンター4105用現像ロールスリーブ(ステンレス
製)をそのまま使用した。
【0056】(トナーの製造例2) 結着樹脂(スチレン-n- ブチルメタクリレート、共重合比70:30)44部 マグネタイト粉(戸田工業社製EPT−1000) 50部 帯電制御剤(保土谷化学社製TRH) 2部 ポリプロピレンワックス(三洋化成社製660P) 4部 上記材料を用いて混練粉砕法で平均粒径9.0μmのト
ナー粒子を得た。そして、上記トナー粒子100部及び
コロイダルシリカ(日本アエロジル社製R972)0.
8部をヘンシェルミキサーで混合して評価用トナーを得
た。
【0057】(評価)実施例4,5及び比較例5で得た
スリーブを富士ゼロックス社製レーザープリンター41
05に装着し、トナー製造例2のトナーを用いて画質評
価試験を行い、結果を表2に示した。表2から明らかな
ように、実施例のスリーブは、比較例に比べてソリッド
部濃度、背景部汚れがいずれも良好であり、画質安定性
が優れていることが分かる。
【0058】
【表2】
【0059】〔実施例6〕 (結着樹脂用ポリエステル樹脂Aの製造) ビスフェノールAエチレンオキサイド2付加物 21モル ビスフェノールAプロピレンオキサイド2付加物 21モル コハク酸誘導体 7モル テレフタル酸 4モル トリメリット酸 25モル 上記物質をステンレススチール製攪拌機、ガラス製窒素
ガス導入管及び流下式コンデンサーを備えた4つ口丸底
フラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら、マントル
ヒーターで昇温し、反応物の温度を200℃に保ちなが
ら、生成する水を留去し、8時間反応させた。得られた
ポリエステル樹脂Aは、重量平均分子量Mwが約160
00、数平均分子量Mnが約3000、Tgが65℃、
THF不溶分が20%であった。
【0060】 (トナーの製造) 上記ポリエステル樹脂A 100部 カーボンブラック(キャボット社製、BP1300) 10部 低分子ポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製、ビスコール660P) 5部 上記成分をバンバリーミキサーで溶融混練した。その
後、圧延冷却し、ハンマーミルで微粉砕し、体積平均粒
径7.5μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子10
0部に対してシリコーンオイル処理したシリカ(キャボ
ット社製、TS720)を0.7部添加し、ヘンシェル
ミキサーで混合し、表面にシリカ微粒子を付着したトナ
ーを得た。
【0061】 (キャリアの製造) Cu−Znフェライト(パウダーテック社製、平均粒径50μm)1000部 スチレン・アクリロニトリル共重合体(共重合比7:3、Tg=115℃、 180℃での溶融粘度=2×103 ポイズ) 30部 上記材料を加熱ヒーターを備えた1L小型ニーダー中
で、室温で5分間混合した後、熱媒温度を200℃に上
昇させて40分間攪拌混練し、次いでヒーターを切り、
攪拌しながら50分間冷却した。その後、105μmの
篩で篩分してキャリアを得た。上記のキャリア100部
と上記のトナー10部をV型ブレンダーで混合して実施
例6の現像剤を得た。
【0062】〔実施例7〕トナー粒径を5μm、キャリ
アとして、以下のキャリアを用いた他は、実施例6と同
様にして現像剤を得た。Cu−Znフェライト(パウダ
ーテック社製、平均粒径50μm)1000部上記の成
分を、加熱ヒーターを備えた1L小型ニーダー中で、熱
媒温度を200℃に上昇させ、加熱攪拌しながら、メチ
ルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体(共重合
比8:2、Tgが88℃、180℃における溶融粘度が
3.8×102 ポイズ)30部を添加して40分間攪拌
混練した後、ヒーターを切り、攪拌しながら50分間冷
却した。その後、105μmの篩で篩分してキャリアB
を得た。上記のキャリア100部と上記のトナー10部
をV型ブレンダーで混合して実施例7の現像剤を得た。
【0063】〔比較例6〕 (結着樹脂用ポリエステル樹脂Bの製造) ビスフェノールAエチレンオキサイド2付加物 10モル ビスフェノールAプロピレンオキサイド2付加物 15モル ネオペンチルグリコール 24モル テレフタル酸 22モル イソフタル酸 20モル 上記物質をステンレススチール製攪拌機、ガラス製窒素
ガス導入管及び流下式コンデンサーを備えた4つ口丸底
フラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら、マントル
ヒーターで昇温し、反応物の温度を200℃に保ちなが
ら、生成する水を留去し、8時間反応させた。得られた
ポリエステル樹脂Bは、重量平均分子量Mwが約900
0、数平均分子量Mnが約3500、Tgが65℃、T
HF不溶分が0%であった。
【0064】 (トナーの製造) 上記ポリエスルル樹脂B 100部 カーボンブラック(キャボット社製、BP1300) 10部 低分子ポリプロピレンワックス(三洋化成工業社製、ビスコール660P) 5部 上記成分をバンバリーミキサーで溶融混練した。その
後、圧延冷却し、ハンマーミルで微粉砕し、体積平均粒
径7.5μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子10
0部に対してシリコーンオイル処理したシリカ(キャボ
ット社製、TS720)を0.7部添加し、ヘンシェル
ミキサーで混合し、表面にシリカ微粒子を付着したトナ
ーを得た。
【0065】 (キャリアの製造) Cu−Znフェライト(パウダーテック社製、平均粒径50μm)1000部 ポリスチレン(Tg=115℃、180℃での溶融粘度=2×103 ポイズ) 30部 上記材料を加熱ヒーターを備えた1L小型ニーダー中
で、室温で5分間混合した後、熱媒温度を200℃に上
昇させて40分間攪拌混練し、次いでヒーターを切り、
攪拌しながら50分間冷却した。その後、105μmの
篩で篩分してキャリアを得た。上記のキャリア100部
と上記のトナー10部をV型ブレンダーで混合して比較
例6の現像剤を得た。
【0066】〔比較例7〕Cu−Znフェライト(パウ
ダーテック社製、平均粒径50μm)1000部、トリ
クロルエチレン150部、アクリロニトリルモノマー1
0部及び過硫酸カリウム0.05部を、ステンレス製ロ
ータリドライミルポットに入れて均一になるまで攪拌し
た後、重合させた。その後、溶剤を吸引乾燥し、さら
に、105℃の恒温槽で乾燥してキャリアを得た。この
キャリアを用いて実施例6と同様にして比較例7の現像
剤を得た。
【0067】〔実施例8〕実施例6のトナーにおいて、
シリコーンオイル処理シリカ(TS720)の代わりに
ジメチルジクロロシランで処理したシリカ微粒子(日本
アエロジル社製、R972)を用いた以外は、実施例6
と同様にしてキャリアを得た。このキャリアを用いて実
施例6と同様にして実施例8の現像剤を得た。
【0068】(評価)実施例6〜8及び比較例6、7で
得た現像剤を、富士ゼロックス社製ABLE1301α
改造機を用いて第1現像機(本来はカラー用)に投入し
て画質評価試験を行い、また、定着試験は、ヒートロー
ル温度150℃、240℃に設定し、それぞれの定着温
度とオフセットレベルを評価した。表3から明らかなよ
うに、実施例の現像剤は、比較例に比べ、定着性、オフ
セット性に優れ、帯電維持性、環境安定性に優れた画質
を得ることができた。
【0069】(評価方法) 定着度:ソリッド部を2つ折りにし、広げるときに残存
するトナーを目視で評価した。 オフセットレベル:目視にて評価した。 ソリット濃度:マクベス濃度計で評価した。 背景部汚れ:目視で評価した。 G1:未発生 G2:若干汚れが目立つ G3:汚れが目立つレベル
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、アクリロニトリル共重合体を含む被覆樹脂を核体
粒子に均一にかつ効率的に被覆したキャリアを提供する
ことができ、上記ポリエステル樹脂を結着樹脂として用
いたトナーと組み合わせることにより、画質維持性を大
幅に向上させることができ、画像の濃度ムラや背景部汚
れのない、定着性、オフセット性に優れ、帯電維持性、
環境安定性に優れた画質の提供を可能にした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱野 弘一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 長束 育太郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 芹澤 学 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 高橋 左近 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−46654(JP,A) 特開 昭54−35735(JP,A) 特開 昭61−259264(JP,A) 特開 昭57−99654(JP,A) 特開 平1−252979(JP,A) 特開 平4−14055(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/113 G03G 9/08 G03G 15/08 504

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリルを単量体成分として5
    〜80重量%含有する共重合体であって、ガラス転移温
    度が70〜200℃の範囲にあるものを少なくとも含有
    する樹脂で、芯材を被覆してなることを特徴とする正帯
    電性電子写真用キャリア。
  2. 【請求項2】 アクリロニトリルを単量体成分として含
    有する共重合体であって、ガラス転移温度が70〜20
    0℃の範囲にあるものを少なくとも含有する樹脂と、核
    体粒子とを乾式混合した後、前記樹脂を加熱して溶融
    し、核体粒子を被覆することを特徴とする正帯電性電子
    写真用キャリアの製造方法。
  3. 【請求項3】 アクリロニトリルを単量体成分として5
    〜80重量%含有する共重合体であって、ガラス転移温
    度が70〜200℃の範囲にあるものを少なくとも含有
    する樹脂で、芯材を被覆してなることを特徴とする正帯
    電性電子写真用帯電付与部材。
  4. 【請求項4】 アクリロニトリルを単量体成分として含
    有する共重合体であって、ガラス転移温度が70〜20
    0℃の範囲にあるものを少なくとも含有する樹脂で、芯
    材を被覆してなる正帯電性電子写真用キャリアと、結着
    樹脂としてポリエステル樹脂を用いてなる負帯電性トナ
    ーとからなることを特徴とする電子写真用現像剤。
  5. 【請求項5】 前記結着樹脂がテトラハイドロフラン不
    溶分を10〜40重量%含有してなるポリエステル樹脂
    であることを特徴とする請求項4記載の電子写真用現像
    剤。
  6. 【請求項6】 前記トナー表面に無機微粒子を0.2〜
    3重量%添加してなることを特徴とする請求項4又は5
    記載の電子写真用現像剤。
  7. 【請求項7】 前記無機微粒子が無機酸化物であること
    を特徴とする請求項記載の電子写真用現像剤。
  8. 【請求項8】 前記無機微粒子の表面が疎水化処理され
    てなることを特徴とする請求項6又は7記載の電子写真
    用現像剤。
  9. 【請求項9】 前記無機微粒子がシリコーンオイル、ジ
    メチルジクロロシラン又はヘキサメチルジシラザンで表
    面処理されていることを特徴とする請求項記載の電子
    写真用現像剤。
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