JP3863002B2 - 静電荷像現像用負帯電性トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法に用いられる非磁性一成分トナーおよびトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法として米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報、特公昭43−24748号公報等に記載されている多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて直接的及び間接的手段を用い、紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱と加圧、あるいは溶剤蒸気等により定着して転写物を得るものであり、そして感光体上に転写されずに残ったトナーは種々な方法でクリーニングされて、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年、複写機やレーザービームプリンターのごとき電子写真技術を用いた画像形成装置が広く普及してくるにつれ、装置の小型化、高速化が進行している。このようななかで、従来の二成分現像システムよりも、現像機の簡易化、小型化が可能な一成分現像システムが普及している。この一成分現像システムには、トナー中に磁性体を含有せしむる一成分磁性トナーのシステムが良く用いられてきたが、最近のカラープリンターの普及に伴い、フルカラー画像を形成するために発色性の良い非磁性の一成分トナーを用いるシステムが急速に普及してきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近のカラープリンターの普及に伴い、画像は潜像に現像された後、転写紙に各色毎に転写されるのではなく、フルカラー現像を形成するために、転写ベルトや転写ドラムのような中間転写体に各色の画像が形成され、その後に一括転写される方式が普及している。従来のシステムでは、トナーは感光体等に現像された後、転写紙に転写され、ヒートローラーのような定着システムにより定着させられていたが、中間転写システムの採用により、転写工程が増え、廃トナーの発生量が多くなるという問題が生じている。
【0005】
また、小型のカラープリンターの普及とともに、使用される環境も多様化するようになり、広い温湿度環境に対応することが求められている。非磁性一成分現像が小型のカラープリンターのシステムとしてもっとも好ましい現像システムであるが、非磁性一成分現像の場合、広い温湿度環境に対応しつつ、高品質の画像特性を初期からライフエンドまで安定して得ることが難しい。特に、低温低湿、高温高湿下において、カートリッジ開封直後の初期画像やトナー切れ前において、かぶりが生じたり、べた画像にムラが生じたり、文字周りに飛び散りが起きたり、消費量が異常に多くなることにより定着オフセットが生じたり、転写紙の歪みから両面印刷時での紙詰まりなどの原因になることがある。
【0006】
また、従来の白黒像の場合には、べた部の画像濃度が重要な品質課題であったが、カラー画像の場合には、ハーフトーンと呼ばれる中間調画像部の濃度の再現性が重要視される。この中間調画像部の濃度の再現性が非磁性一成分現像では難しい。このように、べた部での画像濃度の安定性に加え、中間調画像部の濃度の安定性もさらに要求されている。
【0007】
このように、フルカラー画像を形成する小型のプリンターにおいては、非磁性一成分現像がもっとも好ましい現像システムであるが、高品質の画像特性を初期からライフエンドまで安定して得ることが難しいという問題を満足させる、高品質の画像特性を得るためのトナーが求められている。
【0008】
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたもので、非磁性一成分現像方法に用いられ、高品質の画像特性を初期からライフエンドまで安定して得るトナーおよびその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】
本発明者らは鋭意検討した結果、トナーに添加する各成分のトナー中への分散性が、トナーの転写特性、画像濃度に影響を与え、特に着色剤となる顔料の分散性により、中間調画像部の濃度が安定すること、また、中間調部分の現像特性も帯電制御剤を選択することにより大きく変ることをを見いだした。
【0010】
その結果、本発明における結着樹脂がポリエステル樹脂であって、該ポリエステル樹脂が、GPC(ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー)分子量分布において、重量平均分子量Mwが70000以上、数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが20〜50であり、分子量3000−20000の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在せず、含有される樹脂の酸価が5mgKOH/g以下、であることを特徴とする静電荷像現像用負帯電性トナーが、優れた転写特性を有するとともに、べた部から中間調の画像濃度も高く、また安定性があることを見いだした。
【0011】
トナーに用いる着色剤は、トナー自身が数μmの粒径であるから、トナー中に更に細かい粒径で分散している必要がある。また、着色剤の分散性が良いものほど発色性は高く、また着色剤の分散特性は帯電特性さらに現像特性に影響を与える。トナー中に着色剤を分散するにあたっては、トナーの主成分となる樹脂の粘度や極性が大きく影響する。従来、フルカラー用のトナーに用いる樹脂としては、色を重ねた際の混色性の問題から、重量平均分子量が小さく、溶融粘度が低い樹脂が用いられ、また、極性も高い樹脂、すなわち酸価10mgKOH/g前後、或いはそれ以上のものが用いられていた。まれに酸価を低くするものは、正帯電性トナーに用いるためであった。
【0012】
本発明者らは、中間調部分の画像濃度の安定性について検討したところ、重量平均分子量が高目の樹脂を用い酸価が低い方が、中間調部分の画像濃度の安定性には良いことを見いだした。
【0013】
また、マスターバッチと呼ばれる、あらかじめ顔料を樹脂中に分散せしめたものを樹脂や主な材料と混合し、溶融混練して、顔料分散を高める方法が知られている。このマスターバッチを用いる樹脂の材料種や極性においても影響があり、酸価7〜15mgKOH/g、平均分子量50000以下である、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸或いはマレイン酸との共重合ポリエステルを用いることにより、中間調の濃度が高くなる。
【0014】
更にトナー結着樹脂としては、ポリエステル樹脂であって、GPC分子量分布において、重量平均分子量Mwが70000以上、数平均分子量との比Mw/Mnが20〜50であり、分子量3000−20000の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在せず、結着樹脂の酸価が5mgKOH/g以下である樹脂を用いることが、このマスターバッチとの組合せにおいて、中間調部分の画像濃度を更に向上するとともに、耐久特性にも優れる。またさらに、トナーが現像スリーブから飛散することを抑制し、画像を形成するプリンターや複写機内部へのトナー飛散による汚れを軽減する。
【0015】
また、本発明のトナーは、トナー粒子に含有される帯電制御剤として、サリチル酸金属化合物或いはホウ素錯体、或いは環状フェノール系オリゴマーから選ばれる1種以上を0.5〜10重量%含有することにより、印字の品質の環境特性が安定化する。
【0016】
特に、かぶりや飛び散りは、高湿環境下や低湿環境下では顕著に現れる傾向があるが、本発明のトナーは高温高湿下、或いは低温低湿下においても好ましい特性を示す。これは、トナー表面に吸着している水分量が適度に吸着するとともに、現像特性に影響するためと考えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有するトナーにおいて、結着樹脂がポリエステル樹脂であって、該ポリエステル樹脂が、GPC分子量分布において、重量平均分子量Mwが70000以上、数平均分子量との比Mw/Mnが20〜50であり、分子量3000−20000の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在せず、含有される樹脂の酸価が5mgKOH/g以下、であることを特徴とする静電荷像現像用負帯電性トナーである。
【0018】
本発明におけるポリエステル樹脂のGPC分子量分布において、重量平均分子量Mwが70000以上、数平均分子量との比Mw/Mnが20〜50であり、分子量3000−20000の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在しないことである。
【0019】
また、P1が20000を超えると、低温での溶融特性が悪く低温定着性に劣るようになる。GPCにおける分子量分布において、重量平均分子量Mwが70000以上、数平均分子量との比Mw/Mnが20〜50であり、分子量3000−20000の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在しないことにより、高温時のオフセット性を十分に保持しつつ、優れた定着特性を有するようになる。また、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在しないようにすることにより、高分子量分が定着性を阻害せず、また、着色剤の分散を優れたものとしている。
【0020】
更には、分子量150000以上にGPCチャート上ピークが存在せず、分子量が低分子から高分子にかけて連続的に少なくなつている方が、トナーの耐久性においてすぐれている。これは、GPCチャート上大きく2つのピークになつているより、材料の分散性が優れているためと考えられ。
【0021】
また、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分は、ないことが好ましいがあっても樹脂成分の1%以下である。1%を超えると材料の分散性にに悪影響を与える。
【0022】
樹脂組成物のTHF可溶成分の分子量分布の測定方法は次のようである。
【0023】
まず、ポリエステル樹脂の場合のGPC測定用の試料を以下のように作製する。ポリエステル樹脂をTHF中に入れ、数時間放置した後、ポリエステル樹脂の合一体がなくなるまで十分に良く混ぜ、さらに12時間以上静置する。この時、THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、東ソー社製のマイショリディスクH−25−5、ゲルマンサイエンスジャパン社製のエキクロディスク25CR等が利用できる)を通過させたものをGPCの試料する。ポリエステル樹脂濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調製する。
【0024】
結着樹脂の場合、トナーのトルエン抽出液からトルエンをエバポレートし、得られた固形物をクロロホルムと混合し、クロロホルム分散液を得、クロロホルム分散液を濾過してクロロホルム不溶固形分とクロロホルム溶液の濾液とに分離する。濾液からクロロホルムをエバポレートし、固形物をTHFと混合してポリエステル樹脂の場合と同様にしてGPC測定のための試料を作製する。
【0025】
ポリエステル樹脂のTHF可溶成分及び結着樹脂のTHF可溶成分のGPCによる分子量および分子量分布は以下の方法で測定される。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの速度で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定に当っては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリエステル試料としては、例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102 〜107 程度のものを用い、少なくとも6点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器には、RI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのがよい。
【0026】
本発明のポリエステル樹脂は、酸価が5mgKOH/g以下である。酸価が小さいために、着色剤を含んだ場合の環境特性は好ましくなる。酸価が5mgKOH/gを超える場合には、低温、低湿時に多数印刷した場合に、濃度変化をきたす場合がある。
【0027】
本発明に用いるポリエステル樹脂の組成は、以下のとおりである。
【0028】
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、または次式で示されるビフェノールおよびその誘導体、
【化1】
(但し、式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつx+yの平均値は0〜10である)
また、次式で示されるジオール類、
【化2】
(但し、式中、R′は−CH2 CH2 −、又は−CH2 ・CH(CH3 )−又は−CH2 ・C(CH3 )2 −を表し、x′,y′はそれぞれ0以上の整数であり、かつx′+y′の平均値は0〜10である)
等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用される。
【0029】
また、2価の酸成分としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物若しくは低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸又はその無水物若しくは低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類若しくはアルキルコハク酸類、又はその無水物若しくは低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類、又はその無水物若しくは低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類およびその誘導体が挙げられる。
【0030】
また、架橋成分としても働く3価以上のアルコール成分或いは3価以上の酸成分を併用することが耐久性を向上させるうえで好ましい。
【0031】
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用される。
【0032】
また、本発明における3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物若しくは低級アルキルエステル;次式で示される
【化3】
(但、式中、Xは炭素数1以上の側鎖を1個以上有していてもよい炭素数30以下のアルキレン基又はアルケニレン基を表す)
テトラカルボン酸等、及びこれらの無水物若しくは低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用される。
【0033】
本発明に用いられるアルコール成分の配合割合は、40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分の配合割合は、60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%である。また、3価以上の多価の成分は、全成分中の1〜60mol%であることが好ましい。
【0034】
また、本発明のトナーは、他の樹脂を20%の範囲で併用してもよい。併用される結着樹脂の種類としては、例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
【0035】
また、架橋されたスチレン系樹脂を併用してもよい。なかでも、スチレンの系共重合体がポリエステル樹脂との相溶の面から好ましい。
【0036】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン酸もしくはその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル等のようなビニルエーテル類、等のビニル単量体が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。ここで用いられる架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等のようなジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0037】
本発明のトナーは、酸価7〜15mgKOH/g、平均分子量50000以下、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸あるいはマレイン酸との共重合ポリエステルに分散混合された顔料分散マスターバッチを用いることができる。酸価7〜15mgKOH/g、平均分子量50000以下、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸あるいはマレイン酸との共重合ポリエステルに分散混合された顔料分散マスターバッチを用いることにより、画像濃度の向上、中間調現像性の向上を図ることができる。
【0038】
着色剤を酸価7〜15mgKOH/g、平均分子量50000以下、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸あるいはマレイン酸との共重合ポリエステルに分散混合された顔料分散マスターバッチを予めつくり、さらに、これを樹脂および他のトナー材料と混合後、溶融混練し、トナー中に着色剤を分散せしめたトナー製造法が、顔料分散面がよく画像濃度の向上の面から好ましい。
【0039】
マスターバッチにより、顔料分散が良くなり、濃度を向上せしめることはよくしられている。しかるに、更にビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸あるいはマレイン酸との共重合ポリエステルを樹脂として用いることにより、さらに中間調の画像濃度が向上することを本発明者らは見いだしたのである。この理由は、明らかではないが、ポリエステルモノマー種の特性差と推定している
マスターバッチに用いられる樹脂は、GPCにおける分子量分布においては、重量平均分子量3000以上50000以下であり、Mw/Mnは10以下のものが用いられる。Tgは、DSCによる中点法で、50〜65℃のものが用いられる。水酸基価は、8〜25のものが用いられる。
【0040】
これらのマスターバッチ製作には、共重合ポリエステル、着色剤さらには必要に応じて他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により十分混合し、得られた混合物を加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する方法、或いは共重合ポリエステルを顔料分散溶液と常圧あるいは加圧下で混合混練する方法が挙げられる。
【0041】
マスターバッチにおける着色剤の含有量は、20%〜55%が好ましい。20%未満では顔料分散の効果が少なく、55%を超えると熱混練機での製造が困難となる。
【0042】
さらに、該マスターバッチと、結着樹脂として、GPCにおける分子量分布において、重量平均分子量Mwが70000以上、数平均分子量との比Mw/Mnが20〜50であり、分子量3000−20000の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在せず、含有される樹脂の酸価が5mgKOH/g以下である、ポリエステル樹脂とをトナーに含有せしめることにより、中間調部分の画像濃度を更に向上するとともに、耐久特性にも優れる。またさらに、トナーが現像スリーブから飛散することを抑制し、画像を形成するプリンターや複写機内部へのトナー飛散による汚れを軽減する。
【0043】
本発明に用いる着色剤としては、以下のものを用いることが可能である。
【0044】
黒色着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ベンガラ、アゾ系染料、磁性体、または後述のイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を混合黒色に調色されたものが利用できる。
【0045】
黒色着色剤としてカーボンブラックを用いる際には、チャンネル法で製造されたチャンネルブラックおよびファーネス法で製造されたファーネスブラックが用いられるが、pH2〜10の範囲のもの、好ましくはpH2〜5の範囲のものが用いらる。平均一次粒径としては、20〜50nmの範囲のものが用いられる。
【0046】
磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素等の元素を含む金属酸化物などがある。なかでも、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等の酸化鉄を主成分とするものが好ましい。これらの磁性体の粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が、好ましくは2〜30m2 /gがよく、特に3〜28m2 /gが良い。更にモース硬度が5〜7の磁性粒子が好ましい。磁性粒子の形状としては、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状等があるが、8面体、6面体、球形、不定形等の異方性の少ないものが好ましい。特に磁性粒子の球形度Ψが0.8以上であることが画像濃度を高めるうえで好ましい。磁性粒子の平均粒径としては、0.05〜1.0μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.4μmが好ましい。
【0047】
トナーにおける磁性体の含有量は、結着樹脂100重量部に対して10〜150重量部の割合で用いられる。
【0048】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48:4,57:1,81:1,122,146,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254が特に好ましい。これらは、単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0049】
なかでも本発明の着色剤として、C.I.ピグメントレッド122或いはC.I.ピグメントレッド238がトナーとした場合の現像特性の面から好ましい。これらの配合割合は1〜5重量%の範囲である。
【0050】
さらに、C.I.ピグメントレッド122とC.I.ピグメントレッド238とを同時に含有することが現像特性から好ましく、それぞれ1〜4重量%の範囲で含有することがより好ましい。
【0051】
本発明に用いるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,2,15:3,15:4,60,62,66等が挙げられ、特に好適に利用できる。これらは、単独又は2種以上混合して、さらには固溶体の状態で使用することができる。なかでも、銅フタロシアニン顔料を1〜5重量%含有することが現像特製から好ましい。
【0052】
本発明に用いるイエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12,13,14,15,17,62,74,83,93,94,95,109,110,111,128,129,147,168,180等が挙げられ、これらは、単独又は2種以上混合して使用することができる。なかでもC.I.ピグメントイエロー17或いはC.I.ピグメントイエロー74或いはC.I.ピグメントイエロー180を1〜5重量%含有することが現像特性の面から好ましい。
【0053】
上記した着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。また、該着色剤の配合割合は、樹脂100重量部に対して1〜10重量部である。
【0054】
また、本発明のトナーにおいては、定着時における定着部材からの離型性の向上定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナー粒子中に含有させることも好ましい。
【0055】
ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、ポリプロピレンワックスおよびその誘導体、ポリエチレンワックスおよびその誘導体、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、エステルワックスおよびその誘導体、カルナバワックスおよびその誘導体、その他の天然ワックスおよびその誘導体等が挙げられる。誘導体には、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、グラフト変性物を含む。
【0056】
これらのなかでも、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、高級アルコール等が、現像スリーブ上にブレードによりトナーがコートされ、静電荷像の現像に供される非磁性一成分現像法に用いられる場合に、現像特性の面から好ましい。
【0057】
上記ワックスの具体例として、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油、水添ホホバ油、ライスワックス、モンタン酸ワックス、日本精蝋社製LUVAXシリーズ、HNPシリーズ、三洋化成社製サンワックスシリーズ、三井化学社製ハイワックスシリーズ、シューマンサゾール社製パラフリントシリーズ、H1,H2、クラリアント社製H4,R21等、ペトロライト社製ユニリンシリーズ等が挙げられる。
【0058】
ワックスとしては、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線においてオンセット温度が50〜120℃の範囲、ピーク温度が60〜140℃の範囲内のものが好ましい。DSC曲線の測定に当っては、セイコー電子(株)製DSCにより測定した。
【0059】
本発明においてのワックスの配合割合は、1〜10重量%の範囲で含有することができる。
【0060】
その他の添加剤として、シリコーンオイル、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0061】
さらに、本発明のトナー粒子中には荷電制御剤を含有させることが好ましい。トナーを負荷電性に制御するものとしては、下記物質がある。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。なかでも、帯電性、色味の面からサリチル酸の金属化合物あるいはホウ素錯化合物あるいは環状フェノール系オリゴマーが好ましく、ホウ素錯化合物としてはα−ヒドロキシカルボン酸のホウ素錯化合物類、環状フェノール系オリゴマーとしてはカリックスアレーン類が挙げられる。
【0062】
これらの化合物の具体例としては、サリチル酸の金属化合物として例えば、ボントロンE81、ボントロンE84、ボントロンE88(オリエント化学株式会社製、商品名)、TN105(保土ヶ谷化学株式会社製、商品名)等が挙げられる。これらは、トナー中に0.5〜10重量%含有することが好ましい。
【0063】
ホウ素錯化合物の具体例としては、例えば、LR147(日本カーリット株式会社製、商品名)が挙げられ、トナー中に0.5〜3重量%含有することが好ましい。
【0064】
環状フェノール系オリゴマーの具体例としては、例えば、ボントロンE89(オリエント化学株式会社製、商品名)が挙げられ、トナー中に0.5〜2重量%含有することが好ましい。
【0065】
本発明において外添される荷電制御性の粒子としては、金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、カーボンブラック等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0066】
上記した外添剤の配合割合は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0067】
本発明のトナーは、重量平均径が5.8〜10.5μm、かつ5.0μm以下の含有量が個数で20%以下含有され、20μm以上の含有量が重量で1.0%以下であることが好ましい。であることが好ましい。より好ましくは5.0μm以下の含有量が個数で16%以下である。
【0068】
この粒度の測定は、コールターカウンター法により以下の方法により行った。コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製するが、電解液として例えば、ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤としてアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記測定装置により100μmアパーチャー、256チャンネルモードにて、2.05μm以上のトナーの体積、個数を測定し、重量分布と個数分布とを算出した。
【0069】
本発明に用いるトナー粒子に外添される流動付与剤としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)、カーボンブラック、フッ化カーボン、シリカ等が挙げられ、それぞれ疎水化処理を行ったものが好ましい。なかでも、シリカ(SiO2 )の粒径0.001〜20μmの微粉体、特に0.01〜1.0μmの微粉体のものの表面をシランカップリング剤、シリコーンオイル等で疎水化したものを用いるのがよい。シリカ微粉体は、トナー粒子100重量部に対し、0.1〜4.0重量部の範囲で含まれるのが好ましい。0.1重量部より少ないとトナー粒子に十分流動性を付与することができず、画像上の濃度が低くなることがある。4.0重量部より多い場合は、感光体融着や低温・低湿下での帯電量が増大し、画像濃度の低下をまねく。
【0070】
本発明において外添される研磨剤としては、金属酸化物、(チタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化クロム等)窒化物(窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素など)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0071】
本発明において外添される滑剤としては、フッ素系樹脂粉末、(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、脂肪酸金属(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0072】
本発明の粉砕トナーの製造方法は、結着樹脂、低軟化点物質、着色剤としての顔料又は染料、必要に応じて荷電制御剤、その他添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により十分に混合し、得られた混合物を加熱ロール、ニーダ、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を互いに相溶させた中に低軟化点物質、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、得られた混練物を冷却固化後、粉砕および分級を行ってトナーを得ることができる。さらに、外添剤を添加してヘンシェルミキサーのような混合機により混合、篩がけ後、本発明に係るトナーを得ることができる。
【0073】
本発明のトナーを二成分系現像剤として用いる場合には、キャリアと混合して用いられ、トナーとキャリアの混合比は、トナー濃度として0.1〜50質量%で用いられ、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは3〜10質量%である。
【0074】
このキャリアコア材料としては、例えば、表面酸化又は未酸化の鉄、コバルト、ニッケル銅、亜鉛、マンガン、クロム希土類の金属、それらの合金、化合物、酸化物、磁性フェライト等が用いられる。なかでもフェライトキャリアを98質量%以上含有するものが好ましく用いられる。キャリアの製造方法としては、特別な制約はない。コア材の表面を樹脂等で被覆したコートキャリアは特に好ましい。被覆する方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて被覆液を調製し、該被覆液をキャリア粒子表面に塗布しキャリア粒子表面に付着せしめる方法、単にキャリア粒子と被覆粉体を乾式混合する方法など、従来公知の方法が適用できる。
【0075】
コートキャリアの被覆用に用いられる結着樹脂としては、スチレン、クロルスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体、あるいは共重合体等が挙げられる。特に代表的な結着樹脂としては、導電性微粒子の分散性やコート層としての塗膜性、トナースペント防止、生産性という点などからポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。更にポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタンエポキシ樹脂、ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド等が挙げられる。特に、スペント防止という観点から、臨界表面張力の小さい樹脂、例えば、ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいることがより望ましい。
【0076】
なお、ブレンド量は、全バインダー量に対するフッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹またはシリコーン系樹脂の割合は、1.0〜60質量%が適当であり、特に2.0〜40質量%が望ましい。含有量が1.0質量%未満であると、表面改質効果が十分でなく、トナースペントに効果がない。また、60質量%を超えると両者が均一に分散されにくいため、体積抵抗値に部分的なムラが生じ、帯電特性が悪くなるためである。
【0077】
なお、キャリアの被覆用結着樹脂として用いられるフッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等と他のモノマーとの溶剤可溶性の共重合体が挙げられる。また、キャリアの被覆用結着樹脂として用いられるシリコーン樹脂としては、例えば、信越シリコーン社製、KR271,KR282,KR311,KR255,KR155(ストレートシリコーンワニス)、KR211,KR212,KR216,KR213,KR217,KR9218(変性用シリコーンワニス)、SA−4、KR206,KR5206(シリコーンアルキッドワニス)、ES1001,ES1001N,ES1002T,ES1004(シリコーンエポキシワニス)、KR9706(シリコーンアクリルワニス)、KR5203,KR5221(シリコーンポリエステルワニス)や東レシリコーン社製のSR2100,SR2101,SR2107,SR2110,SR2108,SR2109,SR2400,SR2410,SR2411,SH805,SH806A,SH840等が用いられる。
【0078】
上記の材料の使用量は、適宜決定すればよいが、一般的には、総量でキャリアに対し、0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%が好ましい。
【0079】
キャリアの平均粒径は、20〜100μm、好ましくは、25〜70μm、より好ましくは25〜65μmであることが好ましい。
【0080】
特に好ましいキャリアとしては、Cu−Zn−Fe[組成重量比(5〜20):(5〜20):(30〜80)]の3元素フェライト粒子であり、その表面をフッ素樹系脂又はスチレン系樹脂又はシリコーン樹脂又はそれらの混合樹脂で被覆したものが挙げられる。例えば混合樹脂として、ポリフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタアクリレート樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチルメタアクリレート樹脂;フッ素系共重合体とスチレン系共重合体;等を90:10〜20:80、好ましくは70:30〜30:70の重量比率の混合物が挙げられる。コーティング剤を0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%コーティングし、250メッシュをパスし、350メッシュにオンすキャリア粒子が70質量%以上ある上記平均粒径を有するコート磁性フェライトキャリアが、好ましいキャリアとして挙げられる。該フッ素系共重合体としては、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜90:10)が例示され、スチレン系共重合体としては、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(20:80〜80:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシン−メタクリル酸メチル共重合体(20〜60:5〜30:10〜50)が例示される。
【0081】
粒度分布のシャープな上記コート磁性フェライトキャリアは、本発明のトナーに対し、好ましい摩擦帯電を付与し、さらに電子写真特性を向上させる効果がある。
【0082】
本発明のトナーとキャリアとを混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、1質量%〜15質量%、好ましくは2質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が生まれる。トナー濃度が1質量%未満では画像濃度が低くなり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短縮しがちである。
【0083】
本発明のトナーは、通常、非磁性一成分トナーを用いる場合には、ブレード又はローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電し、スリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
【0084】
図1に、本発明における本発明の非磁性一成分現像方法に用いられる現像装置の概念図を示す。1は、トナーを収容する現像器、2はa方向に回転する感光体である。現像器1の感光体2に対向配置される箇所には、現像スリーブ11が備えられており、現像スリーブ11はトナーを担持するとともに、感光体2上の静電画像を現像してトナー画像とする。現像スリーブ11と対向する感光体2とは微少間隔を設けても、接触させてもよく、また現像スリーブ11は感光体2の回転方向に対して順方向に回転させる。なお、現像スリーブ11は、図のような円筒状のものに限らず、回転駆動する無端ベルトの形態をしてもよく、導電性ゴムローラを用いてもよい。
【0085】
さらに、現像器1には、現像スリーブ11の上方位置に弾性規制部材として、弾性ブレード12が設けられ、また弾性ブレード12よりも現像スリーブ11の回転方向上流側の位置にトナー塗布ローラ13が設けられている。なお、弾性規制部材としては弾性ローラを設けてもよい。弾性ブレード12は現像スリーブ11の回転方向上流側に向けて下がる向きに傾斜して設けられ、現像スリーブ11の上部外周面に回転方向に対向して当接される。なお、14は現像器1内に収容されたトナーの攪拌羽根である。
【0086】
弾性ブレード12は、銅、鉄、ステンレス等の金属製でも、或いは金属ブレード上の現像スリーブ11との接触域にウレタン製或いはシリコーンゴム製の樹脂チップが貼り付けられたものでも、或いはウレタン製或いはシリコーンゴム製の樹脂ブレードでもよい。
【0087】
現像スリーブ11は、アルミニウム、ステンレススチールのごとき金属又は合金で形成された導電性円筒が好ましく使用される。十分な機械的強度及び導電性を有する樹脂組成物で導電性円筒が形成されたものでもよい。さらに、現像スリーブ11は、金属製又は合金製の円筒表面に導電性微粒子が分散されている被覆層を有していてもよい。被覆層は、樹脂材料としてアクリル系樹脂又はフェノール樹脂を用い、被覆層中にはカーボン微粒子、カーボン微粒子と結晶性グラファイトの混合物、または結晶性グラファイト導電性微粒子が含まれているものが使用される。
【0088】
トナー塗布ローラ13は、現像スリーブ11に対して感光体2と反対側に当接され、且つ回転可能に支持されている。
【0089】
塗布ローラ13によって供給されたトナーは、弾性ブレード12と現像スリーブ11との当接部を通過し、現像スリーブ11上にトナーの箔層が形成され、感光体2と対向している現像部分へと搬送される。現像スリーブ11に、現像バイアスとして直流に交流を重畳した交互電圧をバイアス印加手段により印加することにより、現像スリーブ11上のトナーが感光体2上に形成された静電荷像に対応して移転し、静電荷像に付着、トナー画像が形成される。
【0090】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお「部」とは「重量部」を意味する。
【0091】
[マスターバッチの製造例1]
下記の顔料とポリエステル樹脂をニーダーに入れ、100℃に加熱後、30分間混練した。混練物を板状にして冷却後、直径2mmのメッシュを取り付けたスピードミルにて粉砕し、樹脂組成物R1を得た。
【0092】
[マスターバッチの製造例2]
下記の顔料とポリエステル樹脂とを用い、製造例1と同様にして、樹脂組成物R2を得た。
【0093】
[マスターバッチの製造例3]
下記の顔料とポリエステル樹脂とを用い、製造例1と同様にして、樹脂組成物B1を得た。
【0094】
[マスターバッチの製造例4]
下記の顔料とポリエステル樹脂とを用い、製造例1と同様にして、樹脂組成物Y1を得た。
【0095】
[マスターバッチの製造例5]
下記の顔料とポリエステル樹脂とを用い、製造例1と同様にして、樹脂組成物R3を得た。
【0096】
[結着樹脂の製造例1]
・テレフタール酸 6.0mol
・イソフタル酸 3.0mol
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2mol付加物 7.0mol
・エチレングリコール 2.0mol
・ジエチレングリコール 1.0mol
・ジブチルチンオキサイド 0.05g
上記化合物を反応器に入れ、温度計、攪はん棒、コンデンサー、窒素導入管を取り付け、窒素置換をした後、攪はんしながら徐々に昇温し、170℃で5時間反応させ、次いで190℃に昇温し、4時間反応させた。その後、以下の化合物を加えた。
【0097】
・無水トリメリット酸 0.9mol
・ジブチルチンオキサイド 0.3g
その後、190℃で3時間反応させ、さらに200℃に昇温し、減圧(10hPa)して4時間反応させ、脱水縮合させて反応を終了し、ポリエステル樹脂Aを得た。得られたポリエステル樹脂Aは、重量平均分子量Mw:115000、Mw/Mn:39.8、P1:6700、分子量150000以上の成分:15.1%、P2:は存在せず、酸価:4.0mgKOH/g、OH価:9.5、Tg:62.3℃であった。
【0098】
[結着樹脂の製造例2]
・テレフタール酸 6.0mol
・イソフタル酸 3.0mol
・エチレングリコール 6.0mol
・エタノール 8.0mol
・ジブチルチンオキサイド 0.05g
上記化合物を反応器に入れ、温度計、攪はん棒、コンデンサー、窒素導入管を取り付け、窒素置換をした後、攪はんしながら徐々に昇温し、170℃で5時間反応させ、次いで190℃に昇温し、4時間反応させた。その後、以下の化合物を加えた。
【0099】
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2mol付加物 7.0mol
・エチレングリコール 1.0mol
・ジエチレングリコール 2.0mol
・グリセリン 0.3mol
・ジブチルチンオキサイド 0.5g
その後、190℃で3時間反応させ、さらに200℃に昇温し、減圧(10hPa)して4時間反応させ、エステル交換反応、脱水縮合させて反応を終了し、ポリエステル樹脂Bを得た。得られたポリエステル樹脂Bは、重量平均分子量Mw:99000、Mw/Mn:31.7、P1:7400、分子量150000以上の成分:13.2%、P2:134万、酸価:0.6mgKOH/g、OH価:14、Tg:63.0℃であった。
【0100】
[結着樹脂の製造例3]
・テレフタール酸 6.0mol
・イソフタル酸 3.0mol
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.3mol付加物 7.0mol
・エチレングリコール 2.0mol
・ジエチレングリコール 2.0mol
・ジブチルチンオキサイド 0.05g
上記化合物を反応器に入れ、温度計、攪はん棒、コンデンサー、窒素導入管を取り付け、窒素置換をした後、攪はんしながら徐々に昇温し、170℃で5時間反応させ、次いで200℃に昇温し、4時間反応させた。その後、以下の化合物を加えた。
【0101】
・無水トリメリット酸 2.4mol
・ジブチルチンオキサイド 0.7g
その後、200℃で3時間反応させ、さらに230℃に昇温し、減圧(10hPa)して4時間反応させ、脱水縮合させて反応を終了し、ポリエステル樹脂Cを得た。得られたポリエステル樹脂Cは、重量平均分子量Mw:562000、Mw/Mn:55.4、P1:9600、分子量150000以上の成分:35.1%、P2:1000万、酸価:18.4mgKOH/g、OH価:21.5、Tg:56.2℃であった。
【0102】
上記構成原料をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて混合分散した後、二軸混練機(池貝社製PCM30)にて溶融混練を行い、さらにスピードミルにて粗粉砕した。粗粉砕物は、IDS−2型粉砕機(日本ニューマチック社製)及びDSX−2型分級機(日本ニューマチック社製)で微粉砕・分級し、トナー分級品(M粉)を得た。
【0103】
このトナー分級品(M粉)100部に対して、ヘキサメチルジシラザン処理疎水性シリカを1.5部、疎水化処理酸化チタン化合物を0.5部加え、ヘンシェルミキサー(前出)で外添混合し、さらに超音波振動篩(ダルトン株製)にかけてトナーを得た。
【0104】
このトナー分級品(M粉)の粒子径分布をマルチサイザーII(コールターカウンター社製)で測定したところ、トナーの重量平均径が9.43μm、個数分布において粒子径5μm以下の含有量が14.0個数%、体積分布において粒子径20μm以上の含有率が0.0%であった。
【0105】
このトナーを普通紙ファクシミリのTF6500(東芝テック社製、商品名)を改造したプリンターおよびカートリッジに適用して、画像形成を行った。感光体は、ネガ帯電性有機感光体ドラムを用いてトナーはネガ帯電性とし、現像ローラーはカーボン微粒子と導電性グラファイトが含有されたフェノール樹脂を表面にコートされたアルミ管とし、ブレードは現像ローラーとの当接部にウレタン樹脂を貼付した金属薄板とした。有機感光体ドラムの表面と現像ローラー表面間は、280μmとした。トナー塗布ローラーは、導電性剤入りのウレタンを発泡させたスポンジローラーとした。
【0106】
[画像評価試験]
この改造プリンターを常温・常湿(23℃、60%RH)下に放置後、A4画像を出力し、画像評価を行った。べた画像、文字画像、白を出力したところ、良好な画像が得られた。さらに5mm角のべた及び文字の画像を2000枚出力した後に、べた画像、文字画像、白を出力したところ、カブリのない良好な画像が得られた。評価結果をまとめて表1に示した。カブリ評価、○:優、○△:良、△:可、△×:不可、×:劣。
【0107】
[トナー飛散評価]
現像ローラー下部に白紙を貼り付け、その部分の汚れを目視にて評価した。○:優、○△:良、△:可、△×:不可、×:劣。
【0108】
[階調性評価]
感光体上に単位面積当りの印字画素比率が、100%、75%、50%、25%の4段階のハーフトーン画像(べたを含めて)の潜像を形成し、これを現像し、画像形成する。この濃度を測定し、階調性を評価した。
【0109】
[高温・高湿環境並びに低温・低湿環境試験]
さらに、この改造プリンターを高温・高湿環境(30℃、80%RH)並びに低温・低湿環境(15℃、10%RH)下に2日間放置した後、同じく画像評価を行った。評価結果は、、高温・高湿環境(30℃、80%RH)での結果を表2に、低温・低湿環境(10℃、20%RH)下での結果を表3にまとめた。
【0110】
[定着性試験]
このプリンターを用いて、定着器の表面温度を120℃から230℃まで変更させながら、64g紙を用いて定着性の試験を行った。定着開始温度及びオフセット発生温度を求め、結果を表4にまとめた。
【0111】
実施例2
材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1から表4にまとめた。
【0112】
実施例3
・ポリエステル樹脂A 85部
・樹脂組成物Y1 10部
・ビス−(ジフェニルオキソアセチル)ホウ素カリウム 3部
・高級アルコール(ペトロライト社製、ユニリン350) 2部
材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1から表4にまとめた。
【0113】
材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1から表4にまとめた。
【0114】
材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1から表4にまとめた。
【0115】
材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1から表4にまとめた。
【0116】
比較例1
・ポリエステル樹脂C 85部
・樹脂組成物R1 10部
・p−t−ブチルカリックス[8]アレーン化合物 2部
・石油ワックスLUVAX1121(日本精蝋社製) 2部
材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1から表4にまとめた。
【0117】
比較例2
・ポリエステル樹脂C 85部
・樹脂組成物R3 10部
・スルホン酸基含有スチレンアクリルポリマー 3部
・ビスコール660P(三洋化成社製) 2部
材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果を表1から表4にまとめた。
【0118】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0119】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のトナーによれば、転写効率が高く、カブリがなく高画質で、環境に依存しない画質を与えるトナーを得ることができる。
【0120】
また、優れた転写特性を有するとともに、発色性が高く、べた部から中間調の画質濃度も高く、加えて安定性の優れたトナーを得ることができる。
【0121】
さらに、現像スリーブから飛び散りが少なく、画像を形成するプリンターや複写機内部へのトナー飛散による汚れを軽減するトナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかる非磁性一成分トナー現像に用いられる現像装置の概念図である。
【符号の説明】
1 現像器
2 感光体
11 現像スリーブ
12 弾性ブレード
13 トナー塗布ローラ
14 攪拌羽根
Claims (8)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナーにおいて、
該結着樹脂が、GPC分子量分布において重量平均分子量Mwが70000以上、数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが20〜50であり、分子量3000−20000の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在せず、そして樹脂酸価が5mgKOH/g以下であるポリエステル樹脂であり、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸或いはマレイン酸との共重合ポリエステルであって、酸価7〜15mgKOH/g、重量平均分子量50000以下のものに、上記着色剤が分散混合された顔料分散マスターバッチを予めつくり、さらに該マスターバッチを結着樹脂および他のトナー材料と混合後、溶融混練し、トナー中に着色剤を分散せしめてなることを特徴とする静電荷像現像用負帯電性トナー。 - 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナーの製造方法において、
該結着樹脂がポリエステル樹脂であって、GPC分子量分布において重量平均分子量Mwが70000以上、数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが20〜50であり、分子量3000−20000の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在せず、そして樹脂酸価が5mgKOH/g以下であり、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸或いはマレイン酸との共重合ポリエステルであって、酸価7〜15mgKOH/g、重量平均分子量50000以下のものに、上記着色剤が分散混合された顔料分散マスターバッチを予めつくり、さらに該マスターバッチを結着樹脂および他のトナー材料と混合後、溶融混練し、トナー中に着色剤を分散せしめることを特徴とするトナー製造方法。 - トナーに含有される帯電制御剤として、サリチル酸金属化合物あるいはホウ素錯体、或いは環状フェノール系オリゴマーから選ばれる1種以上を0.5〜10重量%含有する請求項2記載のトナー製造方法。
- 現像スリーブ上にブレードによりトナーがコートされ、静電荷像の現像に供せられる非磁性一成分現像法に用いられる請求項2または3記載のトナー製造方法。
- 着色剤として、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド146およびC.I.ピグメントレッド57:1の群から選ばれる少なくとも1種を1〜5重量%の範囲で含有する請求項2〜4記載のマゼンタトナー製造方法。
- 着色剤として、C.I.ピグメントレッド122とC.I.ピグメントレッド238とをそれぞれ1〜4重量%の範囲で含有する請求項2〜4記載のマゼンタトナー製造方法。
- 着色剤として、銅フタロシアニン顔料を1〜5重量%含有する請求項2〜4記載のシアントナー製造方法。
- 着色剤として、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74およびC.I.ピグメントイエロー180の群から選ばれる少なくとも1種を1〜4重量%の範囲で含有する請求項2〜4記載のイエロートナー製造方法。
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