JP2003149859A - 静電荷像現像用負帯電性トナーおよびその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用負帯電性トナーおよびその製造方法

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JP2003149859A JP2001345489A JP2001345489A JP2003149859A JP 2003149859 A JP2003149859 A JP 2003149859A JP 2001345489 A JP2001345489 A JP 2001345489A JP 2001345489 A JP2001345489 A JP 2001345489A JP 2003149859 A JP2003149859 A JP 2003149859A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性一成分現像方法に用いられ、高品質の
画像特性を初期からライフエンドまで安定して得るトナ
ーおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなる
トナーにおいて、該結着樹脂がポリエステル樹脂であっ
て、GPC分子量分布において重量平均分子量M、数
平均分子量Mとの比M/M、分子量ピーク値P
1、P2があり、高分子量成分の含有量、そして樹脂酸
価などが規定され、またビスフェノールAプロピレンオ
キサイド2モル付加物とフマル酸或いはマレイン酸との
共重合ポリエステルを用いた顔料分散マスターバッチを
予めつくり、結着樹脂および他のトナー材料と混合後、
溶融混練し、トナー中に着色剤を分散せしめるトナー製
造方法および静電荷像現像用負帯電性トナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法に用いられる非磁性一成分トナーお
よびトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法として米国特許第2,
297,691号明細書、特公昭42−23910号公
報、特公昭43−24748号公報等に記載されている
多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を
利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成
し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じ
て直接的及び間接的手段を用い、紙等の転写材にトナー
画像を転写した後、加熱、加圧、加熱と加圧、あるいは
溶剤蒸気等により定着して転写物を得るものであり、そ
して感光体上に転写されずに残ったトナーは種々な方法
でクリーニングされて、上述の工程が繰り返される。
【0003】近年、複写機やレーザービームプリンター
のごとき電子写真技術を用いた画像形成装置が広く普及
してくるにつれ、装置の小型化、高速化が進行してい
る。このようななかで、従来の二成分現像システムより
も、現像機の簡易化、小型化が可能な一成分現像システ
ムが普及している。この一成分現像システムには、トナ
ー中に磁性体を含有せしむる一成分磁性トナーのシステ
ムが良く用いられてきたが、最近のカラープリンターの
普及に伴い、フルカラー画像を形成するために発色性の
良い非磁性の一成分トナーを用いるシステムが急速に普
及してきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近のカラープリンタ
ーの普及に伴い、画像は潜像に現像された後、転写紙に
各色毎に転写されるのではなく、フルカラー現像を形成
するために、転写ベルトや転写ドラムのような中間転写
体に各色の画像が形成され、その後に一括転写される方
式が普及している。従来のシステムでは、トナーは感光
体等に現像された後、転写紙に転写され、ヒートローラ
ーのような定着システムにより定着させられていたが、
中間転写システムの採用により、転写工程が増え、廃ト
ナーの発生量が多くなるという問題が生じている。
【0005】また、小型のカラープリンターの普及とと
もに、使用される環境も多様化するようになり、広い温
湿度環境に対応することが求められている。非磁性一成
分現像が小型のカラープリンターのシステムとしてもっ
とも好ましい現像システムであるが、非磁性一成分現像
の場合、広い温湿度環境に対応しつつ、高品質の画像特
性を初期からライフエンドまで安定して得ることが難し
い。特に、低温低湿、高温高湿下において、カートリッ
ジ開封直後の初期画像やトナー切れ前において、かぶり
が生じたり、べた画像にムラが生じたり、文字周りに飛
び散りが起きたり、消費量が異常に多くなることにより
定着オフセットが生じたり、転写紙の歪みから両面印刷
時での紙詰まりなどの原因になることがある。
【0006】また、従来の白黒像の場合には、べた部の
画像濃度が重要な品質課題であったが、カラー画像の場
合には、ハーフトーンと呼ばれる中間調画像部の濃度の
再現性が重要視される。この中間調画像部の濃度の再現
性が非磁性一成分現像では難しい。このように、べた部
での画像濃度の安定性に加え、中間調画像部の濃度の安
定性もさらに要求されている。
【0007】このように、フルカラー画像を形成する小
型のプリンターにおいては、非磁性一成分現像がもっと
も好ましい現像システムであるが、高品質の画像特性を
初期からライフエンドまで安定して得ることが難しいと
いう問題を満足させる、高品質の画像特性を得るための
トナーが求められている。
【0008】本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされ
たもので、非磁性一成分現像方法に用いられ、高品質の
画像特性を初期からライフエンドまで安定して得るトナ
ーおよびその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは鋭意
検討した結果、トナーに添加する各成分のトナー中への
分散性が、トナーの転写特性、画像濃度に影響を与え、
特に着色剤となる顔料の分散性により、中間調画像部の
濃度が安定すること、また、中間調部分の現像特性も帯
電制御剤を選択することにより大きく変ることをを見い
だした。
【0010】その結果、本発明における結着樹脂がポリ
エステル樹脂であって、該ポリエステル樹脂が、GPC
(ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー)分子
量分布において、重量平均分子量Mが70000以
上、数平均分子量Mとの比M /Mが20〜50で
あり、分子量3000−20000の位置に少なくとも
一つのピーク値P1があり、分子量150000以上の
成分が10〜30%、分子量150000以上にP1の
高さの1/3を超えるピークが存在せず、含有される樹
脂の酸価が5mgKOH/g以下、であることを特徴と
する静電荷像現像用負帯電性トナーが、優れた転写特性
を有するとともに、べた部から中間調の画像濃度も高
く、また安定性があることを見いだした。
【0011】トナーに用いる着色剤は、トナー自身が数
μmの粒径であるから、トナー中に更に細かい粒径で分
散している必要がある。また、着色剤の分散性が良いも
のほど発色性は高く、また着色剤の分散特性は帯電特性
さらに現像特性に影響を与える。トナー中に着色剤を分
散するにあたっては、トナーの主成分となる樹脂の粘度
や極性が大きく影響する。従来、フルカラー用のトナー
に用いる樹脂としては、色を重ねた際の混色性の問題か
ら、重量平均分子量が小さく、溶融粘度が低い樹脂が用
いられ、また、極性も高い樹脂、すなわち酸価10mg
KOH/g前後、或いはそれ以上のものが用いられてい
た。まれに酸価を低くするものは、正帯電性トナーに用
いるためであった。
【0012】本発明者らは、中間調部分の画像濃度の安
定性について検討したところ、重量平均分子量が高目の
樹脂を用い酸価が低い方が、中間調部分の画像濃度の安
定性には良いことを見いだした。
【0013】また、マスターバッチと呼ばれる、あらか
じめ顔料を樹脂中に分散せしめたものを樹脂や主な材料
と混合し、溶融混練して、顔料分散を高める方法が知ら
れている。このマスターバッチを用いる樹脂の材料種や
極性においても影響があり、酸価7〜15mgKOH/
g、平均分子量50000以下である、ビスフェノール
Aプロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸或いは
マレイン酸との共重合ポリエステルを用いることによ
り、中間調の濃度が高くなる。
【0014】更にトナー結着樹脂としては、ポリエステ
ル樹脂であって、GPC分子量分布において、重量平均
分子量Mが70000以上、数平均分子量との比M
/M が20〜50であり、分子量3000−2000
0の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子
量150000以上の成分が10〜30%、分子量15
0000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存
在せず、結着樹脂の酸価が5mgKOH/g以下である
樹脂を用いることが、このマスターバッチとの組合せに
おいて、中間調部分の画像濃度を更に向上するととも
に、耐久特性にも優れる。またさらに、トナーが現像ス
リーブから飛散することを抑制し、画像を形成するプリ
ンターや複写機内部へのトナー飛散による汚れを軽減す
る。
【0015】また、本発明のトナーは、トナー粒子に含
有される帯電制御剤として、サリチル酸金属化合物或い
はホウ素錯体、或いは環状フェノール系オリゴマーから
選ばれる1種以上を0.5〜10重量%含有することに
より、印字の品質の環境特性が安定化する。
【0016】特に、かぶりや飛び散りは、高湿環境下や
低湿環境下では顕著に現れる傾向があるが、本発明のト
ナーは高温高湿下、或いは低温低湿下においても好まし
い特性を示す。これは、トナー表面に吸着している水分
量が適度に吸着するとともに、現像特性に影響するため
と考えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、少なくとも結着樹脂及
び着色剤を有するトナーにおいて、結着樹脂がポリエス
テル樹脂であって、該ポリエステル樹脂が、GPC分子
量分布において、重量平均分子量Mが70000以
上、数平均分子量との比M/Mが20〜50であ
り、分子量3000−20000の位置に少なくとも一
つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成
分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高
さの1/3を超えるピークが存在せず、含有される樹脂
の酸価が5mgKOH/g以下、であることを特徴とす
る静電荷像現像用負帯電性トナーである。
【0018】本発明におけるポリエステル樹脂のGPC
分子量分布において、重量平均分子量Mが70000
以上、数平均分子量との比M/Mが20〜50であ
り、分子量3000−20000の位置に少なくとも一
つのピーク値P1があり、分子量150000以上の成
分が10〜30%、分子量150000以上にP1の高
さの1/3を超えるピークが存在しないことである。
【0019】また、P1が20000を超えると、低温
での溶融特性が悪く低温定着性に劣るようになる。GP
Cにおける分子量分布において、重量平均分子量M
70000以上、数平均分子量との比M/Mが20
〜50であり、分子量3000−20000の位置に少
なくとも一つのピーク値P1があり、分子量15000
0以上の成分が10〜30%、分子量150000以上
にP1の高さの1/3を超えるピークが存在しないこと
により、高温時のオフセット性を十分に保持しつつ、優
れた定着特性を有するようになる。また、分子量150
000以上の成分が10〜30%、分子量150000
以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在しない
ようにすることにより、高分子量分が定着性を阻害せ
ず、また、着色剤の分散を優れたものとしている。
【0020】更には、分子量150000以上にGPC
チャート上ピークが存在せず、分子量が低分子から高分
子にかけて連続的に少なくなつている方が、トナーの耐
久性においてすぐれている。これは、GPCチャート上
大きく2つのピークになつているより、材料の分散性が
優れているためと考えられ。
【0021】また、テトラヒドロフラン(THF)不溶
成分は、ないことが好ましいがあっても樹脂成分の1%
以下である。1%を超えると材料の分散性にに悪影響を
与える。
【0022】樹脂組成物のTHF可溶成分の分子量分布
の測定方法は次のようである。
【0023】まず、ポリエステル樹脂の場合のGPC測
定用の試料を以下のように作製する。ポリエステル樹脂
をTHF中に入れ、数時間放置した後、ポリエステル樹
脂の合一体がなくなるまで十分に良く混ぜ、さらに12
時間以上静置する。この時、THF中への放置時間が2
4時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フ
ィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、
東ソー社製のマイショリディスクH−25−5、ゲルマ
ンサイエンスジャパン社製のエキクロディスク25CR
等が利用できる)を通過させたものをGPCの試料す
る。ポリエステル樹脂濃度は、樹脂成分が0.5〜5m
g/mlとなるように調製する。
【0024】結着樹脂の場合、トナーのトルエン抽出液
からトルエンをエバポレートし、得られた固形物をクロ
ロホルムと混合し、クロロホルム分散液を得、クロロホ
ルム分散液を濾過してクロロホルム不溶固形分とクロロ
ホルム溶液の濾液とに分離する。濾液からクロロホルム
をエバポレートし、固形物をTHFと混合してポリエス
テル樹脂の場合と同様にしてGPC測定のための試料を
作製する。
【0025】ポリエステル樹脂のTHF可溶成分及び結
着樹脂のTHF可溶成分のGPCによる分子量および分
子量分布は以下の方法で測定される。40℃のヒートチ
ャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラ
ムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの速度で流し、T
HF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の
分子量測定に当っては、試料の有する分子量分布を、数
種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量
線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線
作成用の標準ポリエステル試料としては、例えば、東ソ
ー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102 〜107
程度のものを用い、少なくとも6点程度の標準ポリスチ
レン試料を用いるのが適当である。検出器には、RI
(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポ
リスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのがよ
い。
【0026】本発明のポリエステル樹脂は、酸価が5m
gKOH/g以下である。酸価が小さいために、着色剤
を含んだ場合の環境特性は好ましくなる。酸価が5mg
KOH/gを超える場合には、低温、低湿時に多数印刷
した場合に、濃度変化をきたす場合がある。
【0027】本発明に用いるポリエステル樹脂の組成
は、以下のとおりである。
【0028】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、または次
式で示されるビフェノールおよびその誘導体、
【化1】 (但し、式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、
x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつx+yの平
均値は0〜10である) また、次式で示されるジオール類、
【化2】 (但し、式中、R′は−CH2 CH2 −、又は−CH2
・CH(CH3 )−又は−CH2 ・C(CH3 2 −を
表し、x′,y′はそれぞれ0以上の整数であり、かつ
x′+y′の平均値は0〜10である)等が挙げられ、
これらは単独又は2種以上混合して使用される。
【0029】また、2価の酸成分としては、例えば、フ
タル酸、テレフタル酸、イソソフタル酸、無水フタル酸
等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物若しくは低
級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸又はその無
水物若しくは低級アルキルエステル;n−ドデセニルコ
ハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸
類若しくはアルキルコハク酸類、又はその無水物若しく
は低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シト
ラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類、又は
その無水物若しくは低級アルキルエステル;等のジカル
ボン酸類およびその誘導体が挙げられる。
【0030】また、架橋成分としても働く3価以上のア
ルコール成分或いは3価以上の酸成分を併用することが
耐久性を向上させるうえで好ましい。
【0031】3価以上のアルコール成分としては、例え
ば、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオー
ル、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2
−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ト
リヒドロキシベンゼン等が挙げられ、これらは単独又は
2種以上混合して使用される。
【0032】また、本発明における3価以上の多価カル
ボン酸成分としては、例えば、トリメリット酸、ピロメ
リット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタ
レントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカル
ボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,
5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル
−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テト
ラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−
オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及び
これらの無水物若しくは低級アルキルエステル;次式で
示される
【化3】 (但、式中、Xは炭素数1以上の側鎖を1個以上有して
いてもよい炭素数30以下のアルキレン基又はアルケニ
レン基を表す) テトラカルボン酸等、及びこれらの無水物若しくは低級
アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体
等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用
される。
【0033】本発明に用いられるアルコール成分の配合
割合は、40〜60mol%、好ましくは45〜55m
ol%、酸成分の配合割合は、60〜40mol%、好
ましくは55〜45mol%である。また、3価以上の
多価の成分は、全成分中の1〜60mol%であること
が好ましい。
【0034】また、本発明のトナーは、他の樹脂を20
%の範囲で併用してもよい。併用される結着樹脂の種類
としては、例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロルス
チレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重
合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレ
ン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタ
リン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチル
エーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共
重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体
等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール
樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン
樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニー
ル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシ
レン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
【0035】また、架橋されたスチレン系樹脂を併用し
てもよい。なかでも、スチレンの系共重合体がポリエス
テル樹脂との相溶の面から好ましい。
【0036】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有する
ジカルボン酸もしくはその置換体;例えば、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエス
テル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等の
ようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチル
ケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン
類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルイソプロピルエーテル等のようなビニルエ
ーテル類、等のビニル単量体が挙げられ、これらは単独
又は2種以上混合して使用することができる。ここで用
いられる架橋剤としては、主として2個以上の重合可能
な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビ
ニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブ
タンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2
個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビ
ニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォ
ン等のようなジビニル化合物;および3個以上のビニル
基を有する化合物等が挙げられ、これらは単独又は2種
以上混合して使用することができる。
【0037】本発明のトナーは、酸価7〜15mgKO
H/g、平均分子量50000以下、ビスフェノールA
プロピレンオキサイド2モル付加物とフマル酸あるいは
マレイン酸との共重合ポリエステルに分散混合された顔
料分散マスターバッチを用いることができる。酸価7〜
15mgKOH/g、平均分子量50000以下、ビス
フェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とフマ
ル酸あるいはマレイン酸との共重合ポリエステルに分散
混合された顔料分散マスターバッチを用いることによ
り、画像濃度の向上、中間調現像性の向上を図ることが
できる。
【0038】着色剤を酸価7〜15mgKOH/g、平
均分子量50000以下、ビスフェノールAプロピレン
オキサイド2モル付加物とフマル酸あるいはマレイン酸
との共重合ポリエステルに分散混合された顔料分散マス
ターバッチを予めつくり、さらに、これを樹脂および他
のトナー材料と混合後、溶融混練し、トナー中に着色剤
を分散せしめたトナー製造法が、顔料分散面がよく画像
濃度の向上の面から好ましい。
【0039】マスターバッチにより、顔料分散が良くな
り、濃度を向上せしめることはよくしられている。しか
るに、更にビスフェノールAプロピレンオキサイド2モ
ル付加物とフマル酸あるいはマレイン酸との共重合ポリ
エステルを樹脂として用いることにより、さらに中間調
の画像濃度が向上することを本発明者らは見いだしたの
である。この理由は、明らかではないが、ポリエステル
モノマー種の特性差と推定している マスターバッチに用いられる樹脂は、GPCにおける分
子量分布においては、重量平均分子量3000以上50
000以下であり、M/Mは10以下のものが用い
られる。Tgは、DSCによる中点法で、50〜65℃
のものが用いられる。水酸基価は、8〜25のものが用
いられる。
【0040】これらのマスターバッチ製作には、共重合
ポリエステル、着色剤さらには必要に応じて他の添加剤
をヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機によ
り十分混合し、得られた混合物を加熱ロール、ニーダ
ー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混
練する方法、或いは共重合ポリエステルを顔料分散溶液
と常圧あるいは加圧下で混合混練する方法が挙げられ
る。
【0041】マスターバッチにおける着色剤の含有量
は、20%〜55%が好ましい。20%未満では顔料分
散の効果が少なく、55%を超えると熱混練機での製造
が困難となる。
【0042】さらに、該マスターバッチと、結着樹脂と
して、GPCにおける分子量分布において、重量平均分
子量Mが70000以上、数平均分子量との比M
が20〜50であり、分子量3000−20000
の位置に少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量
150000以上の成分が10〜30%、分子量150
000以上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在
せず、含有される樹脂の酸価が5mgKOH/g以下で
ある、ポリエステル樹脂とをトナーに含有せしめること
により、中間調部分の画像濃度を更に向上するととも
に、耐久特性にも優れる。またさらに、トナーが現像ス
リーブから飛散することを抑制し、画像を形成するプリ
ンターや複写機内部へのトナー飛散による汚れを軽減す
る。
【0043】本発明に用いる着色剤としては、以下のも
のを用いることが可能である。
【0044】黒色着色剤としては、カーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ベンガラ、ア
ゾ系染料、磁性体、または後述のイエロー/マゼンタ/
シアン着色剤を混合黒色に調色されたものが利用でき
る。
【0045】黒色着色剤としてカーボンブラックを用い
る際には、チャンネル法で製造されたチャンネルブラッ
クおよびファーネス法で製造されたファーネスブラック
が用いられるが、pH2〜10の範囲のもの、好ましく
はpH2〜5の範囲のものが用いらる。平均一次粒径と
しては、20〜50nmの範囲のものが用いられる。
【0046】磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケ
ル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ
素等の元素を含む金属酸化物などがある。なかでも、四
三酸化鉄、γ−酸化鉄等の酸化鉄を主成分とするものが
好ましい。これらの磁性体の粒子は、窒素吸着法による
BET比表面積が、好ましくは2〜30m2 /gがよ
く、特に3〜28m2 /gが良い。更にモース硬度が5
〜7の磁性粒子が好ましい。磁性粒子の形状としては、
8面体、6面体、球形、針状、鱗片状等があるが、8面
体、6面体、球形、不定形等の異方性の少ないものが好
ましい。特に磁性粒子の球形度Ψが0.8以上であるこ
とが画像濃度を高めるうえで好ましい。磁性粒子の平均
粒径としては、0.05〜1.0μmが好ましく、さら
に好ましくは0.1〜0.4μmが好ましい。
【0047】トナーにおける磁性体の含有量は、結着樹
脂100重量部に対して10〜150重量部の割合で用
いられる。
【0048】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合
物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフ
トール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジ
ゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的に
は、C.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,2
3,48:2,48:3,48:4,57:1,81:
1,122,146,166,169,177,18
4,185,202,206,220,221,23
8,254が特に好ましい。これらは、単独又は2種以
上混合して使用することができる。
【0049】なかでも本発明の着色剤として、C.I.
ピグメントレッド122或いはC.I.ピグメントレッ
ド238がトナーとした場合の現像特性の面から好まし
い。これらの配合割合は1〜5重量%の範囲である。
【0050】さらに、C.I.ピグメントレッド122
とC.I.ピグメントレッド238とを同時に含有する
ことが現像特性から好ましく、それぞれ1〜4重量%の
範囲で含有することがより好ましい。
【0051】本発明に用いるシアン着色剤としては、銅
フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノ
ン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体
的には、C.I.ピグメントブルー1,7,15,1
5:1,15:2,2,15:3,15:4,60,6
2,66等が挙げられ、特に好適に利用できる。これら
は、単独又は2種以上混合して、さらには固溶体の状態
で使用することができる。なかでも、銅フタロシアニン
顔料を1〜5重量%含有することが現像特製から好まし
い。
【0052】本発明に用いるイエロー着色剤としては、
縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキ
ノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミ
ド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的に
は、C.I.ピグメントイエロー12,13,14,1
5,17,62,74,83,93,94,95,10
9,110,111,128,129,147,16
8,180等が挙げられ、これらは、単独又は2種以上
混合して使用することができる。なかでもC.I.ピグ
メントイエロー17或いはC.I.ピグメントイエロー
74或いはC.I.ピグメントイエロー180を1〜5
重量%含有することが現像特性の面から好ましい。
【0053】上記した着色剤は、色相角、彩度、明度、
耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選
択される。また、該着色剤の配合割合は、樹脂100重
量部に対して1〜10重量部である。
【0054】また、本発明のトナーにおいては、定着時
における定着部材からの離型性の向上定着性の向上の点
から次のようなワックス類をトナー粒子中に含有させる
ことも好ましい。
【0055】ポリオレフィンワックスおよびその誘導
体、ポリプロピレンワックスおよびその誘導体、ポリエ
チレンワックスおよびその誘導体、パラフィンワックス
およびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよ
びその誘導体、フィッシャートロプシュワックスおよび
その誘導体、エステルワックスおよびその誘導体、カル
ナバワックスおよびその誘導体、その他の天然ワックス
およびその誘導体等が挙げられる。誘導体には、酸化物
や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体、グラフト
変性物を含む。
【0056】これらのなかでも、フィッシャートロプシ
ュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、
高級アルコール等が、現像スリーブ上にブレードにより
トナーがコートされ、静電荷像の現像に供される非磁性
一成分現像法に用いられる場合に、現像特性の面から好
ましい。
【0057】上記ワックスの具体例として、例えば、カ
ルナバワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油、水
添ホホバ油、ライスワックス、モンタン酸ワックス、日
本精蝋社製LUVAXシリーズ、HNPシリーズ、三洋
化成社製サンワックスシリーズ、三井化学社製ハイワッ
クスシリーズ、シューマンサゾール社製パラフリントシ
リーズ、H1,H2、クラリアント社製H4,R21
等、ペトロライト社製ユニリンシリーズ等が挙げられ
る。
【0058】ワックスとしては、示差走査熱量計により
測定されるDSC曲線においてオンセット温度が50〜
120℃の範囲、ピーク温度が60〜140℃の範囲内
のものが好ましい。DSC曲線の測定に当っては、セイ
コー電子(株)製DSCにより測定した。
【0059】本発明においてのワックスの配合割合は、
1〜10重量%の範囲で含有することができる。
【0060】その他の添加剤として、シリコーンオイ
ル、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケト
ン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動
物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利
用できる。
【0061】さらに、本発明のトナー粒子中には荷電制
御剤を含有させることが好ましい。トナーを負荷電性に
制御するものとしては、下記物質がある。例えば、有機
金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金
属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイド
ロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合
物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳
香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、
エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類な
どがある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合
物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級ア
ンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ス
チレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸
共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、
ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。なかで
も、帯電性、色味の面からサリチル酸の金属化合物ある
いはホウ素錯化合物あるいは環状フェノール系オリゴマ
ーが好ましく、ホウ素錯化合物としてはα−ヒドロキシ
カルボン酸のホウ素錯化合物類、環状フェノール系オリ
ゴマーとしてはカリックスアレーン類が挙げられる。
【0062】これらの化合物の具体例としては、サリチ
ル酸の金属化合物として例えば、ボントロンE81、ボ
ントロンE84、ボントロンE88(オリエント化学株
式会社製、商品名)、TN105(保土ヶ谷化学株式会
社製、商品名)等が挙げられる。これらは、トナー中に
0.5〜10重量%含有することが好ましい。
【0063】ホウ素錯化合物の具体例としては、例え
ば、LR147(日本カーリット株式会社製、商品名)
が挙げられ、トナー中に0.5〜3重量%含有すること
が好ましい。
【0064】環状フェノール系オリゴマーの具体例とし
ては、例えば、ボントロンE89(オリエント化学株式
会社製、商品名)が挙げられ、トナー中に0.5〜2重
量%含有することが好ましい。
【0065】本発明において外添される荷電制御性の粒
子としては、金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、カーボンブ
ラック等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合し
て使用することができる。
【0066】上記した外添剤の配合割合は、トナー粒子
100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部である。
【0067】本発明のトナーは、重量平均径が5.8〜
10.5μm、かつ5.0μm以下の含有量が個数で2
0%以下含有され、20μm以上の含有量が重量で1.
0%以下であることが好ましい。であることが好まし
い。より好ましくは5.0μm以下の含有量が個数で1
6%以下である。
【0068】この粒度の測定は、コールターカウンター
法により以下の方法により行った。コールターマルチサ
イザー(コールター社製)を用い、電解液は1級塩化ナ
トリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製するが、電
解液として例えば、ISOTON R−11(コールター
サイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測
定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に
分散剤としてアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1
〜5ml加え、測定試料を2〜20mg加える。試料を
懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間分散処理を
行い、前記測定装置により100μmアパーチャー、2
56チャンネルモードにて、2.05μm以上のトナー
の体積、個数を測定し、重量分布と個数分布とを算出し
た。
【0069】本発明に用いるトナー粒子に外添される流
動付与剤としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アル
ミニウム、酸化チタンなど)、カーボンブラック、フッ
化カーボン、シリカ等が挙げられ、それぞれ疎水化処理
を行ったものが好ましい。なかでも、シリカ(Si
2 )の粒径0.001〜20μmの微粉体、特に0.
01〜1.0μmの微粉体のものの表面をシランカップ
リング剤、シリコーンオイル等で疎水化したものを用い
るのがよい。シリカ微粉体は、トナー粒子100重量部
に対し、0.1〜4.0重量部の範囲で含まれるのが好
ましい。0.1重量部より少ないとトナー粒子に十分流
動性を付与することができず、画像上の濃度が低くなる
ことがある。4.0重量部より多い場合は、感光体融着
や低温・低湿下での帯電量が増大し、画像濃度の低下を
まねく。
【0070】本発明において外添される研磨剤として
は、金属酸化物、(チタン酸ストロンチウム,酸化セリ
ウム,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化クロ
ム等)窒化物(窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素
など)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸
カルシウム等)等が挙げられ、これらは単独又は2種以
上混合して使用することができる。
【0071】本発明において外添される滑剤としては、
フッ素系樹脂粉末、(フッ化ビニリデン、ポリテトラフ
ルオロエチレン等)、脂肪酸金属(ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム等)等が挙げられ、これらは単
独又は2種以上混合して使用することができる。
【0072】本発明の粉砕トナーの製造方法は、結着樹
脂、低軟化点物質、着色剤としての顔料又は染料、必要
に応じて荷電制御剤、その他添加剤を、ヘンシェルミキ
サー、ボールミルのような混合機により十分に混合し、
得られた混合物を加熱ロール、ニーダ、エクストルーダ
ーのような熱混練機を用いて溶融混練し、樹脂成分を互
いに相溶させた中に低軟化点物質、顔料、染料、磁性体
を分散又は溶解せしめ、得られた混練物を冷却固化後、
粉砕および分級を行ってトナーを得ることができる。さ
らに、外添剤を添加してヘンシェルミキサーのような混
合機により混合、篩がけ後、本発明に係るトナーを得る
ことができる。
【0073】本発明のトナーを二成分系現像剤として用
いる場合には、キャリアと混合して用いられ、トナーと
キャリアの混合比は、トナー濃度として0.1〜50質
量%で用いられ、好ましくは0.5〜20質量%、より
好ましくは3〜10質量%である。
【0074】このキャリアコア材料としては、例えば、
表面酸化又は未酸化の鉄、コバルト、ニッケル銅、亜
鉛、マンガン、クロム希土類の金属、それらの合金、化
合物、酸化物、磁性フェライト等が用いられる。なかで
もフェライトキャリアを98質量%以上含有するものが
好ましく用いられる。キャリアの製造方法としては、特
別な制約はない。コア材の表面を樹脂等で被覆したコー
トキャリアは特に好ましい。被覆する方法としては、樹
脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて被覆
液を調製し、該被覆液をキャリア粒子表面に塗布しキャ
リア粒子表面に付着せしめる方法、単にキャリア粒子と
被覆粉体を乾式混合する方法など、従来公知の方法が適
用できる。
【0075】コートキャリアの被覆用に用いられる結着
樹脂としては、スチレン、クロルスチレン等のスチレン
類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等
のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メ
チレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル
等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキ
シルルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニル
ケトン類の単独重合体、あるいは共重合体等が挙げられ
る。特に代表的な結着樹脂としては、導電性微粒子の分
散性やコート層としての塗膜性、トナースペント防止、
生産性という点などからポリスチレン、スチレン−アク
リル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等が挙げられる。更にポリカーボネート、フェノール
樹脂、ポリエステル、ポリウレタンエポキシ樹脂、ポリ
オレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド
等が挙げられる。特に、スペント防止という観点から、
臨界表面張力の小さい樹脂、例えば、ポリオレフィン、
フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいることがより
望ましい。
【0076】なお、ブレンド量は、全バインダー量に対
するフッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹またはシリ
コーン系樹脂の割合は、1.0〜60質量%が適当であ
り、特に2.0〜40質量%が望ましい。含有量が1.
0質量%未満であると、表面改質効果が十分でなく、ト
ナースペントに効果がない。また、60質量%を超える
と両者が均一に分散されにくいため、体積抵抗値に部分
的なムラが生じ、帯電特性が悪くなるためである。
【0077】なお、キャリアの被覆用結着樹脂として用
いられるフッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニル、
フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等と他
のモノマーとの溶剤可溶性の共重合体が挙げられる。ま
た、キャリアの被覆用結着樹脂として用いられるシリコ
ーン樹脂としては、例えば、信越シリコーン社製、KR
271,KR282,KR311,KR255,KR1
55(ストレートシリコーンワニス)、KR211,K
R212,KR216,KR213,KR217,KR
9218(変性用シリコーンワニス)、SA−4、KR
206,KR5206(シリコーンアルキッドワニ
ス)、ES1001,ES1001N,ES1002
T,ES1004(シリコーンエポキシワニス)、KR
9706(シリコーンアクリルワニス)、KR520
3,KR5221(シリコーンポリエステルワニス)や
東レシリコーン社製のSR2100,SR2101,S
R2107,SR2110,SR2108,SR210
9,SR2400,SR2410,SR2411,SH
805,SH806A,SH840等が用いられる。
【0078】上記の材料の使用量は、適宜決定すればよ
いが、一般的には、総量でキャリアに対し、0.1〜3
0質量%、好ましくは0.5〜20質量%が好ましい。
【0079】キャリアの平均粒径は、20〜100μ
m、好ましくは、25〜70μm、より好ましくは25
〜65μmであることが好ましい。
【0080】特に好ましいキャリアとしては、Cu−Z
n−Fe[組成重量比(5〜20):(5〜20):
(30〜80)]の3元素フェライト粒子であり、その
表面をフッ素樹系脂又はスチレン系樹脂又はシリコーン
樹脂又はそれらの混合樹脂で被覆したものが挙げられ
る。例えば混合樹脂として、ポリフッ化ビニリデンとス
チレン−メチルメタアクリレート樹脂;ポリテトラフル
オロエチレンとスチレン−メチルメタアクリレート樹
脂;フッ素系共重合体とスチレン系共重合体;等を9
0:10〜20:80、好ましくは70:30〜30:
70の重量比率の混合物が挙げられる。コーティング剤
を0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%コ
ーティングし、250メッシュをパスし、350メッシ
ュにオンすキャリア粒子が70質量%以上ある上記平均
粒径を有するコート磁性フェライトキャリアが、好まし
いキャリアとして挙げられる。該フッ素系共重合体とし
ては、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重
合体(10:90〜90:10)が例示され、スチレン
系共重合体としては、スチレン−アクリル酸2−エチル
ヘキシル共重合体(20:80〜80:20)、スチレ
ン−アクリル酸2−エチルヘキシン−メタクリル酸メチ
ル共重合体(20〜60:5〜30:10〜50)が例
示される。
【0081】粒度分布のシャープな上記コート磁性フェ
ライトキャリアは、本発明のトナーに対し、好ましい摩
擦帯電を付与し、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0082】本発明のトナーとキャリアとを混合して二
成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中の
トナー濃度として、1質量%〜15質量%、好ましくは
2質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が生まれ
る。トナー濃度が1質量%未満では画像濃度が低くな
り、15質量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せし
め、現像剤の耐用寿命を短縮しがちである。
【0083】本発明のトナーは、通常、非磁性一成分ト
ナーを用いる場合には、ブレード又はローラを用い、現
像スリーブにて強制的に摩擦帯電し、スリーブ上にトナ
ーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
【0084】図1に、本発明における本発明の非磁性一
成分現像方法に用いられる現像装置の概念図を示す。1
は、トナーを収容する現像器、2はa方向に回転する感
光体である。現像器1の感光体2に対向配置される箇所
には、現像スリーブ11が備えられており、現像スリー
ブ11はトナーを担持するとともに、感光体2上の静電
画像を現像してトナー画像とする。現像スリーブ11と
対向する感光体2とは微少間隔を設けても、接触させて
もよく、また現像スリーブ11は感光体2の回転方向に
対して順方向に回転させる。なお、現像スリーブ11
は、図のような円筒状のものに限らず、回転駆動する無
端ベルトの形態をしてもよく、導電性ゴムローラを用い
てもよい。
【0085】さらに、現像器1には、現像スリーブ11
の上方位置に弾性規制部材として、弾性ブレード12が
設けられ、また弾性ブレード12よりも現像スリーブ1
1の回転方向上流側の位置にトナー塗布ローラ13が設
けられている。なお、弾性規制部材としては弾性ローラ
を設けてもよい。弾性ブレード12は現像スリーブ11
の回転方向上流側に向けて下がる向きに傾斜して設けら
れ、現像スリーブ11の上部外周面に回転方向に対向し
て当接される。なお、14は現像器1内に収容されたト
ナーの攪拌羽根である。
【0086】弾性ブレード12は、銅、鉄、ステンレス
等の金属製でも、或いは金属ブレード上の現像スリーブ
11との接触域にウレタン製或いはシリコーンゴム製の
樹脂チップが貼り付けられたものでも、或いはウレタン
製或いはシリコーンゴム製の樹脂ブレードでもよい。
【0087】現像スリーブ11は、アルミニウム、ステ
ンレススチールのごとき金属又は合金で形成された導電
性円筒が好ましく使用される。十分な機械的強度及び導
電性を有する樹脂組成物で導電性円筒が形成されたもの
でもよい。さらに、現像スリーブ11は、金属製又は合
金製の円筒表面に導電性微粒子が分散されている被覆層
を有していてもよい。被覆層は、樹脂材料としてアクリ
ル系樹脂又はフェノール樹脂を用い、被覆層中にはカー
ボン微粒子、カーボン微粒子と結晶性グラファイトの混
合物、または結晶性グラファイト導電性微粒子が含まれ
ているものが使用される。
【0088】トナー塗布ローラ13は、現像スリーブ1
1に対して感光体2と反対側に当接され、且つ回転可能
に支持されている。
【0089】塗布ローラ13によって供給されたトナー
は、弾性ブレード12と現像スリーブ11との当接部を
通過し、現像スリーブ11上にトナーの箔層が形成さ
れ、感光体2と対向している現像部分へと搬送される。
現像スリーブ11に、現像バイアスとして直流に交流を
重畳した交互電圧をバイアス印加手段により印加するこ
とにより、現像スリーブ11上のトナーが感光体2上に
形成された静電荷像に対応して移転し、静電荷像に付
着、トナー画像が形成される。
【0090】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定され
るものではない。なお「部」とは「重量部」を意味す
る。
【0091】[マスターバッチの製造例1]下記の顔料
とポリエステル樹脂をニーダーに入れ、100℃に加熱
後、30分間混練した。混練物を板状にして冷却後、直
径2mmのメッシュを取り付けたスピードミルにて粉砕
し、樹脂組成物R1を得た。
【0092】 ・ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピルオキサイド2mol付加物とフ マル酸の共重合体、分子量:24300、Mw/Mn:5.5、酸価:10.3 mgKOH/g) 60部 ・C.I.ピグメント122 20部 ・C.I.ピグメント238 20部 [マスターバッチの製造例2]下記の顔料とポリエステ
ル樹脂とを用い、製造例1と同様にして、樹脂組成物R
2を得た。
【0093】 ・ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピルオキサイド2mol付加物とフ マル酸の共重合体、分子量:21600、Mw/Mn:4.2、酸価:9.1m gKOH/g) 60部 ・C.I.ピグメント238 40部 [マスターバッチの製造例3]下記の顔料とポリエステ
ル樹脂とを用い、製造例1と同様にして、樹脂組成物B
1を得た。
【0094】 ・ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピルオキサイド2mol付加物とフ マル酸の共重合体、分子量:24300、Mw/Mn:5.5、酸価:10.3 mgKOH/g) 60部 ・C.I.ピグメントブルー15:3 40部 [マスターバッチの製造例4]下記の顔料とポリエステ
ル樹脂とを用い、製造例1と同様にして、樹脂組成物Y
1を得た。
【0095】 ・ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピルオキサイド2mol付加物とフ マル酸の共重合体、分子量:24300、Mw/Mn:5.5、酸価:10.3 mgKOH/g) 60部 ・C.I.ピグメントイエロー17 40部 [マスターバッチの製造例5]下記の顔料とポリエステ
ル樹脂とを用い、製造例1と同様にして、樹脂組成物R
3を得た。
【0096】 ・ポリエステル樹脂(エチレングリコール、プロピレングリコールとテレフター ル酸の共重合体、分子量32000、Mw/Mn7.0、酸価5.8mgKOH /g) 60部 ・C.I.ピグメント238 40部 [結着樹脂の製造例1] ・テレフタール酸 6.0mol ・イソフタル酸 3.0mol ・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2mol付加物 7.0mol ・エチレングリコール 2.0mol ・ジエチレングリコール 1.0mol ・ジブチルチンオキサイド 0.05g 上記化合物を反応器に入れ、温度計、攪はん棒、コンデ
ンサー、窒素導入管を取り付け、窒素置換をした後、攪
はんしながら徐々に昇温し、170℃で5時間反応さ
せ、次いで190℃に昇温し、4時間反応させた。その
後、以下の化合物を加えた。
【0097】 ・無水トリメリット酸 0.9mol ・ジブチルチンオキサイド 0.3g その後、190℃で3時間反応させ、さらに200℃に
昇温し、減圧(10hPa)して4時間反応させ、脱水
縮合させて反応を終了し、ポリエステル樹脂Aを得た。
得られたポリエステル樹脂Aは、重量平均分子量Mw:
115000、Mw/Mn:39.8、P1:670
0、分子量150000以上の成分:15.1%、P
2:は存在せず、酸価:4.0mgKOH/g、OH
価:9.5、Tg:62.3℃であった。
【0098】 [結着樹脂の製造例2] ・テレフタール酸 6.0mol ・イソフタル酸 3.0mol ・エチレングリコール 6.0mol ・エタノール 8.0mol ・ジブチルチンオキサイド 0.05g 上記化合物を反応器に入れ、温度計、攪はん棒、コンデ
ンサー、窒素導入管を取り付け、窒素置換をした後、攪
はんしながら徐々に昇温し、170℃で5時間反応さ
せ、次いで190℃に昇温し、4時間反応させた。その
後、以下の化合物を加えた。
【0099】 ・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2mol付加物 7.0mol ・エチレングリコール 1.0mol ・ジエチレングリコール 2.0mol ・グリセリン 0.3mol ・ジブチルチンオキサイド 0.5g その後、190℃で3時間反応させ、さらに200℃に
昇温し、減圧(10hPa)して4時間反応させ、エス
テル交換反応、脱水縮合させて反応を終了し、ポリエス
テル樹脂Bを得た。得られたポリエステル樹脂Bは、重
量平均分子量Mw:99000、Mw/Mn:31.
7、P1:7400、分子量150000以上の成分:
13.2%、P2:134万、酸価:0.6mgKOH
/g、OH価:14、Tg:63.0℃であった。
【0100】 [結着樹脂の製造例3] ・テレフタール酸 6.0mol ・イソフタル酸 3.0mol ・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.3mol付加物 7.0mol ・エチレングリコール 2.0mol ・ジエチレングリコール 2.0mol ・ジブチルチンオキサイド 0.05g 上記化合物を反応器に入れ、温度計、攪はん棒、コンデ
ンサー、窒素導入管を取り付け、窒素置換をした後、攪
はんしながら徐々に昇温し、170℃で5時間反応さ
せ、次いで200℃に昇温し、4時間反応させた。その
後、以下の化合物を加えた。
【0101】 ・無水トリメリット酸 2.4mol ・ジブチルチンオキサイド 0.7g その後、200℃で3時間反応させ、さらに230℃に
昇温し、減圧(10hPa)して4時間反応させ、脱水
縮合させて反応を終了し、ポリエステル樹脂Cを得た。
得られたポリエステル樹脂Cは、重量平均分子量Mw:
562000、Mw/Mn:55.4、P1:960
0、分子量150000以上の成分:35.1%、P
2:1000万、酸価:18.4mgKOH/g、OH
価:21.5、Tg:56.2℃であった。
【0102】 実施例1 ・ポリエステル樹脂A 85部 ・樹脂組成物R1 10部 ・ビス−(ジフェニルオキソアセチル)ホウ素カリウム 3部 ・フィッシャートロプシュワックス(シューマンサゾール社製、パラフリントH 1) 2部 上記構成原料をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に
て混合分散した後、二軸混練機(池貝社製PCM30)
にて溶融混練を行い、さらにスピードミルにて粗粉砕し
た。粗粉砕物は、IDS−2型粉砕機(日本ニューマチ
ック社製)及びDSX−2型分級機(日本ニューマチッ
ク社製)で微粉砕・分級し、トナー分級品(M粉)を得
た。
【0103】このトナー分級品(M粉)100部に対し
て、ヘキサメチルジシラザン処理疎水性シリカを1.5
部、疎水化処理酸化チタン化合物を0.5部加え、ヘン
シェルミキサー(前出)で外添混合し、さらに超音波振
動篩(ダルトン株製)にかけてトナーを得た。
【0104】このトナー分級品(M粉)の粒子径分布を
マルチサイザーII(コールターカウンター社製)で測定
したところ、トナーの重量平均径が9.43μm、個数
分布において粒子径5μm以下の含有量が14.0個数
%、体積分布において粒子径20μm以上の含有率が
0.0%であった。
【0105】このトナーを普通紙ファクシミリのTF6
500(東芝テック社製、商品名)を改造したプリンタ
ーおよびカートリッジに適用して、画像形成を行った。
感光体は、ネガ帯電性有機感光体ドラムを用いてトナー
はネガ帯電性とし、現像ローラーはカーボン微粒子と導
電性グラファイトが含有されたフェノール樹脂を表面に
コートされたアルミ管とし、ブレードは現像ローラーと
の当接部にウレタン樹脂を貼付した金属薄板とした。有
機感光体ドラムの表面と現像ローラー表面間は、280
μmとした。トナー塗布ローラーは、導電性剤入りのウ
レタンを発泡させたスポンジローラーとした。
【0106】[画像評価試験]この改造プリンターを常
温・常湿(23℃、60%RH)下に放置後、A4画像
を出力し、画像評価を行った。べた画像、文字画像、白
を出力したところ、良好な画像が得られた。さらに5m
m角のべた及び文字の画像を2000枚出力した後に、
べた画像、文字画像、白を出力したところ、カブリのな
い良好な画像が得られた。評価結果をまとめて表1に示
した。カブリ評価、○:優、○△:良、△:可、△×:
不可、×:劣。
【0107】[トナー飛散評価]現像ローラー下部に白
紙を貼り付け、その部分の汚れを目視にて評価した。
○:優、○△:良、△:可、△×:不可、×:劣。
【0108】[階調性評価]感光体上に単位面積当りの
印字画素比率が、100%、75%、50%、25%の
4段階のハーフトーン画像(べたを含めて)の潜像を形
成し、これを現像し、画像形成する。この濃度を測定
し、階調性を評価した。
【0109】[高温・高湿環境並びに低温・低湿環境試
験]さらに、この改造プリンターを高温・高湿環境(3
0℃、80%RH)並びに低温・低湿環境(15℃、1
0%RH)下に2日間放置した後、同じく画像評価を行
った。評価結果は、、高温・高湿環境(30℃、80%
RH)での結果を表2に、低温・低湿環境(10℃、2
0%RH)下での結果を表3にまとめた。
【0110】[定着性試験]このプリンターを用いて、
定着器の表面温度を120℃から230℃まで変更させ
ながら、64g紙を用いて定着性の試験を行った。定着
開始温度及びオフセット発生温度を求め、結果を表4に
まとめた。
【0111】 実施例2 ・ポリエステル樹脂A 85部 ・樹脂組成物B1 10部 ・ジt−ブチルサリチル酸亜鉛化合物 3部 ・フィッシャートロプシュワックス(日本精蝋社製、MDP7010) 2部 材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナ
ーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果
を表1から表4にまとめた。
【0112】 実施例3 ・ポリエステル樹脂A 85部 ・樹脂組成物Y1 10部 ・ビス−(ジフェニルオキソアセチル)ホウ素カリウム 3部 ・高級アルコール(ペトロライト社製、ユニリン350) 2部 材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナ
ーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果
を表1から表4にまとめた。
【0113】 実施例4 ・ポリエステル樹脂B 85部 ・樹脂組成物R1 10部 ・ビス−(ジフェニルオキソアセチル)ホウ素カリウム 3部 ・フィッシャートロプシュワックス(シューマンサゾール社製、パラフリントH 1) 2部 材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナ
ーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果
を表1から表4にまとめた。
【0114】 実施例5 ・ポリエステル樹脂B 85部 ・樹脂組成物R2 10部 ・ジt−ブチルサリチル酸亜鉛化合物 3部 ・フィッシャートロプシュワックス(シューマンサゾール社製、パラフリントH 1) 2部 材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナ
ーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果
を表1から表4にまとめた。
【0115】 実施例6 ・ポリエステル樹脂B 85部 ・樹脂組成物R3 10部 ・ジt−ブチルサリチル酸亜鉛化合物 3部 ・フィッシャートロプシュワックス(シューマンサゾール社製、パラフリントH 1) 2部 材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナ
ーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果
を表1から表4にまとめた。
【0116】 実施例7 ・ポリエステル樹脂C 85部 ・樹脂組成物R1 10部 ・p−t−ブチルカリックス[8]アレーン化合物 2部 ・石油ワックスLUVAX1121(日本精蝋社製) 2部 材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナ
ーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果
を表1から表4にまとめた。
【0117】 比較例1 ・ポリエステル樹脂C 85部 ・樹脂組成物R3 10部 ・スルホン酸基含有スチレンアクリルポリマー 3部 ・ビスコール660P(三洋化成社製) 2部 材料を上記に変える以外は実施例1と同様にして、トナ
ーを製造した。実施例1と同様に評価し、得られた結果
を表1から表4にまとめた。
【0118】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0119】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のトナー
によれば、転写効率が高く、カブリがなく高画質で、環
境に依存しない画質を与えるトナーを得ることができ
る。
【0120】また、優れた転写特性を有するとともに、
発色性が高く、べた部から中間調の画質濃度も高く、加
えて安定性の優れたトナーを得ることができる。
【0121】さらに、現像スリーブから飛び散りが少な
く、画像を形成するプリンターや複写機内部へのトナー
飛散による汚れを軽減するトナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかる非磁性一成分トナー現像
に用いられる現像装置の概念図である。
【符号の説明】
1 現像器 2 感光体 11 現像スリーブ 12 弾性ブレード 13 トナー塗布ローラ 14 攪拌羽根
フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA01 AA21 AB02 CA08 CA21 CA25 CA30 DA02 EA06 EA07 EA10 FA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなる
    トナーにおいて、該結着樹脂がポリエステル樹脂であっ
    て、GPC分子量分布において重量平均分子量Mが7
    0000以上、数平均分子量Mとの比M/Mが2
    0〜50であり、分子量3000−20000の位置に
    少なくとも一つのピーク値P1があり、分子量1500
    00以上の成分が10〜30%、分子量150000以
    上にP1の高さの1/3を超えるピークが存在せず、そ
    して樹脂酸価が5mgKOH/g以下であることを特徴
    とする静電荷像現像用負帯電性トナー。
  2. 【請求項2】 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなる
    トナーの製造方法において、ビスフェノールAプロピレ
    ンオキサイド2モル付加物とフマル酸或いはマレイン酸
    との共重合ポリエステルであって、酸価7〜15mgK
    OH/g、重量平均分子量50000以下のものに、上
    記着色剤が分散混合された顔料分散マスターバッチを予
    めつくり、さらに該マスターバッチを結着樹脂および他
    のトナー材料と混合後、溶融混練し、トナー中に着色剤
    を分散せしめることを特徴とするトナー製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなる
    トナーにおいて、ビスフェノールAプロピレンオキサイ
    ド2モル付加物とフマル酸或いはマレイン酸との共重合
    ポリエステルであって、酸価7〜15mgKOH/g、
    重量平均分子量50000以下のものに、上記着色剤が
    分散混合された顔料分散マスターバッチを予めつくり、
    さらに該マスターバッチを結着樹脂および他のトナー材
    料と混合後、溶融混練し、トナー中に着色剤を分散せし
    めてなる請求項1記載のトナー。
  4. 【請求項4】 トナーに含有される帯電制御剤として、
    サリチル酸金属化合物あるいはホウ素錯体、或いは環状
    フェノール系オリゴマーから選ばれる1種以上を0.5
    〜10重量%含有する請求項1〜3記載のトナー製造方
    法またはトナー。
  5. 【請求項5】 現像スリーブ上にブレードによりトナー
    がコートされ、静電荷像の現像に供せられる非磁性一成
    分現像法に用いられる請求項1〜4記載のトナー製造方
    法およびトナー。
  6. 【請求項6】 着色剤として、C.I.ピグメントレッ
    ド122、C.I.ピグメントレッド238、C.I.
    ピグメントレッド146およびC.I.ピグメントレッ
    ド57:1の群から選ばれる少なくとも1種を1〜5重
    量%の範囲で含有する請求項1〜5記載のマゼンタトナ
    ー製造方法およびマゼンタトナー。
  7. 【請求項7】 着色剤として、C.I.ピグメントレッ
    ド122とC.I.ピグメントレッド238とをそれぞ
    れ1〜4重量%の範囲で含有する請求項1〜5記載のマ
    ゼンタトナー製造方法およびマゼンタトナー。
  8. 【請求項8】 着色剤として、銅フタロシアニン顔料を
    1〜5重量%含有する請求項1〜5記載のシアントナー
    製造方法およびシアントナー。
  9. 【請求項9】 着色剤として、C.I.ピグメントイエ
    ロー17、C.I.ピグメントイエロー74およびC.
    I.ピグメントイエロー180の群から選ばれる少なく
    とも1種を1〜5重量%の範囲で含有する請求項1〜5
    記載のイエロートナー製造方法およびイエロートナー。
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