JP2849434B2 - パンチプレス機の金型交換システム - Google Patents

パンチプレス機の金型交換システム

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JP2849434B2 JP6125990A JP6125990A JP2849434B2 JP 2849434 B2 JP2849434 B2 JP 2849434B2 JP 6125990 A JP6125990 A JP 6125990A JP 6125990 A JP6125990 A JP 6125990A JP 2849434 B2 JP2849434 B2 JP 2849434B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、パンチプレス機の金型交換システムに関す
る。
(従来の技術) 周知の通り、マルチパンチプレス、例えばタレットパ
ンチプレスでは、タレット上に多数の金型を装着可能の
金型装着ステーションを有し、任意の金型装着ステーシ
ョンに任意の金型を装着した状態でNCプログラムで指定
された金型装着ステーションを所定の加工位置に割り出
しつつ割り出された金型で順次プレス加工を行う。
したがって、このようなタレットパンチプレスでは、
これから加工を行うNCプログラムについての使用金型を
作業票などで確認し、各使用金型がNCプログラムで指定
された金型装着ステーションに装着されているように適
宜金型交換されなければならない。
金型交換は、金型を所定のステーションに装着するに
止まらず、金型の形状、寸法の確認、配置角度の確認、
ダイのパンチ径に対する差であるクリアランスの確認等
の認識作業が必要である。
そこで、従来は、金型交換するに際し、まずNCプログ
ラムに使用されている金型とタレット上の各金型装着ス
テーションに装着されている金型とを対比するため、タ
レットを回転させ、現在装着金型の形状,寸法,クリア
ランス,配置角度を確認しつつ、所定のステーションか
ら不要金型を取り外し、必要金型を取付け、配置角度を
合わせていた。
このとき、これら作業における金型確認作業を容易化
するために、タレット上のステーションを金型を形状,
寸法を変更しない固定ステーションエリアと、金型の形
状,寸法を変動可能の変動ステーションエリアとに分
け、変動ステーションエリアでのみ金型交換することも
行われていた。また、タレットパンチプレス機の金型交
換位置付近に、作業者により書き換え可能なタレットレ
イアウト表を設けていた。
ただし、タレット上のステーションを固定ステーショ
ンエリアと変動ステーションエリアとに分ける場合に
は、変動可能のステーションが限定されるので、金型を
取付け困難な場合が生じ、フレキシブルな生産に支障を
来たすことがあるという問題点がある。
また、タレットレイアウト表は、作業者により手入力
で作成されるため、記入ミスや記入洩れを生じることが
あり、それを気付かずに加工すると、誤った金型により
不良品を作ってしまうことがあるという問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 上記の如く従来よりのパンチプレス機の金型交換は、
タレットを回転させ、1個づつ金型の形状,寸法,クリ
アランス,配置角度を確認しつつ金型交換してゆくとい
う方式であったため、特に、交換すべき金型の検索作業
と各金型の確認作業が大変で、金型交換時間が多大とな
り、機械の稼働率を低下させているという問題点があっ
た。また、確認事項が多数で、煩雑であるので、誤った
金型を取り出してしまう恐れがあるという問題点があっ
た。
そこで、本発明は、金型交換に必要な交換金型の検索
作業及び交換時の金型の確認作業の多くを自動化するこ
とにより、作業者が行わなければならない事項を大幅に
簡略化し、もって段取り時間を低減し、機械の生産性向
上を図ることができるパンチプレス機の金型交換システ
ムを提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 前述のごとき従来の問題に鑑みて、本発明は、台上に
多数の金型装着ステーションを設け任意の金型装着ステ
ーションに任意の金型を装着した上でNCプログラムにて
指定された金型装着ステーションを所定の加工位置に割
り出しつつ所定の金型で所定の加工を行うパンチプレス
機の金型交換システムにおいて、各金型装着ステーショ
ンに現在装着されている金型を対応させた装着金型リス
ト及びNCプログラム上で指定されたステーション番号に
使用金型を対応させた使用金型リストを比較するリスト
比較手段と、使用金型リストに挙げられている金型が所
定の金型装着ステーションに所定の態様で装着されてい
ないとき交換ないし変更を指示する交換・変更指示手段
と、金型交換作業のとき、交換ないし変更すべき金型に
ついての金型装着ステーションが金型交換位置に割り出
された状態で、交換すべき金型について金型認識する金
型認識手段と、前記交換・変更指示手段に指示した金型
と前記金型認識手段で認識した金型が一致するか否かを
比較する金型比較手段を備え、前記金型装着ステーショ
ンには、装着された金型の配置角度を検出する角度検出
手段が設けられ、前記交換・指示手段で指示した配置角
度と前記配置角度検出手段で検出された配置角度を比較
する配置角度比較手段が設けられるパンチプレス機の金
型交換システムである。
(実施例) 第2図を参照するに、本実施例で用いるタレットパン
チプレス1は、いわゆるブリッジ構造のフレーム2を有
し、このフレーム2内に垂直軸の回りに回動可能の上タ
レット3及び下タレット4を備えて成る。
上下タレット3,4は、多数の金型装着ステーションを
備えて成る。一般には、上タレット3にパンチが装着さ
れ、下タレット4にダイが装着される。
本例では、金型装置ステーションの番号S(i)は、
内側トラック上にあるものを100番台で、中間トラック
上にあるものを200番台で、外側トラック上にあるもの
を300番台で示すこととする。
各金型装着ステーションS(i)に装着された金型
は、上タレット3の上方に位置するラムの直下に割り出
され、両タレット3,4の間に案内されるワークに所定の
加工を行う。ワークWはクランプ装置5に把持されてテ
ーブル6上に案内される。
一方、前記タレット3,4の外方のフレーム部分には、
安全上カバー7が設けられており、このカバー7を開け
ることにより、その位置でタレット3,4上に装着された
金型を交換し、あるいはその配置角度を変更することが
可能となる。本例では、カバー7の前面を金型交換位置
(POS)と称す。
前記金型交換位置(POS)付近には、その底面にキャ
スタを備え地上を移動自在とした金型交換処理装置8が
設けられている。また、金型交換位置(POS)付近に
は、交換すべき金型を載せた台車9を配置可能となって
いる。
第3図に示すように、前記タレットパンチプレス機1
のフレーム2の一部には、前記カバー7を開けた状態
で、上タレット3の上面を照明する作業灯10が設けられ
ている。
また、本例では、第4図に示すように、交換ないし変
更すべき金型装着ステーションS(i)が金型交換位置
に割り出されたとき、その金型装着ステーションS
(i)を他のステーション、特に他のトラック上のステ
ーションと見分けるために、スポットライトSLを当てる
よう、ランプ11が設けられている。このランプ11には、
前記スポットライトSLをタレット3の半径方向に移動さ
せるための揺動装置12が付属される。
第5図は、タレット3,4上でのパンチ及びダイの取付
構造を示す説明図である。
図において、本例の上下タレット3,4には、2個のパ
ンチ13,14と、これらに対応するダイ15,16が取付けられ
ている。ただし、パンチ13及びダイ15はステーションへ
の挿入前の状態を、これより内側のパンチ14及びダイ16
は挿入後の状態を示している。
パンチ13,14は、パンチ本体17の上部にフランジ18を
有し、このフランジ18上にウレタン製のストリップ用ば
ね19を介してパンチヘッド20を備えている。
前記パンチ13,14を取付けるべきタレット3のステー
ションには、パンチ13,14のフラジジ18の底面と接触
し、前記ばね19より弱い力でパンチ13,14の本体17を持
ち上げるリフタ21が内蔵されている。また、タレット3
の側面には位置決めピン22に嵌合されるピン穴23が設け
られている。
一方、ダイ15,16はダイホルダ24を介してダイステー
ションに挿入されるようになっている。
したがって、ピン22をピン穴23に挿入することによ
り、タレット3(4)の位置決めを行うことができる。
また、挿入されたパンチ14及びダイ16を用い、パンチ14
のヘッド20を図示しないストライカで下方に押し下げる
ことにより、まずリフタ21を下降させ、両タレット3,4
間に介在させたワークをダイ16の頭部で押え込んだ後、
強い力でストリップ用ばね19を押し下げることにより、
穴明け加工などプレス加工を行うことができる。穴明け
後は、リフタ21でワークを押え込んだ状態で金型本体17
を持ち上げるので、パンチ先端をワークの打抜き穴から
容易に抜き去ることができる。
前記パンチ13,14のパンチ本体17の一位置には、ドグ
としてのマグネットMgが埋め込まれている。またダイ1
1,12の下方フランジ部にもドグとしてのマグネットMgが
埋め込まれている。
さらに、前記タレット3のパンチ挿入孔の底面には、
前記パンチ13,14を挿入した状態で前記マグネット25を
検出するためのリング状の角度検出センサSeが設けられ
ている。同様に、下タレット4のダイ挿入孔の底部に
も、ダイ15,16に埋め込まれたマグネットMgを検出する
ための角度検出センサSeが設けられている。
一方、前記パンチ13,14のフランジ18と、前記ダイ15,
16の側面には、金型の形状、寸法、クリアランス(ダイ
のみ)をコード化したバーコードBCが刻設され、その外
表面は透明材でモールディングされている。
前記角度検出センサSeの具体的な構造を第6図及び第
7図に示した。
第6図に示す角度検出センサSe1は、磁気検出により
接点オンするMRセンサンなど磁気センサ25を複数設け、
各MRセンサの作動位置で変化する抵抗変化を検出器26で
読み取るようにし、作動した磁気センサ25の位置に応じ
角度検出するようにしたものである。
また、第7図に示す角度検出センサSe2は、パンチ本
体17のキー27そのものをドグとして、金型装置ステーシ
ョン側に設けた各キー溝28(28−1,28−2,28−3,28−
4)にキー27の挿入状態を検出する接点を設け、キー27
が挿入された位置で接点を短絡させ、短絡された接点位
置から取付け角度を検出するようにしたものである。
第6図に示す角度検出センサSe1では、マグネットMg
位置の検出により、抵抗変化を読み取って、金型配置角
度を検出することができる。また第7図に示す角度検出
センサSe2では、キー27のキー溝28への挿入位置によ
り、金型配置角度を検出することができる。さらに、こ
れら角度検出センサSe1,Se2により、金型挿入有無を検
出することもできる。キーを金型装着ステーション側
に、キー溝を金型側に設ける場合も同様である。
第8図及び第9図は、上記の如き角度検出センサSe
(1,S2)のタレット上での配線方式を示す説明図であ
る。
第8図に示すように、本例では、タレット回転軸3cの
一側面に受電・送信ユニット29を設け、このユニット29
と、各ステーションS(i)とを配線30で結んでいる。
各配線は、各センサSeに対し最低1本必要であり、タ
レント上に切られた溝中に最適非導電材から成るモール
ド材を介してモールディングされている。
前記受電・送信ユニット29と対向するフレーム側の一
位置には、送電・受信ユニット31が設けられ、両ユニッ
ト29,31間でマイクロ波にて無線通信するようになって
いる。
第9図に示すように、下タレット4についても同様に
タレット下面側に配線され、受電・送信ユニット29と送
電・受信ユニット31が配置されている。
第10図に両ユニット29,31の詳細を示した。角度検出
センサSeは、第6図に示す角度検出センサSe1であると
する。
図示のように、受電・送信ユニット29は、送受信アン
テナユニット32と、電源回路33と、センサ処理回路34
と、復/変調回路35とを備えて成り、センサ処理回路34
には、前記抵抗検出器26が内蔵されている。
電源回路33は、アンテナユニット32で受信したマイク
ロ波を、電源変換し、内蔵バッテリに充電した上で、セ
ンサ処理回路34及び復/変調回路35に安定した電源電圧
を供給するものである。
センサ処理回路34は、抵抗検出器26が検出した各ステ
ーションについての抵抗値を数値変換し、その数値を復
/変調回路35に送出するものである。検出値は、ステー
ション番号に対応してその検出値を付属させるならば、
全ステーションについてのデータを一気に送出すること
もできる。一ステーション単位で順番に送出するように
してもよい。
復/変調回路35は、センサ処理回路34から入力された
データを変調し、これをナンテナユニット32に送り、無
線信号で送電・受信ユニット31に送信するものである。
一方、前記送電・受信ユニット31は、電源回路36と、
電力供給回路37と、アンテナユニット38と、復/変調回
路39と、CPU40と、インタフェース41とを備えて構成さ
れている。
アンテナユニット38は、電力供給回路37から電源を受
けて受電・送信ユニット29のアンテナユニット32に対し
てマイクロ波による電源を供給するものである。
復/変調回路39は、受電・送信ユニット29から送られ
てきたデータを入力復調し、これをCPU40に出力するも
のである。
CPU40は、復調されたデータを予め作成された抵抗値
及び角度のデータテーブルと比較し、角度換算すると共
に金型挿入状態を判別するものである。
インタフェイス41は、CPU40が得たデータを前記金型
交換処理装置8やタレットパンチプレスを制御するNC装
置に出力するものである。
例えば、CPU40た演算するデータは次の通りである。
したがって、適宜表示器に上記の如き一覧表を表示で
きるので、作業者は金型を正規の配置角度で取付けたか
否か、またパンチ及びダイ間に配置角度の相違がないか
否かを一目瞭然で確認することができる。
また、上記表のデータを前記金型交換処理装置8やNC
装置に提供できるので、配置角度が指定値を異なってい
るときや金型が装着されていないとき、あるいはパンチ
とダイの取付角度が異なるときにアラームを出力するこ
とができる。
第11図に示すように、上記タレットパンチプレス機1
を制御する制御装置(NC装置(NC))は、システムバス
42にCPU43、ROM44、バッテリBatで電源バックアップさ
れたRAM45、ディジタルインプット(Di)46、ディジタ
ルアウトプット(Do)47、プログラマブルコントローラ
(PC)48、双方向RAM(DP−RAM)49、シリアルインタフ
ェイス(SIO)50、51、52、パラレルインタフェイス(P
IO)53などを接続して成る。
Di46、Do47には、コネクタモジュール54を介して各種
のアクチュエータ類55やプレス制御のためのリミットス
イッチなどセンサ類56が接続される。
PC48は、前記センサ類56の検出番号を参照して、CPU4
3のオペレーティングシステム下で各種アクチュエータ
類55に制御信号を出力する。この制御信号の中には前記
タレット3、4を回転させる信号が含まれる。
前記DP−RAM49には、位置決めモジュール57及びサー
ボアンプ58を介してエンコーダE及びタコジェネレータ
TG付サーボモータMsが接続される。このサーボモータMs
には、前記クランプ装置5を水平面内で駆動する2次元
サーボモータMX、MYと、前記タレット3、4内で金型を
回転駆動するサーボモータMTが含まれる。
前記シリアルインタフェイス50には、コントローラ59
を介してカラーCRT60及びテンキーなどデータ入力用の
キーを備えたマニュアルデータインプット装置(MDi)6
1が接続される。
前記シリアルインタフェイス51には、コントローラ62
を介して各種操作を行うためのコントローラパネル63が
接続される。
前記パラレルインタフェイス53には、NCテープ入力の
ための紙テープリーダ(PTR)64が接続される。この紙
テープリーダ64とは並列にNCプログラムに記憶保存する
ための不揮発性メモリが適宜接続される。
さらに、本例では、シリアルインタフェイス52に、前
記金型交換処理装置8が接続されている。また、図示し
ないが、前記バス42には適宜シリアルインタフェイスを
介して図示しないCAD/CAM、及び多数の金型を収納する
ツーリングタワー等がオンライン回線で接続される。
上記制御装置の一般的な作用を簡単に示すと、例えば
PTR64から読み込まれたNCプログラムには、ステーショ
ン番号iの指定と、このステーションS(i)に装着さ
れている金型にて所定の加工を行なわせるべき加工位置
などの情報が記憶されている。
そこで、CPU43は、Di46、Do47は、PC48、DP−RAM49を
オペレーティングシステム下で作動させ、第2図に示す
タレット3,4を回転させて所定のステーション(金型)
を加工位置に割り出し、クランプ装置5によりこの位置
に移動されるワークWに対し、ラム(ストライカ)を下
降させて、割り出し金型で所定のプレス加工を実行す
る。
第1図に金型交換処理装置8の操作部分について正面
図を示した。
図示のように、金型交換処理装置8の正面には、CRT6
5と、その下方に操作部66が設けられている。
操作部66には、モード切替用のキー67,68,69と、交換
時に用いるための確認キー70と、ショットピン操作用の
キーと、タレット回転用のキー71,72と、スタート及び
ストップキー73,74と、テンキー群75と、移動キー76と
が設けられ、さらに金型認識を行うためのバーコード読
み取り用ペン77が適宜伸縮自在の電線78を介して接続さ
れている。
CRT65には、タレットのステーション配置図や、金型
(パンチ,ダイ)についての各種情報が表示されるよう
になっている。金型情報についての表示方式については
後述する。
第12図は金型交換処理装置8の機能構成を示すブロッ
ク図である。
本例の金型交換処理装置8は、NCプログラム入力部79
と、使用金型リスト記憶部80と、装着金型リスト記憶部
81と、金型リスト比較部82と、NCプログラム更新部83
と、更新プログラム記憶部84と、NC装置(NC)等他の装
置との間で通信処理を行う通信部85と、金型交換指示部
86とを備えている。
前記NCプログラム入力部79は、NC装置(NC)が次に用
いるNCプログラムを前もって入力するものである。
使用金型リスト記憶部80は、入力されたNCプログラム
からこのプログラムで使用する金型につき、金型ステー
ション番号と形状,寸法,角度データを抽出し、使用金
型リストとして一覧表を作成するものである。ダイのク
リアランスはワーク板厚から決定されるものとする。
これに対し、前記装着金型リスト記憶部81は、前記通
信部85を介してNC装置(NC)が管理する装着金型リスト
を記憶するものである。
前記金型リスト比較部82は、使用金型リスト記憶部80
及び装置金型リスト記憶部81が保有するリストを比較
し、NCプログラム中のステーション番号を変更しただけ
でよい場合、すなわち同一形状,寸法,角度の金型が他
のステーションに装着されている場合には、NCプログラ
ム更新部83にその旨連絡し、また金型交換または角度変
更が必要な場合を検出し、これをシルトアップし金型交
換指示部86に転送する。
前記NCプログラム更新部83は、金型リスト比較部82の
比較結果を入力し、NCプログラムのステーション番号を
変更して、変更されたNCプログラムを更新プログラム記
憶部84に記憶させる。
更新プログラム記憶部84は、NC装置が現在行っている
加工を終了した時点で、更新されたNCプログラムをNC装
置(NC)に転送する。
金型リスト比較部82が行う比較処理の内容を第13図に
示す。
すなわち、ステップ1301で、両リストを比較し、ステ
ップ1302でNCプログラム上で金型装着ステーション番号
を変更すべき部分については番号を変更し、ステップ13
03で金型交換または配置角度の変更が必要な金型をリス
トアップする。
第14図及び第15図にリスト比較の具体例を示した。
第14図は、装着金型リストを使用金型リストとを対比
した比較リストLT1をCRT65上に表示した状態を示してい
る。
使用金型リストを上方側から検討すると、まず番号24
3のステーションには、X寸法85.00、Y寸法5.00の長角
の金型を角度0で装着すべきことが示されている。
そこで、この金型が左方に示す装着金型リスト中にあ
るか否かを見ると、243番のステーションには無く、番
号201のステーションに有る。ただし、番号243のステー
ションはオートインデクス(AI)を行うことができるス
テーションであるので、番号201のステーションを利用
することはできない。そこで、この場合は、番号201に
ステーションに有る金型を番号243のステーションに交
換すべきであるとして備考欄に「交換」と示されてい
る。
次いで、同様の検討を続けて行うと、次の使用金型は
番号235のステーションに有る。その次の金型は指定の
ステーションに有る。その次の金型は番号319のステー
ションに有る。次の金型は指定のステーションに有る。
次の金型は角度違い、その次の金型は番号251のステー
ションに有るが角度違いである。最後の金型はいずれの
ステーションにも無い。
よって、第14図は示すリスト比較では、各金型装着ス
テーションに対し次の結果が得られる。
・243…金型交換(入れ換え) ・251…235に変更 ・111…そのまま ・235…319に変更 ・229…そのまま ・130…角度変更 ・144…251に変更、かつ角度変更 ・118…金型交換(新規) この結果に対し、NCプログラム更新部83には、NCプロ
グラム上のステーション番号を、251を235へ、235を319
へ、144を251へ変更すべき旨が連絡される。
また、金型交換指示部に対しては、第15図に示すよう
な交換金型リストLT2が提供される。
・243…金型交換(入れ換え) ・130…配置角度を0°から45°へ変更 ・251…配置角度を0°から45°へ変更 ・118…金型変換(新規) 一方、第12図において、前記金型交換指示部86には、
前記CRT65を備えて構成される表示部87と、各種操作信
号を入力する操作信号入力部88と、タレット回転指令部
89と、金型情報記憶部90と、金型装着状態比較部91とが
接続されている。
金型情報記憶部90は、金型履歴など各金型について付
随的な情報が記憶される。
金型装着状態比較部91には、前記ペン77と接続される
金型認識部92と、金型配置角認識部93とが接続されてい
る。
金型配置角認識部93は、通信部85及びNC装置(NC)を
介して前記送電・受信ユニット31のCPU40と連絡され、
角度検出センサSeが検出した金型配置角度を認識する。
タレット回転指令部89は通信部85と接続され、金型交
換時にNC装置(NC)にタレット回転を指令する。
第16図に上記金型交換指示部86が主体となって行う金
型交換処理のフローチャートを示した。
まず、ステップ1601では、上記の如くして作成された
交換金型リストLT2を受信し、新規金型については、こ
れを金型交換位置POSに持って来るようCRT65上に表示す
る。よって、作業者は、従来、第14図の左欄に示すよう
な装着金型リストを手入力によって作成し、作業票で指
定される使用金型リストを手にして交換用金型を調べな
ければならなかったのに対し、本例では第15図のような
表示から交換用として準備しなければならない金型を容
易に知ることができる。
新規金型を準備すると、タレットパンチプレス機1の
一連の加工の終了を持って、カバー7を開け、金型交換
処理装置8と、新規金型を載せた台車9を作業し易い位
置に位置させて金型交換作業に入る。
ステップ1602では、スタートキー73のオン操作、すな
わち金型交換作業の開始を待ち、スタートキー73のオン
操作でステップ1603へ移行する。
ステップ1603では、CRT65に第1図に示すような表示
を行った上で交換・変更すべき金型装着ステーションの
割り出しを行う。
このとき、第1図に示すように、タレット3,4のステ
ーション配置図94と、現在の装着金型リストを表示する
欄95と、交換指示の欄96とが示されている。
タレットのステーション配置図94の詳細を第17図に拡
大して示す。
第17図において、タレット配置図94には各ステーショ
ンがその大きさに応じた大きさの丸印で示され、各ステ
ーションを示す丸印にはステーション番号が付けられて
いる。また、今回交換ないし変更すべきステーションに
ついては、例えば、網かけされて示され、他のステーシ
ョンと区別されている。さらに、金型交換位置が「PO
S」で示されこの位置POSに対応して実際タレット3,4の
回転状態に応じてタレット配置図94を回転させて示すこ
ともできるようになっている。図中の矢印はタレットの
回転方向を示す。
したがって、作業者は、タレット配置状態及び交換状
態を明確に認識することができ、混乱なく作業を開始す
ることができる。
第1図の金型装着リストの表示95において、クリアラ
ンスの欄は、ダイについてのみ記載される。
交換指示の欄96には、次の交換に関する内容が表示さ
れる。例えば、最初の交換作業では、番号118のステー
ションである場合には、本例では新規金型の交換作業で
あるので番号118と、交換金型の形状,サイズ,角度,
クリアランスが表示される。
再度第16図において、ステップ1603のステーションの
割り出しは、第15図の交換金型リストLT2を参照して、
交換位置POSに近いステーションから順次自動的に割り
出すことができる。また、CRT65をタッチパネル構成と
して第17図に示す網かけ部分に指を接触させることによ
り、接触させた位置のステーションを自動的に割り出さ
せるようにすることもできる。
タレット回転指令は、タレット回転指令部89を介して
NC装置(NC)に連絡される。
交換すべきステーションが割り出されると、ステップ
1604で第4図に示すランプ11を点灯し、該当するステー
ションS(i)をスポットライトSLで照らす。
したがって、作業者は交換すべきステーションを確実
に知ることができ、誤って他のステーションに対して交
換作業を行うことがない。
交換作業は、新規の金型を装着する作業では、現在ス
テーションに装着されている不要の金型を抜き取り、こ
れを台車9上に置き、台車9上の新規の金型をペン77で
なぞり、バーコードBCを読み取った後、この金型を空に
なったステーションへ挿入する。また金型入れ換えで
は、現在装着されているステーションから金型を抜き取
り、その金型を交換すべきステーションへ挿入する。角
度変更は、配置角度を変更する。
一つのステーションに対し交換作業が終了すると、作
業者は、第1図に示す確認ボタン70を押圧操作する。
すると、ステップ1605で、このボタン操作を確認し、
ステップ1606へ移行し、金型装着状態比較部91で、金型
配置角認識部93及び金型認識部92並びに交換金型リスト
の今回交換分の金型の各情報を入力して、使用金型と、
認識金型及び検出された配置角度とを照合し、ステップ
1607で照合し、照合結果が一致すればステップ1609へ移
行し、不一致であればステップ1608へ移行して交換作業
のやり直しを指示し、ステップ1605以下の処理を繰り返
す。
ステップ1609では、全交換作業の終了を判別し、全作
業が終了するまで、ステップ1603以下の処理を繰り返
す。
以上により、本例のパンチプレス機1の金型交換処理
装置8では、第15図に示すような交換金型リストLT2に
より、新規に必要な金型を容易に知ることができ、準備
時間が大幅に削減される。
また、交換作業にあっては、第1図に示すような表示
を参照しつつ、順次指示される内容によって金型交換ま
たは配置角度の変更を行うので、交換金型判別のための
検討作業が不必要となり、作業時間が大幅に短縮され
る。
さらに、タレット回転を第17図に示す表示を参照させ
て、自動または手動で行うので、タレット上での金型検
索時間を大幅に削減できる。
また、交換された金型は、ペン77及び角度検出センサ
Seにより正規のものであることが確認されるので、ダイ
のクリアランスについても誤りを生ずることがなく、作
業者による金形形状,寸法のインプットミスを生ずるこ
ともなく、金型交換を確実に行うことができる。
加えて、例えば交換作業終了後のCRT65の現状の金型
配置情報を自動プログラミング装置に送信することによ
り、自動プログラミング装置において加工用の図形デー
タに対し金型割り付けを自動的に行うことが可能とな
る。
上記実施例では、金型認識をパンチ及びダイに設けた
バーコードBCをペン77で読み取ることにより行ったが、
バーコードに限らず、金型内に埋め込んだICチップの情
報を読み取ってもよく、金型内に埋め込んだ磁石の配列
により金型を認識するようにしてもよい。
また、バーコーどBCの情報として、金型形状,寸法,
クリアランスをコード化して持たせたが、金型番号を与
え、識別された金型番号に、形状,寸法,クリアランス
情報を付加させるようにしてもよい。
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、適
宜の設計的変更を行うことにより、適宜態様で実施し得
るものである。
[発明の効果] 以上の通り、本発明は特許請求の範囲に記載の通りの
パンチプレス機の金型交換システムであるので、パンチ
プレス機の金型交換作業を容易,迅速,確実に行うこと
ができ、機械の段取り時間の低減及び機械の生産性向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るシステムにおける金型
交換処理装置の画面構成の説明図、第2図はタレットパ
ンチプレスの外観及び各装置の配置状態を示す斜視図、
第3図は作業灯の説明図、第4図はスポットライトの説
明図、第5図はタレットへのパンチ及びダイの取付構造
を示す説明図、第6図及び第7図はいずれも角度検出セ
ンサの実施例を示す説明図、第8図及び第9図は上下の
タレットについての配線方式を示す説明図、第10図はタ
レットとNC装置の通信方式を示すブロック図、第11図は
NC装置のブロック図、第12図は金型交換処理装置のブロ
ック図、第13図は金型リスト比較処理を示すフローチャ
ート、第14図及び第15図はリスト表示例の説明図、第16
図は金型交換処理を示すフローチャート、第17図は第1
図に示すタレット配置図の拡大説明図である。 8……金型交換処理装置 9……台車 11……ランプ 77……バーコード読み取り用ペン 82……金型リスト比較部 86……金型交換指示部 94……タレット配置図 S(i)……金型装着ステーション POS……金型交換位置 Se……角度検出センサ NC……NC装置 LT1……比較用リスト LT2……交換金型リスト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台上に多数の金型装着ステーションを設け
    任意の金型装着ステーションに任意の金型を装着した上
    でNCプログラムにて指定された金型装着ステーションを
    所定の加工位置に割り出しつつ所定の金型で所定の加工
    を行うパンチプレス機の金型交換システムにおいて、 各金型装着ステーションに現在装着されている金型を対
    応させた装着金型リスト及びNCプログラム上で指定され
    たステーション番号に使用金型を対応させた使用金型リ
    ストを比較するリスト比較手段と、 使用金型リストに挙げられている金型が所定の金型装着
    ステーションに所定の態様で装着されていないとき交換
    ないし変更を指示する交換・変更指示手段と、 金型交換作業のとき、交換ないし変更すべき金型につい
    ての金型装着ステーションが金型交換位置に割り出され
    た状態で、交換すべき金型について金型認識する金型認
    識手段と、 前記交換・変更指示手段で指示した金型と前記金型認識
    手段で認識した金型が一致するか否かを比較する金型比
    較手段を備え、 前記金型装着ステーションには、装着された金型の配置
    角度を検出する角度検出手段が設けられ、前記交換・指
    示手段で指示した配置角度と前記配置角度検出手段で検
    出された配置角度を比較する配置角度比較手段が設けら
    れることを特徴とするパンチプレス機の金型交換システ
    ム。
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