JP2773891B2 - パンチ金型識別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、タレットパンチプレスに使用されるパン
チ金型識別装置に関する。

（従来の技術） 従来、タレットパンチプレスなどの板材加工機に使用
されるパンチ金型の管理方法では、NCテープの金型指定
はタレットのステーションNoで行われている。各ステー
ションには各種のパンチ金型が取付けられると共に、金
型種類が極めて多数であるという特殊事情から、所定の
ステーションに所定の金型が取付けられている管理を確
実に行わなければならない。

また、所定のステーションに所定の金型が取付けられ
た後の管理は単にパンチ金型のパンチ回数をカウントし
て管理している程度にすぎない。

パンチ金型の管理を行うには、パンチ金型自体にどの
ようにしてサイズや形状等の仕様情報を持たせるかにあ
る。

現在までにパンチ金型自体に仕様情報を識別させる手
段としては、パンチ金型の後端部における外周部に工具
Noを刻引してそのパンチ金型を加工ステーションに取付
けた際に加工ステーションNoと工具Noを対応した一覧表
を基にして管理していた。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、この金型パンチ識別手段では、加工ス
テーションに金型パンチを取付ける度毎にその都度一覧
表を作成しなければならず労力を要すると共に管理が面
倒で、さらに加工ステーションに取付けた状態ではパン
チ金型の識別ができなかったのである。

この発明の目的は、上記問題点を改善するため、パン
チ金型の確認作業を容易かつ確実に、しかも自動的に行
な得るようにしたパンチ金型識別装置を提供することに
ある。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、この発明は、フレームに
支承された回転自在なタレットの円周上のタレットステ
ーションに複数のパンチ金型を装着したタレットパンチ
プレスにおいて使用されるパンチ金型識別装置であっ
て、前記各パンチ金型に複数の段差を有した段差部と、
この段差部の段差を検出する段差検出器と、この段差検
出器で検出された段差を識別データに変換する識別デー
タ変換装置と、前記パンチ金型を装着しているタレット
ステーションのタレットステーションNoを認識するタレ
ットステーションNo認識部と、前記識別データ変換装置
で変換された識別データと前記タレットステーションNo
認識部で認識されたタレットステーションNoとを相互に
関連させて出力する出力部とを備えてパンチ金型識別装
置を構成した。

（作用） この発明のパンチ金型識別装置を採用することによ
り、タレットステーションに装着されるパンチ金型には
複数の段差を有した段差部が形成されているので、段差
検出器でこの複数の段差が検出され、識別データ変換装
置で識別データに変換される。

識別データ変換装置で変換された識別データと、タレ
ットステーションNo認識部で認識されているタレットス
テーションNoとを相互に関連させて出力部から出力され
る。

而して、パンチ金型がタレットステーションに装着さ
れている状態でパンチ金型の識別を容易かつ確実にしか
も自動的に行なわれる。

（実施例） 以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

第７図を参照するに、タレットパンチプレス１は上部
フレーム３、コラム５および下部フレーム７とで一体的
に門型形状に構成されている。この上部フレーム３、下
部フレーム７にはそれぞれ回転自在な上部タレット９、
下部タレット11が支承されている。

この上部タレット９の円周上におけるタレットステー
ションは複数のパンチ金型13が装着されていると共に、
下部タレット11の円周上におけるタレットステーション
には前記パンチ金型13と対応したダイ金型が装着されて
いる。

第３図および第４図に示されているように、前記パン
チ金型13におけるパンチヘッド15の上端円周上には例え
ば16分割された段差を有した段差部17が形成されてい
る。この段差部17の段差は第４図に示すごとく、例えば
0.2mmごとの深さとなっていてハッチングを施したスタ
ート部分を基準（段差:0）として、他の15分割を段差と
して加工してある。

再び、第７図を参照するに、上部フレーム３の下部に
は、パンチ金型13を上下動させるラムが取付けられてい
る位置とは別の位置に、前記段差部17の段差を検出する
段差検出装置19が設けられている。

より詳細には第２図に示されているように、段差検出
装置19は図示省略のブラケットで上部フレーム３に取付
けられていると共に、段差を検出する段差検出器として
の例えばレーザ変位計21と、このレーザ変位計21を回転
させるパルスモータあるいはサーボモータからなる駆動
モータ23とで構成されている。

パンチ金型13の段差を検出する場合には、タレットパ
ンチプレス１の上部タレット９を回転させて、パンチ金
型13の軸心とレーザ変位計21の軸心とが一致する様に位
置決めし、その状態にて駆動モータ23によりレーザ変位
計21を１回転させ、駆動モータ23の回転角度と、段差と
レーザ変位計21の距離を読みとっていく。レーザ変位計
21の回転開始位置はどの位置からでもよく、測定値のう
ち一番距離の小さい段差部分をスタート位置とし、残り
の15分割についてそこからの相対距離を演算し、第５図
に示す対応数字をあてはめ、15桁のコードNoを得ること
ができる。

さらに、パンチするパンチ金型13の加工位置（ラムの
直下位置）と、金型を識別する位置は異っており、この
両者の位相差（角度差）はNC側で認識していないのであ
るが、タレットレイアウトは機械固有のものである為、
タレットステーションの角度割出しを行い、演算により
タレットステーションNoを自動的に認識することによ
り、どのステーションNoにどの金型が取付けられている
か認識することができる。

再度、第７図を参照するに、タレットパンチプレス１
の近傍には、CRT表示装置25Aおよびキーボード25Bを備
えたNC装置21が接続されていると共に、レーザ変位計21
で検出した段差を処理する識別コントローラ27が接続さ
れている。

パンチ金型識別装置29は、第１図に示されているよう
に、各パンチ金型13のパンチヘッド15の上端に形段され
た段差部17と、上部フレーム３の下部に取付けられた段
差検出装置19のレーザ変位計21と、識別コントローラ27
とで構成されている。しかも、識別コントローラ27は識
別データ変換装置31、出力部33およびタレットステーシ
ョンNo認識部35からなっている。

第１図において、レーザ変位計21はパンチヘッド15の
上端に形成された段差部17の複数の段差を検出する。レ
ーザ変位計21で検出された段差である深さは、識別デー
タ変換装置31に送られ、この識別データ変換装置31で第
５図に示された段差の深さと対応する数字のファイルを
基にして数字からなる識別データに変換される。

識別データ変換装置31で変換された識別データは出力
部33の出力データ格納部に格納される。

NC装置25はパンチ加工装置（ラムの直下位置）のタレ
ットステーションに装着されているタレットステーショ
ンNoを検出し、このタレットステーションNoをタレット
ステーションNo認識部35に出力する。このタレットステ
ーションNo認識部35は、NC装置25からタレットステーシ
ョンNoを受信すると、このタレットステーションNoにパ
ンチ加工位置とレーザ変位計21の相対距離を加えて（又
は差し引いて）、レーザ変位計21の直下に位置するタレ
ットステーションNoを認識する。

出力部33の出力データ格納部では認識データ変換装置
31で変換された識別データと、前記タレットステーショ
ンNo認識部35で認識されたタレットステーションNoとを
相互に一対一に対応づけてその内部に格納する。

CRT表示装置25Aは、指令により、出力部33の出力デー
タ格納部に格納されている識別データとタレットステー
ションNoとを関連ずけて全部又は一部を表示するもので
ある。

識別データとタレットステーションNoを識別する過程
を第６図に示されたフローチャートを基にして説明す
る。

第６図において、ステップS1で上部，下部タレット9,
11を回転させ、タレットステーションNoおよび識別デー
タを識別すべきパンチ金型13がパンチ加工部の直下に移
動される。

ステップS2でNC装置25がパンチ加工部の直下に位置す
るタレットステーションNoを検出し、このタレットステ
ーションNoをタレットステーションNo認識部35に出力す
る。このタレットステーションNo認識部35はタレットス
テーションNoを受信すると、このタレットステーション
Noからレーザ変位計21の直下に位置するタレットステー
ションNoを認識する。

ステップS3でタレットステーションNo認識部35が認識
したレーザ変位計21の直下に位置するタレットステーシ
ョンNoを出力部33の出力データ格納部へ送出すると、出
力データ格納部がこのタレットステーションNoをその内
部に格納する。

ステップS4では、レーザ変位計21の直下に位置するパ
ンチ金型13のパンチヘッド15の上端に形成された段差部
19の段差をレーザ変位計21で検出する。なお、レーザ変
位計21は駆動モータ23により１回転されて16分割の段差
の深さを検出する。

ステップS5ではレーザ変位計21で検出された段差（深
さ）を識別データ変換装置31に送り、この識別データ変
換装置31で識別データに変換されると共に認識される。
ステップS6では識別データに対応した金型形状データを
選択し、さらに、ステップS7で金型形状データを出力部
33の出力データ格納部に出力し、タレットステーション
Noと一対一に関連ずけて格納する。

ステップS8では上部タレット９に装着されている全て
のパンチ金型13のタレットステーションNoと、パンチ金
型13の識別データを識別したか否かを判別し、全てのパ
ンチ金型13について識別を終えた場合に動作を終了す
る。

このように、上部タレット９のタレットステーション
に全てのパンチ金型13が装着された状態でパンチ金型13
を容易かつ確実に、しかも自動的に識別することができ
る。而して、金型の交換の際には作業者はどのパンチ金
型13をどのタレットステーションNoに挿入するかを意識
する必要がなく、また、パンチ金型13の識別データとタ
レットステーションNoとの一覧表を作成する工数が削減
されるばかりか、パンチ金型13の入れ間違いを防止する
こともできる。

第８図に示したごとく、上部タレット９のタレットス
テーション37におけるトラック39を最大３トラック設け
たものもあるので、レーザ変位計21は上部タレット９の
半径方向、つまりトラック39と直交する方向に移動で
き、かつどのトラック位置にあるか判るようになってい
る。

なお、この発明は前述した実施例に限定されることな
く、適宜の変更を行なうことにより、その他の態様で実
施し得るものである。例えば、本実施例では段差分割数
を16としているが、識別データの必要な桁数に合わせて
分割数は自由に変更できる。また、本実施例の段差検出
装置19にはレーザ変位計21を使用しているが、別の方式
の非接触変位計、接触式変位計などを使用してもよい。

また、段差検出装置19はレーザ変位計21を移動させる
手段として駆動モータ23を使用しているが、レーザ変位
計21の移動と位置検出の機能を兼ね備えた機構であれ
ば、同じ効果を得ることができる。

［発明の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、こ
の発明によれば、タレットに装着されたパンチ金型の識
別データとタレットステーションNoとが一対一で関連ず
けられて容易かつ確実に、しかも自動的にタレットに装
着された状態でパンチ金型を識別することができる。而
して、金型交換の際には、作業者はどのパンチ金型をど
のタレットステーションNoに挿入するのか意識する必要
がなく、またパンチ金型の識別データとタレットステー
ションNoとの一覧表を作成する工数が削減されるばかり
か、パンチ金型の入れ間違いを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の主要部を示したパンチ金型識別装置
の構成ブロック図、第２図はパンチ金型に形成された段
差部と段差検出装置との配置関係を示した図、第３図は
パンチ金型のパンチヘッドに形成された段差部を設けた
正面図、第４図は第３図における平面図、第５図は段差
部の深さと、この深さに対応する数字との関係を示した
識別データの一例図、第６図はこの発明の動作を説明す
るフローチャート、第７図はこの発明を実施する一実施
例のタレットパンチプレスの斜視図、第８図は上部タレ
ットの一例を示した平面図である。 １……タレットパンチプレス、３……上部フレーム ９……上部タレット、13……パンチ金型 15……パンチヘッド、17……段差部 19……段差検出装置、21……レーザ変位計 29……パンチ金型識別装置 31……識別データ変換装置、33……出力部 35……タレットステーションNo認識部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームに支承された回転自在なタレット
   の円周上のタレットステーションに複数のパンチ金型を
   装着したタレットパンチプレスにおいて使用されるパン
   チ金型識別装置であって、前記各パンチ金型に複数の段
   差を有した段差部と、この段差部の段差を検出する段差
   検出器と、この段差検出器で検出された段差を識別デー
   タに変換する識別データ変換装置と、前記パンチ金型を
   装着しているタレットステーションのタレットステーシ
   ョンNoを認識するタレットステーションNo認識部と、前
   記識別データ変換装置で変換された識別データと前記タ
   レットステーションNo認識部で認識されたタレットステ
   ーションNoとを相互に関連させて出力する出力部と、を
   備えてなることを特徴とするパンチ金型識別装置。