JP2848638B2 - 高収縮ナイロンフィラメントからなる異収縮混繊糸 - Google Patents
高収縮ナイロンフィラメントからなる異収縮混繊糸Info
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、高収縮ナイロンフィラメント及びその異収
縮混繊糸、高密度布帛などの繊維製品に関するものであ
る。
縮混繊糸、高密度布帛などの繊維製品に関するものであ
る。
（従来の技術、及び発明が解決しようとする問題点） 熱収縮率の異なる２種以上のマルチフィラメント糸を
複合して得られる嵩高糸は従来数多く提案されている。
このような嵩高糸は、高収縮マルチフィラメント糸の収
縮によって低収縮マルチフィラメント糸の繊維にループ
やタルミを生ぜしめるものであり、糸段階で収縮差が発
現されたものだけでなく、織編物等の布帛にした後に染
色等の後加工で収縮差が発現されて嵩高性になるものも
含まれる。
複合して得られる嵩高糸は従来数多く提案されている。
このような嵩高糸は、高収縮マルチフィラメント糸の収
縮によって低収縮マルチフィラメント糸の繊維にループ
やタルミを生ぜしめるものであり、糸段階で収縮差が発
現されたものだけでなく、織編物等の布帛にした後に染
色等の後加工で収縮差が発現されて嵩高性になるものも
含まれる。
従来、ナイロンどうしの組合せによる異収縮混繊糸の
開発は少なく、特開昭64−45834号公報に高速紡出糸と
通常の延伸糸との交絡混繊糸及びその製造方法、特開昭
64−85338号公報に延伸整経の延伸倍率及び／又は熱処
理条件を異にする２種のマルチフィラメントからなる異
収縮混繊糸の製造方法が開示されている程度である。ナ
イロンとポリエステルとの異収縮混繊糸、ナイロンとポ
リエステルとのコンジュゲート糸を分割した混繊糸など
異種ポリマーの組合せによるものが極めて多い。これは
ポリエステルを除き（例えば特開昭61−13009号公報参
照）、ナイロンで沸水収縮差を大きくとることが難しい
点に起因するところが大きい。
開発は少なく、特開昭64−45834号公報に高速紡出糸と
通常の延伸糸との交絡混繊糸及びその製造方法、特開昭
64−85338号公報に延伸整経の延伸倍率及び／又は熱処
理条件を異にする２種のマルチフィラメントからなる異
収縮混繊糸の製造方法が開示されている程度である。ナ
イロンとポリエステルとの異収縮混繊糸、ナイロンとポ
リエステルとのコンジュゲート糸を分割した混繊糸など
異種ポリマーの組合せによるものが極めて多い。これは
ポリエステルを除き（例えば特開昭61−13009号公報参
照）、ナイロンで沸水収縮差を大きくとることが難しい
点に起因するところが大きい。
一方、ナイロン織編物の場合、必然的にポリエステル
とは用途を異にしているが、ナイロン素材を使った中で
ポリエステル異収縮混繊糸のような独特の風合とバルギ
ー性、が望まれ始めた。例えば、インナーに使用するラ
ンジェリーやファンデーション関係はナイロンでなくて
はならない用途分野であり、直接人体と接触する為にナ
イロンの吸水性、ソフトな風合いが他の合成繊維に置き
換わらなかった一つの理由でもある。しかしながらその
インナーに於いてもよりソフトでより高度な光沢、保温
性、吸水性、ファッション性、高密度性が要求され、そ
れに対応する為に異形化、吸水化、細デニール化が為さ
れて来たが、可撚加工することなく、フィラメント糸で
上記要求を十分に満足させるには至らなかった。
とは用途を異にしているが、ナイロン素材を使った中で
ポリエステル異収縮混繊糸のような独特の風合とバルギ
ー性、が望まれ始めた。例えば、インナーに使用するラ
ンジェリーやファンデーション関係はナイロンでなくて
はならない用途分野であり、直接人体と接触する為にナ
イロンの吸水性、ソフトな風合いが他の合成繊維に置き
換わらなかった一つの理由でもある。しかしながらその
インナーに於いてもよりソフトでより高度な光沢、保温
性、吸水性、ファッション性、高密度性が要求され、そ
れに対応する為に異形化、吸水化、細デニール化が為さ
れて来たが、可撚加工することなく、フィラメント糸で
上記要求を十分に満足させるには至らなかった。
織物に於いても、アウターのブルゾン分野でのファッ
ション性、スポーツ関係では機能性と同時にファッショ
ン性，さらに定番品であるタフタの裏地や傘地等の分野
でも単なるレギュラー糸や異形糸のものからより高度な
シルキータッチのものによりボリュームとソフト感のあ
るものが要求され、従来のフィラメント構成本数や織組
織、異形度だけでは十分対応することが難しくなって来
た。
ション性、スポーツ関係では機能性と同時にファッショ
ン性，さらに定番品であるタフタの裏地や傘地等の分野
でも単なるレギュラー糸や異形糸のものからより高度な
シルキータッチのものによりボリュームとソフト感のあ
るものが要求され、従来のフィラメント構成本数や織組
織、異形度だけでは十分対応することが難しくなって来
た。
そこで従来から異ポリマー，共重合ポリマーとの組み
合わせによるコンジュゲート紡糸混繊が実施されたが、
粘度差が大きい為に捲縮糸になったり、異ポリマーの為
に染色差が著しくなったり、紡糸技術が複雑な為にコス
トが極めて高くなる等の問題があり、現在では特殊な用
途に限られている（例えば特開昭60−252739号，同60−
259646号公報）。又唯一ナイロンどうしで収縮差を得る
為に実施されたナイロン仮撚加工糸とフィラメント生糸
との混繊は、仮撚加工糸の収縮応力が低い為、特に自然
収縮率が皆無のものと自然収縮力を有する生糸との単な
る混繊ではループが発生するためそのままでは使用出来
ず、追撚して使用したり、極めて高いエアー交絡を与え
て使用せざるを得なかった。しかしながらかかる条件下
では嵩高でソフトな風合或いは嵩密度性は得られなかっ
た。
合わせによるコンジュゲート紡糸混繊が実施されたが、
粘度差が大きい為に捲縮糸になったり、異ポリマーの為
に染色差が著しくなったり、紡糸技術が複雑な為にコス
トが極めて高くなる等の問題があり、現在では特殊な用
途に限られている（例えば特開昭60−252739号，同60−
259646号公報）。又唯一ナイロンどうしで収縮差を得る
為に実施されたナイロン仮撚加工糸とフィラメント生糸
との混繊は、仮撚加工糸の収縮応力が低い為、特に自然
収縮率が皆無のものと自然収縮力を有する生糸との単な
る混繊ではループが発生するためそのままでは使用出来
ず、追撚して使用したり、極めて高いエアー交絡を与え
て使用せざるを得なかった。しかしながらかかる条件下
では嵩高でソフトな風合或いは嵩密度性は得られなかっ
た。
（問題点を解決するための手段） 本発明者等は、嵩高でソフトな風合或いは高密度性を
与えるナイロン異収縮混繊糸を得るために鋭意研究した
結果、芳香族アモルファスポリアミドをポリマーブレン
ドして得られた繊維が従来にない極めて大きい沸水収縮
率を有することを見出し、本発明を完成した。
与えるナイロン異収縮混繊糸を得るために鋭意研究した
結果、芳香族アモルファスポリアミドをポリマーブレン
ドして得られた繊維が従来にない極めて大きい沸水収縮
率を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジア
ミンを主要な構造単位とするアモルファスポリアミドと
脂肪族ポリアミドのポリマーブレンドからなり、かつ沸
水収縮率が15％以上である高収縮ナイロンフィラメント
（高収縮成分）と低収縮ナイロンフィラメント（低収縮
成分）とからなる混繊糸において、沸水D.F.L.が6.0以
上であることを特徴とする異収縮混繊糸。
ミンを主要な構造単位とするアモルファスポリアミドと
脂肪族ポリアミドのポリマーブレンドからなり、かつ沸
水収縮率が15％以上である高収縮ナイロンフィラメント
（高収縮成分）と低収縮ナイロンフィラメント（低収縮
成分）とからなる混繊糸において、沸水D.F.L.が6.0以
上であることを特徴とする異収縮混繊糸。
但し、沸水D.F.L.は、100℃の沸騰水中に無荷重で30
分間浸漬したときの高収縮成分の収縮率をS1％、低収縮
成分の収縮率をS2％として である。
分間浸漬したときの高収縮成分の収縮率をS1％、低収縮
成分の収縮率をS2％として である。
本発明における低収縮成分は、通常のナイロン延伸
糸、高速紡出糸及びこれらの仮撚加工糸、ナイロンと異
種ポリマーとのコンジュゲート糸や分割極細糸など、ま
たナイロン６、ナイロン66、ナイロン４など単独、及び
これらを主成分とする共重合ポリアミド或いはポリマー
ブレンドなど公知の繊維形成性の分子量をもつポリアミ
ドからなり、沸水収縮率が15％未満であるフィラメント
であれば特に限定されない。艶消剤、改染剤、染顔料、
帯電防止剤、抗菌剤、遠赤外線放射粒子など公知の添加
剤が共重合又は配合されていてもよい。バルキー性とソ
フトな風合に富んだナイロン混繊糸や編織物を得る場合
には、初期引張応力が0.5〜2.5g/d好ましくは0.5〜2.0g
/dの低収縮糸、例えば3000m/分以上で高速紡糸した糸や
1500m/分以下で紡糸した後通常より低倍率で熱延伸した
糸や熱セットした糸などを使用することがよい。更に、
収縮を発現させた後糸長差のためにふくらみ部分となる
低収縮糸は、バルキー性とソフトな風合いを得るには、
3d以下より好ましくは1.5d以下の単糸で構成することが
好ましく、また光沢を付与する場合には、断面形状が三
つの凸部を有するか偏平な形状を有する単糸で構成する
ことが好ましい。
糸、高速紡出糸及びこれらの仮撚加工糸、ナイロンと異
種ポリマーとのコンジュゲート糸や分割極細糸など、ま
たナイロン６、ナイロン66、ナイロン４など単独、及び
これらを主成分とする共重合ポリアミド或いはポリマー
ブレンドなど公知の繊維形成性の分子量をもつポリアミ
ドからなり、沸水収縮率が15％未満であるフィラメント
であれば特に限定されない。艶消剤、改染剤、染顔料、
帯電防止剤、抗菌剤、遠赤外線放射粒子など公知の添加
剤が共重合又は配合されていてもよい。バルキー性とソ
フトな風合に富んだナイロン混繊糸や編織物を得る場合
には、初期引張応力が0.5〜2.5g/d好ましくは0.5〜2.0g
/dの低収縮糸、例えば3000m/分以上で高速紡糸した糸や
1500m/分以下で紡糸した後通常より低倍率で熱延伸した
糸や熱セットした糸などを使用することがよい。更に、
収縮を発現させた後糸長差のためにふくらみ部分となる
低収縮糸は、バルキー性とソフトな風合いを得るには、
3d以下より好ましくは1.5d以下の単糸で構成することが
好ましく、また光沢を付与する場合には、断面形状が三
つの凸部を有するか偏平な形状を有する単糸で構成する
ことが好ましい。
本発明の高収縮ナイロンフィラメント（高収縮成分）
は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンを主要な構造
単位とするアモルファスポリアミドと脂肪族ポリアミド
とのポリマーブレンドからなり、かつ沸水収縮率が15％
以上であるフィラメントである。芳香族ジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、1,2−ビス（４
−カルボフェノキシ）エタン、2,6−ナフタリンジカル
ボン酸などがある。例えばテレフタル酸10〜60モル％と
イソフタル酸90〜40モル％とをより好ましくはテレフタ
ル酸20〜40モル％とイソフタル酸80〜60モル％とを共重
合したアモルファスポリアミドが曳糸性と沸水収縮性の
点で優れており好ましい。また、アジピン酸、セバシン
酸など公知の脂肪族ジカルボン酸を少量例えば30モル％
以下併用することもできる。脂肪族ジアミンとしては、
ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,
10ジアミノデカンなどがあり、中でもヘキサメチレンジ
アミンはナイロン66の原料として大量に製造されてコス
ト的に有利であり好ましい。また、ｍ−フェニレンジア
ミン,p−フェニレンジアミンなど公知の芳香族ジアミン
を少量例えば30モル％以下併用することもできる。こう
して得られたアモルファスポリアミドは、通常熱成形温
度が210〜300℃の範囲にあり、現在大量に商業生産され
ているナイロン６やナイロン66などの脂肪族ポリアミド
と容易にポリマーブレンドを形成し好適である。また相
対粘度（95.7％硫酸、25℃で測定する）は通常1.50以上
好ましくは1.70以上であり、1.30未満では曳糸性が劣
る。アモルファスポリアミドの末端アミノ基は30当量／
トン以下が好ましく、23当量／トン以下がより好まし
い。50当量以上では酸性染料に対する染着性が大きす
ぎ、混繊糸或いは織編物を均一に染色する場合には不利
になる。
は、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンを主要な構造
単位とするアモルファスポリアミドと脂肪族ポリアミド
とのポリマーブレンドからなり、かつ沸水収縮率が15％
以上であるフィラメントである。芳香族ジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、1,2−ビス（４
−カルボフェノキシ）エタン、2,6−ナフタリンジカル
ボン酸などがある。例えばテレフタル酸10〜60モル％と
イソフタル酸90〜40モル％とをより好ましくはテレフタ
ル酸20〜40モル％とイソフタル酸80〜60モル％とを共重
合したアモルファスポリアミドが曳糸性と沸水収縮性の
点で優れており好ましい。また、アジピン酸、セバシン
酸など公知の脂肪族ジカルボン酸を少量例えば30モル％
以下併用することもできる。脂肪族ジアミンとしては、
ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,
10ジアミノデカンなどがあり、中でもヘキサメチレンジ
アミンはナイロン66の原料として大量に製造されてコス
ト的に有利であり好ましい。また、ｍ−フェニレンジア
ミン,p−フェニレンジアミンなど公知の芳香族ジアミン
を少量例えば30モル％以下併用することもできる。こう
して得られたアモルファスポリアミドは、通常熱成形温
度が210〜300℃の範囲にあり、現在大量に商業生産され
ているナイロン６やナイロン66などの脂肪族ポリアミド
と容易にポリマーブレンドを形成し好適である。また相
対粘度（95.7％硫酸、25℃で測定する）は通常1.50以上
好ましくは1.70以上であり、1.30未満では曳糸性が劣
る。アモルファスポリアミドの末端アミノ基は30当量／
トン以下が好ましく、23当量／トン以下がより好まし
い。50当量以上では酸性染料に対する染着性が大きす
ぎ、混繊糸或いは織編物を均一に染色する場合には不利
になる。
高収縮成分の脂肪族ポリアミドとしては、前記低収縮
成分に使用する繊維形成性の分子量をもつポリアミドで
あれば同様に特に限定されない。
成分に使用する繊維形成性の分子量をもつポリアミドで
あれば同様に特に限定されない。
高収縮糸を形成するアモルファスポリアミドと脂肪族
ポリアミドとのブレンド比率は通常前者５〜45重量％と
後者95〜55重量％である。大きい沸水収縮率例えば26〜
45％の糸を得る場合には、前者のブレンド比率を10〜40
重量％より好ましくは15〜35重量％とする。３重量％未
満ではアモルファスポリアミドを配合した効果が小さ
く、また50重量％を越えても配合した効果が消失しかつ
糸が脆弱になる。
ポリアミドとのブレンド比率は通常前者５〜45重量％と
後者95〜55重量％である。大きい沸水収縮率例えば26〜
45％の糸を得る場合には、前者のブレンド比率を10〜40
重量％より好ましくは15〜35重量％とする。３重量％未
満ではアモルファスポリアミドを配合した効果が小さ
く、また50重量％を越えても配合した効果が消失しかつ
糸が脆弱になる。
本発明の異収縮混繊糸は、公知のナイロン繊維の製造
方法および公知の混繊糸の製造方法によって、適切な条
件を選択することにより製造し得る。低収縮糸と高収縮
糸との混合重量比は通常1:3〜6:1の範囲であり、一層有
効なソフトと嵩高性を得る場合には2:1〜6:1が好ましい
が、用途により適宜選択する。また、本発明の混繊糸に
20〜50回/mの単糸交絡を必要に応じ施こすと、低収縮糸
と高収縮糸の糸割れが解消し工程通過性が良くなる、或
いは均一な嵩高性とシボや杢調を抑えることができる。
50回/mより大きくなると、布帛の風合いが硬くなり好ま
しくない。
方法および公知の混繊糸の製造方法によって、適切な条
件を選択することにより製造し得る。低収縮糸と高収縮
糸との混合重量比は通常1:3〜6:1の範囲であり、一層有
効なソフトと嵩高性を得る場合には2:1〜6:1が好ましい
が、用途により適宜選択する。また、本発明の混繊糸に
20〜50回/mの単糸交絡を必要に応じ施こすと、低収縮糸
と高収縮糸の糸割れが解消し工程通過性が良くなる、或
いは均一な嵩高性とシボや杢調を抑えることができる。
50回/mより大きくなると、布帛の風合いが硬くなり好ま
しくない。
本発明における単糸交絡度の測定は以下の如くして行
なう。
なう。
1mの糸を採取し、0.2g/dの荷重を加えて垂直につる
し、単糸デニールと同じグラム数の重りを持つフックを
掛け、フックが交絡によって支えられる回数を測定す
る。この操作を30回繰り返えし、その平均値をもって単
糸交絡度とする。
し、単糸デニールと同じグラム数の重りを持つフックを
掛け、フックが交絡によって支えられる回数を測定す
る。この操作を30回繰り返えし、その平均値をもって単
糸交絡度とする。
本発明の布帛は、前記高収縮ナイロンフィラメント
を、例えば経糸及び／又は緯糸に少なくとも10重量％使
用すること以外、従来公知の方法に従って製造される。
高密度布帛を得るためには、平織やツイルなどの織組織
が有利であり、更にフィブリル化型複合フィラメントを
高収縮成分として使用することが好ましい。また、ソフ
トな風合の嵩高性布帛を得るためには、仮撚加工を施し
たフィラメントやフィブリル化型複合フィラメントを低
収縮成分とする異収縮混繊糸を経糸及び／又は緯糸に使
用することが好ましい。
を、例えば経糸及び／又は緯糸に少なくとも10重量％使
用すること以外、従来公知の方法に従って製造される。
高密度布帛を得るためには、平織やツイルなどの織組織
が有利であり、更にフィブリル化型複合フィラメントを
高収縮成分として使用することが好ましい。また、ソフ
トな風合の嵩高性布帛を得るためには、仮撚加工を施し
たフィラメントやフィブリル化型複合フィラメントを低
収縮成分とする異収縮混繊糸を経糸及び／又は緯糸に使
用することが好ましい。
収縮性の発現は、染色工程により或いは染色前に精練
・リラックス熱処理を例えば沸水中で20〜30分間浸漬す
ることによって行う。異収縮混繊糸は、高収縮成分と低
収縮成分との間の収縮率差が大きい場合、例えば沸水D.
F.L.が20％以上より好ましくは30％以上では、大きな糸
長差を発生し、ソフトで嵩高な布帛を得ることができ
る。
・リラックス熱処理を例えば沸水中で20〜30分間浸漬す
ることによって行う。異収縮混繊糸は、高収縮成分と低
収縮成分との間の収縮率差が大きい場合、例えば沸水D.
F.L.が20％以上より好ましくは30％以上では、大きな糸
長差を発生し、ソフトで嵩高な布帛を得ることができ
る。
（実施例） 本発明を実施例、比較例によって更に具体的に説明す
る。
る。
実施例１〜５ イソフタル酸／ヘキサメチレンジアミンの塩（6I）と
テレフタル酸／ヘキサメチレンジアミンの塩（6T）とか
ら重合した各種アモルファスナイロンの乾燥チップ25重
量部をナイロン６の乾燥チップ（95.7％硫酸、25℃での
相対粘度2.70）75重量部にブレンドした後、溶融温度28
0〜295℃、口金温度272℃、孔径0.25mm孔数18個の口金
で溶融紡糸して未延伸糸を得た。次いで、延伸倍率3.2
5、速度1000m/分で冷延伸して70デニール18フィラメン
トの高収縮ナイロンフィラメントを製造した。
テレフタル酸／ヘキサメチレンジアミンの塩（6T）とか
ら重合した各種アモルファスナイロンの乾燥チップ25重
量部をナイロン６の乾燥チップ（95.7％硫酸、25℃での
相対粘度2.70）75重量部にブレンドした後、溶融温度28
0〜295℃、口金温度272℃、孔径0.25mm孔数18個の口金
で溶融紡糸して未延伸糸を得た。次いで、延伸倍率3.2
5、速度1000m/分で冷延伸して70デニール18フィラメン
トの高収縮ナイロンフィラメントを製造した。
これらの繊維の紡糸延伸工程の操業性と糸質を第１表
に示す。
に示す。
実施例6,7、比較例1,2 実施例３のアモルファスナイロン（AN3）とナイロン
６（N6）とのブレンド重量比率を変える以外、ほぼ同様
にして高収縮ナイロンフィラメントを製造した。その結
果を第２表に示す。
６（N6）とのブレンド重量比率を変える以外、ほぼ同様
にして高収縮ナイロンフィラメントを製造した。その結
果を第２表に示す。
実施例８〜11、比較例3,4 第１図の交絡混繊糸を製造する装置を使用して、実施
例3,4の未延伸糸を3.25倍で冷延伸した後（高収縮成分F
3,F4）、4000m/分で溶融紡糸したナイロン６の70デニー
ル/72フィラメント（低収縮成分FA,沸収６％）を合糸し
て交絡処理し（交絡度約30個/m）、異収縮混繊糸を製造
した（特開昭64−45834号公報の実施例１参照）。
例3,4の未延伸糸を3.25倍で冷延伸した後（高収縮成分F
3,F4）、4000m/分で溶融紡糸したナイロン６の70デニー
ル/72フィラメント（低収縮成分FA,沸収６％）を合糸し
て交絡処理し（交絡度約30個/m）、異収縮混繊糸を製造
した（特開昭64−45834号公報の実施例１参照）。
次いで、筒編布を作成し、100℃沸水中に60秒間浸漬
して嵩高性を評価した。その結果を第３表に示す。
して嵩高性を評価した。その結果を第３表に示す。
ナイロン６を1000m/分で溶融紡糸した未延伸を2.50倍
140℃で熱延伸した70デニール/72フィラメントの低収縮
糸FB（沸収9.5％）と、実施例3,4の未延伸を3.25倍で冷
延伸した高収縮糸F3′,F4′とを混繊交絡して異収縮混
繊糸を製造した（特開昭64−45834号公報の比較例３参
照）。
140℃で熱延伸した70デニール/72フィラメントの低収縮
糸FB（沸収9.5％）と、実施例3,4の未延伸を3.25倍で冷
延伸した高収縮糸F3′,F4′とを混繊交絡して異収縮混
繊糸を製造した（特開昭64−45834号公報の比較例３参
照）。
比較例として、比較例１の未延伸糸を3.45倍110℃で
熱延伸した従来タイプの高収縮糸F1′（66デニール18フ
ィラメント、沸収12％）を使用する以外、同様にして異
収縮混繊糸を製造した。
熱延伸した従来タイプの高収縮糸F1′（66デニール18フ
ィラメント、沸収12％）を使用する以外、同様にして異
収縮混繊糸を製造した。
実施例12,13、比較例５ 実施例８と比較例３の異収縮混繊糸140デニール90フ
ィラメント（それぞれY8,Y3′とする）を用いて経114本
／インチ，緯62本／インチの高密度ツイル（3/1斜文）
を３種製織した。次いで、湿熱，乾熱処理を施して収縮
させ、その収縮率（経％×緯％）を第４表に示す。
ィラメント（それぞれY8,Y3′とする）を用いて経114本
／インチ，緯62本／インチの高密度ツイル（3/1斜文）
を３種製織した。次いで、湿熱，乾熱処理を施して収縮
させ、その収縮率（経％×緯％）を第４表に示す。
実施例14 実施例12の異収縮混繊糸Y8とY3′を用いて経98本／イ
ンチ，緯56本／インチのタフタを製織した。次いで、乾
熱処理（180℃60秒）を施して収縮させた後、織物の収
縮率と嵩高性を評価した（第５表）。
ンチ，緯56本／インチのタフタを製織した。次いで、乾
熱処理（180℃60秒）を施して収縮させた後、織物の収
縮率と嵩高性を評価した（第５表）。
（発明の効果） 本発明の高収縮ポリアミドフィラメントは、新規なア
モルファスナイロンを通常ナイロンにポリマーブレンド
することにより極めて高収縮の糸を得ることができる。
そしてまた、従来にない大きな沸水D.F.L.を有する異収
縮混繊糸を得ることができるので、これを使用した丸
編、経編或いは織物はアウターやスポーツ用の高密度織
物（必要によりフッ素系処理剤を施して撥水撥油性を付
与することもできる）、婦人用インナー、パンティスト
ッキングなど嵩高な織編物に好適である。
モルファスナイロンを通常ナイロンにポリマーブレンド
することにより極めて高収縮の糸を得ることができる。
そしてまた、従来にない大きな沸水D.F.L.を有する異収
縮混繊糸を得ることができるので、これを使用した丸
編、経編或いは織物はアウターやスポーツ用の高密度織
物（必要によりフッ素系処理剤を施して撥水撥油性を付
与することもできる）、婦人用インナー、パンティスト
ッキングなど嵩高な織編物に好適である。
第１図は本発明の異収縮混繊糸の製造に使用できる装置
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) D01F 6/60
Claims (1)
- 【請求項１】芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンを主
要な構造単位とするアモルファスポリアミドと脂肪族ポ
リアミドのポリマーブレンドからなり、かつ沸水収縮率
が15％以上である高収縮ナイロンフィラメント（高収縮
成分）と低収縮ナイロンフィラメント（低収縮成分）と
からなる混繊糸において、沸水D.F.L.が6.0以上である
ことを特徴とする異収縮混繊糸。 但し、沸水D.F.L.は、100℃の沸騰水中に無荷重で30分
間浸漬したときの高収縮成分の収縮率をS1％、低収縮成
分の収縮率をS2％として
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20096989A JP2848638B2 (ja) | 1989-08-02 | 1989-08-02 | 高収縮ナイロンフィラメントからなる異収縮混繊糸 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20096989A JP2848638B2 (ja) | 1989-08-02 | 1989-08-02 | 高収縮ナイロンフィラメントからなる異収縮混繊糸 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0364516A JPH0364516A (ja) | 1991-03-19 |
| JP2848638B2 true JP2848638B2 (ja) | 1999-01-20 |
Family
ID=16433332
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20096989A Expired - Fee Related JP2848638B2 (ja) | 1989-08-02 | 1989-08-02 | 高収縮ナイロンフィラメントからなる異収縮混繊糸 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2848638B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8293364B2 (en) | 2007-04-18 | 2012-10-23 | Kb Seiren, Ltd. | Highly shrinkable fiber |
| CN109072491B (zh) * | 2016-05-26 | 2021-10-29 | 东丽株式会社 | 高热收缩性聚酰胺纤维及使用了该聚酰胺纤维的混纤丝和织物 |
-
1989
- 1989-08-02 JP JP20096989A patent/JP2848638B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0364516A (ja) | 1991-03-19 |
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