JP2846702B2 - 吸収器 - Google Patents

吸収器

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JP2846702B2
JP2846702B2 JP2056028A JP5602890A JP2846702B2 JP 2846702 B2 JP2846702 B2 JP 2846702B2 JP 2056028 A JP2056028 A JP 2056028A JP 5602890 A JP5602890 A JP 5602890A JP 2846702 B2 JP2846702 B2 JP 2846702B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は吸収冷凍機の吸収器に関する。
(ロ)従来の技術 例えば特開昭58−200995号公報には、伝熱管の外表面
に管軸方向に複数の突条を形成し、これらの突条の山部
と、隣り合った突条の間の谷部とを曲面とした伝熱管が
開示されている。又、実公昭64−4051号公報には伝熱管
の外表面に複数の突条を形成し、円周断面が波形となる
ようにし、且つ、伝熱管の管軸方向に15゜〜45゜の傾斜
角を有するねじれを形成した吸収器が開示されている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記特開昭58−200995号公報に開示されている伝熱管
を吸収器内に複数段水平に配置し、上方から伝熱管表面
に吸収液を散布した場合、下段の伝熱管になるにしたが
い外表面での吸収液の広がりが少なくなり偏流し、伝熱
性能が低下するという問題が発生する。そして、特に上
下の伝熱管の段数が多い大型な吸収器或いは伝熱管の長
さが長い場合には上記のような吸収液の偏流が大きくな
り、伝熱性能が大幅に低下するという問題が発生する。
又、上記実公昭64−4051号公報に開示されている伝熱管
では、吸収器に設けられている伝熱管を全てねじりを有
した伝熱管とした場合、多数、例えば1000本の伝熱管を
有した吸収器においては、吸収器の部品コストが大幅に
上昇するという問題が発生していた。
本発明は吸収器に設けられている伝熱管の伝熱性能を
向上することを目的とする。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は上記課題を解決するために吸収液を散布する
散布装置(4)とこの散布装置(4)の下方に設けられ
た吸収器熱交換器(5A)とを備え、吸収器熱交換器(5
A)は複数本の伝熱管(5),(6)を有した吸収器に
おいて、吸収器熱交換器(5A)の上段及び下段には管外
面に管軸方向に複数の突条(8)が形成され、これらの
突条(8)の山部(10)及び隣り合った突条の間の谷部
(11)とを曲面とした複数本の伝熱管表面(5)を吸収
器熱交換器(5A)の上段及び下段に設け、かつ、管外面
に管軸に対してねじれ角を有する複数の突条(12)が形
成され、突条(12)の山部(13)及び隣り合った突条の
間の谷部(14)とを曲面とした伝熱管(6)を吸収器熱
交換器(5A)の中間の段に設けた吸収器を提供するもの
である。
又、管外面に管軸方向に複数の突条(8)を形成し、
これらの突条(8)の山部(10)及び隣り合った突条
(8)の間の谷部(11)を曲面とした複数本の伝熱管
(5)と、これらの伝熱管(5)のうち上下に対向した
伝熱管(5),(5)の間に配置され管外面に管軸に対
してねじれ角を有する複数の突条(12)を形成し、突条
の山部(13)及び隣り合った突条(12)の間の谷部(1
4)を曲面とした伝熱管(6)とを有した吸収器熱交換
器を備えた吸収器を提供するものである。
(ホ)作用 吸収液散布装置(4)から吸収器熱交換器(5A)に散
布された吸収液が上段の伝熱管(5)から下段の伝熱管
(5)へ次第に流下するとき、管外表面に形成された突
条によって吸収液にマラングニー対流が発生して各伝熱
管の伝熱性能が向上する。又、上段の伝熱管(5)が例
えば僅かに湾曲しており、吸収液が均一に滴下しない場
合には、下方の各伝熱管(5)から滴下する吸収液が不
均一になる。そして、吸収液が中間の段のねじれ角を有
した突条(12)を備えた伝熱管(6)へ不均一に滴下し
た場合に、この伝熱管(6)のねじれ角を有した複数の
突条(12)に吸収液が案内されて滴下量が少ない部分へ
流れ、吸収液が伝熱管(6)からほぼ均一に下方の伝熱
管(5)へ滴下し、下方の各伝熱管(5)では吸収液が
管外表面をほぼ均一に流れ、伝熱性能を向上することが
可能になる。
又、吸収器熱交換器(5A)の伝熱管(5)の段数が多
い場合などに、伝熱管(5)のうち、上下に対向した伝
熱管(5),(5)の間に設けられた伝熱管(6),
(6)に吸収液が不均一に滴下したときには、吸収液は
伝熱管(6),(6)のねじれ角を有した突条(12)に
よって案内されて滴下量が少ない部分へ流れ、吸収液は
伝熱管(6),(6)から下方の伝熱管(5),(5)
へほぼ均一に流れ、ねじれを有した伝熱管(6),
(6)の下方の各伝熱管(5),(5)では吸収液がほ
ぼ均一に流れ、下方の伝熱管(5)へ順次滴下し、伝熱
管(5)の段数が多い場合にも伝熱性能を向上すること
が可能になる。
(ヘ)実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、(1)は吸収冷凍機に使用される蒸
発吸収器胴、(2)は蒸発吸収器胴(1)に内臓された
蒸発器、(3)は蒸発器(2)の横に配置された吸収器
である。そして、蒸発器(2)は蒸発器熱交換器(2A)
と、冷媒散布装置(2B)と、冷媒液溜め(2C)とから構
成されている。又、吸収器(3)は上部に設けられた吸
収液の散布装置(4)と、この散布装置(4)の下方に
配置された吸収器熱交換器(5A)と、この吸収器熱交換
器(5A)の下方に設けられた吸収液溜め(7)とから構
成されている。又、(2a),(2b)は冷媒液循環管、
(P1)は冷媒ポンプ、(3a),(3b)は稀吸収液管、
(P2)は吸収液ポンプである。そして、上記吸収器熱交
換器(5A)は複数本の伝熱管(5),…,(6)を有
し、これらの伝熱管(5),…,(6)はそれぞれほぼ
水平に複数段散布装置(4)と吸収溜め(7)との間に
配置されている。伝熱管(5),…,(6)のうち、上
段及び下段の伝熱管群(5a),(5b)を構成する伝熱管
(5)…の外表面には第1図に示したように長手方向、
即ち管軸に沿って複数の突条(8)が形成されている。
そして、第3図に示したように突条(8)の山部(10)
と各突条(8)の間の谷部(11)とはそれぞれ曲面形状
をしており、谷部(11)の曲率半径(R1)は山部(10)
の曲率半径(R2)より大きい。ここで、伝熱管(5)の
外径が例えば16mmの場合は山部(10)の曲率半径(R2
は例えば1.0mmであり、谷部(11)の曲率半径(R1)は
例えば1.4mmである、また、中間の段の伝熱管(6)の
外表面には第1図に示したように長手方向、即ち管軸と
例えば0〜45゜のねじれ角α(図示では約5゜)を有し
た複数の突条(12)が形成されている。そして、第4図
に示したように突条(12)の山部(13)と各突条(12)
の間の谷部(14)とはそれぞれ曲面形状をしており、伝
熱管(5)と同様に谷部(14)の曲率半径は山部(13)
の曲率半径より大きい。
また、第1図に示したように散布装置(4)には複数
の吸収液滴下孔(4a)が形成されている。そして、散布
装置(4)に濃吸収液管(15)が接続されている。さら
に吸収液溜め(7)に稀吸収液管(16)が接続されてい
る。
上記のように構成された吸収器(3)において、吸収
冷凍機の運転時、オクチルアルコール等の界面活性剤を
含んだ例えば臭化リチウム(LiBr)水溶液などの吸収液
が濃吸収液管(15)から散布装置(4)へ流れる。そし
て、散布装置(4)の吸収液滴下孔(4a)から吸収液が
上段の伝熱管(5)に滴下する。伝熱管(5)に滴下し
た吸収液は各突条(8)の山部(10)を越え、伝熱管
(5)の外表面を流れる。そして、各谷部(11)ではマ
ランゴニー対流が生じ、伝熱管(5)内を流れる冷却水
と吸収液との熱交換が促進される。伝熱管(5)の外表
面を流れ、下端に達した吸収液は下段の伝熱管(5)へ
ほぼ均一に滴下し、以下同様に上段の伝熱管(5)から
下段の伝熱管(5)へ吸収液が滴下する。このように、
吸収液が滴下しているとき、例えば吸収冷凍機が大型で
あり、吸収器が大型で各伝熱管(5),…,(6)の長
さが長く、例えば伝熱管(6)により上段の伝熱管
(5)の中央部が僅かでも下方へ湾曲していた場合に
は、その伝熱管(5)の外表面を流れる吸収液は中央部
へ向って流れる。このため、この伝熱管(5)の中央部
から滴下する吸収液の量が両端部より多くなり、そし
て、下段の伝熱管(5)においても、中央部へ上方から
滴下する吸収液の量が多いため中央部から滴下する吸収
液の量が両端部より多くなる。
そして、中間段の伝熱管(6)に上方の伝熱管(5)
から滴下する吸収液も同様に伝熱管(6)の中央部が多
く両端部が少ない。ここで、伝熱管(6)の外表面には
上段の伝熱管(5)とは違い、ねじれ角を有した複数の
突条(12)が形成され、山部(13)及び谷部(14)も突
条(12)と同様にねじれ角を有しているため、伝熱管
(6)の中央部に滴下した吸収液は各山部(13)及び谷
部(14)に案内されて伝熱管(6)の両端部へ流れる。
ここで、伝熱管(6)の表と裏とねじれの方向が異なる
ため、伝熱管(6)の中央部に滴下した吸収液が滴下量
の少ない両端部へ流れ、吸収液が伝熱管(6)の下端か
らほぼ均一に滴下する。伝熱管(6)の下段の伝熱管
(5)では吸収液が外表面にほぼ均一に流れ、吸収液が
下段の伝熱管(5)へほぼ均一に滴下する。以下、同様
に各伝熱管(5)にて、吸収液が外表面をほぼ均一に流
れ、その間に冷媒を吸収して薄くなり最下段の伝熱管
(5)から吸収液溜め(7)に滴下する。吸収液溜め
(7)の吸収液は吸収液ポンプ(P2)の運転によって発
生器(図示せず)へ送られる。
上記実施例によれば中間段の伝熱管(6)より上方の
伝熱管(5)が例えば僅かに湾曲して中央が下方に撓
み、中央部に吸収液が集まり、両端より中央から滴下す
る吸収液が多くなった場合に、中間段の伝熱管(6)の
外表面にはねじれ角を有した複数の突条(12)が形成さ
れているため、伝熱管(6)に滴下した吸収液が突条
(12)の山部(13)と、谷部(14)に案内されて両方向
へ流れ分散され、ほぼ均一に吸収液が滴下する。そし
て、伝熱管(6)より下段の各伝熱管(5)の外表面に
は吸収役がほぼ均一に流れ、吸収器での伝熱性能を向上
させることができる。又、ねじれ角を有した伝熱管
(6)を中間段に使用し、上段及び下段の複数の伝熱管
にはねじれ角がない伝熱管(5)を使用しているため、
吸収器(3)の伝熱管に総てねじれ角を有した伝熱管を
使用した場合と比較して大幅に伝熱管コストを低減する
ことができる。又、各伝熱管(5)の管外表面が平滑な
場合にも中間段に伝熱管(6)を設けることによって吸
収器の伝熱性能を向上させることができる。
第5図は本発明の他の実施例を示したものであり、上
記第1図に示した吸収器より、伝熱管(5)の段数が多
い場合(例えば40段以上)には、全体の段数の上から例
えば1/3と2/3との段数の箇所にねじれ角を有した伝熱管
(6)を配置する。このため、上記実施例と同様に、各
伝熱管(6)の上段の伝熱管(5)から滴下する吸収役
が伝熱管(5)の中央部などで多くなった場合にも、各
伝熱管(6)から下段の伝熱管(5)へほぼ均一に吸収
液を滴下することができ、上記実施例と同様の作用効果
を得ることができる。又、さらに伝熱管(5)の段数が
増加した場合には伝熱管(6)を設ける段の数を例えば
全体の段数の例えば1/4,1/2,3/4の段数の箇所に増加す
ることによって同様の作用効果を得ることができる。
又、伝熱管(5)の管外表面が平滑であり、伝熱管の段
数が多い場合に、上記のように複数箇所に伝熱管(6)
を設けることによって同様の作用効果を得ることができ
る。
又、伝熱管(5)から滴下する吸収液が伝熱管(5)
の右端、或いは左端で多くなった場合に、吸収液が伝熱
管(6)で滴下量が少ない側へ流れ、伝熱管(6)から
ほぼ均一に滴下し、上記実施例と同様の作用効果を得る
ことができる。
(ト)発明の効果 本発明は以上のように構成された吸収器であり、管外
面に長手方向に複数の突条を形成し、これらの突条の山
部及び及び隣り合った突条の間の谷部を曲面とした複数
の伝熱管を吸収器熱交換器の上段及び下段に設け、管外
面に管軸に対してねじれ角を有する複数の突条を形成
し、突条の山部と隣り合った山部の間の谷部とを曲面と
した伝熱管を吸収器熱交換器の中間段に設けたので、ね
じれ角を有した伝熱管より上段の伝熱管から滴下する吸
収液が伝熱管の中央或いは両端で多くなった場合に、ね
じれ角を有した伝熱管の外表面に滴下した吸収液が山部
及び谷部に案内されて滴下量が少ない部分へ流れ、伝熱
管の下端にはほぼ均一に吸収液が流れ、ねじれ角を有し
た伝熱管から吸収液をほぼ均一に下段の伝熱管へ滴下す
ることができ、吸収液が下段の伝熱管の外表面をほぼ均
一に流れ、伝熱性能を向上させることかでき、この結
果、吸収器の運転を安定させることができる。
又、管外面に管軸方向に複数の突条を形成し、これら
の突条の山部、及び隣り合った突条の間の谷部を曲面と
した複数本の伝熱管と、これらの伝熱管のうち上下に対
向した伝熱管の間に配置され管外面に管軸に対してねじ
れ角を有する複数の突条を形成し、これらの突条の山部
及び隣り合った山部の間の谷部を曲面とした伝熱管とを
吸収器熱交換器に設けた場合には伝熱管から滴下する吸
収液が不均一になったときに、その伝熱管より下段のね
じれ角を有した伝熱管にて吸収液が山部及び谷部に案内
されて滴下量の少ない部分へ流れ、この伝熱管からほぼ
均一に吸収液が下段の伝熱管へ滴下してねじれ角を有し
た伝熱管より下段の伝熱管の外表面を均一に濡らすこと
ができ、伝熱性能を向上させることができ、この結果吸
収器熱の運転、特に大型の吸収器の運転を安定させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す吸収器の構成を説明す
るための側面図、第2図は同じく蒸発吸収器胴の断面
図、第3図は第1図に示したA−A線断面図、第4図は
第1図に示したB−B線断面図、第5図は本発明の他の
実施例を示す吸収器の構成を説明するための側面図であ
る。 (3)……吸収器、(4)……吸収液散布装置、(5A)
……吸収器熱交換器、(5),(6)……伝熱管、
(8)……突条、(10)……山部、(11)……谷部、
(12)……突条、(13)……山部、(14)……谷部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸収液を散布する散布装置と、この散布装
    置の下方に設けられた吸収器熱交換器とを備え、この吸
    収器熱交換器は管外表面に散布装置から吸収液が散布さ
    れる複数本の伝熱管を有した吸収器において、管外面に
    管軸方向に複数の突条が形成され、これらの突条の山
    部、及び隣り合った突条の間の谷部を曲面とした複数本
    の伝熱管を吸収器熱交換器の上段及び下段に設け、かつ
    管外面に管軸に対してねじれ角を有する複数の突条が形
    成され、突条の山部及び隣り合った突条の間の谷部を曲
    面とした伝熱管を吸収器熱交換器の中間の段に設けたこ
    とを特徴とする吸収器。
  2. 【請求項2】吸収液を散布する散布装置とこの散布装置
    の下方に設けられた吸収器熱交換器とを備え、この吸収
    器熱交換器は管外表面に散布装置から吸収液が散布され
    る複数段の伝熱管を有した吸収器において、管外面に管
    軸方向に複数の突条を形成し、これらの突条の山部、及
    び隣り合った突条の間の谷部を曲面とした複数本の伝熱
    管とこれらの伝熱管のうち上下に対向した伝熱管の間に
    配置され管外面に管軸に対してねじれ角を有する複数の
    突条を形成し、突条の山部及び隣り合った突条の間の谷
    部を曲面とした伝熱管とを有した吸収器熱交換器を備え
    たことを特徴とする吸収器。
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