JPH1078268A - 伝熱管 - Google Patents
伝熱管Info
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- JPH1078268A JPH1078268A JP17079597A JP17079597A JPH1078268A JP H1078268 A JPH1078268 A JP H1078268A JP 17079597 A JP17079597 A JP 17079597A JP 17079597 A JP17079597 A JP 17079597A JP H1078268 A JPH1078268 A JP H1078268A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 伝熱管外面での吸収液の広がりを十分にさせ
ると同時に、吸収液膜の攪乱作用を吸収液の流下する下
方向(管軸方向に直角な方向)にも、管軸方向にも十分
に促進させる伝熱管を提供する。 【解決手段】 管内の流体と管外の流体との間で熱交換
する伝熱管1であって、伝熱管1の管外周面には管軸Z
に対して所定のねじれ角θ1 を有した少なくとも1種類
の管内周面に凸条が形成されない程度の深さの第一の螺
旋溝M1 を有し、且つ伝熱管1の管外周面には管軸Zに
対して第一の螺旋溝M1 とは異なる所定のねじれ角θ2
を有した第二の螺旋溝M2 が形成されていて、第二の螺
旋溝M2 の溝部は管内周面に前記溝部に対応した凸条N
を形成している。
ると同時に、吸収液膜の攪乱作用を吸収液の流下する下
方向(管軸方向に直角な方向)にも、管軸方向にも十分
に促進させる伝熱管を提供する。 【解決手段】 管内の流体と管外の流体との間で熱交換
する伝熱管1であって、伝熱管1の管外周面には管軸Z
に対して所定のねじれ角θ1 を有した少なくとも1種類
の管内周面に凸条が形成されない程度の深さの第一の螺
旋溝M1 を有し、且つ伝熱管1の管外周面には管軸Zに
対して第一の螺旋溝M1 とは異なる所定のねじれ角θ2
を有した第二の螺旋溝M2 が形成されていて、第二の螺
旋溝M2 の溝部は管内周面に前記溝部に対応した凸条N
を形成している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷水製造用の吸収
式冷凍機や空調用吸収ヒートポンプなどの吸収器、再生
器あるは蒸発器に使用される伝熱管に関する。
式冷凍機や空調用吸収ヒートポンプなどの吸収器、再生
器あるは蒸発器に使用される伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷凍機や空調用吸収ヒートポンプ
などの吸収器は、多数の伝熱管が水平に複数列、複数段
に配列されて構成されている。これら伝熱管群の上部よ
り、例えば臭化リチウム水溶液のような吸収液を散布す
る。この散布された吸収液が伝熱管外表面を流下する間
に、蒸発器から発生した冷媒蒸気を吸収すると同時に、
吸収反応によって生じる熱を伝熱管内を流れる冷却水と
熱交換する構造になっている。したがって、冷媒蒸気を
吸収する際の物質移動現象を促進させることは吸収器の
高性能化に不可欠である。臭化リチウム水溶液が冷媒蒸
気を吸収する際に吸収液膜と冷媒蒸気との界面において
物質移動が行われる。吸収液膜の表面層即ち吸収液膜と
冷媒蒸気との界面層では冷媒蒸気を吸収するために、内
部層よりも吸収液の濃度が薄い。従って、冷媒蒸気の吸
収促進には伝熱管上での吸収液膜の撹乱が必要である。
などの吸収器は、多数の伝熱管が水平に複数列、複数段
に配列されて構成されている。これら伝熱管群の上部よ
り、例えば臭化リチウム水溶液のような吸収液を散布す
る。この散布された吸収液が伝熱管外表面を流下する間
に、蒸発器から発生した冷媒蒸気を吸収すると同時に、
吸収反応によって生じる熱を伝熱管内を流れる冷却水と
熱交換する構造になっている。したがって、冷媒蒸気を
吸収する際の物質移動現象を促進させることは吸収器の
高性能化に不可欠である。臭化リチウム水溶液が冷媒蒸
気を吸収する際に吸収液膜と冷媒蒸気との界面において
物質移動が行われる。吸収液膜の表面層即ち吸収液膜と
冷媒蒸気との界面層では冷媒蒸気を吸収するために、内
部層よりも吸収液の濃度が薄い。従って、冷媒蒸気の吸
収促進には伝熱管上での吸収液膜の撹乱が必要である。
【0003】このため、実用化されている臭化リチウム
水溶液を使用する吸収式冷凍機や空調用吸収ヒートポン
プは、臭化リチウム水溶液に数十〜数百ppmのn−オ
クチルアルコールや2−エチル−1−ヘキサノール等の
界面活性剤を添加して冷媒蒸気吸収時にマランゴニー対
流と呼ばれる吸収液膜の撹乱作用を発生させる。このマ
ランゴニー対流により吸収液の冷媒蒸気吸収能力を向上
させる方法が取られることが一般的である。こうしたこ
とから吸収器用伝熱管の高性能化には、伝熱管外面上で
吸収液が冷媒蒸気を吸収する際に生じる吸収液膜のマラ
ンゴニー対流による撹乱を効率的に促進させることが必
要である。
水溶液を使用する吸収式冷凍機や空調用吸収ヒートポン
プは、臭化リチウム水溶液に数十〜数百ppmのn−オ
クチルアルコールや2−エチル−1−ヘキサノール等の
界面活性剤を添加して冷媒蒸気吸収時にマランゴニー対
流と呼ばれる吸収液膜の撹乱作用を発生させる。このマ
ランゴニー対流により吸収液の冷媒蒸気吸収能力を向上
させる方法が取られることが一般的である。こうしたこ
とから吸収器用伝熱管の高性能化には、伝熱管外面上で
吸収液が冷媒蒸気を吸収する際に生じる吸収液膜のマラ
ンゴニー対流による撹乱を効率的に促進させることが必
要である。
【0004】この吸収液の撹乱作用を促進させる効果を
ねらったものとして、実開昭57−100161号公報
が提案されている。実開昭57−100161号公報の
マイクロフィルムに記載されている伝熱管は、「管表面
に細かな螺旋溝を加工」したものである。この伝熱管
は、螺旋溝に沿って伝熱管表面に吸収液を広げると同時
に、その螺旋溝の凹凸によって吸収液膜の撹乱作用を促
進させようとしたものである。
ねらったものとして、実開昭57−100161号公報
が提案されている。実開昭57−100161号公報の
マイクロフィルムに記載されている伝熱管は、「管表面
に細かな螺旋溝を加工」したものである。この伝熱管
は、螺旋溝に沿って伝熱管表面に吸収液を広げると同時
に、その螺旋溝の凹凸によって吸収液膜の撹乱作用を促
進させようとしたものである。
【0005】また、実開昭64−35368号公報のマ
イクロフィルムに記載されている伝熱管は、「管の外面
に螺旋溝を有し、且つ逆方向にねじれる第2の螺旋溝を
有し、螺旋溝の交差による突起を有する」ものである。
この伝熱管は、螺旋溝の交差による突起に吸収液膜がぶ
つかることで吸収液膜の撹乱作用の促進をねらってい
る。
イクロフィルムに記載されている伝熱管は、「管の外面
に螺旋溝を有し、且つ逆方向にねじれる第2の螺旋溝を
有し、螺旋溝の交差による突起を有する」ものである。
この伝熱管は、螺旋溝の交差による突起に吸収液膜がぶ
つかることで吸収液膜の撹乱作用の促進をねらってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
57−100161号公報のマイクロフィルムに記載さ
れている伝熱管においては、吸収液膜が伝熱管外面で螺
旋溝によって広がることになるが、螺旋溝が直線的であ
るために吸収液膜の撹乱は不十分であるという問題があ
った。
57−100161号公報のマイクロフィルムに記載さ
れている伝熱管においては、吸収液膜が伝熱管外面で螺
旋溝によって広がることになるが、螺旋溝が直線的であ
るために吸収液膜の撹乱は不十分であるという問題があ
った。
【0007】また、実開昭64−35368号公報のマ
イクロフィルムに記載されている伝熱管においては、吸
収液膜がある突起にぶつかり撹乱作用が発生しても、溝
深さが同じである2つの螺旋溝が管軸方向に対して互い
に逆方向にねじれて交差しているので、この突起による
吸収液膜の撹乱と隣接する突起で発生した吸収液膜の撹
乱がぶつかりあってしまう。このために吸収液膜の撹乱
作用を管軸方向に持続させながら効果的に促進させるこ
とができず、吸収液膜は伝熱管上に長時間保持されにく
いといった問題があった。
イクロフィルムに記載されている伝熱管においては、吸
収液膜がある突起にぶつかり撹乱作用が発生しても、溝
深さが同じである2つの螺旋溝が管軸方向に対して互い
に逆方向にねじれて交差しているので、この突起による
吸収液膜の撹乱と隣接する突起で発生した吸収液膜の撹
乱がぶつかりあってしまう。このために吸収液膜の撹乱
作用を管軸方向に持続させながら効果的に促進させるこ
とができず、吸収液膜は伝熱管上に長時間保持されにく
いといった問題があった。
【0008】次に、吸収式冷凍機の蒸発器について説明
する。吸収式冷凍機の蒸発器では、吸収器と同様に伝熱
管群が取付けられ、伝熱管外周面に純水などの冷媒が滴
下され、伝熱管内には水が流される。蒸発器内は減圧さ
れており、冷媒が伝熱管外周面で蒸発する。その時、冷
媒が蒸発潜熱として管内を流れる水から熱を奪い、所望
の冷水が得られる。そのため、蒸発器には管外周面の表
面積を大きくとって伝熱面を拡大することが有効と考え
られ、螺旋フィン付伝熱管が使用されていた。この様な
螺旋フィン付伝熱管では、管外周面に設けられた螺旋フ
ィンによって管外周面の表面積が拡大され、蒸発面とな
る伝熱面積が大きくとれる効果が望める。しかしなが
ら、筆者らは吸収式冷凍機の蒸発器について螺旋フィン
付伝熱管の伝熱試験を行ったところ、図9に示すよう
に、フィン間に冷媒である水が流れ込んで、管軸方向に
は冷媒が広がらなくなり、フィンの形成によって管外の
表面積を拡大させたにも関わらず、冷媒で濡れない乾き
面が多くなってしまい、伝熱性能はそれほど大きくなら
ないことを確認した。
する。吸収式冷凍機の蒸発器では、吸収器と同様に伝熱
管群が取付けられ、伝熱管外周面に純水などの冷媒が滴
下され、伝熱管内には水が流される。蒸発器内は減圧さ
れており、冷媒が伝熱管外周面で蒸発する。その時、冷
媒が蒸発潜熱として管内を流れる水から熱を奪い、所望
の冷水が得られる。そのため、蒸発器には管外周面の表
面積を大きくとって伝熱面を拡大することが有効と考え
られ、螺旋フィン付伝熱管が使用されていた。この様な
螺旋フィン付伝熱管では、管外周面に設けられた螺旋フ
ィンによって管外周面の表面積が拡大され、蒸発面とな
る伝熱面積が大きくとれる効果が望める。しかしなが
ら、筆者らは吸収式冷凍機の蒸発器について螺旋フィン
付伝熱管の伝熱試験を行ったところ、図9に示すよう
に、フィン間に冷媒である水が流れ込んで、管軸方向に
は冷媒が広がらなくなり、フィンの形成によって管外の
表面積を拡大させたにも関わらず、冷媒で濡れない乾き
面が多くなってしまい、伝熱性能はそれほど大きくなら
ないことを確認した。
【0009】本発明は前記課題を解決し、伝熱管外面で
の吸収液が十分に広がるとともに、吸収液膜の撹乱作用
が吸収液の流下する下方向(管軸方向に直角な方向)に
も、管軸方向にも十分に起きる伝熱管を提供することを
目的とする。
の吸収液が十分に広がるとともに、吸収液膜の撹乱作用
が吸収液の流下する下方向(管軸方向に直角な方向)に
も、管軸方向にも十分に起きる伝熱管を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために以下のような手段を有している。
決するために以下のような手段を有している。
【0011】本発明の請求項1の伝熱管は、管外周面に
は管軸に対して所定のねじれる伝熱管であって、前記伝
熱管の管外周面には管軸に対して所定のねじれ角を有し
た少なくとも1種類の管内周面に凸条が形成されない程
度の深さの第一の螺旋溝を有し、且つ前記伝熱管の管外
周面には管軸に対して前記第一の螺旋溝とは異なる所定
のねじれ角を有した第二の螺旋溝が形成されていて、前
記第二の螺旋溝の溝部は管内周面に前記溝部に対応した
凸条を形成していることを特徴とする。
は管軸に対して所定のねじれる伝熱管であって、前記伝
熱管の管外周面には管軸に対して所定のねじれ角を有し
た少なくとも1種類の管内周面に凸条が形成されない程
度の深さの第一の螺旋溝を有し、且つ前記伝熱管の管外
周面には管軸に対して前記第一の螺旋溝とは異なる所定
のねじれ角を有した第二の螺旋溝が形成されていて、前
記第二の螺旋溝の溝部は管内周面に前記溝部に対応した
凸条を形成していることを特徴とする。
【0012】本発明のうち請求項2の伝熱管は、第二の
螺旋溝の管軸に対するねじれ角が第一の螺旋溝の管軸に
対するねじれ角よりも小さいことを特徴とする。
螺旋溝の管軸に対するねじれ角が第一の螺旋溝の管軸に
対するねじれ角よりも小さいことを特徴とする。
【0013】本発明のうち請求項3の伝熱管は、第一の
螺旋溝と第二の螺旋溝の管軸方向に対するねじれ方向が
同じであることを特徴とする。
螺旋溝と第二の螺旋溝の管軸方向に対するねじれ方向が
同じであることを特徴とする。
【0014】本発明のうち請求項4の伝熱管は、第一の
螺旋溝が管軸方向に、異なるねじれ角を有して少なくと
も2種類以上形成され、前記2種類以上の螺旋溝の交差
により前記螺旋溝で囲まれた部位に突起が形成されてい
ることを特徴とする。
螺旋溝が管軸方向に、異なるねじれ角を有して少なくと
も2種類以上形成され、前記2種類以上の螺旋溝の交差
により前記螺旋溝で囲まれた部位に突起が形成されてい
ることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項1の伝熱管は、管外周面に
管軸に対して所定のねじれ角を有した第一の螺旋溝と、
管軸に対して第一の螺旋溝とは異なる所定のねじれ角を
有した管内周面に凸条を形成している第二の螺旋溝を有
している。第二の螺旋溝は、管内周面に凸条を形成して
いる螺旋溝であって、いわゆるコルゲート状の溝であ
る。以下特別の場合を除いて本明細書では第二の螺旋溝
を単にコルゲート溝と称し、第一の螺旋溝は単に螺旋溝
と称す。上記のように2種類の溝を管外周面に形成した
伝熱管を、例えば、水平に配置する吸収器に装着した場
合、コルゲート溝と螺旋溝の交差部で吸収液膜に撹乱作
用が生じる。
管軸に対して所定のねじれ角を有した第一の螺旋溝と、
管軸に対して第一の螺旋溝とは異なる所定のねじれ角を
有した管内周面に凸条を形成している第二の螺旋溝を有
している。第二の螺旋溝は、管内周面に凸条を形成して
いる螺旋溝であって、いわゆるコルゲート状の溝であ
る。以下特別の場合を除いて本明細書では第二の螺旋溝
を単にコルゲート溝と称し、第一の螺旋溝は単に螺旋溝
と称す。上記のように2種類の溝を管外周面に形成した
伝熱管を、例えば、水平に配置する吸収器に装着した場
合、コルゲート溝と螺旋溝の交差部で吸収液膜に撹乱作
用が生じる。
【0016】また、コルゲート溝は管内周面に溝部に対
応した凸状を生じるように形成されているのでその溝深
さは螺旋溝の溝深さよりも深い。したがって、管外周面
上の吸収液膜厚さに差が生じ、マランゴニ対流を促進さ
せる。更に、コルゲート溝による管内面の凸条により、
管内を流れる冷却水にも乱流効果を与えることができ、
管内熱伝達率も向上する。その結果、高い熱交換が得ら
れる。螺旋溝の溝深さは、0.1〜0.8mm程度が望
ましい。浅すぎると吸収液膜の乱流効果が得られず、深
すぎると吸収液膜の撹乱が螺旋溝と螺旋溝との間の山部
によって遮られることになる。螺旋溝の管軸方向に対す
るねじれ角は、コルゲート溝の管軸方向に対するねじれ
角にもよるが、3〜80゜程度が望ましい。3゜よりも
小さいと吸収液膜を管の周方向に効果的に広げることが
できない。
応した凸状を生じるように形成されているのでその溝深
さは螺旋溝の溝深さよりも深い。したがって、管外周面
上の吸収液膜厚さに差が生じ、マランゴニ対流を促進さ
せる。更に、コルゲート溝による管内面の凸条により、
管内を流れる冷却水にも乱流効果を与えることができ、
管内熱伝達率も向上する。その結果、高い熱交換が得ら
れる。螺旋溝の溝深さは、0.1〜0.8mm程度が望
ましい。浅すぎると吸収液膜の乱流効果が得られず、深
すぎると吸収液膜の撹乱が螺旋溝と螺旋溝との間の山部
によって遮られることになる。螺旋溝の管軸方向に対す
るねじれ角は、コルゲート溝の管軸方向に対するねじれ
角にもよるが、3〜80゜程度が望ましい。3゜よりも
小さいと吸収液膜を管の周方向に効果的に広げることが
できない。
【0017】また、80゜よりも大きいと、螺旋溝間に
ある山部が吸収液膜の管軸方向への動きの妨げとなる。
なお、螺旋溝の断面形状は、三角形、台形、円弧状のよ
うにどのような形状であってもかまわない。さらに、コ
ルゲート溝の条数は、所望とする管の外径によって決め
られる。例えば、外径19mmφでは3〜20条程度が
望ましい。コルゲート溝の周方向のピッチは、だいたい
3〜20mm程度が望ましい。コルゲート溝のねじれ角
は、螺旋溝のそれとは異なるように設定しなければなら
ない。ねじれ角が同じであると、コルゲートによる溝と
螺旋溝の交差部がなくなり、吸収液膜の撹乱促進が充分
に行えない。コルゲート溝の底部の形状は鋭角状であっ
ても曲面であっても差し支えない。
ある山部が吸収液膜の管軸方向への動きの妨げとなる。
なお、螺旋溝の断面形状は、三角形、台形、円弧状のよ
うにどのような形状であってもかまわない。さらに、コ
ルゲート溝の条数は、所望とする管の外径によって決め
られる。例えば、外径19mmφでは3〜20条程度が
望ましい。コルゲート溝の周方向のピッチは、だいたい
3〜20mm程度が望ましい。コルゲート溝のねじれ角
は、螺旋溝のそれとは異なるように設定しなければなら
ない。ねじれ角が同じであると、コルゲートによる溝と
螺旋溝の交差部がなくなり、吸収液膜の撹乱促進が充分
に行えない。コルゲート溝の底部の形状は鋭角状であっ
ても曲面であっても差し支えない。
【0018】本発明の請求項2の伝熱管は、コルゲート
溝のねじれ角が螺旋溝のねじれ角よりも小さくなってい
る。上記のようにコルゲート溝のねじれ角を小さくする
と、吸収液膜を溝深さの深いコルゲート溝に沿って管軸
方向に効果的に広げることができ、更に熱交換性能が向
上する。
溝のねじれ角が螺旋溝のねじれ角よりも小さくなってい
る。上記のようにコルゲート溝のねじれ角を小さくする
と、吸収液膜を溝深さの深いコルゲート溝に沿って管軸
方向に効果的に広げることができ、更に熱交換性能が向
上する。
【0019】本発明の請求項3の伝熱管は、コルゲート
溝と螺旋溝のねじれ方向が同じ方向となっているので、
吸収液膜を管軸方向に安定して広げることができ、更に
熱交換性能が向上する。
溝と螺旋溝のねじれ方向が同じ方向となっているので、
吸収液膜を管軸方向に安定して広げることができ、更に
熱交換性能が向上する。
【0020】本発明の伝熱管は蒸発器用伝熱管としても
有効である。本発明の請求項1記載の伝熱管を蒸発器に
使用すれば、第1の螺旋溝の形成によって管外表面積が
拡大され冷媒の蒸発が促進されると同時に、管内周面に
凸条が形成される程度に深い第2の螺旋溝によって冷媒
の管外周面上での流れが管外周面全体に広げられ乾き面
が無くなり、更に管内周面の凸条によって管内を流れる
冷水にも乱流効果が生じて管内側の熱伝達も向上する。
その結果、蒸発器用伝熱管としても高性能な効果が得ら
れる。
有効である。本発明の請求項1記載の伝熱管を蒸発器に
使用すれば、第1の螺旋溝の形成によって管外表面積が
拡大され冷媒の蒸発が促進されると同時に、管内周面に
凸条が形成される程度に深い第2の螺旋溝によって冷媒
の管外周面上での流れが管外周面全体に広げられ乾き面
が無くなり、更に管内周面の凸条によって管内を流れる
冷水にも乱流効果が生じて管内側の熱伝達も向上する。
その結果、蒸発器用伝熱管としても高性能な効果が得ら
れる。
【0021】蒸発器では、前述のように管外周面の表面
積拡大と乾き面が生じないようにすることが必要である
が、冷媒液膜の蒸発という意味からはその冷媒液膜が薄
い方が管内側からの熱が伝わりやすく蒸発しやすい。す
なわち、管外周面に必要以上に冷媒が保持され冷媒液膜
厚さが厚くなってしまうと、例え管外周面の表面積が拡
大され乾き面が生じなくても、その効果を最大に生かす
ことができない。したがって、本発明の請求項1の伝熱
管を蒸発器用伝熱管として使用する場合には、管外周面
での冷媒液膜厚さの適正を保つため、適当な液切れを生
じさせる様な形状にすることで更に高い伝熱性能が望め
る。
積拡大と乾き面が生じないようにすることが必要である
が、冷媒液膜の蒸発という意味からはその冷媒液膜が薄
い方が管内側からの熱が伝わりやすく蒸発しやすい。す
なわち、管外周面に必要以上に冷媒が保持され冷媒液膜
厚さが厚くなってしまうと、例え管外周面の表面積が拡
大され乾き面が生じなくても、その効果を最大に生かす
ことができない。したがって、本発明の請求項1の伝熱
管を蒸発器用伝熱管として使用する場合には、管外周面
での冷媒液膜厚さの適正を保つため、適当な液切れを生
じさせる様な形状にすることで更に高い伝熱性能が望め
る。
【0022】本発明の請求項4の伝熱管は、蒸発器用伝
熱管としての最適な形状の伝熱管である。この伝熱管を
蒸発器に使用すると下記〜の効果が得られ、特に高
い伝熱性能が得られる。 少なくとも2種類の管内周面に凸条が形成されない程
度の螺旋溝(以下2種類の螺旋溝と称す)によって管外
周面の表面積が拡大されると同時に、2種類の螺旋溝に
よって冷媒が管全体に広げられ、管外周面の2種類の螺
旋溝に囲まれた部位に形成された突起によって冷媒液膜
が分散され適正な液切れを生じさせることができる。す
なわち適正な液膜厚さをもつ冷媒液膜が管表面に形成さ
れる。 管内周面に凸条が形成される程度に深い螺旋溝(以下
コルゲート溝と称す)によって冷媒液膜が管外周面に広
げられるので乾き面は生じない。 管内周面の凸条によって冷水の乱流が促進され管内側
の熱伝達が向上する。
熱管としての最適な形状の伝熱管である。この伝熱管を
蒸発器に使用すると下記〜の効果が得られ、特に高
い伝熱性能が得られる。 少なくとも2種類の管内周面に凸条が形成されない程
度の螺旋溝(以下2種類の螺旋溝と称す)によって管外
周面の表面積が拡大されると同時に、2種類の螺旋溝に
よって冷媒が管全体に広げられ、管外周面の2種類の螺
旋溝に囲まれた部位に形成された突起によって冷媒液膜
が分散され適正な液切れを生じさせることができる。す
なわち適正な液膜厚さをもつ冷媒液膜が管表面に形成さ
れる。 管内周面に凸条が形成される程度に深い螺旋溝(以下
コルゲート溝と称す)によって冷媒液膜が管外周面に広
げられるので乾き面は生じない。 管内周面の凸条によって冷水の乱流が促進され管内側
の熱伝達が向上する。
【0023】この伝熱管の蒸発器に使用する場合の最も
最適な2種類の螺旋溝の溝深さは、0.1〜0.8mm
程度が望ましい。0.1mm未満では管外周面の表面積
拡大の効果が十分に得られず、0.8mmを超えると冷
媒が管全体に広がり難くなるからである。前記2種類の
螺旋溝の溝深さは、螺旋溝の交差によって突起が形成さ
れる程度の溝深さであれば良く、溝深さが相互に異なっ
ていても同じでも良い。前記2種類の螺旋溝の管軸方向
に対するねじれ方向は、同じであっても異なっていて
も、両螺旋溝が交差し螺旋溝に囲まれた部位に突起が形
成されるものであればどちらでも良い。螺旋溝の管軸方
向に対するねじれ角は、冷媒が管全体に広がるために、
3〜80゜程度が望ましいと言えるが、管外周面に2種
類の螺旋溝によって囲まれた突起が形成される程度に設
定しなければならない。例えば2種類の螺旋溝が管軸に
対して同じ方向にねじれる場合には、ねじれ角が3〜3
0゜の螺旋溝とねじれ角が50〜80゜の螺旋溝を相互
に交差するように形成したり、また2種類の螺旋溝が管
軸に対して異なる方向にねじれる場合には、ねじれ角が
管軸に対して右に25〜50゜の螺旋溝と左に25〜5
0゜の螺旋溝を相互に交差するように形成することが望
ましい。螺旋溝の断面形状は、三角形、台形、円弧状の
ようにどの様な形状であっても表面積を拡大するもので
あれば構わない。コルゲート溝は、冷媒液膜を管全体に
広げる役割を持っているので、その条数を多くしすぎて
もあまり効果はない。その上限は、所望とする管外径に
よって決められるが、例えば外径19mmφでは20条
程度までが望ましく、その周方向のピッチは3mm程度
である。コルゲート溝の管軸方向に対するねじれ角は、
吸収器の場合とは異なり冷媒液膜厚さを適度に保つこと
が必要であるが、そのねじれ角を小さくすると管軸方向
に冷媒が流れすぎて必要以上に液膜厚さが厚くなる。し
たがって50〜80゜程度に設定するのが望ましい。な
お、コルゲート溝の底部の形状は、鋭角状であっても曲
面であっても差し支えない。
最適な2種類の螺旋溝の溝深さは、0.1〜0.8mm
程度が望ましい。0.1mm未満では管外周面の表面積
拡大の効果が十分に得られず、0.8mmを超えると冷
媒が管全体に広がり難くなるからである。前記2種類の
螺旋溝の溝深さは、螺旋溝の交差によって突起が形成さ
れる程度の溝深さであれば良く、溝深さが相互に異なっ
ていても同じでも良い。前記2種類の螺旋溝の管軸方向
に対するねじれ方向は、同じであっても異なっていて
も、両螺旋溝が交差し螺旋溝に囲まれた部位に突起が形
成されるものであればどちらでも良い。螺旋溝の管軸方
向に対するねじれ角は、冷媒が管全体に広がるために、
3〜80゜程度が望ましいと言えるが、管外周面に2種
類の螺旋溝によって囲まれた突起が形成される程度に設
定しなければならない。例えば2種類の螺旋溝が管軸に
対して同じ方向にねじれる場合には、ねじれ角が3〜3
0゜の螺旋溝とねじれ角が50〜80゜の螺旋溝を相互
に交差するように形成したり、また2種類の螺旋溝が管
軸に対して異なる方向にねじれる場合には、ねじれ角が
管軸に対して右に25〜50゜の螺旋溝と左に25〜5
0゜の螺旋溝を相互に交差するように形成することが望
ましい。螺旋溝の断面形状は、三角形、台形、円弧状の
ようにどの様な形状であっても表面積を拡大するもので
あれば構わない。コルゲート溝は、冷媒液膜を管全体に
広げる役割を持っているので、その条数を多くしすぎて
もあまり効果はない。その上限は、所望とする管外径に
よって決められるが、例えば外径19mmφでは20条
程度までが望ましく、その周方向のピッチは3mm程度
である。コルゲート溝の管軸方向に対するねじれ角は、
吸収器の場合とは異なり冷媒液膜厚さを適度に保つこと
が必要であるが、そのねじれ角を小さくすると管軸方向
に冷媒が流れすぎて必要以上に液膜厚さが厚くなる。し
たがって50〜80゜程度に設定するのが望ましい。な
お、コルゲート溝の底部の形状は、鋭角状であっても曲
面であっても差し支えない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の請求項1〜3の伝
熱管を実施の形態により図1ないし図8を参照して詳細
に説明する。 (実施例1)図1(イ)は本発明の伝熱管の一実施例を
示す概略図で、図1(ロ)はその主要部を拡大した断面
図である。図1に示すように伝熱管1は外周面に管軸Z
に対して所定のねじれ角θ1 を有した螺旋溝M1 を有し
ている。なお、本明細書において螺旋溝を図示する場
合、図示の都合上螺旋溝は一本の直線で表示している。
螺旋溝を図示している図面は図1(ロ)を除いて全て同
様である。また、伝熱管1の外周面には、管軸Zに対し
て螺旋溝M1 とは異なる所定のねじれ角θ2 を有したコ
ルゲート溝M2 を有している。なお、本明細書において
コルゲート溝を図示する場合、図示の都合上コルゲート
溝は一本の直線で表示している。コルゲート溝を図示し
ている図面は図1(ロ)を除いて全て同様である。
熱管を実施の形態により図1ないし図8を参照して詳細
に説明する。 (実施例1)図1(イ)は本発明の伝熱管の一実施例を
示す概略図で、図1(ロ)はその主要部を拡大した断面
図である。図1に示すように伝熱管1は外周面に管軸Z
に対して所定のねじれ角θ1 を有した螺旋溝M1 を有し
ている。なお、本明細書において螺旋溝を図示する場
合、図示の都合上螺旋溝は一本の直線で表示している。
螺旋溝を図示している図面は図1(ロ)を除いて全て同
様である。また、伝熱管1の外周面には、管軸Zに対し
て螺旋溝M1 とは異なる所定のねじれ角θ2 を有したコ
ルゲート溝M2 を有している。なお、本明細書において
コルゲート溝を図示する場合、図示の都合上コルゲート
溝は一本の直線で表示している。コルゲート溝を図示し
ている図面は図1(ロ)を除いて全て同様である。
【0025】本実施例では、コルゲート溝M2 は管軸Z
方向に対するねじれ角θ2 が螺旋溝M1 のねじれ角θ1
よりも小さく、管軸Z方向に対するねじれ方向が同じ場
合の例を示している。また、伝熱管1の内周面には、外
周面に形成されたコルゲート溝M2 に対応した位置にコ
ルゲート溝M2 に対応した形状の凸条Nが形成されてい
る。本実施例の伝熱管1の具体例の伝熱性能を表1に示
す。表1において本実施例の伝熱管1はサンプル番号、
本発明4、本発明5および本発明6である。
方向に対するねじれ角θ2 が螺旋溝M1 のねじれ角θ1
よりも小さく、管軸Z方向に対するねじれ方向が同じ場
合の例を示している。また、伝熱管1の内周面には、外
周面に形成されたコルゲート溝M2 に対応した位置にコ
ルゲート溝M2 に対応した形状の凸条Nが形成されてい
る。本実施例の伝熱管1の具体例の伝熱性能を表1に示
す。表1において本実施例の伝熱管1はサンプル番号、
本発明4、本発明5および本発明6である。
【0026】上記の伝熱管1は以下のようにして製造す
る。先ず、始めに螺旋溝M1 を形成する。図2に示すよ
うに、外面が平滑な素管Sの外周面に対し螺旋溝M1 を
加工するための所望の形状の凸条T1 が形成されている
ロールR1 を同一周面上に複数個、例えば、3個、管軸
Zから一定の角度をもたせて配置し、この3個のロール
R 1 を3方向からロールR1 自体を回転させながら素管
Sの外周面に押しつけることによって平滑な素管Sの外
周面に対し螺旋溝M1 が形成される。
る。先ず、始めに螺旋溝M1 を形成する。図2に示すよ
うに、外面が平滑な素管Sの外周面に対し螺旋溝M1 を
加工するための所望の形状の凸条T1 が形成されている
ロールR1 を同一周面上に複数個、例えば、3個、管軸
Zから一定の角度をもたせて配置し、この3個のロール
R 1 を3方向からロールR1 自体を回転させながら素管
Sの外周面に押しつけることによって平滑な素管Sの外
周面に対し螺旋溝M1 が形成される。
【0027】螺旋溝M1 を形成する推進力で素管Sが回
転しながら送り出されることで螺旋溝M1 を有した素管
が製造できる。ロール自体の回転は、少なくとも1つの
ロールR1 を駆動させれば良い。1つのロールR1 が回
転すればその推進力で素管Sが加工方向に進むので、他
のロールR1 は素管Sの外周面に押しつけるだけで螺旋
溝を形成しながら回転する。この際、素管Sの内側に
は、外面が平滑なプラグPLを差し込んでおくと内周面
は平滑な状態のままとなる。
転しながら送り出されることで螺旋溝M1 を有した素管
が製造できる。ロール自体の回転は、少なくとも1つの
ロールR1 を駆動させれば良い。1つのロールR1 が回
転すればその推進力で素管Sが加工方向に進むので、他
のロールR1 は素管Sの外周面に押しつけるだけで螺旋
溝を形成しながら回転する。この際、素管Sの内側に
は、外面が平滑なプラグPLを差し込んでおくと内周面
は平滑な状態のままとなる。
【0028】上記の螺旋溝M1 が形成された素管Sに対
して図3に示す加工装置でコルゲート溝M2 を形成す
る。図3の加工装置は円筒状のヘッド2の内側にほぼU
字状の6個の支持フレーム20を中心部に向かい合わ
せ、且つ等間隔になるように固定したもので、各支持フ
レーム20に同一サイズの円板状のディスク3を軸21
により回転自在に支持させている。ディスク3は管軸方
向に対して所定の角度傾けた状態で支持させている。図
3の加工装置の6個のディスク3が向き合う空間に螺旋
溝M1 が形成された素管Sを案内し、この素管Sを一定
方向へ引き抜くと、各ディスク3が素管Sとの接触によ
り回転して素管Sにコルゲート溝M2 を形成する。以上
のようにして伝熱管1が製造される。
して図3に示す加工装置でコルゲート溝M2 を形成す
る。図3の加工装置は円筒状のヘッド2の内側にほぼU
字状の6個の支持フレーム20を中心部に向かい合わ
せ、且つ等間隔になるように固定したもので、各支持フ
レーム20に同一サイズの円板状のディスク3を軸21
により回転自在に支持させている。ディスク3は管軸方
向に対して所定の角度傾けた状態で支持させている。図
3の加工装置の6個のディスク3が向き合う空間に螺旋
溝M1 が形成された素管Sを案内し、この素管Sを一定
方向へ引き抜くと、各ディスク3が素管Sとの接触によ
り回転して素管Sにコルゲート溝M2 を形成する。以上
のようにして伝熱管1が製造される。
【0029】(実施例2)図4は本発明の伝熱管の他の
実施例を示す概略図である。本実施例の伝熱管1Aの特
徴は管外周面に形成されたコルゲート溝M2 は管軸Z方
向に対するねじれ角θ2 が螺旋溝M1 のねじれ角θ1 よ
りも大きく、管軸Z方向に対するねじれ方向が同じ方向
に形成されていることである。その他は実施例1と同様
である。本実施例の伝熱管1Aは実施例1と同様に製造
することができるが、例えばコルゲート溝M2 は図5の
ような方法でも製造することができる。図2に示すよう
にして螺旋溝M1 が形成された素管Sに対してその外周
に必要な溝数分のロール4を押圧することによってコル
ゲート溝を形成することによって伝熱管1Aが製造され
る。本実施例の伝熱管1Aの具体例の伝熱性能を表1に
示す。表1において本実施例の伝熱管1Aはサンプル番
号、本発明1、本発明2および本発明3である。
実施例を示す概略図である。本実施例の伝熱管1Aの特
徴は管外周面に形成されたコルゲート溝M2 は管軸Z方
向に対するねじれ角θ2 が螺旋溝M1 のねじれ角θ1 よ
りも大きく、管軸Z方向に対するねじれ方向が同じ方向
に形成されていることである。その他は実施例1と同様
である。本実施例の伝熱管1Aは実施例1と同様に製造
することができるが、例えばコルゲート溝M2 は図5の
ような方法でも製造することができる。図2に示すよう
にして螺旋溝M1 が形成された素管Sに対してその外周
に必要な溝数分のロール4を押圧することによってコル
ゲート溝を形成することによって伝熱管1Aが製造され
る。本実施例の伝熱管1Aの具体例の伝熱性能を表1に
示す。表1において本実施例の伝熱管1Aはサンプル番
号、本発明1、本発明2および本発明3である。
【0030】(実施例3)図6は本発明の伝熱管の他の
実施例を示す概略図である。本実施例の伝熱管1Bの特
徴は、管外周面に形成されたコルゲート溝M2 は管軸Z
方向に対するねじれ角θ2 が螺旋溝M1 のねじれ角θ1
よりも小さく、管軸Z方向に対するねじれ方向が異なる
ように形成されていることである。その他は実施例1と
同様である。本実施例の伝熱管1Bは実施例1と同様に
製造することができるが、図5に示すような方法でも製
造することができる。本実施例の伝熱管1Bの具体例の
伝熱性能を表1に示す。表1において本実施例の伝熱管
1Bはサンプル番号、本発明7である。
実施例を示す概略図である。本実施例の伝熱管1Bの特
徴は、管外周面に形成されたコルゲート溝M2 は管軸Z
方向に対するねじれ角θ2 が螺旋溝M1 のねじれ角θ1
よりも小さく、管軸Z方向に対するねじれ方向が異なる
ように形成されていることである。その他は実施例1と
同様である。本実施例の伝熱管1Bは実施例1と同様に
製造することができるが、図5に示すような方法でも製
造することができる。本実施例の伝熱管1Bの具体例の
伝熱性能を表1に示す。表1において本実施例の伝熱管
1Bはサンプル番号、本発明7である。
【0031】(性能試験)本発明の各実施例の伝熱管の
具体的なサンプルと外周面に溝のない平滑管、実開昭5
7−100161号公報のマイクロフィルムに開示され
ている方法で製造した管表面に細かな螺旋溝のみを有す
る伝熱管(以下従来例1という)および螺旋溝を有しな
い単なるコルゲート溝を有しただけの伝熱管の各サンプ
ルについて図7に示すような試験機により吸収器に使用
した場合の伝熱試験を行った。
具体的なサンプルと外周面に溝のない平滑管、実開昭5
7−100161号公報のマイクロフィルムに開示され
ている方法で製造した管表面に細かな螺旋溝のみを有す
る伝熱管(以下従来例1という)および螺旋溝を有しな
い単なるコルゲート溝を有しただけの伝熱管の各サンプ
ルについて図7に示すような試験機により吸収器に使用
した場合の伝熱試験を行った。
【0032】試験条件を以下に示す。 〔吸収液〕LiBr水溶液、入口濃度:58±0.5wt
%、入口温度:40±1℃、流量:0.02kg/m・
s当たりの伝熱管の片側に流れる吸収液膜の質量流
量)、界面活性剤:オクチルアルコールを250ppm
添加。 〔吸収液散布装置〕孔径:1.5mm、間隔24mm。 〔吸収器冷却水〕入口温度:28±0.3℃、流速:
1.0〜3.0m/s、 〔吸収器、蒸発器内圧力〕15±0.5mmHg。 〔伝熱管の配列〕長さ500mmの伝熱管を上下方向へ
5段1列。
%、入口温度:40±1℃、流量:0.02kg/m・
s当たりの伝熱管の片側に流れる吸収液膜の質量流
量)、界面活性剤:オクチルアルコールを250ppm
添加。 〔吸収液散布装置〕孔径:1.5mm、間隔24mm。 〔吸収器冷却水〕入口温度:28±0.3℃、流速:
1.0〜3.0m/s、 〔吸収器、蒸発器内圧力〕15±0.5mmHg。 〔伝熱管の配列〕長さ500mmの伝熱管を上下方向へ
5段1列。
【0033】図7の試験機について簡単に説明する。7
4は蒸発器であり、内部には伝熱管72を2列5段配管
し、上下の伝熱管72を相互に連通してこれらに水を通
す。これらの伝熱管72には散布パイプ76より冷媒
(純水)を散布した。73は吸収器であり、内部には試
験すべきサンプル管71を1列5段配管する。上下のサ
ンプル管71相互を連通してこれらに冷却水を通し、こ
れらのサンプル管71には散布パイプ75より吸収液
(臭化リチウム水溶液)を散布した。77は希溶液槽
で、吸収器73内で冷媒蒸気を吸収して希釈された吸収
液を溜めるものである。この希溶液槽77内の吸収液を
濃溶液槽78に供給し、この濃溶液槽78で臭化リチウ
ムを加えて濃度調整し、濃度調整後の吸収液を、ポンプ
80により配管79、散布パイプ75を通じてサンプル
管71へ散布した。以上の試験機の試験による結果か
ら、伝熱管の各サンプルの熱通過率を計算した。
4は蒸発器であり、内部には伝熱管72を2列5段配管
し、上下の伝熱管72を相互に連通してこれらに水を通
す。これらの伝熱管72には散布パイプ76より冷媒
(純水)を散布した。73は吸収器であり、内部には試
験すべきサンプル管71を1列5段配管する。上下のサ
ンプル管71相互を連通してこれらに冷却水を通し、こ
れらのサンプル管71には散布パイプ75より吸収液
(臭化リチウム水溶液)を散布した。77は希溶液槽
で、吸収器73内で冷媒蒸気を吸収して希釈された吸収
液を溜めるものである。この希溶液槽77内の吸収液を
濃溶液槽78に供給し、この濃溶液槽78で臭化リチウ
ムを加えて濃度調整し、濃度調整後の吸収液を、ポンプ
80により配管79、散布パイプ75を通じてサンプル
管71へ散布した。以上の試験機の試験による結果か
ら、伝熱管の各サンプルの熱通過率を計算した。
【0034】(伝熱性能測定結果)各サンプルの伝熱性
能測定結果として、表1に吸収液膜流量が0.02kg
/m・s、管内流速が2m/sec.での熱通過率の従
来例1の螺旋溝付管に対する性能比を記載する。また、
本発明の伝熱管の中で最も性能の高いサンプル(本発明
6)に関して、管内冷却水に対する熱通過率の算出結果
を図8に示す。表1および図8から本発明の伝熱管は、
従来例の伝熱管よりも伝熱性能が優れていることがわか
る。
能測定結果として、表1に吸収液膜流量が0.02kg
/m・s、管内流速が2m/sec.での熱通過率の従
来例1の螺旋溝付管に対する性能比を記載する。また、
本発明の伝熱管の中で最も性能の高いサンプル(本発明
6)に関して、管内冷却水に対する熱通過率の算出結果
を図8に示す。表1および図8から本発明の伝熱管は、
従来例の伝熱管よりも伝熱性能が優れていることがわか
る。
【0035】
【表1】 (註)性能比:従来例1を100 とした場合の熱通過率(管内流速2m/s)での 比率。本発明1〜3は図5の方法でコルゲート加工した。 本発明4〜7と比較例は図3の方法でコルゲート加工した。 本発明7はコルゲート溝と螺旋溝の管軸方向に対するねじれ方向が異なる。
【0036】(滴下液膜式再生器への使用)以上の説明
は、本発明の伝熱管を吸収式冷凍機の熱交換器の内、吸
収器に使用した例について行ってきた。ところで、滴下
液膜式再生器の場合には、吸収器と同様に伝熱管管群が
水平に取り付けられ、吸収器内で冷媒蒸気を吸収し薄く
なった希溶液が伝熱管外表面に滴下される。同時に、伝
熱管内部に温水もしくは水蒸気が流され、希溶液を伝熱
管外表面で沸騰させ濃度を濃くする(元に戻す)作用が
なされる。したがって、伝熱管外表面での吸収液の広が
りや吸収液膜の撹乱作用には、吸収器に使用された伝熱
管と同様の効果が要求されている。このことから、本発
明の伝熱管による吸収液の広がりと吸収液膜の撹乱作用
は、滴下液膜式再生器用伝熱管として使用しても効果的
である。
は、本発明の伝熱管を吸収式冷凍機の熱交換器の内、吸
収器に使用した例について行ってきた。ところで、滴下
液膜式再生器の場合には、吸収器と同様に伝熱管管群が
水平に取り付けられ、吸収器内で冷媒蒸気を吸収し薄く
なった希溶液が伝熱管外表面に滴下される。同時に、伝
熱管内部に温水もしくは水蒸気が流され、希溶液を伝熱
管外表面で沸騰させ濃度を濃くする(元に戻す)作用が
なされる。したがって、伝熱管外表面での吸収液の広が
りや吸収液膜の撹乱作用には、吸収器に使用された伝熱
管と同様の効果が要求されている。このことから、本発
明の伝熱管による吸収液の広がりと吸収液膜の撹乱作用
は、滴下液膜式再生器用伝熱管として使用しても効果的
である。
【0037】次に、本発明の請求項4の伝熱管を実施の
形態により図10ないし図13を参照して詳細に説明する。 (実施例4)図10(イ)は本発明の請求項4の伝熱管の
一実施例を示す概略図、図10(ロ)はその突起が形成さ
れた部位の拡大斜視図である。この伝熱管は、管内周面
に凸条が形成されない程度の2種類の螺旋溝M1,Maが
管外周面に管軸に対して同じ方向にねじれて交差して形
成されており(図10イ参照)、2種類の螺旋溝M1,Ma
に囲まれた部位に突起Kが形成されており(図10ロ参
照)、且つ管内周面に凸条N(図1ロ参照)が形成され
る程度に深いコルゲート溝M2 が形成されている。
形態により図10ないし図13を参照して詳細に説明する。 (実施例4)図10(イ)は本発明の請求項4の伝熱管の
一実施例を示す概略図、図10(ロ)はその突起が形成さ
れた部位の拡大斜視図である。この伝熱管は、管内周面
に凸条が形成されない程度の2種類の螺旋溝M1,Maが
管外周面に管軸に対して同じ方向にねじれて交差して形
成されており(図10イ参照)、2種類の螺旋溝M1,Ma
に囲まれた部位に突起Kが形成されており(図10ロ参
照)、且つ管内周面に凸条N(図1ロ参照)が形成され
る程度に深いコルゲート溝M2 が形成されている。
【0038】(実施例5)図11は本発明の請求項4の伝
熱管の他の実施例を示す概略図である。この伝熱管は、
2種類の螺旋溝M1,Ma が管軸に対して異なる方向にね
じれて交差して形成されている他は図10の伝熱管と同じ
である。
熱管の他の実施例を示す概略図である。この伝熱管は、
2種類の螺旋溝M1,Ma が管軸に対して異なる方向にね
じれて交差して形成されている他は図10の伝熱管と同じ
である。
【0039】前記図10,11 に示した伝熱管は、前述の請
求項1〜3に記載した伝熱管と同じ方法で製造できる
が、2種類の螺旋溝を加工するためには図12または図13
のように2種類の螺旋溝加工用の溝付ロールR1 、R2
を素管Sの外周面に押し当て回転させることにより製造
できる。図12,13 でT1 、T2 は凸条である。
求項1〜3に記載した伝熱管と同じ方法で製造できる
が、2種類の螺旋溝を加工するためには図12または図13
のように2種類の螺旋溝加工用の溝付ロールR1 、R2
を素管Sの外周面に押し当て回転させることにより製造
できる。図12,13 でT1 、T2 は凸条である。
【0040】前記実施例4、5の伝熱管を図7に示した
試験機の蒸発管72に用いて伝熱試験を行った。前記伝熱
管の素管には外径が19.05mmのリン脱酸銅管を用
いた。吸収式冷凍機用の伝熱管には銅以外にもキュプル
ニッケルやステンレス鋼なども使用される場合がある
が、本発明はこれらの素材にも当然有効である。伝熱測
定は、表2に示す本発明の種々の伝熱管に加え、平滑
管、螺旋フィン付伝熱管、螺旋溝を加工していないコル
ゲート管についても同様の試験を行った。なお、螺旋フ
ィン付伝熱管の形状寸法は、フィンの高さが1.24m
m、フィンの枚数は管軸方向に19枚/inch.(2
5.4mm)である。その他の伝熱管の形状は表中に記
載する。試験条件を以下に示す。 〔冷媒〕純水、入口温度:15±1℃、流量:0.6〜
2.4リットル/m・min.(単位長さ当たりに伝熱
管に流れる流量)。 〔冷媒散布装置〕孔径:1.5mm、間隔12mm。 〔蒸発器冷水〕入口温度:28±0.3℃、流速:2.
0m/s。 〔吸収器、蒸発器内圧力〕12±0.5mmHg。 〔伝熱管の配列〕長さ500mmの伝熱管を上下方向へ
5段1列(蒸発器は2列5段装着できる装置であるが、
測定には外側1列5段を使用した)。 以上の実験条件により測定を行い、各伝熱管について熱
通過率を算出した。結果を表2に示す。また測定した中
で最も性能の高い本発明9と平滑管および螺旋フィン付
伝熱管の測定結果を図14に示す。
試験機の蒸発管72に用いて伝熱試験を行った。前記伝熱
管の素管には外径が19.05mmのリン脱酸銅管を用
いた。吸収式冷凍機用の伝熱管には銅以外にもキュプル
ニッケルやステンレス鋼なども使用される場合がある
が、本発明はこれらの素材にも当然有効である。伝熱測
定は、表2に示す本発明の種々の伝熱管に加え、平滑
管、螺旋フィン付伝熱管、螺旋溝を加工していないコル
ゲート管についても同様の試験を行った。なお、螺旋フ
ィン付伝熱管の形状寸法は、フィンの高さが1.24m
m、フィンの枚数は管軸方向に19枚/inch.(2
5.4mm)である。その他の伝熱管の形状は表中に記
載する。試験条件を以下に示す。 〔冷媒〕純水、入口温度:15±1℃、流量:0.6〜
2.4リットル/m・min.(単位長さ当たりに伝熱
管に流れる流量)。 〔冷媒散布装置〕孔径:1.5mm、間隔12mm。 〔蒸発器冷水〕入口温度:28±0.3℃、流速:2.
0m/s。 〔吸収器、蒸発器内圧力〕12±0.5mmHg。 〔伝熱管の配列〕長さ500mmの伝熱管を上下方向へ
5段1列(蒸発器は2列5段装着できる装置であるが、
測定には外側1列5段を使用した)。 以上の実験条件により測定を行い、各伝熱管について熱
通過率を算出した。結果を表2に示す。また測定した中
で最も性能の高い本発明9と平滑管および螺旋フィン付
伝熱管の測定結果を図14に示す。
【0041】
【表2】 (註)比較例はコルゲ-ト管。従来例2は フィン付伝熱管。本発明8は図6に示した形 状。本発明11,12 は図11に示した形状。本発明9,10,13 は図10に示した形状。ね じれ角の−は管軸に対して左ねじれ、その他は右ねじれ。性能比は従来例2を 1 00とした場合の熱通過率での比率。
【0042】表2および図14から明らかなように、本発
明の伝熱管は蒸発器に使用した場合でも有効なことがわ
かる。特に、2種類の螺旋溝が管内周面に凸状が形成さ
れない程度に互いに管軸方向に異なるねじれ角で交差し
ながら形成され、前記2種類の螺旋溝に囲まれた部位に
突起が形成され、且つ前記螺旋溝とは異なるねじれ角を
有する管内周面に管外周面の溝部に対応した凸条ができ
る程度に深い螺旋溝が形成された伝熱管(本発明9〜1
3)は、蒸発器用伝熱管として非常に有効なことがわか
る。
明の伝熱管は蒸発器に使用した場合でも有効なことがわ
かる。特に、2種類の螺旋溝が管内周面に凸状が形成さ
れない程度に互いに管軸方向に異なるねじれ角で交差し
ながら形成され、前記2種類の螺旋溝に囲まれた部位に
突起が形成され、且つ前記螺旋溝とは異なるねじれ角を
有する管内周面に管外周面の溝部に対応した凸条ができ
る程度に深い螺旋溝が形成された伝熱管(本発明9〜1
3)は、蒸発器用伝熱管として非常に有効なことがわか
る。
【0043】吸収式冷凍機の蒸発器では、冷媒の散布方
式に滴下方式とスプレー方式の2種類が主として使用さ
れる。このうち、スプレー方式は、水平に配置された伝
熱管群に対し、水圧によって冷媒をシャワー状態で散布
する方式で、冷媒を伝熱管群全体に散布するので、伝熱
管上の乾き面を少なくすることには効果的である。滴下
方式は、冷媒の散布を伝熱管群の単列ごとに一定間隔で
滴下する方式である。伝熱管の乾き面はスプレー方式よ
りも生じ易くなるが、水圧をかける必要がなく構造も簡
単なので、滴下方式を使用した方が吸収式冷凍機のコス
ト低減には有効である。本発明の伝熱管は、冷媒が管軸
方向に広がり、管外周面の表面積を有効に作用させるこ
とができるので、どちらの冷媒散布方式にも有効である
が、特に滴下方式の蒸発器に使用した場合に効果的と言
える。
式に滴下方式とスプレー方式の2種類が主として使用さ
れる。このうち、スプレー方式は、水平に配置された伝
熱管群に対し、水圧によって冷媒をシャワー状態で散布
する方式で、冷媒を伝熱管群全体に散布するので、伝熱
管上の乾き面を少なくすることには効果的である。滴下
方式は、冷媒の散布を伝熱管群の単列ごとに一定間隔で
滴下する方式である。伝熱管の乾き面はスプレー方式よ
りも生じ易くなるが、水圧をかける必要がなく構造も簡
単なので、滴下方式を使用した方が吸収式冷凍機のコス
ト低減には有効である。本発明の伝熱管は、冷媒が管軸
方向に広がり、管外周面の表面積を有効に作用させるこ
とができるので、どちらの冷媒散布方式にも有効である
が、特に滴下方式の蒸発器に使用した場合に効果的と言
える。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1の
伝熱管によれば、管外周面に2種類の溝を形成したこと
により、以下のような効果を有する。管内周面に溝部に
対応した凸状を生じるように形成されているコルゲート
溝は、伝熱管外面での吸収液の広がりを十分にさせると
同時に、吸収液膜の撹乱作用を吸収液の流下する下方向
(管軸方向に直角な方向)にも、管軸方向にも十分に促
進させる。また、螺旋溝は、吸収液膜の撹乱作用をより
促進させる。本発明の伝熱管を、例えば、水平に配置す
る吸収器に装着した場合、コルゲート溝と螺旋溝の交差
部で吸収液膜に撹乱作用が生じる。また、コルゲート溝
と螺旋溝の交差部で管外周面上の吸収液膜厚さに差が生
じ、マランゴニ対流を促進させる。更に、コルゲート溝
による管内面の凸条により、管内を流れる冷却水にも乱
流効果を与えることができ、管内熱伝達率も向上する。
その結果、高い熱交換が得られる。
伝熱管によれば、管外周面に2種類の溝を形成したこと
により、以下のような効果を有する。管内周面に溝部に
対応した凸状を生じるように形成されているコルゲート
溝は、伝熱管外面での吸収液の広がりを十分にさせると
同時に、吸収液膜の撹乱作用を吸収液の流下する下方向
(管軸方向に直角な方向)にも、管軸方向にも十分に促
進させる。また、螺旋溝は、吸収液膜の撹乱作用をより
促進させる。本発明の伝熱管を、例えば、水平に配置す
る吸収器に装着した場合、コルゲート溝と螺旋溝の交差
部で吸収液膜に撹乱作用が生じる。また、コルゲート溝
と螺旋溝の交差部で管外周面上の吸収液膜厚さに差が生
じ、マランゴニ対流を促進させる。更に、コルゲート溝
による管内面の凸条により、管内を流れる冷却水にも乱
流効果を与えることができ、管内熱伝達率も向上する。
その結果、高い熱交換が得られる。
【0045】本発明の請求項2の伝熱管は、コルゲート
溝のねじれ角が螺旋溝のねじれ角よりも小さくなってい
る。上記のようにコルゲート溝のねじれ角を小さくする
と、吸収液膜を溝深さの深いコルゲート溝に沿って管軸
方向に効果的に広げることができ、更に熱交換性能が向
上する。
溝のねじれ角が螺旋溝のねじれ角よりも小さくなってい
る。上記のようにコルゲート溝のねじれ角を小さくする
と、吸収液膜を溝深さの深いコルゲート溝に沿って管軸
方向に効果的に広げることができ、更に熱交換性能が向
上する。
【0046】本発明の請求項3の伝熱管は、コルゲート
溝と螺旋溝のねじれ方向が同じ方向となっているので、
吸収液膜を管軸方向に安定して広げることができ、更に
熱交換性能が向上する。
溝と螺旋溝のねじれ方向が同じ方向となっているので、
吸収液膜を管軸方向に安定して広げることができ、更に
熱交換性能が向上する。
【0047】本発明の請求項4の伝熱管は、請求項1の
伝熱管において、管外周面の2種類以上の螺旋溝に囲ま
れた部位に突起が形成されているものなので、この突起
によって冷媒液膜が分散され適正な液切れが生じ、すな
わち適正な液膜厚さをもつ冷媒液膜が管表面に形成され
る。従って特に吸収式冷凍機の蒸発器に有効である。
伝熱管において、管外周面の2種類以上の螺旋溝に囲ま
れた部位に突起が形成されているものなので、この突起
によって冷媒液膜が分散され適正な液切れが生じ、すな
わち適正な液膜厚さをもつ冷媒液膜が管表面に形成され
る。従って特に吸収式冷凍機の蒸発器に有効である。
【図1】本発明の伝熱管の一実施の形態を示す概略図で
ある。
ある。
【図2】(イ)は本発明の伝熱管を製造する方法の一工
程を示す主要部の概要図、(ロ)は(イ)のロールの配
置を示す概要図である。
程を示す主要部の概要図、(ロ)は(イ)のロールの配
置を示す概要図である。
【図3】本発明の伝熱管を製造する装置の主要部の概要
図である。
図である。
【図4】本発明の伝熱管の他の実施の形態を示す概略図
である。
である。
【図5】本発明の伝熱管を製造する方法の他の一工程を
示す主要部の概要図である。
示す主要部の概要図である。
【図6】本発明の伝熱管のその他の実施の形態を示す概
略図である。
略図である。
【図7】本発明の伝熱管の性能を測定する試験機の概要
図である。
図である。
【図8】本発明の一伝熱管の吸収器用伝熱管としての性
能を示す関係図である。
能を示す関係図である。
【図9】螺旋フィン付伝熱管フィン付伝熱管上での冷媒
の状態を示す説明図である。
の状態を示す説明図である。
【図10】図10(イ)は本発明の請求項4の伝熱管の一実
施例を示す概略図、図10(ロ)はその突起が形成された
部位の拡大斜視図である。
施例を示す概略図、図10(ロ)はその突起が形成された
部位の拡大斜視図である。
【図11】本発明の請求項4の伝熱管の他の実施例を示す
概略図である。
概略図である。
【図12】(イ)は本発明の伝熱管を製造する方法の他の
工程を示す主要部の概要図、(ロ)は(イ)のロールの
配置を示す概要図である。
工程を示す主要部の概要図、(ロ)は(イ)のロールの
配置を示す概要図である。
【図13】(イ)は本発明の伝熱管を製造する方法の他の
工程を示す主要部の概要図、(ロ)は(イ)のロールの
配置を示す概要図である。
工程を示す主要部の概要図、(ロ)は(イ)のロールの
配置を示す概要図である。
【図14】本発明の一伝熱管の蒸発器用伝熱管としての伝
熱性能を示す関係図である。
熱性能を示す関係図である。
1〜1B…伝熱管 M1,Ma …螺旋溝(第一の螺旋溝) M2 ………コルゲート溝(第二の螺旋溝) N ………凸条 Z ………管軸 θ1 ………螺旋溝(第一の螺旋溝)のねじれ角 θ2 ………コルゲート溝のねじれ角 T1,T2 …凸条 K…………突起 R1,R2 …溝付ロール S…………素管
Claims (4)
- 【請求項1】 管内の流体と管外の流体との間で熱交換
する伝熱管であって、前記伝熱管の管外周面には管軸に
対して所定のねじれ角を有した少なくとも1種類の管内
周面に凸条が形成されない程度の深さの第一の螺旋溝を
有し、且つ前記伝熱管の管外周面には管軸に対して前記
第一の螺旋溝とは異なる所定のねじれ角を有した第二の
螺旋溝が形成されていて、前記第二の螺旋溝の溝部は管
内周面に前記溝部に対応した凸条を形成していることを
特徴とする伝熱管。 - 【請求項2】 第一の螺旋溝が1種類形成されており、
この第一の螺旋溝の管軸に対するねじれ角の絶対値の方
が、第二の螺旋溝のねじれ角の絶対値より大きいことを
特徴とする請求項1記載の伝熱管。 - 【請求項3】 第一の螺旋溝と第二の螺旋溝の管軸方向
に対するねじれ方向が同じであることを特徴とする請求
項2記載の伝熱管。 - 【請求項4】 第一の螺旋溝が管軸方向に、異なるねじ
れ角を有して少なくとも2種類以上形成され、前記2種
類以上の螺旋溝の交差により前記螺旋溝で囲まれた部位
に突起が形成されていることを特徴とする請求項1記載
の伝熱管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17079597A JPH1078268A (ja) | 1996-07-11 | 1997-06-27 | 伝熱管 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18107096 | 1996-07-11 | ||
JP8-181070 | 1996-07-11 | ||
JP17079597A JPH1078268A (ja) | 1996-07-11 | 1997-06-27 | 伝熱管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1078268A true JPH1078268A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=26493689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17079597A Pending JPH1078268A (ja) | 1996-07-11 | 1997-06-27 | 伝熱管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1078268A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100407781B1 (ko) * | 2001-04-11 | 2003-12-03 | 엘지전선 주식회사 | 흡수식 냉동기용 고효율 증발관 |
JP2021067401A (ja) * | 2019-10-23 | 2021-04-30 | 株式会社Uacj | 伝熱二重管、伝熱二重管用内管及びその製造方法 |
JP2021139543A (ja) * | 2020-03-04 | 2021-09-16 | 株式会社コベルコ マテリアル銅管 | 伝熱管 |
-
1997
- 1997-06-27 JP JP17079597A patent/JPH1078268A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100407781B1 (ko) * | 2001-04-11 | 2003-12-03 | 엘지전선 주식회사 | 흡수식 냉동기용 고효율 증발관 |
JP2021067401A (ja) * | 2019-10-23 | 2021-04-30 | 株式会社Uacj | 伝熱二重管、伝熱二重管用内管及びその製造方法 |
JP2021139543A (ja) * | 2020-03-04 | 2021-09-16 | 株式会社コベルコ マテリアル銅管 | 伝熱管 |
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