JPH09113165A - 吸収器用伝熱管 - Google Patents

吸収器用伝熱管

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JPH09113165A
JPH09113165A JP26547995A JP26547995A JPH09113165A JP H09113165 A JPH09113165 A JP H09113165A JP 26547995 A JP26547995 A JP 26547995A JP 26547995 A JP26547995 A JP 26547995A JP H09113165 A JPH09113165 A JP H09113165A
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JP
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heat transfer
tube
pipe
transfer tube
valley
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Application number
JP26547995A
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English (en)
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Masahiro Furukawa
雅裕 古川
Naoe Sasaki
直栄 佐々木
Yoshihiro Nishimoto
嘉弘 西本
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Sanyo Electric Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F1/00Tubular elements; Assemblies of tubular elements
    • F28F1/02Tubular elements of cross-section which is non-circular
    • F28F1/06Tubular elements of cross-section which is non-circular crimped or corrugated in cross-section

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い熱交換効率を有すると共に、管内の圧力
損失及び吸収液の充填所要量を低く抑えることが可能な
吸収器用伝熱管を提供する。 【解決手段】 管外表面に吸収液が滴下または散布さ
れ、管内の冷却水によって、管外の吸収液を冷却するよ
うにした吸収器用伝熱管において、管外表面において管
軸方向に延びる山部を、管周方向に円弧状の湾曲面形状
をもって複数条形成すると共に、該山部間に形成される
谷部の深さを、管軸方向において変化せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、吸収式冷凍機や吸収式ヒートポ
ンプ等の吸収器内に配管される吸収器用伝熱管に係り、
特に管内の圧力損失や吸収液所要量を低く保ちつつ、優
れた熱交換効率を有する吸収器用伝熱管に関するもので
ある。
【0002】
【背景技術】一般に、上記吸収式冷凍機や吸収式ヒート
ポンプ等の吸収器に用いられる伝熱管としては、内外面
が平滑な円形断面の平滑管が採用されている。ところ
が、かかる平滑管は、その伝熱性能が低いために、吸収
器の高性能化や小型化の要求に対処することが困難であ
った。また、このような平滑管では、管外周面を管周方
向に流下せしめられる吸収液の幅が、表面張力により、
下方に行くに従って狭くなってしまうために、有効な熱
交換作用を発揮せしめるために必要な濡れ面積が確保さ
れ難いと共に、管外表面に渇き面が生じ易く、吸収液の
水蒸気吸収率、延いては伝熱性能が低下してしまうとい
う問題もあった。
【0003】そこで、これら問題点の解消を図るものと
して、例えば実開平2−89270号公報、特開平2−
176378号公報等に示される如き構成の伝熱管が、
提案されている。即ち、それらの伝熱管は、その管外表
面において長手方向に延びる複数の山部及びその山部間
に形成された谷部が、管周方向に連続した湾曲面形状を
もって形成されると共に、前記谷部の曲率半径が、山部
の曲率半径よりも大きなものとされているのである。
【0004】そして、このような伝熱管にあっては、吸
収器内において、水平方向に配置して用いた場合に、管
外表面に滴下乃至は散布された吸収液が、山部よりも曲
率半径の大きい谷部へスムーズに流れることにより、谷
部での吸収液の入れ換えがスムーズとなり、伝熱管の全
周に亘って均一に流れたりすることにより、また山部で
発生したマランゴニー対流(吸収液に含まれる界面活性
剤の液膜表面の濃度分布による表面張力差に起因する張
力対流)と谷部で発生したマランゴニー対流とが互いに
干渉し合って、長手方向、即ち管軸方向に大きな撹乱作
用が発生せしめられたりすることにより、管外表面での
熱交換が促進され得て、以てその熱交換効率が向上せし
められているのである。
【0005】ところが、かくの如き構造とされた伝熱管
は、平滑管よりも伝熱性能が改善されるものの、山部と
谷部とを理想的な曲面で形成することが加工上困難であ
り、しかも加工速度が遅いという問題があった。
【0006】一方、伝熱管の製造の簡略化による製造コ
ストの低減化と加工速度の向上を図るためには、管周方
向の山数を少なくすることが有効であるが、そうする
と、伝熱性能の低下が問題となるのであり、また、伝熱
性能の低下を軽減するために谷部の深さを深くすると、
今度は管路断面積の減少によって冷却流体たる冷却水の
水頭損失が大きくなり、冷却水ポンプの容量が不足した
り、吸収液が谷部に停滞することにより、吸収液交換の
進捗が遅れることとなって、熱交換効率が低下したり、
更には熱交換効率の低下を抑制するために、伝熱管を多
数本設置する場合には、吸収液の充填所要量が多くなっ
たりする等の問題が惹起されることとなる。
【0007】また、かかる伝熱管では、吸収液が管外面
を管周方向へ流れる場合には、その液膜の厚さが変化し
易い一方、吸収液が管軸方向に流れる場合には、谷部が
管軸方向に均一な深さで形成されているところから、液
膜の厚さが変化し難く、液膜の厚さ方向への撹乱作用が
不充分であるという問題も有していたのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その課題とするところ
は、より一層の高い熱交換効率を有すると共に、管内の
圧力損失の低減化及び吸収液の充填所要量の低減化を有
利に図り得る吸収器用伝熱管を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、そのような課題を解決するため
に、本発明は、管外表面に吸収液が滴下または散布さ
れ、管内の冷却流体によって、管外の吸収液を冷却する
ようにした吸収器用伝熱管において、管外表面において
管軸方向に延びる山部を、管周方向に円弧状の湾曲面形
状をもって複数条形成すると共に、該山部間に形成され
る谷部の深さを、管軸方向において変化せしめたこと
を、その要旨とするものである。
【0010】すなわち、このような本発明に従う構造と
された伝熱管では、管外表面に付着したLiBr水溶液
等の吸収液が、谷部を伝わって管軸方向に向って、効果
的に流延せしめられると共に、各山部を越えて管周方向
に流下せしめられるようになる。そして、その際に、各
山部は円弧状の湾曲面形状をもって形成されているとこ
ろから、伝熱管の表面に付着した吸収液が、それら山部
を越えて管周方向において、スムーズに流下せしめられ
得、山部表面の濡れ状態が有利に維持されて、所謂渇き
面の発生による伝熱性能の低下が効果的に防止され得る
と共に、山部を越えて吸収液が流下せしめられる際、傾
斜角度の変化等によって、吸収液に撹乱、対流現象が効
果的に惹起され得、吸収液の濃度の濃い部分が外面に良
好に晒されて、水蒸気の吸収作用が向上せしめられる。
【0011】また、かかる伝熱管では、その外表面に形
成された前記山部や谷部において、吸収液の液膜の厚さ
に比例して、強さの異なるマランゴニー対流が、山部や
谷部に沿って生ぜしめられているのであるが、山部にお
ける吸収液の液膜の厚さと谷部における吸収液の液膜の
厚さとが大きく異なっているところから、山部において
発生するマランゴニー対流の強さと谷部において発生す
るマランゴニー対流の強さが、大きく異なる。そして、
それら強さの異なるマランゴニー対流が互いに干渉する
ことにより、吸収液が強く撹乱されるのである。
【0012】さらに、本発明に従う構造の伝熱管におい
ては、前記谷部の深さが管軸方向において変化する構成
が採用されているところから、吸収液が谷部を管軸方向
に流延するに際して、その液膜の厚さが有利に変化せし
められ得て、発生するマランゴニー対流の強さが管軸方
向において異なることとなり、以て谷部における吸収液
の管軸方向への撹乱作用が効果的に増大せしめられてい
るのである。また、吸収液の液膜の厚さが管軸方向にお
いて変化することにより、管軸方向における吸収液の撹
乱作用により惹起される液膜の対流速度も変化すること
となるのであり、それにより、液膜の厚さ方向において
も、吸収液の撹乱及び液輸送(液交換)が促進され得る
のである。
【0013】ところで、かかる本発明に従う吸収器用伝
熱管の好ましい態様によれば、前記谷部の深さは、谷部
に設けられている管軸方向への傾斜部により、管軸方向
において変化せしめられている。特に、このような構成
を採用することによって、吸収液が管軸方向に流延せし
められる際に、その見掛けの流速が変化せしめられるこ
ととなるところから、比較的低濃度である表層部の吸収
液の管軸方向における流速が速くなり、その結果、比較
的高濃度である深層部の吸収液が表面に曝け出されて、
低濃度部分と高濃度部分の液輸送(液交換)が、より一
層効果的に行なわれ得ることとなる
【0014】また、本発明に従う吸収器用伝熱管の別の
好ましい態様によれば、前記谷部に、管軸方向に延びる
平坦部が形成される。そして、そのような平坦部が設け
られることにより、吸収液を管軸方向に拡張する駆動力
が増大せしめられるところから、比較的高濃度である深
層部の吸収液と比較的低濃度である表層部の吸収液と
が、より一層有利に交換されるのである。
【0015】さらに、本発明に従う吸収器用伝熱管の更
に別の好ましい態様によれば、前記谷部の底部に、それ
ぞれ管軸方向に延びる溝部が、管周方向において不連続
面で連接する断面形状をもって設けられることとなる。
そして、そのような溝部の形成によって、当該溝部の形
成部位において、吸収液の液膜の厚さが、管周方向に不
連続に変化せしめられ、以て山部及び谷部のそれぞれに
おいて発生するマランゴニー対流の干渉作用がより大き
なものとされるのである。しかも、かかる溝部が、谷部
に形成されているところから、山部における吸収液の液
膜の厚さと溝部における吸収液の液膜の厚さとの差が、
より一層大きなものとなるのであって、それ故に、通常
運転時のように、吸収液が所定量滴下しているときに、
マランゴニー対流が効果的に発生せしめられるだけでな
く、起動時などの吸収液の滴下量が少ないときにも、有
利に液膜の厚さが生ぜしめられて、有効なマランゴニー
対流による撹乱作用が発揮され得るのであり、延いては
伝熱性能がより一層向上せしめられ得るのである。な
お、この溝部は、深さが浅いために、吸収液の入れ換わ
りには全く支障を来すことがなく、伝熱管の外表面での
吸収液の管周方向への移動は速やかに行われることとな
る。
【0016】また、本発明に従う吸収器用伝熱管の更に
また別の好ましい態様によれば、前記山部及び谷部が、
管軸に対して所定の捩れ角をもって、螺旋状に形成され
ている。そして、前記山部及び谷部が、螺旋状に形成さ
れていることにより、谷部に滞留している吸収液の管軸
方向への流延速度が増して、表層の低濃度部分が流下し
やすくなるところから、高濃度部分がより有利に露出し
易くなるのである。
【0017】さらに、本発明に従う吸収器用伝熱管の更
に別の好ましい態様によれば、隣り合う谷部の最深部の
形成位置が、管軸方向において相違せしめられており、
そのような構成を採用することによって、管周方向に流
下した吸収液が、谷部から谷部に移動する際に、最深部
の管軸方向における位置が相違せしめられているところ
から、管軸方向の流延がより強いものとされて、吸収液
がより強く撹乱せしめられ得ることとなるのである。
【0018】
【発明の実施の形態】ところで、かくの如き吸収器用伝
熱管では、その外表面において管軸方向に延びる山部
が、管周方向に円弧状の湾曲面形状をもって複数条形成
されると共に、山部間に形成される谷部の深さが、管軸
方向において変化せしめられるものであるが、ここで
は、管周方向における前記山部の数は、特に限定される
ものではなく、伝熱管の直径の大きさ等を考慮して、適
宜に選定されることとなる。即ち、山部の数は、少な過
ぎると伝熱性能が充分に得られず、また多過ぎると加工
性が悪くなるところから、一般に3〜25個/管周程度
とされ、そのような山部の数を実現するために、山部の
曲率半径は、0.5mm〜5.0mm程度とされる。な
お、本発明に係る吸収器用伝熱管にあっては、前記山部
の曲率半径は、前記谷部の深さの変化に対応して、管軸
方向において変化せしめられていてもよく、例えば、管
軸方向の谷部の深さが浅くなるに従って、山部の曲率半
径が大きくなるようにされても、何等差し支えない。
【0019】また、前記山部間に形成される谷部の断面
形状は、山部の形状によって規定されるものであるが、
例えば、山部と同様に円弧状の湾曲断面形状であって
も、隣り合う山部が交差して形成される折り曲げ断面形
状であってもよい。なお、谷部の断面形状が折り曲げ断
面形状である場合には、山部の交差角度は、90°〜1
70°程度とされ、好ましくは90°〜120°とされ
る。そして、このような断面形状の谷部を有する伝熱管
にあっては、管外表面を流れる吸収液が山部を容易に乗
り越えて、スムーズに流れるという利点がある。
【0020】さらに、前記谷部は管軸方向にその深さが
変化せしめられているが、その深さは、最も深い部分
で、通常、0.1mm〜1.0mm程度となるようにさ
れ、一方、最も浅い部分で、通常、0.1mm程度以下
となるようにされる。けだし、深い部分における谷部が
深過ぎる場合には、伝熱管の管路断面積が減少して、水
頭損失が大きくなるからであり、谷部が浅過ぎる場合に
は、伝熱性能が充分に発揮され得ないからである。な
お、本発明において、谷部の深さとは、谷部の底面(谷
部の底部に溝部を設けるときは溝部の底面)から、該谷
部を挟んだ両側に隣接位置する山部に接する直線に下ろ
した垂線の長さのことを意味している。
【0021】ところで、上記の如き谷部の深さの管軸方
向における変化は、いきなり変化するものであっても構
わないが、吸収液の管軸方向への流延をスムーズにする
ために、管軸方向に徐々に変化するようにされることが
好ましく、管軸方向に傾斜する面等を設けることによっ
て、容易に谷部の深さの管軸方向の変化を緩やかなもの
とすることが出来る。
【0022】更にまた、本発明に従う吸収器用伝熱管に
おいては、その谷部において、管軸方向に延びる平坦部
を設けることが、吸収液を谷部に沿って、管軸方向に拡
張する駆動力を増大せしめる点から好ましいのである
が、そのような管軸方向に延びる平坦部は、谷部のより
深い部分に設けられても、より浅い部分に設けられて
も、或いは、前記管軸方向に傾斜する面に挟まれて設け
られても、何等差し支えない。
【0023】また、本発明に係る吸収器用伝熱管におい
ては、撹乱作用をより大ならしめるために、谷部の底部
に溝部を形成することが好ましいが、かかる溝部は、山
部及び谷部と、管周方向において不連続面で連接するよ
うに形成される。なお、ここで言う、不連続面で連接す
るとは、山部及び谷部の外周曲面と、溝部の外周面と
が、管軸方向に直角な断面において、共通接線を持たな
い交点で管周方向に接続されていることを意味するもの
である。
【0024】そして、このような溝部の断面形状は、特
に限定されるものではなく、円弧形状、U字形状、V字
形状、コ字形状、或いは台形形状等、各種の形状が適宜
に採用され得るが、その内部への吸収液の不必要な滞留
を防止するために、その深さは、0.01〜0.15m
m程度に設定される。
【0025】また、本発明に従う吸収器用伝熱管におい
ては、谷部に滞留している吸収液の管軸方向への流延速
度を増加せしめるために、その外表面に形成される山部
及び谷部を、管軸に対して所定の捩れ角をもって螺旋状
に形成するのが好ましいのであるが、その際、山部及び
谷部の管軸に対する捩れ角が余り大きくなると、山部を
越えて流下する吸収液量が減少して、伝熱性能が低下す
るところから、かかる捩れ角は、一般に、15゜以下に
設定されることが好ましい。
【0026】さらに、吸収液の管軸方向の流延速度を増
加させる目的で、谷部の最深部の形成位置を、管軸方向
において相違せしめる構成を採用してもよい。
【0027】ところで、かくの如き吸収器用伝熱管を構
成する材料としては、公知の各種の材料が用いられ得る
が、より伝熱性能の優れた伝熱管を得るためには、伝熱
性の優れた材料、例えば銅や銅合金等が用いられること
が望ましい。また、得られる伝熱管の管径は、通常、
6.35mm〜25.4mm程度とされる。
【0028】そして、上述の如き本発明に従う吸収器用
伝熱管は、基本的には、実開平2−89270号公報、
特開平2−176378号公報、特開平7−24522
号公報等に開示されているような公知の手法に従って、
製造される。具体的には、伝熱管の外面に形成される山
部と谷部の形状に対応する形状を有する谷部と山部を備
えた分割ダイス及び伝熱管の内面に形成される谷部と山
部の形状に対応する形状を有する山部と谷部を備えたプ
ラグを用いて、該プラグを被加工管たる円筒管の内部に
挿入して、管の縮管量を規制すると共に、前記分割ダイ
スを、前記円筒管の外面に同心的に且つ均等な力で押し
付けた状態で、前記円筒管を抽伸加工することによっ
て、目的とする伝熱管が製造される。なお、本発明に従
う吸収器用伝熱管における深い溝の部分は、前記分割ダ
イスを閉じて、該分割ダイスの、前記円筒管に対する押
圧力を増加させた状態で抽伸加工して形成される。また
伝熱管の浅い溝の部分は、前記分割ダイスを開いて、該
分割ダイスの、前記円筒管に対する押圧力を減少させた
状態で抽伸加工して形成される。更に伝熱管の傾斜部分
は、前記分割ダイスを開閉して、該分割ダイスの、前記
円筒管に対する押圧力を変化させながら抽伸加工するこ
とにより、形成されるのである。
【0029】勿論、同一深さの谷部を形成する方法が、
上記の如き伝熱管を冷間乃至は熱間の引抜き加工により
形成する方法に限定されるものではなく、例えば所定組
成の銅パイプ等を用いた熱間押出し加工、冷間押出し加
工等により、形成される方法であっても、何等差し支え
ないことは、言うまでもないところである。
【0030】また、本発明に従う伝熱管における各谷部
に形成される溝部は、山部及び谷部に対して不連続曲面
を介して連接される構成であるところから、上述の如き
製造手法において、通常の異径管加工技術を併せて用い
ることにより、容易に製造することが可能であり、形状
の安定性にも極めて優れたものとなる。
【0031】さらに、前記山部及び谷部が、管軸方向に
所定の角度だけ捩れて、それぞれ螺旋状に設けられる伝
熱管にあっては、螺旋状の谷部と山部を有するダイスを
用いることにより、又は被加工管たる円筒管とダイスと
を相対回転させつつ引抜き加工等を行なうことにより、
螺旋状に山部と谷部を形成した加工管を得て、更にこれ
に、所定の外表面形状を与えるように拡管加工を施すこ
とにより、容易に製造することができる。
【0032】更にまた、隣り合う谷部の最深部の形成位
置が管軸方向において相違せしめられる構成の伝熱管に
あっては、管軸方向に同一深さの谷部を有する一次加工
管を拡管加工する際に、隣り合う谷部において拡管位置
を相違せしめることにより製造することが出来るのであ
る。
【0033】
【実施例】以下に、本発明をより一層具体的に明らかに
するために、本発明の実施例を示すこととするが、本発
明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約を
も受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0034】先ず、図1乃至図3には、本発明の一実施
例に係る吸収器用伝熱管2が示されている。この伝熱管
2は、C1220(JIS H3300)材質のリン脱
酸銅管(外径:16mmφ、肉厚:0.6mm)を用
い、これに対して、分割ダイス及びプラグを用いた冷間
引抜き加工を行う際に、所定の周期で前記分割ダイスを
開閉することにより、得られたものであり、その管外表
面に、管軸方向に直線的に延びる山部4及び該山部4間
に形成された谷部6が、管周方向に交互に設けられてい
ると共に、前記谷部6は、その深さが管軸方向において
変化するように、形成されているのである。
【0035】より詳細には、図2に示されるように、谷
部6は、管軸方向に平坦な深部8、管軸方向に傾斜する
傾斜部10及び管軸方向に平坦な浅部12から構成され
ている。また、前記深部8及び傾斜部10の底部には、
山部4及び谷部6と不連続な面を介して接続される溝部
14が、それぞれ設けられており、しかも、かかる溝部
14が、山部4ではなくて、谷部6に設けられていると
ころから、山部4と谷部6とにおける液膜の厚さの差、
延いてはマランゴニー対流の強さの差が、より一層大き
くされる構成となっている。そして、深部8の管軸方向
の長さ:L1 は20mmに、傾斜部10の管軸方向の長
さ:L2 は5mmに、浅部12の管軸方向の長さ:L3
は10mmに形成されており、管軸方向におけるの長さ
の和:Pは40mmとされている。
【0036】また、図3には、谷部の深さが管軸方向に
おいて最も深くなる部分の断面が示されているが、ここ
で伝熱管の直径:Dは16mmであり、山部4の曲率半
径は5.0mm、谷部の深さは0.7mm、溝部14の
深さは0.03mmに形成されている(図4参照)。
【0037】ところで、かかる伝熱管2は、一般には、
図5に示されるように、吸収式冷凍機の吸収器16の内
部に、略水平な姿勢で、鉛直方向に複数本並列するよう
に配管され、そして該伝熱管2内に流通される冷却流体
たる冷却水によって、管外表面の吸収液が冷却されるよ
うになっているのである。即ち、この伝熱管2には、そ
の上方に設けられたトレイ18の吸収液滴下孔20か
ら、界面活性剤を含んだ臭化リチウム水溶液などの吸収
液22が滴下または散布せしめられる。そして、滴下さ
れた吸収液22は、高濃度であるために、吸収器内に存
在する水蒸気を吸収しながら、伝熱管2の外表面をスム
ーズに流下するのであり、その際に発生する熱を伝熱管
2の内側に通される冷却水に伝熱することにより、冷却
されるのである。そして、この管外表面を流下されると
きに生ぜしめられるマランゴニー対流の強さが、相違せ
しめられているところから、吸収液22の撹乱作用が効
果的に高められ得て、以て伝熱効率が有利に向上せしめ
られるのである。
【0038】より詳細には、図6に示されるように、伝
熱管2の上方に位置する吸収液滴下孔(図示せず)から
滴下される吸収液22は、伝熱管2の外表面を山部4、
谷部6、山部4、谷部6、山部4、谷部6、山部4と、
管周を順に流下していき、山部4或いは谷部6のそれぞ
れにおいて、吸収液22の液膜の厚さに応じたマランゴ
ニー対流が生じるのであるが、各山部4における吸収液
の液膜の厚さは、谷部6の吸収液の液膜の厚さに比べて
かなり薄いために、山部4において管軸方向に比較的弱
いマランゴニー対流が生じ、谷部6において管軸方向に
比較的強いマランゴニー対流が生じる。そして、山部4
と谷部6のそれぞれで発生したマランゴニー対流が干渉
し合うことにより、吸収液22の管軸方向の撹乱作用が
著しく向上せしめられるのである。
【0039】また、図7に示されるように、本発明に従
う伝熱管2の外表面に滴下された吸収液は、管軸方向に
おいて、谷部6に沿って流延せしめられることとなるの
であるが、その際、前記谷部6が管軸方向において、深
部8、傾斜部10、浅部12の深さがそれぞれ異なると
ころから、発生するマランゴニー対流の大きさが、管軸
方向において異なり、それが互いに干渉することによ
り、吸収液が大きく攪乱されることとなるのである。
【0040】さらに、本発明に従う構成の伝熱管2は、
前記深部8及び傾斜部10に溝部14が形成されること
により、液膜の厚さが、各谷部において、より大きくな
るように構成されているところから、通常運転時のよう
に、吸収液が所定量滴下しているときに強いマランゴニ
ー対流が発生するだけでなく、起動時などのように、滴
下量が少ないときにも、溝部14に吸収液が集まって、
所定の厚さを与えるところから、マランゴニー対流の強
さを有利に高めることが出来、延いては伝熱性能を向上
せしめ得るのである。なお、溝部14の深さは、0.0
3mmと小さく設定されており、その深さは小さなもの
であるために、吸収液の交換には問題がなく、伝熱管2
の外表面での吸収液の管周方向への移動が速やかに行な
われる。そして、本発明に従う伝熱管2においては、従
来から用いられている伝熱管と比較すると、溝部14に
相当する吸収液を増加させるだけで、熱交換効率を効果
的に向上せしめることが出来るのであり、更には、熱交
換効率を高めた伝熱管と比較しても、吸収液の所要量が
少なくても熱交換効率を改善することが出来て、管内の
圧力損失を低減することが出来るのである。
【0041】また、伝熱管2では、管内面が管外面に対
応した曲面に形成されているところから、管内面への冷
却流体中のスケールの付着を、効果的に防止し得ると共
に、管内の清掃を容易ならしめたのである。
【0042】ところで、本発明に従う吸収器用伝熱管
は、上記の如き構成に何等限定されるものではなく、例
えば図8に示される伝熱管24の如き構成であってもよ
い。即ち、ここで示された伝熱管24においては、谷部
6が、深部8及び傾斜部10からのみ形成されており、
前記浅部12が設けられていないのであるが、そのよう
な構成であっても、前記伝熱管2と同様に、優れた吸収
液の撹乱作用が得られるのである。
【0043】また、図9には、谷部6が管軸方向に対し
て4゜捩れて螺旋状に形成された伝熱管26が示されて
おり、さらに、図10には、隣り合う谷部6の最深部が
管軸方向において形成位置が相違せしめられている伝熱
管28が示されている。そして、かかる伝熱管26や伝
熱管28にあっては、谷部6が上記の如く形成されてい
るために、吸収液の管軸方向への流延速度が有利に増加
せしめられるのである。
【0044】さらに、前記の如き伝熱管2においては、
谷部6の形状は、山部4と同様な円弧状の湾曲断面形状
とされているが、それと異なる断面形状の谷部6を有す
る吸収器用伝熱管の一例が図11に示されている。即
ち、ここで示される伝熱管30においては、その谷部6
の形状が、折り曲げ断面形状とされており、その交差角
度:αは150゜に設定されている。そして、このよう
な伝熱管30では、その外表面において、吸収液が穏や
かな山部4を容易に越えて、スムーズに流下するという
利点がある。
【0045】更にまた、図12及び図13には、谷部6
に形成される溝部が異なる形状とされる伝熱管の例が示
されている。即ち、図12に示される伝熱管32では、
溝部34の形状がV字形状とされており、また図13に
示される伝熱管36では、溝部38の形状が台形形状と
されているのである。そして、そのような断面形状の溝
部を有する伝熱管32、36にあっても、前記伝熱管2
と同様に、優れた吸収液の撹乱作用が発揮され得るので
ある。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る吸収器用伝熱管にあっては、管周方向において
は、山部と谷部で、それぞれ発生するマランゴニー対流
の大きさが異なり、また管軸方向においては、谷部の深
い部分と浅い部分とでそれぞれ発生するマランゴニー対
流の強さが異なるところから、従来の吸収器用伝熱管で
は得られなかった強い吸収液の撹乱作用が発揮され得
て、管外表面での熱交換効率が効果的に向上せしめられ
得るのである。
【0047】そして、本発明に係る吸収器用伝熱管で
は、熱交換効率が有利に向上せしめられていることによ
り、山部を多く形成したり、谷部を深く形成したりする
必要もないのであり、従って、従来から公知の各種の方
法、例えば冷間引抜き加工や異径管加工によって容易に
製造出来、また管内の水頭損失を効果的に低減し得るの
であり、更には、吸収器の小型化やエネルギー効率の改
善を有利に図り得るのである。
【0048】また、本発明に係る吸収器用伝熱管では、
その谷部の深さが、管軸方向において、変化せしめられ
ているところから、吸収液の所用量を有利に低減するこ
とが可能となるのである。
【0049】さらに、管外表面に流下せしめられる吸収
液の撹乱作用をより増強するために、谷部の底部に、不
連続面で連接する断面形状の溝部を設けた場合には、そ
の不連続面の存在により、吸収液の撹乱作用が増強され
ると共に、吸収液の量が少ない場合でも、有利に液膜の
厚さが確保されて、マランゴニー対流を効率的に発生さ
せることが出来るため、吸収液の所要量を効果的に低減
し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸収器用伝熱管の一例を示す斜視
説明図である。
【図2】図1に示される伝熱管の縦断面説明図である。
【図3】図1に示される伝熱管の横断面説明図である。
【図4】図3に示される伝熱管横断面の要部拡大説明図
である。
【図5】図1に示される伝熱管の複数本を吸収器内へ配
設した状態の一例を示す説明図である。
【図6】図5に示される吸収器における伝熱管の縦断面
説明図である。
【図7】図5に示される吸収器における伝熱管の横断面
説明図である。
【図8】本発明に係る吸収器用伝熱管の異なる例を示
す、図2と同様な縦断面説明図である。
【図9】本発明に係る吸収器用伝熱管の更に異なる例を
示す、図1と同様な斜視説明図である。
【図10】本発明に係る吸収器用伝熱管の更に別の例を
示す、図1と同様な斜視説明図である。
【図11】本発明に係る吸収器用伝熱管の谷部形状の異
なる例を示す、図4と同様な伝熱管横断面の要部拡大説
明図である。
【図12】本発明に係る吸収器用伝熱管の溝部形状の異
なる例を示す、図4と同様な伝熱管横断面の要部拡大説
明図である。
【図13】本発明に係る吸収器用伝熱管の溝部形状の更
に異なる例を示す、図4と同様な伝熱管横断面の要部拡
大説明図である。
【符号の説明】
2 伝熱管 4 山部 6 谷部 8 深部 10 傾斜部 12 浅部 14 溝部 16 吸収器 18 トレイ 20 吸収液滴下孔 22 吸収液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 嘉弘 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管外表面に吸収液が滴下または散布さ
    れ、管内の冷却流体によって、管外の吸収液を冷却する
    ようにした吸収器用伝熱管にして、 管外表面において管軸方向に延びる山部を、管周方向に
    円弧状の湾曲面形状をもって複数条形成すると共に、該
    山部間に形成される谷部の深さを、管軸方向において変
    化せしめたことを特徴とする吸収器用伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記谷部の深さが、谷部に設けられた管
    軸方向への傾斜部により、変化せしめられている請求項
    1に記載の吸収器用伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記谷部に、管軸方向に延びる平坦部が
    形成されている請求項1又は請求項2に記載の吸収器用
    伝熱管。
  4. 【請求項4】 前記谷部の底部に、それぞれ管軸方向に
    延びる溝部が、管周方向において不連続面で連接する断
    面形状をもって設けられている請求項1乃至請求項3の
    何れかに記載の吸収器用伝熱管。
  5. 【請求項5】 前記山部及び谷部が、管軸に対して所定
    の捩れ角をもって、それぞれ、螺旋状に形成されている
    請求項1乃至請求項4の何れかに記載の吸収器用伝熱
    管。
  6. 【請求項6】 隣り合う谷部の最深部の形成位置が、管
    軸方向において相違せしめられている請求項1乃至請求
    項4の何れかに記載の吸収器用伝熱管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010203712A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Yutaka Giken Co Ltd 熱交換用チューブ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010203712A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Yutaka Giken Co Ltd 熱交換用チューブ
US8418753B2 (en) 2009-03-05 2013-04-16 Yutaka Giken Co., Ltd. Heat exchange tube

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