JP2844208B2 - セラミック超伝導材料の製造方法 - Google Patents
セラミック超伝導材料の製造方法Info
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- JP2844208B2 JP2844208B2 JP1035393A JP3539389A JP2844208B2 JP 2844208 B2 JP2844208 B2 JP 2844208B2 JP 1035393 A JP1035393 A JP 1035393A JP 3539389 A JP3539389 A JP 3539389A JP 2844208 B2 JP2844208 B2 JP 2844208B2
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、セラミック超伝導材料の製造方法に関す
る。
る。
[従来の技術] 現在最も注目されているセラミック超伝導材料に金属
材料技術研究所の前田らが発見したBi−Sr−Ca−Cu−O
系セラミックが上げられる。この超伝導材料の特性は応
用物理 第57巻 第6号(1988)p−912−917やJapane
se Journal Of Applied Fhysics Vol.27 No8 1988 ppL1
514−1516に詳細が述べられている。またその製造方法
は例えば線材化では粉体粉末冶金協会の昭和63年度春期
大会講演概要集p26−27に述べられている様に銀チュー
ブに予め作製した超伝導粉末を詰め線引き、ロール圧延
等により加工した後粉末を焼結して得られる。
材料技術研究所の前田らが発見したBi−Sr−Ca−Cu−O
系セラミックが上げられる。この超伝導材料の特性は応
用物理 第57巻 第6号(1988)p−912−917やJapane
se Journal Of Applied Fhysics Vol.27 No8 1988 ppL1
514−1516に詳細が述べられている。またその製造方法
は例えば線材化では粉体粉末冶金協会の昭和63年度春期
大会講演概要集p26−27に述べられている様に銀チュー
ブに予め作製した超伝導粉末を詰め線引き、ロール圧延
等により加工した後粉末を焼結して得られる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら従来のセラミック超伝導材料の製造方法
は結晶構造に起因した異方性の強い物質であるにも関わ
らず結晶方向の制御が成されていない。そのため臨界電
流密度が低く応用が限定されたものとなっていた。
は結晶構造に起因した異方性の強い物質であるにも関わ
らず結晶方向の制御が成されていない。そのため臨界電
流密度が低く応用が限定されたものとなっていた。
本発明はこの様な問題を解決するものであり、その目
的とするところは臨界電流密度が高く応用にあたり制限
の無いセラミック超伝導材料を容易に得んとするもので
ある。
的とするところは臨界電流密度が高く応用にあたり制限
の無いセラミック超伝導材料を容易に得んとするもので
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、以下の(1),(2)を特徴とする。
(1) Bi−M−Cu−Oセラミック粉末(ここで、Mは
アルカリ土類元素を示す)とPbとの混合物を、室温〜40
0℃の温度で繰り返して圧縮または圧延する工程を有す
ることを特徴とする。
アルカリ土類元素を示す)とPbとの混合物を、室温〜40
0℃の温度で繰り返して圧縮または圧延する工程を有す
ることを特徴とする。
(2) Bi−M−Cu−Oセラミック粉末(ここで、Mは
アルカリ土類元素を示す)とPbとの混合物を、室温〜40
0℃の温度で繰り返して圧縮または圧延して成形物にす
る工程と、前記成形物を400〜750℃の温度で熱処理する
工程と、を有することを特徴とする。
アルカリ土類元素を示す)とPbとの混合物を、室温〜40
0℃の温度で繰り返して圧縮または圧延して成形物にす
る工程と、前記成形物を400〜750℃の温度で熱処理する
工程と、を有することを特徴とする。
(実施例) 以下実施例に従い本発明を詳細に説明する。
実施例−1 先ず最初にBi2O3、、SrCO3、CaCO3、CuO(purityは何
れも99.9%)粉末を混合分散した後780℃〜820℃酸素雰
囲気中において反応させ層状の結晶構造を持つセラミッ
クを作る。この時のセラミックの組成はBi2−xSr2Ca2Cu
3Oyで後に添加するPbの量によりxを調整する。次にこ
のセラミックを適度に粉砕し粉末化(フレーム状粉末に
なり易い)した後Pbの微粉末を加え撹拌分散させる。次
にこれらの粉末を室温〜400℃に加熱したロール圧延機
により繰り返し圧縮せしめ成形する。Pbは室温に於いて
も変形し易くまた330℃程度に加熱すると溶融するためP
bは層状結晶構造に対応したフレーク状のセラミック粉
末の配向回転を助ける滑材となり圧縮を繰り返す異によ
り効率よく結晶方向は揃えられる。次に成形物を400℃
〜750℃アルゴン−酸素混合雰囲気中に於て加圧しなが
ら2時間熱処理を行いセラミック粉末とPbを反応させ
る。尚超伝導物質の構成元素としてよりもPbを多く添加
する場合は反応完了前に加熱温度を調整して余分なPbを
外部に溶出させる。次に835℃〜855℃アルゴン−酸素混
合雰囲気中において100時間熱処理を行い焼結させると
共にPbをバルク全体に均一に拡散させ超伝導材料を得
る。Bi系は周知のように高臨界温度相(105K相)と低臨
界温度相(60、90K相)の多相になり易いがPbを加える
ことにより高臨界温度相の単相化が図られる。つまりPb
は結晶の配向を助けるだけでなく後に超伝導物質の構成
元素になり高臨界温度相の単相化も助ける。また焼結前
に1度低温で熱処理を行なっているがこれは最初から焼
結温度にするとPbが溶出分離し易くなり超伝導物質の構
成元素としてのPbの量を調整できないためである。尚Pb
と他物質との反応が完了すると適正焼結温度まで昇温し
ても溶出しなくなる。
れも99.9%)粉末を混合分散した後780℃〜820℃酸素雰
囲気中において反応させ層状の結晶構造を持つセラミッ
クを作る。この時のセラミックの組成はBi2−xSr2Ca2Cu
3Oyで後に添加するPbの量によりxを調整する。次にこ
のセラミックを適度に粉砕し粉末化(フレーム状粉末に
なり易い)した後Pbの微粉末を加え撹拌分散させる。次
にこれらの粉末を室温〜400℃に加熱したロール圧延機
により繰り返し圧縮せしめ成形する。Pbは室温に於いて
も変形し易くまた330℃程度に加熱すると溶融するためP
bは層状結晶構造に対応したフレーク状のセラミック粉
末の配向回転を助ける滑材となり圧縮を繰り返す異によ
り効率よく結晶方向は揃えられる。次に成形物を400℃
〜750℃アルゴン−酸素混合雰囲気中に於て加圧しなが
ら2時間熱処理を行いセラミック粉末とPbを反応させ
る。尚超伝導物質の構成元素としてよりもPbを多く添加
する場合は反応完了前に加熱温度を調整して余分なPbを
外部に溶出させる。次に835℃〜855℃アルゴン−酸素混
合雰囲気中において100時間熱処理を行い焼結させると
共にPbをバルク全体に均一に拡散させ超伝導材料を得
る。Bi系は周知のように高臨界温度相(105K相)と低臨
界温度相(60、90K相)の多相になり易いがPbを加える
ことにより高臨界温度相の単相化が図られる。つまりPb
は結晶の配向を助けるだけでなく後に超伝導物質の構成
元素になり高臨界温度相の単相化も助ける。また焼結前
に1度低温で熱処理を行なっているがこれは最初から焼
結温度にするとPbが溶出分離し易くなり超伝導物質の構
成元素としてのPbの量を調整できないためである。尚Pb
と他物質との反応が完了すると適正焼結温度まで昇温し
ても溶出しなくなる。
実施例−2 実施例−1と同様に作製したセラミック粉末とPb微粉
末を混合分散した後銀よりなるパイプにこれらを詰め同
じく実施例−1と同様な条件で圧縮、焼結、アニールを
行ないセラミック超伝導材料を得た。
末を混合分散した後銀よりなるパイプにこれらを詰め同
じく実施例−1と同様な条件で圧縮、焼結、アニールを
行ないセラミック超伝導材料を得た。
得られた超伝導材料の臨界電流密度を4端子法により
測定した。その結果を第1表と第2表に比較例と共に示
した。比較例は前記従来方法を用いたものと配向補助剤
(滑材)に有機バインダーを用いたもの(但し最初の粉
末状態から高臨界温度相の単相化のためPbを加えてい
る)である。それぞれ比較例−1、比較例−2。尚外周
部に銀があるものは剥離して測定している。
測定した。その結果を第1表と第2表に比較例と共に示
した。比較例は前記従来方法を用いたものと配向補助剤
(滑材)に有機バインダーを用いたもの(但し最初の粉
末状態から高臨界温度相の単相化のためPbを加えてい
る)である。それぞれ比較例−1、比較例−2。尚外周
部に銀があるものは剥離して測定している。
表より判るよう本発明のセラミック超伝導材料は従来
法のセラミック超伝導材料より顕著に臨界電流密度は高
くなっている。これは異方性の強いセラミック超伝導物
質の結晶の配向化によるものでありこれらの点はX線回
折、顕微鏡観察等の分析により裏付けられている。また
比較例−2は配向補助材(滑材)としてPbの代わりに有
機バインダーを用いたものであるが臨界電流密度は従来
頬に比べ高いがまだ本実施例の値とは大きな差がある。
これは有機バインダーを加えることにより結晶配向は促
進されるが焼結までに完全に有機バインダーを除去でき
ず粒界部に不純物として残り障壁となるためと除去した
部分が空孔となり密度が低くなるためである。その点本
実施例に於いては配向補助材となるPbは超伝導物質の構
成元素となるため効率がよい。
法のセラミック超伝導材料より顕著に臨界電流密度は高
くなっている。これは異方性の強いセラミック超伝導物
質の結晶の配向化によるものでありこれらの点はX線回
折、顕微鏡観察等の分析により裏付けられている。また
比較例−2は配向補助材(滑材)としてPbの代わりに有
機バインダーを用いたものであるが臨界電流密度は従来
頬に比べ高いがまだ本実施例の値とは大きな差がある。
これは有機バインダーを加えることにより結晶配向は促
進されるが焼結までに完全に有機バインダーを除去でき
ず粒界部に不純物として残り障壁となるためと除去した
部分が空孔となり密度が低くなるためである。その点本
実施例に於いては配向補助材となるPbは超伝導物質の構
成元素となるため効率がよい。
本実施例に於いては圧縮加工ロールに圧延加工法を採
用したが押し出し法、プレス法等を採用しても圧縮変形
加工できる装置で有れば何等差し支えない。
用したが押し出し法、プレス法等を採用しても圧縮変形
加工できる装置で有れば何等差し支えない。
(発明の効果) 以上述べたように、Pbは室温においても変形しやすく
加工性に富んでいるので、室温〜400℃という比較的低
い温度であっても圧縮または圧延の加工が非常に容易で
あり、セラミック粉末の配向回転が容易である。さら
に、圧縮または圧延を繰り返し行うことにより、セラミ
ック粉末の配向性が高くなり、得られる超伝導材料の臨
界電流密度が大幅に向上するという優れた効果を奏す
る。また、Pbは超伝導体の組成になり得るので、超伝導
特性に与える悪影響がないという優れた効果を奏する。
加工性に富んでいるので、室温〜400℃という比較的低
い温度であっても圧縮または圧延の加工が非常に容易で
あり、セラミック粉末の配向回転が容易である。さら
に、圧縮または圧延を繰り返し行うことにより、セラミ
ック粉末の配向性が高くなり、得られる超伝導材料の臨
界電流密度が大幅に向上するという優れた効果を奏す
る。また、Pbは超伝導体の組成になり得るので、超伝導
特性に与える悪影響がないという優れた効果を奏する。
また、成形物を400〜750℃の温度で熱処理することに
より、PbとBi−M−Cu−Oセラミック粉末とが充分に反
応し、Pbの溶出分離が抑えられるので超伝導物質の構素
としてのPbの量を調整できるという優れた効果を奏す
る。
より、PbとBi−M−Cu−Oセラミック粉末とが充分に反
応し、Pbの溶出分離が抑えられるので超伝導物質の構素
としてのPbの量を調整できるという優れた効果を奏す
る。
Claims (2)
- 【請求項1】Bi−M−Cu−Oセラミック粉末(ここで、
Mはアルカリ土類元素を示す)とPbとの混合物を、室温
〜400℃の温度で繰り返して圧縮または圧延する工程を
有することを特徴とするセラミック超伝導材料の製造方
法。 - 【請求項2】Bi−M−Cu−Oセラミック粉末(ここで、
Mはアルカリ土類元素を示す)とPbとの混合物を、室温
〜400℃の温度で繰り返して圧縮または圧延して成形物
にする工程と、 前記成形物を400〜750℃の温度で熱処理する工程と、 を有することを特徴とするセラミック超伝導材料の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1035393A JP2844208B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-02-15 | セラミック超伝導材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1035393A JP2844208B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-02-15 | セラミック超伝導材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02217350A JPH02217350A (ja) | 1990-08-30 |
JP2844208B2 true JP2844208B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=12440671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1035393A Expired - Lifetime JP2844208B2 (ja) | 1989-02-15 | 1989-02-15 | セラミック超伝導材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2844208B2 (ja) |
-
1989
- 1989-02-15 JP JP1035393A patent/JP2844208B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Advancesin Supercorductivity (ISS’88)Aug,28−31,1988 Nagoya p.873〜877 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02217350A (ja) | 1990-08-30 |
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Legal Events
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