JP3115357B2 - 酸化物超電導材料の製造方法 - Google Patents
酸化物超電導材料の製造方法Info
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Description
体の製造方法、ならびに前記前駆体を用いた超電導体の
製造方法に関するものである。
Cu 3O X(X=7−δ(ただしδは酸素欠損))の結
晶粒を大型化させ、ウイークリンクとなる粒界をなく
し、高い臨界電流密度を有する超電導体を製造する溶融
法(QMG法(M.Moritaet al:Phys
ica C,172(1990)383.1、MPMG
法(H.Fujimoto et al:Advanc
es in Superconductivity 2
Springer−Verlag,Tokyo(19
90)285.))において、Ptの添加等により、R
E 2BaCuO 5相の微細分散が可能になり、これがク
ラックの進展阻止サイトまたはピンニングサイトとして
働き、より高い臨界電流密度を得ることが可能になった
(M.Morita et al:Jpn.J.App
l.Phys.投稿中)。
では、RE 2BaCuO 5相は、その熱処理過程におい
てRE 2O 3からの反応によっているため、ある程度以
上の分散状態特に均一微細な分散状態を得ることは難し
い。また、RE 2BaCuO5相を原料として直接導入
する方法では、これまでにRE 2BaCuO5相の粒径
の制御は行なわれておらず、固液混合状態すなわち特定
温度領域において成長し粗大化してしまう問題があっ
た。
ークリンクとなる粒界を排除する溶融法において、最終
生成物質であるREBa 2Cu 3O X相内のRE 2Ba
CuO 5相の分散状態を従来の手法に比べて厳密に制御
する手法を付加し、高い臨界電流密度を有するRE−B
a−Cu−O系超電導体を製造する方法を提供する。
決するために、あらかじめ粒径分布を制御したRE 2B
aCuO 5と組成を調整するためのBaO 2、CuO、
BaCuO 2、RE 2O 3、Ba 4CuPt 2O 9等の
材料を原料とし、RE 2BaCuO 5の化学状態を維持
したまま特定温度領域におけるRE 2BaCuO 5相の
凝集または成長による粗大化を防ぐため、0.005〜
5wt%のPtまたはRhを添加する手段を設けたもの
である。
域にいたる以前のどの段階で添加してもよく、ルツボ等
から混入する形をとってもよい。そして、これに加えて
粒界が少なく、かつ内部に未反応で残ったRE 2BaC
uO5の分散状態が制御された高い臨界電流密度を有す
るRE−Ba−Cu−O系超電導体を製造するために、
包晶温度(T p)近傍で徐冷を施す。これにより、RE
2BaCuO 5+L→REBa 2Cu 3O X+(RE 2
BaCuO)で表される包晶反応時におけるREBa 2
Cu 3O X相の成長を促進させ、その後酸素富化処理を
行なう手段を設けたものである。
成が半溶融熱処理時におけるRE 2O 3等からの反応に
負っていたときに比較して、原料としてRE 2BaCu
O 5を直接添加することは、その前処理段階でRE 2B
aCuO 5の粒径の制御が可能になる。またPtまたは
Rhの添加は、特定温度領域においてRE 2BaCuO
5相の状態を維持、すなわちRE2BaCuO 5の凝
集、成長を防ぐ効果がある。
る包晶温度近傍における徐冷、および酸素富化処理を施
すことによって、包晶反応後の超電導相内のRE 2Ba
CuO 5相の分散状態を制御し、かつ結晶粒を大型化す
ることができ、この制御されたRE 2BaCuO 5相が
クラックの進展阻止サイトあるいはピンニングサイトと
して効率よく働くことによって、高い臨界電流密度を有
するREBa 2Cu 3O X超電導材料を製造することが
できる。
Y、Ba、Cuの元素比が1:1.3:1.9になるよ
うに秤量し、さらに重量比で1.5%のPtO 2粉末を
加え混練後、プレス成形機により成形した。Y 2BaC
uO 5粉末は共沈法で作製されたものであり、平均粒径
は1μm以下である。この成形体を1150℃に加熱、
1時間保持した。そして、1005℃まで30分で冷却
し、さらに960℃まで1℃/hで徐冷を行い、室温ま
で炉冷した。このようにして作製された試料の結晶粒は
大きいもので1立方センチメートル以上に達した。
し、この温度から10℃/hで300℃まで徐冷し、そ
の後室温まで炉冷した。以上の熱処理を施した試料の内
部組織を観察したところマトリクスのYBa 2Cu 3O
X相内にY 2BaCuO 5相が平均1μm以下で均一に
分散していることがわかった。この試料の臨界電流密度
は磁化測定から77K、1Tの条件下で29000A/
平方センチメートルに達することがわかった。
組成と熱処理条件下で作製した試料の組織は、Y 2Ba
CuO 5相が粗大化し10μmに成長するものも認めら
れた。マトリクスのYBa 2Cu 3O X相内にはab面
に平行に多数のクラックが認められ、臨界電流密度は7
7K、1Tで7000A/平方センチメートルと低かっ
た。
Gd、Ba、Cuの元素比が1:1.25:1.75に
なるように秤量し、さらに重量比で1.5%のPtO 2
粉末を加え混練後、プレス成形機により成形した。Gd
2BaCuO 5粉末はGd 2O 3、BaCO 3粉末とC
uO粉末を焼成してGd 2BaCuO 5としたものをボ
ールミルを用いてエタノール中で粉砕したもので、平均
粒径が0.8μmのものである。
持した。そして1020℃まで30分で冷却し、さらに
960℃まで1℃/hで徐冷を行い室温まで炉冷した。
このようにして作製された試料の結晶粒は大きいもので
1立方センチメートル以上に達した。
し、この温度から10℃/hで300℃まで徐冷しその
後室温まで炉冷した。以上の熱処理を施した試料の内部
組織を観察したところ、マトリクスのGdBa 2Cu 3
O X相内にGd 2BaCuO5相が平均1μm以下で均
一に分散していることがわかった。この試料の臨界電流
密度は磁化測定から77K、1Tの条件下で31000
A/平方センチメートルに達することがわかった。
O急冷粉末を用いた。Y 2BaCuO 5粉末はY 2O
3、BaCO 3とCuO粉末を焼成してY 2BaCuO
5としたものをボールミルを用いてエタノール中で粉砕
したもので、平均粒径が0.8μmのものである。
uO粉末をBaとCuが元素比で2:3になるように秤
量、混合を行いこれを白金ルツボ中で1450℃に10
分間加熱後、銅ハース上に急冷しこれを粉砕したもので
ある。この粉末はBaCuO2とBaCu 2O 2を主成
分としている。この粉末をY、BaとCuの元素比が
1:1.5:2になるように秤量、混練を行いプレス成
形器にて成形した後、熱処理を行なった。成形後の熱処
理は実施例1と同じである。
3O X超電導試料の組織はY 2BaCuO 5相が平均1
μm以下に均一分散しており、臨界電流密度は77K、
1Tで28000A/平方センチメートルであった。こ
れは白金ルツボから白金が混入した効果である。実際、
Ba−Cu−O急冷粉末に重量比で0.4%の白金が混
入していることがわかった。
Rh粉末を重量比で0.05%添加して作製したYBa
2Cu 3O X超電導試料の組織もY 2BaCuO 5相が
均一、微細に分散しており、臨界電流密度は77K、1
Tで32000A/平方センチメートルに達した。
御されたRE 2BaCuO 5相を原料として用い、この
化学状態をできるだけ損なうことなく熱処理を行い、か
つ粗大化させることのないようPtまたはRhを添加す
ることによって、REBa 2Cu 3O X超電導材料の内
部に分散するRE 2BaCuO 5相を制御し、臨界電流
密度を向上させることが可能になった。
Claims (2)
- 【請求項1】 RE−Ba−Cu−O系酸化物超電導材
料の製造方法において、(1)全原料中のRE、Ba、
Cuの元素のモル比が1:(1〜2):(1〜3)の範
囲にあり(ここでREはY、La、Nd、Sm、Eu、
Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群
から選ばれた1種以上の元素をいう)、(2)この中で
REはREの様々な存在状態のうち30mol%以上の
REが平均5μm以下のRE 2BaCuO 5として存在
し、(3)かつBaおよびCuはRE、Ba、Cu、P
tおよびRhからなる群から選ばれた1種以上の元素を
含む酸化物として存在し、(4)さらにPtおよび/も
しくはRh元素が重量比で実質的に0.005〜5%含
まれる原料を粉体状態で均一に混合し、これを所定の形
状に成形し、その原料で選択されたREにて定まるRE
2BaCuO 5相と液相が共存する温度領域(この温度
領域を「特定温度領域」と称し、その上限温度をT d、
下限温度をTpとする。)に加熱し、これをT pまで
0.2〜1000℃/hの冷却速度で冷却し、この温度
からT p−40℃の温度区間を0.2〜10℃/hの冷
却速度で連続的に冷却するか、または、冷却と保定を組
み合わせて実質的に0.2〜10℃/hの冷却速度と等
価な断続的な冷却を行い、しかる後に任意の冷却速度で
室温まで冷却し、さらに後続して、酸素富化処理とし
て、室温まで冷却された材料を酸素富化雰囲気で600
℃から200℃の温度領域で2時間から200時間定温
保持するか、または最高600℃で最低200℃の任意
の温度区間を2時間から200時間かけて実質的に徐冷
し、この熱処理の後は任意の冷却速度で室温まで冷却す
ることを特徴とする酸化物超電導材料の製造方法。 - 【請求項2】 酸素富化処理を室温まで冷却された材料
について行なうことに代え、T p−40℃までの冷却に
引き続いて行なうことを特徴とする請求項1記載の酸化
物超電導材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03203770A JP3115357B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 酸化物超電導材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03203770A JP3115357B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 酸化物超電導材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0524908A JPH0524908A (ja) | 1993-02-02 |
JP3115357B2 true JP3115357B2 (ja) | 2000-12-04 |
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ID=16479526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP03203770A Expired - Lifetime JP3115357B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 酸化物超電導材料の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3115357B2 (ja) |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP03203770A patent/JP3115357B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
JPH0524908A (ja) | 1993-02-02 |
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