JP2843321B2 - ブラウン管シャドウマスク - Google Patents

ブラウン管シャドウマスク

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JP2843321B2
JP2843321B2 JP61017632A JP1763286A JP2843321B2 JP 2843321 B2 JP2843321 B2 JP 2843321B2 JP 61017632 A JP61017632 A JP 61017632A JP 1763286 A JP1763286 A JP 1763286A JP 2843321 B2 JP2843321 B2 JP 2843321B2
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力蔵 渡辺
光男 小野崎
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Hitachi Metals Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はカラーブラウン管などの低膨張合金製シャド
ウマスクに関するものである。 〔従来の技術〕 カラーブラウン管のシャドウマスクは規則正しく配列
された微細孔を多数有するが、この微細孔を通過する電
子ビームは全体の約1/3であり、残りの電子ビームはシ
ャドウマスクに射突するため、シャドウマスクが加熱さ
れ、熱膨脹を生じて色純度を劣化させてしまうという問
題があった。 このため、シャドウマスクを有するカラーブラウン管
では、熱膨脹に起因するビーム移動の量を抑制すること
が必要とされ、その手段としてシャドウマスク自体の構
造、シャドウマスクとマスクサポートとの組立構造の改
善、さらにはシャドウマスク用材料の検討などが行なわ
れているが、いまだ問題の解決には至っていない。 特にシャドウマスク用材料としては、従来一般には軟
鋼が素材として使用されているが、軟鋼はプレス成形性
は良好であるが、熱膨脹係数が約12×10-6/℃と大き
く、電子ビームの照射により加熱されて熱膨脹を生じ、
色純度を劣化させてしまうという問題があった。 また熱膨脹による変形を防止するため、熱膨脹係数の
小さいFe−Ni系のインバー合金の使用が提案されている
が、これは耐力が高いためプレス成形性が悪いこと、ま
た弾性係数が低いため、シャドウマスク製造およびカラ
ーブラウン管製造中のマスクの取扱い時や使用時にマス
ク変形を生じ色純度が劣化することの2点が問題とされ
ている。近時、特開昭50−58977や特開昭59−59861など
に見られるようにFe−Ni系インバー合金に各種の合金元
素を添加したシャドウマスク材料が提案されているが、
いずれも上記の問題点を完全に解決するに至っていな
い。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は熱膨張係数が小さく、耐力が低く、弾性係数
が大きい材料を用い、上記問題点を解決したシャドウマ
スクを提供することを目的とするものである。本発明に
係る材料の特性の具体的数値は、20〜100℃の平均熱膨
脹係数が6×10-6/℃以下、望ましくは4×10-6/℃以下
で、1000℃で1時間焼鈍した0.2%耐力が22kgf/mm2
下、望ましくは20kgf/mm2以下、弾性係数が15,000kgf/m
m2以上である。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は重量%にしてNi30〜45%、Cr1〜4%、Mo0.1
〜4%含み、残部は不純物を除き本質的にFeよりなり、
プレス成形されているものである(張力を与えて取り付
けるものを除く)ことを特徴とするブラウン管シャドウ
マスク、あるいは上記組成に加えてさらに0.4〜4%の
Wを、 Mo%≧1/2(W%) なる式を満足するように含むことを特徴とするブラウン
管シャドウマスクである。 〔作用〕 本発明に係るシャドウマスクにおいて、NiはFeとの組
合せにおいて、常温近傍での熱膨脹係数を低めるいわゆ
るインバー効果を付与する。この作用は特定のNi含有量
の範囲でのみ有効であり、Ni含有量が30%より少なくま
たは45%をこえるものでは、この作用は実質的に無効と
なる。したがって本発明に係るブラウン管シャドウマス
クにあってはNiの範囲を30〜45%に定める。Ni含有量の
より好ましい範囲は35〜40%である。 本発明に係るシャドウマスクにおいてCrは耐力を低
め、弾性係数を高める作用をもつ。また副次的効果とし
て、シャドウマスクを黒化処理した際の酸化被膜の密着
性を高める作用もある。これらの作用を実質的に有効な
らしめるためには、最低1%のCrが必要である。一方、
Crが4%を越えると熱膨脹係数を過度に大きくするので
望ましくない。よって本発明に係るブラウン管シャドウ
マスクにあってはCrの含有量は1〜4%とする。 本発明に係るシャドウマスクにおいてMoはCrと同様、
耐力を低め、弾性係数を高める効果がある。Moの場合
は、耐力を低める効果はCrよりずっと小さいが、弾性係
数を高める効果はCrより大きい。このことからCrとMoを
組み合わせることによって、耐力と弾性係数の組合せを
より好ましい値にすることができる。このような作用を
実質的に有効ならしめるために、Moは最低0.1%以上必
要であるが、Moが4%を越えると熱膨脹率が過度に大き
くなるので好ましくない。よって本発明に係るブラウン
管シャドウマスクにあってはMo含有量は0.1〜4%に限
定する。 本発明に係るシャドウマスクにおいて、Wは少量の場
合はMoときわめて類似した効果がある。厳密に言えば、
耐力を下げる効果はMoよりやや小さく、弾性係数を高め
る効果はMoよりやや大きい。したがって、Moの一部と置
換して添加できるが、W含有量が過度に多くなると、耐
力が逆に高くなってプレス成形性が劣化する。さらにW
量が過度に高くなると、固溶化処理温度が高くなり、ま
た価格も上昇する。このようなことから、本発明に係る
シャドウマスクではMoに対するWの置換量は原子比でMo
量の半分以下とし、Wの原子量がMoの原子量の約2倍で
あることから、その含有量を4%以下でかつ、 Mo%≧1/2(W%) が成り立つように限定する。 本発明に係るブラウン管シャドウマスク材料にあって
は脱酸または脱硫を目的にC、Si、Mn、Al、Ti、Mg、Ca
等を添加してもよい。この場合、これらの元素の合金中
の許容残存量(重量%)はつぎのとおりである。 C<0.2% Si<0.5% Mn<1.0% Al<0.5% Ti<0.5% Mg<0.1% Ca<0.1% 〔実施例〕 本発明の実施例について述べる。第1表に示す合金を
真空溶解し、鍛造後熱間圧延および冷間圧延によって0.
2mm厚の板とし、1000℃で1時間焼鈍後、20〜100℃の平
均熱膨脹係数、0.2%耐力および弾性係数を測定した。
弾性係数の測定は共振法によった。各特性も第1表にあ
わせて示す。 第1表でNo.1〜No.11の本発明に係るブラウン管シャ
ドウマスクはいずれも平均熱膨脹係数が6×10-6/℃以
下、0.2%耐力が22kgf/mm2以下、弾性係数が15,000kgf/
mm2以上の基準を満たしているのに対し、No.21(インバ
ー合金)、No.22(軟鋼)の従来合金は上記3基準のう
ちの少なくとも一つを満たさないことがわかる。〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明は、(1)耐力が十分低い
ためにプレス成形が容易であり、(2)熱膨脹係数が小
さいことから色ズレを起すことがなく、(3)弾性係数
が高いことから、ブラウン管の製造中あるいは使用中に
変形することがないという3要件を同時に満足する材料
によるブラウン管シャドウマスクであり、とくに高精細
ブラウン管を製造する時に大きな効果が発揮される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−59861(JP,A) 特開 昭61−76651(JP,A) 特開 昭61−166947(JP,A) 特開 昭61−183443(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.重量%でNi30〜45%、Cr1〜4%、Mo0.1〜4%含
    み、残部は不純物を除き本質的にFeよりなり、プレス成
    形されているものである(張力を与えて取り付けるもの
    を除く)ことを特徴とするブラウン管シャドウマスク。 2.重量%でNi30〜45%、Cr1〜4%、Mo0.1〜4%、W
    0.4〜4%を含み、かつ、 Mo%≧1/2(W%) なる式を満足し、残部は不純物を除き本質的にFeよりな
    り、プレス成形されているものである(張力を与えて取
    り付けるものを除く)ことを特徴とするブラウン管シャ
    ドウマスク。
JP61017632A 1986-01-29 1986-01-29 ブラウン管シャドウマスク Expired - Lifetime JP2843321B2 (ja)

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JPS5959861U (ja) * 1982-10-15 1984-04-19 山田 良三 水面浮遊栽培器
JPS6176651A (ja) * 1984-09-21 1986-04-19 Toshiba Corp 受像管
JPS61166947A (ja) * 1985-01-21 1986-07-28 Nippon Mining Co Ltd シヤドウマスク
JPS61183443A (ja) * 1985-02-07 1986-08-16 Daido Steel Co Ltd 低熱膨張材料

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