JP2842829B2 - コンクリート製品並びにその製造方法及び使用方法 - Google Patents

コンクリート製品並びにその製造方法及び使用方法

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JP2842829B2 JP8058766A JP5876696A JP2842829B2 JP 2842829 B2 JP2842829 B2 JP 2842829B2 JP 8058766 A JP8058766 A JP 8058766A JP 5876696 A JP5876696 A JP 5876696A JP 2842829 B2 JP2842829 B2 JP 2842829B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暗渠を構築するた
めのボックスカルバートやパイプカルバートを始めとし
て、開渠、地下道、共同溝等を構築するための各種コン
クリートブロックに適用可能なコンクリート製品並びに
その製造方法及び使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレキャストコンクリート製品を連結し
て構築した暗渠、地下道、共同溝等は、地震や不同沈下
により、製品本体や、製品間の継手部が破損したり、時
には破壊される事すらある。このため、従来は、製品間
の継手部に可撓性ジョイントを設けることにより対応し
ている。この可撓性ジョイントは、一般に、コンクリー
ト製品の端部に予めインサートナット等を埋め込んでお
き、施工現場において、相隣接するコンクリート製品の
端面間にゴム等の可撓性ジョイント材を介在させ、この
可撓性ジョイント材に押さえ鋼板を添接した後、これら
鋼板及び可撓性ジョイント材に挿通したボルト等の止着
具を前記インサートナットに締着することによってその
取付け、固定を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
連結構造のものは、コンクリート製品に製造時に多数の
インサートナット等を埋設しておく必要があり、型枠に
種々の細工が必要となるだけでなく、インサートナット
の埋設位置の間違えや誤差等によって製造ミスが発生す
る確率も高くなるため、製造工数やコストの大巾な増加
を招くという不具合がある。また、製品の据え付け施工
時に、現場にて可撓性ジョイント材を取り付けなければ
ならないため、現場作業に時間と労力を要するという欠
点がある。さらに、1つの可撓性ジョイントの取付けを
行うために、2つのコンクリート製品に同様の細工を凝
らす必要があるため、上記の不具合や欠点が倍増すると
いう問題がある。その上、かかる従来のものは、コンク
リート製品間に必ず可撓性ジョイント材が表出するた
め、特に施工後に内部に人が出入りするような用途に用
いられるものでは見栄えが著しく損なわれるという不都
合もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、予めコンクリート製品自体に強度の
低い薄肉部を形成し、この薄肉部を積極的に破断させる
ことによって不同沈下等に従動させるとともに、前記薄
肉部を境にして一端側にある製品構成部と他端側にある
製品構成部との間を、薄肉部の破断後にも連続性を保つ
ための可撓性ジョイントによって連結しておくようにし
たものである。このように、本発明は不同沈下等に対応
し得る可撓継手部をコンクリート製品それ自体に内有さ
せているので、個々のコクリート製品の間に現場にて可
撓継手部を構成する必要がなく、このような継手部の付
与を製造段階で完了することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のコンクリート製品は、一
方の端面と他方の端面の間に可撓継手部を設けてなるも
のであって、この可撓継手部が、両端面に略並行な薄肉
部と、この薄肉部によって画される両側の製品構成部の
間を橋絡する可撓性ジョイント材とを具備してなり、両
製品構成部の外面間、内面間或いは内外面間を脱却可能
な仮止め部材によって連結してなることを特徴とする。
【0006】薄肉部の破断を適切に行わせるためには、
その一部に破断を誘う誘発目地を設けておくのがよい。
また、本発明のコンクリート製品の好適な実施の形態と
して、一方の端面と他方の端面の間に可撓継手部を設け
てなるものであって、この可撓継手部が、両端面に略並
行な薄肉部と、この薄肉部によって画される両側の製品
構成部の間を橋絡する可撓性ジョイント材とから構成さ
れ、前記可撓性ジョイント材が、製品構成部の内面側若
しくは外面側に設けた凹溝内に横断面略コ字形となるよ
うに、凹溝の外方端に近い部分を固定されているものを
挙げることができる。
【0007】上記のコンクリート製品の製造に適した態
様としては、コンクリート打設前に、両製品構成部の隣
接位置に相当する部位にそれぞれ取付部材を配設し、こ
れらの取付部材に両端をバックアップさせて可撓性ジョ
イント材を位置づけるとともに、両取付部材の間に間隔
保持材を挿入してこの間隔保持材の配設部分へコンクリ
ートが回り込むことを禁止しておき、コンクリート打設
及び脱型後、間隔保持材を除去した部位に薄肉部と可撓
性ジョイント材からなる可撓継手部を形成するのがよ
い。
【0008】上記のコンクリート製品が頂版を有してい
る場合に、その使用に適した態様としては、両製品構成
部の頂版間に跨がって板部材を載設しておくのがよい。
本発明のコンクリート製品を利用して暗渠等を構築する
と、その構築現場に不同沈下や地震が発生し、薄肉部を
境にして一端側の製品構成部が載置されている地盤と他
端側の製品構成部が載置されている地盤との間に離間、
ずれが生じた場合には、周辺よりも強度の低い薄肉部が
優先して破断される。しかし、このとき薄肉部を跨いで
両側の製品構成部の間を可撓性ジョイント材が橋絡して
いるため、このコンクリート製品はかかる地盤変化に無
理なく従動しながら、両製品構成部の連続性を有効に確
保するものとなる。さらに、両製品構成部の外面間、内
面間或いは内外面間を脱却可能な仮止め部材によって連
結しているので、コンクリート製品を現場に持ち込む
前、あるいは現場に持ち込んだ後施工完了までの前に、
薄肉部が破断することを防止し、かつ移送の便が向上す
るものとなる。
【0009】また、上記の製造方法を採用すれば、コン
クリート打設時に薄肉部となるべき部位に不必要にコン
クリートが回り込むことを間隔保持材によって防止する
ことができ、かつ、この間隔保持材は可撓性ジョイント
材全体がコンクリート組織内に完全に埋没することを防
ぐ役割も果たすため、薄肉部を有効に形成しかつこの薄
肉部が破断した際の可撓性ジョイント材の機能を有効に
確保しておくことができる。
【0010】さらに、上記の使用方法を採用すれば、路
上を走行する車両の荷重等が通常なら一方の製品構成部
のみに掛かるような状況下でも、板部材を載設すること
によってその荷重が両製品構成部に分散されるので、不
同沈下や地震以外の外力によって薄肉部が簡単に破断さ
れる事態を有効に防止することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図9を参
照して説明する。図1は、コンクリート製品の一種であ
る暗渠構築用のプレキャストボックスカルバートAを示
している。このボックスカルバートAは、頂版1と底版
2の間を左右の側壁3によって連結した構造からなるも
ので、工場で製作された後、現場施工にて図8に示すよ
うに他のボックスカルバートB、C等と端面同士を相互
に突き合わせて連結されるものである。このために、こ
のボックスカルバートAは、工場段階でその横断面にお
ける四隅に沿って連結方向すなわち一端面5と他端面6
の間を貫通する方向にシース孔4を形成されており、現
場にて、隣接されるボックスカルバートB若しくはCと
の間に跨がってそれらのシース孔4に図示しないPC鋼
棒を挿通し、そのPC鋼棒の一端部を、カルバートAを
構成するカルバート構成部a1、a2の各々の中央に内
側に開口させて設けた連結ボックス4a内に導き、この
位置でPC鋼棒にナットを螺装して連結ボックス4aの
内方端面に締着させるとともに、ボックスカルバート
B、Cにおいても同様のナット締着作業を行うことによ
り、カルバート構成部a1とボックスカルバートBの
間、あるいはカルバート構成部a2とボックスカルバー
トCの間の端面同士を突き合わせて相互に密接に連結す
るようにしている。
【0012】そして、真ん中に配置されるボックスカル
バートAに、本発明に係る可撓継手部7を設けている。
この可撓継手部7は、ボックスカルバートA自身の中
に、従来の継手部と同等の機能を付与したものである。
詳述すると、この可撓継手部7は、図1〜図5に示すよ
うに、両端面5、6の略中間付近において頂版1、底版
2及び側壁3を横断するように、つまり両端面5、6に
並行な面内を周回するように形成された薄肉部71と、
この薄肉部71によって画された一対の製品構成部たる
前記カルバート構成部a1、a2の間を橋絡する可撓性
ジョイント材たる可撓ゴム72とからなっている。
【0013】この薄肉部71を形成するにあたり、頂版
1等の肉厚の外面側のコンクリート組織を部分的に欠損
させて外面8a側に開口する凹溝73が形成してあり、
この凹溝73の溝底73bとカルバート内面8bとの間
を前記薄肉部71となしている。また、前記可撓ゴム7
2を保持するために、前記凹溝73の溝縁73aと、こ
の溝縁73aに直交するカルバート外面8aとに亘って
取付部材たるアングル状の取付金具74を凹溝73の開
口を塞がないように固定してあり、この取付金具74
を、コンクリート組織中に埋設したアンカー筋75に溶
接により接合している。前記取付金具74の一方の舌片
74aはカルバート外面8aに略面一に配設され、これ
と直交する他方の舌片74bは前記凹溝73の溝縁73
aに沿ってある程度深く挿入されている。一方、可撓ゴ
ム72は、前記凹溝73内に無端環状をなして配設され
るもので、任意の横断面が外向コ字形をなしている。そ
して、この可撓ゴム72の側板部72aを前記舌片74
bと前記凹溝73の溝縁73aとの間に配設して、その
外方端に近い部分を固定するとともに、その内方端側を
被接着状態とし、さらに底板部72bを前記凹溝73の
溝底73bに面する位置に被接着状態で配設している。
【0014】また、この実施例のボックスカルバートA
は、前記薄肉部71に対応する頂版1、底板2及び側壁
3の内面に、両端面5、6に並行な面内を周回するよう
にして誘発目地9を形成している。この誘発目地9は、
その横断面がV字形をなすもので、溝深さや切込角度な
どの設定を通じて、両カルバート構成部a1、a2がボ
ックスカルバートB、Cに対する連結方向と直交する方
向に相対変位するときの薄肉部71の破断特性をコント
ロールするようにしている。
【0015】なお、前記両カルバート構成部a1、a2
には、頂版1、底版2及び側壁3に沿ってその外面8a
側及び内面8b側に補強用の二重籠構造をなす図示しな
い鉄筋がそれぞれ埋設されるが、この鉄筋は前記可撓継
手部7の肉厚内には内在しないようにされているもので
ある。以上のようなボックスカルバートAは、図示しな
い型枠内にコンクリートを充填し、必要に応じて加振し
た後、脱型により完成されるものであるが、本実施例の
可撓継手部7を形成するために、コンクリート打設前の
型枠内の両カルバート構成部a1、a2の隣接位置に相
当する部位にそれぞれ前記取付金具74を配設し、これ
らの取付金具74に可撓ゴム72の側板部72aの外放
端付近を接着材やボルト等によって固定するとともに、
両取付金具74の間に図6に示すような間隔保持材79
を挿入してその間隔を維持し、またこの間隔保持材79
の配設部分にコンクリートが回り込むことを禁止してお
く。この間隔保持材79は、可撓ゴム72がコンクリー
ト打設により位置変位し、あるいは収縮することを防止
する役割をも兼ねるものである。また、可撓ゴム72の
側板部72aの中間付近から底板部72bに亘る部位と
コンクリート組織との接着を避けるために、予めこの部
位に沿ってグリス、ビニール等からなる縁切り材76を
可撓ゴム72の外面に添設し、可撓ゴムがコンクリート
組織に接着しないようにしておく。以上のようにした
後、型枠内にコンクリートを打設し、脱型とともに間隔
保持材79を除去すると、その除去した部位に図7に示
すように薄肉部71と可撓ゴム72からなる可撓継手部
7が形成される。誘発目地9は、型枠内に入れ子を設け
る等の通常の手法によって容易に作ることができる。
【0016】また、脱型した後のボックスカルバートA
に対して、図5に示すように、両取付金具74の舌片7
4b間にゴムや発泡体等からなるバックアップ材77を
介在させ、このバックアップ材77を塞ぐようにして両
連結金具74の舌片74b間をシーリング材78で封止
しておくようにする。バックアップ材77は両カルバー
ト構成部a1、a2の距離が不当に接近することを防止
するためのものであり、シーリング材78は凹溝73内
に水や土等の異物が混入して薄肉部71の破断後に可撓
ゴム72の変位を妨げる事態を防止するものである。つ
まり、このシーリング材78により凹溝73の内部の空
洞が有効に確保されている。これらのバックアップ材7
7及びシーリング材78は薄肉部71の適正な破断を妨
げるものではない。
【0017】さらに、このようにしたボックスカルバー
トAに対して、両カルバート構成部a1、a2の外面8
a間及び内面8b間を、図1〜図4に示すように、仮止
め部材たる外連結金具10a及び仮止め部材たる内連結
金具10bによって脱却可能に連結しておく。外連結金
具10aは、例えばチャンネル状のもので、頂版1の上
面の横方向2箇所に配設され、その長手方向間欠位置を
ボルトによって対応するコンクリート組織に脱却可能に
連結される。また、内連結金具10bは、チャンネル状
のもので、底版2の上面の横方向2箇所及び左右の側壁
3の対応する各1箇所に配設され、その長手方向間欠位
置をボルトによって対応するコンクリート組織に脱却可
能に連結される。そのために、対応するコンクリート組
織に予めインサートナットを埋設しておいてもよい。こ
れらの連結金具10a、10bは現場に搬入した後ある
いは施工完了後にボルトを外して撤去される。
【0018】しかして、本実施例のボックスカルバート
Aを利用して暗渠等を構築すると、その構築現場に不同
沈下や地震が発生し、薄肉部71を境にして一端側のカ
ルバート構成部a1が載置されている地盤と他端側のカ
ルバート構成部a2が載置されている地盤との間に地震
や不同沈下等に起因して離間、ずれが生じた場合に、周
辺よりも強度の低い薄肉部71が優先して破断され、ボ
ックスカルバートA自体はそれらの地盤変化に無理なく
従動することができる。しかも、このとき薄肉部71を
跨いで両側のカルバート構成部a1、a2の間を可撓ゴ
ム72が橋絡しているため、このボックスカルバートA
はかかる地盤変化に無理なく従動しながら、両カルバー
ト構成部a1、a2の連続性を有効に確保するものとな
る。そして、このように本実施例は不同沈下等に対して
有効に機能する可撓継手部7を従来とは異なりボックス
カルバートAそれ自体に内有させているので、個々のコ
クリート製品の間に現場にて可撓継手部を構成する必要
がなく、全て製造段階でこのような構成の付加を完了す
ることができる。
【0019】また、このような比較的脆弱な可撓継手部
7をボックスカルバートA自体に設けても、両カルバー
ト構成部a1、a2の間を外連結金具10aや内連結金
具10bによって連結しておけば、このボックスカルバ
ートAを工場から現場に向けて移送する間、或いは現場
に搬入した後施工完了までの間に、薄肉部71や誘発目
地9に外力が作用することを有効に防止することができ
るので、薄肉部71の意図しない破断を効果的に防止す
ることができる。また、このようにすれば、クレーンで
吊り上げる場合等の引っ掛け部を形成する場所としても
有効に活用できることとなる。
【0020】また、上記の製造方法を採用すれば、コン
クリート打設時に薄肉部71となるべき部位に不必要に
コンクリートが回り込むことを間隔保持材79によって
防止することができ、かつ、この間隔保持材79は可撓
ゴム72全体がコンクリート組織内に完全に埋没するこ
とを防ぐ役割も果たすため、薄肉部71を有効に形成し
かつこの薄肉部71が破断した際の可撓ゴム72の機能
を有効に確保しておくことができる。
【0021】一方、このボックスカルバートAを使用す
る場合には、両カルバート構成部a1、a2の頂版部1
の上面間に跨がって、図9に示すように鉄板やコンクリ
ート等の板部材100を載設しておくことが有効とな
る。このような使用方法を採用すれば、路上を走行する
車両の荷重等が通常ならカルバート構成部a1、a2の
うち一方のみに掛かるような状況下でも、鉄板100を
載設することによってその荷重が両カルバート構成部a
1、a2に分散されるので、不同沈下や地震以外の外力
によって薄肉部71が簡単に破断される事態を有効に防
止することができる。
【0022】なお、各部の具体的な構成は、図示実施例
のものに限定されるものではない。例えば、上記実施例
では、薄肉部71がホックスカルバートAの内面8bに
連続する位置に設けられていたが、図10〜図14に示
すように、薄肉部71をボックスカルバートAの外面8
aに連続する位置に設けても、つまり可撓継手部7を内
外周反転して設けても、基本的効果は略同様のものとな
る。
【0023】その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で種々変形が可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。すなわ
ち、本発明のボックスカルバートは、不同沈下等に対し
て有効に機能する可撓継手部をボックスカルバートそれ
自体に内有させているので、個々のコクリート製品の間
に現場にて可撓継手部を構成する場合に比べて、このよ
うな構成の付加を全て製造段階で完了することができ
る。
【0025】そして、コンクリート製品に製造時に多数
のインサートナット等を埋設しておく必要がないため、
型枠の構造が簡略となり、インサートナットの埋設位置
の間違いや誤差等によって製造ミスが発生する確率も低
くして、製造工数やコストの大巾な削減を図ることがで
きる。また、可撓継手部の製作が工場段階で完了し、現
場での作業を不要にできるため、現場での施工作業の迅
速、簡略化に大きく貢献し得るものとなる。さらに、1
つの可撓継手部を構成するためには、1つのコンクリー
ト製品のみに細工を凝らせばよいため、上記の作業を必
要最小限度にとどめることができる。その上、可撓継手
部の薄肉部が破断するまではコンクリート製品の内面側
に可撓性ジョイント材が表出しないようにしておくこと
ができるので、施工状態で良好な外観を構成することが
容易となる。
【0026】また、両製品構成部の外面間、内面間或い
は内外面間を仮止め部材によって連結しているので、こ
のボックスカルバートを移送する間、或いは現場に搬入
してから施工が完全に完了するまでの間に誘発目地に外
力が作用して薄肉部の意図しない破断を招くことを効果
的に防止することができる。また、クレーンで吊り上げ
る場合等の引っ掛け部を形成する場所としても活用する
ことができる。以上に加え、薄肉部に誘発目地を設ける
ようにすれば、地震や不同沈下等に対して可撓継手部が
機能すべきタイミングを容易かつ的確に設定することが
できる。
【0027】さらに、本発明の製造方法を採用すれば、
比較的簡易な前準備を行うだけで、コンクリート打設と
ともに上記の薄肉部及び可撓性ジョイント材からなる可
撓継手部を的確に構成することができる。さらにまた、
本発明の使用方法を採用すれば、施工完了後に地震や不
同沈下以外の原因、例えば車両の荷重等によって可撓継
手部の薄肉部が破断する事態を確実に防止することがで
きるため、可撓継手部の機能、ひいては製品の信頼性を
確実に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図。
【図2】同平面図。
【図3】同右側面図。
【図4】図2及び図3におけるIV−IV線断面図。
【図5】図4におけるV−V線拡大断面図。
【図6】図5に対応した製造時の工程説明図。
【図7】図5に対応した製造時の工程説明図。
【図8】同実施例の一使用状態を示す斜視図。
【図9】同実施例の一使用状態を示す斜視図。
【図10】本発明の他の実施例を示す斜視図。
【図11】同平面図。
【図12】同右側面図。
【図13】図11及び図12におけるXIII−XII
I線断面図。
【図14】図13におけるXIV−XIV線拡大断面
図。
【符号の説明】
A…コンクリート製品(ボックスカルバート) a1、a2…製品構成部(カルバート構成部) 5、6…端面 7…可撓継手部 9…誘発目地 10a…仮止め部材(外連結金具) 10b…仮止め部材(内連結金具) 71…薄肉部 72…可撓性ジョイント材(可撓ゴム) 74…取付部材(取付金具) 79…間隔保持材 100…板部材

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の端面と他方の端面の間に可撓継手部
    を設けてなるものであって、この可撓継手部が、両端面
    に略並行な薄肉部と、この薄肉部によって画される両側
    の製品構成部の間を橋絡する可撓性ジョイント材とを具
    備してなり、両製品構成部の外面間、内面間或いは内外
    面間を脱却可能な仮止め部材によって連結してなること
    を特徴とするコンクリート製品。
  2. 【請求項2】薄肉部に、その破断を誘う誘発目地を形成
    してなることを特徴とする請求項1記載のコンクリート
    製品。
  3. 【請求項3】一方の端面と他方の端面の間に可撓継手部
    を設けてなるものであって、この可撓継手部が、両端面
    に略並行な薄肉部と、この薄肉部によって画される両側
    の製品構成部の間を橋絡する可撓性ジョイント材とから
    構成され、前記可撓性ジョイント材が、製品構成部の内
    面側若しくは外面側に設けた凹溝内に横断面略コ字形と
    なるように、凹溝の外方端に近い部分を固定されている
    ことを特徴とするコンクリート製品。
  4. 【請求項4】一方の端面と他方の端面の間に、両端面に
    略並行な薄肉部と、この薄肉部によって画される両側の
    製品構成部の間を橋絡する可撓性ジョイント材とを具備
    する可撓継手部を設けてなるコンクリート製品を製造す
    るにあたり、コンクリート打設前に、両製品構成部の隣
    接位置に相当する部位にそれぞれ取付部材を配設し、こ
    れらの取付部材に両端をバックアップさせて可撓性ジョ
    イント材を位置づけるとともに、両取付部材の間に間隔
    保持材を挿入してこの間隔保持材の配設部分へコンクリ
    ートが回り込むことを禁止しておき、コンクリート打設
    及び脱型後、間隔保持材を除去した部位に薄肉部と可撓
    性ジョイント材からなる可撓継手部を形成するようにし
    ていることを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
  5. 【請求項5】一方の端面と他方の端面の間に、両端面に
    略並行な薄肉部と、この薄肉部によって画される両側の
    製品構成部の間を橋絡する可撓性ジョイント材とを具備
    する可撓継手部を設けてなる頂版を有したコンクリート
    製品を使用するにあたり、施工後、両製品構成部の頂版
    間に跨がって板部材を載設しておくようにしたことを特
    徴とするコンクリート製品の使用方法。
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