JP2839549B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JP2839549B2 JP12643189A JP12643189A JP2839549B2 JP 2839549 B2 JP2839549 B2 JP 2839549B2 JP 12643189 A JP12643189 A JP 12643189A JP 12643189 A JP12643189 A JP 12643189A JP 2839549 B2 JP2839549 B2 JP 2839549B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エンジンに対して正または負のトルクを与
える電気駆動手段と、これに対する通電制御手段と、複
数の制御パターンを有し通電制御手段を介して電気駆動
装置を制御する制御手段とを備えたエンジンの制御装置
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、例えば特公昭61−54949号公報に示されるよう
に、エンジンに対して正または負のトルクを与える電気
駆動手段としての本体と、これに対する通電制御手段を
含む電気回路とを備え、モータと発電機とに使い分ける
ことができるようにした電気装置が知られている。すな
わちこの装置は、クランク軸に取付けられた回転界磁極
と、これを励磁するフィールドコイルと、エンジン本体
に固定されステータコアおよびこれに巻かれた三相のス
テータコイルとで本体を構成するとともに、上記フィー
ルドコイルに対する通電を制御する回路と上記ステータ
コイルに対する通電を制御する回路とを備え、エンジン
始動時にはフィールドコイルおよびステータコイルに電
流が流されてモータ状態(スタータ)とされることによ
りエンジンにトルクを与え、始動後はステータコイルへ
の通電が停止されて発電機として使用されるようになっ
ている。上記のステータコイルに対する回路には、通電
制御手段としての複数のトランジスタが設けられ、電気
装置がモータ状態とされるときは、上記各トランジスタ
の切換動作により、ステータコイルの各層に流す電流が
制御されるようになっている。
なお、上記公報に開示された発明では、上記電気装置
を、エンジン始動時のみモータ状態にしてトルクを付与
し、始動後は発電機状態としているが、このような電気
装置をエンジン始動後にも運転状態に応じてトルク付与
状態に作動し、例えば発進時や加速時に、駆動力を助勢
するため、電気装置をモータ状態にしてエンジンに正の
トルクを与えるように制御したり、アイドル運転時等
に、エンジンのトルク変動を抑制するために、周期的に
正トルクと負トルクを与えるように電気装置の作動を制
御したりするものも考えられている。このようなトルク
付与についての複数種の制御を運転状態に応じて行なう
場合には、予め複数の制御パターンが設定され、運転状
態に応じて選択された制御パターンに従ってトルク付与
の制御が行なわれることとなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような電気駆動手段を用いて運転状態に応じて
トルク付与の制御を行なう場合、トルク付与動作中に、
ステータへの通電を制御する回路のトランジスタに流れ
る電流による発熱と放熱条件との関係でトランジスタの
温度が異常に上昇したり、電力消費によってバッテリ電
圧が異常に低下する等の、制御系統の異常が生じる場合
がある。このような場合に、トルク付与動作が規制され
ずに引き続き行なわれると、過度の温度上昇によってト
ランジスタの熱損、劣化を招いたり、バッテリが過放電
となったりする等のおそれがあるので、その対策が望ま
れる。
ところで、複数の制御パターンを有して運転手段に応
じた各種のトルク付与制御を行なう場合に、制御実行の
要求度合は制御の種類によって異なるため、上記対策を
図るにあたってこの点の考慮も要求される。
本発明はこのような事情に鑑み、制御実行の要求が高
いトルク付与制御についてはできるだけこれを制限しな
いようにつつ、トランジスタの温度上昇、バッテリ電圧
の低下等の異常状態の増大を抑制することができるエン
ジンの制御装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記のような目的を達成するため、請求項1に係る発
明は、エンジンに対して正または負のトルクを付与する
電気駆動手段と、この電気駆動手段に対する通電を制御
する通電制御手段と、上記電気駆動手段にこの通電制御
手段を介して接続されたバッテリと、この通電制御手段
を介して上記電気駆動手段を制御する制御手段とを備
え、上記制御手段はトルク付与について車両の発進時に
エンジンに対して正のトルクを付与する第1の制御パタ
ーンと車両の加速時にエンジンに対してて正のトルクを
付与する第2の制御パターンとを含む複数の制御パター
ンを有し、運転状態に応じて選択した制御パターンに従
って上記電気駆動手段を作動するようになっているエン
ジンの制御装置において、上記電気駆動手段の温度に基
づいてその温度が所定温度以上となる異常を検出する異
常検出手段と、上記温度が上記所定温度以上のときは上
記第2の制御パターンの実行を制限し、かつ、上記所定
温度より高い温度まで上記第1の制御パターンの実行を
許容する実行制限手段とを設けたものである。
上記実行制限手段による制限は、電気駆動手段をトル
ク付与状態に作動させる制御を停止するものでもよい
し、トルク付与を減少させるものでもよい。
また、上記電気駆動手段は発電機に兼用される構造と
し、実行制限手段は制御系統の異常の進行が所定以上と
なったときにすべての制御パターンの実行を禁止するよ
うに構成し、一方、すべての制御パターンの実行が禁止
された状態となる特定時に通電制御手段をバイパスして
電気駆動手段とバッテリとを接続するバイパス手段を設
けることが好ましい。
また、請求項3に係る発明は、エンジンに対して正ま
たは負のトルクを付与する電気駆動手段と、この電気駆
動手段に対する通電を制御する制御手段と、上記電気駆
動手段にこの通電制御手段を介して接続されたバッテリ
と、この通電制御手段を介して上記電気駆動手段を制御
する制御手段とを備え、上記制御手段はトルク付与につ
いて車両の発進時にエンジンに対して正のトルクを付与
する第1の制御パターンと車両の加速時にエンジンに対
して正のトルクを付与する第2の制御パターンとを含む
複数の制御パターンを有し、運転状態に応じて選択した
制御パターンに従って上記電気駆動手段を作動するよう
になっているエンジンの制御装置において、バッテリ電
圧に基づいてそのバッテリ電圧が所定電圧以下となる異
常を検出する異常検出手段と、上記バッテリ電圧が上記
所定電圧以下のときは上記第2の制御パターンの実行を
制限し、かつ、上記所定電圧より低いバッテリ電圧まで
上記第1の制御パターンの実行を許容する実行制限手段
とを設けたものである。
〔作用〕
上記の構成によると、電気駆動手段の温度が所定温度
以上となる異常時またはバッテリ電圧が所定電圧以下と
なる異常時に、第2の制御パターン(加速アシスト制
御)の実行が制限され、かつ、これより異常が進行する
状態まで第1の制御パターン(発進時アシスト制御)は
実行される。
また、上記電気駆動手段が発電機に兼用されるととも
に、異常の進行が所定以上となったときにすべての制御
パターンの実行が禁止されるようにした場合に、上記バ
イパス手段を設けておれば、通電制御手段に電流が流れ
ることが避けられつつ、バッテリへの充電が確保され
る。
〔実施例〕
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はエンジンの制御装置全体の概略を示し、この
図において、1はエンジン、2はエンジン1の出力軸に
クラッチを介して接続された変速機、3は発電機とモー
タとを兼ねる電気装置である。この電気装置3は、エン
ジンに対して正または負のトルクを与える電気駆動手段
としての本体30と、これに接続された主回路部4および
界磁コントローラ5により構成されている。後に詳述す
るように、上記電気装置本体30は、フィールドコア31、
フィールドコイル32、ポールコア33a,33b、ステータコ
ア34、ステータコイル35等からなっている。また、主回
路部4および界磁コントローラ5は、それぞれ上記ステ
ータコイル35に対する通電およびフィールドコイル32に
対する通電を制御するものである。上記主回路部4に
は、トルク付与動作が行なわれるときにステータコイル
35に対する通電を制御する通電制御手段として、後述の
インバータ用および昇圧チョッパ用の複数のトランジス
タが組込まれ、実施例ではこれらトランジスタとしてMO
S・FET40a〜40f,45a,45bが用いられている。そして、こ
の電気装置3がコントロールユニット(ECU)6により
制御されて発電機とモータとに使い分けられるようにな
っている。
上記コントロールユニット6および主回路部4、イグ
ニッションスイッチ7aおよびスタータスイッチ7bを含む
キースイッチ7とリレー8とが組込まれた回路を介し、
バッテリ9に接続されている。
上記コントロールユニット6には、エンジンのクラン
ク角の基準位置を検出する基準位置センサ11および1゜
CA(CAはクランク角を意味する)毎のクランク角変化を
検出する角度センサ12からの各信号が増幅器13を介して
入力されるとともに、エンジン1の吸気通路14に設けら
れたスロットル弁15の開度を検出するスロットル開度セ
ンサ16、クラッチの断続を検出するクラッチスイッチ1
7、変速機のニュートラル状態を検出するニュートラル
スイッチ18、スタータスイッチ7b等からの各信号も入力
されている。
さらに、主回路部4のトランジスタの温度に関連した
温度を検出する温度センサ19からの信号もコントロール
ユニット6に入力されている。上記温度センサ19は、主
回路部4を構成するユニット内の、昇圧チョッパ用のMO
S・FET45a,45bに近接した位置に設けられている。この
ように温度検出位置を定めているのは、後述の第3図に
示すような回路構成による場合に、インバータには3対
のMOS・FET40a〜40fが並列に設けられて電流が分散され
るのに対し、昇圧チョッパ用のMOS・FET45a,45bには集
中的に電流が流れることから、インバータ用のMOS・FET
40a〜40fよりも昇温チョッパ用のMOS・FET45a,45bの方
が温度上昇し易いためである。なお、21,22は主回路部
4を構成するユニットを冷却するための冷却水通路の流
入側および流出側のパイプである。
上記コントロールユニット6には、トルク付与につい
て、車両の発進時にエンジンに対して正のトルクを付与
する第1の制御パターン(発進時アシスト制御)と車両
の加速時にエンジンに対して正のトルクを付与する第2
の制御パターン(加速アシスト制御)とを含む複数の制
御パターンを有し、運転状態に応じて選択した制御パタ
ーンに従って電気装置3を作動する制御手段25と、電気
駆動手段の温度が所定温度以上となる異常や、バッテリ
電圧が所定電圧以下となる異常を検出する異常検出手段
26と、異常が発生したときに、予め設定した優先順位に
基づき、優先順位の低い制御パターンからその実行を制
限して、異常の進行につれて優先順位の高い制御パター
ンの実行を制限する実行制限手段27とが含まれている。
上記異常検出手段26は、温度センサ19からの信号および
バッテリ電圧を調べて温度の異常上昇およびバッテリ電
圧の異常低下を検出し、実行制限手段27は上記温度の異
常上昇およびバッテリ電圧の異常低下のそれぞれに応じ
て上記制限を行う。この場合に、上記温度が上記所定温
度以上のときは上記第2の制御パターンの実行を制限
し、かつ、上記所定温度より高い温度まで上記第1の制
御パターンの実行を許容する。また、上記バッテリ電圧
が上記所定電圧以下のときは上記第2の制御パターンの
実行を制限し、かつ、上記所定電圧より低いバッテリ電
圧まで上記第1の制御パターンの実行を許容するように
なっている。
第2図は上記電気装置本体30の構造の具体例を示して
いる。この図において、エンジンの出力軸1aに取付けら
れたフライホイール36の外周縁部には等間隔の爪部を有
するポールコア33aが設けられ、このポールコア33aにこ
れと同数の爪部を有するもう一方のポールコア33bが非
磁性体を介して結合され、これらポールコア33a,33bに
より回転界磁極が構成されている。ポールコア33a,33b
の径方向内側には、これを励磁するためのフィールドコ
イル32が配置され、このフィールドコイル32は、エンジ
ン本体1bに固定されたフィールドコア31に取付けられて
いる。また、ポールコア33a,33bの径方向外側には、支
持枠を介してエンジン本体1bに固定されたステータコア
34がポールコア33a,33bに対向するように配置され、こ
のステータコア34に、三相(U,V,W相)の分布巻にした
ステータコイル35が取付けられている。
この電気装置本体30は、フィールドコイル32に電流が
流されると、ポールコア33a,33bが励磁されてS極とN
極とが交互に並ぶ状態となり、この状態でステータコイ
ル35に、ポールコア33a,33bによる磁界に対してπ/2位
相差をもった磁界を生じさせるように制御された電流が
流されたときにモータとして働き、また、ステータコイ
ル35への通電が切られたときにはポールコア33a,33bの
回転に伴ってステータコイル35に誘導起電流が発生する
ことにより発電機(オルタネータ)として働く。
第3図は電気装置3の主回路部4および界磁コントロ
ーラ5の回路構成を示し、上記主回路部4はインバータ
4aおよび昇圧チョッパ4bを含んでいる。
上記インバータ4aは6個のMOS・FET40a〜40fと6個の
ダイオード41a〜41fとを有し、MOS・FET40aと40b、同40
cと40d、同40eと40fがそれぞれ対となってこれら3対が
互いに並列に昇圧チョッパ4bを介してバッテリ9に接続
されるとともに、各対のMOS・FET間が電気装置本体3の
ステータコイルのU,V,W各相端子に接続され、かつ、各M
OS・FET40a〜40fと各々並列にダイオード41a〜41fが接
続されている。そして、電気装置3がモータとして使用
されるときは、ゲートアンプ42,43,44に与えられる信号
(U1,U2,V1,V2,W1,W2)に応じたゲート電圧により、MOS
・FET40a〜40fの導通状態が制御され、U,V,W各相の電流
が制御される。一方、発電機として使用されるときは、
上記各MOS・FET40a〜40fがオフ(非導通)に保たれ、ス
テータに生じる誘電起電流がダイオード41a〜41fで整流
されてバッテリ9に充電されるようになっている。
上記昇圧チョッパ4bは、一対のMOS・FET45a,45bと、
その各々と並列に接続されたダイオード46a,46bを有
し、MOS・FET45a,45b間がリアクトル47を介してバッテ
リ9に接続されており、さらに昇圧チョッパ4bには平滑
コンデンサ48が接続されている。そして、電気装置3が
モータとして使用されるときに、ゲートアンプ49に与え
られる信号(C1,C2)に応じたゲート電圧によりMOS・FE
T45a,45bの導通状態が制御されることにより、バッテリ
電圧が所定電圧VC(例えば33V)にまで昇温されるよう
になっている。
上記各ゲートアンプ42〜44,49は入力がLレベルのと
き通電される。
さらにこの主回路部4に対し、昇温チョッパ4bをバイ
パスしてインバータ4aとバッテリ9とを接続するバイパ
スライン4cと、このバイパスライン4cを断続するリレー
4dとが設けられ、通常時はバイパスライン4cがオフとさ
れ、コントロールユニット6からの信号(R)に応じて
リレー4dが作動したときにバイパスライン4cがオンとな
る。これらバイパスライン4cおよびリレー4dにより、後
述の特定時に通電制御手段をバイパスして電気装置本体
30とバッテリ9とを接続するバイパス手段が構成され
る。つまり、前記のように発電機状態ではインバータ4a
のMOS・FET40a〜40fがオフとされるが、この状態での特
定時にはさらに昇圧チョッパ4bのMOS・FET45a,45bもオ
フとされるとともに上記バイパスライン4dがオンされる
ことにより、通電制御手段としての各MOS・FETをバイパ
スして電気装置本体30とバッテリ9とが接続される状態
となるようにしている。
また、界磁コントローラ5は、電気装置本体30のフィ
ールドコイル32に接続されるトランジスタ51およびダイ
オード52と、トランジスタ51のベースに接続されたベー
スアンプ53とを備え、ベースアンプ53に与えられる信号
(F)に応じてフィールド電流をコントロールするよう
になっている。上記ベースアンプ53は入力がHレベルの
とき通電される。
第4図はコントロールユニット6の内部構成を示して
いる。このコントロールユニット6は、CPU61と、メモ
リとしてのROM62およびRAM63と、各種入力を処理するた
めの波形整形器64、ディジタルバッファー65、入力ポー
ト66、アナログバッファー67およびA/D変換器68と、時
刻計測用のフリーランニングカウンタ(FRC)69と、第
1乃至第7のプログラムタイマ(PTM1〜PTM7タイマ)71
〜77と、出力ポート78,79と、出力バッファー80とを備
えている。
基準位置センサ11および角度センサ12からの各信号は
上記波形整形器64により整形され、その基準位置信号G
および角度信号NEはそれぞれインタラプト信号としてCP
U61に送られる。第5図に示すように、上記基準位置信
号Gは4サイクルエンジンの1サイクルである720゜CA
毎に、例えば特定気筒のATDC9.5゜CAで与えられ、また
上記角度信号NEは1゜CA毎に与えられるようになってい
る。
スタータスイッチ7b、クラッチスイッチ17、およびニ
ュートラルスイッチ18からディジタルバッファー65を経
た各信号ST,CU,NTは入力ポート66によって入力される。
また、スロットル開度センサ16によって検出されるスロ
ットル開度センサ16によって検出されるスロットル開度
TA、温度センサ19によって検出されるMOS・FETの温度
(以下、素子温度という)Tmos、昇圧チョッパ4bの昇圧
電圧VCおよびバッテリ電圧VBはアナログバッファー67を
経てA/D変換器68によりディジタル信号に変換され、入
力される。
上記主回路部4のインバータ4aを制御する信号(U1,U
2,V1,V2,W1,W2)は、PTM1〜PTM6タイマ71〜76から出力
バッファー80を介して出力される。これらのタイマ71〜
76は、そのゲートが出力ポート78のP2ポートに接続さ
れ、第6図のように、P2ポートの信号が「0」から
「1」に切換わったときに出力がLレベルに切換わっ
て、セットされた時間(ACxn)だけLレベルを保ち、上
記インバータ4aの各トランジスタ40a〜40fに対してゲー
トアンプ42〜44を通電状態とする。
主回路部4の昇圧チョッパ4bを制御する信号(C1,C
2)は、出力ポート79のP5ポートおよびPTM7タイマ77か
ら出力バッファ−80を介して出力される。上記タイマ77
は、そのゲートが出力ポート78のP4ポートに接続され、
第7図のように、P4ポートの信号が「0」から「1」に
切換わったときに出力がLレベルに切換わって、セット
された時間(1ms×DC)だけLレベルを保ち、昇圧チョ
ッパ4bのゲートアンプ40を通電状態とする。また、バイ
パスライン4cのリレー4dを制御する信号(R)は、出力
ポート79のP6ポートから出力バッファー80を介して出力
される。
界磁コントローラ5を制御する信号(F)は、出力ポ
ート78のP1ポートから出力バッファー80を介して出力さ
れる。
第8図乃至第10図は上記のようなハード構成の装置に
よる制御の具体例を、フローチャートで示しており、こ
の具体例を以下に説明する。なお、フローチャートに示
した具体例は6気筒エンジンを対象としたものである。
フローチャートに示す制御全体の概略 この具体例では、エンジン始動時に上記電気装置3を
スタータとして用いる。また、エンジン始動後に運転状
態に応じて各種のトルク付与制御を行うための複数の制
御パターンとして、発進特および加速時にはそれぞれ電
気装置3をモータ状態として正の駆動トルクを付与する
発進時アシスト制御および加速アシスト制御、低回転低
負荷等の所定運転状態のときにエンジンのトルク変動に
対してこれを抑制するように電気装置3を周期的に正ト
ルク付与状態と負トルク付与状態とに切換えるトルクリ
ップル制御(トルク変動抑制用制御)の各制御パターン
(制御モード)を有し、各制御についての実行条件が満
足されたときに制御パターンを選択して実行する。これ
らの場合以外は電気装置3を発電機として用いるように
している。
また、実行条件制限手段27としての処理は次のように
行う。
すなわち、上記発進時アシスト制御、加速アシスト制
御およびトルクリップル制御を、それぞれ、素子温度Tm
osが設定温度以上となったとき、およびバッテリ電圧VB
が設定電圧以下となったときに禁止する。この場合に、
第11図のように、制御実行の優先順位を定め、素子温度
上昇またはバッテリ電圧低下の進行に応じて優先順位の
低いものから制御の実行を禁止するようにしている。つ
まり、優先順位をトルクリップル制御、発進時アシスト
制御、加速アシスト制御の順とし、素子温度Tmosの上昇
に対しては、[T1<T2<T3]という条件として、第1設
定温度T1以上で加速アシスト制御を禁止し、第2設定温
度T2以上で発進時アシスト制御を禁止し、第3設定温度
T3以上でトルクリップルを禁止するようにし、またバッ
テリ電圧VBの低下に対しては、[V1>V2>V3]という条
件として、第1設定電圧V1以下で加速アシスト制御を禁
止し、第2設定電圧V2以下で発進時アシスト制御を禁止
し、第3設定電圧V3以下でトルクリップルを禁止するよ
うにしている。また、素子温度Tmosが第3制定温度T3
りもさらに高い第4設定温度T4以上となったときは、リ
レー4dを作用させてバイパスライン4cをオフからオンに
切換えるようにしている。
また、素子温度Tmosが設定温度より低い範囲およびバ
ッテリ電圧VBが設定電圧より高い範囲では、素子温度Tm
osが上昇するにつれ、あるいはバッテリ電圧VBが低下す
るにつれ、発進時アシスト制御および加速アシスト制御
についてはその制御時間を短くし、トルクリップル制御
については制御トルクを小さくする。このようにするた
め、素子温度Tmosに応じた補正係数Ktおよびバッテリ電
圧VBに応じた補正係数Kvを設定しており、第12図(a)
(b)のように補正係数Ktは素子温度が高くなる程小さ
な値とし、補正係数Kvはバッテリ電圧が低くなる程小さ
な値としている。さらに、素子温度上昇率に応じた補正
係数Ksを設定しており、この補正係数Ksは第12図(c)
のように素子温度上昇率が大きくなる程小さな値として
いる。
バックグラウンドルーチン概略 第8図(a)(b)は一連のバックグラウンドルーチ
ンであり、このバックグラウンドルーチンにおいては、
スタートすると、先ずステップS1でシステムのイニシャ
ライズを行なう。この際、出力ポートにおけるP1,P2,P4
ポートを「0」、P5ポートを「1」とする。次にステッ
プS2で、後述のインタラプトルーチンで求められたTDC
周期TTからエンジン回転数Nenを[Nen=20/TT]と計算
し、ステップS3〜S6で素子温度Tmos、バッテリ電圧VB、
スロットル開度TAおよびスタータスイッチ信号STを入力
する。
続いてステップS7,S8でエンジン始動中かどうかを調
べ、始動中である場合は後述のようにステップS9,S10で
始動用のモードセットおよびトルク設定を行なう。
エンジン始動中でなければ、今回の素子温度Tmosと前
回の素子温度TmosBとの差による素子温度上昇率ΔTmos
の計算(ステップS11)、前回素子温度TmosBの更新(ス
テップS12)、今回のスロットル開度TAと前回のスロッ
トル開度TABとの差によるスロットル開度変化率ΔTAの
計算(ステップS13)、前回スロットル開度の更新(ス
テップS14)、クラッチスイッチ信号CUおよびニュート
ラルスイッチ信号NTの入力(ステップS15,S16)を順次
行なう。
そして、上記のステップS2〜S6およびSS11〜S6の処理
で計算もしくは入力された各種要素に基づき、後述のよ
うにステップS17〜S60で、素子温度が第4設定温度以上
に極めて高くなった場合と、発進アシスト制御を行なう
べき状態の場合と、加速アシスト制御を行なうべき状態
の場合と、トルクリップル制御を行なうべき状態の場合
と、その他の場合とを区別して、それぞれの場合に応じ
た制御条件の設定、モードセット等の処理を行なう。
このようなエンジン始動中もしくはエンジン始動後の
各種場合に応じた処理(ただし素子温度が第4設定値以
上に高くなった場合の処理を除く)に続いては、後述の
ように、ステップS61〜S71で昇圧チョッパ制御等の処理
を行ない、それからステップS2に戻る。
なお、上記の各種場合に応じたモードセットはモード
フラグFmodeによって行なう。このモードフラグFmode
「0」がスタータモード、「1」がトルクリップル制御
モード、「2」が発電機モード、「3」が加速アシスト
制御モード、「4」が発進時アシスト制御モードを示
す。
バックグラウンドルーチンでのエンジン始動中の処理 上記のステップS7,S8においてスタータスイッチ7bが
オンでかつエンジン低回転(Nen<400rpm)であると判
定したときは、エンジン始動中である。この場合は、ス
テップS9でモードフラグFmodeを「0」とすることによ
ってモードをスタータにセットするとともに、ステップ
S10で制御トルクCTをエンジン始動用の値CTSに設定し、
それからステップS61以降の昇圧チョッパ制御等の処理
に移る。
バックグラウンドルーチンでの、素子温度が第4設定温
度以上の場合の処理 ステップS7またはステップS8の判定がNOとなるエンジ
ン始動後において、ステップS11〜S16に続くステップS1
7では、素子温度Tmosが第4設定温度T4より低いか否か
を判定する。この判定がNOのときは、ステップS18で、
インバータ4aのゲートアンプ42〜44を通電停止状態とす
ることによりインバータ4aの作動を停止し、さらにステ
ップS19で、昇圧チョッパ4bのゲートアンプ49を通電停
止状態とすることにより昇圧チョッパのMOS・FET45a,45
bをオフとするとともに、ステップS20で、リレー4dを作
動させることによりバイパスライン4cをオンとする。そ
して、ステップS21でモードを発電機にセット(Fmode=
2)し、それからステップS2に戻る。
つまり、素子温度Tmosが第4設定値以上のときは、発
進時トルクアシスト制御、加速アシスト制御、トルクリ
ップル制御のすべてを停止して電気装置3を発電機状態
とする上に、ステップS19,20の処理により、バイパスラ
イン4cを通して充電が行なわれる状態にする。
バックグラウンドルーチンでの発進時アシスト制御につ
いての条件判定とそれに応じた処理 上記ステップS17の判定がYESのときは、ステップS22
で素子温度Tmosが第2設定温度T2より低いか否かを調
べ、その判定がYESの時はステップS23でバッテリ電圧VB
が第2設定電圧V2より高いか否かを調べる。そして、素
子温度Tmosが第2設定温度T2以上(ステップS22の判定
がNO)のとき、あるいはバッテリ電圧VBが第2設定電圧
V2以下(ステップS23の判定がNO)のときは、ステップS
24〜S54を飛ばしてステップS55以降(トルクリップル制
御判定等)の処理に移ることにより、発進時アシスト制
御および加速アシスト制御を禁止する。
ステップS22,S23の各判定がYESのときは、ステップS2
4でニュートラルか否かを調べ、その判定がNOのときは
ステップS25でクラッチ断か否かを判定する。そしてニ
ュートラルの場合やクラッチ断の場合、つまりエンジン
から車両側へ駆動力が伝達されていない状態のときに
も、不必要にエンジン回転数が上昇することを避けるた
め、発進時アシスト制御および加速アシスト制御を行な
わずにステップS55以降の処理に移る。但し、発進準備
状態に該当するような非ニュートラルかつクラッチ断
(ステップS24を判定がNOでステップS25の判定がYES)
のときは、ステップS26で発進判定のためのフラグFstを
「1」とした上でステップS55以降処理に移る。
ステップS24,S25での各判定がNO(駆動力伝達状態)
となったときは、ステップS27でモードフラグFmodeが
「4」か否かを調べ、その判定がNOのときはステップS2
8で上記フラグFstが「0」か否かを調べる。発進時には
上記発進王準備状態とされてからクラッチが接続される
ので上記ステップS28での判定がNOとなり、この場合、
ステップS29〜S33で、最初はタイマTMCに初期値TMCOを
セットしてから、また初期値セット後はタイマTMCこれ
をディクリメントしてTMC>0のときに、エンジン回転
数Nenが500rpmより低いか否かを調べる。つまり、発進
に該当する状態となってから所定時間内にエンジンが低
速回転となったか否かを調べる。ステップS33の判定がN
Oのときは、ステップS55以降のトルクリップル制御判定
等の処理に移る。
ステップS3の判定がYESとなったときは、発進時アシ
スト制御開始のための初期設定として、ステップS34で
発進時トルクアシスト制御時間を決めるタイマTMBを所
定の基準値TMBOに初期化し、さらにステップS35で、素
子温度Tmosおよびバッテリ電圧VBに応じてマップ(第12
図(a)(b))から求めた補正係数Kt,Kvにより、ア
シスト時間を[TMB=Kt×Kv×TMB]と補正する。さら
に、ステップS36でモードを発進時アシスト制御にセッ
ト(Fmode=4)し、ステップS37で制御トルクCTを発進
時アシスト制御用の所定の正の値CTBに設定し、ステッ
プS38で発進判定のためのフラグFstを「0」としてか
ら、ステップS61以降の昇圧チョッパ制御等の処理に移
る。
このような初期設定後の発進時アシスト制御中は、ス
テップS27の判定がYESとなる。この場合は、ステップS3
9で、素子温度上昇率ΔTmosに応じてマップ(第12図
(c))から求めた補正係数Ksにより、アシスト時間を
[TMB=Ks×TMB]と補正する。そしてステップS40,41で
タイマTMBをディクリメントしてその値が「0」より大
か否かを調べ、その判定がYESのとき(アシスト時間
中)は、モードフラグFmodeおよび制御トルクCTを上記
のステップS36,S37で設定した値に保ったまま、ステッ
プS61以降の昇圧チョッパ制御等の処理に移る。つま
り、発進時アシスト制御モードへ以降した後は、アシス
ト時間を素子温度上昇率で補正しつつ、アシスト時間が
経過するまで発進時アシスト制御状態を維持する。
アシスト時間が経過してステップS41の判定がNOとな
ったときはステップS55以降のトルクリップル制御判定
等の処理に移る。
なお、発進に該当する状態となってから所定時間が経
過するまでの間にエンジン回転数が500rpmより低くなら
なかった場合はステップS32の判定がNOとなり、この場
合はステップS42で発進判定のためのフラグFstを「0」
とする。この場合と、ステップS28で[Fst=0]である
と判定した場合は、次に説明する加速アシスト制御条件
判定の処理に移る。
バックグラウンドルーチンでの加速アシスト制御につい
ての条件判定とそれに応じた処理 上記ステップS28でのNOの判定もしくはステップS42に
続いては、加速アシスト制御条件判定のための処理とし
て、ステップS43で素子温度Tmosが第1設定温度T1より
低いか否かを調べ、その判定がYESの時はステップS44で
バッテリ電圧VBが第1設定電圧V1より高いか否かを調べ
る。そして、素子温度Tmosが第1設定温度T1以上(ステ
ップS43の判定がNO)のとき、あるいはバッテリ電圧VB
が第1設定電圧V1以下(ステップS44の判定がNO)のと
きは、ステップS45〜S54を飛ばしてステップS55以降
(トルクリップル制御判定等)の処理に移ることによ
り、加速アシスト制御を禁止する。
ステップS43,44の各判定がYESのときは、ステップS45
で、スロットル開度変化率ΔTAを調べることにより加速
が行なわれたか否かを調べる。
ステップS45の判定がYESとなる加速操作時には、ステ
ップS46でモードフラグFmodeが「3」か否か、つまり既
に加速アシスト制御モードとなっているか否かを調べ
る。ステップS46の判定がNOのときは、加速アシスト制
御開始のための初期設定として、ステップS47で加速ア
シスト制御時間を決める加速アシストタイマTMAを所定
の基本値TMAOに初期化し、さらにステップS48で、素子
温度Tmosおよびバッテリ電圧VBに応じてマップ(第12図
(a)(b))から求めた補正係数Kt,Kvにより、アシ
スト時間を[TMA=Kt×Kv×TMA]と補正する。さらに、
ステップS49でモードを加速アシスト制御にセット(Fmo
de=3)するとともに、ステップS50で制御トルクCTを
加速アシスト制御用の所定の正の値CTAに設定する。そ
れから、ステップS61以降の昇圧チョッパ制御等の処理
に移る。
上記ステップS46で既に加速アシスト制御モードにな
っていると判定したとき、あるいは加速操作後にステッ
プS51で加速アシスト制御モード(Fmode=3)と判定し
たときは、ステップS52で素子温度上昇率ΔTmosに応じ
てマップ(第12図(c))から求めた補正係数Ksによ
り、アシスト時間を[TMA=Ks×TMA]と補正する。そし
てステップS53,S54で加速アシストタイマTMAをディクリ
メントしてこのタイマTMAが0より大か否かを調べ、そ
の判定がYESのとき(加速アシスト制御時間中)は、モ
ードフラグFmodeおよび制御トルクCTを上記のステップS
49,S50で設定した値に保ったまま、ステップS61以降の
昇圧チョッパ制御等の処理に移る。つまり、加速アシス
ト制御モードへ移行してからの加速操作中や加速操作後
は、加速アシスト制御時間を素子温度上昇率で補正しつ
つ、加速アシスト制御時間が経過するまで加速アシスト
制御状態を維持する。
なお、ステップS54で加速アシスト制御時間が経過し
たことを判定した場合は加速アシスト制御を停止し、次
に説明するトルクリップル制御条件判定の処理に移る。
バックグラウンドルーチンでのトルクリップル制御につ
いての条件判定とそれに応じた処理 ステップS22〜S25のいずれかでのNOの判定、ステップ
S33でのNOの判定、ステップS41でのNOの判定ステップS4
3,S44でのNOの判定たはステップS54でのNOの判定があっ
た場合は、トルクリップル制御条件判定のための処理を
行なう。この処理としては、ステップS55で素子温度Tmo
sが第3設定温度T3より低いか否かを調べ、その判定がY
ESの時はステップS56でバッテリ電圧VBが第3設定電圧V
3より高いか否かを調べ、その判定がYESであればステッ
プS57でスロットル開度TAが所定値(例えば30%)より
低開度か否かを調べ、その判定がYESであればステップS
58でエンジン回転数Nenが所定値(例えば2000rpm)より
低回転か否かを調べる。
ステップS55またはステップS56の判定がNOのとき、つ
まり素子温度Tmosが第3設定温度T3以上あるいはバッテ
リ電圧VBが第3設定電圧V3以下のときは、トルクリップ
ル制御モードとせずに後記のステップS60に移ることに
より、トルクリップル制御を禁止する。また、ステップ
S57またはステップS58の判定がNOのときは、運転状態が
トルクリップル制御を行なうべき領域にないので、この
場合もステップS60に移る。
ステップS55〜58の各判定がYESのとは、ステップS59
でモードをトルクリップル制御にセット(Fmode=1)
し、それからステップS61以降の昇圧チョッパ制御等の
処理に移る。
バックグラウンドルーチンでの通常の発電機状態とする
ときの処理 ステップS55〜S58による判定が行なわれる場合であっ
て、そのいずれかでの判定がNOとなる場合は、エンジン
始動後で、素子温度Tmosが第4設定温度より低い状態に
おいて、発進時アシスト制御、加速アシスト制御および
トルクリップル制御のいずれをも行なわないことを意味
する。この場合は、ステップS60でモードを発電機にセ
ット(Fmode=2)し、それからステップS34以降の処理
に移る。
バックグラウンドルーチンにおける昇圧チョッパ制御等
の処理 素子温度Tmosが第4設定温度T4以上の場合を除く上記
の各種場合に応じた処理に続いて、ステップS61,S62で
は、バックグラウンドルーチンを1ms毎に繰返すように
するため、FRC69から読込んだ現在時刻TB1と前回時刻TB
2との差を調べて1ms経過するまで待つ。それから、ステ
ップS63で前回時刻TB2を更新する。続いてステップS64
で、モードフラグFmodeが「2」か否かを調べる。
ステップS64の判定がNO(発電機モード以外)のとき
は、昇圧チョッパbを作動させて昇圧電圧VCを設定値
(33V)とするため、ステップS65〜S68で、昇圧電圧VC
が設定値と比べて小か大か等しいかに応じて昇圧チョッ
パ制御用デューテイDCを一定値ΔDCだけ増加もしくは減
少またはそのままとし、ステップS69,S70でPTM7タイマ
に[DC×1ms]をセットするとともに昇圧チョッパ4bの
作動(P4ポートの「0」「1」信号切替)を行なわせ
る。それからステップS2に戻る。
ステップS64で発電機モード(Fmode=2)と判定した
場合は、ステップS71で昇圧チョッパ4bを発電時用電流
流通状態に保持し、つまり昇圧チョッパ4bのMOS・FET45
aがオンでMOS・FET45aがオフに保たれる状態(P4ポート
を「0」、P5ポートを「0」)と、それからステップS2
に戻る。なお、ステップS71を通るのは前記のステップ1
S60で発電機モードとされた場合に限られ、前記のステ
ップS21で発電機モードとされた場合はステップS71を通
らない。
インタラプトルーチン 第9図は第1インタラプトルーチンであって、基準位
置信号G毎にスタートする。このルーチンでは、ステッ
プS80で角度信号のカウンタCNEをクリアしてリターンす
る。
第10図は第2インタラプトルーチンであって、角度信
号NE(1゜CA)毎にスタートする。このルーチンでは、
先ずステップS81でFRC69から角度信号NEの割込時刻TNE1
を読込み、ステップS82で今回の割込時刻TNE1と前回の
割込時刻TNE3との差によって角度信号NEの周期ΔTを計
算し、ステップS83で前回の割込時刻TNE3を更新する。
続いてステップS84でカウンタCNEの値を調べることによ
って120゜CA経過か否かを調べる。
この判定に基づき、120゜CAおきの各気筒のATDC10゜C
A毎に、ステップS85で今回割込時刻TNE1と前回ATDC10゜
CAの割込時刻TNE2との差によりTDC周期TTを計算し、ス
テップS86で前回ATDC10゜CAの割込時刻TNE2を更新す
る。それからステップS87に移る。ステップ84での判定
がNOのときはそのままステップS87に移る。
ステップ87では角度信号NEのカウンタCNEをカウント
アップする。次にステップS88で、モードフラグFmodeが
「1」であるか、「2」であるか、それ以外(「0」,
「3」,「4」のいずれか)であるかを判別する。
上記ステップS88でスタータモード(Fmode=0)、加
速アシスト制御モード(Fmode=3)、発進時アシスト
制御モード(Fmode=4)のいずれかであることを判定
した場合は、ステップS89でフィールド電流を通電状態
(P1ポートを「1])に保つとともに、ステップS90
で、カウンタCNEの値とバックグラウンドルーチンのス
テップS10,S37,S50のいずれかで設定した制御トルクCT
の値とに応じ、電気装置3のインバータ4aにおける各相
の通電角度(AACxn)をマップから計算する。そしてス
テップS91で通電角度AADxnを通電時間ACxnに変換(ACxn
=AACxn×ΔT)し、ステップS92で各通電時間ACxnをPT
N1〜PTN6タイマにセットし、ステップS93でインバータ4
aを再始動(P2ポートの「0」「1」信号切換)してか
ら、リターンする。これによって電気装置3がモータ状
態とされるともに、設定された制御トルクCTが得られる
ようにステータ電流が制御される。
ステップS88でトルクリップル制御(Fmode=1)であ
ることを判定した場合は、ステップS94でクランク角
(カウンタCNEの値)に応じてテーブルから制御トルクC
Tを計算する。この場合の制御トルクCTは、エンジンの
トルク変動を抑制するような所定の特性で正の値と負の
値とにわたって周期的に変動すように、予めクランク角
に対応づけて設定され、テーブルとして記憶されてい
る。さらにステップS95で、素子温度Tmosおよびバッテ
リ電圧VBに応じてマップから求めた補正係数Kt,Kvによ
り、制御トルクCTを[CT=Kt×Kv×CT]と補正する。そ
こからステップS89〜S93の処理を行なう。従ってこの場
合も電気装置3はモータ状態とされるが、制御トルクが
正の値と負の値とに変えられることにより、電気装置3
からエンジン出力軸に加えられるトルクの方向が変えら
れる。
ステップS88で発電機モード(Fmode=2)であること
を判定した場合は、ステップS96〜S98で、バッテリ電圧
VBが基準値(14.7V)より大か小か等しいかに応じてフ
ィールド電流をカット(P1ポートを「0」)、通電(P1
ポートを「1])またはそのままの状態としてからリタ
ーンする。
制御の具体例による作用 上記のフローチャートに示した具体例によると、上記
電気装置3が、スタータとしての使用および通常の発電
機としての使用のほかに、運転状態に応じて各種の場合
にモータ状態とされ、選択された制御パターンに従って
電気装置本体30からエンジンにトルクが与えられる。
すなわち、発進時において、所定時間内にエンジン回
転数が500rpmより低い状態となった場合に、その状態と
なってからの発進時アシスト制御時間中は、バックグラ
ウンドルーチンのステップS36,37の処理とそれに応じた
第2インタラプトルーチンのステップS89〜S93の処理に
より、正のトルクがエンジンに与えられる。従って、発
進時のクラッチミートが良好でないような場合でもエン
ジンストールが防止される。また、走行状態において加
速操作が行なわれてからの加速アシスト制御時間中は、
バックグラウンドルーチンのステップS49,S50の処理と
それに応じた第2インタラプトルーチンのステップS89
〜S93の処理により、電気装置3がモータ状態となるよ
うに制御されて正のトルクがエンジンに与えられ、加速
性が高められる。また、低負荷低回転の運転領域では、
バックグラウンドルーチンのステップS59によるモード
セットに応じたインタラプトルーチンのステップS94,S9
5およびステップS89〜S93の処理により、エンジンに与
えられるトルクが、エンジンのトルク変動を打消す方向
に作用するように、クランク角に応じて周期的に正の値
と負の値とにわたって変えられ、エンジンのトルク変動
が抑制される。
ところで、上記のようなトルク付与動作が行なわれて
いるときは、インバータ4aおよび昇圧チョッパ4bの各MO
S・FET40a〜40f,45a,45bに電流が流れ、この状態におい
て、電流量や冷却系統、外気温度等によっては、素子温
度Tmosが異常に高くなることがある。また、トルク付与
動作による電力消費に伴ってバッテリ電圧VBが異常に低
くなることもある。これらの異常があったときに、実行
制限手段27としての処理により、次のような異常の進行
度合に応じて制御パターンの実行が制限される。
素子温度Tmosが上昇する異常に対しては、ステップS2
2、ステップS43、ステップS55の各判定に応じた処理に
より、発進時アシスト制御、加速アシスト制御、トルク
リップル制御の各制御につき、それぞれ設定温度T2,T1,
T3以上に素子温度Tmosが高くなったときに、その制御パ
ターンの実行が禁止される。この場合、いうまでもなく
設定温度はMOS・FETが熱損する温度より低く設定してお
くが、さらに、前述のように制御実行の優先順位を定め
てそれぞれの設定温度を異ならせていることにより、異
常の増大が抑制されつつ、必要性の高い制御はできる限
り実行される。すなわち、発生時や加速時の出力は運転
者によるアクセル操作等によって調整できるが、エンジ
ントルク変動は運転者による操作で抑制することは困難
なため、発進時アシスト制御および加速アシスト制御よ
りもトルクリップル制御の方が必要性が高い。このた
め、発進時アシスト制御および加速アシスト制御につい
ては温度上昇抑制重視の観点から余裕を見て比較的低い
温度から実行が禁止されるが、トルクリップル制御につ
いてはMOS・FETの熱損が生じない範囲で比較的高い温度
まで実行が許容される。
トルク付与状態とする制御パターンのすべての実行が
禁止されたときは、電気装置3が発電機状態とされ、通
常の発電機状態では昇圧チョッパ4bのMOS・FET45aを通
して充電が行なわれる。この状態でもモータ状態と比べ
れば素子温度Tmosの上昇が抑制されるが、さらに素子温
度Tmosが第4設定温度T4以上に上昇するような事態が生
じれば、ステップS18〜S20の処理でバイパスライン4cを
通して充電される状態に切換えられる。従って、充電が
確保されつつ、MOS・FET45aの過度の温度上昇が確実に
防止される。
また、バッテリ電圧VBが低くなる異常に対しては、ス
テップS23、ステップS44、ステップS56の各判定に応じ
た処理により、発進時アシスト制御、加速アシスト制
御、トルクリップル制御の各制御につき、それぞれ設定
電圧V2,V1,V3以上にバッテリ電圧VBが低下したときに制
御パターンの実行が禁止され、この場合もバッテリ電圧
低下が進むにつれて優先順位の低いものから禁止され、
優先順位の高いトルクリップル制御ではできる限り実行
される。
また当実施例では、上記のように異常の程度に応じて
制御パターンの実行を禁止するほかに、トルク付与状態
とする上記各制御につき、その実行を禁止すべき程度に
まで異常が進行していない場合でも、補正係数Kt,Kv,Ks
により、素子温度上昇傾向またはバッテリ電圧低下傾向
が進むにつれて、トルク付与状態の作動が減少されるこ
とにより、異常の進行が抑制され、この場合に、発進時
アシスト制御および加速アシスト制御については、その
制御トルクCTは減少させずに制御時間を短縮させるよう
にしているので、とくにトルクアシストの要求が高い発
進または加速の初期に充分なトルクが付与されつつ、こ
れらの制御の持続に伴う異常の進行が抑制され、一方、
トルクリップル制御については、制御トルクCTを小さく
することにより、異常の進行が抑制される。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、車両の発進時にエンジンに対
して正のトルクを付与する第1の制御パターンと車両の
加速時にエンジンに対して正のトルクを付与する第2の
制御パターンとを含む複数の制御パターンのうちから運
転状態に応じて選択した制御パターンに従い、エンジン
にトルクを付与する電気駆動装置を作動させるようにし
たエンジンの制御装置において、電気駆動手段の温度が
所定温度以上となる異常時またはバッテリ電圧が所定電
圧以下となる異常時に、上記第2の制御パターンの実行
を制限し、かつ、上記所定温度より高い温度あるいは上
記所定電圧より低いバッテリ電圧まで、上記第1の制御
パターンの実行を許容するようにしているため、異常の
増大を抑制し、しかも、優先順位の高い制御パターンに
ついてはできる限り実行を許容してエンジン性能向上等
の要求を満足させることができる。
とくに複数の制御パターンのうちの一つにエンジンの
トルク変動抑制用の制御パターンが含まれる場合に、こ
のトルク変動抑制については運転者による操作では補い
難くて制御パターンの実行の要求が強いことから、この
制御パターンの優先順位を高くしておくことにより、異
常に対処しつつ、できる限りトルク変動の抑制が図られ
る。
また、電気駆動手段が発電機の兼用される構造である
場合に、すべての制御パターンの実行が禁止された状態
となる特定時に通電制御手段をバイパスして電気駆動手
段とバッテリとを接続するバイパス手段を設けておけ
ば、すべての制御パターンの実行が禁止された時のバッ
テリへの充電が確保されつつ、温度上昇等の異常が過度
に進行することを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係るエンジンの制御装置の全
体構造概略図、第2図は電気装置本体の構造を示す一部
切欠斜視図、第3図は電気装置における主回路部および
界磁コントローラの回路図、第4図はコントロールユニ
ットのブロック図、第5図乃至第7図はコントロールユ
ニットにおける各種信号についてのタイミングチャー
ト、第8図(a)(b)乃至第10図は制御の具体例を示
すフローチャート、第11図は各種トルク付与動作の禁止
条件等を示す説明図、第12図(a)〜(c)はトルク付
与動作を制限するための補正量を示す説明図である。 1……エンジン、3……電気装置、30……電気装置本体
(電気駆動手段)、4……主回路部(通電制御回路)、
40a〜40f,45a,45b……MOS・FET(通電制御手段)、6…
…コントロールユニット、19……温度センサ、25……制
御手段、26……異常検出手段、27……実行制限手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−69403(JP,A) 実開 昭57−11237(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 29/00 - 29/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンに対して正または負のトルクを付
    与する電気駆動手段と、この電気駆動手段に対する通電
    を制御する通電制御手段と、上記電気駆動手段にこの通
    電制御手段を介して接続されたバッテリと、この通電制
    御手段を介して上記電気駆動手段を制御する制御手段と
    を備え、上記制御手段はトルク付与について車両の発進
    時にエンジンに対して正のトルクを付与する第1の制御
    パターンと車両の加速時にエンジンに対して正のトルク
    を付与する第2の制御パターンとを含む複数の制御パタ
    ーンを有し、運転状態に応じて選択した制御パターンに
    従って上記電気駆動手段を作動するようになっているエ
    ンジンの制御装置において、上記電気駆動手段の温度に
    基づいてその温度が所定温度以上となる異常を検出する
    異常検出手段と、上記温度が上記所定温度以上のときは
    上記第2の制御パターンの実行を制限し、かつ、上記所
    定温度より高い温度まで上記第1の制御パターンの実行
    を許容する実行制限手段とを設けたことを特徴とするエ
    ンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】電気駆動手段は発電機に兼用される構造と
    し、実行制限手段は制御系統の異常の進行が所定以上と
    なったときにすべての制御パターンの実行を禁止するよ
    うに構成し、一方、すべての制御パターンの実行が禁止
    された状態となる特定時に通電制御手段をバイパスして
    電気駆動手段とバッテリとを接続するバイパス手段を設
    けたことを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装
    置。
  3. 【請求項3】エンジンに対して正または負のトルクを付
    与する電気駆動手段と、この電気駆動手段に対する通電
    を制御する通電制御手段と、上記電気駆動手段にこの通
    電制御手段を介して接続されたバッテリと、この通電制
    御手段を介して上記電気駆動手段を制御する制御手段と
    を備え、上記制御手段はトルク付与について車両の発進
    時にエンジンに対して正のトルクを付与する第1の制御
    パターンと車両の加速時にエンジンに対して正のトルク
    を付与する第1の制御パターンとを含む複数の制御パタ
    ーンを有し、運転状態に応じて選択した制御パターンに
    従って上記電気駆動手段を作動するようになっているエ
    ンジンの制御装置において、バッテリ電圧に基づいてそ
    のバッテリ電圧が所定電圧以下となる異常を検出する異
    常検出手段と、上記バッテリ電圧が上記所定電圧以下の
    ときは上記第2の制御パターンの実行を制限し、かつ、
    上記所定電圧より低いバッテリ電圧まで上記第1の制御
    パターンの実行を許容する実行制限手段とを設けたこと
    を特徴とするエンジンの制御装置。
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