JP2839430B2 - 光双安定素子を有するシフトレジスタ - Google Patents

光双安定素子を有するシフトレジスタ

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JP2839430B2 JP16530993A JP16530993A JP2839430B2 JP 2839430 B2 JP2839430 B2 JP 2839430B2 JP 16530993 A JP16530993 A JP 16530993A JP 16530993 A JP16530993 A JP 16530993A JP 2839430 B2 JP2839430 B2 JP 2839430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光信号をシフトさせるシ
フトレジスタに関し、特に、光双安定素子を有するシフ
トレジスタに関する。このようなシフトレジスタは、オ
プトエレクトロニクスの分野で用いられる。
【0002】
【従来の技術】各々が双安定な状態をとる複数の素子
(双安定素子)が配列した装置であって、ある素子の状
態が隣接する他の素子に順次転送される装置は、一般
に、シフトレジスタと呼ばれている。電気的に双安定な
状態をとる複数の素子として、フリップフロップ回路や
電荷結合装置(CCD)が知られている。
【0003】光学的に双安定な複数の素子を有するシフ
トレジスタとして、数種類のシフトレジスタが提案され
ている。例えば、1990年電子情報通信学会春期全国
大会講演論文集4−23頁、電子情報通信学会技術研究
報告OQE89−141号、1990年応用物理学会学
術講演会秋期大会講演予講集786頁に報告されてい
る。
【0004】図8は、従来の、光学的に双安定な複数の
素子を有するシフトレジスタを示している。このシフト
レジスタは、p−GaAs基板と、p−GaAs基板上
に配列された複数の発光サイリスタとを備えている。発
光サイリスタの各々は、p−GaAs基板上に順番に堆
積させられた第1のp−GaAs層(アノード層)、第
1のn−GaAs層、第2のp−GaAs層(ゲート
層)、及び第2のn−GaAs層(カソード層)を有し
ている。各発光サイリスタの第2のp−GaAs層に
は、ゲート電極が設けられている。各ゲート電極には、
抵抗ネットワークを介して、直流電源VGAから−5ボル
トの電圧が供給されている。各発光サリスタの第2のn
−GaAs層には、カソード電極が設けられている。カ
ソード電極には、それぞれ、3相のクロック電圧φ1、
φ2及びφ3が印加される。なお、p−GaAs基板は
接地され、それによって各発光サイリスタの第1のp−
GaAs層(アノード層)にゼロボルトの電圧が供給さ
れている。
【0005】ある時刻に、第3の発光サリイスタのカソ
ード電極に印加されているクロック電圧φ3がロウレベ
ルからハイレベルに上昇すると、その発光サイリスタは
オン状態になり、発光を開始する。すると、ゲート電極
及び第2のp−GaAs層(ゲート層)の電位は、第1
のp−GaAs層(アノード層)の電位(ゼロボルト)
にほぼ等しくなる。このため、第3の発光サリイスタの
ゲート層とカソード層との間を、抵抗ネットワークを介
して、電流が流れる。この結果、オン状態にある第3の
発光サイリスタのゲート層の電位(約ゼロボルト)をピ
ークとして、階段状に分布する電位が各ゲート電極80
0に印加される。こうして、第3の発光サイリスタから
離れるにしたがって低下する電圧が、ゲート電極800
にそれぞれ供給される。具体的には、第4の発光サリイ
スタのゲート電極800には印加されている電圧は、第
1の発光サイリスタのゲート電極800に印加されてい
る電圧よりも高い。
【0006】次のある時刻に、φ1がハイレベルになる
と、第1及び第4の発光サイリスタのカソード電極に高
い電圧が印加される。しかし、ゲート電極の電位が比較
的に高い第4の発光サリイスタのみがオン状態になり、
発光を開始する。ゲート電極の電位が比較的に低い第1
の発光サイリスタはオン状態にならない。
【0007】この後、φ1をハイレベルからロウレベル
に変化させると、第3の発光サイリスタはオフ状態にな
り、発光を停止する。こうして、サイリスタの発光状態
が、第3の発光サイリスタから第4の発光サイリスタに
「シフト」する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来のシフトレジスタにおいては、各発光サイリスタ毎
にゲート電極を設ける必要があり、また、複雑な抵抗ネ
ットワークを基板上に形成しなければならない。このよ
うに、発光サイリスタ以外の要素が基板上に占める領域
の面積が大きいため、多数の発光サイリスタを集積する
ことが困難である。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、高集積化に
向いた、光双安定素子を有するシフトレジスタを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のシフトレジスタ
は、少なくとも3つの光双安定素子と、該3つの光双安
定素子を相互に光学的に結合する光導波手段とを備えた
シフトレジスタであって、該光双安定素子は、直列に接
続されたフォトトランジスタと発光素子とを有してお
り、該3つの光双安定素子に、それぞれ位相の異なる第
1〜第3の3つの位相をもつ電圧が印加され、該電圧
は、光が入射したときにオン状態となる電圧値と接地電
圧との間で所定の周期で変化しており、第1、第2、第
3の光双安定素子には、それぞれ第1、第2、第3の位
相をもつ該電圧が印加されており、該第1〜該第3の位
相を持つ該電圧は、該周期の中で所定の時間だけ2つの
位相が該電圧値であり、該所定の時間の間、残りの1つ
の位相が接地電圧であり、該第1の光双安定素子のフォ
トトランジスタは、第1の位相によりオンする所定電圧
が印加されたときに光を受けると、電気的非導通状態か
ら電気的導通状態になり、それによって該発光素子に電
流を流し、該発光素子は、該発光素子に電流が流れると
光を放射し、それによって、該光の一部を該第1の光双
安定素子のフォトトランジスタに与えて、電気的導通状
態を維持させる一方、該光の他の一部を該光導波手段を
介して、該第2の位相によりオンする所定電圧が印加さ
れている該第2の光双安定素子のフォトトランジスタに
与え、該第2の光双安定素子を発光状態に移行させ、接
地電圧が印加されている該第3の光双安定素子は発光状
態に移行せず、該第1〜該第3の光双安定素子は、同一
基板上に形成されているとともに、該基板上に形成され
た該光導波手段により接続されており、そのことにより
上記課題が解決される。
【0011】一実施例では、前記フォトトランジスタ
は、エミッタ領域、ベース領域、及びコレクタ領域を有
するヘテロ接合フォトトランジスタであり、前記発光素
子は、該ヘテロ接合フォトトランジスタの該コレクタ領
域及び該エミッタ領域の何れか一方に接続された端子を
有するダイオードである。
【0012】一実施例では、前記光導波手段は、前記発
光素子が放射する光を導波し得る半導体層を有してお
り、前記複数の光双安定素子は、該半導体層上に配列さ
れている。
【0013】一実施例では、前記半導体層は、半導体基
板上に形成されている。一実施例では、前記半導体層
は、裏面に反射膜が形成された半導体基板である。
【0014】一実施例では、前記光導波手段は、前記発
光素子が放射する光を導波し得る半導体層を有してお
り、該半導体層は、前記複数のフォトトランジスタのエ
ミッタ領域を兼ねている。
【0015】
【0016】一実施例では、前記半導体層は、前記発光
素子が放射する光のエネルギよりも大きなエネルギーギ
ャップを有している。
【0017】
【作用】ヘテロ接合フォトトランジスタと発光ダイオー
ドの直列接続は、オンとオフの双安定状態を有する光双
安定素子であり、オン時には発光する。第1の光双安定
素子に入射光が入りオン状態になると、光は基板表面か
ら信号光として出ると同時に光導波層を伝ぱんし、隣接
する光双安定素子に入射する。光導波層のエネルギーギ
ャップを光双安定素子中の発光ダイオードのエネルギー
ギャップより大きく設定しているため光が伝ぱんするわ
けである。この時、3相クロックでバイアス電圧を第1
の光双安定素子の行または列方向のどちらか一方向進行
するようにに加えておけば、その進行方向に隣接する第
2の光双安定素子だけが伝ぱん光を受けオン状態にな
る。他の3個の隣接する光双安定素子は、バイアス電圧
が加えられていないのでオンにはならない。クロック電
圧の進行方向で第1の光双安定素子から2個離れた素子
は、電圧が加えられていないので第1の光双安定素子か
らの伝ぱん光によりオン状態にはならない。3個離れた
位置の素子はバイアス電圧が加えられているので、第1
の光双安定素子からの伝ぱん光を受け、オン状態に移行
可能であるが、これはバイアス電圧を制御することで回
避できる。このようにして、ある位置に入射された光情
報を任意の方向にシフトすることが可能なわけである。
クロック電圧を送る方向を行方向にするか列方向にする
かにより、光信号を転送する方向を変えることが出来
る。
【0018】
【実施例】以下に、本発明を実施例について説明する。
【0019】(実施例1)図1は、本発明によるシフト
レジスタの一実施例の断面図を示し、図2は、その等価
回路を示している。まず、図2を参照して、本実施例の
概略を説明する。
【0020】このシフトレジスタは、図2から明らかな
ように、複数の第1電極(アノード電極)と、一つのカ
ソード電極(第2電極)とを有している。複数のアノー
ド電極の各々には、図2で図示していない電圧印加手段
により、所定のバイアス電圧(クロック電圧)が印加さ
れる。複数のアノード電極のそれぞれとカソード電極と
の間には、複数の光双安定素子が図2に示されるように
接続されている。
【0021】各光双安定素子は、発光状態及び非発光状
態の何れかの状態をとり得る素子である。例えば、発光
状態は2値論理の「High」状態(論理「高」状態)
に、また、非発光状態は2値論理の「Low」状態(論
理「低」状態)に対応付けられ得る。これらの光双安定
素子は、図2で図示していない光導波層によって、相互
に光学的に結合されている。本発明によれば、光双安定
素子の「発光状態」が、所定の電圧が印加された他の光
双安定素子へ、光導波層を通じてシフトされる。すなわ
ち、発光状態にある光双安定素子から放射される光が、
光学的に、他のサイリスタに伝播する。この点で、本発
明によるシフトレジスタは、前述の従来技術と大きく異
なる。前記従来技術によれば、発光状態にある発光サイ
リスタから放射される光は、他の発光サイリスタに対し
て光学的な作用をなんら与えない。発光状態のシフト
は、電気的に実行される。
【0022】本実施例の使用する光双安定素子のそれぞ
れは、対応するアノード電極とカソード電極との間にお
いて、直列に接続された発光素子(図2において「ダイ
オード」の記号が与えられている)及びフォトトランジ
スタ(図2において「バイポーラトランジスタ」の記号
が与えられている)を有している。このフォトトランジ
スタは、アノード電極とカソード電極との間に所定値以
上の電圧が印加されているときに、所定量以上の光を外
部からベースに受けると、電気的非導通状態から電気的
導通状態に変化する。この所定値の電圧と所定値の光量
との関係は、図4に示されている。
【0023】このフォトトランジスタは、アノード電極
及びカソード電極との間を電気的非導通状態から電気的
導通状態に変化させ、それによって、フォトトランジス
タに直列に接続されている発光素子に電流を流す働きを
する。この発光素子は、電流エネルギを光エネルギに変
換する素子である。本実施例のシフトレジスタにおいて
は、発光ダイオード(LED)が用いられている。アノ
ード電極とカソード電極との間に所定の電圧が印加され
ているとき、光を受けたフォトトランジスタの働きによ
りアノード電極及びカソード電極との間を電流が流れる
と、対応する発光素子は光を放射する。
【0024】発光素子から放射された光の一部は、その
発光素子の属する光双安定素子のフォトトランジスタ
(ベース)に与えられる。アノード電極とカソード電極
との間に所定の電圧が印加されている限り、発光素子及
びフォトトランジスタを介して、アノード電極とカソー
ド電極との間を電流が流れるので、発光素子からは光が
放出され続ける。フォトトランジスタを電気的非導通状
態から電気的導通状態に変化させた外部光の照射が停止
しても、発光素子からの光がフォトトランジスタを導通
状態に維持し、発光素子から光が放射される状態が維持
される。こうして、アノード電極とカソード電極との間
に対する所定値以上の電圧印加が停止されるまで、光双
安定素子の光安定状態がつづく(正帰還による安定状態
の維持)。
【0025】発光素子から放射された光の他の一部は、
図2で図示していない光導波層を介して、他の複数の光
双安定素子のフォトトランジスタにも与えられ得る。特
定の発光素子から放射された光の強度は、光導波層を伝
播する間に減衰する。そのような強度の減衰した光を受
けた各フォトトランジスタは、もしそのフォトトランジ
スタを含む光双安定素子に充分大きな電圧が印加されて
いるならば、電気的非導通状態から電気的導通状態に変
化し得る。どの程度の強度の光入射によってフォトトラ
ンジスタが導通状態に変化するかは、図4のグラフに示
されている。複数のアノード電極の各々に印加する各電
圧の大きさを調節することにより、所望の光双安定素子
のフォトトランジスタを電気的非導通状態から電気的導
通状態に変化させることができる。この点で、本発明
は、前述の従来技術と大きく異なっている。
【0026】次に、図1を参照して、本実施例の構造を
詳細に説明する。図1に示されるように、本実施例のシ
フトレジスタにおいては、複数の光双安定素子が一つの
n−InP半導体基板100上に配されている。n−I
nP半導体基板100上には、n−InGaAsPから
なる光導波層(厚さ:1.5μm)101が形成されて
おり、光導波層101は、各光双安定素子のフォトトラ
ンジスタのエミッタ層を兼ねている。
【0027】各光双安定素子は、前述のようにフォトト
ランジスタと、発光ダイオードとを有している。本実施
例のフォトトランジスタは、エミッタ層(光導波層10
1)と、エミッタ層上のp−InGaAsPからなるベ
ース層(厚さ:0.3μm)102と、ベース層102
上のn−InPからなるコレクタ層(厚さ:0.6μ
m)103とを有するヘテロ接合フォトトランジスタで
ある。発光ダイオードは、コレクタ層103上のn−I
nPからなるn−クラッド層(厚さ:0.6μm)10
4と、n−クラッド層104上のInGaAsPからな
る活性層(厚さ:0.15μm)105と、活性層10
5上のp−InPからなるp−クラッド層(厚さ:0.
8μm)106と、p−クラッド層106上のp−In
GaAsPからなるキャップ層(厚さ:0.1μm)1
07とを有している。
【0028】このような構造は、例えば、次のようにし
て製造される。まず、n−InP半導体基板100上
に、MBE法、MOCVD法、またはLPE法等によっ
て、n−InGaAsPからなる光導波層101、p−
InGaAsPからなるベース層102と、n−InP
からなるコレクタ層103と、n−InPからなるn−
クラッド層104と、InGaAsPからなる活性層1
05と、p−InPからなるp−クラッド層106と、
p−InGaAsPからなるキャップ層107とを連続
的に成長させる。
【0029】このあと、フォトリソグラフィ技術及びエ
ッチング技術を用いて、上記各層からなる積層構造の所
定部分を除去し、それによって、図1に示されるような
構造を得る。エッチングにより除去される部分(分離溝
108)の幅は、例えば、約40μmであり、除去され
ない部分(光双安定素子)の幅は、例えば、約20μm
である。この場合、各光双安定素子は、20μm×20
μmのサイズを有し、60μmピッチで配列される。
【0030】上記構造が形成された後、各キャップ層1
07上にアノード電極109を形成し、光導波層101
上に一つのカソード電極110を形成する。これらの電
極は109及び110は、好ましくは金属材料から形成
される。各光双安定素子及び電極109及び110等を
外気から保護するために、光導波層101及び光双安定
素子の表面は、ポリイミド111により覆われている。
また、アノード電極109は、それぞれ、クロックライ
ン112に接続され、クロックライン112を介して、
アノード電極109に例えば3相クロック信号が印加さ
れる。
【0031】図1に示されるシフトレジスタでは、発光
素子から放射される光の波長は、発光ダイオードの活性
層105のエネルギバンドギャップにより決まる。本実
施例の活性層105はInGaAsPからなるため、放
射される光の波長は、約1.3μmである。また、本実
施例のヘテロ接合フォトトランジスタは、InGaAs
Pからなるベース層102を有するため、約1.3μm
の波長の光を効率良く吸収して、電気的非導通状態から
電気的導通状態に変化する。このため、発光ダイオード
から放射される光により、ヘテロ接合フォトトランジス
タの状態を、効率良く電気的導通状態に変化させること
ができる。発光ダイオードからの光によりヘテロ接合フ
ォトトランジスタを導通状態にするには、発光ダイオー
ドから放射される光をフォトトランジスタが効率的に吸
収し得るように、活性層105の材料とベース層102
の材料とが種々の半導体から選択される。活性層105
のエネルギバンドギャップは、ベース層102のエネル
ギバンドギャップに等しいか又は大きいことが好まし
い。本実施例では、活性層105及びベース層102
は、p−InGaAsPから形成されており、ともに同
一のエネルギバンドギャップを有している。
【0032】一方、光導波層101は、発光素子からの
光を吸収しにくい材料から形成されている。すなわち、
光導波層101のエネルギバンドギャップが、活性層1
05のエネルギバンドギャップより大きくなるように、
光導波層101及び活性層105の各材料が選択され
る。
【0033】なお、図1に示されるシフトレジスタで
は、光導波層102がn−InP基板100上に形成さ
れている。このような構成の代わりに、基板自体を導波
層として利用する構成が採用されてもよい。そのような
構成では、基板上方の発光素子から放射された光を基板
裏面にて反射するための反射膜を、基板の裏面に設ける
ことが好ましい。反射膜としては、半導体レーザの端面
に設けられる高反射率膜が適している。
【0034】図3は、アノード電極109に印加される
電圧(クロック電圧)の波形を示している。クロック電
圧φ1が印加されている第1の光双安定素子に対して、
そのクロック電圧φ1が高レベル(例えば、1.1ボル
ト)のときに、外部から光信号が入力されると、第1の
光双安定素子は発光状態になる。外部からの光信号の入
力が停止しても、前述したように、発光状態は維持され
る。第1の光双安定素子から放射された光の一部は、光
導波層101を伝播する。光導波層101を伝播する光
の一部は、第1の光双安定素子に隣接する第2及び第3
の光双安定素子に入射する。このとき、第3の光双安定
素子に与えられているクロック電圧φ3は、低レベル
(例えば、0ボルト)であり、第2の光双安定素子に与
えられているクロック電圧φ2は、高レベル(例えば、
1.1ボルト)である。このため、第1の光双安定素子
から放射されている光によって、第2の光双安定素子は
発光状態に変化するが、第3の光双安定素子は非発光状
態のままである。この後、クロック電圧φ1は低レベル
になると、第1の光双安定素子は非発光状態に戻る。こ
うして、第1の光双安定素子の発光状態が、第2の光双
安定素子にシフトされる。
【0035】第1の光双安定素子から2個以上離れた位
置にある光双安定素子のうち、クロック電圧φ1が印加
されてる光双安定素子には、第1の光双安定素子から放
射された光は、殆ど入射されない。これは、光導波層1
01を伝播する間に光が充分に減衰するため、そのよう
な光双安定素子のフォトトランジスタを導通状態に変化
させることができなくなるためである。光双安定素子の
フォトトランジスタを導通状態に変化させるために必要
な光エネルギ(セットパワー)は、アノード電極に印加
されるバイアス電圧(クロック電圧φj)に依存する。
図4からわかるように、バイアス電圧を大きくすると、
比較的に低いセットパワーの光が入射しても、光双安定
素子の状態は発光状態に変化する。発光している光双安
定素子から遠距離に位置する光双安定素子であっても、
その光双安定素子に極めて高いバイアス電圧を与える
と、その光双安定素子を発光状態に変化させることが可
能である。
【0036】このように、バイアス電圧の大きさを制御
することにより、発光状態にある光双安定素子から所望
の光双安定素子に対して、発光状態をシフトさせること
ができる。このように、複数の光双安定素子がアレイ状
に配列した本実施例のシフトレジスタにおいては、任意
の光双安定素子から他の任意の光双安定素子へ光信号を
転送することができる。
【0037】なお、発光素子として通常のPN接合型発
光ダイオードを使用するとき、バイアス電圧は0.7ボ
ルト以上である必要がある。なぜならば、それ未満のバ
イアス電圧が印加されていると、たとえフォトトランジ
スタが導通状態になったとしても、発光素子が発光しな
いからである。このような場合、光双安定素子のゲイン
を1以上にして発光状態を安定に維持するためには、バ
イアス電圧は0.8ボルト以上であることが好ましい。
また、バイアス電圧がある値を越えて大きくなり過ぎる
と、外部から入射するわずかの漏れ光によっても誤って
発光状態に変化することがある。上記実施例の場合、バ
イアス電圧が1.5ボルト以下であれば、そのような問
題が回避される。上記実施例の場合、バイアス電圧は、
0.9ボルト以上1.1ボルト以下の範囲内にあること
が好適である。ただし、バイアス電圧の最適値は、発光
素子とフォトトランジスタとの間の光結合率等によって
変化するため、素子のサイズや加工方法に依存して変化
し得る。
【0038】光双安定素子を非導通状態から導通状態に
変化させるには、ある程度の時間以上、バイアス電圧を
アノードに印加する必要がある。印加するバイアス電圧
として、図3に示すようなクロック電圧を使用する場
合、そのクロック幅が2マイクロ秒以上であれば、隣接
する光双安定素子を確実に導通状態に変化させることが
できる。このため、本実施例によれば、信号の高速なシ
フトを実行することが可能となる。
【0039】(実施例2)図5は、本発明による他のシ
フトレジスタを示している。この実施例のシフトレジス
タは、光双安定素子が2次元的に配列している。図5で
は、3×3=9個の光双安定素子が行及び列状に配列し
ている。図6は、このシフトレジスタの等価回路を示し
ている。図6において、第N行第M列に位置している光
双安定素子には、(N、M)の記号を付している。
【0040】まず、図6を参照して、シフトレジスタの
構成を説明する。このシフトレジスタは、9個の第1電
極(アノード電極)と、3個のカソード電極(第2電
極)とを有している。第1のワードライン601aを介
して、光双安定素子(1、1)、(1、2)及び(1、
3)のアノード電極には、クロック電圧φ1が印加され
る。第2のワードライン601bを介して、光双安定素
子(2、1)、(2、2)及び(2、3)のアノード電
極には、クロック電圧φ2が印加される。第3のワード
ライン601cを介して光双安定素子(3、1)、
(3、2)及び(3、3)のアノード電極には、クロッ
ク電圧φ3が印加される。
【0041】また、第1のビットライン602aを介し
て、光双安定素子(1、3)、(2、3)及び(3、
3)のカソード電極には、クロック電圧φ4が印加され
る。第2のビットライン602bを介して、光双安定素
子(1、2)、(2、2)及び(3、2)のカソード電
極には、クロック電圧φ5が印加される。第3のビット
ライン602cを介して光双安定素子(1、1)、
(2、1)及び(3、1)のカソード電極には、クロッ
ク電圧φ6が印加される。クロック電圧φ1、φ2、φ
3、φ4、φ5及びφ6は、図3に示されるような波形
を有している。
【0042】本実施例によれば、ビットライン602と
ワードライン601へのクロック電圧の印加のタイミン
グとクロック電圧の値を調整することにより、光信号の
転送を2次元的に実行することができる。以下、このシ
フトレジスタの動作の一例を説明する。
【0043】まず、クロック電圧φ1が高レベルにある
とき、光双安定素子(1、1)に対して外部から光信号
を入力する。すると光双安定素子(1、1)のフォトト
ランジスタは導通状態となり、そのフォトトランジスタ
に直列に接続されている発光素子は発光を開始する。そ
の発光素子から放射された光は光導波層に入射した後、
光導波層を伝播し、周囲の光双安定素子に入射する。図
3に示されるようなクロック電圧φ1、φ2及びφ3を
ワードライン601に印加しておくと、光双安定素子
(2、1)が導通状態に変化し、光を放射し始める。こ
の時点では、ビットライン602に対して電圧パルスは
印加しない。そのため、光信号は、列方向に転送され
る。
【0044】ビットライン602に対して負の電圧パル
スを印加すると、発光状態は、光双安定素子(1、2)
に転送される。このとき、ワードライン601には電圧
パルスは印加されていない。この場合、光信号は行方向
に転送される。
【0045】なお、光双安定素子(1、1)に隣接する
光双安定素子以外の光双安定素子が発光しないように、
図4のグラフに示される関係を考慮して、印加電圧の値
を調整する。
【0046】次に、図7を参照して、本実施例の構造を
詳細に説明する。図7は、図5のA−A’線断面図であ
る。
【0047】図7に示されるように、本実施例のシフト
レジスタにおいては、複数の光双安定素子が一つのn−
InP半導体基板700上に配されている。n−InP
半導体基板700上には、n−InGaAsPからなる
光導波層(厚さ:1.5μm)702が形成されてお
り、光導波層702は、各光双安定素子のフォトトラン
ジスタのエミッタ層を兼ねている。
【0048】各光双安定素子は、前述のようにフォトト
ランジスタと、発光ダイオードとを有している。本実施
例のフォトトランジスタは、エミッタ層(光導波層70
2)と、エミッタ層上のp−InGaAsPからなるベ
ース層(厚さ:0.3μm)703と、ベース層703
上のn−InPからなるコレクタ層(厚さ:0.6μ
m)704とを有するヘテロ接合フォトトランジスタで
ある。発光ダイオードは、コレクタ層704上のn−I
nPからなるn−クラッド層(厚さ:0.6μm)70
5と、n−クラッド層705上のInGaAsPからな
る活性層(厚さ:0.15μm)706と、活性層70
6上のp−InPからなるp−クラッド層(厚さ:0.
8μm)707と、p−クラッド層707上のp−In
GaAsPからなるキャップ層(厚さ:0.1μm)7
08とを有している。なお、光導波層702には格子状
の絶縁層701が設けられており、この絶縁層702は
各光双安定素子を相互に電気的に分離している。
【0049】本実施例は、例えば、最初の実施例を製造
する方法と同様の方法を用いて製造される。
【0050】
【発明の効果】本発明のシフトレジスタによれば、直列
に相互接続されたフォトトランジスタ及び発光素子を有
する複数の光双安定素子のうち、発光状態にある光双安
定素子から放射される光を、光導波手段を介して他の任
意の光双安定素子へシフトさせることができる。このた
め、従来技術に比べて配線構造が簡単化される。その結
果、複数の光双安定素子を1次元的または2次元的に高
密度に集積することができる。
【0051】また、本発明のシフトレジスタは、光双安
定素子の発光状態を短い電圧パルスにより転送すること
ができるため、高速度で動作することができる。また、
発光状態をある位置から他の任意の位置に容易にシフト
させることができる。このため、本発明は、シフトレジ
スタの新たな用途を生み出すものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシフトレジスタの断面図
【図2】図1に示されるシフトレジスタの等価回路を示
す図
【図3】図1に示されるシフトレジスタのアノード電極
に印加される電圧(クロック電圧)の波形を示す図
【図4】セットパワーとバイアス電圧との関係を示す特
性図
【図5】本発明による他のシフトレジスタを示す図
【図6】図5に示されるシフトレジスタの等価回路を示
す図
【図7】図5に示されるシフトレジスタの断面図
【図8】従来技術を示す断面図
【符号の説明】
100 n−InP半導体基板 101 n−InGaAsPからなる光導波層(エミッ
タ層) 102 p−InGaAsPからなるベース層 103 n−InPからなるコレクタ層 104 n−InPからなるn−クラッド層 105 InGaAsPからなる活性層 106 p−InPからなるp−クラッド層、 107 p−InGaAsPからなるキャップ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−83742(JP,A) 特開 平4−240766(JP,A) 特開 昭62−45187(JP,A) 特開 平1−201631(JP,A) 特開 平1−191126(JP,A) 特開 平4−280480(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3つの光双安定素子と、該3
    つの光双安定素子を相互に光学的に結合する光導波手段
    とを備えたシフトレジスタであって、 該光双安定素子は、直列に接続されたフォトトランジス
    タと発光素子とを有しており、 該3つの光双安定素子に、それぞれ位相の異なる第1〜
    第3の3つの位相をもつ電圧が印加され、該電圧は、光
    が入射したときにオン状態となる電圧値と接地電圧との
    間で所定の周期で変化しており、 第1、第2、第3の光双安定素子には、それぞれ第1、
    第2、第3の位相をもつ該電圧が印加されており、該第
    1〜該第3の位相を持つ該電圧は、該周期の中で所定の
    時間だけ2つの位相が該電圧値であり、該所定の時間の
    間、残りの1つの位相が接地電圧であり、 該第1の光双安定素子のフォトトランジスタは、第1の
    位相によりオンする所定電圧が印加されたときに光を受
    けると、電気的非導通状態から電気的導通状態になり、
    それによって該発光素子に電流を流し、 該発光素子は、該発光素子に電流が流れると光を放射
    し、それによって、該光の一部を該第1の光双安定素子
    のフォトトランジスタに与えて、電気的導通状態を維持
    させる一方、該光の他の一部を該光導波手段を介して、
    該第2の位相によりオンする所定電圧が印加されている
    該第2の光双安定素子のフォトトランジスタに与え、該
    第2の光双安定素子を発光状態に移行させ、 接地電圧が印加されている該第3の光双安定素子は発光
    状態に移行せず、 該第1〜該第3の光双安定素子は、同一基板上に形成さ
    れているとともに、該基板上に形成された該光導波手段
    により接続されている、 シフトレジスタ。
  2. 【請求項2】 前記フォトトランジスタは、エミッタ領
    域、ベース領域、及びコレクタ領域を有するヘテロ接合
    フォトトランジスタであり、 前記発光素子は、該ヘテロ接合フォトトランジスタの該
    コレクタ領域及び該エミッタ領域の何れか一方に接続さ
    れた端子を有するダイオードである請求項1に記載のシ
    フトレジスタ。
  3. 【請求項3】 前記光導波手段は、前記発光素子が放射
    する光を導波し得る半導体層を有しており、 前記複数の光双安定素子は、該半導体層上に配列されて
    いる請求項1に記載のシフトレジスタ。
  4. 【請求項4】 前記半導体層は、半導体基板上に形成さ
    れている請求項3に記載のシフトレジスタ。
  5. 【請求項5】 前記半導体層は、裏面に反射膜が形成さ
    れた半導体基板である請求項3に記載のシフトレジス
    タ。
  6. 【請求項6】 前記光導波手段は、前記発光素子が放射
    する光を導波し得る半導体層を有しており、該半導体層
    は、前記複数のフォトトランジスタのエミッタ領域を兼
    ねている請求項2に記載のシフトレジスタ。
  7. 【請求項7】 前記半導体層は、前記発光素子が放射す
    る光のエネルギよりも大きなエネルギギャップを有して
    いる請求項6または7に記載のシフトレジスタ。
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