JP2838884B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JP2838884B2 JP2838884B2 JP1709193A JP1709193A JP2838884B2 JP 2838884 B2 JP2838884 B2 JP 2838884B2 JP 1709193 A JP1709193 A JP 1709193A JP 1709193 A JP1709193 A JP 1709193A JP 2838884 B2 JP2838884 B2 JP 2838884B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープや磁気ディ
スク等の塗布型磁気記録媒体に関し、特に、優れた電磁
変換特性と耐久性と信頼性とを持つように構成したもの
である。
スク等の塗布型磁気記録媒体に関し、特に、優れた電磁
変換特性と耐久性と信頼性とを持つように構成したもの
である。
【0002】
【従来の技術】磁気テープやフロッピー・ディスク等の
塗布型磁気記録媒体では、記録容量を増やし、記録密度
を高めるための開発が鋭意進められている。塗布型磁気
記録媒体の記録密度は、磁性層中に含まれる強磁性粉末
を高Hc化し、強磁性粉末の充填密度を高め、さらに、
磁性層の厚さを薄くすることにより高められることが知
られている。しかし、磁性層を薄くした場合には、磁気
ヘッドと磁気記録媒体との摺動摩擦による応力が磁性層
に集中し、磁性層の耐久性が悪くなる傾向が現れる。そ
こで、非磁性支持体と磁性層の間に下塗り層を設けて、
磁気記録媒体の耐久性を改善したり、この下塗り層に磁
性を持たせて、電磁変換特性の改良を併せて行なうこと
が実施されている。
塗布型磁気記録媒体では、記録容量を増やし、記録密度
を高めるための開発が鋭意進められている。塗布型磁気
記録媒体の記録密度は、磁性層中に含まれる強磁性粉末
を高Hc化し、強磁性粉末の充填密度を高め、さらに、
磁性層の厚さを薄くすることにより高められることが知
られている。しかし、磁性層を薄くした場合には、磁気
ヘッドと磁気記録媒体との摺動摩擦による応力が磁性層
に集中し、磁性層の耐久性が悪くなる傾向が現れる。そ
こで、非磁性支持体と磁性層の間に下塗り層を設けて、
磁気記録媒体の耐久性を改善したり、この下塗り層に磁
性を持たせて、電磁変換特性の改良を併せて行なうこと
が実施されている。
【0003】また、特開平2−105326公報や特開
平3−216812公報には、こうした磁性層と下塗り
層との上下二層からなる塗布型磁気記録媒体において、
上層のポリウレタン樹脂のTg(ガラス転移点)を下層
のポリウレタン樹脂のTgよりも高くすることによっ
て、電磁変換特性と走行耐久性とを向上させることが示
されている。
平3−216812公報には、こうした磁性層と下塗り
層との上下二層からなる塗布型磁気記録媒体において、
上層のポリウレタン樹脂のTg(ガラス転移点)を下層
のポリウレタン樹脂のTgよりも高くすることによっ
て、電磁変換特性と走行耐久性とを向上させることが示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このTgの高い樹脂層
を磁気記録媒体の表層側に置いた場合には、Tgの高い
樹脂の方がヤング率が高いために、磁気記録媒体の表面
層が硬くなり、高温環境下での耐久性を高めることがで
きる。
を磁気記録媒体の表層側に置いた場合には、Tgの高い
樹脂の方がヤング率が高いために、磁気記録媒体の表面
層が硬くなり、高温環境下での耐久性を高めることがで
きる。
【0005】しかし、Tgの高い樹脂は、硬化剤のイソ
シアネート基との反応が遅く、反応が十分に進むまでに
可成りの時間が掛かる。そのため、硬化反応が十分に行
なわれていないための粉落ち、つまり、樹脂塗料に混ぜ
た粉末の遊離する状態が数多く発生し、ドロップアウト
の回数が多くなる傾向にある。
シアネート基との反応が遅く、反応が十分に進むまでに
可成りの時間が掛かる。そのため、硬化反応が十分に行
なわれていないための粉落ち、つまり、樹脂塗料に混ぜ
た粉末の遊離する状態が数多く発生し、ドロップアウト
の回数が多くなる傾向にある。
【0006】本発明は、こうした従来の問題点を改善す
るものであり、ドロップアウトを少なくすると共に、耐
久性を一層高めた磁気記録媒体を提供することを目的と
している。
るものであり、ドロップアウトを少なくすると共に、耐
久性を一層高めた磁気記録媒体を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、非
磁性支持体上に下塗り層と、磁性層としての上塗り層と
をこの順番に設けて成る磁気記録媒体において、下塗り
層に含まれる樹脂のTgが、上塗り層に含まれる樹脂の
Tgより10℃以上低くなるように設定し、また、下塗
り層を芳香族イソシアネート硬化剤を含む塗層によって
形成し、上塗り層を脂肪族イソシアネート硬化剤を含む
塗層によって形成している。
磁性支持体上に下塗り層と、磁性層としての上塗り層と
をこの順番に設けて成る磁気記録媒体において、下塗り
層に含まれる樹脂のTgが、上塗り層に含まれる樹脂の
Tgより10℃以上低くなるように設定し、また、下塗
り層を芳香族イソシアネート硬化剤を含む塗層によって
形成し、上塗り層を脂肪族イソシアネート硬化剤を含む
塗層によって形成している。
【0008】また、上塗り層の膜厚を0.1μm以上
1.0μm以下に設定している。
1.0μm以下に設定している。
【0009】
【作用】そのため、上塗り層に含まれる樹脂のTgを下
塗り層に含まれる樹脂のTgより高く設定しているの
で、上塗り層のヤング率が高くなり、高温環境下でも十
分な剛性が得られ、耐久性が増す。また、下塗り層のT
gを上塗り層のTgより10℃以上低くしているため、
カレンダ処理による表面の平滑性が向上し、高域の電磁
変換特性が良くなる。
塗り層に含まれる樹脂のTgより高く設定しているの
で、上塗り層のヤング率が高くなり、高温環境下でも十
分な剛性が得られ、耐久性が増す。また、下塗り層のT
gを上塗り層のTgより10℃以上低くしているため、
カレンダ処理による表面の平滑性が向上し、高域の電磁
変換特性が良くなる。
【0010】また、イソシアネート硬化剤は、芳香族系
より脂肪族系の方が反応性が高いが、上塗り層には、こ
の脂肪族イソシアネート硬化剤を用いているため、高T
g樹脂の硬化が促進され、架橋密度が上がる。その結
果、粉落ちが少なくなりドロップアウトが大幅に減少す
る。
より脂肪族系の方が反応性が高いが、上塗り層には、こ
の脂肪族イソシアネート硬化剤を用いているため、高T
g樹脂の硬化が促進され、架橋密度が上がる。その結
果、粉落ちが少なくなりドロップアウトが大幅に減少す
る。
【0011】また、磁性層としての上塗り層は、記録密
度を高めるため、均一な塗膜が得られる範囲で、できる
だけ薄くなるように設定している。
度を高めるため、均一な塗膜が得られる範囲で、できる
だけ薄くなるように設定している。
【0012】
【実施例】本発明の磁気記録媒体は、その断面図を図1
に示すように、非磁性支持体1の上に、下塗り層2と、
磁性層である上塗り層3とが積層されている。
に示すように、非磁性支持体1の上に、下塗り層2と、
磁性層である上塗り層3とが積層されている。
【0013】非磁性支持体1には、セルロースジアセテ
ート,セルローストリアセテート,ポリ塩化ビニル,ポ
リエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレー
ト,ポリカーボネート,ポリアミド、ポリイミド等から
成るフィルムが用いられる。
ート,セルローストリアセテート,ポリ塩化ビニル,ポ
リエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレー
ト,ポリカーボネート,ポリアミド、ポリイミド等から
成るフィルムが用いられる。
【0014】下塗り層2は、無機粉末、カーボンブラッ
ク、潤滑剤および結合剤から構成される。
ク、潤滑剤および結合剤から構成される。
【0015】また、磁性層である上塗り層3は、メタル
磁性粉、アルミナ、カーボンブラック、潤滑剤および結
合剤から構成される。
磁性粉、アルミナ、カーボンブラック、潤滑剤および結
合剤から構成される。
【0016】下塗り層2に含まれる無機粉末には、Fe
OOH,アルミナ,酸化クロム,α-酸化鉄,酸化チタ
ン,シリカ等の微粉末が用いられる。
OOH,アルミナ,酸化クロム,α-酸化鉄,酸化チタ
ン,シリカ等の微粉末が用いられる。
【0017】下塗り層2および上塗り層3に含まれる潤
滑剤には、脂肪酸,脂肪酸エステル,リン酸エステル,
フッ素系炭化水素等の複数が組合せて用いられる。
滑剤には、脂肪酸,脂肪酸エステル,リン酸エステル,
フッ素系炭化水素等の複数が組合せて用いられる。
【0018】また、下塗り層2および上塗り層3に含ま
れる結合剤には、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体,ニトロセルロース,ポリウレタン樹
脂,ポリエステル樹脂を適宜組み合わせた系を用い、硬
化剤としてイソシアネート化合物を併用する。
れる結合剤には、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体,ニトロセルロース,ポリウレタン樹
脂,ポリエステル樹脂を適宜組み合わせた系を用い、硬
化剤としてイソシアネート化合物を併用する。
【0019】これらの材料を、メチルエチルケトン,メ
チルイソブチルケトン,トルエン,キシレン,シクロヘ
キサノン,アセトンを適宜組み合わせた混合溶剤と共に
加圧ニーダ,プラネタリミキサ,ボールミル,サンドミ
ル,ペブルミル等の分散機で塗料化し、磁性塗料を非磁
性支持体1の片面または両面に塗布、乾燥して磁気記録
媒体を形成する。また、必要に応じて、非磁性支持体1
の磁性層を設けた側の反対側にカーボンブラック、無機
粉末、樹脂、硬化剤、潤滑剤等からなるバックコート層
を設けても良い。
チルイソブチルケトン,トルエン,キシレン,シクロヘ
キサノン,アセトンを適宜組み合わせた混合溶剤と共に
加圧ニーダ,プラネタリミキサ,ボールミル,サンドミ
ル,ペブルミル等の分散機で塗料化し、磁性塗料を非磁
性支持体1の片面または両面に塗布、乾燥して磁気記録
媒体を形成する。また、必要に応じて、非磁性支持体1
の磁性層を設けた側の反対側にカーボンブラック、無機
粉末、樹脂、硬化剤、潤滑剤等からなるバックコート層
を設けても良い。
【0020】非磁性基板1上に二層の塗布層を設けるた
めに、下塗り塗料の塗布乾燥後に上塗り塗料を塗布す
る。磁性層である上塗り層3の膜厚は、乾燥後の厚さが
0.1μm以上1.0μm以下となるように設定する。
めに、下塗り塗料の塗布乾燥後に上塗り塗料を塗布す
る。磁性層である上塗り層3の膜厚は、乾燥後の厚さが
0.1μm以上1.0μm以下となるように設定する。
【0021】実施例の磁気記録媒体では、下塗り層2用
の塗料として、下記の組成の固形分をMEK、トルエ
ン、シクロヘキサノンから成る混合溶剤と混ぜ合わせ
て、固形分濃度35重量%の塗料を形成し、これをサン
ドミルで3時間混合分散した後、厚さ62μmの非磁性
支持体1(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に
乾燥後の膜厚が1.0μmとなるように塗布し乾燥して
下塗り層2を形成した。
の塗料として、下記の組成の固形分をMEK、トルエ
ン、シクロヘキサノンから成る混合溶剤と混ぜ合わせ
て、固形分濃度35重量%の塗料を形成し、これをサン
ドミルで3時間混合分散した後、厚さ62μmの非磁性
支持体1(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に
乾燥後の膜厚が1.0μmとなるように塗布し乾燥して
下塗り層2を形成した。
【0022】 α-酸化鉄(粒子径0.06μm) 57.0 重量% カーボンブラック 13.0 重量% MR−110(日本ゼオン社製)(Tg 70℃) 10.0 重量% ポリウレタン樹脂(Tg 0℃) 10.0 重量% オレイン酸 0.6 重量% ステアリン酸nブチル 1.8 重量% ステアリン酸ブトキシエチル 1.8 重量% オレイン酸オレイル 1.8 重量% コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)(芳香族 イソシアネート硬化剤) 4.0 重量% 次に、上塗り層3用の塗料として、下記の組成の固形分
をMEK、トルエン、シクロヘキサノンから成る混合溶
剤と混ぜ合わせて、固形分濃度35重量%の塗料を形成
し、これをサンドミルで3時間混合分散した後、先に形
成した下塗り層2上に乾燥後の膜厚が0.3μmになる
ように塗布し乾燥して上塗り層3を形成した。
をMEK、トルエン、シクロヘキサノンから成る混合溶
剤と混ぜ合わせて、固形分濃度35重量%の塗料を形成
し、これをサンドミルで3時間混合分散した後、先に形
成した下塗り層2上に乾燥後の膜厚が0.3μmになる
ように塗布し乾燥して上塗り層3を形成した。
【0023】 メタル磁性粉(Hc:1700Oe、BET:40m2/g) 63.0 重量% カーボンブラック 2.0 重量% アルミナ 11.0 重量% MR−110(日本ゼオン社製)(Tg 70℃) 7.5 重量% ポリウレタン樹脂(Tg 40℃) 7.5 重量% オレイン酸 0.6 重量% ステアリン酸nブチル 1.8 重量% ステアリン酸ブトキシエチル 1.8 重量% オレイン酸オレイル 1.8 重量% コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)(脂肪族 イソシアネート硬化剤) 3.0 重量% このようにして得た磁気シートをスーパーカレンダ処理
して60℃で24時間の熱処理を行なった後、3.5イ
ンチのディスクに打ち抜き、さらに、このディスクを1
0000番の研磨テープで10秒間研磨した。
して60℃で24時間の熱処理を行なった後、3.5イ
ンチのディスクに打ち抜き、さらに、このディスクを1
0000番の研磨テープで10秒間研磨した。
【0024】この実施例の磁気記録媒体の特性と比較す
るために、次のように比較例の試料を作成した。
るために、次のように比較例の試料を作成した。
【0025】(比較例1)下塗り層2用の塗料として、
下記の組成の固形分をMEK、トルエン、シクロヘキサ
ノンから成る混合溶剤と混ぜ合わせて、固形分濃度35
重量%の塗料を形成し、これをサンドミルで3時間混合
分散した後、厚さ62μmの非磁性支持体1(ポリエチ
レンテレフタレートフィルム)上に乾燥後の膜厚が1.
0μmとなるように塗布し乾燥して下塗り層2を形成し
た。
下記の組成の固形分をMEK、トルエン、シクロヘキサ
ノンから成る混合溶剤と混ぜ合わせて、固形分濃度35
重量%の塗料を形成し、これをサンドミルで3時間混合
分散した後、厚さ62μmの非磁性支持体1(ポリエチ
レンテレフタレートフィルム)上に乾燥後の膜厚が1.
0μmとなるように塗布し乾燥して下塗り層2を形成し
た。
【0026】 α-酸化鉄(粒子径0.06μm) 57.0 重量% カーボンブラック 13.0 重量% MR−110(日本ゼオン社製)(Tg 70℃) 10.0 重量% ポリウレタン樹脂(Tg 50℃) 10.0 重量% オレイン酸 0.6 重量% ステアリン酸nブチル 1.8 重量% ステアリン酸ブトキシエチル 1.8 重量% オレイン酸オレイル 1.8 重量% コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)(芳香族 イソシアネート硬化剤) 4.0 重量% 次に、上塗り層(磁性層)3用の塗料として、下記の組
成の固形分をMEK、トルエン、シクロヘキサノンから
成る混合溶剤と混ぜ合わせて、固形分濃度35重量%の
塗料を形成し、これをサンドミルで3時間混合分散した
後、前記下塗り層2上に乾燥後の膜厚が0.3μmとな
るように塗布し乾燥して上塗り層3を形成した。
成の固形分をMEK、トルエン、シクロヘキサノンから
成る混合溶剤と混ぜ合わせて、固形分濃度35重量%の
塗料を形成し、これをサンドミルで3時間混合分散した
後、前記下塗り層2上に乾燥後の膜厚が0.3μmとな
るように塗布し乾燥して上塗り層3を形成した。
【0027】 メタル磁性粉(Hc:1700Oe、BET:40m2/g) 63.0 重量% カーボンブラック 2.0 重量% アルミナ 11.0 重量% MR−110(日本ゼオン社製)(Tg 70℃) 7.5 重量% ポリウレタン樹脂(Tg 40℃) 7.5 重量% オレイン酸 0.6 重量% ステアリン酸nブチル 1.8 重量% ステアリン酸ブトキシエチル 1.8 重量% オレイン酸オレイル 1.8 重量% コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)(脂肪族 イソシアネート硬化剤) 3.0 重量% このようにして得た磁気シートをスーパーカレンダ処理
して60℃で24時間熱処理を行なった後、3.5イン
チのディスクに打ち抜いた。さらに、このディスクを1
0000番の研磨テープで10秒間研磨を行ない、これ
を比較例1の試料とした。
して60℃で24時間熱処理を行なった後、3.5イン
チのディスクに打ち抜いた。さらに、このディスクを1
0000番の研磨テープで10秒間研磨を行ない、これ
を比較例1の試料とした。
【0028】(比較例2)下塗り層2用の塗料の固形分
として、下記の組成物を使用し、その他は比較例1と全
く同じ条件の下で下塗り層2を形成した。
として、下記の組成物を使用し、その他は比較例1と全
く同じ条件の下で下塗り層2を形成した。
【0029】 α-酸化鉄(粒子径0.06μm) 57.0 重量% カーボンブラック 13.0 重量% MR−110(日本ゼオン社製)(Tg 70℃) 10.0 重量% ポリウレタン樹脂(Tg 30℃) 10.0 重量% オレイン酸 0.6 重量% ステアリン酸nブチル 1.8 重量% ステアリン酸ブトキシエチル 1.8 重量% オレイン酸オレイル 1.8 重量% コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)(芳香族 イソシアネート硬化剤) 4.0 重量% 次に、上塗り層3用の塗料の固形分として、下記の組成
物を使用し、その他は比較例1と全く同じ条件の下で上
塗り層3を下塗り層2上に形成した。
物を使用し、その他は比較例1と全く同じ条件の下で上
塗り層3を下塗り層2上に形成した。
【0030】 メタル磁性粉(Hc:1700Oe、BET:40m2/g) 63.0 重量% カーボンブラック 2.0 重量% アルミナ 11.0 重量% MR−110(日本ゼオン社製)(Tg 70℃) 7.5 重量% ポリウレタン樹脂(Tg 40℃) 7.5 重量% オレイン酸 0.6 重量% ステアリン酸nブチル 1.8 重量% ステアリン酸ブトキシエチル 1.8 重量% オレイン酸オレイル 1.8 重量% コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)(脂肪族 イソシアネート硬化剤) 3.0 重量% このようにして得た磁気シートに比較例1と同じ処理を
施して比較例2の試料を形成した。
施して比較例2の試料を形成した。
【0031】(比較例3)下塗り層2用の塗料の固形分
として、下記の組成物を使用し、その他は比較例1と全
く同じ条件の下で下塗り層2を形成した。
として、下記の組成物を使用し、その他は比較例1と全
く同じ条件の下で下塗り層2を形成した。
【0032】 α-酸化鉄(粒子径0.06μm) 57.0 重量% カーボンブラック 13.0 重量% MR−110(日本ゼオン社製)(Tg 70℃) 10.0 重量% ポリウレタン樹脂(Tg 0℃) 10.0 重量% オレイン酸 0.6 重量% ステアリン酸nブチル 1.8 重量% ステアリン酸ブトキシエチル 1.8 重量% オレイン酸オレイル 1.8 重量% コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)(脂肪族 イソシアネート硬化剤) 4.0 重量% 次に、上塗り層3用の塗料の固形分として、下記の組成
物を使用し、その他は比較例1と全く同じ条件の下で上
塗り層3を下塗り層2上に形成した。
物を使用し、その他は比較例1と全く同じ条件の下で上
塗り層3を下塗り層2上に形成した。
【0033】 メタル磁性粉(Hc:1700Oe、BET:40m2/g) 63.0 重量% カーボンブラック 2.0 重量% アルミナ 11.0 重量% MR−110(日本ゼオン社製)(Tg 70℃) 7.5 重量% ポリウレタン樹脂(Tg 40℃) 7.5 重量% オレイン酸 0.6 重量% ステアリン酸nブチル 1.8 重量% ステアリン酸ブトキシエチル 1.8 重量% オレイン酸オレイル 1.8 重量% コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)(芳香族 イソシアネート硬化剤) 3.0 重量% このようにして得た磁気シートに比較例1と同じ処理を
施して比較例3の試料を形成した。
施して比較例3の試料を形成した。
【0034】以上の実施例および比較例1乃至3の各試
料における物性(樹脂のTg、ヤング率、ゲル分率)と
使用した硬化剤の種類とを図2の表に示している。混合
樹脂のTgは、各樹脂単独のTgに重量分率を掛け合わ
せたものの和によって表現される。また、ヤング率は、
上塗り層塗膜および下塗り層塗膜の引っ張り試験から求
めており、また、ゲル分率は、塗膜のテトラヒドロフラ
ン抽出から算出している。
料における物性(樹脂のTg、ヤング率、ゲル分率)と
使用した硬化剤の種類とを図2の表に示している。混合
樹脂のTgは、各樹脂単独のTgに重量分率を掛け合わ
せたものの和によって表現される。また、ヤング率は、
上塗り層塗膜および下塗り層塗膜の引っ張り試験から求
めており、また、ゲル分率は、塗膜のテトラヒドロフラ
ン抽出から算出している。
【0035】また、これらの各試料を3.5インチ・フ
ロッピー・ディスク・ケースに組み込んで、FDDによ
る電磁変換特性と連続耐久試験の測定を行なった。この
測定結果は、図3の表に示している。測定用FDDに
は、日本電気製FD−1331を使用して、各試料の高
域出力を測定した。耐久性は、温度5℃、相対湿度35
%の環境下で、磁気ヘッドをトラック48に置き、0か
ら96トラックまでの平均再生出力が初期出力の50%
に減少するまでの時間を耐久時間として、耐久時間に至
るまでに走行したパス量を測定した。また、150万パ
ス後の全トラックのミッシングパルスを測定し、信号パ
ルスが60%を下回るトラックを不良トラックとして、
不良トラック数によりドロップアウトの評価を行なっ
た。
ロッピー・ディスク・ケースに組み込んで、FDDによ
る電磁変換特性と連続耐久試験の測定を行なった。この
測定結果は、図3の表に示している。測定用FDDに
は、日本電気製FD−1331を使用して、各試料の高
域出力を測定した。耐久性は、温度5℃、相対湿度35
%の環境下で、磁気ヘッドをトラック48に置き、0か
ら96トラックまでの平均再生出力が初期出力の50%
に減少するまでの時間を耐久時間として、耐久時間に至
るまでに走行したパス量を測定した。また、150万パ
ス後の全トラックのミッシングパルスを測定し、信号パ
ルスが60%を下回るトラックを不良トラックとして、
不良トラック数によりドロップアウトの評価を行なっ
た。
【0036】図2および図3の結果が示すように、実施
例の磁気記録媒体では、上塗り層3に含まれる樹脂のT
gが下塗り層2に含まれる樹脂のTgよりも高いため
に、上塗り層3の硬化密度が下塗り層2より高くなり、
ヤング率も上塗り層3の方が下塗り層2より高くなるの
で、表面層は硬くなる。一方、内部は表面層より柔らか
いので、磁気ヘッドとの摩擦で起きる応力は緩和され、
こうしたことから、耐久性が向上している。さらに、上
塗り層3のゲル分率が高く、樹脂中に含まれる潤滑剤は
容易に拡散することなく、長時間にわたって徐々に表面
に移行しており、この点も耐久性の向上に貢献してい
る。
例の磁気記録媒体では、上塗り層3に含まれる樹脂のT
gが下塗り層2に含まれる樹脂のTgよりも高いため
に、上塗り層3の硬化密度が下塗り層2より高くなり、
ヤング率も上塗り層3の方が下塗り層2より高くなるの
で、表面層は硬くなる。一方、内部は表面層より柔らか
いので、磁気ヘッドとの摩擦で起きる応力は緩和され、
こうしたことから、耐久性が向上している。さらに、上
塗り層3のゲル分率が高く、樹脂中に含まれる潤滑剤は
容易に拡散することなく、長時間にわたって徐々に表面
に移行しており、この点も耐久性の向上に貢献してい
る。
【0037】また、下塗り層2のTgが低いのでカレン
ダ処理により平滑な表面が得られるので高域の出力も高
い。
ダ処理により平滑な表面が得られるので高域の出力も高
い。
【0038】また、実施例の磁気記録媒体では、上塗り
層3の硬化剤として、芳香族系よりも反応性の高い脂肪
族イソシアネート硬化剤を使用しているため、上塗り層
3の硬化反応が十分に行なわれている。そのため、粉落
ちがなく、ドロップアウトが大幅に減少しており、優れ
た信頼性を示している。
層3の硬化剤として、芳香族系よりも反応性の高い脂肪
族イソシアネート硬化剤を使用しているため、上塗り層
3の硬化反応が十分に行なわれている。そのため、粉落
ちがなく、ドロップアウトが大幅に減少しており、優れ
た信頼性を示している。
【0039】一方、比較例1の様に、上塗り層3の樹脂
のTgが下塗り層2の樹脂のTgより低い場合は、塗膜
のヤング率は逆転し、下塗り層2はヤング率が高いにも
かかわらず硬化反応が進んでいない。このため下塗り層
2に変形が起こり、耐久性が好ましくない。
のTgが下塗り層2の樹脂のTgより低い場合は、塗膜
のヤング率は逆転し、下塗り層2はヤング率が高いにも
かかわらず硬化反応が進んでいない。このため下塗り層
2に変形が起こり、耐久性が好ましくない。
【0040】また、比較例2の様に、上塗り層3の樹脂
のTgが下塗り層2の樹脂のTgより高くてもその差が
僅かであれば、下塗り層2の硬化反応は不十分となり、
耐久性は低いレベルである。耐久性や信頼性を満たすた
めには、上塗り層樹脂のTgと下塗り層樹脂のTgとの
差を10℃以上に設定する必要がある。
のTgが下塗り層2の樹脂のTgより高くてもその差が
僅かであれば、下塗り層2の硬化反応は不十分となり、
耐久性は低いレベルである。耐久性や信頼性を満たすた
めには、上塗り層樹脂のTgと下塗り層樹脂のTgとの
差を10℃以上に設定する必要がある。
【0041】また、比較例3の様に、上塗り層3の樹脂
のTgが下塗り層2の樹脂のTgより高く、その差が1
0℃以上あっても、上塗り層3に芳香族系硬化剤を、下
塗り層2に脂肪族系硬化剤を用いると、硬化処理前に下
塗り層2の硬化が進むために、カレンダ処理により平滑
な表面が得られなくなり、高域の出力が低下している。
また、下塗り層2は、十分な硬化反応が進んでいるもの
のヤング率が小さく、上塗り層3のヤング率との差が大
きいため上塗り層との塗層の界面での破壊が起こり、耐
久性が悪い。また、上塗り層3の硬化が不十分なため粉
落ちが起きて、不良トラック数が多く発生し、信頼性が
極めて低い。
のTgが下塗り層2の樹脂のTgより高く、その差が1
0℃以上あっても、上塗り層3に芳香族系硬化剤を、下
塗り層2に脂肪族系硬化剤を用いると、硬化処理前に下
塗り層2の硬化が進むために、カレンダ処理により平滑
な表面が得られなくなり、高域の出力が低下している。
また、下塗り層2は、十分な硬化反応が進んでいるもの
のヤング率が小さく、上塗り層3のヤング率との差が大
きいため上塗り層との塗層の界面での破壊が起こり、耐
久性が悪い。また、上塗り層3の硬化が不十分なため粉
落ちが起きて、不良トラック数が多く発生し、信頼性が
極めて低い。
【0042】こうした比較例と比べて明らかなように、
実施例の磁気記録媒体では、下塗り層2のTgを上塗り
層3のTgより10℃以上低く設定し、また、下塗り層
2を芳香族イソシアネート硬化剤によって硬化し、上塗
り層3を脂肪族イソシアネート硬化剤によって硬化して
いることが、優れた電磁変換特性、高い耐久性およびド
ロップアウトの少ない高い信頼性をもたらしている。
実施例の磁気記録媒体では、下塗り層2のTgを上塗り
層3のTgより10℃以上低く設定し、また、下塗り層
2を芳香族イソシアネート硬化剤によって硬化し、上塗
り層3を脂肪族イソシアネート硬化剤によって硬化して
いることが、優れた電磁変換特性、高い耐久性およびド
ロップアウトの少ない高い信頼性をもたらしている。
【0043】また、上塗り層3の膜厚は、記録密度を高
める上では薄くする方が良く、均一な塗膜が形成できる
実際上の範囲を考慮して0.1μm以上1.0μmに設
定する。
める上では薄くする方が良く、均一な塗膜が形成できる
実際上の範囲を考慮して0.1μm以上1.0μmに設
定する。
【0044】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の磁気記録媒体は、電磁変換特性や耐久性に
優れており、ドロップアウトの発生が少なく、信頼性が
極めて高い。
に、本発明の磁気記録媒体は、電磁変換特性や耐久性に
優れており、ドロップアウトの発生が少なく、信頼性が
極めて高い。
【図1】本発明の実施例における磁気記録媒体の要部断
面図、
面図、
【図2】実施例および比較例における磁気記録媒体の物
性を示す表、
性を示す表、
【図3】実施例および比較例における磁気記録媒体の特
性を示す表である。
性を示す表である。
1 非磁性支持体 2 下塗り層 3 上塗り層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/702 G11B 5/704
Claims (2)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に下塗り層と、磁性層と
しての上塗り層とをこの順番に設けて成る磁気記録媒体
において、 前記下塗り層に含まれる樹脂のTgが、前記上塗り層に
含まれる樹脂のTgより10℃以上低く、且つ、前記下
塗り層が芳香族イソシアネート硬化剤を含む塗層によっ
て形成され、前記上塗り層が脂肪族イソシアネート硬化
剤を含む塗層によって形成されていることを特徴とする
磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記上塗り層の膜厚が0.1μm以上
1.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載
の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1709193A JP2838884B2 (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1709193A JP2838884B2 (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06203362A JPH06203362A (ja) | 1994-07-22 |
JP2838884B2 true JP2838884B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=11934325
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1709193A Expired - Fee Related JP2838884B2 (ja) | 1993-01-07 | 1993-01-07 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2838884B2 (ja) |
-
1993
- 1993-01-07 JP JP1709193A patent/JP2838884B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06203362A (ja) | 1994-07-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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