JP2837694B2 - 多孔性分離膜 - Google Patents
多孔性分離膜Info
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- JP2837694B2 JP2837694B2 JP17187389A JP17187389A JP2837694B2 JP 2837694 B2 JP2837694 B2 JP 2837694B2 JP 17187389 A JP17187389 A JP 17187389A JP 17187389 A JP17187389 A JP 17187389A JP 2837694 B2 JP2837694 B2 JP 2837694B2
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- separation membrane
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- porous separation
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は液体の濾過に有用な多孔性分離膜に関する。
特に耐熱性、耐薬品性に秀れた空孔率の高い多孔性分離
膜に関する。
特に耐熱性、耐薬品性に秀れた空孔率の高い多孔性分離
膜に関する。
(従来の技術) 多孔性分離膜の素材として、種々の無機系および有機
系物質が提案されている。無機系物質からなる多孔性分
離膜は、無機物質の粒子と粒子の間隙を濾過の孔とする
ために、孔径の均一性には秀れるものの空孔率が低く、
濾過量が小さいという欠点がある。一方、有機系物質か
らなる多孔性分離膜では、湿式相分離法により製造され
る膜は常温で溶剤に溶解して成膜されるため耐熱性、耐
薬品性が充分でないという問題点があり、また延伸によ
り多孔を形成させる方法により得られる膜は空孔率が低
い、薄膜のため強度が低い、および孔径の均一性が劣る
といった問題点を有している。
系物質が提案されている。無機系物質からなる多孔性分
離膜は、無機物質の粒子と粒子の間隙を濾過の孔とする
ために、孔径の均一性には秀れるものの空孔率が低く、
濾過量が小さいという欠点がある。一方、有機系物質か
らなる多孔性分離膜では、湿式相分離法により製造され
る膜は常温で溶剤に溶解して成膜されるため耐熱性、耐
薬品性が充分でないという問題点があり、また延伸によ
り多孔を形成させる方法により得られる膜は空孔率が低
い、薄膜のため強度が低い、および孔径の均一性が劣る
といった問題点を有している。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は無機系膜と有機系膜の長所をかねそなえたユ
ニークな多孔性分離膜を提供するものである。すなわ
ち、耐熱性、耐薬品性に秀れ、孔径が均一で空孔率が高
く、しかも充分な強度を有する多孔性分離膜を提供する
ものである。
ニークな多孔性分離膜を提供するものである。すなわ
ち、耐熱性、耐薬品性に秀れ、孔径が均一で空孔率が高
く、しかも充分な強度を有する多孔性分離膜を提供する
ものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、ガラス転移温度が130℃以上の結晶性高分
子よりなる、ほぼ同じ大きさの粒子状物が積層されて構
成された、膜断面が均一な多孔質構造を有する、空孔率
が50%以上95%以下の多孔性分離膜に関する。
子よりなる、ほぼ同じ大きさの粒子状物が積層されて構
成された、膜断面が均一な多孔質構造を有する、空孔率
が50%以上95%以下の多孔性分離膜に関する。
本発明に用いられるガラス転移温度が130℃以上の結
晶性高分子としては、好ましくはポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルケトン等があげられる。ポリエー
テルエーテルケトンは、繰返し単位 で代表的に示されるポリマー類である。また、ポリエー
テルケトンは、繰返し単位 で代表的に示されるポリマー類である。
晶性高分子としては、好ましくはポリエーテルエーテル
ケトン、ポリエーテルケトン等があげられる。ポリエー
テルエーテルケトンは、繰返し単位 で代表的に示されるポリマー類である。また、ポリエー
テルケトンは、繰返し単位 で代表的に示されるポリマー類である。
本発明の多孔性分離膜は、無機物質からなる膜のよう
に粒子状物が積層してなる多孔質構造を有している。第
1図は本発明の一例を示す膜の断面の電子顕微鏡写真
(倍率150倍)であるが、ポリマーの粒子から膜が構成
されているようすがよくわかる。各粒子の大きさはほぼ
同じで、1〜20μmの範囲の値をとりうる。粒子と粒子
の間隙は、粒子の大きさのほぼ1/0程度である。さら
に、これらの粒子一個一個は0.1〜2μmから選ばれる
ほぼ同じ大きさの間隙を有する多孔体である。第2図
は、この粒子の構造を示す電子顕微鏡写真(倍率7500
倍)である。このような均一な多孔質構造を有するため
に、本願の膜は孔径がひじょうに均一で、かつ空孔率が
50〜95%と高く、しかも高い耐圧密強度を有している。
に粒子状物が積層してなる多孔質構造を有している。第
1図は本発明の一例を示す膜の断面の電子顕微鏡写真
(倍率150倍)であるが、ポリマーの粒子から膜が構成
されているようすがよくわかる。各粒子の大きさはほぼ
同じで、1〜20μmの範囲の値をとりうる。粒子と粒子
の間隙は、粒子の大きさのほぼ1/0程度である。さら
に、これらの粒子一個一個は0.1〜2μmから選ばれる
ほぼ同じ大きさの間隙を有する多孔体である。第2図
は、この粒子の構造を示す電子顕微鏡写真(倍率7500
倍)である。このような均一な多孔質構造を有するため
に、本願の膜は孔径がひじょうに均一で、かつ空孔率が
50〜95%と高く、しかも高い耐圧密強度を有している。
空孔率は50%未満では濾過量が小さく、好ましくな
い。一方、95%をこえると膜の強度が弱くなり、実用的
でない。ここで空孔率(Pr)とは、含水膜の重量W1、乾
燥後の乾燥膜の重量W0、および乾燥膜の真比重ρとする
ときに、 で表わされる値をいう。
い。一方、95%をこえると膜の強度が弱くなり、実用的
でない。ここで空孔率(Pr)とは、含水膜の重量W1、乾
燥後の乾燥膜の重量W0、および乾燥膜の真比重ρとする
ときに、 で表わされる値をいう。
本発明の多孔性分離膜は、たとえば、ガラス転移温度
が、130℃以上の結晶性高分子を加熱したスルホラン中
に溶解し、溶解原液を注型してから冷却し、脱溶剤する
ことにより得られる。
が、130℃以上の結晶性高分子を加熱したスルホラン中
に溶解し、溶解原液を注型してから冷却し、脱溶剤する
ことにより得られる。
ガラス転移温度が130℃以上の結晶性高分子としては
前記したものが好ましく用いられる。
前記したものが好ましく用いられる。
加熱スルホランの温度は250℃以上、好ましくは270℃
以上がポリマーの溶解性の点から好ましい。
以上がポリマーの溶解性の点から好ましい。
ポリマー溶液の濃度は、膜の空孔率によって5〜50重
量%の範囲から選ばれる。
量%の範囲から選ばれる。
ポリマーを溶解させた原液は、平膜状、中空糸状など
の任意の形状に注型され、冷却凝固される。原液を板上
にキャストし、冷却すると平膜が得られ、中空状の口金
から吐出して冷却すると中空糸膜が得られる。脱溶剤は
水中での浸漬の後、膜を乾燥、あるいは直接減圧乾燥し
て行う。
の任意の形状に注型され、冷却凝固される。原液を板上
にキャストし、冷却すると平膜が得られ、中空状の口金
から吐出して冷却すると中空糸膜が得られる。脱溶剤は
水中での浸漬の後、膜を乾燥、あるいは直接減圧乾燥し
て行う。
本発明の膜は耐溶剤性に秀れており、たとえばN−メ
チルピロリドンに溶解しない。また、150℃の熱水にも
耐える耐熱性を有している。さらに、従来の有機高分子
膜にはみられない多孔質構造を有しているため、空孔率
が高いにもかかわらず耐圧密強度が高く、孔径もシャー
プである。
チルピロリドンに溶解しない。また、150℃の熱水にも
耐える耐熱性を有している。さらに、従来の有機高分子
膜にはみられない多孔質構造を有しているため、空孔率
が高いにもかかわらず耐圧密強度が高く、孔径もシャー
プである。
実施例1 ICI社製のポリエーテルエーテルケトンのガラス転移
温度をパーキンエルマー社製示差熱分析形(DSC)によ
り測定したところ、143℃であった。
温度をパーキンエルマー社製示差熱分析形(DSC)によ
り測定したところ、143℃であった。
この結晶性高分子15gを加熱したスルホラン(東京化
成製)85g中に入れ、287℃で8時間撹拌し、かっ色の透
明溶液を得た。
成製)85g中に入れ、287℃で8時間撹拌し、かっ色の透
明溶液を得た。
これをガラス板上に流延し、大気中で放冷すると平膜
状の凝固物となった。流水中で24時間洗浄したのち、10
0℃で10時間乾燥させ、多孔膜を得た。
状の凝固物となった。流水中で24時間洗浄したのち、10
0℃で10時間乾燥させ、多孔膜を得た。
得られた多孔膜の空孔率(Pr)は84%、厚さは630μ
mであった。この膜の断面の走査型電子顕微鏡写真(倍
率150倍)を第1図に示す。およそ5μmの直径をもつ
微粒子状物が積層して多孔質構造を形成しているようす
が観察される。第2図は多孔質構造を形成する粒子の構
造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率7500)である。微
粒子状物は、0.5μmの間隙をもってポリマーが放射状
に発達したような多孔質構造を有しているのが観察され
る。
mであった。この膜の断面の走査型電子顕微鏡写真(倍
率150倍)を第1図に示す。およそ5μmの直径をもつ
微粒子状物が積層して多孔質構造を形成しているようす
が観察される。第2図は多孔質構造を形成する粒子の構
造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率7500)である。微
粒子状物は、0.5μmの間隙をもってポリマーが放射状
に発達したような多孔質構造を有しているのが観察され
る。
この多孔膜の純水の透水量は12m3/m2・kg/cm2・hrで
あった。また、ダウケミカル社製の1.09μmのユニフォ
オムラテックスパーティクルの0.005%溶液を濾過した
ところ、透過率は1%以下であった。同様に0.091μm
のユニフォームラテックスパーティクルの透過率を測定
したところ、99%であった。
あった。また、ダウケミカル社製の1.09μmのユニフォ
オムラテックスパーティクルの0.005%溶液を濾過した
ところ、透過率は1%以下であった。同様に0.091μm
のユニフォームラテックスパーティクルの透過率を測定
したところ、99%であった。
つぎに、この膜を25℃のN−メチルピロリドン中に24
時間浸漬し、その後水洗した。この処理による膜の外観
上の変化はなく、透水量も12m3/m2・kg/cm2・hrと変化
はなかった。
時間浸漬し、その後水洗した。この処理による膜の外観
上の変化はなく、透水量も12m3/m2・kg/cm2・hrと変化
はなかった。
さらにこの膜を150℃の加圧熱水中に1時間浸漬した
が、浸漬後の膜に外観上の変化はなく、透水量も12m3/m
2・kg/cm2/hrと変化がなかった。
が、浸漬後の膜に外観上の変化はなく、透水量も12m3/m
2・kg/cm2/hrと変化がなかった。
第1図は本発明の多孔性分離膜を構成する粒子の構造の
一例を示す電子顕微鏡写真(150倍)である。第2図は
粒子構造の一例を示す拡大電子顕微鏡写真(7500倍)で
ある。
一例を示す電子顕微鏡写真(150倍)である。第2図は
粒子構造の一例を示す拡大電子顕微鏡写真(7500倍)で
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】ガラス転移温度が130℃以上の結晶性高分
子よりなる、ほぼ同じ大きさの粒子状物が積層されて構
成された、膜断面が均一な多孔質構造を有する、空孔率
が50%以上95%以下の多孔性分離膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17187389A JP2837694B2 (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 多孔性分離膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17187389A JP2837694B2 (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 多孔性分離膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0338226A JPH0338226A (ja) | 1991-02-19 |
JP2837694B2 true JP2837694B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=15931376
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17187389A Expired - Fee Related JP2837694B2 (ja) | 1989-07-05 | 1989-07-05 | 多孔性分離膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2837694B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2747438B1 (fr) * | 1996-04-12 | 1998-07-24 | Gkn Glaenzer Spicer | Ensemble de transmission a mobilite axiale |
WO2001091219A1 (en) * | 2000-05-22 | 2001-11-29 | Korea Institute Of Science And Technology | A lithium secondary battery comprising a porous polymer separator film fabricated by a spray method and its fabrication method |
WO2001091221A1 (en) * | 2000-05-22 | 2001-11-29 | Korea Institute Of Science And Technology | A composite polymer electrolyte fabricated by a spray method, a lithium secondary battery comprising the composite polymer electrolyte and their fabrication methods |
WO2001091222A1 (en) * | 2000-05-22 | 2001-11-29 | Korea Institute Of Science And Technology | A lithium secondary battery comprising a polymer electrolyte fabricated by a spray method and its fabrication method |
WO2001091220A1 (en) * | 2000-05-22 | 2001-11-29 | Korea Institute Of Science And Technology | A hybrid polymer electrolyte fabricated by a spray method, a lithium secondary battery comprising the hybrid polymer electrolyte and their fabrication methods |
-
1989
- 1989-07-05 JP JP17187389A patent/JP2837694B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0338226A (ja) | 1991-02-19 |
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Legal Events
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