JP2834922B2 - 発光ダイオード - Google Patents
発光ダイオードInfo
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Description
れる発光ダイオードに関する。
ダイオード(LED)として、GaAsPまたはGaP系材
料の他に、AlGaInP系材料を用いたものが開発され
つつある。
して作成されている。まず、図6に示すように、n型Ga
As基板90の表面100にn型AlGaInPクラッド層
91、アンドープAlGaInP発光層92、p型AlGaI
nPクラッド層93、p型AlGaAs電流拡散層94、p型
GaAsコンタクト層95、p側電極96を全面に積層す
る。次に、図7に示すように、この電極96およびp型
GaAs層95を一部除去してパターン化する。すなわ
ち、電極96をワイヤボンドを行うための円形状のパッ
ド部98と、このパッド部98から四方に直線状に延び
る分枝99a,99b,99c,99dとで構成する。このよ
うに分枝を複数設けることにより、電流をチップ内にで
きるだけ均一に拡散するようにしている。この後、基板
90の裏面にn側電極97を形成する。発光層92より
発した光は、基板90と電極96とに吸収されるため、
チップ表面100のうち電極96を除去した領域100
aと側面101とからチップ外へ出射する。
92よりもバンドギャップが大きい2つのクラッド層9
1,93で挟んだダブルヘテロ構造となっている。ここ
で、クラッド層91,93によって発光層92に有効に
電子およびホールを閉じ込めるためには、クラッド層9
1,93の組成(AlyGa1-y)0.5In0.5PにおいてAl混
晶比yを0.7〜1と大きくする必要がある。ところが、
このようにAl混晶比yを大きくすると、層中へのp型あ
るいはn型のドーピングが難しくなり、クラッド層91,
93の比抵抗を低くすることが困難となる。そこで、こ
のLEDでは、電流拡散層94を設けて電極96の直下
に電流が集中することを防ぎ、これにより電極96で覆
われていない領域100aでの発光量を多くしている。
流拡散層94の働きは十分ではなく、その結果、電極9
6直下での無効な発光が電極96で覆われていない領域
100aでの発光に比べて多くなっている。このため、
上記従来のLEDは、外部量子効率が悪いという問題が
ある。
nm(緑色)であるから、AlGaAs電流拡散層94で光吸
収が生じるという問題がある。AlxGa1-xAsは、たと
え最も広いバンドギャップとなる混晶比x=1に設定し
たとしても、吸収端は574nmであり、これより短波長
の光を透過しないからである。なお、AlAs(x=1に相
当する)は空気中で腐食され易く、表面層として用いる
には適当でない。
効発光を相対的に減少させて外部量子効率を改善できる
上、電流拡散層を省略して短波長の光を効率良く出射で
きる発光ダイオードを提供することにある。
めに、この発明は、半導体チップの表面に電極を有し、
上記チップ表面のうち電極で覆われていない領域からチ
ップ外へ光を出射する発光ダイオードにおいて、上記電
極は、略円形状をなすパッド部と、上記パッド部から線
状に延びる第1次の分枝と、上記第1次の分枝から分岐
して線状に延びる第2次の分枝と、さらに上記第2次の
分枝から分岐して線状に延びる第3次の分岐を少なくと
も有し、 上記各次の分枝の線幅は、次数が増えるにつ
れて細くなっていることを特徴としている。
えるにつれて一定の比率で短くなっていることを特徴と
している。
を特徴としている。
枝に対する角度は0°または90゜になっていることを
特徴としている。
層のどの部分からもあまり遠くない距離に電極があれば
よい。ところが単純に電極の面積を増やすとチップ外へ
光が出射しにくくなる。その点を回避するために電極幅
を狭くすると、今度は電極での配線抵抗が増大する。こ
のように矛盾する条件を極力調和させたのが本発明であ
る。
た電極が、ワイヤボンディングがなされるパッド部と、
このパッド部から線状に延び、先端に向かって枝分かれ
を繰り返す形状を持つ枝部とからなり、上記枝部は、上
記パッド部に連なる第1次の分枝と、上記第1次の分枝
から分岐した第2次の分枝と、さらに上記第2次の分枝
から分岐した第3次の分枝を少なくとも有しているので
(さらに高次の分枝を有していても良い)、チップ表面は
上記枝部の各次の分枝によって樹枝状に覆われた状態と
なる。この結果、チップの隅々にまで電流が拡散され、
電流拡散抵抗が実質的に減少する。したがって、電極直
下での無効な発光よりも電極で覆われていない領域での
発光が相対的に多くなる。したがって、チップ外へ光が
出射しやすくなり、外部量子効率が改善される。また、
上記電極の形状によってチップ内に電流を十分拡散でき
ることから、例えば黄色より短波長のAlGaInP系L
EDにおいてAlGaAs電流拡散層を設ける必要がなく
なる。したがって、短波長の光であっても吸収のない好
適な特性となる。なお、この電極形状は、AlGaInP
系LEDだけでなく、一般のAlGaAs系、GaP系、Z
nSe系、GaN系、SiC系LEDなどに適用される。こ
れにより、各種LEDの特性向上が図られる。
数が増えるにつれて細くなっている場合、チップ表面の
うち電極直下の面積があまり増加することなく、電流拡
散抵抗が効果的に減少する。したがって、さらに外部量
子効率が改善される。しかも、低次の分枝の線幅は比較
的広くなっているので、配線抵抗はほとんど増大するこ
とがない。また、上記枝部の各次の分枝の線幅を次数が
増えるにつれて一定の比率で細くなるようにした場合、
電極のパターン設計が容易になる。
数が増えるにつれて一定の比率で短くなっている場合、
各次の分枝でもってチップ表面が効率良く覆われる。す
なわち、高次の分枝同士がほとんど重なることなく、チ
ップ表面の略全域が樹枝状に覆われる。しかも、上記枝
部の各次の分枝の長さは次数が増えるにつれて一定の比
率で短くなっているので、電極のパターン設計が容易に
なる。
0°または90°になっている場合、同様に、各次の分
枝でもってチップ表面が効率良く覆われる。すなわち、
高次の分枝同士が重なることなく、チップ表面の略全域
が樹枝状に覆われる。しかも、電極のパターン設計が容
易になる。
より詳細に説明する。
EDのチップ表面,チップ断面をそれぞれ示している。
図1に示すように、チップ表面30には電極16が設け
られている。電極16は、ワイドボンドのための所定寸
法の円形状のパッド部18を中央に備えている。このパ
ッド部18から対角方向に直線状に第1次の分枝19a,
19b,19c,19dが延びている。第1次の分枝19a,
19b,19c,19dは、互いに同一線幅、同一長さとな
っている。各第1次の分枝19a,19b,19c,19dの
先端からそれぞれ三方向に第2次の分枝20a,20b,2
0cが分岐して延びている。第1次の分枝と第2次の分
枝とがなす角度は0°または90°となっている。な
お、設計上は、各第1次の分枝19a,19b,19c,19
dと重なる図示しない第2次の分枝がある。第2次の分
枝20a,20b,20cは、互いに同一線幅、同一長さと
なっており、第1次の分枝に対して線幅、長さがいずれ
も1/2となっている。また、各第2次の分枝20a,2
0b,20cの先端からそれぞれ三方向に直線状に第3次
の分枝21a,21b,21cが分岐して延びている。第2
次の分枝と第3次の分枝とがなす角度は0°または90
°となっている。また、第3次の分枝21a,21b,21
cは、互いに同一線幅となっており、第2次の分枝に対
して線幅、長さがいずれも1/2となっている。なお、
各第1次の分枝19a,19b,19cの中ほどからも第3
次の分枝が分岐しているが、これは各第1次の分枝19
a,19b,19cに重なって上記図示しない第2次の分枝
の先端があるためである。さらに、各第3次の分枝21
a,21b,21cの先端からそれぞれ三方向に直線状に第
4次の分枝22a,22b,22cが分岐して延びている。
第3次の分枝と第4次の分枝とがなす角度は0°または
90°となっている。また、第4次の分枝22a,22b,
22cは、互いに同一線幅、同一長さとなっており、第
3次の分枝21a,21b,21cに対して線幅、長さがい
ずれも1/2となっている。
いても枝分かれ数が等しく、低次の分枝と高次の分枝と
の関係は'X'形状の4つの先端に長さが1/2の'X'を
組み合わせた規則的で相似な自己相似形状、すなわちフ
ラクタル形状となっている。したがって、パターン設計
を容易に行うことができる。また、高次の分枝同士が重
なることなくチップ表面30の略全域を樹枝状に覆うこ
とができる。さらに、低次の分枝の配線幅を比較的広く
しているので配線抵抗を低く抑えることができる。低次
の分枝ほど電流が多く流れるからである。ただし、配線
幅が細くても配線抵抗が充分小さいならば、配線幅を広
げる必要はない。
GaInP系チップの表面30に設けられている。このチ
ップは、次のようにして作製する。まず、n型GaAs基
板10の裏面にMOCVD法(有機金属化学気相成長法)
により、n型AlGaInPクラッド層11、アンドープ発
光層12、p型AlGaInPクラッド層13、p型AlGa
Asコンタクト層14、p型GaAsコンタクト層15、電
極16を順に全面に形成する。次に、フォトリソグラフ
ィーによって、電極16が図1に示した形状となるよう
に、コンタクト層14、15と共に一部除去してパター
ン化する。この後、基板10の裏面側にも電極17を形
成する。なおp型AlGaAsコンタクト層14は、従来と
異なり電極16直下にしかなく、電流拡散層としては働
かない。
は、チップ表面30を電極16によって樹枝状に覆って
いるので、電流拡散層を設けなくても、チップの隅々に
まで電流を拡散でき、実質的に電流拡散抵抗を減少させ
ることができる。したがって、電極16直下での無効な
発光よりも電極16で覆われていない領域30aでの発
光を相対的に増大させることができる。したがって、チ
ップ外へ光を出射しやすくなり、外部量子効率を改善す
ることができる。また、電流拡散層を設けていないの
で、短波長の光であっても吸収が生じないようにでき
る。実際に特性測定を行ったところ、発光波長は570
nm(黄緑色)で、外部量子効率は、1.5%であった。
0の中央に限定されるものではなく、周辺部にあっても
よい。
ングによらず、いわゆるマスク蒸着(電極14と同じ形
状の開口部を有するメタルマスクを用いて蒸着する)に
より形成しても良い。
されるものでなく、AlGaAs、GaAsP、GaP、Al
GaN、GaInAsPなどのIII−V族化合物半導体、
ZnCdSSe、ZnCdSeTeなどのII−VI族化合物
半導体、CuAlSSe、CuGaSSeなどのカルコパイラ
イト系半導体であってもよい。
ではなく、GaP、InP、サファイアなどでも良く、発
光波長に対して不透明であっても透明であってもよい。
基板の導電型はn型でもp型でもよい。
分岐を有する電極16を設けたが、発光波長に対し透明
な基板を用いる場合は、基板裏面側の電極17にも分枝
を設ける。これにより、光出射効率をさらに向上させる
ことができる。
ロ接合に限定されるものでなく、シングルヘテロ接合、
ホモ接合であってもよい。
D法(有機金属化学気相成長法)で形成したが、MBE法
(分子線エピタキシ法)、VPE法(気相成長法)、LPE
法(液相成長法)などで形成してもよい。pn接合は、結晶
成長時に作り込むほか、結晶成長後にドーパントを拡散
して形成してもよい。
Dのチップ表面,チップ断面をそれぞれ示している。図
3に示すように、チップ表面60に設けられた電極45
は、略円形状のパッド部48と、このパッド部48から
直線状に延びる第1次の分枝49a,49b、第2次の分
枝50a,50b、第3次の分枝51a,51b、第4次の分
枝52a,52b、第5次の分枝53a,53b、第6次の分
枝54a,54bを有している。上記各次の分枝は、'H'
形状の4つの先端に長さが1/2の'H'を組み合わせる
ことを繰り返したフラクタル形状となっている。この例
では、各次の分枝を正方形のチップの四辺に平行な線で
形成しているので、パターン設計を容易に行うことがで
きる。
GaAs系チップの表面60に設けられている。このチッ
プを作製する場合、まず、n型GaAs基板40上にn型A
lGaAs層41、p型AlGaAs発光層42、p型AlGaA
s層43、p型GaAsコンタクト層44を形成し、続い
て、基板の表面に電極45、裏面に電極46を全面に形
成する。そして、コンタクト層44と電極45を図3に
示す形状となるように一部エッチングしてパターン化す
る。
0を電極45によって樹枝状に覆っているので、第1実
施例と同様に、外部量子効率を改善することができる。
また、電流拡散層を設けていないので、短波長の光であ
っても吸収が生じないようにできる。
EDのチップ表面を示している。チップ表面70に設け
られた電極75は、略円形状のパッド部78と、第1次
の分枝79a,79bと、第2次の分枝80a,80b,80
c,80d,80eと、各第2次の分枝80a,…,80eから
分岐した第3次の分岐81a,81b,81c,81d,81e,
81f,81g,81h,81iと、各第3次の分枝81a,…,
81iから分岐した第4次の分岐82a,82b,82c,8
2dを有している。すなわち、パッド部78を通るチッ
プ側面71に平行な直線AB上に第1次の分枝79a,7
9bを設け、この第1次の分枝79a,79bに垂直に第2
次の分枝80a,…,80eを5本設けている。さらに各第
2次の分枝80a,…,80eに垂直に第3次の分枝81a,
…,81iを9本設けている。なお、この第3次の分枝
は、パッド部78あるいは第1次の分枝79a,79bに
重なる部分では実際には形成していない。さらに、第3
次の分枝81a,…,81iに垂直に第4次の分枝82a,
…,82dを設けている。上記各次の分枝は特に電流が多
く流れるパッド部78側の部分を太くしている。この例
は、枝分かれの数が分岐の次数によって異なるため狭義
のフラクタルではないが、設計思想はフラクタル的であ
る。
構造は第1実施例と同じであり、説明を省略する。この
AlGaInP系LEDは、チップ表面70を電極75に
よって樹枝状に覆っているので、第1,第2実施例と同
様に外部量子効率を改善することができる。また、電流
拡散層を設けていないので短波長の光であっても吸収が
生じないようにできる。
光ダイオードは、チップ表面に設けられた電極が、ワイ
ヤボンディングがなされるパッド部と、このパッド部か
ら線状に延び、先端に向かって枝分かれを繰り返す形状
を持つ枝部とからなり、上記枝部は、上記パッド部に連
なる第1次の分枝と、上記第1次の分枝から分岐した第
2次の分枝と、さらに上記第2次の分枝から分岐した第
3次の分枝を少なくとも有しているので、チップ表面を
各次の分枝によって樹枝状に覆うことができ、電流拡散
抵抗を実質的に減少させることができる。したがって、
電極直下での無効な発光よりも電極で覆われていない領
域での発光を相対的に大きくでき、外部量子効率を改善
することができる。しかも、電流拡散層を省略でき、こ
の結果、短波長の光であっても効率良く出射することが
できる。
数が増えるにつれて一定の比率で細くなっている場合、
チップ表面のうち電極直下の面積をあまり増加させるこ
となく、電流拡散抵抗を効果的に減少でき、したがっ
て、さらに外部量子効率を改善できる。しかも、配線抵
抗の増大を抑えることができる上、電極のパターンを容
易に設計することができる。
数が増えるにつれて一定の比率で短くなっている場合、
高次の分枝同士が重なるのを避けることができ、チップ
表面の略全域を樹枝状に覆うことができる。しかも、電
極のパターンを容易に設計することができる。
0°または90°になっている場合、同様に、高次の分
枝同士が重なるのを避けることができ、チップ表面の略
全域を樹枝状に覆うことができる。しかも、電極のパタ
ーンを容易に設計することができる。
Dの表面電極パターンを示す図である。
の表面電極パターンを示す図である。
Dの表面電極パターンを示す図である。
す図である。
パターンを示す図である。
1次の分枝 20a,20b,20c,50a,50b,80a,…,80e 第
2次の分枝 21a,21b,21c,51a,51b,81a,…,81i 第
3次の分枝 22a,22b,22c,52a,52b,82a,…,82d 第
4次の分枝 30,60,70 チップ表面 31,61,71 チップ側面 41 n型AlGaAs層 42 p型AlGaAs発光層 43 p型AlGaAs層 44 p型GaAsコンタクト層 53a,53b 第5次の分枝 54a,54b 第6次の分枝
Claims (4)
- 【請求項1】 半導体チップの表面に電極を有し、上記
チップ表面のうち電極で覆われていない領域からチップ
外へ光を出射する発光ダイオードにおいて、 上記電極は、略円形状をなすパッド部と、上記パッド部
から線状に延びる第1次の分枝と、上記第1次の分枝か
ら分岐して線状に延びる第2次の分枝と、さらに上記第
2次の分枝から分岐して線状に延びる第3次の分岐を少
なくとも有し、 上記各次の分枝の線幅は、次数が増えるにつれて細くな
っている ことを特徴とする発光ダイオード。 - 【請求項2】 上記各次の分枝の長さは、次数が増える
につれて一定の比率で短くなっていることを特徴とする
請求項1に記載の発光ダイオード。 - 【請求項3】 上記一定の比率は1/2である請求項2
に記載の発光ダイオード。 - 【請求項4】 上記各同次数の分枝の1つ低次の分枝に
対する角度は0゜または90゜になっていることを特徴
とする請求項2乃至請求項3のいずれかに記載の発光ダ
イオード。
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