JP3674613B2 - 半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光素子に関し、特に活性層に電圧を印加するための電極をそれぞれ支持基板の同一面側に形成した構造を有する半導体発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体発光素子として、例えば、特開2001−345480(特許文献1)に提案されているものがあり、これを図6に示す。図6は全体概略平面図である。このものは、サファイアからなる支持基板101に窒化アルミニウムからなるバッファ層を積層し、次いで、シリコン(Si)をドープした窒化ガリウム(GaN)で形成されたn型コンタクト層とn型クラッド層からなるn−Gan層102と、窒化インジウムガリウム(InGaN)層と窒化ガリウム層とを繰り返し積層して形成された活性層と、マグネシウム(Mg)をドープした窒化ガリウム(GaN)で形成されたp型コンタクト層とp型クラッド層からなるp−GaN層103とを順に積層させた構造をなしている。
【0003】
また、p−GaN層103の表面の略全面には、例えば、コバルト(Co)と金(Au)との合金からなる透光性電極104が設けられており、さらに、その上面には、例えば、例えば、バナジウム(V)、Au、アルミニウム(Al)からなるp電極105が設けられている。このうち、透光性電極104は、その上面に設けられるp電極105から注入される電流をp−GaN層103へ十分拡散させるために設けられており、また、透光性とすることで、活性層で発光した光をp電極105の形成面側から取り出すことができる。また、p電極105は、半導体発光素子の一辺の略中央に配設されたp台座電極105aと、そこからp−GaN層103中央に向かって延長された部位と周縁に沿って延長された部位からなるp補助電極105bから構成されており、平面視において櫛状に形成されている。また、このように配置することにより、p補助電極105bと透光性電極104のすべての角部までの距離を一定にしている。
【0004】
一方、n電極106は、p−GaN103と活性層及びn−GaN層102の一部を所定の深さまでエッチングして表出させたn−GaN層102の表面に設けられている。このn電極106もn台座電極106aとn補助電極106bから構成されており、n台座電極106aは、p台座電極105aと対向する一辺の略中央に配設され、n補助電極106bは、n台座電極から延長されるとともにp補助電極105bと互い違いに平行になるように配設されている。
【0005】
したがって、この半導体発光素子によれば、透光性電極104のすべての点がp電極105から所定の距離内にあるので、p台座電極105a又はp補助電極105bから最も離れた透光性電極104の部分へも電流が十分に拡散されて半導体発光素子の全面が均等に発光することができる。また、p補助電極105bを透光性電極104の中央部に延設しているので、p補助電極105bと透光性電極104のすべての角部までの距離が一定となり、また、n補助電極106bを半導体発光素子の内方まで延設しているので、n補助電極106bと半導体発光素子の角部までの距離が一定となり、角部での発光出力の低下を防止できる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−345480号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような半導体発光素子は、活性層で発光した光を、透光性電極104を介してp−GaN層103のp電極105を形成した面側から取り出せる。しかしながら、この取り出せる光量は、透光性電極104に入射する光量がそこに吸収される分を除いたものとなる。そして、透光性電極104に吸収される分は、入射する光量の半分程度以上である。つまり、取り出せる光量、すなわち、光の透過率は、透光性電極104に入射する光量を100%とした場合に50%程度以下になるのである。
【0008】
また、p−GaN層103及び透光性電極104の屈折率は空気の屈折率より大きいため、活性層で発光した光は、p−GaN層103及び透光性電極104と空気との境界部分で全反射される場合があり、この場合、発光した光を半導体発光素子外部へ取り出せないこととなり、やはり、光の取り出し効率を低減させる要因となる。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、半導体発光素子の全面を均等に発光させつつ、光の取り出し効率を向上させることができる半導体発光素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の半導体発光素子は、支持基板と、支持基板の一方の面に第1の導電型を有する半導体層と、活性層と、第2の導電型を有する半導体層とを順次積層して備え、第2の導電型を有する半導体層に第2の電極を設けるとともに、第2の導電型を有する半導体層と活性層及び第1の導電型を有する半導体層の一部を除去して露出させた第1の導電型を有する半導体層に第1の電極を設けた半導体発光素子において、前記第2の導電型を有する半導体層と活性層及び第1の導電型を有する半導体層は、その除去部分の縁部を第1の導電型を有する半導体層に沿って凹凸する形状に設けるとともに、前記第1の電極及び前記第2の電極は、その縁部における第1の導電型を有する半導体層の凸領域及び第2の導電型を有する半導体層の凸領域に向かってそれぞれ突出するように設けた複数の歯部電極を有し、かつ両電極の歯部電極の先端を縁部からの最短距離が一定の間隔となるようにそれぞれの半導体層の内方に位置している櫛歯状の電極であることを特徴としている。
【0011】
この構成により、透光性電極を備えずとも第1の導電型を有する半導体層から第2の導電型を有する半導体層へ流れる電流密度を一定にすることができるので、半導体発光素子の全面を均等に発光することができる。また、第2の電極の歯部電極と歯部電極との間は第2の導電型を有する半導体層が露出しているので、発光する光を減衰させることなく取り出すことができ、光の取り出し効率を向上することができる。
【0012】
請求項2に係る発明の半導体発光素子は、請求項1記載の構成において、前記第2の導電型を有する半導体層は、その表面に設けられた前記第2の電極の前記歯部電極と歯部電極との間に支持基板の方向に向かうに従って幅が小さくなる溝を設けたものとしている。
【0013】
この構成により、歯部電極の直下に位置する活性層から発光した光が歯部電極と歯部電極の間にある第2の導電型を有する半導体層の外部との境界面に入射した際、その入射角度の大半は臨界角以下になるので、全反射を低減できて光の取り出し効率を向上することができる。
【0014】
請求項3に係る発明の半導体発光素子は、請求項1又は2記載の構成において、前記第2の導電型を有する半導体層は、その表面に設けられた前記第2の電極の前記歯部電極と歯部電極との間に第2の導電型を有する半導体層と同等もしくはそれより大きい屈折率を有する凸部を設けたものとしている。
【0015】
この構成により、第2の電極の直下に位置する活性層から発光した光が歯部電極と歯部電極の間にある第2の導電型を有する半導体層の外部との境界面に入射した際、光は全反射することなく第2の導電型を有する半導体層から出ていくので、光の取り出し効率を向上することができる。
【0016】
請求項4に係る発明の半導体発光素子は、請求項1乃至3記載の構成において、前記第2の電極は、前記歯部電極を前記支持基板の方向に向かうに従って幅が大きくなるように形成してなるものとしている。
【0017】
この構成により、歯部電極と歯部電極の間から出力した光が歯部電極の側面に入射して散乱又は吸収されてしまうことを低減できるので、光の取り出し効率を向上することができる。
【0018】
請求項5に係る発明の半導体発光素子は、請求項1乃至4記載の構成において、前記歯部電極は、その先端を面取りしてなるものとしている。
【0019】
この構成により、第2の電極の歯部電極の隅角部と第1の電極の歯部電極の隅角部との間での電界集中を低減できるので、第2の導電型を有する半導体層から第1の導電型を有する半導体層へ流れる電流密度を均一化して半導体発光素子の全面を均等に発光させることができる。
【0020】
請求項6に係る発明の半導体発光素子は、請求項1乃至5記載の構成において、前記歯部電極は、その先端に向かうに従って幅が小さくなるように形成してなるものとしている。
【0021】
この構成により、電界が歯部電極の先端に集中するのを防止できるので、第2の導電型を有する半導体層から第1の導電型を有する半導体層へ流れる電流密度を均一化して半導体発光素子の全面を均等に発光させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る半導体発光素子を図1乃至図3に基づいて説明する。図1はその平面図、図2は図1のA−A線に沿って切断したときの中央付近を示す要部拡大断面図であり、図3は歯部電極の拡大図である。
【0023】
この半導体発光素子は、支持基板1と、第1の導電型を有する半導体層2と、活性層3と、第2の導電型を有する半導体層4と、第1の電極5と、第2の電極6とを主要構成要素としている。
【0024】
支持基板1は、半導体発光素子のベースとなるものであり、例えば、サファイアのような透光性及び絶縁性を有する基板にて形成されている。また、この支持基板1の一方の面に、第1の導電型を有する半導体層2と、活性層3と、第2の導電型を有する半導体層4とが順次積層されている。
【0025】
第1の導電型を有する半導体層2は、n型の導電型を示すように形成しており、詳しくは、n型バッファ層21とn型コンタクト層22とn型クラッド層23から構成している。このうち、n型バッファ層21は、例えば、GaNにて形成しており、支持基板1とn型コンタクト層22との格子不整合を緩和するために設けている。また、n型クラッド層23は、例えば、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)のような活性層3よりバンドギャップエネルギーが大きい組成のもので形成している。そして、n型コンタクト層22は、例えば、GaNにて形成しており、第1の導電型を有する半導体層2の上方の表面側の層ではないものの後述する第1の電極5を設けている。これは、直接、第1の電極5を第1の導電型を有する半導体層2の上方の表面側の層であるn型クラッド層23に設けたものと比較すると、両者の接触界面における接触障壁(ショットキバリア)を小さくし、オーミック接触を実現している。さらに、このn型コンタクト層22の一部は、その表層にあるn型クラッド層23と活性層3と第2の導電型を有する半導体層4の所定の一部を除去することにより露出されている。そして、この露出したn型コンタクト層22と、n型クラッド層23と活性層3と第2の導電型を有する半導体層4の境界にあたる縁部7は、平面視において、n型コンタクト層22に沿って凹凸を有した形状、本実施形態では正弦波状にしている。
【0026】
活性層3は、例えば、窒化インジウムガリウム(InGaN)からなる半導体で形成され、単一量子井戸又は多重量子井戸構造をなして第1の導電型を有する半導体層2の上に積層している。前述した縁部7は、活性層3からみてもn型コンタクト層22との境界となる。また、この活性層3は、色純度のよい発光を得るために不純物を注入せずにニュートラルなInGaN層としている。なお、このもののInとGaの組成比を調整したり、n型あるいはp型の導電型にすることにより、バンドギャップを変化させて発光波長を変化させることができる。また、n型の導電型にするにはシリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)等の不純物を適宜注入すればよく、逆に、p型の導電型にするにはマグネシウム(Mg)や亜鉛(Zn)等の不純物を注入すればよい。
【0027】
第2の導電型を有する半導体層4は、p型の導電型を示すように形成されており、p型コンタクト層42とp型クラッド層41とから構成して活性層3の上に積層している。前述した縁部7は、第2の導電型を有する半導体層4からみてもn型コンタクト層22との境界となる。このうち、第2の導電型を有する半導体層4の上方の表面側の層であるp型コンタクト層42は、例えば、GaNにて形成しており、後述する第2の電極6を設けている。これは、直接、第2の電極6をp型クラッド層41に設けたものと比較すると、両者の接触界面における接触障壁(ショットキバリア)を小さくし、オーミック接触を実現している。また、p型クラッド層41は、例えば、AlGaNのような活性層3よりバンドギャップエネルギーが大きい組成のもので形成している。なお、前述した図2の説明、すなわち、図1のA−A線に沿って切断したときの中央付近とは、活性層3と第2の導電型を有する半導体層4が存在する3個の断面のうちの中央部分と、活性層3と第2の導電型を有する半導体層4が存在しない中央部分の両側に位置する断面の一部を指す。
【0028】
第1の電極5は、前述したように、n型コンタクト層22の表面に設けている。このものは、例えば、クロム(Cr)やタンタル(Ta)やバナジウム(V)に金(Au)を積層した2層構造としている。また、この第1の電極5は、平面視において略四角形状をなす棟部電極51と、その棟部電極51と直交するとともに所定の間隔を有して配設された複数の歯部電極52とで形成された櫛形状をしている。さらに、この歯部電極52は、その形状を平面視において略長四角形状とし、好ましくは、棟部電極51側からその先端部53に向かって幅が狭くなるようにしており、その先端部53は、縁部7から所定の距離だけn型コンタクト層22の内方に位置するように、すなわち、全ての歯部電極52で先端部53から最も近距離にある縁部7に向かって下ろした垂線の長さが略一定となるように形成している。また、先端部53は、その隅角部が面取りされた形状をしている。
【0029】
第2の電極6は、これも前述したように、p型コンタクト層42の表面に設けている。このものは、例えば、パラジウム(Pd)やCrにAuを積層した2層構造としている。その形状は、第1の電極5と同様、平面視において略四角形状をなす棟部電極61と、その棟部電極61と直交するとともに所定の間隔を有して配設された複数の歯部電極62とで形成された櫛形状をしている。そして、歯部電極62においてその平面視における形状は、第1の電極5の歯部電極52と同じく略長四角形状とし、好ましくは、棟部電極63側からその先端部63に向かって幅が狭くなるようにしているものの、その断面視における形状は、支持基板1の方向(図1の下側)に向かうに従って幅が大きくなる略台形状をしている。また、先端部63は、その形状を第1の電極5の歯部電極52と同様、隅角部を面取りしており、その形成位置は、縁部7から所定の距離だけp型コンタクト層42の内方に位置するように、すなわち、全ての歯部電極62で先端部63から最も近距離にある縁部7に向かって下ろした垂線の長さが略一定となるように形成している。
【0030】
つまり、半導体発光素子がこのような構成をとることで、p型コンタクト層42の電位は略一様になり、p型コンタクト層4の全域に電流が十分拡散される。その結果、p型コンタクト層42の下層にあるp型クラッド層41や活性層3に流れる電流の電流密度を一定に保つことができ、素子の全面を均等に発光することができるのである。また、活性層3で発光した光は、歯部電極62と歯部電極62との間に位置するp型コンタクト層42が露出した部位から外部に出ていくことができる。この際、光は透光性電極のような光を吸収する物質を透過しないので、発光する光を減衰させることなく取り出すことができるのである。さらに、活性層3で発光する光はその任意の点から放射状に発光するため、歯部電極62と歯部電極62との間のp型コンタクト層42の界面には様々な入射角を持った光が入射する。そのうち、臨界角より小さい角度で入射した光の一部は、p型コンタクト層42から半導体発光素子の外部へ出ていく際に歯部電極62の側面に入射して散乱や吸収されるが、この側面に傾斜をつけることで散乱や吸収される光量を低減することができるのである。
【0031】
以上説明した第1の実施形態の半導体発光素子によると、第2の導電型を有する半導体層4と活性層3及びn型クラッド層23は、その除去部分の縁部7をn型コンタクト層22に沿って正弦波状に凹凸する形状とするとともに、第1の電極5及び第2の電極6は、その縁部7に向かって突出するように設けた複数の歯部電極52,62を有し、かつ歯部電極52,62の先端部53,63が縁部7から所定の間隔をおいてそれぞれの半導体層2,4の内方に位置している櫛歯状の電極としているので、透光性電極を備えずとも第2の導電型を有する半導体層4から第1の導電型を有する半導体層2へ流れる電流密度を一定にすることができるので、半導体発光素子の全面を均等に発光することができる。また、第2の電極6の歯部電極62と歯部電極62との間は、第2の導電型を有する半導体層4が露出しているので、発光する光を減衰させることなく取り出すことができ、光の取り出し効率を向上することができる。また、第2の電極6の歯部電極62を支持基板1の方向に向かうに従って幅が大きくなるように形成しているので、歯部電極62と歯部電極62の間から出力した光が歯部電極62の側面に入射して散乱又は吸収されてしまうことを低減できるので、光の取り出し効率を向上することができる。さらに、歯部電極52,62は、その先端部53,63を面取りしてなり、加えて、先端部53,63に向かうに従って幅が小さくなるように形成しているので、第2の電極6の歯部電極62の隅角部と第1の電極5の歯部電極52の隅角部との間での電界集中を低減でき、また、電界が歯部電極52,62の先端部53,63に集中するのを防止できるので、第2の導電型を有する半導体層4から第1の導電型を有する半導体層2へ流れる電流密度を均一化して半導体発光素子の全面をより均等に発光させることができる。
【0032】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る半導体発光素子を図4に基づいて説明する。図4は半導体発光素子の中央付近を示す要部拡大断面図である。
【0033】
この実施形態の半導体発光素子は、p型コンタクト層42が第1の実施形態と異なるものであり、他の構成要素は第1の実施形態のものと実質的に同一であるので、同一部材には同一の番号を付して説明を省略する。
【0034】
本実施形態のp型コンタクト層42は、第2の電極6の歯部電極62と歯部電極62との間に溝43を形成していることが第1の実施形態と異なっている。その溝43は、断面視において、支持基板1の方向に向かうに従い、つまり、p型クラッド層41に近づくにつれて幅が狭くなるように形成しており、その深さは、p型コンタクト層42の1/2程度にしている。また、溝43の上部の幅は、歯部電極62と歯部電極62との間隔と略同等になるように形成している。
【0035】
つまり、半導体発光素子がこのような構成をとることで、歯部電極62と歯部電極62との間のp型コンタクト層42の界面に入射する活性層3の任意の点から放射状に発光した光の入射角を変化することができ、すなわち、臨界角以上で入射する光(全反射)を減少させることができるようになるのである。
【0036】
以上説明した第2の実施形態の半導体発光素子によると、第2の導電型を有する半導体層4の表面に設けられた第2の電極6の歯部電極62と歯部電極62との間に支持基板1の方向に向かうに従って幅が小さくなる溝43を設けているので、歯部電極62の直下に位置する活性層3から発光した光が歯部電極62と歯部電極62との間にあるp型コンタクト層42の外部との境界面に入射した際、その入射角度の大半が臨界角以下となり、全反射を低減できて光の取り出し効率を向上することができる。
【0037】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る半導体発光素子を図5に基づいて説明する。図5は半導体発光素子の中央付近を示す要部拡大断面図である。
【0038】
この実施形態の半導体発光素子は、第2の電極6の歯部電極62と歯部電極62との間に別部材を設けたことが第1の実施形態と異なるものであり、他の構成要素は第1の実施形態のものと実質的に同一であるので、同一部材には同一の番号を付して説明を省略する。
【0039】
本実施形態の半導体発光素子は、第2の電極6の歯部電極62と歯部電極62との間にp型コンタクト層42と接して上側(図5の上方向)に突出する凸部44を設けている。
【0040】
この凸部44は、活性層3で発光する光に対して透光性を有し、かつp型コンタクト層42と同等もしくはより大きい屈折率を持つ材料で形成しており、例えば、シリコン窒化膜(SiN)を用いて形成している。また、その形状は、断面視において歯部電極62と同一高さから半球状に突出した形に形成している。
【0041】
つまり、半導体発光素子がこのような構成をとることで、歯部電極62と歯部電極62との間のp型コンタクト層42の界面に入射する活性層3の任意の点から放射状に発光した光の透過角を変化することができ、すなわち、その界面で全反射する光を減少させることができるようになるのである。
【0042】
以上説明した第3の実施形態の半導体発光素子によると、p型コンタクト層42の表面に設けられた第2の電極6の歯部電極62と歯部電極62との間にp型コンタクト層42と同等もしくはより大きい屈折率を有する凸部44を設けたので、第2の電極6の直下に位置する活性層3から発光した光が歯部電極62と歯部電極62との間にあるp型コンタクト層42の外部との境界面に入射した際、光は全反射することなくp型コンタクト層42から出ていき、光の取り出し効率を向上することができる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の半導体発光素子は、支持基板と、支持基板の一方の面に第1の導電型を有する半導体層と、活性層と、第2の導電型を有する半導体層とを順次積層して備え、第2の導電型を有する半導体層に第2の電極を設けるとともに、各半導体層の一部を除去して露出させた第1の導電型を有する半導体層に第1の電極を設けた半導体発光素子において、前記各半導体層は、その除去部分の縁部を第1の導電型を有する半導体層に沿って凹凸する形状に設けるとともに、前記第1の電極及び前記第2の電極は、その縁部における第1の導電型を有する半導体層の凸領域及び第2の導電型を有する半導体層の凸領域に向かってそれぞれ突出するように設けた複数の歯部電極を有し、かつ両電極の歯部電極の先端を縁部からの最短距離が一定の間隔となるようにそれぞれの半導体層の内方に位置している櫛歯状の電極であるので、透光性電極を備えずとも第1の導電型を有する半導体層から第2の導電型を有する半導体層へ流れる電流密度を一定にし、半導体発光素子の全面を均等に発光することができる。また、第2の電極の歯部電極と歯部電極との間は第2の導電型を有する半導体層が露出しているので、発光する光を減衰させることなく取り出すことができ、光の取り出し効率を向上することができる。
【0044】
請求項2に係る発明の半導体発光素子は、請求項1記載の構成において、前記第2の導電型を有する半導体層は、その表面に設けられた前記第2の電極の前記歯部電極と歯部電極との間に支持基板の方向に向かうに従って幅が小さくなる溝を設けたものであるので、請求項1記載の効果に加え、歯部電極の直下に位置する活性層から発光した光が歯部電極と歯部電極の間にある第2の導電型を有する半導体層の外部との境界面に入射した際、その入射角度の大半は臨界角以下になり、全反射を低減できて光の取り出し効率をより向上することができる。
【0045】
請求項3に係る発明の半導体発光素子は、請求項1又は2記載の構成において、前記第2の導電型を有する半導体層は、その表面に設けられた前記第2の電極の前記歯部電極と歯部電極との間に第2の導電型を有する半導体層と同等もしくはそれより大きい屈折率を有する凸部を設けたものであるので、請求項1又は2記載の効果に加え、第2の電極の直下に位置する活性層から発光した光が歯部電極と歯部電極の間にある第2の導電型を有する半導体層の外部との境界面に入射した際、光は全反射することなく第2の導電型を有する半導体層から出ていき、より光の取り出し効率を向上することができる。
【0046】
請求項4に係る発明の半導体発光素子は、請求項1乃至3記載の構成において、前記第2の電極は、前記歯部電極を前記支持基板の方向に向かうに従って幅が大きくなるように形成してなるものであるので、請求項1乃至請求項3記載の効果に加え、歯部電極と歯部電極の間から出力した光が歯部電極の側面に入射して散乱又は吸収されてしまうことを低減でき、さらに光の取り出し効率を向上することができる。
【0047】
請求項5に係る発明の半導体発光素子は、請求項1乃至4記載の構成において、前記歯部電極は、その先端を面取りしてなるものであるので、請求項1乃至請求項4記載の効果に加え、第2の電極の歯部電極の隅角部と第1の電極の歯部電極の隅角部との間での電界集中を低減でき、第2の導電型を有する半導体層から第1の導電型を有する半導体層へ流れる電流密度を均一化して半導体発光素子の全面をより均等に発光させることができる。
【0048】
請求項6に係る発明の半導体発光素子は、請求項1乃至5記載の構成において、前記歯部電極は、その先端に向かうに従って幅が小さくなるように形成してなるものであるので、請求項1乃至5記載の効果に加え、電界が歯部電極の先端に集中するのを防止でき、第2の導電型を有する半導体層から第1の導電型を有する半導体層へ流れる電流密度を均一化して半導体発光素子の全面をさらに均等に発光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子を示す全体概略平面図である。
【図2】同上のA−A線に沿って切断した中央付近を示す要部拡大断面図である。
【図3】同上の歯部電極を示す拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子の中央付近を示す要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る半導体発光素子の中央付近を示す要部拡大断面図である。
【図6】従来の半導体発光素子の全体概略平面図である。
【符号の説明】
1 支持基板
2 第1の導電型を有する半導体層
3 活性層
4 第2の導電型を有する半導体層
43 溝
44 凸部
5 第1の電極
52 歯部電極
53 先端部
6 第2の電極
62 歯部電極
63 先端部
7 縁部
Claims (6)
- 支持基板と、支持基板の一方の面に第1の導電型を有する半導体層と、活性層と、第2の導電型を有する半導体層とを順次積層して備え、第2の導電型を有する半導体層に第2の電極を設けるとともに、第2の導電型を有する半導体層と活性層及び第1の導電型を有する半導体層の一部を除去して露出させた第1の導電型を有する半導体層に第1の電極を設けた半導体発光素子において、
前記第2の導電型を有する半導体層と活性層及び第1の導電型を有する半導体層は、その除去部分の縁部を第1の導電型を有する半導体層に沿って凹凸する形状に設けるとともに、前記第1の電極及び前記第2の電極は、その縁部における第1の導電型を有する半導体層の凸領域及び第2の導電型を有する半導体層の凸領域に向かってそれぞれ突出するように設けた複数の歯部電極を有し、かつ両電極の歯部電極の先端を縁部からの最短距離が一定の間隔となるようにそれぞれの半導体層の内方に位置している櫛歯状の電極であることを特徴とする半導体発光素子。 - 前記第2の導電型を有する半導体層は、その表面に設けられた前記第2の電極の前記歯部電極と歯部電極との間に支持基板の方向に向かうに従って幅が小さくなる溝を設けた請求項1記載の半導体発光素子。
- 前記第2の導電型を有する半導体層は、その表面に設けられた前記第2の電極の前記歯部電極と歯部電極との間に第2の導電型を有する半導体層と同等もしくはそれより大きい屈折率を有する凸部を設けた請求項1又は2記載の半導体発光素子。
- 前記第2の電極は、前記歯部電極を前記支持基板の方向に向かうに従って幅が大きくなるように形成してなる請求項1乃至3記載の半導体発光素子。
- 前記歯部電極は、その先端を面取りしてなる請求項1乃至4記載の半導体発光素子。
- 前記歯部電極は、その先端に向かうに従って幅が小さくなるように形成してなる請求項1乃至5記載の半導体発光素子。
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