JP2834123B2 - 光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方法 - Google Patents
光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は光通信,光計測等に用いられる磁気光学結晶
の結晶成長方法に関するものである。 従来の技術 光通信,光計測の分野で光源として用いられる半導体
レーザのノイズ発生原因となる反射戻り光をおさえるた
め、ガーネット結晶を用いた光アイソレータがよく使用
されている。また液相エピタキシャル法を用いたBi置換
型ガーネットは、結晶の生産性がよい事から最近盛んに
研究されている。光アイソレータ用結晶としては、ファ
ラデー回転角の絶対値|θ|が45degである事が必要で
ある。Bi置換型ガーネットにおいては使用波長が1.3〜
1.55μmの場合、通常数百μm〜1mm程度の膜厚の結晶
を得る事が必要である。しかしながら、Bi置換型ガーネ
ットのエピタキシャル膜の膜厚が150μm〜200μm程度
を越えると、結晶に割れがしばしば発生し、このため、
光アイソレータとして必要なファラデー回転角の絶対値
|θ|が45degにたりる厚みの結晶が成長できなかった
り、また成長できても割れのためチップ切り出しの歩留
まりが著しく低下する。これはガーネット基板、例えば
Gd3Ga5O12(GGG)や(GdCa)3(GaMgZr)5O12(Ca−Mg−Zr
置換GGG)の熱膨張係数がエピタキシャル膜の熱膨張係
数と異なるため、室温で基板とエピタキシャル膜の格子
定数が一致していても、成長温度(約800℃)では格子
不整合が生じるためである。 従来この問題を解決するため、特開昭59−57990号に
示されているように、エピタキシャル成長を途中で中断
して熱膨張係数が小さなガーネット基板の部分のみを研
磨によりけずり落とし、後に残ったエピタキシャル膜を
基板としてさらにエピタキシャル成長する方法や(BiR)3
Fe5O12(ここでRは希土類元素)のFeの一部を非磁性元
素であるAlやGaによって置換し、エピタキシャル膜の熱
膨張係数を小さくし、基板の熱膨張係数に近づける事に
より成長温度での基板とエピタキシャル膜の格子不整合
を小さくすることにより割れの発生を防止していた。 発明が解決しようとする問題点 上記の熱膨張係数の小さな基板を研磨によりけずり落
とす方法では基板を研磨する必要があり、この時、研
磨面に傷がある場合や、残留応力がある場合、2度目の
成長のため結晶を電気炉に入れた時熱衝撃のため割れが
発生する。これを防止するためには、無歪研磨などの精
密な研磨が必要であるが、この研磨を行うために著しく
工数が増加する欠点があった。 上記の成長するエピタキシャル膜にAl,Gaを添加する
方法では、一回の成長で済むので量産的であるが、鉄
元素を非磁性のAl,Gaで置換することにより、第4図に
示すように、光アイソレータとして用いた場合のファラ
デー回転角の45degからの温度変化率β の絶対値が大きくなり、光アイソレータとして用いた時
の温度特性が劣化するという問題があった。 問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点、を解決するため、第1のガ
ーネット基板の上に一般式BiXR3-XFe5-YMYO12であらわ
される(ここにRは希土類元素であり、MはAl,Ga,Sc,I
n,Lu等のFeと置換する元素である)第2のBi置換型ガー
ネット厚膜結晶をエピタキシャル成長する磁気光学結晶
の成長方法において、前記第1のガーネット基板と前記
第2のBi置換型ガーネット厚膜結晶の間に前記第1のガ
ーネット基板及び前記第2のBi置換型ガーネット厚膜結
晶とは組成の異なる第3のガーネット厚膜結晶を中間層
として少なくとも1層以上成長し、前記中間層の熱膨張
係数は前記第1のガーネット基板のそれと前記第2のBi
置換ガーネット厚膜結晶のそれの間の値であることを特
徴とする光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方法であ
る。 作用 本発明により、量産性に優れた方法で温度特性の良好
な光アイソレータ用結晶を成長できる理由を以下に説明
する。 Magnetism and Magnetic Materials(マグネティズム
アンド マグネティック マテリアルズ)10 271(19
72)で述べられているように、基板1上にエピタキシャ
ル成長された(BiYbGd)IGガーネット膜2が基板との格
子不整合により圧縮応力を受けている場合、引張り応力
を受けている場合よりも割れにくい。第5図に示すよう
に、基板の熱膨張係数は8.6×10-6〜9.2×10-6(1/℃)
程度であり、一方Bi置換型希土類ガーネットBiXR3-XFe
5-yMyO12ではBiの置換量x1程度でM0の時、11.8
×10-6(1/℃)程度である。 従って、基板とエピタキシャル膜の格子定数を室温で
一致させた場合、成長温度(約800℃)では基板に対し
てエピタキシャル膜の格子定数が約0.2%程度大きくな
りエピタキシャル膜は圧縮応力を受けており、エピタキ
シャル膜から割れが発生する事は少ない。しかしエピタ
キシャル膜の膜厚が厚くなるにつれて、基板がエピタキ
シャル膜から受ける引張り応力は大きくなり、第6図
(a)の模式図に示すように例えば400μmのCa−Mg−Z
r置換型GGGを用い、その上に熱膨張張係数が約11.8×10
-6(1/℃)の(BiYbGd)IGを成長した場合、エピタキシ
ャル膜の膜厚が150〜200μmを越えると成長途中で基板
から割れ100がしばしば発生する。 さらに、割れは結晶欠陥などを核として発生するため
成長時の格子不整合による結晶欠陥が多く存在する基板
とエピタキシャル膜の界面からも数多く割れ200が発生
する。 次に成長温度で格子定数を一致させた場合、成長時に
割れは発生しないが、結晶の温度を室温まで下げる時熱
膨張係数の大きなエピタキシャル膜の方が格子定数が小
さくなり、エピタキシャル膜は基板に引っぱられて第6
図(b)に示すように膜から割れ300が発生する。 従って、Bi置換型厚膜結晶を、ガーネット基板に割れ
の発生なく成長するためには、成長時の格子不整合のた
め発生する結晶欠陥により、エピタキシャル膜と基板の
界面から発生する割れを防止するため、熱膨張係数が基
板とエピタキシャル膜の中間にあるような中間層を設け
ることが有効である。また、成長時に、エピタキシャル
膜から受ける引っぱり力を分散して低くするために基板
の厚みを厚くすることが有効である。 さらに、中間層としてBiXGd3-XFe5-yGayO12(0.7≦X
≦1.3,1.0≦y≦1.7)とした場合は特開昭63−151699号
公報で示すようにファラデー回転角の温度変化が通常の
Bi置換型ガーネットのそれと比べて逆であるため、温度
特性の非常に良好な光アイソレータ用結晶を得ることが
でき問題点を解決する事ができる。 また、この方法は中間層を成長した後に、基板を研磨
する事なく、エピタキシャル成長する事が可能であるた
め基板研磨による工数の著しい増加を防ぐ事ができ問題
点を解決する事ができる。 実施例 (実施例1) 本発明の第1の実施例を第1図を用いて説明する。 通常市販されている400μm厚,1inch径のCa−Mg−Zr
置換型GGG(格子定数a=12.497Å)11を基板として用
いた。この基板を用いて、PbO−B2O3−Bi2O3系融剤を用
い、中間層として、Bi1Gd2Fe3.5Ga1.5O1212を56μm成
長した。次に同様にPbO−B2O3−Bi2O3系融剤を用いてBi
1.2Yb0.6Gd1.2Fe5O1213を268μm成長した。この時、得
られた結晶にはワレはなく、歩留まりよく波長1.3μm
用の光アイソレータ用チップを切り出す事ができた。さ
らに特願昭61−299438号に示されているように、Bi1Gd2
Fe3.5Ga1.5O1212はファラデー回転角の温度補償用結晶
となっており、得られた結晶のファラデー回転角の45de
gからの変化率βは0.04deg/℃となっており単層のBi1.2
Yb0.6Gd1.2Fe5O12のβ=0.06と比べて30%以上温度特性
が改善されていた。 (実施例2) 本発明の第2の実施例を第2図を用いて説明する。 通常市販されている300〜500μm厚より厚い、600μ
m厚,1inch径のCa−Mg−Zr置換型GGG(格子定数a=12.
497Å)21を基板として用いた。この基板を用いて、PbO
−B2O3−Bi2O3系融剤を用い中間層として、Bi1Gd2Fe3.5
Ga1.5O1222を167μm成長した。次に同様にPbO−B2O3−
Bi2O3系融剤を用いてBi1.2Yb0.6Gd1.2Fe5O1223を303μ
m成長した。得られた結晶にはワレはなく歩留まりよ
く、波長1.3μm用光アイソレータ用チップを切り出す
事ができた。またBi1Gd2Fe3.5Ga1.5O1222はファラデー
回転の温度補償用結晶となっており、−20℃〜60℃まで
ファラデー回転角の温度変化率β=0.00deg/℃となって
おり、温度特性の非常に良好なものであった。 (実施例3) 本発明の第3の実施例を第3図を用いて説明する。 基板としては、1400μm厚で2inch径のCa−Mg−Zr置
換型GGG基板(格子定数a=12.497Å)31を用いた。こ
の基板31を用いて、PbO−B2O3−Bi2O3系融剤を用い中間
層としてBi1Gd2Fe3.5Ga1.5O1232を272μm成長した。次
に同様にPbO−B2O3−Bi2O3系融剤を用いて、Bi1.2Yb0.6
Gd1.2Fe5O1233を470μm成長した。この時、得られた結
晶にはワレは無く、歩留まりよく波長1.55μm用の光ア
イソレータ用チップを切り出す事ができた。また実施例
1,2と同様にBi1Gd2Fe3.5Ga1.5O1232が温度補償をしてい
るため、得られた結晶はファラデー回転角の絶対値|θ
|=45deg,−20℃〜60℃でのファラデー回転角の45deg
からの温度変化率β=0.00deg/℃であり、温度特性の非
常に良好なものであった。 なお、第1のガーネット基板厚みを増加させる事によ
りガーネット基板にかかる引っ張り応力を低減できるの
で、第3のガーネット厚膜結晶を中間層として用いずに
基板の厚みを増加させた場合のみでも、第2のBi置換型
ガーネット厚膜結晶の割れ防止効果があることは言うま
でもない。この場合第2のBi置換型ガーネット厚膜の膜
厚は光アイソレータとして必要な膜厚150μm以上であ
り、1つの組成であるので1回の成長でエピタキシャル
成長することが出来る。 また、これまでの実施例では中間層としてBiXR3-XFe
5-YGaYO12を用いたが、ワレを防ぐためには、熱膨張係
数が基板と、Biを含むガーネットとの間のものであれば
他の組成,例えば(TbLa)3Fe5O12,Tb3(FeSc)5O12,Tb
3(FeIn)5O12のようなものでもよい。また中間層をこれ
らの多層構造としてもよい。さらに、結晶は基板の両面
にエピタキシャル成長したが、片面に成長してもさしつ
かえない。 発明の効果 以上述べてきたように、本発明によれば、温度特性の
良好な光アイソレータ用結晶を歩留まりよく生産するこ
とが可能でありその工業的価値は高い。
の結晶成長方法に関するものである。 従来の技術 光通信,光計測の分野で光源として用いられる半導体
レーザのノイズ発生原因となる反射戻り光をおさえるた
め、ガーネット結晶を用いた光アイソレータがよく使用
されている。また液相エピタキシャル法を用いたBi置換
型ガーネットは、結晶の生産性がよい事から最近盛んに
研究されている。光アイソレータ用結晶としては、ファ
ラデー回転角の絶対値|θ|が45degである事が必要で
ある。Bi置換型ガーネットにおいては使用波長が1.3〜
1.55μmの場合、通常数百μm〜1mm程度の膜厚の結晶
を得る事が必要である。しかしながら、Bi置換型ガーネ
ットのエピタキシャル膜の膜厚が150μm〜200μm程度
を越えると、結晶に割れがしばしば発生し、このため、
光アイソレータとして必要なファラデー回転角の絶対値
|θ|が45degにたりる厚みの結晶が成長できなかった
り、また成長できても割れのためチップ切り出しの歩留
まりが著しく低下する。これはガーネット基板、例えば
Gd3Ga5O12(GGG)や(GdCa)3(GaMgZr)5O12(Ca−Mg−Zr
置換GGG)の熱膨張係数がエピタキシャル膜の熱膨張係
数と異なるため、室温で基板とエピタキシャル膜の格子
定数が一致していても、成長温度(約800℃)では格子
不整合が生じるためである。 従来この問題を解決するため、特開昭59−57990号に
示されているように、エピタキシャル成長を途中で中断
して熱膨張係数が小さなガーネット基板の部分のみを研
磨によりけずり落とし、後に残ったエピタキシャル膜を
基板としてさらにエピタキシャル成長する方法や(BiR)3
Fe5O12(ここでRは希土類元素)のFeの一部を非磁性元
素であるAlやGaによって置換し、エピタキシャル膜の熱
膨張係数を小さくし、基板の熱膨張係数に近づける事に
より成長温度での基板とエピタキシャル膜の格子不整合
を小さくすることにより割れの発生を防止していた。 発明が解決しようとする問題点 上記の熱膨張係数の小さな基板を研磨によりけずり落
とす方法では基板を研磨する必要があり、この時、研
磨面に傷がある場合や、残留応力がある場合、2度目の
成長のため結晶を電気炉に入れた時熱衝撃のため割れが
発生する。これを防止するためには、無歪研磨などの精
密な研磨が必要であるが、この研磨を行うために著しく
工数が増加する欠点があった。 上記の成長するエピタキシャル膜にAl,Gaを添加する
方法では、一回の成長で済むので量産的であるが、鉄
元素を非磁性のAl,Gaで置換することにより、第4図に
示すように、光アイソレータとして用いた場合のファラ
デー回転角の45degからの温度変化率β の絶対値が大きくなり、光アイソレータとして用いた時
の温度特性が劣化するという問題があった。 問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点、を解決するため、第1のガ
ーネット基板の上に一般式BiXR3-XFe5-YMYO12であらわ
される(ここにRは希土類元素であり、MはAl,Ga,Sc,I
n,Lu等のFeと置換する元素である)第2のBi置換型ガー
ネット厚膜結晶をエピタキシャル成長する磁気光学結晶
の成長方法において、前記第1のガーネット基板と前記
第2のBi置換型ガーネット厚膜結晶の間に前記第1のガ
ーネット基板及び前記第2のBi置換型ガーネット厚膜結
晶とは組成の異なる第3のガーネット厚膜結晶を中間層
として少なくとも1層以上成長し、前記中間層の熱膨張
係数は前記第1のガーネット基板のそれと前記第2のBi
置換ガーネット厚膜結晶のそれの間の値であることを特
徴とする光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方法であ
る。 作用 本発明により、量産性に優れた方法で温度特性の良好
な光アイソレータ用結晶を成長できる理由を以下に説明
する。 Magnetism and Magnetic Materials(マグネティズム
アンド マグネティック マテリアルズ)10 271(19
72)で述べられているように、基板1上にエピタキシャ
ル成長された(BiYbGd)IGガーネット膜2が基板との格
子不整合により圧縮応力を受けている場合、引張り応力
を受けている場合よりも割れにくい。第5図に示すよう
に、基板の熱膨張係数は8.6×10-6〜9.2×10-6(1/℃)
程度であり、一方Bi置換型希土類ガーネットBiXR3-XFe
5-yMyO12ではBiの置換量x1程度でM0の時、11.8
×10-6(1/℃)程度である。 従って、基板とエピタキシャル膜の格子定数を室温で
一致させた場合、成長温度(約800℃)では基板に対し
てエピタキシャル膜の格子定数が約0.2%程度大きくな
りエピタキシャル膜は圧縮応力を受けており、エピタキ
シャル膜から割れが発生する事は少ない。しかしエピタ
キシャル膜の膜厚が厚くなるにつれて、基板がエピタキ
シャル膜から受ける引張り応力は大きくなり、第6図
(a)の模式図に示すように例えば400μmのCa−Mg−Z
r置換型GGGを用い、その上に熱膨張張係数が約11.8×10
-6(1/℃)の(BiYbGd)IGを成長した場合、エピタキシ
ャル膜の膜厚が150〜200μmを越えると成長途中で基板
から割れ100がしばしば発生する。 さらに、割れは結晶欠陥などを核として発生するため
成長時の格子不整合による結晶欠陥が多く存在する基板
とエピタキシャル膜の界面からも数多く割れ200が発生
する。 次に成長温度で格子定数を一致させた場合、成長時に
割れは発生しないが、結晶の温度を室温まで下げる時熱
膨張係数の大きなエピタキシャル膜の方が格子定数が小
さくなり、エピタキシャル膜は基板に引っぱられて第6
図(b)に示すように膜から割れ300が発生する。 従って、Bi置換型厚膜結晶を、ガーネット基板に割れ
の発生なく成長するためには、成長時の格子不整合のた
め発生する結晶欠陥により、エピタキシャル膜と基板の
界面から発生する割れを防止するため、熱膨張係数が基
板とエピタキシャル膜の中間にあるような中間層を設け
ることが有効である。また、成長時に、エピタキシャル
膜から受ける引っぱり力を分散して低くするために基板
の厚みを厚くすることが有効である。 さらに、中間層としてBiXGd3-XFe5-yGayO12(0.7≦X
≦1.3,1.0≦y≦1.7)とした場合は特開昭63−151699号
公報で示すようにファラデー回転角の温度変化が通常の
Bi置換型ガーネットのそれと比べて逆であるため、温度
特性の非常に良好な光アイソレータ用結晶を得ることが
でき問題点を解決する事ができる。 また、この方法は中間層を成長した後に、基板を研磨
する事なく、エピタキシャル成長する事が可能であるた
め基板研磨による工数の著しい増加を防ぐ事ができ問題
点を解決する事ができる。 実施例 (実施例1) 本発明の第1の実施例を第1図を用いて説明する。 通常市販されている400μm厚,1inch径のCa−Mg−Zr
置換型GGG(格子定数a=12.497Å)11を基板として用
いた。この基板を用いて、PbO−B2O3−Bi2O3系融剤を用
い、中間層として、Bi1Gd2Fe3.5Ga1.5O1212を56μm成
長した。次に同様にPbO−B2O3−Bi2O3系融剤を用いてBi
1.2Yb0.6Gd1.2Fe5O1213を268μm成長した。この時、得
られた結晶にはワレはなく、歩留まりよく波長1.3μm
用の光アイソレータ用チップを切り出す事ができた。さ
らに特願昭61−299438号に示されているように、Bi1Gd2
Fe3.5Ga1.5O1212はファラデー回転角の温度補償用結晶
となっており、得られた結晶のファラデー回転角の45de
gからの変化率βは0.04deg/℃となっており単層のBi1.2
Yb0.6Gd1.2Fe5O12のβ=0.06と比べて30%以上温度特性
が改善されていた。 (実施例2) 本発明の第2の実施例を第2図を用いて説明する。 通常市販されている300〜500μm厚より厚い、600μ
m厚,1inch径のCa−Mg−Zr置換型GGG(格子定数a=12.
497Å)21を基板として用いた。この基板を用いて、PbO
−B2O3−Bi2O3系融剤を用い中間層として、Bi1Gd2Fe3.5
Ga1.5O1222を167μm成長した。次に同様にPbO−B2O3−
Bi2O3系融剤を用いてBi1.2Yb0.6Gd1.2Fe5O1223を303μ
m成長した。得られた結晶にはワレはなく歩留まりよ
く、波長1.3μm用光アイソレータ用チップを切り出す
事ができた。またBi1Gd2Fe3.5Ga1.5O1222はファラデー
回転の温度補償用結晶となっており、−20℃〜60℃まで
ファラデー回転角の温度変化率β=0.00deg/℃となって
おり、温度特性の非常に良好なものであった。 (実施例3) 本発明の第3の実施例を第3図を用いて説明する。 基板としては、1400μm厚で2inch径のCa−Mg−Zr置
換型GGG基板(格子定数a=12.497Å)31を用いた。こ
の基板31を用いて、PbO−B2O3−Bi2O3系融剤を用い中間
層としてBi1Gd2Fe3.5Ga1.5O1232を272μm成長した。次
に同様にPbO−B2O3−Bi2O3系融剤を用いて、Bi1.2Yb0.6
Gd1.2Fe5O1233を470μm成長した。この時、得られた結
晶にはワレは無く、歩留まりよく波長1.55μm用の光ア
イソレータ用チップを切り出す事ができた。また実施例
1,2と同様にBi1Gd2Fe3.5Ga1.5O1232が温度補償をしてい
るため、得られた結晶はファラデー回転角の絶対値|θ
|=45deg,−20℃〜60℃でのファラデー回転角の45deg
からの温度変化率β=0.00deg/℃であり、温度特性の非
常に良好なものであった。 なお、第1のガーネット基板厚みを増加させる事によ
りガーネット基板にかかる引っ張り応力を低減できるの
で、第3のガーネット厚膜結晶を中間層として用いずに
基板の厚みを増加させた場合のみでも、第2のBi置換型
ガーネット厚膜結晶の割れ防止効果があることは言うま
でもない。この場合第2のBi置換型ガーネット厚膜の膜
厚は光アイソレータとして必要な膜厚150μm以上であ
り、1つの組成であるので1回の成長でエピタキシャル
成長することが出来る。 また、これまでの実施例では中間層としてBiXR3-XFe
5-YGaYO12を用いたが、ワレを防ぐためには、熱膨張係
数が基板と、Biを含むガーネットとの間のものであれば
他の組成,例えば(TbLa)3Fe5O12,Tb3(FeSc)5O12,Tb
3(FeIn)5O12のようなものでもよい。また中間層をこれ
らの多層構造としてもよい。さらに、結晶は基板の両面
にエピタキシャル成長したが、片面に成長してもさしつ
かえない。 発明の効果 以上述べてきたように、本発明によれば、温度特性の
良好な光アイソレータ用結晶を歩留まりよく生産するこ
とが可能でありその工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明による実施例1〜3の結晶成長
工程断面図、第4図はBi置換型希土類ガーネットの非磁
性イオン置換量とファラデー回転角の45degからの温度
変化率の絶対値|β|との関係を示す図、第5図は非磁
性イオン置換量と熱膨張係数との関係を示す図、第6図
は中間層無しに(BiYbGd)3Fe5O12を成長した時に発生す
る割れの模式図である。 10…Ca−Mg−Zr置換GGG基板、12…Bi1Gd2Fe3.5Ga1.5O12
(中間層)、13…Bi1.2Yb0.6Gd1.2Fe5O12。
工程断面図、第4図はBi置換型希土類ガーネットの非磁
性イオン置換量とファラデー回転角の45degからの温度
変化率の絶対値|β|との関係を示す図、第5図は非磁
性イオン置換量と熱膨張係数との関係を示す図、第6図
は中間層無しに(BiYbGd)3Fe5O12を成長した時に発生す
る割れの模式図である。 10…Ca−Mg−Zr置換GGG基板、12…Bi1Gd2Fe3.5Ga1.5O12
(中間層)、13…Bi1.2Yb0.6Gd1.2Fe5O12。
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フロントページの続き
(72)発明者 鎌田 修
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(72)発明者 石塚 訓
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(56)参考文献 特開 昭60−202914(JP,A)
特開 昭61−242986(JP,A)
特開 昭61−151090(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.第1のガーネット基板の上に一般式BiXR3-XFe5-YMY
O12であらわされる(ここにRは希土類元素であり、M
はAl,Ga,Sc,In,Lu等のFeと置換する元素である)第2の
Bi置換型ガーネット厚膜結晶をエピタキシャル成長する
磁気光学結晶の成長方法において、前記第1のガーネッ
ト基板と前記第2のBi置換型ガーネット厚膜結晶の間に
前記第1のガーネット基板及び前記第2のBi置換型ガー
ネット厚膜結晶とは組成の異なる第3のガーネット厚膜
結晶を中間層として少なくとも1層以上成長し、前記中
間層の熱膨張係数は前記第1のガーネット基板のそれと
前記第2のBi置換ガーネット厚膜結晶のそれの間の値で
あることを特徴とする光アイソレータ用磁気光学結晶の
成長方法。 2.中間層としてBiXGd3-XFe5-YGaYO12(ここに、0.7≦
X≦1.3、1.0≦Y≦1.7)で表されるガーネット厚膜結
晶を用いる事を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方法。 3.第1のガーネット基板として600μm以上の厚みの
ものを用いることを特徴とする特許請求の範囲第1また
は2項記載の光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62230129A JP2834123B2 (ja) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | 光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62230129A JP2834123B2 (ja) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | 光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2834123B2 true JP2834123B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=16903028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62230129A Expired - Lifetime JP2834123B2 (ja) | 1987-09-14 | 1987-09-14 | 光アイソレータ用磁気光学結晶の成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2834123B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7348142B2 (ja) * | 2020-07-03 | 2023-09-20 | 信越化学工業株式会社 | ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法 |
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JPS61151090A (ja) * | 1984-12-24 | 1986-07-09 | Tohoku Metal Ind Ltd | ガ−ネツト膜の結晶成長方法 |
JPS61242986A (ja) * | 1985-04-16 | 1986-10-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気光学結晶の製造方法 |
-
1987
- 1987-09-14 JP JP62230129A patent/JP2834123B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6472996A (en) | 1989-03-17 |
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