JP2833726B2 - ソフトフェライトの製造方法 - Google Patents
ソフトフェライトの製造方法Info
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Description
して使用されるMn−Zn系やNi−Zn系等の亜鉛を1構成成
分とするソフトフェライトの製造方法に関するものであ
る。
トは一般に原料酸化物の混合−仮焼−粉砕−造粒の工程
を経た後、所望形状に成形し最終的に高温下で適正な温
度および雰囲気条件のもとで焼成することによって製造
されている。焼成はプッシャー式連続炉で行われること
が一般的であるが、焼成にあたってフェライト成形体は
高温強度の高いセラミックス製の敷板上に積載される。
この時、敷板材質としては経済性および使用寿命等の観
点からほとんどの場合アルミナ系またはムライト系のセ
ラミックスが使用されており、特殊な場合にジルコニア
が使われることもある。
ナやムライト質の敷板を用いる場合、フェライトの敷板
に接する部分が焼成中に変質し、最終的な磁気特性が劣
化するという問題があった。因みに、この劣化の程度を
明らかにした本発明者らの実験を次に紹介する。
に調整し、微量添加物としてSiO2、CaCO3および Nb2O5
を添加した材料を混合・仮焼・粉砕・造粒工程で処理し
た後、プレス成形によりトロイダル形状(外径36mm)に
仕上げた。これらの成形コアをアルミナ、ムライトおよ
びジルコニア製敷板にそれぞれ2段積に積載し、酸素分
圧を制御した窒素中で1350℃で焼成し、得られたコアに
ついて100kHz、 200mT、80℃の鉄損値を測定した。結果
を表1に示す。
2段積積載の上段と下段を意味しており、下段部のコア
は底面が敷板と直接接しているのに対し、上段部のコア
は底面が下段コアに接しているという差がある。表1か
ら明らかなように、焼成中敷板に接するコアの鉄損値は
アルミナおよびムライト製敷板の場合上段コアと比較し
て約70〜100 mW/cm3 と大幅に劣化しているのに対して
ジルコニア製敷板の場合鉄損値の劣化は小さいことが明
らかである。
aOを 8.4モル%含む部分安定化ジルコニアを用いた。と
ころで、アルミナまたはムライト系敷板を使った場合
の、上記の下段コアの磁気特性の劣化の原因は、フェラ
イトの構成成分の一つであるZn分が敷板中へ移動し、フ
ェライト表面層のスピネルの格子間距離が収縮し、これ
による引張残留応力の発生によることが本発明者らの研
究で明らかになっている。
たって従来から使用されているアルミナやムライト系敷
板を使用する場合、敷板に直接接するコアの特性が劣化
することは避けられなかった。一方、この点に関してジ
ルコニア製敷板を使用すると特性劣化の程度はかなり改
善されるが、必ずしも十分とは言えなかった。しかもジ
ルコニア製敷板を用いても同一敷板を用いて多数回の焼
成を繰り返したとき、焼成コアの機械的強度がやや劣化
しかつコアの変形も大きくなる傾向があった。
上げた成形コアを図2(a)のようにアルミナおよびジ
ルコニア製敷板に、また比較のために図2(b)に示す
ようにアルミナ製敷板の上に更にE型コアと同材質のフ
ェライトで成形したI型コアを置きその上に積載し、酸
素分圧を制御した窒素中で1350℃で焼成し、得られたコ
アについてJIS C 2514に基づきW強度の平均値の測定及
び焼成コアの変形状態を観察し、その結果を表2に示し
た。コアの変形状態は図2(a)に示したE型コアの上
部(B)と下部(A)の寸法差によって評価した。評価
基準はAとBの寸法差が 0.1mmを標準とした。
するコアのW強度はアルミナ製敷板の場合、フェライト
のI型コアを下敷とした場合と比較して著しく劣化して
いる。それに対してジルコニア製敷板の場合はかなり改
善されているが、フェライトのI型コアを下敷とした場
合と比較すると約 14kgf劣化していることがわかる。ま
たコアの変形について見ると、ジルコニア製敷板を用い
た場合が最も劣っている。市販のジルコニア製敷板によ
り上記のような影響が生じる理由は現時点で十分明らか
ではないが、この実験に用いた部分安定化ジルコニアの
場合、多数回のヒートサイクルを受けた後のX線回折に
よる相の同定の結果、使用前と比較して立方晶と単斜晶
の比率に変化が生じており(単斜晶相の増大)、結果的
に敷板形状が変形したことも影響していると考えられ
る。このように従来の市販のジルコニア製敷板の場合磁
気特性、機械的強度、焼結コアの変形の点で必ずしも十
分とは言えなかった。
コニア製敷板を使用する利点を生かした上で上記の問題
点を解決したソフトフェライトの製造方法を提案するこ
とである。
フトフェライト成形体をセラミックス製敷板上に載置し
焼成するにあたり、敷板として CaO含有量が 20mol%以
上 50mol%以下のジルコニア・セラミックスを使用する
ことを特徴とするソフトフェライトの製造方法である。
あたり、敷板としてジルコニア・セラミックスを使用す
ることにより、磁気特性はアルミナやムライト系敷板を
用いた場合に比較してかなり改善されるが、焼成コアの
機械的強度やコアの変形の点で問題があった。
ねたが、最終的に CaO含有量を20〜50モル%の範囲に制
御したジルコニア製敷板を用いることで上記の問題点を
解決できることを見出した。この理由については必ずし
も十分明らかになっているわけではないが、ジルコニア
に CaOを上記範囲で添加することで CaZr4O7+CaZrO3か
らなる安定な相構成が得られることと密接に関係してい
ると考えられる。 CaOの添加範囲は安定な相構成を得る
上で20モル%以上必要であり、一方50モル%を超えると
敷板としての強度の点で低下し短寿命となるため20〜50
モル%の範囲に限定する。
36.1モル%、 ZnO:11.6モル%となる基本組成の原料に
添加物としてSiO2、 CaO、 Nb2O5およびTiO2を配合した
材料を通常よく行われる方法で処理し、外径36mmのトロ
イダルコアおよびE40型コアに成形した。
異なる敷板に載せ、最高温度1350℃のローラーハース式
連続炉にて焼成した。比較材としてアルミナ敷板および
アルミナ敷板+フェライト上での焼成も行った。各敷板
上で焼成したトロイダルコアは2段積みとし、E型につ
いては図2(a)および(b)(比較例4のみ)の積載
を行った。
する下段コアのコアロスは上段コアと比較した場合、本
発明による実施例1、2の敷板の使用及びアルミナ板+
フェライトの場合差が見られず、またE型コアのW強度
およびコア変形についても満足すべき結果が得られた。
一方比較例1〜3のアルミナおよび CaO含有量が20モル
%以下のジルコニア製敷板の場合、比較例1では下段コ
アの鉄損、W強度の劣化が著しく、また比較例2、3の
場合鉄損、W強度の点で不十分であり、かつコア変形が
大きいという点で問題がある。
おいて、 CaOの含有量が20モル%以上50モル%以下であ
るジルコニア・セラミックス板を敷板として使用するこ
とにより、焼成フェライトコアの磁気的性質、機械的性
質およびコア変形の点での特性劣化を引き起こすことな
くソフトフェライトを焼成することを可能とした。
した図である。
示した図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ソフトフェライト成形体をセラミックス
製敷板上に載置し焼成するにあたり、敷板として CaO含
有量が 20mol%以上 50mol%以下のジルコニア・セラミ
ックスを使用することを特徴とするソフトフェライトの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3180737A JP2833726B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | ソフトフェライトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3180737A JP2833726B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | ソフトフェライトの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0529126A JPH0529126A (ja) | 1993-02-05 |
JP2833726B2 true JP2833726B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=16088433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3180737A Expired - Lifetime JP2833726B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | ソフトフェライトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2833726B2 (ja) |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP3180737A patent/JP2833726B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0529126A (ja) | 1993-02-05 |
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