JP2833726B2 - ソフトフェライトの製造方法 - Google Patents

ソフトフェライトの製造方法

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JP2833726B2 JP3180737A JP18073791A JP2833726B2 JP 2833726 B2 JP2833726 B2 JP 2833726B2 JP 3180737 A JP3180737 A JP 3180737A JP 18073791 A JP18073791 A JP 18073791A JP 2833726 B2 JP2833726 B2 JP 2833726B2
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正勝 山崎
慶太郎 西澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波用軟磁性材料と
して使用されるMn−Zn系やNi−Zn系等の亜鉛を1構成成
分とするソフトフェライトの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】Mn−Zn系やNi−Zn系等のソフトフェライ
トは一般に原料酸化物の混合−仮焼−粉砕−造粒の工程
を経た後、所望形状に成形し最終的に高温下で適正な温
度および雰囲気条件のもとで焼成することによって製造
されている。焼成はプッシャー式連続炉で行われること
が一般的であるが、焼成にあたってフェライト成形体は
高温強度の高いセラミックス製の敷板上に積載される。
この時、敷板材質としては経済性および使用寿命等の観
点からほとんどの場合アルミナ系またはムライト系のセ
ラミックスが使用されており、特殊な場合にジルコニア
が使われることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ナやムライト質の敷板を用いる場合、フェライトの敷板
に接する部分が焼成中に変質し、最終的な磁気特性が劣
化するという問題があった。因みに、この劣化の程度を
明らかにした本発明者らの実験を次に紹介する。
【0004】Fe2O3: MnO: ZnOのモル比を53:35:12
に調整し、微量添加物としてSiO2、CaCO3および Nb2O5
を添加した材料を混合・仮焼・粉砕・造粒工程で処理し
た後、プレス成形によりトロイダル形状(外径36mm)に
仕上げた。これらの成形コアをアルミナ、ムライトおよ
びジルコニア製敷板にそれぞれ2段積に積載し、酸素分
圧を制御した窒素中で1350℃で焼成し、得られたコアに
ついて100kHz、 200mT、80℃の鉄損値を測定した。結果
を表1に示す。
【0005】
【表1】
【0006】表1でコア積載位置とは図1に示すように
2段積積載の上段と下段を意味しており、下段部のコア
は底面が敷板と直接接しているのに対し、上段部のコア
は底面が下段コアに接しているという差がある。表1か
ら明らかなように、焼成中敷板に接するコアの鉄損値は
アルミナおよびムライト製敷板の場合上段コアと比較し
て約70〜100 mW/cm3 と大幅に劣化しているのに対して
ジルコニア製敷板の場合鉄損値の劣化は小さいことが明
らかである。
【0007】なおジルコニア製敷板としては、市販の C
aOを 8.4モル%含む部分安定化ジルコニアを用いた。と
ころで、アルミナまたはムライト系敷板を使った場合
の、上記の下段コアの磁気特性の劣化の原因は、フェラ
イトの構成成分の一つであるZn分が敷板中へ移動し、フ
ェライト表面層のスピネルの格子間距離が収縮し、これ
による引張残留応力の発生によることが本発明者らの研
究で明らかになっている。
【0008】以上のようにソフトフェライトの焼成にあ
たって従来から使用されているアルミナやムライト系敷
板を使用する場合、敷板に直接接するコアの特性が劣化
することは避けられなかった。一方、この点に関してジ
ルコニア製敷板を使用すると特性劣化の程度はかなり改
善されるが、必ずしも十分とは言えなかった。しかもジ
ルコニア製敷板を用いても同一敷板を用いて多数回の焼
成を繰り返したとき、焼成コアの機械的強度がやや劣化
しかつコアの変形も大きくなる傾向があった。
【0009】因みに、プレス成形によりE40型形状に仕
上げた成形コアを図2(a)のようにアルミナおよびジ
ルコニア製敷板に、また比較のために図2(b)に示す
ようにアルミナ製敷板の上に更にE型コアと同材質のフ
ェライトで成形したI型コアを置きその上に積載し、酸
素分圧を制御した窒素中で1350℃で焼成し、得られたコ
アについてJIS C 2514に基づきW強度の平均値の測定及
び焼成コアの変形状態を観察し、その結果を表2に示し
た。コアの変形状態は図2(a)に示したE型コアの上
部(B)と下部(A)の寸法差によって評価した。評価
基準はAとBの寸法差が 0.1mmを標準とした。
【0010】
【表2】
【0011】表2から明らかなように、焼成中敷板に接
するコアのW強度はアルミナ製敷板の場合、フェライト
のI型コアを下敷とした場合と比較して著しく劣化して
いる。それに対してジルコニア製敷板の場合はかなり改
善されているが、フェライトのI型コアを下敷とした場
合と比較すると約 14kgf劣化していることがわかる。ま
たコアの変形について見ると、ジルコニア製敷板を用い
た場合が最も劣っている。市販のジルコニア製敷板によ
り上記のような影響が生じる理由は現時点で十分明らか
ではないが、この実験に用いた部分安定化ジルコニアの
場合、多数回のヒートサイクルを受けた後のX線回折に
よる相の同定の結果、使用前と比較して立方晶と単斜晶
の比率に変化が生じており(単斜晶相の増大)、結果的
に敷板形状が変形したことも影響していると考えられ
る。このように従来の市販のジルコニア製敷板の場合磁
気特性、機械的強度、焼結コアの変形の点で必ずしも十
分とは言えなかった。
【0012】本発明の目的は、上記の現状に鑑み、ジル
コニア製敷板を使用する利点を生かした上で上記の問題
点を解決したソフトフェライトの製造方法を提案するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ソ
フトフェライト成形体をセラミックス製敷板上に載置し
焼成するにあたり、敷板として CaO含有量が 20mol%以
上 50mol%以下のジルコニア・セラミックスを使用する
ことを特徴とするソフトフェライトの製造方法である。
【0014】
【作 用】前述したように、ソフトフェライトの焼成に
あたり、敷板としてジルコニア・セラミックスを使用す
ることにより、磁気特性はアルミナやムライト系敷板を
用いた場合に比較してかなり改善されるが、焼成コアの
機械的強度やコアの変形の点で問題があった。
【0015】この点に関して本発明者等は種々検討を重
ねたが、最終的に CaO含有量を20〜50モル%の範囲に制
御したジルコニア製敷板を用いることで上記の問題点を
解決できることを見出した。この理由については必ずし
も十分明らかになっているわけではないが、ジルコニア
に CaOを上記範囲で添加することで CaZr4O7+CaZrO3
らなる安定な相構成が得られることと密接に関係してい
ると考えられる。 CaOの添加範囲は安定な相構成を得る
上で20モル%以上必要であり、一方50モル%を超えると
敷板としての強度の点で低下し短寿命となるため20〜50
モル%の範囲に限定する。
【0016】
【実施例】最終組成として Fe2O3:52.3モル%、 MnO:
36.1モル%、 ZnO:11.6モル%となる基本組成の原料に
添加物としてSiO2、 CaO、 Nb2O5およびTiO2を配合した
材料を通常よく行われる方法で処理し、外径36mmのトロ
イダルコアおよびE40型コアに成形した。
【0017】これらの成形体を表3に示す CaO含有量の
異なる敷板に載せ、最高温度1350℃のローラーハース式
連続炉にて焼成した。比較材としてアルミナ敷板および
アルミナ敷板+フェライト上での焼成も行った。各敷板
上で焼成したトロイダルコアは2段積みとし、E型につ
いては図2(a)および(b)(比較例4のみ)の積載
を行った。
【0018】
【表3】
【0019】表3から明らかなように、焼成中敷板に接
する下段コアのコアロスは上段コアと比較した場合、本
発明による実施例1、2の敷板の使用及びアルミナ板+
フェライトの場合差が見られず、またE型コアのW強度
およびコア変形についても満足すべき結果が得られた。
一方比較例1〜3のアルミナおよび CaO含有量が20モル
%以下のジルコニア製敷板の場合、比較例1では下段コ
アの鉄損、W強度の劣化が著しく、また比較例2、3の
場合鉄損、W強度の点で不十分であり、かつコア変形が
大きいという点で問題がある。
【0020】
【発明の効果】本発明では、ソフトフェライトの焼成に
おいて、 CaOの含有量が20モル%以上50モル%以下であ
るジルコニア・セラミックス板を敷板として使用するこ
とにより、焼成フェライトコアの磁気的性質、機械的性
質およびコア変形の点での特性劣化を引き起こすことな
くソフトフェライトを焼成することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成中の敷板とトロイダルコアの積載状況を示
した図である。
【図2】焼成中の敷板とE40型タイプコアの積載状況を
示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−65970(JP,A) 特開 昭64−21904(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソフトフェライト成形体をセラミックス
    製敷板上に載置し焼成するにあたり、敷板として CaO含
    有量が 20mol%以上 50mol%以下のジルコニア・セラミ
    ックスを使用することを特徴とするソフトフェライトの
    製造方法。
JP3180737A 1991-07-22 1991-07-22 ソフトフェライトの製造方法 Expired - Lifetime JP2833726B2 (ja)

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JPH0529126A JPH0529126A (ja) 1993-02-05
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