JP2832466B2 - 駐車装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車の駐車装置に関する。

〔従来の技術〕

都市部やその近辺の市街地などでは、土地の価格が高
騰し、このため駐車スペースをも含めた大きな居住地を
確保することがむずかしく、また、土地のほとんどは家
屋のために優先的に使用され、専用の駐車場用地を確保
することもむずかしい。そこで、従来、駐車場を確保す
る手段としては一例として２段またはそれ以上の複数階
建ての高層の駐車場をわずかな用地に構築し、ここに多
数台の自動車をまとめて収納しており、このうち２段駐
車装置は支柱により支持される昇降台車をエレベータ式
に上下に支柱にそって移動するもので、支柱で荷重を支
持している。

〔発明が解決しようとする課題〕

高層の駐車場はもちろんのこと２段駐車装置でも、自
動車の重量を支えるために、特に支柱や梁を強固なもの
とする必要があり、このため、構造が複雑となり、構築
費もかさむ。

本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、特に駐
車のための専用スペースを必要とせず、しかも簡単な構
造で安価に製作でき、設置も容易であり、強度的にも十
分なものを確保でき安全な駐車装置を提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は前記目的を達成するため、自動車の車巾以上
離間している建物間の外壁面に対向させて自動車の車高
よりも高い位置にまで達するガイドレールを前後に位置
させてボルト止めし、該これらのガイドレールの上方位
置にガイドローラーをそれぞれ配設し、これらガイドロ
ーラーのうち対向する外壁にあるものの一対に近接させ
て巻取ローラーを設け、いずれか一方の巻取ローラーの
近くにこれに連結する巻取モーターを設け、側部に突設
したガイド部材を介して昇降台車をガイドレールに昇降
自在に取り付け、一端を巻取ローラーに固定した昇降用
のワイヤの他端をガイドローラーに掛着した後、前記ガ
イド部材に固定し、また、前記巻取ローラー、巻取モー
ター及びガイドローラーは強固な取付板を介して外壁に
ボルトで固定することを要旨とするものである。

〔作用〕

本発明によれば、昇降台車および自動車の荷重を建物
の外壁面で支承できるので、ガイドレールを荷重を支持
する支柱として用いないですみ、これを特に強固にする
必要がない。

そして、昇降台車上に載置した自動車は、ガイドレー
ルに沿って建物の外壁面間に上下２段に収納されるか
ら、建物間のスペースを２段式の駐車場として利用で
き、専用の駐車スペースを要することなく、しかも空間
の有効利用が図れる。

さらに構造的にもガイドレールを建物の外壁にボルト
で固定し、巻取ローラー、巻取モーター及びガイドロー
ラーも強固な取付板を介して外壁にボルトで固定するだ
けのものであるから、簡単であり設置も容易である。

〔実施例〕

以下、図面について本発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１図は本発明の駐車装置の実施例を示す一部切欠い
た平面図、第２図は同上縦断正面図、第３図は建物への
固定部の一部切欠いた正面図で、図中１は建物の躯体を
示し、２軒（あるいは２棟）の躯体1,1の外壁1a,1a間の
距離は自動車Ａの車巾以上の長さを有するものとする。

このように隣接する２軒の建物間において、対向面の
外壁1a,1a面に自動車Ａの車高よりも高い位置にまで達
するチャンネル状のガイドレール２を前後に位置させて
高さ方向に六角ボルト８などの止め具により固定する。

そして、このガイドレール2,2,2,2の上方位置にガイ
ドローラー3,3,3,3をそれぞれ配設し、これらがガイド
ローラー3,3,3,3のうち対向する外壁1a,1aにあるものの
１対に近接させて巻取ローラー4,4を設け、また、いず
れか一方の巻取ローラー４の近くに巻取モーター５を設
け、該巻取ローラー4,4の巻取軸と巻取モーター５の回
転軸とをギヤ６及びシャフト７を介して連結する。

これら巻取ローラー4,4、巻取モーター５及びガイド
ローラー3,3,3,3は後述の昇降台車の吊上荷重を支持す
る部材になることから、厚くて強固な取付板９を介して
六角ボルト８によりしっかりと外壁1a面に固定する。

図中10は自動車Ａを載置する昇降台車を示し、該昇降
台車10は前記ガイドレール２に係合するガイド部材11を
側部に突設してある。

このガイド部材11は本体部11aと該本体部11aに水平に
スライド自在に組合わさる突杆11bとより構成され、本
体部11aがガイドレール２内に上下にスライド自在に嵌
合し、突杆11bが昇降台車10から突出してここに固定さ
れ、これにより昇降台車10は躯体１に支持されてガイド
レール２間に設けられる。

以上のようにして、昇降用のワイヤ12,12の一端を巻
取ローラー４にそれぞれ固定し、他端を水平に張設して
ガイドローラー3,3に掛着した後、垂下させて下方のガ
イド部材11,11の本体部11aに固定した。

次に、使用法及び動作について説明する。

昇降台車10上に自動車Ａを駐車するには、第２図実線
位置に示すように、巻取モーター５を逆転させてワイヤ
12を繰出し、昇降台車10を建物の躯体1,1間の地上に位
置させ、この状態で地上から昇降台車10上に自動車Ａを
乗り上げ、ここに駐車する。

次に、この自動車Ａの下方にさらに別の自動車を上下
２段になるように駐車するには、巻取モーター５に通電
してこれを正回転させ、巻取ローラー4,4を正転させ
る。

これにより巻取ローラー4,4に一端を固定してあるワ
イヤ12が巻取ローラー4,4に巻上げられ、ガイドローラ
ー３を介してワイヤ12の他端が固定してあるガイド部材
11の本体部11aがガイドレール２に沿って上方にスライ
ドする。

その結果、本体部11aと組合わさり昇降台車10に固定
してある突杆11bも上方に引上げられて、昇降台車10が
上昇する。

この際、躯体1,1が多少傾いていつも突杆11bは本体部
11aに対して水平方向にスライドしながら上昇するの
で、このスライド長により躯体1,1の傾きは吸収され、
昇降台車10の上昇に支障が生じることはない。

また、昇降台車10と自動車Ａとの吊上げの荷重は、ガ
イドローラー３、巻取ローラー４及び巻取モーター５の
部分にはほとんどが加わるが、この部分は強固な取付板
９で躯体１の外壁1aに固定されているから、吊上げ荷重
を躯体1,1で支持でき、安定した状態で吊上げを行うこ
とができる。

そして、昇降台車10が第１図鎖線位置まで上昇したと
ころで、ワイヤ12の巻上げを停止すれば、昇降台車10は
この上昇位置に停止し、該昇降台車10の下方に駐車スペ
ースが形成される。

よって、この昇降台車10の下方で建物の躯体1,1間に
形成される駐車スペースに別の自動車を進入させれば、
上下２段に自動車を駐車させることができる。

上方の昇降台車10上の自動車Ａを出庫させるには、下
方の自動車を出庫させた後、前記とは逆の動作で昇降台
車10を下降させればよい。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明の駐車装置は、建物と建物と
の間の空間を駐車場として用いることができるので、専
用の駐車場用地を格別に確保せずにすみ、建物が密集し
ている市街地などでは地上を有効に活用して駐車場を得
ることができる。

そして、２段駐車場とした場合、自動車や台車の荷重
はこれを建物で支持できるから、強度的にも十分なもの
を確保でき、安全性を確保できるとともに安価に製作で
きる。

さらに構造的にもガイドレールを建物の外壁にボルト
で固定し、巻取ローラー、巻取モーター及びガイドロー
ラーも強固な取付板を介して外壁にボルトで固定するだ
けのものであるから、簡単であり設置も容易なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の駐車装置の実施例を示す一部切欠いた
平面図、第２図は同上縦断正面図、第３図は建物への固
定部の一部切欠いた正面図である。 １……躯体、1a……外壁 ２……ガイドレール、３……ガイドローラー ４……巻取ローラー、５……巻取モーター ６……ギヤ、７……シャフト ８……六角ボルト、９……取付板 10……昇降台車、11……ガイド部材 11a……本体部、11b……突杆 12……ワイヤ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の車巾以上離間している建物間の外
   壁面に対向させて自動車の車高よりも高い位置にまで達
   するガイドレールを前後に位置させてボルト止めし、該
   これらのガイドレールの上方位置にガイドローラーをそ
   れぞれ配設し、これらガイドローラーのうち対向する外
   壁にあるものの一対に近接させて巻取ローラーを設け、
   いずれか一方の巻取ローラーの近くにこれに連結する巻
   取モーターを設け、側部に突設したガイド部材を介して
   昇降台車をガイドレールに昇降自在に取り付け、一端を
   巻取ローラーに固定した昇降用のワイヤの他端をガイド
   ローラーに掛着した後、前記ガイド部材に固定し、ま
   た、前記巻取ローラー、巻取モーター及びガイドローラ
   ーは強固な取付板を介して外壁にボルトで固定すること
   を特徴とする駐車装置。