JP2830531B2 - 液晶シール材用接着剤 - Google Patents
液晶シール材用接着剤Info
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Description
剤に関する。
サイドシール材等として使用されている。この液晶シー
ル材用接着剤としては、従来より、熱硬化型エポキシ樹
脂が使用されている。
なる接着剤は150〜180℃という高温で2時間以上
加熱する必要があり、生産性を上げることができないと
いう問題がある。このため、近年では紫外線硬化型アク
リル系接着剤の使用が検討されている。
硬化型アクリル系接着剤は、接着性、耐湿性、耐熱性等
が低く、ほとんど実用化されるに至っていない。
樹脂系の接着剤として、熱硬化型エポキシ接着剤の他に
光カオチン重合開始剤を使用する光カオチン重合型エポ
キシ接着剤も使用されている。このような光カオチン重
合型エポキシ接着剤を液晶シール材として使用すると接
着性は優れたものとなり、また、十分なポットライフが
得られ作業性も向上するが、液晶パネルのITO電極膜
が腐食されるという問題がある。
を解決しようとするものであり、短時間で容易に硬化で
き、量産性に優れ、かつITO電極膜を腐食することの
ない液晶シール材用接着剤を得られるようにすることを
目的としている。
オン重合型エポキシ接着剤を液晶シール材用接着剤とし
て使用した場合には、光カオチン重合開始剤に含まれる
アニオンをはじめとするイオン性不純物がITO電極膜
に悪影響を及ぼすこと、特に、光カオチン重合開始剤と
して一般的な芳香族スルホニウム塩を使用した場合に
は、そこに含まれるPF6−やSbF6−等のアニオン
がエポキシ樹脂の硬化後にも残存し、この残存物がIT
O電極膜に悪影響を及ぼすことを見出した。そして、こ
のようなイオン性不純物は、少なくとも陰イオン交換可
能な無機イオン交換体を接着剤組成物中に含有させるこ
とにより有効に捕捉できることを見出し、この発明を完
成させるに至った。
カオチン重合開始剤、及び少なくとも陰イオン交換可能
な無機イオン交換体を含有する液晶シール材用接着剤で
あって、該無機イオン交換体は、該無機イオン交換体を
該液晶シール材用接着剤における配合量で水中に分散さ
せた場合のスラリーのpHを8以下とするものであり、
かつ光カオチン重合開始剤1重量部に対して2重量部よ
り多く8重量部未満含まれることを特徴とする液晶シー
ル材用接着剤を提供する。
エポキシ樹脂系の接着剤に使用されているものを使用す
ることができるが、たとえば、ビスフェノールA型、ビ
スフェノールF型、水添ビスフェノールA型、脂環式等
の液状エポキシ樹脂を好ましく使用することができる。
香族スルホニウム塩を有する一般的なもの、例えば芳香
族スルホニウム塩を有するものを使用することができ
る。具体的には、4,4´−ビス[ジ(β−ヒドロキシ
エトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド
ビスヘキサフルオロアンチモネート等を好ましく使用す
ることができる。
体としては、少なくとも陰イオンを捕捉できるものを使
用する。即ち、光カチオン重合開始剤に含まれるアニオ
ン性不純物であって、特にITO電極膜の腐食に有害な
PF6−やSbF6−等のアニオンを少なくとも捕捉で
きるように、陰イオン交換機能を有する陰イオン無機交
換体または両イオン無機交換体を使用する。
る無機イオン交換体の配合量と同様の配合量で水に分散
させた場合のスラリーのPHがPH8未満程度となるも
のが好ましい。PHがこの範囲より大きくなるものを使
用するとエポキシ樹脂が硬化しにくくなる。
イオン交換樹脂ではなく無機イオン交換体を使用する。
イオン交換樹脂は、液晶パネルの製造工程中の熱でイオ
ン交換体能力を喪失したり、接着剤組成物としての接着
性を低下させたりするので好ましくない。
は、上記のような光カチオン重合開始剤に含まれるPF
6−等のアニオン性不純物イオンを除去できるかぎり、
一種のイオン交換体を使用してもよく、複数種のイオン
交換体を合わせて使用してもよい。
明の液晶シール材用接着剤に含有される可能性のあるイ
オン性不純物としては、エポキシ樹脂の合成原料に起因
する塩素イオン等のアニオンやエポキシ樹脂の精製時に
混入されるナトリウムイオンやカリウムイオン等のカチ
オンがあるが、これらのイオン性不純物も液晶パネルに
悪影響を及ぼす。特に、ナトリウムイオン等のカチオン
は液晶自体の正常な動作を妨げるので、この発明におい
てはこのようなアニオンあるいはカチオンからなるイオ
ン性不純物も捕捉できるようにすることが好ましい。従
って、PF6−等のアニオン性不純物とナトリウムイオ
ン等のカチオン性不純物の双方を捕捉するために、アニ
オン性不純物を捕捉する陰イオン交換体とカチオン性不
純物を捕捉する陽イオン交換体を併せて使用してもよい
が、それらを同時に捕捉できる両性イオン交換体を使用
することが好ましい。より具体的にはアンチモンとビス
マス系の両性イオン交換体等を好ましく使用することが
できる。
カチオン重合開始剤の種類等にもよるが、一般には光カ
チオン重合開始剤1重量部に対して好ましくは2重量部
より多く8重量部未満、より好ましくは4重量部以上6
重量部以下とする。2重量部以下とすると液晶パネルの
ITO電極膜に腐食が発生しやすく、また8重量部以上
とすると接着剤の硬化性が低下するので好ましくない。
の他種々の添加剤を配合することができる。たとえば、
接着強度を向上させるためにシランカップリング剤を配
合することができ、粘度調整またはチキソトロピー性の
調整のために各種フィラーを配合してもよい。
合開始剤、無機イオン交換体、種々の添加剤は、常法に
より均一に混合し、接着剤組成物とする。
樹脂と光カチオン重合開始剤からなるので、エポキシ樹
脂が光照射により短時間で硬化し、接着性も優れたもの
となる。また、十分なポットライフを有するようにな
り、作業性も向上する。したがって、液晶パネルの生産
性を高くすることが可能となる。
剤に加えて、少なくとも陰イオン交換可能な無機イオン
交換体を含有するので、その無機イオン交換体に光カチ
オン重合開始剤に含まれるイオン性不純物が捕捉され
る。しがたって、液晶パネルのITO電極膜の腐食を防
止することが可能となる。
説明する。 実施例1〜3、および比較例1〜13 エポキシ樹脂(アデカオプトマーKRM2408、旭電
化工業(株)製)80重量部、CTBN変性エポキシ樹
脂(アデカレンジEP−4023、旭電化工業(株)
製)20重量部、カップリング剤(A−187、日本ユ
ニカー(株)製)2重量部、芳香族スルホニウム塩系光
カチオン重合開始剤(アデカオプトマーSP−170、
旭電化工業(株)製)2重量部、表1および表2に示し
た各種イオン交換体を5重量部を配合し、3本ロールで
混合分散して接着剤を製造した。
ラリーのPHを次のように測定した。すなわち、イオン
交換体5gにイオン交換水95gを加え、5wt%スラ
リーとし、このスラリーをスターラーで攪拌しながらP
HメーターでPHを測定した。結果を表1および表2に
あわせて示した。
3、および比較例1〜14)の硬化状態を次の方法で試
験した。すなわち、各々の接着剤の少量に、メタルハラ
イドランプ(1灯、160W/cm)を使用し、ランプ
高さ25cm、積算光量2.6J/cm2の条件で紫外
線を照射し、硬化状態を指触タックで調べた。結果を表
1および表2にあわせて示した。
が良好だった実施例1、2および比較例1〜3、13に
ついてITO電極膜に対する腐食性を次のように試験し
た。すなわち、図1に示したように、ガラス基板1にI
TO電極膜2(ITO電極の端子幅0.24mm、間隔
0.2mm、絶縁部分の先端ギャップ10μm)を形成
したパターンガラスを使用し、この絶縁部分に接着剤3
を塗布し、硬化状態の試験と同様の照射条件で紫外線を
照射して接着剤3を硬化させた。次いで、ITO電極膜
に直流10Vを印加した状態で、65℃、90%RHの
恒温槽に放置し、エージングさせ、取り出して接着剤塗
布部分のITO膜の状態を顕微鏡で観察した。結果を表
1および表2にあわせて示した。
無機交換体を含有した実施例の接着剤を塗布したものは
ITO電極膜を腐食させないことがわかった。
化工業(株)製)80重量部、CTBN変性エポキシ樹
脂(アデカレンジEP−4023、旭電化工業(株)
製)20重量部、カップリング剤(A−187、日本ユ
ニカー(株)製)2重量部、芳香族スルホニウム塩系光
カチオン重合開始剤(アデカオプトマーSP−170、
旭電化工業(株)製)3重量部、実施例2と同様の無機
イオン交換体を表3に示した配合量で配合し、種々の接
着剤を調製した。そして、それらについて前述と同様に
ITO電極膜の腐食性を調べた。
試験した。すなわち、被着材としてフロート板ガラス
(JIS R3202、5.0×2.5×75mm)を
2枚用意し、このガラスをエタノールで脱脂し、乾燥
後、接着剤を25×12.5mmの接着面に塗布し、2
枚のガラスを貼り合わせ、前述と同様の照射条件で紫外
線を照射して接着剤を硬化させた。紫外線照射後24時
間以上放置した後、PC(プレッシャークッカー)試験
機に入れ、121℃、2atm、100%RHの条件で
50時間放置した。次ぎに、PC試験機から取り出し、
テンシロンを使用し、引っ張り強度10mm/minで
剪断引っ張り強度を測定した。結果を表3に示した。
ニウム塩系光カチオン重合開始剤(アデカオプトマーS
P−170、旭電化工業(株)製)を使用した場合に
は、実施例6〜13のように、両イオン交換体を光カチ
オン重合開始剤1重量部に対して2重量部より多く8重
量部未満配合するとITO電極膜の腐食が著しく抑制さ
れ、ガラス剪断強度の試験においても、被着材であるガ
ラスが破壊されるガラス破壊となり、良好な接着力が得
られることがわかった。特に、実施例8〜13のように
両イオン交換体を光カチオン重合開始剤1重量部に対し
て3.5重量部より多く8重量部未満配合すると40日
以上経過してもITO電極膜に腐食が発生せず、極めて
良好なITO電極膜の腐食防止力があることが確認でき
た。
でき、量産性に優れ、かつITO電極膜を腐食すること
のない液晶シール材用接着剤が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂、光カオチン重合開始剤、
及び少なくとも陰イオン交換可能な無機イオン交換体を
含有する液晶シール材用接着剤であって、該無機イオン
交換体は、該無機イオン交換体を該液晶シール材用接着
剤における配合量で水中に分散させた場合のスラリーの
pHを8以下とするものであり、かつ光カオチン重合開
始剤1重量部に対して2重量部より多く8重量部未満含
まれることを特徴とする液晶シール材用接着剤。 - 【請求項2】 該無機イオン交換体が、アンチモンおよ
びビスマス系の両性イオン交換体である請求項1記載の
液晶シール材用接着剤。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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