JP4944396B2 - 液晶滴下工法用硬化性樹脂組成物、液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
液晶表示素子は、通常、配向膜が形成された2枚の透明基板が、その外周付近に形成されたシール剤を介して貼り合わされ、これら2枚の透明基板とシール剤とで形成された空間内に液晶材料が封入された構造となっている。
(1)25℃、1.0rpmの条件でE型粘度計により測定した粘度が800Pa・s以上である。
(2)25℃において固形である。
以下に本発明を詳述する。
上記硬化性樹脂成分は、本発明のシール剤のマトリックス樹脂となる成分であり、「液状」であるため、本発明のシール剤中で他に配合される樹脂成分等と相溶し、固体として残ることのない成分である。
上記光重合開始剤としては、光照射により上記硬化性樹脂成分中の高粘度樹脂等を重合させるものであれば特に限定されないが、反応性二重結合と光反応開始部とを有するものが好適である。このような光重合開始剤は、本発明のシール剤に配合した場合に充分な反応性を付与することができるとともに、本発明のシール剤を用いた液晶滴下工法による液晶表示素子の製造において、液晶中に溶出し液晶を汚染することがない。なかでも、反応性二重結合と水酸基及び/又はウレタン結合とを有するベンゾイン(エーテル)類化合物が好適である。なお、本明細書において、ベンゾイン(エーテル)類化合物とは、ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類を表す。
上記伸張粘度測定法(A)とは、25℃の環境下で上下2mmの間隔で設置された2枚の円形プレート(4mmφ)間に、試料を0.5mL設置した後、8mm/secの速度で上プレートを2mm上昇させ、2枚のプレート間における糸状の細くなってゆく試料の中間部分における径をレーザーによって測定する方法であり、試料の径が0になるときの時間を試料破断時間とする。
本発明の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
(1)高分子量エポキシアクリレート樹脂(A)の合成
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製:エピコート828EL)700重量部に、固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製:エピコート1001)300重量部を120℃の温度下で溶融させた後、これに重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、アクリル酸400重量部を、空気を送り込みながら、90℃で還流攪拌しながら5時間反応させた。
得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させるために、クオルツとカオリンとの天然結合物(ホフマンミネラル社製、シリチンV85)10重量部が充填されたカラムで濾過し、高分子量エポキシアクリレート樹脂(A)を得た。
液状のフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウケミカル社製:D.E.N.431)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、アクリル酸200重量部を、空気を送り込みながら、90℃で還流攪拌しながら5時間反応させた。
得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させるために、クオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製:シリチンV85)10重量部が充填されたカラムで濾過し、アクリル酸変性フェノールノボラックエポキシ樹脂(B)(50%部分アクリル化物)を得た。
硬化性樹脂成分として、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセルUCB社製:EB3700)、ウレタンアクリレート樹脂(ダイセルUCB社製:EB4858)、高分子量エポキシアクリレート樹脂(A)、アクリル酸変性フェノールノボラックエポキシ樹脂(B)を、表1に示した量でそれぞれ所定の容器に配合し、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した後、光開始剤(ライトケミカル社製;KR−02)を加熱溶解させ、シランカップリング剤(信越化学社製:KBM403)を混合攪拌し、球状シリカ(アドマテックス社製:SO−C2)、タルク(日本タルク社製;SG−2000)、熱硬化剤(味の素ファインテクノ社製:VDH―J)を混合攪拌した後、セラミックス3本ロールミルにて分散させることによって、実施例1、2及び比較例1〜3の液晶滴下工法用シール剤を得た。
得られた実施例1、2及び比較例1〜3に係る液晶滴下工法用シール剤について以下の方法により評価を行った。それぞれの結果を表1に示した。
得られた液晶滴下工法用シール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業製;SI−H055)を1重量%配合し、無アルカリガラス試験片(コーニング社製:♯1737)に微小滴下し、これにもう一方のガラス試験片を十字状に張り合わせたものを、高圧水銀ランプにて紫外線照射(3000mJ/cm2)した後、加熱(120℃×60分)することによって接着試験片を得た。これを上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/sec)を行った。
25℃の環境下で上下2mmの間隔で設置された2枚の円形プレート(4mmφ)間に、得られた液晶滴下工法用シール剤を試料として0.5mL設置した後、8mm/secの速度で上プレートを2mm上昇させ、2枚のプレート間における糸状の細くなってゆく試料の中間部分における径をレーザーによって測定した。このとき、試料の径が0になるときの時間を試料破断時間とした。
ITO薄膜付きの透明電極基板を2枚用意し、一方に得られた液晶滴下工法用シール剤を長方形の枠を描く様にディスペンサーで塗布した。続いて、液晶(チッソ社製JC−5004LA)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空張り合わせ装置にて50Paの真空下にて張り合わせてセルを作製した。このセルを23℃の環境下で30分間放置し、シール剤にシールパスが発生して、液晶が漏洩するか否かを目視にて確認した。なお、表1中、○は、液晶の漏洩が確認できなかったものを示し、×は、液晶の漏洩が確認されたものを示す。
Claims (3)
- 硬化性樹脂成分と固形成分とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、
25℃、1.0rpmの条件でE型粘度計により測定した粘度を(a)(Pa・s)とし、前記固形成分の重量比を(b)(wt%)としたときに、(a/b)が9.5〜35の範囲にあり、かつ、
前記硬化性樹脂成分は、少なくとも、以下の(1)又は(2)を満たす硬化性樹脂を15〜30重量%含有し、
前記硬化性樹脂成分は、25℃、1.0rpmの条件でE型粘度計により測定した粘度が1〜100Pa・sであり、水酸基、メルカプト基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂を5〜50重量%含有する
ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。
(1)25℃、1.0rpmの条件でE型粘度計により測定した粘度が800Pa・s以上である。
(2)25℃において固形である。 - 請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項2記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示装置。
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