JP2829519B2 - 写真処理液の銀回収方法及びその装置 - Google Patents

写真処理液の銀回収方法及びその装置

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JP2829519B2 JP63056968A JP5696888A JP2829519B2 JP 2829519 B2 JP2829519 B2 JP 2829519B2 JP 63056968 A JP63056968 A JP 63056968A JP 5696888 A JP5696888 A JP 5696888A JP 2829519 B2 JP2829519 B2 JP 2829519B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の属する技術分野] この発明は、写真処理液の銀回収方法及びこの方法の
実施に使用する銀回収装置に関する。特に、使用された
処理液から電解的に脱銀して銀を回収でき、あるいは銀
を回収すると共にこの処理液を写真性能的に問題なく再
利用することが可能な銀回収方法及びその装置に関す
る。
[従来の技術] ハロゲン化銀写真感光材料を露光後、処理して画像を
得るには、現像と定着工程が設けられ、例えばカラー写
真感光材料に関しては、発色現像、漂白、定着、安定化
処理の各工程もしくは漂白と定着とを一工程で行なう漂
白定着工程が設けられる。
この定着もしくは漂白定着工程では、チオ硫酸塩、チ
オシアン塩等のハロゲン化銀可溶化剤によって写真感光
材料中のハロゲン化銀が溶解されるために、処理の進行
と共に処理液中に銀錯イオンが著しく蓄積される。他の
工程では、現像工程のように定着、漂白定着工程と同様
に亜硫酸イオンやチオシアン酸イオン等のハロゲン化銀
可溶化剤が添加されているために、もしくはこれらの銀
錯イオンが写真感光材料中に含有あるいは付着して流入
するために、定着工程に比べれば少ないものの処理の進
行と共に銀錯イオンが蓄積してくる。このような銀錯イ
オンの蓄積は、処理液の能力を著しく低下させ、また処
理液の廃棄の際、公害対策上著しく問題となる。従っ
て、処理液の能力の回復、廃棄の際の低公害化、さらに
は有用資源の回収再利用の観点から、処理液中の銀錯イ
オンの回収が望まれる。
さらに、公害防止や資源の有効利用の観点から、写真
感光材料を連続処理する際の性能の劣化を防ぐために行
なわれる処理槽への補充液の供給は、低補充化、即ち単
位面積当りの補充液の供給を可能な限り少量にする方向
にあり、このことが銀イオン濃度の過大な蓄積を招く原
因となっている。
従って、銀イオンを連続的に回収しながら処理構内の
銀イオン濃度を低濃度に維持することが、反応を効率良
く進めるためにも、または次処理段階への写真感光材料
に付着して持ち出されることによって起こる銀の流出を
防ぐためにも、強く望まれている。同様に、銀イオン濃
度を回収した後の液を再生し再び補充液として用いるこ
とも、公害防止や資源の再利用の面から強く望まれてい
ることである。
このような処理液からの脱銀の技術としては、従来よ
りイオン化傾向を利用したスチールウールやアルミウー
ルにより金属置換法、アルカリ性下での硫化沈殿法、ハ
イドロサルファイト等により還元沈殿法、イオン交換樹
脂やキレート樹脂によるイオン交換法及び電気分解によ
る電解還元法等が知られている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、金属置換法は銀やアルミニウムが溶出し水
酸化物の沈殿生成することから処理液の再利用が不可能
であり、硫化銀沈殿法、還元沈殿法も銀沈殿の回収のた
めろ過に手間どるため装置が大型になり、またフィルタ
を必要とするため、装置コストや運転コストが嵩む。さ
らに、処理液の特性が変化してしまうために、同様に処
理液を再利用することが極めて困難である。
イオン交換樹脂等の方法では、イオン交換樹脂は高価
であり、しかも樹脂の銀錯塩吸収容量が極めて小さく経
済的にも見合わない。さらに、銀錯塩を吸着したイオン
交換樹脂は、再生することが不可能であり、焼却して処
理しているため、再びイオン交換樹脂を充填する必要が
あり、同様に装置コストや運転コストが嵩む。
ところで、電解法それ自体は極めて古くから知られた
方法であり、たとえばエムーエル、シュライバーの総説
(J.of the SMPTE 74.505頁1965)に、これらの先行技
術の例を多くみることができる。
特に、電流効率を向上させる目的による電極板の工夫
としては、米国特許第405403号、同2292314号、同21584
10号、同3840455号、同400056号、同4054503号、ドイツ
特許DP−1093561号、DT−2507123号、DT−2729567号、
同674988号、1176373号、フランス特許813483号、イタ
リー特許(Ital.P.)439944号、同421922号、 また電解装置の工夫として、米国特許2607721号、同1
962306号、同3072557号、同1900893号、303942号、同19
5953号、同1866701号、 電解時の電流密度等のコントロールとして米国特許21
10930号、ドイツ特許712003号、1133565号、同1187806
号等の多くの工夫がみられる。
さらに、漂白定着液からの効率的銀回収方法として、
特開昭48−18191号、米国特許4036715号、ドイツ特許25
2814号があり、 また電解時の隔膜による陰極陽極等の分離方法とし
て、ドイツ特許2607043号、同2532018号、特開昭52−26
315号、特開昭52−102724号、特開昭53−35534号、特公
昭43−30167号などがあり、電流制御によるオートコン
トロール法として、米国特許3875032号、同3925184号、
同4006071号、また特開昭53−32869号、特開昭52−1157
23号、フランス特許2275570号に詳しく述べられてい
る。処理液の再生法との組み合わせは、特開昭52−7222
7に記載された工夫がみられる。
ところで、電解による銀回収の具体的問題点は、銀が
折出する条件下で全電流に対する銀の電解に使用される
割合(電流効果)は実際上かなり低く、また、全電流
(密度)も電解槽の関係よりあまり大きくないので、実
際的な銀回収速度は意外に低い。このようにして生成さ
れるアミノポリカルボン酸鉄(II)銀イオンの増大は処
理液の酸化還元電位を卑とならしめ、ひいては銀漂白
(酸化)速度を低下させるばかりでなく、カラー写真の
画像を形成する発色色素の還元即ちロイコ化を起させ、
色素を褐色させてしまうという重大な問題を起してい
た。
また、陽極では発色現像主薬や亜硫酸塩が酸化され、
酸化物である重合体によるタールや硫酸塩の蓄積が起こ
る問題が生じる。
このような問題を可能な限り防ぐために、従来は高速
回転による回転陰極板方式や炭素繊維等により電流密度
を下げる工夫がなされ、実際に用いられてきた。
しかし、これらの方法や前記の多くの工夫にもかかわ
らず、いずれの場合にも処理液中の銀イオンの濃度を十
分に低下せしめ、かつ処理上の問題点をなくすために低
電流密度で、極めて長い電解時間が必要であったり、あ
るいは酸化銀の生成や亜硫酸塩の酸化で起こる硫酸イオ
ンの過大な蓄積によるスラッヂの生成等の問題を生じ、
廃棄する処理液中に銀回収は実用されているものの再利
用することは前記のような問題が起こり、写真感光材料
に重大な支障を与えるために難しいとされてきた。
近年、カラー写真感光材料処理の分散化にともない現
像処理装置が小型化しているが、これらの処理方法は一
浴の漂白定着処理の如き、処理の簡素化迅速化に相まっ
て、水洗工程の除去、処理塩の濃度低補充化による低廃
液量化の方向が、さらに強まっており、状来より一層銀
錯イオン蓄積の処理能力への影響が懸念されているのが
現状である。
従って、前記の如き電解法の利点を生し、かつ短時間
で銀錯イオン濃度を低減させることができ、連続処理し
た場合でも写真処理もしくは公害規制上必要な濃度にま
で低減させることができ、特に100ppm以下程度の微量の
銀成分を高効率、高回収率で回収することが可能な銀回
収方法及びその装置の出現が強く望まれている。
この発明は、かかる点に鑑みなされたもので、この発
明の第1の目的は、処理液から電解法によって銀を高効
率、高回収率にて回収することが可能な技術を提供する
にある、 第2の目的は、小型でかつ低コストで多量の写真処理
液から短時間に銀回収を行なうことが可能な経済的な技
術を提供するにある。
[課題を解決するための手段] この発明者等は前記の目的を達成すべく多くの研究、
実験を重ねた結果、少なくとも銀錯イオンを含有するハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理液を電解処理して脱銀す
る写真処理液の銀回収方法において、複数の電極を有
し、この電極の厚さが0.5〜50mmの範囲であって、さら
に各陽陰極の短絡を防止するため開孔を有する電気絶縁
性のスペーサを配設してなり、各電極とスペーサが積層
されてなる複極型固定床電解槽を用いて写真処理液の銀
回収し、この複極型固定床電解槽の電極構造材として、
炭素材、炭素系複合材及びグラファイト材のいずれかが
用いられ、かつ電極構造材が、板状構造で処理液の流通
が可能な材料で、ハニカム構造、多孔板構造、繊維状構
造、綿状構造及び粒状構造のいずれかが用いられ、さら
に隣り合う陽陰極間の距離が5mm以下であることにより
達成することを見出した。
また、この発明の方法の実施に使用するハロゲン化銀
写真感光材料の処理液を電解処理して脱銀する写真処理
液の銀回収装置は、複数の電極を有し、この電極の厚さ
が0.5〜50mmの範囲であって、さらに各陽陰極の短絡を
防止するため開孔を有する電気絶縁性のスペーサを配設
してなり、各電極とスペーサが積層されてなる複極型固
定床電解槽を有し、この複極型固定床電解槽の電極構造
材として、炭素材、炭素系複合材及びグラファイト材の
いずれかが用いられ、かつ電極構造材が、板状構造で処
理液の流通が可能な材料で、ハニカム構造、多孔板構
造、繊維状構造、綿状構造及び粒状構造のいずれかが用
いられ、さらに隣り合う陽陰極間の距離を5mm以下とす
ることによって、前記目的の達成が可能となることを見
出した。
この発明において、複極型固定床電解槽の電極構造材
として、処理液で腐食することがないものが用いられ、
例えば炭素材、炭素系複合材及びグラファイト材のいず
れかが用いられる。この炭素材として、例えば活性炭等
が、また炭素系複合材として、例えばグラファイト粉と
銅粉を混合してプレス成形、焼成して得られる材料等が
あり、グラファイト材は通常用いられるグラファイトで
あり、電極はこれらの材料の違いによって電解したとき
に分極化の程度が異なり、また電解電圧が大小になる。
この発明において、複極型固定床電解槽の電極構造材
は、板状構造で処理液の流通が可能な材料であり、ハニ
カム構造、多孔板構造、繊維状構造、綿状構造及び粒状
構造のいずれかが用いられる。この複極型固定床電解槽
は、電極の処理液の流路に対しての断面方向の開孔率が
30%以上であると、詰りを防止でき流れを乱流化でき回
収効率をupできまた電解電圧を下げることができ好まし
い。
また、この発明において、炭素系材料、金属材料材料
の表面に金属触媒がコーティングされ、電解電圧を下げ
て電解反応を促進すると共に、炭素材、炭素系複合材及
びグラファイト材のいずれかの電極材料の寿命を延ばす
ことができる。金属触媒としては、Pt、Ru、Pd、Ir等の
白金族の金属を単体または複合して用い、あるいはこれ
らの白金族の酸化物等を用いることができる。金属触媒
のコーティングは種々の方法があるが、一般的には炭素
材、炭素系複合材及びグラファイト材のいずれかの電極
材料を陰極として電解メッキする。
また、電極材料に貴金属塩水溶液を塗布し、その後焼
成により貴金属酸化物をコーティングする。さらに、電
極材料に貴金属塩水溶液を塗布し、その後還元剤水溶液
を塗布して貴金属を還元しメッキする。これらの金属触
媒のコーティング方法の電解反応に対する効果は、貴金
属が強固に炭素材、炭素系複合材グラファイト材のいず
れかの電極材料についている限り、略同等である。さら
に、この金属触媒のコーティングは電極材料の全面に施
してもよいが、少なくも陽陰となる側にのみ施されてい
ればよい。
この発明において、複極型固定床電解槽の隣り合う陽
陰極間の距離を5mm以下とし、さらに電極の厚さが0.5〜
50mmとすることにより装置の小型化が可能になる。
この発明において、複極型固定床電解槽は、微量濃度
の銀回収を高効率、高回収率で行なうために、電解電流
濃度を50Amp/以上の大きな値に設定することが好まし
い。
この電解電流濃度は、 電解電流濃度=電解電流値/電解槽体積 で表わされ、この電解電流濃度を50Amp/以上の大きな
値に設定することにより、高い電圧を引加して分極を促
進させ、微量濃度の銀を高効率、高回収率で回収するこ
とが可能になる。
この発明において、電極の間に陽陰極の短絡を防止す
るために、開孔を有する電気絶縁性のスペーサを設け
る。このスペーサは例えば網目状、糸状等が好ましく、
また枚数も特に限定されないが、スペーサの処理液の流
路に対しての断面方向の開孔率が30%以上であることが
処理液の流れが円滑であり好ましい。さらに、スペーサ
の厚さは、厚過ぎると陽極と陰極との間隔が広くなり、
電圧が高くなるため、0.5〜5mmになる程度のものを用い
る。
また、この発明において、複極型固定床電解槽は、LH
SV値が1[1/HR]以下であることが好ましく、 このLHSV値は、 LHSV値=写真処理液流量/電解槽体積 で表わされる。これにより、複極型固定床電解槽を流れ
る処理液の流速を小さく設定でき、微量濃度銀を完全に
回収するのに効果がある。
かかる複極型固定床電解槽は、処理槽に直結して、オ
ーバーフロー液を電解処理しても良いし、処理液を連続
処理再生して流しても良い。
漂白定着処理液の再生使用の場合、好ましくは複極型
固定床電解槽の続いてフィルタ槽及びあるいはイオン交
換樹脂槽によって浮遊物の除去、不要イオンの回収を行
なうことができる。
[作用] この発明では、微量の銀成分を含む処理液を複極型固
定床電解槽で電解すると、処理液の容積に対して、従来
の電解法と比較しその電極面積が極めて増大する。しか
も、複極型固定床電解槽で極めて高い電場がかけられる
ことになり、従来の電解法と比較してバルク層と電極近
傍の銀イオン濃度勾配がなくなるため、飛躍的に短時間
で銀イオン濃度を低減させることができ、更に陽分極に
よる酸素発生で電極が分解するを防止できるため電極寿
命が伸びて高効率、高回収率の銀回収が実現される。
[発明の効果] この発明の写真処理液の銀回収方法及びその装置は、
少なくとも銀錯イオンを含有するハロゲン化銀写真感光
材料の処理液を、複数の電極を有し、この電極の厚さが
0.5〜50mmの範囲であって、さらに各陽陰極の短絡を防
止するため開孔を有する電気絶縁性のスペーサを配設し
てなり、各電極とスペーサが積層されてなる複極型固定
床電解槽によって電解処理し、この複極型固定床電解槽
の電極構造材として、炭素材、炭素系複合材及びグラフ
ァイト材のいずれかが用いられ、かつ電極構造材が、板
状構造で処理液の流通が可能な材料で、ハニカム構造、
多孔板構造、繊維状構造、綿状構造及び粒状構造のいず
れかが用いられ、さらに隣り合う陽陰極間の距離を5mm
以下とすると、処理液の容積に対して、従来の電解法と
比較しその電極面積が極めて増大し、しかも極めて高い
電場がかけられることになり、従来の電解法と比較して
高効率、高回収率の銀回収が行なわれる。また電極も長
時間にわたり耐久性をもった銀回収が行なわれる。
また、複極型固定床電解槽の電極構造材として、炭素
材、炭素系複合材及びグラファイト材のいずれかを用い
ると、電極が処理液でおかされることが防止できる。
また、複極型固定床電解槽の電極構造材が、板状構造
で処理液の流通が可能な材料であり、例えばハニカム構
造、多孔板構造、繊維状構造、綿状構造及び粒状構造の
いずれかを用いると、処理液が電極間を円滑に流れる。
また、この発明において、複極型固定床電解槽の隣り
合う陽陰極間の距離を5mm以下とすると、装置が小型に
なる。
また、この発明において、電極には金属触媒が塗布さ
れ、この金属触媒が白金族の金属、白金族の酸化物であ
ると、電解反応を促進すると共に、炭素材、炭素系複合
材及びグラファイト材のいずれかの電極材料の寿命を延
ばすことができる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を説明する。
図面はこの発明を解説すべく使用するもので、この発
明を限定するものではない。
第1図は自動現像装置の概略図を示し、この自動現像
装置はカラー写真感光材料を処理するもので、発色現像
CD、漂白定着BF、第1水洗W1、第2水洗W2、第3水洗W3
の各工程が設けられている。この漂白定着BF工程では、
チオ硫酸塩、チオシアン塩等のハロゲン化銀可溶化剤に
よって、写真感光材料中のハロゲン化銀が溶解されるた
めに、処理の進行と共に処理液中に銀錯イオンが著しく
蓄積される。他の工程では、発色現像CD工程のように漂
白定着BF工程と同様に亜硫酸イオンやチオシアン酸イオ
ン等のハロゲン化銀可溶化剤が添加されているために、
もしくはこれらの銀錯イオンが写真感光材料中に含有あ
るいは付着して流入するために、処理の進行と共に錯銀
イオンが蓄積してくる。この発色現像CD工程工にまたは
第1水洗W工程に、それぞれこの発明の写真処理液の銀
回収装置が接続される。
この写真処理液の銀回収装置は、発色現像CD工程、第
1水洗W1工程の両方に設けてもよく、いずれか一方に設
けてもよい。あるいはそれぞれ独立して設けてもよく、
両工程からの処理液を混合して処理するようにしてもよ
く、さらに他の工程に接続してもよい。
第2図乃至第4図に、この発明の写真処理液の銀回収
装置を示している。第2図に示すように、自動現像装置
から流入する処理液はポンプ1の駆動によってフィルタ
2を介して、複極型固定床電解槽3に送られる。この複
極型固定床電解槽3には商用電源に接続された整流装置
31から所定の直流電圧が与えられ、この複極型固定床電
解槽3で銀回収が行なわれ、その処理液は流出口から排
出され、自動現像装置に戻したり、あるいは廃棄する。
この複極型固定床電解槽3は第3図に示すように構成
されている。図中は符号4は液化ビニル製パイプで、直
径7cmで、長さが15cmのものが用いられており、このパ
イプの中に電極ブロック5が7個、間にスペーサ6を介
在して積層されている。
この電極ブロック5は第4図に示すように、直径6.8c
mで、厚さが1cmのグラファイト板に直径5mmの孔7を開
孔率45%で形成したものが用いられる。この電極ブロッ
ク5は陽極側が白金酸化物でコーティングされている。
また、スペーサ6は50メッシュのPE製網が用いられて
いる。
積層した電極部の両端部には通電用の電極として、メ
ッシュ状DSE陽極8と、メッシュ状チタン陰極9とが設
けられている。
この実施例において、電解電流濃度は第5図に示すよ
うに、50Amp/以上が好ましい。また、LHSV値は第6図
に示すように1[1/HR]以下が好ましい。さらに、電極
ブロック5の開孔率は第7図に示すように、30%以上が
好ましく、スペーサ6の開孔率も第8図に示すように同
様に30%以上が好ましく、これらの条件で高効率、高回
収率の装置及び運転が可能となる。
第9図及び第10図は複極型固定床電解槽3の他の実施
例を示している。
この実施例では第10図に示すように炭素繊維(線径0.
15mm×長さ20mm以上)を層状に約5mm積層したものを、
電極ブロック10としている。この電極ブロック10の反面
(陽分極する側)に0.5mol/の硝酸パラジウム水溶液
を塗布し、90℃で30分間乾燥後、350℃で30分間焼成処
理し、この操作を3回繰り返して電極を製作した。
この電極ブロック10を7個製作して、直径が60mmで、
長さが100mmの塩化ビニル製パイプ11の中に、スペーサ1
2(50メッシュのPE製網)を入れながら積み重ねた。
このパイプ11の両端に前記と同様な電極13,14を設け
て、内部の炭素繊維積層電極を分極させ、複極型固定床
電解槽3を構成したものである。
第11図は第3図及び第4図に示す実施例と、第9図及
び第10図に示す実施例とを銀回収状態を示す図である。
この両実施例において、処理液中の銀濃度は8mg/、
電解電流濃度は60Amp/、LHSV値は0.85[1/HR]に設定
され、前記した以外の条件は同様に設定して処理した。
これによると、電極ブロック10に炭素繊維を使用した
ものが、電極ブロック5にグラファイト板を使用したも
のより、やや銀回収率の点で好ましいが、両者共電解経
過時間が1〜2時間程度で100%の銀回収を行なうこと
ができた。
また、複極型固定床電解槽3は第12図に示すように、
箱15の中の四角に板状に形成した電極ブロック16を前記
と同様に積層して配置してもよい。
次に、この発明の実施例について、比較例と共に説明
する。
まずこの発明を、次の例を用いて説明する。
漂白定着液 水 380ml エチレンジアミン四酢酸 10g エチレンジアミン四酢酸(III)鉄塩 60g 亜硫酸ナトリウム 10g 水酸化アンモニウム(28%水溶液) 4g チオ硫酸アンモニウム(60%水溶液) 120g 次の発色現象液500mlを加える 発色現象液 1 水 2 無水亜硫酸ナトリウム 3 コダックOD3 4 ベンジンアルコール 5 水酸化ナトリウム 6 ホウ酸(10H2O) 7 臭化カリウム 8 水を加えて pH=11.5±0.1 水酸化アンモニウムと酢酸でpHを7.2に調整する。こ
の漂白定着液は市販のカラーネガを処理して銀含有が3.
9g/になるまで処理して疲労させた。この1.5を用い
て以下に示す比較の電解法と、この発明による電解法で
の実施の結果を第13図に示す。
この発明は第2図乃至第4図に示すものを用いた。処
理液の含有銀濃度8mg/で、複極型固定床電解槽の構成
は前記載の通り、電極電流濃度は60Amp/、LHSV値は0.
85[1/HR]、電極断面開孔率は45%、スペーサ開孔率75
%である。
比較例1に示す単極型固定床電解槽は粒子径0.65mmの
活性炭(クレハビーズB−100)を陰極室内に充し、撹
拌機で撹拌して、槽膨張率125%に維持して、電解電流
濃度20Amp/で銀回収電解を行なった。ある一定量まで
回収はできるが、それ以上の進展はない。
比較例2に示す平板型電解槽は電流密度を0.1〜20A/d
m2まで変化させて、検討したが8mg/濃度の銀は全く回
収不可能であった。陰極板としては、SUS304板を使用し
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は自動現像装置の概略図、第2図は銀回収装置の
概略構成図、第3図は複極型固定床電解槽の構成図、第
4図は電極ブロックの斜視図、第5図は電解電流濃度と
銀回収率の関係を示す図、第6図はLHSV値と銀回収率と
の関係を示す図、第7図は電極ブロックの開孔率と電解
電圧の関係を示す図、第8図はスペーサの開孔率と電解
電圧との関係を示す図、第9図は他の複極型固定床電解
槽の構成図、第10図は他の電極ブロックを示す図、第11
図は電解経過時間と銀回収率との関係を示す図、第12図
はさらに他の複極型固定床電解槽の構成図、第13図は従
来の電解法との比較例を示す図である。 図中符号1はポンプ、2はフィルタ、3は複極型固定床
電解槽、5,10,16は電極ブロック、6,12はスペーサであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 5/00 C02F 1/46 101B (72)発明者 蒔田 善之 岐阜県吉城郡神岡町大字船津1292―1番 地 (72)発明者 川上 祐二 岐阜県吉城郡神岡町大字東雲1163―16番 地 (56)参考文献 特開 昭62−24257(JP,A) 特開 昭61−270752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25C 1/00,1/20,7/00 - 7/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも銀錯イオンを含有するハロゲン
    化銀写真感光材料の処理液を電解処理して脱銀する写真
    処理液の銀回収方法において、複数の電極を有し、この
    電極の厚さが0.5〜50mmの範囲であって、さらに各陽陰
    極の短絡を防止するため開孔を有する電気絶縁性のスペ
    ーサを配設してなり、各電極とスペーサが積層されてな
    る複極型固定床電解槽を用いて写真処理液の銀回収し、
    この複極型固定床電解槽の電極構造材として、炭素材、
    炭素系複合材及びブラファイト材のいずれかが用いら
    れ、かつ電極構造材が、板状構造で処理液の流通が可能
    な材料で、ハニカム構造、多孔板構造、繊維状構造、綿
    状構造及び粒状構造のいずれかが用いられ、さらに隣り
    合う陽陰極間の距離が5mm以下であることを特徴とする
    写真処理液の銀回収方法。
  2. 【請求項2】ハロゲン化銀写真感光材料の処理液を電解
    処理して脱銀する写真処理液の銀回収装置において、複
    数の電極を有し、この電極の厚さが0.5〜50mmの範囲で
    あって、さらに各陽陰極の短絡を防止するため開孔を有
    する電気絶縁性のスペーサを配設してなり、各電極とス
    ペーサが積層されてなる複極型固定床電解槽を有し、こ
    の複極型固定床電解槽の電極構造材として、炭素材、炭
    素系複合材及びグラファイト材のいずれかが用いられ、
    かつ電極構造材が、板状構造で処理液の流通が可能な材
    料で、ハニカム構造、多孔板構造、繊維状構造、綿状構
    造及び粒状構造のいずれかが用いられ、さらに隣り合う
    陽陰極間の距離を5mm以下とすることを特徴とする写真
    処理液の銀回収装置。
  3. 【請求項3】前記電極の表面には、金属触媒が塗布され
    ていることを特徴とする請求項2記載の写真処理液の銀
    回収装置。
  4. 【請求項4】前記金属触媒は、白金族の金属、または白
    金族の酸化物であることを特徴とする請求項3記載の写
    真処理液の銀回収装置。
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