JP3020549B2 - 被処理液の処理方法 - Google Patents

被処理液の処理方法

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JP3020549B2
JP3020549B2 JP2113110A JP11311090A JP3020549B2 JP 3020549 B2 JP3020549 B2 JP 3020549B2 JP 2113110 A JP2113110 A JP 2113110A JP 11311090 A JP11311090 A JP 11311090A JP 3020549 B2 JP3020549 B2 JP 3020549B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、微生物を含有する各種処理液の該微生物に
起因する各種性能劣化を抑制するために前記被処理液を
電気化学的に処理するための方法に関し、より詳細には
例えば写真処理液の処理性能の向上、及び該写真処理液
の滅菌を行うための電気化学的処理方法に関し、更に詳
細には発色現像処理、漂白処理、漂白定着処理、定着処
理、安定化処理及び水洗処理等の感光材料処理工程にお
いて使用される写真処理液を三次元電極式電解槽を使用
して電気化学的に処理することにより該写真処理液の種
々の処理性能を向上させかつ該写真処理液の滅菌を行い
写真現像性能を高めるための方法に関する。
(従来技術) 従来から各種用途に多種類の水溶液や他の物質を単独
の水が使用されている。これらの水溶液等は溶質が適度
な養分を提供しあるいは該水溶液の液温が繁殖に好まし
い比較的高温であると細菌等の微生物が繁殖して該微生
物は前記水溶液の性能劣化を起こしたり、処理装置内に
浮遊したり蓄積して処理装置の機能を損なうことが多
い。
例えば感光材料は画像露光の後、例えばペーパー感光
材料処理においては、発色現像、漂白定着、水洗及び/
又は安定化の処理工程を経て処理され次いで乾燥され
る。そしてこのような写真処理工程においては、発色現
像液、漂白液、漂白定着液、定着液、安定液、水洗水等
の各種写真処理液が使用されているが、使用を継続する
と徐々に処理液の各種劣化が生じる。例えば発色現像
液、漂白液、漂白定着液、安定液等では反応副成物によ
り処理反応が抑制されたり、又安定化液や水洗水では感
光材料より混入する種々の成分が濃縮されて洗浄効果や
安定化作用が悪化したり、又黴や細菌等の繁殖により感
光材料を効率良く処理することが出来なくなって得られ
るプリントに色むらが生じたり画像が汚染するという欠
点を有している。写真処理液の劣化は反応による副生成
物の蓄積のみならず、主要成分の消費による減少や主成
分の空気酸化による減少及び蒸発による諸成分の濃縮化
等の複雑な変化、あるいは黴や細菌等の繁殖等により生
ずるものであるが、従来は補充液と呼ばれる新規処理液
の補充、水分の補給あるいは劣化液の抜出や取替、新規
薬剤や防黴剤の投入等による性能の賦活が主流であり、
これらの方法では性能を一定に維持するためには日常の
処理液の管理や分析等が必要になり作業が複雑化したり
添加する薬剤が多量に必要になる欠点がある。特に水洗
処理や安定化処理では、水洗促進剤の添加や安定化剤や
防黴剤の更なる添加は感光材料に残留し易くなり、感光
材料に悪影響を及ぼすことがある。又前記防黴剤の多く
は人体に対して無害とは言い難く、種々の法規制の下に
管理された状態でなければ使用が困難である。
更に現像液、定着液、漂白定着液、安定液等の写真処
理液中には、各種イオンや溶解物がその周囲に水和水を
有して存在し、前記イオンの移動等を阻害し写真処理液
の性能低下を招いている。
(発明が解決しようとする問題点) 前述した通り殺菌剤や防黴剤等の薬剤投入による滅菌
処理では薬剤の残存の問題が不可避で、該残存薬剤によ
り、微生物がもたらす以外の不都合が生ずることがあ
り、かつ使用する薬剤も高価なものが多く経済的観点か
らもより簡便かつ安価に微生物を含有する被処理液の滅
菌処理を可能にする方法の出現が望まれている。更に写
真処理液においては各種写真処理工程に使用する写真処
理反応の効率化や再生あるいは性能向上のための方法の
出現が望まれている。
又長期間にわたって使用する処理液は、濃縮成分の除
去、各種溶存イオンの活性化、劣化成分の除去、各種前
処理工程からの持込成分除去等の諸方法の出現が望まれ
ている。更にこのような諸方法を実現する装置は、感光
材料処理装置に全く影響を与えることなくかつ操作が容
易であることが望まれている。
又簡単な操作で前記水和水を除去出来れば更に好都合
である。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、微生物を含む被処理液を三次元電極式電解
槽に供給し、印加する陽極電位を+0.2Vから+1.2V(v
s.SHE)とし、印加する陰極電位を−1.0V'vs.SHE)とし
て、前記被処理液を電気化学的に処理することを特徴と
する被処理液の処理方法であり、この印加陽極電位及び
陰極電位は実質的に水素ガス及び/又は酸素ガスを発生
しない電位である。なお本発明では電極表面上で実質的
な電気化学反応を生起していないので本発明に使用され
る槽は電気化学的処理槽というべきであるが、一般呼称
に従って電解槽と称する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、微生物を含有する被処理液を三次元電極式
電解槽に供給し該電解槽中で電解ガス発生を伴う実質的
な電解反応が生じない程度の直流電圧又は低周波数の交
流電圧を印加し前記被処理液の種々の改質を行うことを
特徴とするものである。前記電圧印加により被処理液中
の微生物が滅菌される理由は必ずしも明確ではないが、
被処理液中の黴や細菌類は液流動によっ三次元電極式電
解槽の陽極や陰極あるいは後述する誘電体に接触しそれ
らの表面で強力な酸化還元反応や電気エネルギーを受け
てその活動が弱まったり自身が死滅したりすると推測す
ることができる。
特に写真処理液は、適度の塩類、ゼラチン等の栄養源
を有し、かつ適度な温度に維持されるが、前記写真処理
液中で黴や細菌等が繁殖し易いといった問題点を有して
いるが、これらの黴や細菌類も液流動によって三次元電
極式電解槽の陽極、陰極及び誘電体等に接触して死滅す
ると考えられる。
又前述の通り、現像液、定着液、漂白定着液、安定液
等の写真処理液等の中には、各種イオンや溶解物がその
周囲に水和水を有して存在しているが、この電気化学的
処理により主イオンから水和水が離れ、イオンの移動を
容易にしそのイオンの活性を高めると共に他のイオンの
溶解を容易にして処理前の写真処理液等の性質を大きく
改良することが可能になり、更に黴や細菌の繁殖に適切
な条件を有している写真処理液等の被処理液中の黴や細
菌を滅菌して、被処理液の性能向上に大きく寄与するこ
とができる。
本発明では実質的に電気化学でいうi−e反応(電解
反応)が生じない印加電位により、各種の微生物を含有
する被処理液へのその効果が著しく高まり、かつ処理液
での副反応が伴わず処理液も劣化しないという驚くべき
効果が得られる。
写真処理液にi−e反応(電解反応)が生起しない範
囲の小さな電位を印加する理由は、実質的な電解反応が
生じた場合に処理液成分に化学的変化を与えてしまい、
これにより複雑な作用が処理液に起こるため、一定の処
理性能を常に維持することが難しくなり、かつ反応を効
率的に促進する作用もなくなってしまうためである。特
に多量の酸素ガスや水素ガスの発生が生ずる電位では、
これらガスによる酸化還元反応が処理液との間で生じた
り、又発生したガスが陽極や陰極の表面を被覆して電解
電圧を上昇させたり又被処理液の前記陽陰極への接触効
率を減少させて滅菌率を低下させることがあり、更に写
真処理液では写真性能に著しい変化を与えてしまうこと
が判った。
従って本発明においては、印加陽極電位は+0.2Vから
+1.2V(vs.SHE)であり、好ましい印加陰極電位は−1.
0V(vs.SHE)以上である。
本発明方法に使用できる処理槽としては、固定床型単
極式電解槽、固定床式複極式電解槽及び流動床型単極式
電解槽の三次元電極式電解槽があり、これらの電解槽で
は該電解槽の三次元電極が莫大な表面積を有するため電
極表面と被処理液との接触面積を増大させることがで
き、これにより装置サイズを小さくし、かつ電解の効率
を上げることができる点で有利である。本発明装置で
は、誘電体から成る固定床を有する三次元電極式電解槽
を使用する。
この三次元電解槽における電極は、前述の使用する電
解槽に応じた形状を有し、固定床電解槽の場合にはスポ
ンジ状の多孔質体であることが好ましい。
複極式固定床型電解槽を使用する場合には、写真処理
液等の被処理液が透過可能な多孔質材料、例えば粒状、
球状、フェルト状、織布状、多孔質ブロック状等の形状
を有する例えば比誘電率が10以下である活性炭、グラフ
ァイト、炭素繊維等の炭素系材料から、あるいは同形状
を有するニッケル、銅、ステンレス、鉄、チタン等の金
属材料、更にそれら金属材料に貴金属のコーティングを
施した材料から形成された複数個の誘電体を直流電場内
に置き、両端に設置した平板状又はエキスパンドメッシ
ュ状やパーフォレーティッドプレート状等の多孔板体か
ら成る給電用電極間に直流電圧を印加して前記誘電体を
分極させ該誘電体の一端及び他端にそれぞれ陽極及び陰
極を形成させて成る三次元電極を収容した固定床型複極
式電解槽とすることが可能であり、この他に単独で陽極
としてあるいは陰極として機能する三次元材料を交互に
短絡しないように設置しかつ電気的に接続して固定床型
複極式電解槽とすることができる。
又単極式固定床型電解槽を使用する場合には、前記し
た誘電体又は単独で陽極としてあるいは陰極として機能
する三次元材料各1個を電解槽内に設置するようにす
る。
更に流動床型単極式電解槽を構成する場合には、適宜
形状の陽極及び陰極の間に導電性微粒子を充填し、処理
すべき写真処理液により該微粒子を流動させながら両電
極間に通電し、該帯電された微粒子及び前記両極に処理
すべき写真処理液を接触させてこの写真処理液の電気化
学的処理を行うようにする。
いずれの形態の電極を使用する場合でも、処理すべき
被処理液が流れる処理槽内に液が電極や誘電体や微粒子
に接触せずに流通できる空隙があると被処理液の処理効
率が低下するため、電極等は処理槽内の被処理液の流れ
がショートパスしないように配置することが望ましい。
前記電解槽内を隔膜で区画して陽極室と陰極室を形成
しても、隔膜を使用せずにそのまま通電を行うこともで
きるが、隔膜を使用せずかつ電極の極間距離あるいは誘
電体と電極、又は誘電体相互の間隔を狭くする場合には
短絡防止のため電気絶縁性のスペーサとして例えば有機
高分子材料で作製した網状スペーサ等を両極間等に挿入
することができる。又隔膜を使用する場合には流通する
被処理液の移動を妨害しないように多孔質例えばその開
口率が10%以上95%以下好ましくは30%以上70%以下の
ものを使用することが望ましく、該隔膜は少なくとも前
記被処理液が透過できる程度の孔を有していなければな
らない。
このような構成から成る電解槽は、滅菌を必要とする
被処理液の流れる配管途中に設置したりあるいは被処理
液の貯溜された貯槽に接続して被処理液を前記電解槽に
供給し循環して処理を行うようにすることが出来る。例
えば発色現像槽、漂白槽、漂白定着槽、水洗工程槽や安
定化工程槽等の写真処理工程の一部又は全部の槽に接続
して、前記各処理槽中の写真処理液を前記電解槽に供給
し前述の望ましい範囲の電位を印加して被処理液特に写
真処理液の処理を行うと、写真処理液の組成を変化させ
ることなく該写真処理液の滅菌等の改質処理を行うこと
が出来る。
前記電解槽に供給される被処理液の流量は、該被処理
液が効率的に電極等の表面と接触できるように規定すれ
ばよく、完全な層流であると横方向の移動が少なく電
極、誘電体及び微粒子表面との接触が少なくなるため、
例えばレイノルズ数が500以上の乱流状態を形成するよ
うにすることが好ましい。
なお、本発明に使用出来る電極槽では該電解槽に漏洩
電流が生じ該漏洩電流が電解槽から被処理液を通して他
の部材例えば写真処理槽に流れ込み、該被処理液中で好
ましくない電気化学反応を誘起したり、被処理液貯槽の
壁面を電気化学的に腐食させ壁面構成材料を溶出させる
ことがあるため、電解槽内の陽陰極が相対しない電極背
面部及び/又は前記電解槽の出入口配管内に、被処理液
より導電性の高い部材をその一端を接地可能なように設
置して前記漏洩電流を遮断することができる。
次に添付図面に基づいて本発明に使用できる電解槽の
好ましい例を説明するが、本発明方法に使用される電解
槽は、この電解槽に限定されるものではない。
第1図は、本発明方法の電解槽として使用可能な固定
床型複極式電解槽の一例を示す概略縦断面図である。
上下にフランジ1を有する円筒形の電解槽本体2の内
部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電
用陽極ターミナル3と給電用陰極ターミナル4が設けら
れている。電解槽本体2は、長期間の使用又は再度の使
用にも耐え得る電気絶縁材料で形成することが好まし
く、特に合成樹脂であるポリエピクロルヒドリン、ポリ
ビニルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化エチレン、フェノール−
ホルムアルデヒド樹脂等が好ましく使用できる。正の直
流電圧を与える前記陽極ターミナル3は、例えば炭素材
(例えば活性炭、炭、コークス、石炭等)、グラファイ
ト材(例えば炭素繊維、カーボンクロス、グラファイト
等)、炭素複合材(例えば炭素に金属を粉状で混ぜ焼結
したもの等)、活性炭素繊維不織布(例えばKE−1000フ
ェルト、東洋紡株式会社)、又はこれに白金、白金、パ
ラジウムやニッケルを担持させた材料、更に寸法安定性
電極(白金族酸化物被覆チタン材)、白金被覆チタン
材、ニッケル材、ステンレス材、鉄材等から形成され
る。又陽極ターミナル3に対向し負の直流電圧を与える
陰極ターミナル4は、例えば白金、ステンレス、チタ
ン、ニッケル、銅、ハステロイ、グラファイト、炭素
材、軟鋼あるいは白金族金属をコーティングした金属材
料等から形成されている。
前記両電極ターミナル3、4間には複数個の図示の例
では3個のスポンジ状の固定床5が積層され、かつ該固
定床5間及び該固定床5と前記両電極ターミナル3、4
間に4枚の多孔質の隔膜あるいはスペーサー6が挟持さ
れている。各固定床5は電解槽本体2の内壁に密着し固
定床5の内部を通過せず、固定床5と電解槽本体2の側
壁との間を流れる写真処理液の漏洩流がなるべく少なく
なるように配置されている。隔膜を使用する場合には該
隔膜として織布、素焼板、粒子焼結ブラスチック、多孔
板、イオン交換膜等が用いられ、スペーサーとして電気
絶縁性材料で製作された織布、多孔板、網、棒状材等が
使用される。
このような構成から成る電解槽に下方から矢印で示す
ように例えば写真処理工程の水洗工程からの水洗水を供
給しながら通電を行うと、前記各固定床5が図示の如く
下面が正に上面が負に分極して固定床5内及び固定床5
間に電位が生じ、該電解槽内を流通する水洗水はこの電
位を有する固定床5に接触してその中に含有される黴や
細菌の滅菌等の改質処理が行われて該電解槽の上方から
取り出され、該水洗水は再度水洗工程へ循環供給され再
度水洗水として使用される。
他の現像処理液、漂白液、漂白定着液、定着液等では
各処理槽の写真処理液を被処理水として電解槽に導き、
電気化学的処理を施した後に、再び該被処理水を写真処
理液として処理槽に戻るように循環させながら電解処理
することにより本発明の目的が達成される。
又フィルムプロセッサーを運転停止した後、再スター
トさせるときの処理槽の温調スタートと同時に本発明の
電気化学的処理を始めることが好ましい。
第2図は、本発明に使用できる複極型固定床式電解槽
の他の例を示すもので、該電解槽は第1図の電解槽の固
定床5の給電用陰極に向かう側つまり陽分極する側にメ
ッシュ状の不溶性金属材料7を密着状態で設置したもの
であり、他の部材は第1図と同一であるので同一符号を
付して説明を省略する。
直流電圧が印加された固定床5はその両端部において
最も大きく分極が生じ、ガス発生が伴う場合には該両端
部において最も激しくガス発生が生ずる。従って最も強
く陽分極するつまり最も激しく酸素ガスが発生する固定
床5の給電用陰極4に向かう端部には最も早く溶解が生
じる。図示の通りこの部分に不溶性金属材料7を設置し
ておくと、該不溶性金属材料7の過電圧が固定床5を形
成する炭素系材料の過電圧より低いため殆どの酸素ガス
が前記不溶性金属材料7から発生し固定床5は殆ど酸素
ガスと接触しなくなるため、前記固定床5の溶解は効果
的に抑制される。又該電解槽2に供給された被処理水は
第1図の場合と同様に処理され殺菌が行われる。
第3図は、本発明に使用できる複極型固定床式電解槽
の他の例を示すものである。
上下にフランジ11を有する円筒形の電解槽本体12の内
部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電
用陽極13と給電用陰極14が設けられている。電解層本体
12は、長期間の使用又は再度の使用にも耐え得る電気絶
縁材料特に合成樹脂で形成することが好ましい。
前記両給電用電極13、14間には、導電性材料例えば炭
素系材料で形成された多数の固定床形成用粒子15と該固
定床形成用粒子15より少数の例えば合成樹脂製の絶縁粒
子18とがほぼ均一に混在している。該絶縁粒子18は、前
記給電用陽極13及び給電用陰極14が完全に短絡すること
を防止する機能を有している。
このような構成から成る電解槽に下方から矢印で示す
ように被処理水を供給しながら通電を行うと、前記各固
定床形成用粒子15が給電用陽極13側が負に又給電用陰極
14側が正に分極して表面積が莫大な三次元電極として機
能し、第1図及び第2図の電解槽と同様にして前被処理
水中の黴や細菌等の微生物の滅菌等の改質処理が行われ
て該電解槽の上方から取り出される。
第4図は、本発明に使用できる単極型固定床式電解槽
を例示するものである。
上下にフランジ21を有する円筒形の電解槽本体22の内
部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電
用陽極23と給電用陰極24が設けられている。電解槽本体
22は、長期間の使用又は再度の使用にも耐え得る電気絶
縁材料特に合成樹脂で形成することが好ましい。
前記両給電用電極23、24間には、隔膜26を挟んで導電
性材料例えば炭素繊維をフェルト状に成形した1対の固
定床25が陽極室内及び陰極室内に充填され、前記陽極室
内及び陰極室内のフェルト状炭素繊維はそれぞれ前記給
電用陽極23と給電用陰極24に電気的に接続され、陽極室
内の固定床は正に陰極室内の固定床は負に帯電されてい
る。
この電解槽に下方から矢印で示すように写真処理液等
の被処理水を供給しながら通電を行うと、第1図から第
3図の場合と同様に固定床25が表面積が莫大な三次元電
極として機能して被処理水中の黴や細菌等の微生物の滅
菌等の改質処理が行われて該電解槽の上方から取り出さ
れる。
(実施例) 以下に本発明方法による写真処理液等の被処理水処理
の実施例を記載するが、該実施例は本発明方法を限定す
るものではない。
実施例1 第1図に示した電解槽3槽(E−1、E−2、E−
3)を発色現像槽(CD)、漂白槽(BL)、定着槽(ST)
及び水洗槽から成るフィルムプロセッサー(ノーリツ鋼
機製QSF−450Lフィルムプロセッサー)の水洗槽と水洗
水補充配管途中に水洗水循環ポンプ51を介して第5図に
示すよう配置し、第1表に示すように補充水洗水量を変
化させた。処理後の写真感光材料を一定期間保存した後
のステイン上昇とシアン色素の画像安定性を比較し、更
に電解槽E−1通過前の写真処理液中及び通過後の写真
処理液中の1ml当たりの黴及び細菌の数を測定した。
各電解槽E−1、E−2、E−3は、塩化ビニル製の
高さ100mm、内径50mmのフランジ付円筒形であり、該円
筒体の内部に開孔率60%の炭素繊維から成る直径50mm、
厚さ10mmの固定床3個を、開口率85%で直径50mm及び厚
さ1.5mmのポリエチレン樹脂製隔膜4枚で挟み込み、上
下両端の隔膜にそれぞれ白金をその表面にメッキしたチ
タン製である直径48mm厚さ1.0mmのメッシュ状陽極ター
ミナル及び陰極ターミナルを接触させて設置した。各電
解槽E−1、E−2、E−3の循環水量は3.5l/分とし
た。
第5図に示すように、補充水洗水槽53の水洗水を水洗
槽へ供給するための水洗水補充ポンプ52の出口にE−10
電解槽を設置して、補充する水洗水も電解処理した。E
−10電解槽は、塩化ビニル製の高さ150mm、内径50mmの
フランジ付円筒形であり、該円筒体の内部に開孔率60%
の炭素繊維から成る直径50mm、厚さ10mmの固定床5個
を、開口率85%で直径50mm及び厚さ1.5mmのポリエチレ
ン樹脂製隔膜6枚で挟み込み、上下両端の隔膜にそれぞ
れ白金をその表面にメッキしたチタン製である直径48mm
厚さ1.0mmのメッシュ状陽極ターミナル及び陰極ターミ
ナルを接触させて設置したものである。
写真感光材料としては、市販のコニカカラーGX100を
常法の段差露光処理したものを使用したが、第1表に示
す結果は他の写真感光材料(市販のコニカカラーGXII10
0、GX400、GX3200、フジカラースーパーHR100、200、40
0、1600、スーパーHRII100、1600、スーパーHG200、40
0、イーストマンコダック社製コダカラーVRG100、200、
400、VR1000、VR・Gold100、200、400、エクター(Ekt
a)25、1000、Ektapress400、1600)でも実質的に同様
であった。
又写真感光材料の処理プロセスとしては、プロセスC
−41RA(コダック社製)の基準処理をこの現像機に使用
した。
前記フィルムプロセッサーの水洗工程に水洗水を補充
しながら各電解槽を次の電極電位条件で運転した。
E−1、2、3の陽極電位 +0.85〜+0.88V(vs.SH
E) E−1、2、3の陰極電位 −0.46〜−0.40V(vs.SH
E) E−10電解槽の陽極電位 +0.83V(vs.SHE) E−10電解槽の陰極電位 −0.45V(vs.SHE) 本実施例で現像処理した感光材料を80℃、65%RHで10
日間暗所保存したものの、イエローステイン濃度増加
と、最大シアン濃度低下を光学濃度計PDA−65(コニカ
(株)製)で測定した結果及び黴及び細菌数を第1表に
纏めた。なお細菌数の測定用サンプルは電解開始後30分
後にサンブリングした。
第1表から明らかなように、水洗水を電気化学 的に処理する水洗工程を有する現像処理は、有しない現
像設備での現像処理に比較してイエローステイン増加、
シアン濃度低下ともに改良され、黴及び細菌数も大幅に
減少していることが判る。この効果は水洗水量を少なく
できる直接的経済効果は勿論のこと廃液排出量も少なく
なりかつ写真処理工程に有害な防黴剤を添加することな
く細菌数を一定値以下に維持でき、その結果は驚くべき
ものである。
実施例2 本実施例では電解槽の設置位置の最適状態を検討する
ために試験を行った。各電解槽は実施例1で使用したも
のと同じものを実施例1と同一電位条件で運転し、第2
表に示すように電解槽E−1、E−2、E−3及びE−
10を運転しあるいは停止させながら電解処理を行った。
その場合の最大シアン濃度変化と、イエローステインの
増加を測定し、更に写真処理液の電解槽E−1通過前後
の細菌数を測定しその結果を第2表に示した。使用した
写真感光材料及び処理プロセスは実施例1と同 様として、細菌数の測定用サンプルは電解開始後30分後
にサンプリングした。
第2表から、電解槽は各水洗処理槽に各々設置すると
好結果が得られるが、水洗水補充位置に設置しても効果
があることが判る。又両方に設置されることが最も設置
効果が他界ことが判る。この実施例2の試験を同じ要領
で、補充水洗水漁を2l/m2、1/m2、500ml/m2、50ml/
mm2、と変化させて行ったが、実質的に同一の効果が得
られた。
実施例3 第1図に示した電解槽E−1、E−2及びE−3を、
第6図に示すようにプリンタプロセッサー(ノーリツ鋼
機製QSS−901プリンタプロセッサー)の写真処理工程の
安定化処理槽(ST)の途中の安定液補充配管中に安定液
循環ポンプ54とともに設置し、安定液を前記電解槽に循
環させて第3表に示すように安定液補充量を変化させな
がら該安定液の改質処理を行った。処理後の写真感光材
料を一定期間保存した後、そのステイン濃度上昇とシア
ン色素の画像安定性を比較し、更に電解槽E−1通過前
後の写真処理液中の細菌数を比較した。各電解層は実施
例1で使用したものと同一仕様のものを使用し、各安定
化処理槽に取り付けた前記電解槽E−1、E−2及びE
−3に、3.6l/分で安定液を循環させた。なお補充安定
液槽55の安定液を安定槽へ供給するための安定液補充ポ
ンプ56の出口にE−10電解槽を設置して、補充する安定
液も電解処理した。
又細菌数の測定用サンプルは、電解開始30分後にサン
プリングした。
このプリンタプロセッサーで現像処理する感光材料と
しては、市販のコニカカラーQAペーパータイプ−Aを常
法の段差露光処理したものを使用したが、後述する第3
表及び第4表に示す結果は他の感光材料(コニカカラー
QAペーパータイプA−2、コダックエクタカラー2001ペ
ーパー、フジカラーペーパースーパーSA)でも実質的に
同様であった。又写真感光材料の処理プロセスは、プロ
セスRA−4(コダック社製)の基準処理をこの現像機に
使用した。
前記プリンタプロセッサーの安定化処理工程に安定化
を補充しながら各電解槽を次の電極電位条件で運転し
た。
E−1、2及び3の陽極電位 +0.81〜+0.85V(vs.SHE) E−1、2、3の陰極電位 −0.40〜−0.38V(vsSHE) E−10電解槽の陽極電位 +0.84V(vs.SHE) E−10電解槽の陰極電位 −0.38V(vs.SHE) このように現像処理した感光材料を、80℃、65%RHで
10日間暗所保存したものの、イエローステイン濃度増加
と最大シアン濃度低下を光学濃度計PDA−65(コニカ
(株)製)で測定した結果及び電解槽通過前後の細菌数
を第1表に纏めた。
第3表から明らかなように、安定液を電気化学的に処
理する安定処理工程を有する現像処理は、有しない現像
処理と比較して、イエローステイン増加、シアン濃度低
下がともに改良されていることが判る。これにより安定
液補充量を少なくでき、かつ廃液排出量も少なくなり、
驚くべき改質効果ということができる。更に第3表から
判るように写真処理液が電解槽を通過することにより該
写真処理液中の細菌数は大幅に減少する。
又第4表に示すように、補充安定液量を一定にし、各
電解槽の運転状況を変化させて、同一条件で安定液の処
理を行った。その結果を第4表に纏めた。
第4表から電解槽は各安定化処理槽に各々設置するこ
とが好結果を生じさせるが、補充配管中に設置しても効
果がある。そして両方に設置することが最も効果が高い
ことが判る。
第4表に示した条件と同一条件で、補充安定液量を1
/m2、500ml/m2、250ml/m2、50ml/m2、25ml/m2、と変
化させて同じ操作を行ったが、実質的に同一の効果が得
られた。
実施例4 実施例1で使用したフィルムプロセッサーの水洗工程
の代わりに安定化処理工程を導入し、第7図に示すよう
に実施例1の仕様の電解槽E−1、E−2、E−3及び
E−10を設置し、かつ安定液 循環ポンプ54、安定液補充ポンプ56及び補充安定液槽55
もそれぞれ図示の通り設置し、各電解槽を実施例1と同
様に運転して安定液の電気化学的処理効果を検討した。
なお本試験には次の組成の安定液を使用した。
酢酸(90%) 0.5ml 1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン 0.1g ポリビニルピロリドン 0.1g トリエタノールアミン 1.3g C8H17−C6H4−O(CH2CH2O)nH 0.4g 水を加えて1lとしてアンモニア水及び50%酢酸を
用いてpH7.5に調整した。
試験の結果、実施例1、実施例2及び実施例3と同様
に電気化学的処理を行っている安定液で処理を行った感
光材料は、イエローステイン濃度上昇、最大シアン濃度
低下が少なく、画像保存正に優れ、かつ前記安定液中の
細菌数は電解槽を通過させることにより大幅に減少する
ことが判った。
実施例5 実施例3で使用したペーパープロセッサーの安定化処
理工程の代わりに水洗工程を導入して第8図に示すよう
に実施例1の仕様の電解槽E−1、E−2、E−3、E
−4及びE−10を設置し、かつ水洗水循環ポンプ51、水
洗水補充ポンプ52及び補充水洗水槽53もそれぞれ図示の
通り設置し、各電解槽を実施例3と同様に運転して水洗
水の電気化学的処理効果を検討した。試験の結果、実施
例1、2及び3と同様に、水洗水を電気化学的処理を行
っている現像機で処理した感光材料は、イエローステイ
ン濃度上昇、最大シアン濃度低下が少なく、画像保存性
に優れ、かつ前記安定液中の細菌数は電解槽を通過させ
ることにより大幅に減少することが判った。
実施例6 実施例1に示した電解槽及びプロセッサーを使用して
その電解槽の陽極電位及び陰極電位を変えて、その状態
で処理される感光材料の画像保存性、電解槽からのガス
発生量及び電解槽通過前後の細菌数を比較検討した。な
お画像保存試験に用いる試料となる感光材料は、電気化
学的処理を始めて6時間経過した時点で処理したものを
使用した。その結果を第5表に纏めた。なお、各水洗水
槽に取り付けた電解槽の循環水量は3.5l/分とし、補充
水洗水量は200ml/m2として試験した。なお細菌数の測定
用サンプルは電解開始30分後にサンプリングした。
第5表の結果から陽極電位が+0.2V(vs.SHE)以下で
は、処理液の改質効果はなく、又+1.2V(vs.SHE)以上
では電解ガスの発生が多くなり、無駄な電力消費が生ず
ると共に水洗液が酸化還元反応を受け、若干沈殿物の生
成があり、更に発生ガスの処理を行う必要があるが、E
−1電解槽出口の細菌数はいずれの電位でも減少するこ
とが判った。
実施例7 第1図に示した電解槽と同一の電解槽E−20を第9図
に示すようにプリンタプロセッサー(ノーリツ鋼機製QS
S−901プリンタプロセッサー)の発色現像処理槽に設置
し、該発色現像槽内の発色現像液を発色現像液循環ポン
プ57を使用して循環させながら、感光材料を発色現像処
理して、そのY、M、C最大発色濃度(反射濃度)及び
細菌減少量を比較検討した。発色現像槽に取り付けたE
−20電解槽は循環液量3.5l/分で電気化学的処理を行っ
た。感光材料としては市販のコニカカラーQAペーパータ
イプAを段差露光処理したものを使用し、処理プロセス
としてはプロセスRA−4(コダック社製)の基準処理を
用いた。E−20電解槽は、陽極電位+0.82V(vs.SH
E)、陰極電位−0.38V(vs.SHE)で運転した。現像処理
後の感光材料試料をPDA−65(コニカ(株)製)を用い
て試料のDmaxをオレンジ光にて分光反射濃度を用いて測
定し更にE−20を運転した場合及びしない場合の該電解
槽通過前後の発色現像液中の細菌数を比較した。その結
果を第6表に纏めた。
第6表から明らかなように、本電解槽による電気化学
的処理を行うことにより発色現像処理工程の反応を活性
化できかつ細菌数が減少することが 判明した。
他の感光材料(コニカカラーQAペーパータイプA−
2、コダックエクタカラ−2001ペーパー、フジカラーペ
ーパースーパーSA)を使用して試験を行ったが、実質的
に同じ効果を得た。
実施例8 第1図に示した電解槽と同一の電解槽E−21を第10図
に示すようにフィルムプロセッサー(ノーリツ鋼機製QS
F−450Lフィルムプロセッサー)の定着処理槽に設置
し、該定着槽内の定着液を定着液循環ポンプ58を使用し
て循環させながら、感光材料を現像処理して、感光材料
からの脱銀性を比較検討した。感光材料としては市販の
コニカカラーGX100を曝射露光したものを使用し、処理
プロセスとしてはプロセスC−41RA(コダック社製)の
基準処理を使用した。設置した電解槽は、陽極電位+0.
71V(vs.SHE)、陰極電位−0.33V(vs.SHE)で運転し、
電解槽と定着槽間の循環液量は3.3l/分とした。現像処
理後の感光材料試料の曝射露光部の残留銀濃度を蛍光X
線法で分析し次の結果を得た。
定着槽に電解槽を取り付けた現像処理 ・・・0.1mg/100cm2 定着槽に電解槽を取り付けない現像処理 ・・・0.5mg/100cm2 この結果が示す通り、定着槽に本電解槽を取り付けた
現像処理では定着性能が高まる。他の感光材料(実施例
1と同一)を使用して同様の試験を行った結果、実質的
に同じ結果を得た。
又電解槽E−21通過前後の細菌数は共に0個であっ
た。
(発明の効果) 本発明方法は、三次元電極式電解槽を使用して写真処
理液等の微生物を含有する被処理液を三次元電極式電解
槽に供給し、印加する陽極電位を+0.2Vから+1.2V(v
s.SHE)とし、印加する陰極電位を−1.0V(vs.SHE)と
して前記被処理液を電気化学的に処理し改質する方法で
ある(請求項1)。
現像液、定着液、漂白定着液、安定液等の写真処理液
等の中には、各種イオンや溶解物がその周囲に水和水を
有して存在しているが、この電解処理により主イオンか
ら水和水が離れ、イオンの移動を容易にしそのイオンの
活性を高めると共に他のイオンの溶解を容易にして処理
前の写真処理液等の性質を大きく改良することが可能に
なり、更に黴や細菌の繁殖に適切な条件を有している写
真処理液等の被処理液中の黴や細菌を滅菌して、被処理
液の性能向上に大きく寄与することができる。
そして本発明方法では電極あるいは該電極に類似する
機能を有する誘電体あるいは微粒子が莫大な表面積を有
する三次元電極式電解槽を使用しているため、処理すべ
き写真処理液と前記電極等の接触効率が飛躍的に向上し
て極めて効率良く写真処理液の処理を行うことができ
る。
更に本発明における被処理液の処理では、前記被処理
液が三次元電極式電解槽に供給されて、電位を与えられ
た三次元電極に接触してそれらの表面で強力な酸化還元
反応を受けて、その活動が弱まったり自身が死滅して滅
菌が行われる。
従って本発明方法では、被処理液中の微生物が電圧印
加部分に接触すれば十分であり、両極間に電流を流して
水素及び酸素等のガス発生を伴う実質的な電解反応を生
起させることは必要でなく、実質的な電解反応が生じな
い低い電位を電極表面に印加する。これは実質的なガス
発生が生ずると被処理液成分にガス発生に起因する化学
的変化を与えてしまい、これにより複雑な作用が写真処
理液等の被処理液に起こることがあり、一定の処理性能
を常に維持することが難しくなるからであり、更に微生
物を滅菌することに役立たないガス発生反応に無駄な電
力を使用することになり、不経済だからである。特に多
量の酸素ガスや水素ガスの発生を伴う電位では、これら
のガスによる酸化還元反応が例えば写真処理液との間で
生じ、該写真処理液の写真処理性能に著しい変化を与え
てしまうことが多く、又それらの発生ガスが電極表面を
覆ってしまい微生物が電極表面と接触する効率も低下さ
せ滅菌効率を悪くする。
従って本発明は特にその組成変化を嫌う写真処理液に
使用すると好都合である(請求項2)。
又固定床型複極式電解槽を使用する場合には、固定床
を形成する粒子を容易に形成できかつ安価な炭素系材料
を使用することが好ましい(請求項3)。
更に処理すべき写真処理液が層流であると固定床とさ
ほど接触することなく電解槽を通過してしまうため電解
槽を通過する写真処理液はレイノルズ数が500以上の乱
流である場合に(請求項4)より効果的な処理を行うこ
とができる。
更に本発明に使用できる三次元電極式電解槽では漏洩
電流が発生し易くその漏洩電流が前記電解槽から処理液
を通して処理槽等へ導かれ、該処理槽等の電気化学的損
傷や不要な反応を誘起することを防止するため、電解槽
内の陽陰極が相対しない電極背面部及び/又は前記電解
槽の出入口配管内に、処理液より導電性の高い部材がそ
の一端を接地可能なように設置することができる(請求
項5)。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図及び第4図は、それぞれ本発明
方法に使用出来る固定床型三次元電極式電解槽を例示す
るものであり、第5図から第10図は、本発明を写真処理
液の処理に使用した実施例の写真処理槽の配置を例示す
る概略図である。 1・・・フランジ、2・・・電解槽本体 3・・・陽極ターミナル 4・・・陰極ターミナル、5・・・固定床 6・・・スペーサー、7・・・不溶性金属材料 11・・・フランジ、12・・・電解槽本体 13・・・給電用陽極、14・・・給電用陰極 15・・・固定床形成用粒子、18・・・絶縁粒子 21・・・フランジ、22・・・電解槽本体 23・・・給電用陽極、24・・・給電用陰極 25・・・固定床、26・・・隔膜 E−1、2、3、4、10、20、21・・・電解槽 51、52・・・ポンプ、53・・・補充水洗水槽 54・・・ポンプ、55・・・補充安定液槽 56、57、58・・・ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−39255(JP,A) 特開 昭49−33469(JP,A) 特開 昭49−32880(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/46 - 1/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物を含む被処理液を三次元電極式電解
    槽に供給し、実質的に水素ガス及び/又は酸素ガスが発
    生しない電圧を印加して、前記被処理液を電気化学的に
    処理することを特徴とする被処理液の処理方法。
  2. 【請求項2】被処理液が写真処理液である請求項1に記
    載の処理方法。
  3. 【請求項3】印加する陽極電位が+0.2Vから+1.2V(v
    s.SHE)であり、印加する陰極電位が−1.0V(vs.SHE)
    以上である請求項1又は2に記載の処理方法。
  4. 【請求項4】三次元電極式電解槽が固定床型電解槽であ
    り、該固定床型の形成に使用される材料が、グラファイ
    ト材料、炭素系材料及び活性炭材料から選択される請求
    項1から3までのいずれかに記載の処理方法。
  5. 【請求項5】三次元電極式電解槽を通過する写真処理液
    のレイノルズ数が500以上である請求項2から4までの
    いずれかに記載の処理方法。
  6. 【請求項6】陽陰極が相対しない電極背面及び/又は出
    入口配管内に、処理液より導電性の高い部材をその一端
    を接地可能なように接地した電解槽を使用して被処理液
    の処理を行う請求項1から5までのいずれかに記載の処
    理方法。
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