JP2898039B2 - 写真処理液からの銀回収方法及び装置 - Google Patents

写真処理液からの銀回収方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、チオ硫酸塩を含有する写真処理液からの電
解反応によって銀を回収する方法及び装置に関し、より
詳細には写真処理工程においてチオ硫酸塩を含有する定
着液及び漂白定着液等から隔膜電解槽を使用して電解反
応により銀を電析回収する際に、前記隔膜の存在や前記
チオ硫酸塩に起因して生ずる電流効率の低下や電解電圧
の上昇及び硫化銀発生を防止する方法及び装置に関す
る。
(従来技術) 感光材料は画像露光の後、例えばペーパー感光材料処
理においては、発色現像、漂白定着、水洗及び/又は安
定化の処理工程を経て処理される。そしてこのような写
真処理工程は、発色現像工程、漂白工程、漂白定着工
程、定着工程、安定化工程、水洗工程等の工程を含み、
各工程は別個の処理槽において行われる。各処理工程に
おける処理液中には感光材料の乳剤中等から溶解した銀
イオンが存在し処理時間の経過に従って該銀イオン濃度
は徐々に上昇する。特に写真処理は感光材料中のハロゲ
ン化銀と処理液のいわゆる不均一反応であり、処理液中
の各種処理薬剤がゼラチン膜中を移動してはじめて反応
が起こり、又その反応副生成物が前記ゼラチン膜中を移
動して処理液中に拡散していくという条件の下で行われ
る。従って処理液中に反応副生成物が多量に存在してく
ると、写真処理性能にも影響が生じてくるために、特に
銀イオンが蓄積した劣化処理液は新規処理液の補充によ
るオーバーフローとして取り出し、あるいは劣化液とし
て抜き出して交換し、あるいは銀成分回収を目的とした
電解設備を処理槽に連結し、処理液を該電解設備の電解
槽と前記処理槽間で循環して処理液中の銀イオンを前記
電解槽内で電解反応により回収するインライン再生等の
諸方法を用いて処理が行われている。なお前述のオーバ
ーフローにより取り出された処理液及び抜き出し及び交
換された劣化液も電解法によりその中に含まれる銀イオ
ンの回収が行われることが一般的である。
従来の前記銀回収用電解法は、陽極と陰極を収容した
無隔膜電解槽に前記高濃度の銀イオンを含む処理液を導
入し陰極上で銀(I)イオンの還元を行って金属銀を該
陰極上に析出させるかあるいは陰極室中に浮遊させて電
解(処理)液から分離し回収するようにしている。しか
しこの方法では写真処理液中に含有される鉄錯塩中の鉄
イオン(II及びIII)が陽極上で酸化される反応〔鉄(I
I)鉄(III)〕と陰極上で還元される反応〔鉄(II
I)鉄(II)〕の両反応から成る酸化還元反応が生
じ、電流が無駄に消費されて銀回収に有効に利用されず
電流効率の上昇が望めなかった。
該欠点は鉄イオンが電解位槽内を自由に泳動して陽極
及び陰極の両極に接触して電子の授受を行ういわゆる酸
化還元反応により生ずるもので電解槽に供給される電流
のかなりの部分が無駄になると考えられるため、両極間
に隔膜を設けて前記電解槽を陽極室と陰極室に区画し該
陰極室内で銀イオンの還元による金属銀の生成行う方法
が提案されている。この反応を行うと、副反応である鉄
イオン(III)の鉄イオン(II)への還元反応は前記鉄
イオン(III)が消費されれば生じなくなり、以後は銀
回収反応のみに電流が消費され高い電流効率で銀回収を
行うことが可能になる。
(発明が解決しようとする問題点) この隔膜電解による銀回収方法では、電流効率の上昇
は確かに生ずるが期待されるほどではなく、更に隔膜の
有する抵抗により電解電圧の上昇が見られて電力消費が
大きくなって不経済となったり、又硫化銀も発生し易く
なり、電解槽の清掃及び洗浄等の保守作業が必要となっ
ている。
(発明の目的) 本発明は、隔膜を使用する電解反応によりチオ硫酸塩
を含有する写真処理液から銀回収を行う際に、該銀回収
電解を前記処理液中での硫化銀の発生を抑制しながら、
高電流効率及び低電解電圧等の有利な電解条件で行うこ
とを可能にする銀回収方法及び装置を提供することを目
的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、第1に隔膜により陽極室及び陰極室に区画
された電解装置を使用してチオ硫酸塩を含有する写真処
理液から銀を回収する方法において、前記隔膜の陽極及
び陰極が対向しない箇所に開口部を形成したことを特徴
とする写真処理液からの銀回収方法であり、第2に第1
の方法を実施する際に電解液中にアミン類、グリコール
類及びポリビニルピロリドン類から選択される少なくと
も1種の化合物を添加する方法であり、第3に隔膜によ
り陽極室及び陰極室に区画された、チオ硫酸塩を含有す
る写真処理液から銀を回収するための電解装置におい
て、該電解装置の陽極及び陰極を該両極が対向しない箇
所に開口部を形成した袋状隔膜に収容したことを特徴と
する写真処理液からの銀回収装置である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、隔膜電解槽を使用する写真処理液中の銀イ
オンの電解回収の際に、隔膜の例えば下部や背面のよう
に陽極と陰極が対向していない箇所に開口部を形成する
ことにより硫化銀発生を防止し、その結果電流効率を上
昇させかつ電解電圧を低減させて効率的に銀回収処理を
行おうとするものである。本発明では前記開口部を形成
しない場合と比較して前記電流効率の上昇及び電解電圧
の低下は著しく、その効果は飛躍的なものである。
本発明における前記隔膜の開口部形成は、前述の通り
陽極及び陰極が対向しない箇所に行う。これは写真処理
液中に含有される一方の電極室で酸化又は還元されて生
成した鉄イオンや金属銀又は銀イオンが対極室へ流れ込
んで再度逆に還元又は酸化されて元の状態に戻る酸化還
元反応により電流の浪費が生ずることを防止するためで
ある。従って平板型隔膜を使用する電解槽では電解槽の
壁面に近接する電極から離れた箇所に開口部を形成し、
又袋状隔膜を使用する電解槽では袋状隔膜の下面又は背
面に開口部を形成することが好ましい。その開口率
〔(開口部面積)/(開口部が形成されていない場合の
隔膜の片面の面積)〕は開口部の形成箇所にも依存する
が、最大30%とすることができ、その範囲内で開口部を
形成しない場合より電流効率の改善がみられ、かつ電解
電圧は前記開口部の開口率が大きくなるほど減少する。
本発明で使用される隔膜は、チオ硫酸塩を含有する写
真処理液に対する耐性があれば特に限定されず、例えば
イオン交換膜、素焼板、ポリプロピレン等の有機高分子
材料繊維の焼結板、圧着板、各種織布、及び有機高分子
材料粒子の焼結板及び圧着板等を使用することができ
る。該隔膜のイオン透過に対する抵抗値が大きくなると
電解電圧が上昇し不経済になるばかりか、通常の電解槽
に使用する直流電源では電力許容値の制限を受けて電圧
上昇分だけ電流値が低下してしまい、所定量の電解反応
が出来なくなったりする。従って前記隔膜の膜抵抗は単
位電流密度当たり200V/A/cm2以下であることが好まし
い。
本発明における電解槽の構造は、平板状の隔膜を電解
槽の中央に設置して陽極室及び陰極室に区画するタイプ
よりも、いずれか一方の電極特に陽極を袋状隔膜を包囲
することにより該隔膜内に陽極室を形成し前記袋状隔膜
の周囲に容量の大きい陰極室を形成するタイプのものが
好ましい。これは銀イオンの還元による銀回収反応が電
解槽の陰極面での電解反応により生ずるものであるた
め、銀回収に関与しない陽極液を少なくして銀回収効率
を高く出来るからである。しかし陰極室を広くするため
に隔膜を陽極に近付け過ぎると電流効率の低下や電解電
圧の上昇が起こるため、隔膜設置位置位置は陽極面から
3mm以上好ましくは5mm以上離れた箇所とすることが好ま
しい。
本発明の対象となる写真処理液はチオ硫酸塩を含む写
真処理液であり、チオ硫酸塩は定着工程あるいは漂白定
着工程で添加され該チオ硫酸塩は感光材料とともに引き
続く工程にも若干量が送られるため、本発明は、定着工
程、漂白定着工程、安定化工程及び水洗工程における写
真処理液を対象とする。
なお開口部が形成された隔膜を使用するとともに、チ
オ硫酸塩を含有する本発明の処理液(電解液)中にグリ
コール類、アミン類、ポリビニルピロリドン類等の化合
物を添加すると、本発明の前記効果つまり電流効率の上
昇及び電解電圧の低下等が更に改善することができる。
該添加化合物量は、グリコール類及びアミン類につい
ては電解液1当たり1〜50g、好ましくは5〜30gであ
り、ポリビニルピロリドン類については電解液1当た
り0.01〜50g、好ましくは0.05〜30gである。
次に添加図面に基づいて本発明に使用できる銀回収用
電解槽の好ましい例を説明するが、本発明方法に使用さ
れあるいは本発明装置を構成する電解槽は、この電解槽
に限定されるものではない。
第1図は、本発明において使用可能な平板隔膜型銀回
収用電解槽の一例を示す概略縦断面図である。
壁面が電気絶縁性の有機高分子材料例えばポリ塩化ビ
ニル樹脂から成る箱型の電解槽1はテトロン(商品名)
織布等の平板隔膜2で陽極室3及び陰極室4に区画さ
れ、両極室にはグラファイト製の陽極5及びステンレス
製の陰極6がそれぞれ設置され、かつ前記隔膜2の下部
の前記陽極5及び陰極6が対向しない部分には、1又は
2以上の開口部7が形成されている。
写真処理工程の定着槽等から配管(図示略)を通って
供給される高濃度銀イオンを含む電解液8は、前記電解
槽1内で電解処理され該電解液8中の銀イオンは前記陰
極6表面に還元され金属銀粒子9として陰極6上に析出
しあるいは陰極室4内に浮遊又は陰極室4の底板上に堆
積し適宜回収される。
第2図は、本発明において使用可能な袋状隔膜付銀回
収用電解槽の例を示す概略縦断面図である。
壁面が電気絶縁性の有機高分子材料例えばポリ塩化ビ
ニル樹脂から成る箱型の電解槽11の側壁に近接して板状
のグラファイト製陽極15が設置され、該陽極15を収容す
る陽極室13は前記側壁と側面視「コ」字状で下面に開口
部17が形成された隔膜12により陰極室14と区画されてい
る。電解槽11中央には、円筒状のステンレス製回転陰極
16が設置され該陰極16はモータ21の回転力を回転軸22及
び連結板23を介して受け取ることにより回転する。前記
陽極室13及び陰極室14の少なくとも一方には、処理液供
給パイプ(図示略)によりチオ硫酸塩及び銀イオンを含
有する定着工程の処理液が電解液18として供給される。
前記回転陰極16は前記陰極室14の電解液18を攪拌し該陰
極16と電解液18中の銀イオンとの接触を促進している。
該銀イオンは第1図の場合と同様に前記陰極16上で還元
されて金属銀粒子として該陰極16上に析出し又は陰極室
14内に浮遊しあるいは陰極室14の底板上に堆積し適宜回
収される。
第3図は、本発明において使用可能な袋状隔膜付銀回
収用電解槽の他の例を示す概略縦断面図である。
箱型の電解槽31内には板状の陽極35及び陰極36が設置
され、該陽極35は、前記陰極36と反対側の背面側に上下
2個の開口部37が形成され上面が開口する袋状の隔膜32
に包囲され、該隔膜32が前記電解槽31を陽極室33と陰極
室34とに区画している。該陽極室33及び陰極室34の少な
くとも一方には、処理液供給パイプ(図示略)によりチ
オ硫酸塩及び銀イオンを含有する定着工程の処理液が電
解液38として供給され、同様に金属銀粒子39が陰極36上
に析出し又は陰極室34内に浮遊しあるいは陰極室34の底
板上に堆積し適宜回収される。
第1図、第2図及び第3図の各電解槽では、電流効率
が向上しかつ電解電圧が低下して効果的に処理液中の銀
イオンの電解による回収を行うことができる。又隔膜に
開口部が形成される箇所が陽陰極が対向していない箇所
であるため、陰極上で還元されが金属銀粒子が前記開口
部を通って陽極に達し陽極上で酸化されて元の銀イオン
に戻るといった酸化還元反応は殆ど生ずることがない。
(実施例) 以下に本発明方法によるチオ硫酸塩を含有する写真処
理液からの銀回収の実施例を記載するが、該実施例は本
発明を限定するものではない。
実施例1 隔膜に形成する開口部の効果を検討するために、第2
図に示しかつ下記に示す仕様を有する箱型電解槽を使用
して次の組成の漂白定着液のランニング液から、下記に
示す電解条件で電解銀回収試験を行った。隔膜としては
第1表に示すように、陽極の下面及び側面に開口部を形
成した隔膜(本実施例)、開口部を形成しない隔膜(比
較)及び陽陰極の対向位置に開口部を形成した隔膜(比
較)を使用し、それぞれの隔膜について電流効率、電解
電圧、硫化銀量及び銀イオン回収率を算出し、その結果
を第1表に纏めた。
(隔膜型電解槽仕様) 電解槽サイズ:縦500mm×横500mm×高さ700mm 陽極:縦250mm×横500mm×厚さ10mmである市販のグラフ
ァイト板4枚を隔膜である袋状テトロン織布で包囲し使
用 陰極:直径350mm×高さ500mmのステンレス鋼板(SUS31
6)を200回/分の回転数で使用 隔膜:テトロン(商品名)織布 (電解条件) 印加電流:直流50A 陽極電流密度:1.11A/dm2 陰極電流密度:1.01A/dm2 電解液量:70l(全量を電解槽内に供給するバッチ方式を
採用) (漂白定着ランニング液の組成) チオ硫酸アンモニウム 70g/l 亜硫酸アンモニウム 18g/l EDTA−Fe−NH4 150g/l 銀イオン 8.32g/l 酢酸とアンモニア水(28%)でpHを7.4に調整した。
第1表から明らかなように、隔膜の陽極と陰極が対向
しない位置に開口部を形成すると、隔膜に開口部が形成
されていない場合と比較して開口率が30%までは電流効
率が高く、全ての場合に電解電圧が低く、生成硫化銀量
が小さく、かつ銀イオン回収率が高くなっており、この
傾向は開口率25%以下で特に顕著である。又対向しない
箇所に開口部を形成した場合を対向する箇所に形成した
場合と比較すると、全ての場合に電流効率が高く、電解
電圧はやや高く、生成硫化銀量が低く、かつ銀イオン回
収率が高くなっている。
実施例2 実施例1で使用した回転陰極型電解槽を使用しかつ実
施例1と同一電解条件で下記組成の定着ランニング液か
らの電解銀回収を行い、陽極−隔膜間距離の電流効率、
電解電圧及び生成硫化銀量(回収銀に対する重量%)へ
の影響を検討し、その結果を第2表に纏めた。なお隔膜
にはその陽極下面に対応する位置に開口率20%となるよ
うに開口部を形成した。
(定着ランニング液の組成) チオ硫酸アンモニウム 200g/l 無水重亜硫酸ナトリウム 18g/l メタ亜硫酸ナトリウム 3g/l EDTA−2Na 0.8g/l 炭酸ナトリウム 14g/l 銀イオン 5.63g/l pH 7.4 第2表から、陽極面から隔膜までの距離は3mm以上、
好ましくは5mm以上の場合に電流効率が高くかつ電解電
圧が低く硫化銀発生量も少ないことが判る。
又実施例1で使用した漂白定着ランニング液を使用し
て同様に本実施例の試験を行ったところ、第2表とほぼ
同様の結果が得られた。
実施例3 実施例1で使用した電解槽及び漂白定着ランニング液
を使用し、アミン類、グリコール類及びポリビニルピロ
リドン類の添加効果を検討するために、該添加物を陽陰
両極液に含む場合と含まない場合の電流効率、電解電圧
及び生成硫化銀量(回収銀に対する重量%)を算出し比
較した。その結果を第3表に示す。なお隔膜にはその陽
極下面に対応する位置に開口率20%となるように開口部
を形成し、電解条件は実施例1と同一とした。
第3表から明らかなように、チオ硫酸塩を含有する写
真処理液中にアミン類、グリコール類又はポリビニルピ
ロリドン類を添加すると、無添加の場合と比較して電流
効率が上昇し硫化銀発生量が低下することが判る。
なお本実施例の添加化合物を陽極室の陽極液のみに添
加して同一条件で銀回収を行ったが、その結果は第3表
とほぼ同じであった。
実施例4 下記仕様を有する第3図に示した隔膜付電解槽を使用
して実施例1の漂白定着ランニング液からの銀回収を行
い、最適電流密度、隔膜抵抗について試験検討し、その
結果を第4表に纏めた。なお本試験は他の条件を標準状
態に設定し、陽極電流密度又は隔膜抵抗のみを変化させ
て、電流効率、電解電圧及び生成硫化銀量を測定した。
(隔膜付電解槽仕様) 電解槽サイズ:縦200mm×横200mm×高さ150mm 陽極:縦180mm×横120mm×厚さ5mmである市販のグラフ
ァイト板1枚を使用 陰極:縦180mm×横120mm×厚さ2mmのステンレス鋼板(S
US316)1枚を使用 隔膜:縦200mm×横150mm×厚さ3mmのポリプロピレン製
繊維焼結板1枚を使用し開口率20%平均開口径50μmで
陽陰極の対向しない箇所に開口部を形成 (電解条件) 印加電流:0.9〜36A(標準:9A) 陽極電流密度:0.5〜20A/dm2(標準5A/dm2) 陰極電流密度:0.5〜20A/dm2(標準5A/dm2) 陽極−隔膜間距離:5mm 電解液量:4l 添加化合物:0.5g/lのポリビニルピロリドンを陽極液中
に添加 第4表から明らかなように、陽極電流密度を10.0A/dm
2以下、特に5.0A/dm2以下にすると電流効率が上昇しか
つ電解電圧を低下させる効果が大きく、かつ硫化銀生成
量を小さくすることが出来ることが判る。又隔膜抵抗は
単位電流当たり200V/A/cm2以下で特に電解電圧が低下し
好ましいことが判る。
(発明の効果) 本発明方法は、隔膜電解法によりチオ硫酸塩を含有す
る写真処理液から銀回収を行う際に、陽陰極が対向しな
い箇所に開口部を形成した隔膜を使用して電解銀回収処
理を行う方法である(請求項1)。該方法によると電流
効率が上昇しかつ電解電圧が低下して低電力量が効果的
な銀回収を行うことができる。
又隔膜に開口部を形成するだけでなく、電解液中にア
ミン類、グリコール類及びポリビニルピロリドン類を添
加すると(請求項2)、前述の電流効率の上昇及び電解
電圧の低下の傾向がより顕著になる。
更に陽陰極が対向しない箇所に穴が形成された袋状隔
膜に陽極を収容した銀回収装置(請求項3)では、隔膜
に形成した開口部による電流効率の上昇及び電解電圧の
低だけでなく、銀イオンの還元に直接関与しない陽極室
体積を減少させ、つまり銀イオンに直接関与する陽極室
の体積を増加させることにより、銀回収をより有効に行
うことを可能にする。
この場合に隔膜を陽極に近付け過ぎると電流効率の低
下や電解電圧の上昇を招くため、前記隔膜−陽極間距離
は3mm以上とする(請求項4)ことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図及び第3図は、それぞれ本発明において
使用可能な隔膜型銀回収用電解槽の一例を示す概略縦断
面図である。 1、11、31……電解槽、2、12、32……隔膜 3、13、33……陽極室、4、14、34……陰極室 5、15、35……陽極、6、16、36……陰極 7、17、37……開口部、8、18、38……電解液 9、19、39……金属銀粒子、21……モータ 22……回転軸、23……連結板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】隔膜により陽極室及び陰極室に区画された
    電解装置を使用してチオ硫酸塩を含有する写真処理液か
    ら銀を回収する方法において、前記隔膜の陽極及び陰極
    が対向しない箇所に開口部を形成したことを特徴とする
    写真処理液からの銀回収方法。
  2. 【請求項2】隔膜により陽極室及び陰極室に区画された
    電解装置を使用してチオ硫酸塩を含有する写真処理液か
    ら銀を回収する方法において、前記隔膜の陽極及び陰極
    が対向しない箇所に開口部を形成しかつ電解液中にアミ
    ン類、グリコール類及びポリビニルピロリドン類から選
    択される少なくとも1種の化合物を添加することを特徴
    とする写真処理液からの銀回収方法。
  3. 【請求項3】隔膜により陽極室及び陰極室に区画され
    た、チオ硫酸塩を含有する写真処理液から銀を回収する
    ための装置において、該装置の陽極を陽陰極が対向しな
    い箇所に開口部を形成した袋状隔膜に収容したことを特
    徴とする写真処理液からの銀回収装置。
  4. 【請求項4】開口部を形成した隔膜の開口率が30%以下
    である請求項3に記載の銀回収装置。
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