JP2761724B2 - 写真廃液中の銀回収方法 - Google Patents

写真廃液中の銀回収方法

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JP2761724B2 JP63010072A JP1007288A JP2761724B2 JP 2761724 B2 JP2761724 B2 JP 2761724B2 JP 63010072 A JP63010072 A JP 63010072A JP 1007288 A JP1007288 A JP 1007288A JP 2761724 B2 JP2761724 B2 JP 2761724B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真廃液中から銀を電解回収する銀回収方
法に関する。特に本発明は、写真廃液中より銀を電解回
収する技術において、銀の含有率が100ppm以下であるよ
うな低濃度の銀含有廃液からも有効に銀を回収すること
を可能ならしめた銀回収方法を提供するものである。
〔従来の技術〕
写真廃液より銀を電解回収する技術は従来より知られ
ているが、従来の電解回収技術、例えば平板型電解槽を
用いた銀回収にあっては、電解する廃液中の銀濃度が10
0mg/l以下(約100ppm以下)になるとそれ以上の銀回収
は困難で、イオン交換樹脂を用いた回収方法や銀よりイ
オン化傾向の大きい金属を用いた金属置換法で更に銀回
収を行わざるを得なかった。
写真廃液中の銀は、公害問題への対策上からもできる
だけ低濃度にすることが望まれ、再利用可能な形で回収
しないとしても、例えば薬剤添加による沈殿法を用いて
でき得る限り完全に除去する必要がある。
〔発明が解決すべき問題点〕
上記のように、従来の電解による銀回収技術では、銀
回収に限度があり、それを超えると電解速度が著しく低
下して事実上銀濃度をそれより低くできず、銀濃度が10
0ppm以下であるような廃液からの銀回収はできなかっ
た。従って、電解により銀回収を行う場合でも、電解で
銀濃度を低下させた後に、イオン交換樹脂法や金属置換
法を用いて低濃度まで銀回収を行う必要があった。ある
いは沈殿法で銀を除去する必要があった。
しかしイオン交換樹脂法は、イニシャルコスト、ラン
ニングコストともに高く、実用上不利である。
金属置換法では、充分濃度が低下しきれず、かつ鉄イ
オンも溶出するという問題がある。
薬剤添加による銀の除去あるいは回収法は、ランニン
グコストが高額であるとともに、操作が難しい。
特開昭53−65218号には、流動床を用いた電解法の開
示があるが、これでは必ずしも充分な銀回収は達成でき
ず、また、特開昭61−270752号公報には、流動床電解法
を用いた技術が開示されており、これによればかなりの
低濃度までの銀回収は可能と考えられるが、環境規制の
厳しいところ(例えばアメリカなど)では、規制に充分
見合うまで安定して銀回収するには不充分である。
本発明は上記問題点を解決せんとするもので、コスト
や操作の点で有利である電解による銀回収技術を改良し
て、銀の含有率が100ppm以下であるきわめて低濃度な銀
含有率の写真廃液中より銀を安定に回収することができ
る銀回収方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための技術的手段及びその作用〕
本発明に係る、写真廃液中の銀を電解回収する銀回収
方法は、 銀濃度が低濃度である写真廃液中の銀を電解回収する
銀回収方法において、 上記写真廃液中の銀濃度が100ppm以下の低濃度であ
り、かつ、 電解槽として複極式固定床電解槽を用い、かつ、 電流濃度を10〜50A/lとし、かつ、 電流密度を10〜50A/dm2として 電解を行うことを特徴とするものである。
また、本発明に係る、他の写真廃液中の銀を展開回収
する銀回収方法は、 銀濃度が低濃度である写真廃液中の銀を電解回収する
銀回収方法において、 上記写真廃液中の銀濃度が100ppm以下の低濃度であ
り、かつ、 電解槽として単極式流動床電解槽を用い、かつ、 電流濃度を10〜50A/lとし、かつ、 電流密度を5〜50A/dm2として 電解を行うことを特徴とするものである。
即ち、上記のような構成とすることによって、例えば
後記詳述する本発明の一実施例における第1図及び第2
図のデータに示す如く、銀含有率が100ppm以下という極
低濃度の処理液について、上記電流濃度及び電流密度の
範囲で、かかる銀含有率が極低濃度の処理液からも、有
効な銀回収が行えるのである。
以下本発明について更に説明する。
本発明は、写真廃液から銀を回収するものである。被
処理液は、写真廃液であって、銀を回収すべきものであ
れば任意である。例えば黒白現像液、発色現像液、安定
液、水洗水などを被処理液として、有効に本発明を用い
ることができる。このような廃液は銀の含有量が少ない
ので、銀濃度100ppm以下という極めて銀濃度が低い液か
らも銀を回収できるという本発明の効果を充分に発揮で
きるからである。
被処理液のpHは、1〜8であることが好ましい。酸な
どを加えてこの範囲にpHを調節してもよいし、イオン交
換膜などで囲った陽極室の液をこのようなpHにするので
もよい。特にpHが2〜7であることが好ましい。
次に、本発明において用いる電解槽である複極式固定
床電解槽または単極式流動床電解槽について説明する。
複極式固定床電解槽とは、固定された陽,陰極の間
に、別途分極すべき電極を位置させて成るものである。
例えば第4図(a)に模式的に略示するのは、陽陰極間
に粒状の電極を充填したもので、これは図の如く陽,陰
極間に電位が印加されると、各粒状の電極が第4図
(b)に略示する如く分極し、これが第4図(a)の如
く集合した状態での電極となる。このようなものが複極
式であり、電界場の中で分極すべき電極(以下適宜「分
極電極」などと称する)は、その形状は任意であるが、
前記した粒子状のもの、あるいはハニカム構造状、多孔
板状、スポンジ状(スポンジ金属など)のようなものが
好ましい。かかる分極電極が電極間に位置した状態で、
充分に液が流れることが望ましいからである。
分極電極は、電極に対し、また電解液に対し、耐食性
のあるものを一般に用い、好ましいものは炭素(グラフ
ァイトなど)、貴金属(プラチナ、パラジウム、イリジ
ウム、ルテニウムなど)を挙げることができる。
分極電極が位置される電極間においては、液が充分に
流れることかつ電解電圧があまり大きくならない様電極
間のあまり隔てられないことが望まれる。このためスペ
ーサとなる隔膜などを設けることが好ましい。
更に、分極電極の表面で生起する拡散二重層(電極表
面付近で銀の濃度勾配が急激に落ちる部分で、ここの銀
濃度が極端に低くなることにより、事実上電解による銀
回収が困難になる)を破壊するため、充分な乱流が与え
られるとこが望ましい。このためには、液流速を高める
べくポンプを用いたり、撹拌を行ったりすることが好ま
しい。
電流濃度は、10〜50A/lである。また、電流密度は、1
0〜50A/dm2である。
分極電極は、本発明の電流濃度、電流密度を維持する
範囲内で、極力その表面積が大きくなるようにすること
が好ましい。
次に、単極式流動床電解槽について説明する。
流動床電解槽とは、電極室内で電極が可動する電解槽
である。
流動床電解槽を用いた構成では、導電性粒子を主体と
してなる流動床において、一般に、集電子(通常の場合
の電極)から電子を受け取った導電性粒子が集電子から
離れて電荷移動を行うが、このような流動床電解槽は、
具体的には板もしくは網等から集電子を構成し、集電子
網を底あるいは周囲に敷いたカゴ状容器として、この中
に導電性粒子を入れ、上方もしくは下方のから電解液を
流通せしめ、導電性粒子を流動状態において電極として
用いることで代表される導電性粒子を流動、もしくは固
定床としての凝流動状態で用いるようにすることができ
る。液は上方からでも下方からでも、あるいは横方向な
ど任意の方向で流すことができる。
流動床電極に用いる可動な導電性粒子の材料は、導電
性であれば特に制限されないが、例えばアルミニウム、
鉄、ニッケル、カドミウム、チタン、スズ、鉛、銅、水
銀、銀、白金、金などの金属の他、ステンレン等の合金
や成型された炭素、あるいは半導体などが挙げられる
が、イオン化傾向の差による溶解損失、人体への毒性を
考慮して、特にステンレス、あるいは炭素(グラファイ
ト)が好ましい。本発明の効果は、特にステンレススチ
ール粒子、炭素(グラファイト)粒子を用いることによ
って効果的に発揮される。
導電性粒子の製法は特に制限されないが、導電性材料
をそのまま粒状に加工しても良いし、粒子状に成型され
たガラス、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
フェノールホルムアルデヒド、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタ
レート等の非導電性材料上に、無電解メッキ法(金属イ
オン置換法例えば銀錯反応など)、蒸着法、スパッタ法
等の公知の方法により被覆して使用することもできる。
これらは中空であっても良い。
導電性粒子の容器(陰極のわく)には、電極に対応す
る集電子と呼ばれる電源負側端子に接続される導電体が
取り付けられるが、この容器の形状、大きさ、集電子の
形状、大きさは、粒子の量、流速等により決定され、特
に制限されないが、好ましくは、流動方向底面もしくは
側面に網状の集電子を配するものが良い。具体的には流
動床電極を流動方向に数〜数十室に隔て隔壁を網状導電
材料とし底面集電子と電気的に接続するのが好ましい
が、これに制限されるものではない。集電子に用いられ
る材料には、導電性粒子に用いられるものがほとんどす
べて使用できるが、溶解性や汚染を考慮すれば白金、ス
テンレス等が好ましい。但しこれに限定されない。
電解中に、流動床電極近傍でプロペラ等の撹拌器によ
り電解液を撹拌しても良い。特に、流動床電極の液流動
方向の前面で撹拌を行うと効果的である。
同様に、流動床陰極に超音波を照射しても良く回収速
度が増大する。その波長は特に限定されないが、低周波
すぎると不快感を与え、また高周波すぎると実質的な効
果は低下するため、最適条件を設定することが好まし
い。
単極式流動床電解槽を用いる場合、電流濃度は、10〜
50A/lである。また、電流密度は、5〜50A/dm2である。
また前記固定床電極の場合は強制的にプロペラ等で導
電性粒子を撹拌しても良い。
流動床粒子に非導電性粒子を含有させることも銀の付
着性向上の点で好ましい。含有量は特に制限されない
が、流動床粒子に50%以下の非導電性粒子が含まれてい
ることが好ましい。
陽極と陰極の間を隔膜で隔てる方法は流動床電解の場
合、陰極が陽極に衝突して起こる不要酸化を排除するの
に有効である。隔膜材料は電解に一般に用いられる素焼
き陶板や多孔性ガラスでも良いが、好ましくはイオン交
換膜であり、より好ましくはフッ素系イオン交換膜であ
り、特に好ましくは陽イオン交換膜である。このような
イオン交換膜としては、例えばデュポン社製の商品名・
ナフイオン膜が挙げられる。
陽極室の電解液は、通常用いられるKCl、PTS(パラト
ルエンスルホン酸塩)の如き溶解性無機あるいは有機塩
で良いが処理液中に要求されるイオンを用いても良い。
流動床電極内の電位の分布は副反応を抑えたり均一な
銀の電着を生じさせるためにできるだけ小さいことが好
ましい。
このために流動床電極は導電性の電極基板と接続した
いくつもの電導性隔壁で仕切られた電極室からなってい
ることが好ましく、あるいは何本もの電極基板と接続し
た電導性障害棒が流動床電極内の任意の位置に配されて
いることが好ましい。
陰極をなす電極上に析出した銀の回収方法、及び電解
槽からの該粒子の取り出しは、任意の方法を用いること
ができる。電解槽からの粒子の取り出し方法としては、
陰極をカゴ状とし、そのカゴそのものを取り換えること
などの方法、カートリッジ式電解槽とし、電解槽ごと取
り換える方法、電析銀で重くなった粒子が下に落ちるこ
とを利用して落ちたものから順に粒子を下から取り出す
方法などがある。その他任意の方法で粒子を取り出した
後、粒子上に析出した銀を回収するには、次の方法を用
いることができる。例えば、銀が炭素粒子上に析出した
場合、電気炉で1000℃に加熱し、熱溶融した後、比重が
軽いため浮いた炭素を銀と分離することにより、銀を回
収できる。熱溶融により粒子上に析出した銀を回収でき
ない場合は、濃硝酸中に浸漬溶解解除した後、鉄ウール
などで金属置換析出させて回収するか、ステンレス電極
等で再電解回収する方法を採用できる。ステンレス球の
鋼球のように上記2つの方法が用いられない場合は、ふ
るい上で振動を与え、銀を下に落下させる方法、もしく
は微粉化した銀を風で飛ばし分離する方法を採用でき
る。ガラス球などを用いた場合は、粉砕したのち浮遊選
鉱を応用する方法、ポリマー粒子を用いた場合は、ポリ
マーを可溶の溶媒に溶解して銀を回収する方法がある。
更に流動床電解槽を密封した後、逆電圧をかけて析出銀
を溶解させ、その後、スチルウールなどで金属置換析出
させて回収する方法、あるいはステンレス電極等で電解
再回収するといった方法がある。
〔実施例〕
以下本発明の実施例及び比較例について述べる。なお
当然のことではあるが、本発明は以下述べる実施例にの
み限定されるものではない。
各実施例の具体的な説明に先立ち、各例の実験でその
廃液を用いる処理液について、その処理工程及び組成変
について述べておく。
まず、MPS処理システムペーパー用自動現像機RP−800
(コニカ株式会社製)を使用し、市販のカラー写真用ペ
ーパー(コニカ株式会社製)を絵焼き後、次の処理工程
と処理液を使用して連続処理を行った。
基準処理工程 (1)発色現像 40℃ 3分 (2)漂白定着 38℃ 1分30秒 (3)安定化処理 25℃〜35℃ 3分 (4)乾 燥 75℃〜100℃ 約2分 処理液組成 <発色現像タンク液> エチレングリコール 15ml 亜硫酸カリウム 2.0g 臭化カリウム 1.3g 塩化ナトリウム 0.2g 炭酸カリウム 24.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メ
タンスルホンアミドエチル)アニリン硫酸塩 5.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジルスルホ
ン酸誘導体) 1.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g 1−ヒドロキシエチリンデン−1,1−二ホスホン酸0.4
g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.7g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸−二
ナトリウム塩 0.2g 水を加えて1とし、水酸化カリウムと硫酸でpH10.2
0とする。
<発色現像補充液> エチレングリコール 20ml 亜硫酸カリウム 3.0g 炭酸カリウム 24.0g ヒドロキシアミン硫酸塩 4.0g 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メ
タンスルホナミドエチル)アニリン硫酸塩 7.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジルスルホ
ン酸誘導体) 2.5g 1−ヒドロキシエチリンデン−1,1−二ホスホン酸0.5
g ヒドロキシエチルイミノジ酢酸 5.0g 塩化マグネシウム・6水塩 0.8g 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸−二
ナトリウム塩 0.3g 水を加えて1とし、水酸化カリウムと硫酸でpH10.7
0とする。
<漂白定着タンク液> エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水
塩 60.0g エチレンジアミンテトラ酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム (70%溶液) 100.ml 亜硫酸アンモニウム (40%溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1とし、炭酸カリウムまたは氷酢
酸でpH7.1に調整する。
<漂白定着補充液A> エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄アンモニウム2水
塩 260.0g 炭酸カリウム 42.0g 水を加えて全量1とする。
この溶液のpHは酢酸またはアンモニア水を用いて6.7
±0.1とする。
<漂白定着補充液B> チオ硫酸アンモニウム (70%溶液) 250.0ml 亜硫酸アンモニウム (40%溶液) 25.0ml エチレンジアミンテトラ酢酸 17.0g 氷酢酸 85.0ml 水を加えて全量を1とする。
この溶液はpHは酢酸またはアンモニア水を用いて5.3
±0.1である。
<水洗代替安定タンク液及び補充液> エチレングリコール 1.0g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.20g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−二ホスホン酸(60
%水溶液) 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液)2.0g 水で1とし、50%硫酸でpH7.0とする。
自動現像機に上記の発色現像タンク液、漂白定着タン
ク液及び安定タンク液を満たし、前記市販のカラー写真
ペーパー試料を処理しながら、上記した発色現像補充液
と漂白定着補充液A,Bと安定補充液をベローズポンプを
通じて補充しながらランニングテストを行った。補充量
はカラーペーパー1m2当りそれぞれ発色現像タンクへの
補充量として190ml、漂白定着タンクへの補充量として
漂白定着補充液A,B各々50ml、安定化槽への補充量とし
て水洗代替安定補充液を250ml補充した。なお、自動現
像機の安定化槽は試料の流れの方向に第1槽〜第3槽と
なる安定槽とし、最終槽から補充を行い、最終槽からの
オーバーフロー液をその前段の槽へ流入させ、さらにこ
のオーバーフロー液をまたその前段の槽に流入させる多
槽向流方式とした。
水洗代替安定液の総補充量が安定タンク容量の3倍と
なるまで連続処理を行った。
また、カラーネガフィルムGX−100(コニカ株式会社
製)をそれぞれ常法により露光をした後、ネガフィルム
プロセッサーNPS−FP34(コニカ株式会社製)を改造し
た自動現像機を用い、下記の現像処理条件で連続的に処
理を行った。
無水洗安定(第2槽)から無水洗安定(第1槽)へは
カウンターカレント方式(2段向流)とし、漂白定着に
ついても同様に漂白定着(第2槽)から漂白定着(第1
槽)へのカウンターカレント方式した。
なお、各槽の前槽からの処理液の持込量は0.6ml/dm2
であった。
以下に、タンク液と各補充液の処方を示す。
発現現像タンク液; 炭酸カリウム 30 g 亜硫酸ナトリウム 2.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(60
%水溶液) 1.0g ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 3.0g 塩化マグネシウム 0.3g 臭化カリウム 1.2g 水酸化ナトリウム 3.4g N−エチレン−N−β−ヒドロキシエチル−3−メチ
ル−4−アミノアニリン塩酸塩 4.6g 水を加えて1とし、水酸化ナトリウムでpH10.1に調
整した。
発色現像補充液; 炭酸カリウム 40 g 亜硫酸ナトリウム 3.0g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.0g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 臭化カリウム 0.9g 水酸化ナトリウム 3.4g N−エチレン−N−β−ヒドロキシエチル−3−メチ
ル−4−アミノアニリン塩酸塩 5.6g 水を加えて1とし、水酸化ナトリウムでpH10.1に調
整した。
漂白定着タンク液及び補充液; ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム塩0.
5モル ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 20 g チオ硫酸アンモニウム(70% wt/VOl) 250ml 亜硫酸アンモニウム 15 g 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ル 1.0g アンモニア水(28%) 20ml 水で1とし、酢酸とアンモニア水でpH7.6に調整し
た。
無水洗安定タンク液及び補充液; 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン 0.01g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.01g エチレングリコール 1 g ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム塩5
g 水で1に仕上げ、アンモニウムと硫酸でpH10.0に調
整する。
安定タンク液及び補充液; ホルマリン(37%水溶液) 3ml コニダックス(コニカ株式会社製) 5ml 水を加えて1に仕上げる。
発色現像液の槽補充量が発色現像液タンク容量の3倍
となるまで連続処理を行った。
実施例−1 本実施例では、次のような複極式固定床電極を用い
た。
即ち、直径10mmのグラファイト粒子を分極電極として
用い、該グラファイト粒子と直径10mmのガラス玉とを容
積比で約1:1として直径200mm、高さ200mmの筒状の部材
中に充填し、上下に開孔率55%のグラファイト製多孔板
(直径190mm、厚さ10mm)を取付け、この多孔板を陽・
陰極とした。グラファイト製多孔板は、孔径(直径)が
6mmのものを用いた。
この複極式固定床電極の構造を略示するのが、第3図
である。第3図中、1は筒状部材、1a,1bは各々陽,陰
極、2は充填された電極であるグラファイト粒子、3は
該グラファイト粒子とともに充填された絶縁物であるガ
ラス玉である。
被処理液である写真廃液は、前記カラーネガ用あるい
はカラーペーパー用安定化処理液廃液であり、その電解
前の銀濃度は100mg/l(即ち100ppm)であった。
この電解槽を用い、供給液量を15l/minとし、電流濃
度を変化させて銀回収率がどのようになるかを実験し
た。その結果が第1図(a)のグラフである。第1図
(a)に示すように、電流濃度が本発明に係る10〜50A/
lの範囲では、100%近い回収率が得られることがわか
る。
同様に、供給液量を15l/minとし、電流濃度を変化さ
せて銀回収率の変化を調べたのが第1図(b)のグラフ
である。同図より、本発明に係る10〜50A/dm2の範囲
で、極めてすぐれた回収率が得られることがわかる。
第2図は、電流濃度を30A/lに固定して、供給液量を
変えて銀回収の実験としたものである。この電流濃度は
本発明に係る電流濃度範囲に該当するが、この場合、第
2図より、約5l/min以上の供給液量でほぼ100%の銀回
収が達成され、従って広範囲の供給液量でほぼ完全な銀
回収がなされることがわかる。
実施例−2 本実施例では、第5図に略示するような構造の複極式
固定床電解槽を用いた。
第5図中、1a,1bは各々陽,陰極であり、この例では
多孔性活性炭を材質としたものを用いた。2′は、分極
電極をなすハニカム活性炭電極である。このハニカム活
性炭電極2′は、各々が四角形状(六角形状その他でも
よい)の室に区画された平板状多室構造となっており、
このようなものが複数、陽,陰極1a,1bの間に(図では
4つ)位置せしめられている。この各ハニカム活性炭電
極2′が分極して複極構造をなすとともに、ハニカム構
造をとることによって、液の流通を良好にしているので
ある。図中3′はプラスチック製の網で、複数のハニカ
ム電極2′間に位置して、絶縁性スペーサとして機能す
るとともに、液流を円滑にしている。
1′は電解槽の外枠部材、42は配管で、電解槽からオ
ーバーフローした液がこの配管を通って、廃液ストック
タンク41中にストックされる。また43はポンプで、廃液
を巡環流通させている。
本実施例において実施例−1と同様な実験を行ったと
ころ、同様な効果が得られた。
実施例−3 本実施例では、単極式流動床電解槽を用いた。即ち、
第6図に示す如く電解槽をイオン交換膜などの隔膜5で
仕切って陽極室5aと陰極室5bとに区画し、陰極室5aには
陰極をなす流動床電極として直径0.7mmのグラファイト
粒子1Bを充填した。図中、1aは陽極であり、1b′は陰極
をなす集電体であって、ここでは50cm2の陰極集電子を
用いた。陰極室の容積は500mlとした。また、撹拌棒6
を設けて、これをモータ等で駆動回転させて、流動電極
であるグラファイト粒子を流動させるようにした。
本実施例で被処理液として用いた写真廃液は前記カラ
ーネガあるいはカラーペーパーの安定化処理槽に感光材
料1dm2当たり2000ml補充して処理した水洗水であり、
これは当初10ppmの銀を含有するものであった。
上記のようにして、陰極集電子の電流密度及び陰極室
の電流密度を種々変え、その場合の収歛した時の銀濃度
及び銀回収効率を測定した結果が、第1表に示すもので
ある。
本発明において、銀(Ag)回収電流効率(%)とは、
次の式で与えられる。
第1表の結果より理解されるように、電流密度が5〜
50A/dm2で、かつ電流濃度が10〜50A/lである本発明の範
囲の実験No.4〜7では、銀回収効率が大きく、またとり
わけ収歛時の銀濃度が0.1ppmないし0.2ppmであって極め
てすぐれており、これに対し、本発明外の範囲である実
験No.1〜3,No.8,9では、効果が劣っている。
実施例−4 本実施例では、実施例−3と同様の単極式流動床電解
槽を用いたが、被処理写真廃液である水洗水の初期銀濃
度を変化させて実験を行った。ここでは陰極集電子電流
密度は20A/dm2、陰極室電流濃度は20A/lとした。
第7図に、本実施例の結果を示す。また比較実験とし
て、導電性粒子を用いない構造の電解槽、即ち流動床で
はない電解槽を用い、その他は同じ条件とした場合の実
験を行った。第7図中、Iは本発明に係る実験、IIは比
較実験の結果を示すグラフである。
第7図の結果より、本発明に係る実験(グラフI)の
場合、初期銀濃度が100ppm以下でも銀回収の電流効率は
大きいが、流動床を用いない比較実験(グラフII)で
は、初期銀濃度が100ppm以下であると電流効率はゼロと
なり、それ以上の銀回収はできないことがわかる。
実施例−5 本実施例では、被処理写真廃液である水洗水のpHを変
化させ、その他は実施例−3の実験No.5と同様にして実
験を行った。この結果を第8図に示す。
第8図中、実線で示すグラフIVは、銀回収効率を示
し、収歛銀濃度で示す。破線で示すグラフIIIは、銀回
収電流効率(%)を示す。第8図のグラフIVより、pHが
8以下、より好ましくはpHが7以下で銀回収効率の好ま
しい結果を得られることがわかる。また、グラフIIIよ
り、pHが1〜8、更に好ましくはpHが2〜8の範囲で収
歛銀濃度について好ましい結果を得られることがわか
る。両データを総合して、pHが1〜8の範囲が特に好ま
しく、更にpHが2〜7の範囲が更に一層好ましいことが
わかる。
実施例−6 本実施例では、前掲の発色現像液廃液を被処理写真廃
液とした。即ち、水洗水の代わりに発色現像液を被処理
液として、その他は実施例−3と同様にした。また本実
施例では別途、特開昭62−269957号公報に記載の発色現
像液(A)(同公報24−25頁)を用い、該公報に記載の
感光材料を同公報記載のとおり処理した後の発色現像液
廃液を被処理液として実験を行った。
更に本実施例では、上記発色現像液(A)のジエチレ
ントリアジンペンタ酢酸をエチレンジアミンテトラ酢酸
に変更した発色現像液で、上記と同様に現像処理を行っ
た後の廃液を被処理廃液として実験を行った。
本実施例では、電流効率はやや低下する傾向がみられ
たが、実施例−3〜5と同様の結果が得られた。
実施例−7 本実施例では、第9図に示す単極式流動床電極を用い
た。第9図中、1aは陽極、1Bは流動電極(陰極)でこれ
は陰極室5b内でグラファイト粒子が流動しているもの、
5aは陽極室でここには陽極室液が入れられており、5は
陽,陰極室を区画する隔壁、1b′は陰極集電体である。
写真廃液である発色現像液廃液は、図の矢印7の如く下
方から供給される。
本実施例においても、実施例3〜6と同様の結果が得
られた。
実施例−8 実施例−3〜8において、隔膜を多孔性の壁(フィル
ター)に変更した。各例について、同様の結果が得られ
た。
比較例−1 ここでは比較実験として、実験3〜9について、撹拌
を止め、陰極をなす粒子が流動しないようにした。つま
り、流動床ではない状態とした。この結果、所望の効果
は得られなかった。
〔発明の効果〕
上述の如く本発明によれば、銀濃度が低い写真廃液、
例えば銀濃度が100mg/l(約100ppm)以下の廃液からも
有効に銀回収を行うことができ、またこの結果、本発明
によれば、電解手段によって極めて低濃度になるまで廃
液から銀を回収でき、従って排水中の銀濃度を極微量に
することもできて、環境対策上有利であるという効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)及び第2図は、本発明の実施例−1
における銀回収効果を示すグラフである。第3図は実施
例−1で用いた銀回収装置の複極式固定床電解槽の構造
の略示図である。第4図(a)(b)は、複極式固定床
電極を説明するための図である。第5図は実施例−2で
用いた銀回収装置の複極式固定床電解槽の構造図、第6
図は実施例−3で用いた銀回収装置の単極式流動床電解
槽の構造図である。第7図及び第8図は、本発明の実施
例−5の効果を示すグラフである。第9図は、本発明の
実施例−8で用いた銀回収装置の単極式流動床電極の構
造図である。 1a……陽極、1b……陰極、1b′……陰極集電子、1B……
流動床電極、2,2′……分極電極。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀濃度が低濃度である写真廃液中の銀を電
    解回収する銀回収方法において、 上記写真廃液中の銀濃度が100ppm以下の低濃度であり、
    かつ、 電解槽として複極式固定床電解槽を用い、かつ、 電流濃度を10〜50A/lとし、かつ、 電流密度を10〜50A/dm2として 電解を行うことを特徴とする写真廃液中の銀を電解回収
    する銀回収方法。
  2. 【請求項2】銀濃度が低濃度である写真廃液中の銀を電
    解回収する銀回収方法において、 上記写真廃液中の銀濃度が100ppm以下の低濃度であり、
    かつ、 電解槽として単極式流動床電解槽を用い、かつ、 電流濃度を10〜50A/lとし、かつ、 電流密度を5〜50A/dm2として 電解を行うことを特徴とする写真廃液中の銀を電解回収
    する銀回収方法。
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