JP2002010724A - 海水中のアンモニア分解方法および装置 - Google Patents

海水中のアンモニア分解方法および装置

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JP2002010724A
JP2002010724A JP2000196573A JP2000196573A JP2002010724A JP 2002010724 A JP2002010724 A JP 2002010724A JP 2000196573 A JP2000196573 A JP 2000196573A JP 2000196573 A JP2000196573 A JP 2000196573A JP 2002010724 A JP2002010724 A JP 2002010724A
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seawater
ammonia
activated carbon
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electrolysis
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JP2000196573A
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Naomi Imada
尚美 今田
Yasuyoshi Kato
泰良 加藤
Naruhito Takamoto
成仁 高本
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高いNH3 分解率を維持しつつ、少ない活性炭
量で高度に活性塩素の除去を行うことができ、かつNH
3 濃度の変動やpHの変化によるNH3 分解率の低下お
よび活性塩素の増大を招くことのない海水中のアンモニ
ア分解方法および装置を提供する。 【解決手段】(1) アンモニアまたはアンモニウムイオン
を含有する海水中に電気の良導体からなる陽極と陰極を
設置し、該電極間に電流/NH3 比[=電解電流/{全
NH3 濃度(モル/リットル)×流量(リットル/ 秒)×3×96500
}]が1以上になるように電流を流してアンモニアま
たはそのイオンを電気分解した後、該電気分解後の海水
を活性炭充填層に供給して海水中の活性塩素を除去する
海水中のアンモニア分解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は海水中のアンモニア
分解方法および装置に関し、さらに詳しくは観賞海水魚
用水槽、活魚店舗に設置された水槽または輸送用水槽な
どに含有するアンモニアを電気分解により効率よく除去
するのに好適な海水中のアンモニア分解方法およびその
方法を用いたコンパクトな海水のアンモニア分解装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】水中のアンモニア(NH3)は、水生生
物、特に魚類やイカなどの鰓呼吸を行う生物に大きな影
響を与え、濃度が高くなると生息する生物を死に至らし
める。このため、魚類、軟体動物などの飼育にあたって
は、水中に含まれるNH3 濃度は数ppm 以下に維持する
必要がある。ところが、魚類などの水生生物は排泄物と
してアンモニアを水中に放出するため、生け簀、水槽な
どの閉鎖された系では短時間にNH3 濃度が上昇し、飼
育に当たっては、アンモニアの上昇防止が必須となって
いる。特に、活魚店に設置された水槽、観賞魚用水槽な
どの限られた空間に多数の生物を飼育する系では、生物
の排泄物に起因するNH3 の濃度上昇が著しい。このた
め、NH3 濃度の上昇防止策として、海水中のアンモニ
アを活性炭やゼオライトなどの吸着材に吸着させる、微
生物により分解する、オゾンを添加して酸化分解する、
電解により分解するなどの方法がとられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法のうち、特に
電解によりNH3 を分解させる方法は、使用電力も少な
く高効率で行え、また副生成物が少ないなどの点で他の
方法に比べて優れた方法である。本発明者らは、先に海
水中に設置された電極間に電流を流してアンモニアを分
解除去する方法を提案した(特願平11−222901
号)。この方法は、海水の電解によって活性塩素を生じ
させ、該活性塩素によりNH 3 を分解させて除去する方
法である。このような方法では、NH3 分解に使用され
なかった未反応の活性塩素が海水中に残留すると(以
下、この活性塩素を活性塩素ということがある)、海水
中の魚類に対して非常に悪影響を及ぼし、数ppm程度の
極微量でも魚類を呼吸困難に至らしめるため、NH3
電解に必要な電流より低い電流を流し、NH3 が海水中
に数ppm 残留するような条件で運転し、これにより発生
する活性塩素量の絶対値を低く押さえる方法がとられて
いた。しかし、このような方法で分解しても、NH3
度がある程度高い場合や海水のpHが高い場合には、逆
に活性塩素が増大したり、NH3 の分解率が低下するな
どの問題が生じることがわかった。
【0004】本発明の課題は、上記問題を解決し、高い
NH3 分解率を維持しつつ、少ない活性炭量で高度に活
性塩素の除去を行うことができ、かつNH3 濃度の変動
やpHの変化によるNH3 分解率の低下および活性塩素
の増大を招くことのない海水中のアンモニア分解方法お
よび装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み、鋭意検討した結果、電極間に、電解槽内を通過
するNH3 の分解に必要な当量電流以上の電流を流して
NH3 を完全に分解させるとともに、電解後の活性塩素
を含む海水を活性炭充填層に供給し、活性炭の触媒作用
によって該活性塩素を除去することにより、上記課題を
解決できることを見出し、本発明に到達したものであ
る。本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
【0006】(1)アンモニアまたはアンモニウムイオ
ンを含有する海水中に電気の良導体からなる陽極と陰極
を設置し、該電極間に下式で定義される電流/NH3
が1以上になるように電流を流してアンモニアまたはそ
のイオンを電気分解した後、該電気分解後の海水を活性
炭充填層に供給して海水中の活性塩素を除去することを
特徴とする海水中のアンモニア分解方法。 電流/NH3 比=電解電流/〔全NH3 濃度(モル/リットル)
×流量(リットル/ 秒)×3×96500 〕 (2)アンモニアまたはアンモニウムイオンを含有する
海水が貯留された水槽と、該水槽に前記海水の一部を循
環させる手段と、該循環手段によって形成される循環経
路に設置された、電気の良導体からなる陽極と陰極を有
し、かつ該電極間に下式で定義される電流/NH3 比が
1以上になるように電流が流される電解槽、電解後の海
水中の活性塩素を除去する活性炭充填層および前記電解
後の海水を空気中に散水して前記活性炭充填層に供給す
る散水手段とを備えたことを特徴とする海水中のアンモ
ニア分解装置。 電流/NH3 比=電解電流/〔全NH3 濃度(モル/リットル)
×流量(リットル/ 秒)×3×96500 〕
【0007】(3)前記散水手段が、海水をシャワー状
に散水する複数の穴が設けられたパイプであることを特
徴とする(2)に記載の海水中のアンモニア分解装置。 (4)前記活性炭充填層に、繊維状、粒状、ハニカム
状、布状の少なくとも1種の活性炭が充填されているこ
と特徴とする(2)または(3)に記載の海水中のアン
モニア分解装置。 (5)(2)〜(4)のいずれかに記載の海水中のアン
モニア分解装置を設置したことを特徴とする魚類、軟体
動物等の生物の飼育または輸送用水槽。 (6)(2)〜(4)のいずれかに記載の海水中のアン
モニア分解装置を、魚類飼育用水槽の上部に設置される
ろ過装置内に配置したことを特徴とする海水魚類飼育用
アンモニア分解装置付きろ過装置。
【0008】
〔活性炭の塩素除去反応〕
・Cl(活性塩素)+>C(活性炭)→Cl- +>C (1)
【0009】しかし、このような方法で運転を行うと、
下記の理由により逆に活性炭層出口で活性塩素が発生
し、かつNH3 の分解速度が低下するという問題が生じ
る場合があった。例えば、活性炭層に供給する海水中に
NH3 が4〜5ppm 以上存在したり、海水のpHが8以
上の高いpHである場合には、活性塩素とNH3 が反応
して下式(2) 〜(4) で示されるクロラミンの生成が進行
する。 (クロラミン生成反応〕 NH3 +・Cl → NH2 Cl + H+ (2) NH3 +2・Cl → NHCl2 + 2H+ (3) NH3 +3・Cl → NCl3 + 3H+ (4) このクロラミンは、活性塩素以上に魚類に対して悪影響
を及ぼす物質である。また活性塩素が(1) 式によって活
性炭層で容易に除去されるのに対し、上記クロラミンは
活性炭との反応速度が非常に遅いために、単に活性炭層
を通過させるだけでは除去することができず、またクロ
ラミンはNH3 よりも分解されにくいため、海水中のク
ロラミン濃度、すなわちNH3 濃度が次第に高くなると
いう現象が生じる。
【0010】上記現象を防止するためには、電解電流
を、常に予想されるNH3 の分解に必要とされる電流よ
りも過剰に流してNH3 が完全に分解されるようにする
ことが必要となる。海水中のNH3 が完全に分解される
と、当量以上に高濃度の活性塩素が生成するが、NH3
が存在しないためにクロラミンを生成することはない。
生成した活性塩素は、多少に関わらず活性炭で容易に分
解されるため、クロラミンのように活性炭層を通過して
残留することがない。このように、NH3 の分解に必要
な当量電流よりも過剰に電流を流し、かつ活性炭充填層
で活性塩素を除去するという運転方法をとることによ
り、メンテナンスフリーのNH3 分解装置を実現するこ
とができる。
【0011】また電解で発生した水素の溶解や陰極によ
る活性水素によって海水の溶存酸素濃度が低下して酸化
還元電位が低下(還元側に低下)する傾向があるが、魚
類には酸化還元電位の変化もまた有害となる。本発明で
は、電解後の海水を活性炭層に供給する前に、海水を散
水させることにより、海水が微細な水滴となり、この際
に溶解した水素が脱気され、空気中の酸素が溶解される
ため、海水の酸化還元電位を正常に戻すことができる。
酸化還元電位を正常に戻す上記作用により、魚類への悪
影響をさらに低減させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により説明す
る。図1は、本発明の一実施例を示す海水中のアンモニ
ア分解装置の系統説明図である。図1において、アンモ
ニア分解装置は、アンモニアまたはアンモニウムイオン
を含有する海水が貯留された水槽4と、該水槽4の海水
の一部を循環させるためのポンプ3と、該循環経路に設
置された、電気の良導体からなる陽極1および陰極2を
有する電解槽6および該電解後の海水中の活性塩素を除
去する活性炭充填層5とを備える。このような構成にお
いて、アンモニア等を含有する海水は水槽4からポンプ
3を介して電解槽6に供給され、ここで電気分解されて
海水中のNH3 が分解除去され、次いで、電気分解され
た海水は活性炭充填層に供給されて海水中の活性塩素が
除去されて再び水槽4に戻される。
【0013】本発明に用いられる電解槽は、海水中に正
および負極があり電解可能な構造であればどのような構
造であってもよい。陰極2としては、海水により腐食さ
れなければよく、各種金属、不銹鋼、炭素などからなる
板状、コイル状、網状のものが使用される。一方、陽極
には発生した活性塩素により腐食されない材質が用いら
れ、特に触媒作用に優れたものが好結果を与えやすく、
白金などの貴金属製電極、またはこれらをコーティング
したチタン電極などが適する。
【0014】電解層におけるNH3 の分解は、式(5) に
より海水の電気分解によって生成した活性塩素がNH3
と式(6) により反応して進行する。 〔活性塩素生成反応〕 Cl- → ・Cl (5) 〔NH3 分解反応〕 3・Cl+NH3 → 1/2 N2 +3HCl (6) そのため、電解槽内を通過するNH3 の分解に必要な当
量電流は下式で表される。 必要電流=〔全NH3 濃度(モル/リットル)×流量(リットル/
秒)×3×96500 〕
【0015】上記式において、全NH3 濃度は、海水中
のNH3 およびNH4 + の濃度を意味し、イオンクロマ
ト分析法、イオン電極、電気泳動装置などで測定するこ
とができる。本発明において、海水の電解は、NH3
度や電解条件にもよるが、上記電流/NH3 比が1以
上、好ましくは1.2〜2.0の範囲となる条件で行わ
れる。本発明では、過剰の電解電流を流して電解を行っ
ても、これによって発生する活性塩素は後流に設置され
た活性炭充填層により効率よく除去することができる。
従って、消費電力の許容できる範囲で前記電流/NH3
比は高くするほうが好結果を与えやすい。この電流/N
3 比が1以下の場合は、活性塩素が発生したり、NH
3 の分解速度が低下するという問題を生じる。
【0016】活性炭充填層に充填される活性炭は、ハニ
カム状、粒状、繊維状などいずれの形状でもよいが、少
ない充填量で活性塩素を完全に除去する点からは、接触
効率の高い形状、例えば繊維状の活性炭が好ましい。活
性炭の充填方法は、活性炭と海水とが効率よく接触でき
る形態ならどのような方式でもよい。活性塩素の除去に
活性炭の充填層を用いることにより、従来のような例え
ばハイポ(チオ硫酸ナトリウム)や亜硫酸カルシウムな
どの除去剤を用いる場合に必要とされる薬剤添加装置や
その流入量の制御が不要となるなどの利点が得られ、ま
た装置のコンパクト化が容易になる。
【0017】図2は、本発明の他の実施例を示す海水の
アンモニア分解装置の斜視的説明図である。図2におい
て、図1の装置と異なる点は、水槽4の上部にろ過装置
10を載置し、該ろ過装置10の内部に、電解槽6、活
性炭充填層5を層状に積層されたろ過フィルタ8および
穴あきパイプ7を配置した点である。この装置では、電
解槽6で電解された海水は、穴あきパイプ7に送られ、
該パイプ7に空けられた複数の穴からシャワー状に不織
布製フィルタ8に供給し、海水のろ過と同時に海水中の
活性塩素が活性炭充填層5により除去されて水槽4に戻
される。
【0018】上記穴あきパイプ7は散水手段として用い
られる。該散水手段としてはこれに限定されず、空気と
海水を接触させることができるものであればよい。散水
は、海水が活性炭層上に均一に通過するようにするのが
好ましい。例えば、図3に示すように、塩ビ製ホースに
数カ所の穴が空けられ、シャワー状に散水できるように
した塩ビ製穴あきパイプが用いられる。このように、電
解槽、散水手段および活性炭充填層を、魚類飼育用水槽
の上部に設置するろ過装置内に配置することにより、該
ろ過装置を通常市販されている水槽にそのまま設置して
用いることができ、外観も損ねることがない。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 直径26mm、容積30ccのガラス製流通管の内部に直径
0.5mm白金線(長さ23cm)を渦巻き状に巻いた電極
を一対設置した電解槽を用意した。その下流に直径20
mm、長さ15cmのガラス製流通間の内部に、繊維状活性
炭(クラレケミカル社製、FR−20)0.7g を不織
布製フィルタと交互に充填した活性炭充填層を設置し、
海水12リットルを入れた水槽を用意した。該水槽から
ポンプにより200ml/minの速度で海水を汲みあげ、前
記電解槽および活性炭充填層を順に経由させた後、水槽
に戻す図1に示す装置を作製した。これとは別に濃度1
000ppm の塩化アンモニウム溶液をマイクロィーダで
水槽内に滴下して槽内のNH3 濃度が1ppm/h 上昇する
ようにした。本装置の電極に電流80mAを流して電解
し、水槽内のNH3 濃度および活性炭層の入口と出口の
塩素濃度の経時変化をそれぞれ調べ、その結果を図4に
示した。本条件での必要電流/NH3 比は、1.5であ
る。
【0020】比較例1 実施例1において、電極に28mAの電流を流した以外は
実施例1と同様にして電解を行い、水槽内のNH3 濃度
および活性炭層の入口と出口の塩素濃度の経時変化をそ
れぞれ調べ、その結果を図4に示した。本条件での必要
電流/NH3 比は0.5である。
【0021】図4から、実施例1では活性炭層入口のC
l濃度は高いが、活性炭層出口でのCl濃度および水槽
内のNH3 濃度はいずれもゼロであるのに対し、比較例
1では活性炭層入口のCl濃度は実施例1より低いにも
かかわらず、活性炭層出口のCl濃度および水槽内のN
3 濃度は経時的に増加していることがわかる。これら
の結果から、電流/NH3 比が1以上となる条件で運転
することが、海水中のNH3 濃度および活性塩素濃度を
ゼロにするために有効な手段であることが明確である。
【0022】実施例2 図2に示す装置(電解式NH3 分解装置が組み込まれた
ろ過装置を水槽に設置した装置)を用いて海水のアンモ
ニアの分解除去を行った。この装置では、水槽4からポ
ンプ3により水槽中の海水の一部が汲みあげられ、電解
槽6に送られる。電解槽6には、円筒状の管の内部に白
金線を渦巻き状に巻いた電極1、2が一対設置されてお
り、該電極1、2に電流が流れると、電解槽6内で海水
中のNH3 が分解除去される。
【0023】電解槽6から排出された海水は、ろ過フィ
ルタ8上部に設けられた塩ビ製パイプ7へ送られる。該
パイプ7には1〜2cm間隔で空けられた直径数mmの穴が
複数設けられており、該穴からろ過フィルタ8上に排出
される。ろ過フィルタ8内には、不織布製フィルタの間
に活性炭充填層5が層状に設置されている。パイプ7か
ら排出された海水は、シャワー状にろ過フィルタ8上に
降り注がれることにより、空気と十分に接触して酸化還
元電位(ORP)が上昇する。さらにフィルタ内に設置
された活性炭充填層5を通過することにより、活性塩素
が取り除かれる。活性塩素が取り除かれた後の海水が再
び水槽4へ戻される。上記装置に、実施例1と同様にN
3 濃度を1ppm/h で増加させて実施例1と同様の条件
で電解を行い、水槽内のNH3 濃度および水槽内のOR
Pの経時変化をそれぞれ調べ、その結果を図5に示し
た。
【0024】比較例2 実施例2において、塩ビ製パイプを柔軟性のある塩ビ製
チューブにかえ、チューブの先端をろ過フィルタ上部に
置いて海水が活性炭充填層5上を静かに流れるようにし
た以外は、実施例2と同様にして電解を行い、水槽内の
NH3 濃度および水槽内のORPの経時変化をそれぞれ
調べ、その結果を図5に示した。
【0025】図5から、実施例2および比較例2ではい
ずれもNH3 濃度はほぼゼロであるが、実施例2におけ
るORPの経時的な変化はなく、常に初期の値を維持し
ているのに対し、比較例2では電解開始後すぐにORP
が低下し、さらに徐々に低下していることがわかる。比
較例2のような酸化還元電位の大きな変化は、魚類に及
ぼす悪影響が大である。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、海水中に含まれるNH
3 を極めて効率よく除去しつつ、有害な活性塩素を完全
に除去し、かつ電解による酸化還元電位変化を最小限に
押さえることが可能になる。このNH3 分解装置を活魚
水槽などに設置することにより、生物の排泄物によって
NH3 濃度が高まって生物が死滅することを防止するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す海水のアンモニア分解
装置の系統説明図。
【図2】本発明の他の実施例による海水のアンモニア分
解装置の斜視的説明図。
【図3】本発明に用いられる散水手段の一例を示す穴あ
きパイプの説明図。
【図4】実施例1および比較例1の結果を示す図。
【図5】実施例2および比較例2の結果を示す図。
【符号の説明】
1…陽極、2…陰極、3…ポンプ、4…水相、5…活性
炭充填層、6…電解層、7…穴あきパイプ、8…ろ過フ
ィルタ、10…ろ過装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/28 C02F 1/28 A 1/461 1/58 ZABL 1/58 ZAB 1/46 101A (72)発明者 高本 成仁 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 Fターム(参考) 2B104 CA01 CA09 EA01 EB10 EE01 EE11 EF01 EF09 4D024 AA06 AB11 BA02 BB02 CA01 DB03 DB09 4D038 AA05 AB14 BA04 BA06 BB10 BB17 4D061 DA06 DB19 DC15 EA03 EB01 EB04 EB18 EB19 EB30 EB33 EB39 FA06 FA13 FA20 GC12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニアまたはアンモニウムイオンを
    含有する海水中に電気の良導体からなる陽極と陰極を設
    置し、該電極間に下式で定義される電流/NH3 比が1
    以上になるように電流を流してアンモニアまたはそのイ
    オンを電気分解した後、該電気分解後の海水を活性炭充
    填層に供給して海水中の活性塩素を除去することを特徴
    とする海水中のアンモニア分解方法。 電流/NH3 比=電解電流/〔全NH3 濃度(モル/リットル)
    ×流量(リットル/ 秒)×3×96500 〕
  2. 【請求項2】 アンモニアまたはアンモニウムイオンを
    含有する海水が貯留された水槽と、該水槽に前記海水の
    一部を循環させる手段と、該循環手段によって形成され
    る循環経路に設置された、電気の良導体からなる陰極と
    陰極を有し、かつ該電極間に下式で定義される電流/N
    3 比が1以上になるように電流が流される電解槽、電
    解後の海水中の活性塩素を除去する活性炭充填層および
    前記電解後の海水を空気中に散水して前記活性炭充填層
    に供給する散水手段とを備えたことを特徴とする海水中
    のアンモニア分解装置。 電流/NH3 比=電解電流/〔全NH3 濃度(モル/リットル)
    ×流量(リットル/ 秒)×3×96500 〕
  3. 【請求項3】 前記散水手段が、海水をシャワー状に散
    水する複数の穴が設けられたパイプであることを特徴と
    する請求項2に記載の海水中のアンモニア分解装置。
  4. 【請求項4】 前記活性炭充填層に、繊維状、粒状、ハ
    ニカム状、布状の少なくとも1種の活性炭が充填されて
    いること特徴とする請求項2または3に記載の海水中の
    アンモニア分解装置。
  5. 【請求項5】 請求項2ないし請求項4のいずれかに記
    載の海水中のアンモニア分解装置を設置したことを特徴
    とする魚類、軟体動物等の生物の飼育または輸送用水
    槽。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項4のいずれかに記
    載の海水中のアンモニア分解装置を、魚類飼育用水槽の
    上部に設置されるろ過装置内に配置したことを特徴とす
    る海水魚類飼育用アンモニア分解装置付きろ過装置。
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