JP5362365B2 - 塩化鉄系廃液の再生方法、及び塩化鉄系廃液の再生装置 - Google Patents

塩化鉄系廃液の再生方法、及び塩化鉄系廃液の再生装置 Download PDF

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本発明は、電解膜を介して陰極を配置した陰極室と陽極を配置した陽極室とに仕切られた電解槽を用いて行う塩化鉄系廃液の再生方法に関する。また、本発明は、電解膜を介して陰極を配置した陰極室と陽極を配置した陽極室とに仕切られた電解槽と、前記陰極室との間で鉛を含有する塩化鉄系廃液が循環する液回収槽と、前記陽極室との間で塩化第一鉄液が循環する液循環槽とを備えた塩化鉄系廃液の再生装置に関する。
プリント基板等のエッチング液として使用される塩化第二鉄液は、エッチング処理を行うと第二鉄イオンが第一鉄イオンに還元され、エッチング性能が徐々に低下する。このとき、エッチング液中には、プリント基板等から溶出した銅やニッケル等の金属が徐々に蓄積する。また、プリント基板等に鉛等の重金属が含まれている場合には、それらもエッチング液中に蓄積する。エッチング性能が低下した第一鉄イオンを含むエッチング液は、塩素で酸化することにより、再び塩化第二鉄液に戻される。このように、塩化第二鉄液は、エッチング処理による「還元」、及び塩素による「酸化」のサイクルを繰り返し実行することにより、再利用されている。
ところで、上記の還元及び酸化のサイクルを行っても、エッチング液中に蓄積された金属はそのまま残留する。また、上記サイクルを繰り返すにつれて、金属の蓄積量は増加することになる。従って、エッチング液をある程度使い込んだら、エッチング液中に蓄積した金属を除去する必要がある。この金属の除去方法としては、一般に、繰り返し使用済みのエッチング液(以下、エッチング疲労液、又は塩化鉄系廃液と称する)に鉄材を投入し、液中に溶解している金属と鉄との置換反応により金属を析出させ、析出した金属をエッチング液から濾過などによって除去する方法が知られている。
ところが、上記の再生処理を行った場合、エッチング疲労液中に多量に蓄積している銅やニッケルについては鉄との置換により析出させて回収することができるが、鉛の回収は困難である。ちなみに、本発明者らによる確認試験(エッチング疲労液中に過剰の鉄材の投入し、鉄との置換が起こるかを確認する試験)においても、鉄との置換による鉛の析出は殆ど見られなかった。なお、これまでのエッチング疲労液の再生技術においても、鉛成分の回収に着目して開発された技術は見当たらない。
一方、水溶液中に溶存する鉛を除去する一般的な従来技術としては、キレート吸着材を使用する方法(例えば、特許文献1を参照)、希土類化合物を含有する吸着材を使用する方法(例えば、特許文献2を参照)、電気分解により電解析出させる方法(例えば、特許文献3を参照)等が知られている。
特許文献1のキレート吸着材は、ベースとなる高分子に、金属吸着に適するホスホン基を導入したものである。特許文献2の希土類を含有する吸着材は、希土類化合物と鉛に対して吸着作用のあるリン酸カルシウム等の無機系水硬性材料とを組み合わせたものである。特許文献3の電解析出法は、飛灰に含まれる鉛を溶液の電気分解により除去するものである。
特開2007−130540号公報 特開2007−98364号公報 特開平9−75891号公報
塩化鉄系廃液を再生して再度エッチング液として使用するためには、再生後の塩化鉄液中の鉛濃度をできるだけ低くすることが望まれている。例えば、一つの目安として、鉛濃度が10ppm未満とされている。
ところが、特許文献1のキレート吸着材を塩化鉄系廃液に含まれる鉛の除去に適用することは困難である。これは、塩化鉄系廃液には多量の鉄イオンが溶存しているため、そもそも鉛だけを優先的に吸着することが難しく、さらに、キレート吸着材のホスホン基に先に鉄イオンが結合すると、もはや鉛を吸着することができなくなるからである。ちなみに、本発明者らによる確認試験では、鉛を約700ppm含有する塩化鉄系廃液にキレート吸着材を使用して鉛濃度の変化を測定したが、処理後の液中の鉛濃度はせいぜい500〜600ppm程度であり、十分な鉛低減効果があるとは言えなかった。
特許文献2の希土類を含有する吸着材についても、鉛の低減効果が十分とは言えない。特許文献2の表1によれば、吸着材で処理した後の液中の鉛の減少率は、高くても80%程度である。従って、この希土類を含有する吸着材を、例えば、約700ppmの鉛を含有する塩化鉄系廃液に適用した場合では、処理後の液中には約140ppm以上の鉛が残留することになる。この程度の鉛除去能力では、再生塩化鉄液とするには不十分である。また、この希土類を含有する吸着材は、再生することができないためランニングコストが高くなり、さらに、pHが低い領域(pH<2)では使用できないという問題もある。なお、本発明者らは、希土類であるセリアを含有する吸着材を用いて、塩化鉄系廃液に含まれる鉛を除去できるか確認試験を行ったが、鉛濃度は殆ど低下しなかった。
特許文献3の電解析出法は、飛灰を水に投入してスラリー化し、このスラリーからの分離液を電気分解して鉛を析出させている。ここで、この特許文献3の表1によれば、飛灰には様々な金属成分が含まれており、本発明が対象とする塩化鉄系廃液とは組成が著しく異なっていることが分かる。特に、飛灰に含まれる鉛の量は鉄よりも多くなっているため、仮にこの飛灰を酸溶液等でスラリー化しても、本発明における塩化鉄系廃液とは成分バランスが全く異なったものとなる。従って、このような飛灰から得られる鉛成分がリッチの液から鉛成分を低減することと、本発明が意図する塩化鉄系疲労液(すなわち、鉄成分がリッチの液)から少量の鉛成分を除去することとは技術的な意味合いが全く異なる。事実、この表1によれば、鉛濃度と同時に鉄濃度も低減されているが、このことは、液中に溶存する鉛だけでなく鉄も析出していることを意味する。従って、特許文献3の電解析出法をそのまま塩化鉄系廃液の再生に適用すると、当該塩化鉄系廃液中の鉄がかなりの量で析出するため、再生液の鉄濃度を一定に維持することができなくなり、エッチング液としての性能を確保することができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、塩化鉄系廃液を再生するに際し、これまで着目されていなかった当該塩化鉄系廃液に含まれる鉛を効果的に除去することが可能な塩化鉄系廃液の再生方法、及び塩化鉄系廃液の再生装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法の特徴構成は、
電解膜を介して陰極を配置した陰極室と陽極を配置した陽極室とに仕切られた電解槽を用いて行う塩化鉄系廃液の再生方法であって、
前記陰極室と別に設けた液回収槽との間で鉛を含有する塩化鉄系廃液を循環させる循環工程と、
前記陰極室において、1.11A/dm以下の電流密度で前記塩化鉄系廃液を電解処理して前記鉛を析出させる電解工程と、
前記陰極室に析出した前記鉛を除去する鉛除去工程と、
前記鉛を除去して得られた再生塩化鉄液を、前記液回収槽又は前記陰極室から回収する回収工程と、
を包含することにある。
塩化鉄系廃液を電解処理すると、陰極側に塩化鉄系廃液に溶解している金属イオンが金属となって析出する。ここで、金属の酸化還元電位を考慮すると、塩化鉛は塩化第一鉄よりも陰極に金属として析出し易いが、塩化鉄系廃液の主成分である塩化第一鉄は塩化鉛より濃度が圧倒的に高いため、鉛の析出と同時に鉄の析出も発生する。これを回避するためには、鉄が析出しない低い電圧で電解処理すればよいが、鉛の析出に長時間を要することになるため、工業的に実施するには適さなくなる。工業的な観点に立てば、設備規模やコスト面等を考慮し、設計し易い電流密度で、塩化鉄系廃液中の鉛の濃度を低下させる最適条件を探ることが最も有効である。
そこで、本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、電解工程を行うに際し、陰極室において、1.11A/dm以下の電流密度で塩化鉄系廃液を電解処理する。これにより、第一鉄イオンの還元はある程度抑えられ、その一方で鉛イオンの還元が優先的に進行する。このように、本発明者らの鋭意研究の結果により、鉄の析出量をできるだけ少なくしながらも、塩化鉄系廃液中の鉛の濃度を低下させるのに有効な条件が存在することが判明した。
なお、電解工程により析出した鉛は、金属鉛の他、水酸化鉛や酸化鉛等の化合物の形態も考えられる。従って、以後説明する析出物としての「鉛」には、金属鉛だけではなく、これらの化合物としての形態も含むものとする。
また、塩化鉄系廃液を1.11A/dm以下の電流密度で電解処理することにより、全体として電力コストを抑えることができ、さらには、電気分解に使用する高価な電極(特に、陽極)への負荷が小さくなるので、電極寿命を延ばすことができる。
なお、電流密度を1.11A/dmより高くした場合でも、塩化鉄系廃液から鉛を析出させて除去することは可能であるが、鉄の析出量が増加する上、鉛の除去率自体はそれ程向上するわけではない。また、塩化鉄系廃液の再生設備の小型化にもそれ程寄与しない。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法において、
前記電解工程の前に、前記塩化鉄系廃液に鉄を溶解させる鉄溶解工程を実行することが好ましい。
塩化鉄系廃液の主成分は塩化第一鉄であるが、塩化第二鉄や遊離塩酸もある程度存在している。このため、塩化鉄系廃液をそのまま電解処理すると、初めに、塩化第二鉄が塩化第一鉄に還元するのに電子が消費され、さらに、遊離塩酸が分解して水素を生成するのに電子が消費される。このため、電解工程における電気的ロスが大きくなる。また、電解工程中に水素が発生するので、水素濃度を適正な範囲に管理する等の手間が掛かる。
この点、本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、電解工程の前に、塩化鉄系廃液に鉄を溶解させる鉄溶解工程を実行しているので、予め塩化第二鉄が塩化第一鉄に還元され、さらに、遊離塩酸は鉄と反応して塩化第一鉄となっている。従って、電解工程では略全ての電流が鉛イオンの還元反応に利用され、電気的な効率を上げることができる。なお、遊離塩酸と鉄との反応においても水素は発生するが、水素は電解工程の前に発生しているので、発生した水素を事前に拡散させる等の必要な措置をとることができる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法において、
前記陽極室と別に設けた液循環槽との間で塩化第一鉄液を循環させることが好ましい。
塩化鉄系廃液の電解工程を行うと、陰極室で鉛イオン(塩化鉛)が鉛に還元されるときに発生した塩素イオンが電解膜を通過して陽極室に移動する。そして、塩素イオンは陽極に電子を与え、有害な塩素ガスとなる。
この点、本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、陽極室と別に設けた液循環槽との間で塩化第一鉄液を循環させているので、塩素イオンは電解膜を通過して陽極室に入ると塩化第一鉄と陽極上で反応し、塩化第二鉄となる。その結果、陽極室において、有害な塩素ガスの発生を未然に防止することができる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法において、
前記回収工程の後、前記陰極室に塩化第二鉄液を導入し、前記陰極室の内部に残存する鉛及び鉄を前記塩化第二鉄に溶解させて前記陰極室をクリーニングするクリーニング工程を実行することが好ましい。
塩化鉄系廃液から析出した鉛はフロック状になっている場合がある。このため、回収工程の後も陰極室の内部に鉛析出物の一部が鉄析出物とともに残留することがある。
この点、本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、陰極室に塩化第二鉄を導入して残留している鉛及び鉄を塩化第二鉄に完全に溶解させるので、陰極室がきれいにクリーニングされ、塩化鉄系廃液の流路の目詰まり等を防止することができる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法において、
前記電解膜として中性膜を使用することが好ましい。
本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、電解膜として中性膜を使用しているので、イオン交換膜と比較して、電解膜による電圧降下が小さくなり、その結果、電解処理における電力消費量を低減することができる。なお、この電解膜は、通水量が極めて小さく、塩素イオンは通過させるが、鉄イオン及び鉛イオンは殆ど通過させないという性質を有している。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法において、
前記陰極と前記電解膜との離間距離が15mm以上に設定されていることが好ましい。
先に言及したように、塩化鉄系廃液から析出した鉛はフロック状になっている場合がある。従って、陰極と電解膜との距離が接近していると、析出した鉛及び鉄によって電解膜が損傷したり、目詰まりを起こしたりするおそれがある。
この点、本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、陰極と電解膜との離間距離が15mm以上に設定されている。この程度の離間距離を設けることにより、鉛及び鉄による電解膜の損傷や目詰まりを十分に防止することができる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法において、
前記陰極室の下方に、析出した前記鉛を排出するための排出孔が設けられていることが好ましい。
本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、陰極室の下方に、析出した鉛を排出するための排出孔が設けられている。このため、陰極室内部に過剰の鉛が堆積することなく、排出が容易となる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法において、
前記再生塩化鉄液を塩素で酸化して再生塩化第二鉄液とする酸化工程を実行することが好ましい。
本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、鉛を除去して得られた再生塩化鉄液は、塩化第一鉄が主成分である。従って、再生塩化鉄液を塩素で酸化して塩化第二鉄液とすることにより、プリント基板等のエッチング液として再利用することができる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生方法において、
前記電解槽を複数並列配置して構成したフィルタープレス型電解槽を使用することが好ましい。
本構成の塩化鉄系廃液の再生方法によれば、電解槽を複数並列配置して構成したフィルタープレス型電解槽を使用しているので、コンパクトで設置面積の小さい装置構成を実現することができる。また、このようなフィルタープレス型電解槽を用いれば、単一の電解槽を複数基使用した場合と比べて、電解工程における全体の電力消費量を少なくすることができる。
また、上記課題を解決するための本発明に係る塩化鉄系廃液の再生装置の特徴構成は、
電解膜を介して陰極を配置した陰極室と陽極を配置した陽極室とに仕切られた電解槽と、
前記陰極室との間で鉛を含有する塩化鉄系廃液が循環する液回収槽と、
前記陽極室との間で塩化第一鉄液が循環する液循環槽と、
を備えた塩化鉄系廃液の再生装置であって、
前記陰極室において、1.11A/dm以下の電流密度で前記塩化鉄系廃液を電解処理可能に構成されていることにある。
本構成の塩化鉄系廃液の再生装置によれば、上述した塩化鉄系廃液の再生方法と同様の作用効果が得られる。すなわち、1.11A/dm以下の電流密度で塩化鉄系廃液を電解処理することにより、第一鉄イオンの還元はある程度抑えられ、その一方で鉛イオンの還元が優先的に進行する。その結果、塩化鉄系廃液に含まれる鉛イオンが優先的に鉛となって析出し、これを選択的に効率よく除去することが可能となる。
また、塩化鉄系廃液を1.11A/dm以下の電流密度で電解処理することにより、電力コストを抑えることができ、さらには、電気分解に使用する高価な電極(特に、陽極)への負荷が小さくなるので、電極寿命を延ばすことができる。
なお、電流密度を1.11A/dmより高くした場合でも、塩化鉄系廃液から鉛を析出させて除去することは可能であるが、鉄の析出量が増加する上、鉛の除去率自体はそれ程向上するわけではない。また、塩化鉄系廃液の再生設備の小型化にもそれ程寄与しない。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生装置において、
前記電解膜として中性膜を使用することが好ましい。
本構成の塩化鉄系廃液の再生装置によれば、電解膜として中性膜を使用しているので、イオン交換膜と比較して、電解膜による電圧降下が小さくなり、その結果、電解処理における電力消費量を低減することができる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生装置において、前記陰極と前記電解膜との離間距離が15mm以上に設定されていることが好ましい。
本構成の塩化鉄系廃液の再生装置によれば、陰極と電解膜との離間距離が15mm以上に設定されているので、析出した鉛及び鉄による電解膜の損傷や目詰まりを十分に防止することができる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生装置において、
前記陰極室に、析出した前記鉛を排出するための排出孔が設けられていることが好ましい。
本構成の塩化鉄系廃液の再生装置によれば、陰極室の下方に、析出した鉛を排出するための排出孔が設けられている。このため、陰極室内部に過剰の鉛が堆積することなく、排出が容易となる。
本発明に係る塩化鉄系廃液の再生装置において、
前記電解槽は、当該電解槽を複数並列配置して構成したフィルタープレス型電解槽とされていることが好ましい。
本構成の塩化鉄系廃液の再生装置によれば、電解槽を複数並列配置して構成したフィルタープレス型電解槽を使用しているので、コンパクトで設置面積の小さい装置構成を実現することができる。また、このようなフィルタープレス型電解槽を用いれば、単一の電解槽を複数基使用した場合と比べて、電解工程における全体の電力消費量を少なくすることができる。
本発明の塩化鉄系廃液の再生装置の基本構成を概略的に示した模式図である。 本発明の塩化鉄系廃液の再生方法を示したフローチャートである。 電解処理液中の鉛濃度と金属析出量との関係を示すグラフである。 電解処理液中の鉛濃度の経時変化を示すグラフである。 フィルタープレス型電解槽を備えた本発明の塩化鉄系廃液の再生装置の一部を概略的に示した模式図である。
本発明の塩化鉄系廃液の再生方法、及び塩化鉄系廃液の再生装置に関する実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図せず、それらと均等な構成も含む。
〔塩化鉄系廃液の再生装置の基本構成〕
図1は、本発明の塩化鉄系廃液の再生装置100の基本構成を概略的に示した模式図である。塩化鉄系廃液の再生装置100は、主要な構成として、電解槽10、液回収槽20、及び液循環槽30を備えている。
電解槽10は、電解膜1を介して陰極2を配置した陰極室3と、陽極4を配置した陽極室5とに仕切られている。本実施形態では、陽極4として、チタンメッシュに白金イリジウムをコーティングしたものを使用した。陰極2には、チタンメッシュをそのまま使用した。陰極室3と陽極室5とを仕切る電解膜1には、電気抵抗及び電力ロスが低い中性膜(例えば、ユアサアイオニクス株式会社製の中性膜Y−9205T)を使用した。なお、電解膜1として、陰イオン交換膜を使用することも可能である。陰極2と電解膜1との離間距離は、15mm以上とすることが好ましい。これは、後述するように、塩化鉄系廃液を電解処理したときにフロック状の鉛及び針状の鉄が析出する場合があるが、陰極と電解膜との距離が接近していると、析出した鉛及び鉄によって電解膜が損傷したり、目詰まりを起こしたりするおそれがあるからである。陰極と電解膜との離間距離が15mm以上に設定されていれば、鉛及び鉄による電解膜の損傷や目詰まりを十分に防止することができる。また、陰極2と陽極4との間隔は、電気抵抗及び電力ロスを抑えるために、20〜30mm程度とすることが好ましい。
液回収槽20には、処理対象となる鉛を含有する塩化鉄系廃液(以下、単に「塩化鉄系廃液」と称する)が貯留され、陰極室3との間で循環回路が形成されている。本実施形態では、陰極室3と液回収槽20との間に、液回収槽20から陰極室3に向けて液を搬送する陰極側送り管21と、陰極室3から液回収槽20に向けて液を戻す陰極側戻し管22とが設けられている。陰極側送り管21には、陰極側ポンプ23が設けられている。液回収槽20から汲み上げられた塩化鉄系廃液は、陰極側送り管21により陰極室3の上方から陰極室3の内部に導入される。陰極室3に導入された塩化鉄系廃液は、陰極2から付与される電流により電気分解(電解処理)が行われる。このとき、塩化鉄系廃液に含まれる塩化鉛及び塩化第一鉄が還元され、鉛及び鉄となって陰極室3に析出する。また、それと同時に陰極室3には遊離した塩素イオンが生成する。電解処理を終えた液(以下、「再生塩化鉄液」と称する)は、陰極室3の下方に設けた排出孔6から排出され、陰極側戻し管22を通って、液回収槽20に戻される。このとき、再生塩化鉄液に含まれる鉛の析出物は、フィルタ(図示せず)等の適切な回収手段を用いて回収される。
液循環槽30には、塩化第一鉄液が貯留され、陽極室5との間で循環回路が形成されている。本実施形態では、陽極室5と液循環槽30との間に、液循環槽30から陽極室5に向けて液を搬送する陽極側送り管31と、陽極室5から液循環槽30に向けて液を戻す陽極側戻し管32とが設けられている。陽極側送り管31には、陽極側ポンプ33が設けられている。液循環槽30から汲み上げられた塩化第一鉄液は、陽極側送り管31により陽極室5の下方に設けた下部導入孔7から陽極室5の内部に導入される。陽極室5に導入された塩化第一鉄液は、陰極室3から電極膜1を介して移動してきた遊離の塩素イオンと陽極4上で反応し、塩化第二鉄液となる。従って、陽極室5には、塩化第一鉄液と塩化第二鉄液との混合液(以下、「塩素吸収塩化鉄液」と称する)が生成される。ここで、陽極室5と液循環槽30との間で循環させる塩化第一鉄液の循環量は、電解処理中に生成する電子の理論モル量より過剰量とすることが好ましい。これにより、塩素イオンは全て塩化第一鉄液と反応するので、陽極室5において、有害な塩素ガスの発生を未然に防止することができる。なお、生成した塩素吸収塩化鉄液は、陽極室5の上方に設けた上部排出孔8から排出され、陽極側戻し管32を通って、液循環槽30に戻される。
〔塩化鉄系廃液の再生方法〕
本発明の塩化鉄系廃液の再生方法は、上記の塩化鉄系廃液の再生装置100を使用して実行される。図2は、本発明の塩化鉄系廃液の再生方法を示したフローチャートである。各ステップの詳細を以下に説明する。
<鉄溶解工程(ステップ1)>
塩化鉄系廃液の主成分は塩化第一鉄であるが、塩化第二鉄や遊離塩酸もある程度存在している。このため、塩化鉄系廃液をそのまま電解処理すると、初めに、塩化第二鉄が塩化第一鉄に還元されるのに電子が消費され、さらに、遊離塩酸が分解して水素を生成するのに電子が消費される。その結果、全体の電力消費量(電力ロス)が大きくなる。また、水素が発生するので、水素濃度を適正な範囲に管理する等の手間が掛かる。
そこで、後述する電解工程を行う前に、液回収槽20(あるいは別の槽であってもよい)に鉄材を投入し、塩化鉄系廃液に鉄を溶解させる(S1;鉄溶解工程)。これにより、予め塩化第二鉄が塩化第一鉄に還元され、さらに、遊離塩酸は鉄と反応して塩化第一鉄となる。従って、次の電解工程では略全ての電流が鉛イオンの還元反応に利用されるので、電気的な効率を上げることができる。なお、遊離塩酸と鉄との反応においても水素は発生するが、水素は電解工程の前に発生するので、発生した水素を事前に拡散させる等の必要な措置をとることができる。
ところで、塩化鉄系廃液における塩化第二鉄や遊離塩酸の含有量が比較的少ない場合は、この鉄溶解工程は省略してもよい。従って、この鉄溶解工程は、必要に応じて実行することができる。
<循環工程(ステップ2)>
次に、陰極室3と別に設けた液回収槽20との間で塩化鉄系廃液を循環させる(S2;循環工程)。この循環工程は、先の「塩化鉄系廃液の再生装置」で説明したように、陰極室3と液回収槽20との間に形成された循環回路(すなわち、陰極側送り管21、陰極側戻し管22、及び陰極側ポンプ23)を通じて行われる。
<電解工程(ステップ3)>
塩化鉄系廃液を電解処理する(S3;電解工程)。これにより、陰極側に塩化鉄系廃液に溶解している金属イオンが金属となって析出する。ここで、金属の酸化還元電位を考慮すると、塩化鉛は塩化第一鉄よりも陰極に金属として析出し易いが、塩化鉄系廃液の主成分である塩化第一鉄は塩化鉛より濃度が圧倒的に高いため、鉛の析出と同時に鉄の析出も発生する。これを回避するためには、鉄が析出しない低い電圧で電解処理すればよいが、鉛の析出に長時間を要することになるため、工業的に実施するには適さなくなる。工業的な観点に立てば、設備規模やコスト面等を考慮し、設計し易い電流密度で、塩化鉄系廃液中の鉛の濃度を低下させる最適条件を探ることが最も有効である。
そこで、本発明者らは、塩化鉄系廃液の電解処理に用いる電流の電流密度の影響について着目し、以下のテーブル実験を行った。
〔テーブル試験〕
この試験では、鉄溶解工程(ステップ1)を経過した塩化鉄系廃液(組成:塩化第一鉄液31.3%、鉛612ppm)に対して、4種類の電流密度(0.56A/dm、1.11A/dm、2.78A/dm、及び5.56A/dm)で電解処理を行った。
〔電解処理液中の鉛濃度と金属析出量との関係〕
上記テーブル試験の結果から、電解処理液(塩化鉄系廃液)中の鉛濃度と電解処理液から析出する金属(鉄+微量の鉛)の量との関係をまとめた。図3は、電解処理液中の鉛濃度と金属析出量との関係を示すグラフである。このグラフから、電流密度が0.56A/dm、及び1.11A/dmの場合では、金属析出量(主に鉄析出量)が少ないところ(約2.5kg/t−廃液)で鉛濃度を10ppm以下にまで低減することができた。一方、電流密度が2.78A/dm、及び5.56A/dmの場合では、鉛濃度を10ppm以下にまで低減するには、金属析出量がある程度多くなるところ(約6.5kg/t−廃液)まで電解処理を行う必要があった。この試験結果から、電解処理における電流密度を1.11A/dm以下とすれば、塩化鉄系廃液からの鉄の析出量を少なくしつつ、鉛濃度を10ppm以下まで低減することが可能となることが判明した。
〔電解処理液中の鉛濃度の経時変化〕
次に、電解処理液中の鉛濃度が時間とともにどのように変化するかをまとめた。図4は、電解処理液中の鉛濃度の経時変化を示すグラフである。その結果、電流密度が5.56A/dmの場合では、約70分の電解処理で鉛濃度を10ppm以下にまで低減することができた。一方、電流密度が0.56A/dm、1.11A/dm、及び2.78A/dmの場合でも、約120分の電解処理で鉛濃度を10ppm以下にまで低減することができた。このことから、電流密度を通常より低くした場合でも、電解処理を120分以上行えば、鉛濃度を10ppm以下にまで低減することが可能となることが判明した。
図3及び図4の関係から、塩化鉄系廃液の電解処理において、電流密度を1.11A/dm以下とすると、最も効果的且つ経済的に鉄よりも鉛を優先的に析出させることができることが判明した。これは、1.11A/dm以下の電流密度で電解処理を行うことが、工業的に塩化鉄系廃液中の鉛の濃度を低下させる有効な条件であることを示している。なお、電解工程により析出した鉛は、金属鉛の他、水酸化鉛や酸化鉛等の化合物の形態も考えられる。
また、塩化鉄系廃液を1.11A/dm以下の電流密度で電解処理することにより、電力コストを抑えることができ、さらには、電気分解に使用する高価な電極(特に、貴金属をコーティングした陽極)への負荷が小さくなるので、電極寿命を延ばすことができる。
<鉛除去工程(ステップ4)>
次に、上記の電解工程によって陰極室3に析出した鉛を除去する(S4;鉛除去工程)。この鉛除去工程は、フィルタ(図示せず)等の適切な回収手段を用いて実行される。
<回収工程(ステップ5)>
次に、鉛を除去して得られた再生塩化鉄液を、液回収槽20又は陰極室3から回収する(S5;回収工程)。この回収した再生塩化鉄液は、塩化第一鉄が主成分である。そこで、必要に応じて、この再生塩化鉄液を塩素で酸化し、再生塩化第二鉄液とする。これにより、再生塩化第二鉄液をプリント基板等のエッチング液として再利用することができる。
<クリーニング工程(ステップ6)>
ところで、塩化鉄系廃液から析出した鉛はフロック状になっている場合がある。また、同時に析出した鉄は針状になって陰極に付着している場合がある。このため、回収工程の後も陰極室3の内部に鉛析出物の一部が鉄析出物とともに残留することがある。そこで、陰極室3に新たな塩化第二鉄を導入し、残留している鉛及び鉄を塩化第二鉄に完全に溶解させる(S6;クリーニング工程)。これにより、陰極室3がきれいにクリーニングされ、塩化鉄系廃液の流路の目詰まり等を防止することができる。
なお、析出した鉛及び鉄が陰極室3の下方の排出孔6からうまく排出されている場合は、電解槽10を次回もそのまま使用することができる。従って、このクリーニング工程は、必要に応じて実行することができる。
〔フィルタープレス型電解槽〕
本発明の塩化鉄系廃液の再生方法、及び塩化鉄系廃液の再生装置は、電解槽としてフィルタープレス型のものを用いることにより、塩化鉄系廃液に含まれる鉛成分をさらに効率よく除去することができる。
図5は、フィルタープレス型電解槽50を備えた本発明の塩化鉄系廃液の再生装置の一部を概略的に示した模式図である。このフィルタープレス型電解槽50は、実質的に、図1に示した塩化鉄系廃液の再生装置100に使用される2室1セル構造を有する電解槽10を4セット並列配置したものとなっている。すなわち、フィルタープレス型電解槽50は、その内部に3枚の陰極2と2枚の陽極4とを所定間隔(例えば、20mm)で交互に配置し、各陰極2と各陽極4との間に陰極2からの離間距離が15mm以上となるように4つの電解膜1を夫々設け、これにより4つの陰極室3及び4つの陽極室5が形成された構造となっている。また、各陰極室3の下方には再生塩化鉄液を排出するための排出孔6が夫々形成され、各陽極室5の下方には塩化第一鉄液を導入するための下部導入孔7が夫々形成されている。
このようなフィルタープレス型電解槽50を採用すれば、図1に示した2室1セル構造を有する電解槽10を単純に複数基使用した場合と比べて、コンパクトで設置面積の小さい装置構成を実現することができる。さらに、電解工程における全体の電力消費量も少なくすることができる。
なお、本実施形態では、一例として、2室1セル構造を有する電解槽10を4セット並列配置した2室4セル構造を有するフィルタープレス型電解槽50を示したが、事業規模、塩化鉄系廃液の処理量、装置の設置可能面積等の諸条件に応じて、実施者が任意に、並列又は直列に配置したブロックを複数配置することができる。
〔スケールアップ試験〕
これまで説明してきた実施形態は、実験室レベルで行った実施に基づくものであるが、本発明者らは、さらにスケールアップした中間プラントにおいても、本発明が実施可能であることを確認した。
本実施例では、塩化鉄系廃液の再生装置の電解槽として、ユアサアイオニクス社製MARK−IIを使用した。この電解槽は、2室4セル構造を有するフィルタープレス型電解槽である。電解槽の電解膜としてユアサアイオニクス株式会社製の中性膜Y−9205T(有効膜面積68dm)を使用し、陰極としてチタン素材の電極を使用し、陽極としてチタン素材に白金イリジウムをコーティングした電極を使用した。
電解槽の陰極室に予め鉄材を溶解させた塩化鉄系廃液(組成:塩化第一鉄33.3%、鉛580ppm)1080kgを循環させ、電解槽の陽極室には塩化第一鉄液(濃度32.8%)を循環させた。そして、整流器から電解槽へ40Aの直流電流(電流密度に換算して0.59A/dm)を24時間流すことにより電解処理を行い、塩化鉄系廃液に溶解している鉛を析出させて再生塩化鉄液を得た。その後、析出した鉛をフィルタにより除去し、再生塩化鉄液中に含まれる鉛濃度を測定した。その結果、鉛濃度は8ppmであった。このように、本発明はスケールアップした場合においても、実験室レベルと同様に、再生塩化鉄液中の鉛濃度を10ppm未満とすることができた。
本発明の塩化鉄系廃液の再生方法、及び塩化鉄系廃液の再生装置は、プリント基板等のエッチング液として使用される塩化第二鉄液を繰り返し使用した後のエッチング疲労液、又は塩化鉄系廃液の再生に好適に利用することができる。
1 電解膜
2 陰極
3 陰極室
4 陽極
5 陽極室
6 排出孔
10 電解槽
50 フィルタープレス型電解槽
20 液回収槽
30 液循環槽
100 塩化鉄系廃液の再生装置

Claims (14)

  1. 電解膜を介して陰極を配置した陰極室と陽極を配置した陽極室とに仕切られた電解槽を用いて行う塩化鉄系廃液の再生方法であって、
    前記陰極室と別に設けた液回収槽との間で鉛を含有する塩化鉄系廃液を循環させる循環工程と、
    前記陰極室において、1.11A/dm以下の電流密度で前記塩化鉄系廃液を電解処理して前記鉛を析出させる電解工程と、
    前記陰極室に析出した前記鉛を除去する鉛除去工程と、
    前記鉛を除去して得られた再生塩化鉄液を、前記液回収槽又は前記陰極室から回収する回収工程と、
    を包含する塩化鉄系廃液の再生方法。
  2. 前記電解工程の前に、前記塩化鉄系廃液に鉄を溶解させる鉄溶解工程を実行する請求項1に記載の塩化鉄系廃液の再生方法。
  3. 前記陽極室と別に設けた液循環槽との間で塩化第一鉄液を循環させる請求項1又は2に記載の塩化鉄系廃液の再生方法。
  4. 前記回収工程の後、前記陰極室に塩化第二鉄液を導入し、前記陰極室の内部に残存する鉛及び鉄を前記塩化第二鉄に溶解させて前記陰極室をクリーニングするクリーニング工程を実行する請求項1〜3の何れか一項に記載の塩化鉄系廃液の再生方法。
  5. 前記電解膜として中性膜を使用する請求項1〜4の何れか一項に記載の塩化鉄系廃液の再生方法。
  6. 前記陰極と前記電解膜との離間距離が15mm以上に設定されている請求項1〜5の何れか一項に記載の塩化鉄系廃液の再生方法。
  7. 前記陰極室の下方に、析出した前記鉛を排出するための排出孔が設けられている請求項1〜6の何れか一項に記載の塩化鉄系廃液の再生方法。
  8. 前記再生塩化鉄液を塩素で酸化して再生塩化第二鉄液とする酸化工程を実行する請求項1〜7の何れか一項に記載の塩化鉄系廃液の再生方法。
  9. 前記電解槽を複数並列配置して構成したフィルタープレス型電解槽を使用する請求項1〜8の何れか一項に記載の塩化鉄系廃液の再生方法。
  10. 電解膜を介して陰極を配置した陰極室と陽極を配置した陽極室とに仕切られた電解槽と、
    前記陰極室との間で鉛を含有する塩化鉄系廃液が循環する液回収槽と、
    前記陽極室との間で塩化第一鉄液が循環する液循環槽と、
    を備えた塩化鉄系廃液の再生装置であって、
    前記陰極室において、1.11A/dm以下の電流密度で前記塩化鉄系廃液を電解処理可能に構成されている塩化鉄系廃液の再生装置。
  11. 前記電解膜として中性膜を使用する請求項10に記載の塩化鉄系廃液の再生装置。
  12. 前記陰極と前記電解膜との離間距離が15mm以上に設定されている請求項10又は11に記載の塩化鉄系廃液の再生装置。
  13. 前記陰極室の下方に、析出した前記鉛を排出するための排出孔が設けられている請求項10〜12の何れか一項に記載の塩化鉄系廃液の再生装置。
  14. 前記電解槽は、当該電解槽を複数並列配置して構成したフィルタープレス型電解槽とされている請求項10〜13の何れか一項に記載の塩化鉄系廃液の再生装置。
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