JP2827287B2 - 水溶性薬物含有徐放型マイクロカプセル - Google Patents

水溶性薬物含有徐放型マイクロカプセル

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JP2827287B2 JP1158549A JP15854989A JP2827287B2 JP 2827287 B2 JP2827287 B2 JP 2827287B2 JP 1158549 A JP1158549 A JP 1158549A JP 15854989 A JP15854989 A JP 15854989A JP 2827287 B2 JP2827287 B2 JP 2827287B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は水溶性薬物を含有する徐放型マイクロカプセ
ルに関する。
従来の技術 長期間の投与を必要とする薬物については、種々の剤
型が提唱されている。その中でも、特開昭57-118512号
公報には、鉱物油、植物油などのコアセルベーション剤
を用いた相分離法によるマイクロカプセル化が開示され
ている。しかし、このような方法で得られたマイクロカ
プセルは製造の過程で粒子同志の粘着による合一、割断
面の生成などが起こり易く、再分散性の低下、初期バー
ストの増大につながる。特に内包する薬物が水溶性の場
合、初期のバーストは防止し難い。
特開昭60-100516号公報には、水中乾燥法によるマイ
クロカプセルの調製法が開示されており、これらの方法
によると、内水相粘度を上げることにより、あるいは薬
物保持物質の添加によりW/Oエマルションの粘性を増大
させることにより、または添加する薬物との相互作用に
よって、マイクロカプセル中に薬物を効率よく取り込ま
せることができる。
発明が解決しようとする課題 マイクロカプセル剤として薬物を生体に投与する場
合、生体本来の機能との相互作用に依存する要素が高い
マイクロカプセル剤に対する要望は多面的であり、また
こと医薬品に関するものであるので、これら多面的な要
件をできるだけ満足しうるマイクロカプセルの提供が求
められている。
上記状況下、公知のマイクロカプセル剤によっては、
いつも満足しうる効果が技術的に達成されているとはい
い難い。
例えば、大多数の水溶性低分子薬物およびある種の水
溶性高分子薬物において、封入された薬物が初期に必要
以上に大量に放出され、一定速度の放出から大きく離れ
ることがあり、医薬品としての実用上困難を生じる場合
がある。
課題を解決するための手段 このような事情に鑑み、本発明者らは、さらに広範囲
の水溶性薬物の徐放性製剤を開発するため、鋭意研究を
行い、塩基性の薬物保持物質を加えることにより、効率
よく、初期バーストの少ない優れた性質を有するマイク
ロカプセルを得ることができることを見いだし、これに
基づいてさらに研究した結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、水溶性薬物およびアルギニン、リ
ジン、ヒスチジン、L−Ala−L−His−L−Lys、L−A
rg−L−Phe、Gly−L−His、Gly−L−His−Gly、Gly
−L−His−L−Lys、L−His−Gly、L−His−Leu、L
−His−L−Val、L−Lys−L−Tyr−L−Lys、L−His
−L−Val、L−Lys−L−Lys−L−Lys、N−メチルグ
ルカミンおよびジエタノールアミンから成る群から選ば
れる薬物保持物質の1種または2種以上を含み、高分子
重合物を壁物質とする水溶性薬物の徐放型マイクロカプ
セルを提供するものである。
本発明で用いられる水溶性薬物とは、親水性が強く、
油水分配率の小さいものが挙げられる。油水分配率の小
さいものとは、たとえばオクタノール/水間の油水分配
率が0.1以下のものをいう。
該水溶性薬物としては、特に限定されないが、生理活
性を有するポリペプチド、その他の抗生物質、抗腫瘍
剤、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、鎮咳去たん剤、鎮静剤、
筋弛緩剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレ
ルギー剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧利
尿剤、糖尿病治療剤、抗凝血剤、止血剤、抗結核剤、ホ
ルモン剤、麻薬拮抗剤などが挙げられる。
上記生理活性ポリペプチドとしては、2個以上のペプ
チドによって構成されるもので、分子量約200〜100,000
のものが好ましい。
該ペプチドの具体例としては、たとえば黄体形成ホル
モン放出ホルモン(LH-RH)およびその誘導体[米国特
許第3,853,837、同第4,008,209、同第3,972,859、同第
4,234,571、英国特許第1,423,083、プロシーディングス
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)第78巻、第6509〜651
2頁(1981年)参照]。LH-RH拮抗物質(米国特許第4,08
6,219号、同第4,124,577号、同第4,253,997号、同第4,3
17,815号参照)、インスリン、ソマトスタチン、ソマト
スタチン誘導体(米国特許第4,087,390号、同第4,093,5
74号、同第4,100,117号、同第4,253,998号参照)、成長
ホルモン、ソマトメジン、プロラクチン、副腎皮質刺激
ホルモン(ACTH)、メラノサイト刺激ホルモン(MS
H)、甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)その塩および
その誘導体(特開昭50−121273号、特開昭52−116465号
公報参照)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホ
ルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、バソプレシ
ン、バソプレシン誘導体(デスモプレシン[アクタ・メ
ディカ・スカンディナビカ(Acta.Med.Scand.),第192
巻,21〜27頁(1972)/参照)、オキシトシン、カルシ
トニン、副甲状腺ホルモン、グルカゴン、ガストリン、
バソアクティブインテスチナルペプタイド(VIP)、リ
ポコルチン、バソコルチン、心房性ナトリウム利尿ホル
モン(ANP)、セクレチン、パンクレオザイミン、コレ
シストキニン、アンジオテンシン、ヒト胎盤ラクトーゲ
ン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、エンケファリ
ン、エンケファリン誘導体[ヨーロッパ特許出願公開第
31567号公報参照]、エンドルフィン、キョウトルフィ
ン、インターフェロン(α型、β型、γ型)、インター
ロイキン(I、II、III、IV,V,VI)、タフトシン、サイ
モポイエチン、サイモシン、サイモスチムリン、胸腺液
性困子(THF)、血中胸腺困子(FTS)、およびその誘導
体(米国特許第4,229,438号参照)、およびその他の胸
腺困子[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.),第78巻,1162〜1166頁(1981)]、腫瘍壊死
因子(TNF)、コロニー誘発因子(CSF)、モチリン、デ
イノルフィン、ボムベシン、ニュウロテンシン、セルレ
イン、ブラディキシン、ウロキナーゼ、アスパラギナー
ゼ、カリクレイン、サブスタンスP、神経成長因子、血
液凝固因子の第VIII因子、第IX因子、塩化リゾチーム、
ポリミキシンB、コリスチン、グラミシジン、バシドラ
シンなどが挙げられる。
上記の抗生物質としては、たとえばゲンタマイシン、
ジベカシン、カネンドマイシン、リピドマイシン、トブ
ラマイシン、アミカシン、フラジオマイシン、塩酸テト
ラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、ロリテト
ラサイクリン、塩酸ドキシサイクリン、アンピシリン、
ピペラシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロ
リジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシ
ム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、
セフォベラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム、チ
エナマイシン、スルファゼシン、アズスレオナムなどが
挙げられる。
上記の抗腫瘍剤としては塩酸ブレオマイシン、メソト
レキセート、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、
硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、塩酸ダウノ
ルビシン、アドリアマイシン、ネオカルチノスタチン、
シトシンアラビノシド、5−フルオロウラシル、テトラ
ヒドロフリル−5−フルオロウラシル、クレスチン、ピ
シバニール、レンチナン、レバミゾール、ベスタチン、
アジメキソン、グリチルリチン、ポリI:C、ポリA:U、ポ
リICLCなどが挙げられる。
上記の解熱、鎮痛、消炎剤としては、サリチル酸ナト
リウム、スルピリン、フルフェナム酸ナトリウム、ジク
ロフェナックナトリウム、インドメタシンナトリウム、
塩酸モルヒネ、塩酸ベチジン、酒石酸レボルファノー
ル、オキシモルフォンなどが、鎮咳去たん剤としては、
塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸ノス
カピン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩
酸アロクラマイド、塩酸クロフェジアノール、塩酸ピコ
ペリダミン、クロベラスチン、塩酸プロトキロール、塩
酸イソプロテレノール、硫酸サルブタモール、硫酸テエ
ルブタリンなどが、鎮静剤としては、塩酸クロルプロマ
ジン、プロクロルベラジン、トリフロベラジン、硫酸ア
トロピン、臭化メチルスコポラミンなどが、筋弛緩剤と
しては、メタンスルホン酸プリジノール、塩化ツボクラ
リン、臭化パンクロニウムなどが、抗てんかん剤として
は、フェニトインナトリウム、エトサクシミド、アセタ
ゾラミドナトリウム、塩酸クロノレジアゼポキシドなど
が、抗潰瘍剤としては、メトクロプロミド、塩酸ヒスチ
ジンなどが、抗うつ剤としては、イミプラミン、クロミ
プラミン、ノキシプチリン、硫酸フェネルジンなどが、
抗アレルギー剤としては、塩酸ジフェンヒドラミン、マ
レイン酸クロルフェニラミン、塩酸トリベレナミン、塩
酸メトジラジン、塩酸クレミゾール、塩酸ジフェニルピ
ラリン、塩酸メトキシフェナミンなどが、強心剤として
は、トランスパイオキソカンファー、テオフィロール、
アミノフィリン、塩酸エチレフリンなどが、不整脈治療
剤としては、塩酸プロプラノール、塩酸アロプレノロー
ル、塩酸ブフェトロール、塩酸オキシプレノロールなど
が、血管拡張剤としては、塩酸オキシフェドリン、塩酸
ジルチアゼム、塩酸トラゾリン、ヘキソベンジン、硫酸
パメタンなどが、降圧利尿剤としては、ヘキサメトニウ
ムプロミド、ペントリニウム、塩酸メカミルアミン、塩
酸エカラジン、塩酸クロニジンなどが、糖尿病治療剤と
しては、グリミジンナトリウム、グリビザイド、塩酸フ
ェンフォルミン、塩酸ブフォルミン、メトフォルミンな
どが、抗凝結剤としては、ヘパリンナトリウム、クエン
酸ナトリウムなどが、止血剤としては、トロンボプラス
チン、トロンビン、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、
アセトメナフトン、ε−アミノカプロン酸、トラネキサ
ム酸、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、アドレノ
クロムモノアミノグアニジンメタンスルホン酸塩など
が、抗結核剤としては、イソニアジド、エタンブトー
ル、パラアミノサリチル酸ナトリウムなどが、ホルモン
剤としては、コハク酸プレドニゾロン、リン酸ナトリウ
ムプレドニゾロン、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、ベ
タメタゾン硫酸ナトリウム、リン酸ヘキセストロール、
酢酸ヘキセストロール、メチマゾールなどが、麻薬拮抗
剤としては、酒石酸レバロルファン、塩酸ナロルフィ
ン、塩酸ナロキソンなどが、それぞれ挙げられる。
本発明の水溶性薬物の液性は、酸性、中性、塩基性の
いずれでもよく、酸性薬物、中性薬物を徐放させる目的
で、または塩基性薬物を低濃度で用いるときに有利に適
用することができる。
とりわけ水溶性薬物として中性または塩基性のポリペ
プチド、例えばLH-RH,TRHもしくはこれらの誘導体の徐
放性製剤とする場合に、本発明が有利に用いられる。
上記水溶性薬物の使用量は、薬物の種類、所望の薬理
効果および効果の持続期間などにより異なる。一般に水
溶性薬物のマイクロカプセルは水中乾燥法又は相分離法
でつくられ、このときの内水相または水相中の薬物中の
濃度としては、約0.01%ないし約90%(W/W)、より好
ましくは0.1%ないし80%(W/W)から選ばれる。
本発明で用いる薬物保持物質としては、内水相でそれ
自身高い粘性を示したり、個体および半個体である必要
はなく、陽電荷を有する塩基性の残基を持つものであれ
ば如何なる有機物質でもよく、用いる量で薬理作用を持
たない、高分子重合体と相互作用を持つ物質をいい、通
常有機塩基である。
これら有機塩基性物質はその相互作用を示す塩基残基
のpKaが8.0以上、好ましくは8.5〜13.0のものをさす。
また、これら有機塩基性物質の水溶液(1.0w/v%)のpH
は7.0以上とりわけ7.5-13.0のものが好ましい。
該薬物保持物質の例としては、塩基性アミノ酸、塩基
性アミノ酸を含むポリペプチド、その他の有機塩基、例
えば糖の塩基性誘導体が挙げられる。
該塩基性アミノ酸の例としては、アルギニン(pK3=1
2.48;pH10.8)、リジン(pK3:10.53;pH10.0)、ヒスチ
ジン(pK3=9.17;pH7.8)およびそれらの誘導体が挙げ
られる。
該塩基性アミノ酸を含むポリペプチドの例としては、
L−Ala−L−His−L−Lys、L−Arg−L−Phe、Gly−
L−His、Gly−L−His−Gly、Gly−L−His−L−Ly
s、L−His−Gly、L−His−Leu、L−His−L−Val、
L−Lys−L−Tyr−L−Lys、L−His−L−Val、L−L
ys−L−Lys−L−Lysなどが挙げられる。なお、アミノ
酸(残基)の表示はIUPAC命名法の略号による。
該有機塩基の例としては、N−メチルグルカミン、ジ
エタノールアミンなどが挙げられる。
これらの化合物の中で、とりわけアルギニン、リジ
ン、ヒスチジンなどの塩基性アミノ酸、N−メチルグル
カミンなどの単糖の塩基性誘導体などが特に好ましい。
これらの化合物は、1種類でもよく、また混合しても
使用され、その使用する量は化合物の種類によって異な
るが、(内)水層中での濃度が約0.1%ないし90%(W/
W)となる量、さらに好ましくは約5.0%ないし75%(W/
W)となる量から選ばれる。
該高分子重合物としては、分子内に酸性残基を有し、
水に難溶または不溶で、生体適合性のある高分子重合物
を示し、その例としてはたとえば、生体内分解型として
ポリ脂肪酸エステル(ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポ
リクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ乳酸カプロラクトンな
ど)、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、ポリ−β
−ヒドロキシ酪酸、ポリアミノ酸(ポリ−γ−ベンジル
−L−グルタミン酸、ポリ−γ−メチル−L−グルタミ
ン酸など)などが挙げられる。さらに、生体適合性を有
するその他の高分子重合物として、ポリアクリル酸、ポ
リメタアクリル酸、アクリル酸とメタアクリル酸との共
重合物、無水マレイン酸系共重合物等が挙げられる。こ
れらの重合物は1種でもよく、また2種以上の共重合
物、あるいは単なる混合物でもよい。
これらの重合物の中で、特に、注射剤として用いる場
合は生体内分解型高分子重合物が好ましく、最も好まし
いものとしては、ポリ乳酸、乳酸とグリコール酸との共
重合物、あるいはその混合物が挙げられる。
本発明に使用されるこれらの高分子重合物の平均分子
量は約1,000ないし800,000のものが好ましく、より好ま
しくは約2,000ないし200,000の範囲から選定される。
上記の高分子重合物として、ポリ乳酸−グリコール酸
を用いる場合、その組成モル比は約100/0ないし40/60が
好ましい。
これら高分子重合物の使用する量は、水溶性薬物の薬
理活性の強さと、薬物放出の速度および期間などによっ
て決まり、たとえば水溶性薬物に対して1/5ないし10,00
0倍(重量比)の量で調製されるが、好ましくは1ない
し1,000倍(重量比)の量の重量物をマイクロカプセル
基剤として用いるのがよい。
油層中の高分子重合物の濃度は、約0.5ないし90%(W
/W)、さらに好ましくは約2ないし60%(W/W)から選
ばれる。
上記高分子重合物を含む溶液(油層)は。高分子重合
物を油層中に溶解したものが用いられる。
該溶媒としては、沸点が約120℃以下で、かつ水と混
和しない性質のもので、高分子重合物を溶解するもので
あればよく、たとえばハロゲン化アルカン(例、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロメタ
ン、トリクロロエタン、四塩化炭素など)、酢酸エチ
ル、エチルエーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、n−
ヘキサン、トルエンなどが挙げられ、これらは2種以上
混合して用いてもよい。
コアセルベーション剤としては、高分子重合物の溶剤
に混和する高分子系、鉱物油系または、植物油系の化合
物で、カプセル化用重合体を溶解しないものであればよ
く、例えば、シリコン油、ゴマ油、大豆油、コーン油、
綿実油、ココナツ油、アマニ油、鉱物油などが挙げられ
る。これらは2種以上混合して用いてもよい。
本発明の徐放型マイクロカプセルは、例えば以下のよ
うな方法によって製造される(水中乾燥法)。すなわち
まず、水に水溶性薬物を前記の濃度になる量を用いて溶
解し、これに薬物保持物質を前記の濃度になる量を加え
て溶解もしくは懸濁し、内水層とする。
これらの内水層中には、水溶性薬物の安定性、溶解性
を保つためのpH調整剤として、炭酸、酢酸、シュウ酸、
酒石酸、コハク酸、リンゴ酸またはそれらのナトリウム
塩あるいはカリウム塩、塩酸、水酸化ナトリウムなどを
添加してもよい、また、さらに水溶性薬物の安定化剤と
して、アルブミン、ゼラチン、クエン酸、エチレンジア
ミン四酢酸ナトリウム、デキストリン、亜硫酸水素ナト
リウムなどを、あるいは保存剤として、パラオキシ安息
香酸エステル類(メチルパラベン、プロピルパラベンな
ど)、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチロ
サールなどを添加してもよい。
このようにして得られた内水層を、高分子重合物を含
む溶液(油層)中に加え、ついで乳化操作を行い、W/O
型乳化物をつくる。
該乳化操作は、公知の分散法が用いられる。該方法と
しては、たとえば、断続振とう法、プロペラ型撹はん機
あるいはタービン型撹はん機などのミキサーによる方
法、コロイドミル法、ホモジナイザー法、超音波照射法
などが挙げられる。
ついで、このようにして調製されたW/O型エマルショ
ンを水中乾燥法あるいは相分離法によりマイクロカプセ
ルを製する。水中乾燥法によりマイクロカプセルを製す
る場合は、該W/Oエマルションをさらに第3層目の水層
中に加え、W/O/W型の3層エマルションを形成させた
後、油層中の溶煤を脱着させ、マイクロカプセルを調製
する。
外層の水層中に乳化剤を加えてもよく、その例として
は、一般に安定なO/W型エマルションを形成するもので
あればいずれでもよいが、たとえば、アニオン界面活性
剤(オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、
ラウリル硫酸ナトリウムなど)、非イオン性界面活性剤
(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル[Twee
n 80、Tween 60、アトラスパウダー社]、ポリオキシエ
チレンヒマシ油誘導体[HCO-60、HCO-50、目光ケミカル
ズ]など)、あるいはポリビニールピロリドン、ポリビ
ニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、レシ
チン、ゼラチンなどが挙げられ、これらの中の1種類
か、いくつかを組み合わせて使用してもよい。使用の際
の濃度は、約0.01%から20%の範囲から適宜、選択で
き、より好ましくは約0.05%から10%の範囲で用いられ
る。
油層の溶媒の脱着は、通常用いられる方法が採用され
る。該方法としては、プロペラ型撹はん機、あるいはマ
グネチックスターラーなどで撹はんしながら徐々に減圧
して行うか、ロータリーエバポレーターなどを用いて、
真空度を調節しながら脱着する。この場合、高分子重合
物の固化がある程度進行し、内水層から薬物の放出によ
る損朱が滅少した時点で、溶媒の脱着をより完全にする
目的で、W/O/W型エマルションを徐々に加温して行うと
所要時間を短縮することができる。
このようにして得られたマイクロカプセルは遠心分離
あるいは濾過して分取した後、マイクロカプセルの表面
に付着している遊離の水溶性薬物、薬物保持物質など
を、蒸留水で数回繰り返し洗浄した後、必要であれば加
温し減圧下でマイクロカプセル中の水分の脱着およびマ
イクロカプセル膜中の溶媒の脱着をより完全に行う。
相分離法によりマイクロカプセルを製する場合は、上
記のコアセルベーション剤を該W/Oエマルションに撹は
ん下徐々に加え、高分子重合物を析出、固化させる。
このようにして得られたマイクロカプセルは、濾過し
て分取した後、ヘプタン等により繰り返し洗浄し、コア
セルベーション剤を除去する。さらに、水中乾燥法と同
様の方法で遊離薬物の除去、溶媒の脱着を行う。洗浄中
の粒子同志の凝集を防ぐために、凝集防止剤を加えても
よい。
本発明の徐放型製剤としては、注封剤、経口投与剤、
経皮剤、経鼻投与剤、直腸、尿道、ちつ座剤などが挙げ
られる。
上記で得られたマイクロカプセルは、必要であれば軽
く粉砕した後、篩過して、大き過ぎるマイクロカプセル
部分を除去する。マイクロカプセルの粒子径は、徐放性
の程度により、懸濁注射剤として使用する場合には、そ
の分散性、通針性を満足させる範囲であればよく、たと
えば、平均径として約0.5〜400μmの範囲が挙げられ、
より好ましくは約2〜200μmの範囲にあることが望ま
れる。
このように、本発明によれば、主薬である水溶性薬物
のマイクロカプセルへのトラップ率を高めることがで
き、初期過剰放出の少ない強固な壁膜を有するマイクロ
カプセルを製造することができる。
また、本発明のマイクロカプセルは、製造工程中でマ
イクロカプセル同志の凝集が少なく、任意の粒子径の、
球形状のよく整ったマイクロカプセルを得ることができ
ること、また、油層中の溶媒の除去工程の制御が容易
で、それによって、薬物放出速度を左右するマイクロカ
プセルの表面構造(たとえば薬物の主な放出経路となる
細孔の数および大きさなど)を調節することができるこ
となど多くの長所を有している。
本発明によって製造されたマイクロカプセルは、その
まま筋肉内、皮下、血管、臓器、あるいは関節腔、腫瘍
などの病巣に容易に注射剤または埋め込み剤として投与
することができる。また、種々の製剤に成形して投与す
ることもでき、そのような製剤を製造する際の原料物質
としても使用され得る。
たとえば、本発明のマイクロカプセルを注射剤とする
には、本発明のマイクロカプセルを分散剤(例、Tween
80、HCO-60、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸
ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロ
ピルパラベンなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、
マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)などと共
に水性懸濁剤とするか、ゴマ油、コーン油などの植物油
と共に分散して油性懸濁剤として実際に使用できる徐放
性注射剤とする。
さらに、上記のマイクロカプセルの徐放性注射剤は、
懸濁剤として、上記の組成以外に、賦形剤(たとえば、
マンニトール、ソルビトール、ラクトース、ブドウ糖な
ど)を加えて、再分散した後、凍結乾燥もしくは噴霧乾
燥して固型化し、使用時に、注射用蒸留水あるいは適当
な分散媒を加えると、より安定した徐放性注射剤が得ら
れる。
本発明の徐放性製剤の投与量は、主薬である水溶性薬
物の種類と含量、剤形、薬物放出の持続時間、投与対象
動物[例、温血哺乳動物(例、マウス、ラット、ウマ、
ウシ、ヒト)]、投与目的により種々異なるが、該主薬
の有効量であればよい。たとえば、上記温血哺乳動物に
1回あたり投与量として、マイクロカプセルの重量が好
ましくは約0.1mgないし100mg/Kg体重、より好ましくは
約0.2mgないし50mg/Kg体重の範囲から適宜選ぶことがで
きる。
このようにして、通常の一回投与量より多い有効量の
水溶性薬物、および生体適合性のある高分子重合物より
なり、初期バーストが少なく長期間にわたって薬物を持
続的に放出させることができるマイクロカプセルとして
調製された医薬品組成物が得られる。
本発明においては、酸性残基を有する高分子が上記の
塩基性残基を有する薬物保持物質とその残基同志の相互
作用によって、強固なマイクロカプセル膜の形成、およ
びマイクロカプセルの比較的表層に近い部における拡散
速度の低下による、トラップ率の向上、不必要な過剰の
初期放出の抑制が得られると考えられる。従って、塩基
性残基を有する薬物保持物質の内、その残基の塩基性が
高い程、また残基の数が多いほど過剰な初期放出が防止
できる。さらに内包する本溶性薬物が塩基性残基を有す
る場合、あるいはプロドラッグとして上記水溶性薬物に
あらかじめ塩基性残基を反応付加することによって、そ
れ自身が保持物質となり得るため、同様の優れたマイク
ロカプセルを製造することができる。
本発明により製造された徐放性製剤は、たとえば次の
特徴を有する。
(1) 種々の投与剤形で水溶性薬物の良好な徐放性が
得られ、特に注射剤においては期待される治療を行うの
に、長期間投与が必要な場合、毎目投与するかわりに、
一週間に一回、一月間に一回、あるいは一年間に一回の
注射で、所望の薬理効果が安定して得られ、従来の徐放
性製剤に比較して、より長期にわたる安定な徐放性が得
られる。
(2) 生体内分解型高分子重合物を用い注射剤として
投与する場合、埋め込みなどの外科手術がいっさい不用
で、一般の懸濁注射剤と全く同様に容易に皮下、筋肉
内、臓器および病巣に投与でき、再び取り出す必要がな
い。
(3) 従来のW/O/W型エマルションをつくり、これを
水中乾燥に付す製造法よりも、マイクロカプセル中に主
薬である水溶性薬物を効率よく取り込ませることがで
き、しかも、微細な、球状の整ったマイクロカプセルを
得ることができる。
(4) 従来のW/O/W型エマルションを調製しこれを水
中乾燥に付す製造法あるいは相分離による製造法よりも
必要以上な初期放出を減少させたマイクロカプセルが得
られ、より一定速度の安全な優れた徐放性製剤となり得
る。
実施例 以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明
する。
実施例1 TRH(遊離体)2mgを水0.05mlに溶解し、薬物保持物質
としてN−メチルグルカミンを30または50mg加えて溶解
あるいは懸濁し、乳酸・グリコール酸共重合物(乳酸/
グリコール酸:75/25、重量平均分子量14,000、以下PLGA
と略称)1gをジクロロメタン1.6gに溶解した液に加え、
小型ホモジナイザー(ポリトロンキネマチカ社製、スイ
ス)で30から60秒間混合し、W/O型エマルションを得
た。このエマルションを0.1%ポリビニールアルコール
(PVA)水溶液100ml中に注入し小型ホモジナイザーを使
用してW/O/W型エマルションとした。 この後、W/O/W型
エマルション液を撹はんしながらジクロロメタンの揮散
によって内部のW/O型エマルションを固化させた後、遠
心分離機で捕集した。これを再び蒸留水に分散し、さら
に遠心分離を行い遊離薬物、遊離薬物保持物質等を洗浄
した。
捕集されたマイクロカプセルは凍結乾燥によって脱溶
媒および脱水をより完全とした後、粉末として得られ
た。
上記の方法で、TRHを仕込んだマイクロカプセルおよ
び比較のため製造したN−メチルグルカミンを含まない
マイクロカプセルの薬物トラップ率(仕込み量に対して
実際に取り込まれた量の%)、および37℃で、pH7.0リ
ン酸緩衝液中で行ったin vitro溶出試験の中で、1日後
のマイクロカプセル中に残存する量を測定し表−1に示
す。
N−メチルグルカミンを添加していない時は、塩基性
のTRHを薬物に選んだことでマイクロカプセル中への薬
物トラップ率は高いが、1日後の残存量は32.7%とな
り、67.3%のTRHが放出された。これに対し、3および
5%のN−メチルグルカミンを添加した場合は、1日後
の放出(初期放出)が、添加濃度に依存して次第に減少
し、より良好なマイクロカプセルを調製することができ
た。
実施例2 水溶性薬物に換え、マーカーとして汎用されているフ
ェノールレッドを用いた。
フェノールレッド2mgを水0.05mlに溶解し、薬物保持
物質としてアルギニンを30または50mg加えて溶解あるい
は懸濁し、以下、実施例1と同様にして、フェノールレ
ッドを含有するマイクロカプセルが得られた。
得られたマイクロカプセルのトラップ率、初期バース
トおよび1、2、4週後の残存率を表−2、3に示す。
アルギニンを添加したマイクロカプセルは、その添加
濃度に依存して次第にトラップ率が増加し、1日後の残
存率は顕著に増大した。このアルギニンを3または5%
添加したフェノールレッドのマイクロカプセルは、低い
初期放出の後、4週以上の長期にわたり、0次に近い良
好な放出性を示した。
実施例3 TRH 2mgを水0.05mlに溶解し、薬物保持物質としてヒ
スチジンを10,50,90または150mg加えて懸濁し、以下、
実施例1と同様にして、TRHを含有するマイクロカプセ
ルが得られた。
得られたマイクロカプセルの初期バーストを表−4に
示す。
1日後の初期放出はヒスチジンの添加に従って著明に
減少し、5ないし15%のヒスチジンを添加した場合、良
好な放出性を有するマイクロカプセルを調製することが
できた。
実施例4 メソトレキセイト 2mgを水0.1mlに溶解し、薬物保持
物質としてリジンを20または30mg加えて溶解し、以下、
実施例1と同様にして、メソトレキセイトを含有するマ
イクロカプセルが得られた。
得られたマイクロカプセルの初期バーストを表−5に
示す。
1日後の初期放出はリジンの添加に従って著明に減少
し、2および3%のリジンを添加した場合、良好な放出
性を有するマイクロカプセルを調製することができた。
実施例5 5−フルオロウラシル 2mgを水0.1mlに溶解し、薬物
保持物質としてリジンを20または30mg加えて溶解し、以
下、実施例1と同様にして、5−フルオロウラシルを含
有するマイクロカプセルが得られた。
得られたマイクロカプセルの初期バーストを表6に示
す。
1日後の初期放出はリジンの添加に従って著明に減少
し、2および3%のリジンを添加した場合、良好な放出
性を有するマイクロカプセルを調製することができた。
実施例6 塩酸ブレオマイシン 2mgを水0.1mlに溶解し、薬物保
持物質としてリジンを20または30mg加えて溶解し、以
下、実施例1と同様にして、塩酸ブレオマイシンを含有
するマイクロカプセルが得られた。
得られたマイクロカプセルの初期バーストを表−7に
示す。
1日後の初期放出はリジンの添加に従って著明に減少
し、2および3%のリジンを添加した場合、良好な放出
性を有するマイクロカプセルを調製することができた。
実施例7 メソトレキセイト 10mgを水0.1mlに溶解し、薬物保
持物質としてL−Lys−L−Lys−L−Lysを20または30m
g加えて加温溶解し、以下、実施例1と同様にして、メ
ソトレキセイトを含有するマイクロカプセルが得られ
た。
得られたマイクロカプセルの初期バーストを表−8に
示す。
発明の効果 本発明の水溶性薬物含有徐放型マイクロカプセルは、
製造時の薬物取り込み率(トラップ率)が高い上に、初
期放出が少なく、安全に投与できまた持続的で安定な徐
放効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/50,9/52 A61K 47/16,47/18,47/30 - 47/42

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性薬物およびアルギニン、リジン、ヒ
    スチジン、L−Ala−L−His−L−Lys、L−Arg−L−
    Phe、Gly−L−His、Gly−L−His−Gly、Gly−L−His
    −L−Lys、L−His−Gly、L−His−Leu、L−His−L
    −Val、L−Lys−L−Tyr−L−Lys、L−His−L−Va
    l、L−Lys−L−Lys−L−Lys、N−メチルグルカミン
    およびジエタノールアミンから成る群から選ばれる薬物
    保持物質の1種または2種以上を含み、高分子重合物を
    壁物質とする水溶性薬物の徐放型マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】薬物保持物質が、アルギニン、リジン、ヒ
    スチジン、L−Ala−L−His−L−Lys、L−Arg−L−
    Phe、Gly−L−His、Gly−L−His−Gly、Gly−L−His
    −L−Lys、L−His−Gly、L−His−Leu、L−His−L
    −Val、L−Lys−L−Tyr−L−Lys、L−His−L−Val
    またはL−Lys−L−Lys−L−Lysである請求項1記載
    のマイクロカプセル。
  3. 【請求項3】薬物保持物質が、アルギニン、リジン、ヒ
    スチジンまたはN−メチルグルカミンである請求項1記
    載のマイクロカプセル。
  4. 【請求項4】薬物保持物質が、アルギニン、リジンまた
    はヒスチジンである請求項1記載のマイクロカプセル。
  5. 【請求項5】水溶性薬物が、生理活性ポリペプチドまた
    は抗腫瘍剤である請求項1記載のマイクロカプセル。
  6. 【請求項6】高分子重合物が、生体適合性高分子重合物
    である請求項1記載のマイクロカプセル。
  7. 【請求項7】生体適合性高分子重合物が、生体内分解型
    高分子重合物である請求項6記載のマイクロカプセル。
  8. 【請求項8】生体適合性高分子重合物が、ポリ乳酸、乳
    酸とグリコール酸との共重合物またはその混合物である
    請求項6記載のマイクロカプセル。
  9. 【請求項9】高分子重合物が、水溶性薬物に対して1/5
    ないし10000倍(重量比)の量用いられる請求項1記載
    のマイクロカプセル。
  10. 【請求項10】水に、水溶性薬物を溶解し、これにアル
    ギニン、リジン、ヒスチジン、L−Ala−L−His−L−
    Lys、L−Arg−L−Phe、Gly−L−His、Gly−L−His
    −Gly、Gly−L−His−L−Lys、L−His−Gly、L−Hi
    s−Leu、L−His−L−Val、L−Lys−L−Tyr−L−Ly
    s、L−His−L−Val、L−Lys−L−Lys−L−Lys、N
    −メチルグルカミンおよびジエタノールアミンから成る
    群から選ばれる薬物保持物質の1種または2種以上を溶
    解もしくは懸濁して、内水層を形成し、得られた内水層
    を高分子重合物を含む油層中に加えて乳化させることに
    よりW/O型エマルションをつくり、ついで i) 該W/O型エマルションを、第3層目の水層中に加
    え、W/O/W型3層エマルションを形成させた後、油層中
    の溶媒を脱着させるか、あるいは ii) コアセルベーション剤を、該W/O型エマルション
    に攪はん下加え、高分子重合物を析出、固化させ、この
    ようにして得られるマイクロカプセルを濾過、洗浄した
    後、コアセルベーション剤を除去し、溶媒を脱着させる ことを特徴とする、請求項1記載のマイクロカプセルの
    製造方法。
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