JP2824876B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2824876B2 JP3240230A JP24023091A JP2824876B2 JP 2824876 B2 JP2824876 B2 JP 2824876B2 JP 3240230 A JP3240230 A JP 3240230A JP 24023091 A JP24023091 A JP 24023091A JP 2824876 B2 JP2824876 B2 JP 2824876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関するもので、更に詳しくは、高照度短時間露光
において、現像液組成が変動した時の感度変化が小さ
く、感材の経時安定性が大で、かつ迅速処理が可能なハ
ロゲン化銀写真感光材料およびその処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年印刷製版分野ではスキャナー方式が
広く用いられている。スキャナー方式による画像形成方
法を実用した記録装置は種々のものがあり、これらのス
キャナー方式記録装置の記録用光源には、グローラン
プ、キセノンランプ、タングステンランプ、LED、あ
るいはHe−Neレーザー、アルゴンレーザー及び半導
体レーザーなどがある。これらのスキャナーに使用され
る感光材料には種々の特性が要求されるが、特に10-3
〜10-8秒という短時間露光で露光されるためこのよう
な条件下でも、高感度かつ高コントラストであることが
必須条件となる。ところが、高照度短時間で露光された
ハロゲン化銀乳剤は現像進行が遅く、処理液の組成が変
動した時及び現像温度や時間が変動した時に感度の変動
が大きくなるという特徴を有している。更に近年は、印
刷業界においても作業の効率化、スピードアップは強く
望まれており、スキャニングの高速化及び感光材料の処
理時間の短縮化に対する広範囲なニーズが存在してい
る。これら印刷分野のニーズに答えるために、露光機
(スキャナー、プロッター)においてはスキャニングの
高速化、および高画質化のための線数増加やビームのし
ぼり込みが望まれており、ハロゲン化銀写真感光材料に
おいては、高感度で安定性に優れ、かつ迅速に現像処理
出来ることが望まれている。ここでいう迅速現像処理と
はフィルムの先端を自動現像機に挿入してから、現像
槽、渡り部分、定着槽、渡り部分、水洗槽、乾燥部分を
通過してフィルムの先端が乾燥部から出てきた時間が1
5〜60秒である処理を言う。ところでテルル化合物を
使って化学増感することについては、CA−80095
8、GB−1295462、GB−1396696、U
S−3531289などに記載されており、乳剤の高感
度化に効果があること、特にUS−3531289にお
いては有機チオエーテル化合物とロジウム塩の存在下で
調製したAgBrCl及びAgCl乳剤をテルル化合物
で化学増感することが記載されている。またUS−37
72031には粒子形成時にテルル化合物をドープする
ことが記載されている。がしかしこれらの方法により確
かに感度上昇は得られるが、現像液は感材を処理するこ
とにより、又空気中の酸素により酸化を受けて疲労しや
すくFresh 液と同じ液組成を保つことは大変難しい。そ
れ故に感材としては、現像液のFresh液と疲労液で処理
したときの感度差が出来るだけ小さいことが望ましく、
特に迅速処理においては必然的に現像時間が短くなるの
で、液組成依存性をより受けやすくなり感材の体質を強
くすることが望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、迅速処理時においても現像液組成が変動した時の
感材の感度変動を小さくして、出力機で出力した時の線
巾及び濃度の振れをなくしより安定なシステムを提供す
ることにある。さらには感材の経時での感度の変化をも
小さくしてより安定な感材−処理液−自現機システムを
提供することにあり、さらには処理剤の補充量を下げて
も(従来システムの1/2)安定で高画質なシステムと
し、地球環境を廃液で汚さないシステムを提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
の同一面上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤
層と少なくとも1層の保護層からなるハロゲン化銀写真
感光材料において、該感光性ハロゲン化銀乳剤がハロゲ
ン化銀1モル当たり10−5モル以下のイリジウム化合
物を含み、かつイオウ増感又はセレン増感に加えてテル
ル増感剤により増感されており、更に該ハロゲン化銀乳
剤層側のゼラチン塗布総量を2.5g/m以下にする
ことにより達成しうる。 また保護層のゼラチン塗布量
が0.5g/m以下及び/又は感光性ハロゲン化銀乳
剤層側の膨潤率を60%〜150%の範囲内に保つこと
で上記課題をより満足させることができる。更には、ポ
リヒドロキシベンゼン化合物を少なくとも1種含有させ
ることにより液組成依存性、経時安定性とも一段と向上
させることが出来た。ここでいう膨潤率とは(イ)ハロ
ゲン化銀写真感光材料における親水性コロイド層の厚み
を測定し、(ロ)該ハロゲン化銀写真感光材料を、25
℃の蒸留水に1分間浸漬し、工程(イ)で測定した層の
厚みと比較して層の厚みの変化の百分率を測定すること
によって測定する。即ち、膨潤率は(ロ)の値(μm)
を(イ)の値(μm)で徐して100倍した値(%)で
ある。
【0005】次に本発明の具体的構成について詳細に説
明する。本発明に係わるハロゲン化銀写真乳剤はハロゲ
ン化銀として、塩化銀、塩臭化銀もしくは塩沃臭化銀を
含有する。この時塩化銀は30モル%以上、より好まし
くは60モル%以上含有する。また沃化銀含有率は5モ
ル%以下、さらに好ましくは2モル%以下が良い。ハロ
ゲン化銀粒子の形状は、立方体、十四面体、八面体、不
定型、板状いずれでも良いが立方体もしくは板状が好ま
しい。ハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.01μm〜1
μmが好ましいが、より好ましくは0.4μm以下であ
り、{(粒径の標準変差)/(平均粒径)}×100で
表わされる変動係数が15%以下、より好ましくは10
%以下の粒径分布の狭いものが好ましい。ハロゲン化銀
粒子は内部と表層が均一な相から成っていても、異なる
相からなっていてもよい。
【0006】本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafki
des 著 Chimie et Physique Photographique(Paul Mont
el社刊、1967年)、G. F. Duffin著 Photographic
Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966
年)、V. L. Zelikman et al著 Making and Coating Ph
otographic Emulsion(The Focal Press 刊、1964
年)などに記載された方法を用いて調製することができ
る。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれで
もよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる
形成としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合
せなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の
下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用い
ることもできる。同時混合法の一つの形式としてハロゲ
ン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、
即ち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用
いることもできる。この方法によると、結晶形が規則的
で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られ
る。
【0007】また、粒子サイズを均一にするためには、
英国特許1,535,016号、特公昭48−3689
0、同52−16364号に記載されているように、硝
酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に
応じて変化させる方法や、英国特許4,242,445
号、特開昭55−158124号に記載されているよう
に水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度
を越えない範囲において早く成長させることが好まし
い。本発明のハロゲン化銀乳剤の粒子形成は、四置換チ
オ尿素、有機チオエーテル化合物の如きハロゲン化銀溶
剤の存在下で行うことが好ましい。本発明で用いられる
好ましい四置換チオ尿素ハロゲン化銀溶剤は、特開昭5
3−82408、同55−77737などに記載された
次の一般式(II)で表わされる化合物である。
【0008】
【化2】
【0009】本発明に用いることの出来る化合物の例と
して次の化合物があげられる。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】本発明に好ましく用いられる有機チオエー
テルハロゲン化銀溶剤は例えば特公昭47−11386
号(米国特許3,574,628号)等に記載された酸
素原子と硫黄原子がエチレンによりへだてられている基
(例えば−O−CH2 CH2 −S−)を少なくとも1つ
含む化合物、特開昭54−155828号(米国特許
4,276,374号)に記載された両端にアルキル基
(このアルキル基は各々ヒドロキシ、アミノ、カルボキ
シ、アミド又はスルホンの中から選ばれる少なくとも2
個の置換基を有する)を持つ鎖状のチオエーテル化合物
である。具体的には次のような例を挙げることができ
る。
【0014】
【化6】
【0015】ハロゲン化銀溶剤の添加量は、用いる化合
物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成な
どにより異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5
10-2モルが好ましい。ハロゲン化銀溶剤の使用により
目的以上の粒子サイズになる場合は粒子形成時の温度、
銀塩溶液、ハロゲン塩溶液の添加時間などを変えること
により所望の粒子サイズにすることができる。
【0016】本発明に用いられるイリジウム化合物とし
て、水溶性イリジウム化合物を用いることができる。例
えば、ハロゲン化イリジウム(III)化合物、またハロゲ
ン化イリジウム(IV) 化合物、またイリジウム錯塩で配
位子としてハロゲン、アミン類、オキザラト等を持つも
の、例えばヘキサクロロイリジウム(III)あるいは(I
V)錯塩、ヘキサアンミンイリジウム(III)あるいは(I
V)錯塩、トリオキザラトイリジウム(III)あるいは(I
V)錯塩などが挙げられる。本発明においては、これら
の化合物の中からIII 価のものとIV価のものを任意に組
合せて用いることができる。これらのイリジウム化合物
は水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、イリ
ジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行
われる方法、即ちハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、
臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例え
ばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する
方法を用いることができる。水溶性イリジウムを用いる
代わりに、ハロゲン化銀粒子調製時にあらかじめイリジ
ウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して
溶解させることも可能である。本発明に係わるイリジウ
ム化合物の全添加量は、最終的に形成されるハロゲン化
銀1モル当たり1×10-8〜1×10-6モルが適当であ
り、好ましくは5×10-8〜1×10-6モルである。こ
れらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤の製造時及
び、乳剤を塗布する前の各段階において適宜行なうこと
ができるが、特に、粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀
粒子中に組み込まれることが好ましい。具体的化合物と
しては、塩化第1イリジウム(III)、臭化第1イリジウ
ム(III)、塩化第2イリジウム(IV)、ヘキサクロロイ
リジウム(III)酸ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム
(III)塩、ヘキサアミンイリジウム(IV)塩、トリオキ
ザラトイリジウム(III)塩、トリオキザラトイリジウム
(IV)塩、などのハロゲンアミン類、オキザラト錯塩類
が好ましい。
【0017】本発明に用いられる鉄化合物は2価または
3価の鉄イオン含有化合物で、好ましくは本発明で用い
られる濃度範囲で水溶性をもつ鉄塩や鉄錯塩である。具
体的には ヒ酸第一鉄 臭化第一鉄 炭酸第一鉄 塩化第一鉄 クエン酸第一鉄 フッ化第一鉄 ぎ酸第一鉄 グルコン酸第一鉄 水酸化第一鉄 よう化第一鉄 乳酸第一鉄 しゅう酸第一鉄 リン酸第一鉄 こはく酸第一鉄 硫酸第一鉄 チオシアン酸第一鉄 硝酸第一鉄 硝酸第一鉄アンモニウム 塩基性酢酸第二鉄 アルブミン酸第二鉄 酢酸第二鉄アンモニウム 臭化第二鉄 塩化第二鉄 クロル酸第二鉄 クエン酸第二鉄 フッ化第二鉄 ぎ酸第二鉄 グリセロ・リン酸第二鉄 水酸化第二鉄 酸性リン酸第二鉄 硝酸第二鉄 リン酸第二鉄 ピロリン酸第二鉄 ピロリン酸第二鉄ナトリウム チオシアン化第二鉄 硫酸第二鉄 硫酸第二鉄アンモニウム 硫酸第二鉄グアニジン クエン酸第二鉄アンモニウム ヘキサンシアノ鉄(II)酸カリウム ベンタシアノアンミン第一鉄カリウム エチレンジニトリロ四酢酸第二鉄ナトリウム ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム 塩化トリス(ジピリジル)第二鉄 ベンタシアノニトロシル第二鉄カリウム 塩化ヘキサレア第二鉄 特にヘキサシアノ鉄(II)酸塩、ヘキサシアノ鉄(III)
酸塩、チオシアン酸第一鉄塩やチオシアン酸第二鉄塩が
顕著な効果を表す。
【0018】本発明に用いられる、レニウム、ルテニウ
ム、オスミウム化合物はヨーロッパ公開特許(EP)0
336689A号、同0336427A1号、同033
6425A1号、同0336426A1号に記載された
六座配位錯体が好ましく、特にシアニド配位子を少なく
とも4個以上含むものが好ましい。好ましい態様におい
てはこれらの化合物は次のような式によって表わすこと
ができる。 〔M(Cn)6−yy n ここに、Mはレニウム、ルテニウム、オスミウムであ
り、Lは架橋配位子であり、yは整数0、1、又は2で
あり、そしてnは−2、−3又は−4である。具体例と
しては 〔Re(CN)5-4 〔Ru(CN)5-4 〔Os(CN)5-4 〔ReF(CN)5-4 〔RuF(CN)5-4 〔OsF(CN)5-4 〔ReCl(CN)5-4 〔RuCl(CN)5-4 〔OsCl(CN)5-4 〔ReBr(CN)5-4 〔RuBr(CN)5-4 〔OsBr(CN)5-4 〔ReI(CN)5-4 〔RuI(CN)5-4 〔OsI(CN)5-4 〔ReF2 (CN)4-4 〔RuF2 (CN)5-4 〔OsF2 (CN)5-4 〔ReCl2 (CN)4-4 〔RuCl2 (CN)4-4 〔OsCl2 (CN)4-4 〔RuBr2 (CN)4-4 〔OsBr2 (CN)4-4 〔ReBr2 (CN)4-4 〔RuI2 (CN)4-4 〔OsI2 (CN)5-4 〔Ru(CN)5(OCN)〕-4 〔Os(CN)5(OCN)〕-4 〔Ru(CN)5(SCN)〕-4 〔Os(CN)5(SCN)〕-4 〔Ru(CN)5(N3)〕-4 〔Os(CN)5(N3)〕-4 〔Ru(CN)5(H2 O)〕-3 〔Os(CN)5(H2 O)〕-3 が挙げられる。
【0019】上記の鉄、レニウム、ルテニウム、オスミ
ウム化合物は、ハロゲン化銀粒子形成中に添加すること
が好ましい。添加位置としては、粒子中に均一に分布さ
せても、また粒子形成の初期、中期、後期に局在化させ
ても良いが、粒子形成の後期、すなわち最終粒子径の5
0%、より好ましくは80%が形成された後に添加する
ことが好ましい。添加量は銀1モルに対し10-3モル以
下であるが、好ましくは10-6〜10-4モルである。本
発明においては第VIII族に含まれる他の金属、すなわち
コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金など
を併用しても良い。特に塩化ロジウム、ヘキサクロロジ
ウム(III)酸アンモニウムのごときロジウム塩との併用
は硬調な乳剤が得られ有利である。
【0020】本発明で用いられるテルル増感剤として
は、米国特許第1,623,499号、同3,320,
069号、同3,772,031号、英国特許第23
5,211号、同1,121,496号、同1,29
5,462号、同1,396,696号、カナダ特許第
800,958号、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサ
イアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.S
oc.Chem.Commun.) 635(1980)、ibid 1102(1979) 、ibid
645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアテ
ィー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perki
n Trans.)1,2191(198)等に記載の化合物を用いることが
好ましい。
【0021】具体的なテルル増感剤としては、コロイド
状テルル、テルロ尿素類(例えばアリルテロル尿素、
N,N−ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿
素、N−カルボキシエチル−N′,N′−ジメチルテル
ロ尿素、N,N′−ジメチルエチレンテルロ尿素、N、
N′−ジフェニルエチレンテルロ尿素)、イソテルロシ
アナート類(例えばアリルイソテルロシアナート)、テ
ルロケトン類(例えばテルロアセトン、テルロアセトフ
ェノン)、テルロアミド類(例えばテルロアセトアミ
ド、N,N−ジメチルテルロベンズアミド)、テルロヒ
ドラジド(例えばN,N′,N′−トリメチルテルロベ
ンズヒドラジド)、テルロエステル(例えばt−ブチル
−t−ヘキシルテルロエステル)、ホスフィンテルリド
類(例えばトリブチルホスフィンテルリド、トリシクロ
ヘキシルホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフ
ィンテルリド、ブチル−ジイソプロピルホスフィンテル
リド、ジブチルフェニルホスフィンテルリド)、他のテ
ルル化合物(例えば英国特許第1,295,462号記
載の負電荷のテルライドイオン含有ゼラチン、ポタシウ
ムテルリド、ポタシウムテルロシアナート、テルロペン
タチオネートナトリウム塩、アリルテルロシアネート)
等があげられる。
【0022】これらのテルル化合物のうち、好ましくは
以下の一般式(III)および(IV)があげられる。
【0023】
【化7】
【0024】式中、R11、R12およびR13は脂肪族基、
芳香族基、複素環基、OR14、NR15(R16)、S
17、OSiR18(R19)(R20)、Xまたは水素原子
を表す。R14およびR17は脂肪族基、芳香族基、複素環
基、水素原子またはカチオンを表し、R15およびR16
脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原子を表し、
18、R19およびR20は脂肪族基を表し、Xはハロゲン
原子を表す。
【0025】次に一般式(III)について、詳細に説明す
る。一般式(III)において、R11、R13、R14、R15
16、R17、R18、R19およびR20で表される脂肪族基
は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に炭素
数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アラルキル基である。アルキ
ル基、アルケニル基、アルキチル基、アラルキル基とし
ては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘ
キサデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリ
ル、ブテニル、3−ペンテニル、プロパルギル、3−ペ
ンチニル、ベンジル、フェネチルがあげられる。一般式
(III)において、R11、R13、R14、R15、R16および
17で表される芳香族基は好ましくは炭素数6〜30の
ものであって、特に炭素数6〜20の単環または縮環の
アリール基であり、例えばフェニル、ナフチルがあげら
れる。
【0026】一般式(III)において、R11、R13
14、R15、R16およびR17で表される複素環基は窒素
原子、酸素原子および硫黄原子のうち少なくとも一つを
含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素環基であ
る。これらは単環であってもよいし、さらに他の芳香環
もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。複素環基と
しては、好ましくは5〜6員環の芳香族複素環基であ
り、例えばピリジル、フリル、チエニル、チアゾリル、
イミダゾリル、ベンズイミダゾリルがあげられる。一般
式(III)において、R14およびR17で表されるカチオン
は、例えばアルカリ金属、アンモニウムを表す。一般式
(III)においてXで表されるハロゲン原子は、例えばフ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子および沃素原子を表す。
また、この脂肪族基、芳香族基および複素環基は置換さ
れていてもよい。置換基としては以下のものがあげられ
る。代表的な置換基としては例えば、アルキル基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルア
ミノ基、ウレイド基、ウレタン基、スルホニルアミノ
基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル
基、スルフィニル基、アルキルオキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ
基、リン酸アミド基、ジアシルアミノ基、イミド基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、シアノ
基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホスホノ
基、ニトロ基、およびヘテロ環基があげられる。これら
の基はさらに置換されていてもよい。置換基が2つ以上
あるときは同じでも異なっていてもよい。
【0027】R11、R12、R13は互いに結合してリン原
子と一緒に環を形成してもよく、また、R15とR16は結
合して含窒素複素環を形成してもよい。一般式(III)
中、好ましくはR11、R12およびR13は脂肪族基または
芳香族基を表し、より好ましくはアルキル基または芳香
族基を表す。
【0028】
【化8】
【0029】式中、R21は脂肪族基、芳香族基、複素環
基または−NR23(R24)を表し、R22は−NR25(R
26)、−N(R27)N(R28)R29または−OR30を表
す。R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29および
30は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基または
アシル基を表す。ここでR21とR25、R21とR27、R21
とR28、R21とR30、R23とR25、R23とR27、R23
28およびR23とR30は結合して環を形成してもよい。
【0030】次に一般式(IV)については詳細に説明す
る。一般式(IV) において、R21、R23、R24、R25
26、R27、R28、R29およびR30で表される脂肪族基
は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に炭素
数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アラルキル基である。アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基とし
ては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘ
キサデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリ
ル、2−ブテニル、3−ペンテニル、プロパルギル、3
−ペンチニル、ベンジル、フェネチルがあげられる。一
般式(IV) において、R21、R23、R24、R25、R26
27、R28、R29およびR30で表される芳香族基は好ま
しくは炭素数6〜30のものであって、特に炭素数6〜
20の単環または縮環のアリール基であり、例えばフェ
ニル、ナフチルがあげられる。
【0031】一般式(IV) において、R21、R23
24、R25、R26、R27、R28、R29およびR30で表さ
れる複素環基は窒素原子、酸素原子および硫黄原子のう
ち少なくとも一つを含む3〜10員環の飽和もしくは不
飽和の複素環基である。これらは単環であってもよい
し、さらに他の芳香環もしくは複素環と縮合環を形成し
てもよい。複素環基としては、好ましくは5〜6員環の
芳香族複素環基であり、例えばピリジル、フリル、チエ
チル、チアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル
があげられる。一般式(IV) において、R23、R24、R
25、R26、R27、R28、R29およびR 30で表されるアシ
ル基は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に
炭素数1〜20の直鎖または分岐のアシル基であり、例
えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル、デ
カノイルがあげられる。ここでR21とR25、R21
27、R21とR28、R21とR30、R23とR25、R23とR
27、R23とR28およびR23とR30は結合して環を形成す
る場合は例えばアルキレン基、アリーレン基、アラルキ
ル基またはアルケニレン基があげられる。
【0032】また、この脂肪族基、芳香族基および複素
環基は一般式(III)であげた置換基で置換されていても
よい。一般式(IV)中、好ましくはR21は脂肪族基、芳
香族基または−NR23(R24)を表し、R22は−NR25
(R26)を表す。R23、R24、R25およびR26は脂肪族
基または芳香族基を表す。一般式(IV)中、より好まし
くはR21は芳香族基または−NR23(R24)を表し、R
22は−NR25(R26)を表す。R23、R24、R25および
26はアルキル基または芳香族基を表す。ここで、R21
とR25およびR23とR25はアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基またはアルケニレン基を介して環を
形成することもより好ましい。
【0033】以下に本発明の一般式(III)および(IV)
で表される化合物の具体例(例示化合物)を示すが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】本発明の一般式(III)および(IV)で表さ
れる化合物は既に知られている方法に準じて合成するこ
とができる。例えばジャーナル・オブ・ケミカル・ソサ
イアティ(J.Chem.Soc.(A)) 1969,2927;ジャーナル・オ
ブ・オルガノメタリック・ケミストリー(J.Organome.Ch
em.) 4,320(1965);ibid. 1,200(1963);ibid. 113.C35(1
976); フォスフォラス・サルファー(Phosphorus Sulfu
r)15,155(1983);ヘミッシェ・ベリヒテ(Chem.Ber.)109,
2996(1976);ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアテ
ィ・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.
Commun.)635(1980);ibid.1102(1976);ibid.645(1979);i
bid.820(1987);ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイア
ティ・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perki
n.Trans.)1,2191(1980); ザ・ケミストリー・オブ・オ
ルガノ・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウン
ズ(The Chemistry of Organo Selenium and Tellurium
Compounds)2巻の216〜267(1987)に記載の
方法で合成することができる。
【0044】これらの本発明で用いるテルル増感剤の使
用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等に
より変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当り10-8
10-2モル、好ましくは10-7〜5×10-3モル程度を
用いる。本発明における化学増感の条件としては、特に
制限はないが、pAgとしては6〜11、好ましくは7
〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは
45〜85℃である。
【0045】本発明で用いることができるハロゲン化銀
溶剤としては、米国特許第3,271,157号、同第
3,531,289号、同第3,574,628号、特
開昭54−1019号、同54−158917号等に記
載された(a)有機チオエーテル類、特開昭53−82
408号、同55−77737号、同55−2982号
等に記載された(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−1
44319号に記載された(c)酸素または硫黄原子と
窒素原子とにはさまれたチオカルボニル基を有するハロ
ゲン化銀溶剤、特開昭54−100717号に記載され
た(d)イミダゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)チオ
シアネート等が挙げられる。特に好ましい溶剤として
は、チオシアネートおよびテトラメチルチオ尿素があ
る。また用いられる溶剤の量は種類によっても異なる
が、例えばチオシアネートの場合、好ましい量はハロゲ
ン化銀1モル当り1×10-4モル以上、1×10-2モル
以下である。
【0046】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、化学増
感において金増感を併用することによりさらに高感度、
低かぶりを達成することができる。イオウ増感及びセレ
ン増感は、通常、増感剤を添加して、高温、好ましくは
40℃以上で乳剤を一定時間攪拌することにより行われ
る。また、金増感は、通常、金増感剤を添加して、高
温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌するこ
とにより行われる。上記のイオウ増感には硫黄増感剤と
して公知のものを用いることができる。例えばチオ硫酸
塩、チオ尿素類、アリルイソチアシアネート、シスチ
ン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニンなどが
挙げられる。その他米国特許第1,574,944号、
同第2,410,689号、同第2,278,947
号、同第2,728,668号、同第3,501,31
3号、同第3,656,955号各明細書、ドイツ特許
1,422,869号、特公昭56−24937号、特
開昭55−45016号公報等に記載されている硫黄増
感剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量は、乳
剤の感度を効果的に増大させるのに十分な量でよい。こ
の量は、pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの
種々の条件の下で相当の範囲にわたって変化するが、ハ
ロゲン化銀1モル当り1×10−7モル以上、5×10
−4モル以下が好ましい。セレン増感剤としては、従来
公知の特許に開示されているセレン化合物を用いること
ができる。すなわち通常、不安定型セレン化合物および
/または非不安定型セレン化合物を添加して、高温、好
ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌することによ
り用いられる。不安定型セレン化合物としては特公昭4
4−15748号、特公昭43−13489号、特願平
2−130976号、特願平2−229300号などに
記載の化合物を用いることが好ましい。具体的な不安定
セレン増感剤としては、イソセレノシアネート類(例え
ばアリルイソセレノシアネートの如き脂肪族イソセレノ
シアネート類)、セレノ尿素類、セレノケトン類、セレ
ノアミド類、セレノカルボン酸類(例えば、2−セレノ
プロピオン酸、2−セレノ酪酸)、セレノエステル類、
ジアシルセレニド類(例えば、ビス(3−クロロ−2,
6−ジメトキシベンゾイル)セレニド)、セレノホスフ
ェート類、ホスフィンセレニド類、コロイド状金属セレ
ンなどがあげられる。不安定型セレン化合物の好ましい
類型を上に述べたがこれらは限定的なものではない。当
業技術者には写真乳剤の増感剤としての不安定型セレン
化合物といえば、セレンが不安定である限りに於いて該
化合物の構造はさして重要なものではなく、セレン増感
剤分子の有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形
で乳剤中に存在せしめる以外何らの役割をもたないこと
が一般に理解されている。本発明においては、かかる広
範な概念の不安定セレン化合物が有利に用いられる。非
不安定型セレン化合物としては特公昭46−4553
号、特公昭52−34492号および特公昭52−34
491号に記載の化合物が用いられる。非不安定型セレ
ン化合物としては例えば亜セレン酸、セレノシアン化カ
リウム、セレナゾール類、セレナゾール類の四級塩、ジ
アリールセレニド、ジアリールジセレニド、ジアルキル
セレニド、ジアルキルジセレニド、2−セレナゾリジン
ジオン、2−セレノオキサゾリジンチオンおよびこれら
の誘導体等があげられる。
【0047】上記の金増感の金増感剤としては金の酸化
数が+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常用
いられる金化合物を用いることができる。代表的な例と
しては塩化金酸塩、カリウムクロロオーレート、オーリ
ックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネー
ト、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリッ
クアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジ
ルトリクロロゴールドなどが挙げられる。金増感剤の添
加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲ
ン化銀1モル当り1×10-7モル以上5×10-4モル以
下が好ましい。化学熟成に際して、ハロゲン化銀溶剤お
よびセレン増感剤またはセレン増感剤と併用することが
できるイオウ増感剤および/または金増感剤等の添加の
時期および順位については特に制限を設ける必要はな
く、例えば化学熟成の初期(好ましくは)または化学熟
成進行中に上記化合物を同時に、あるいは添加時点を異
にして添加することができる。また添加に際しては、上
記の化合物を水または水と混合し得る有機溶剤、例えば
メタノール、エタノール、アセトン等の単液あるいは混
合液に溶解せしめて添加させればよい。
【0048】本発明に用いられるポリヒドロキシベンゼ
ンとしては下記一般式の化合物が好ましく用いられる。
【0049】
【化18】
【0050】XとYはそれぞれ−H、−OH、ハロゲン
原子、−OM(Mはアルカリ金属イオン)、−アルキル
基、フェニル基、アミノ基、カルボニル基、スルホン
基、スルホン化フェニル基、スルホン化アルキル基、ス
ルホン化アミノ基、スルホン化カルボニル基、カルボキ
シフェニル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアミ
ノ基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシアルキル基、
アルキルエーテル基、アルキルフェニル基、アルキルチ
オエーテル基、又はフェニルチオエーテル基である。本
発明で用いられるポリヒドロキシベンゼン化合物の具体
例として次の化合物をあげることが出来る。
【0051】
【化19】
【0052】
【化20】
【0053】
【化21】
【0054】ポリヒドロキシベンゼン化合物は、感材中
の乳剤層に添加しても、乳剤層以外の層中に添加しても
良い。添加量は1モルに対して10-5〜1モルの範囲が
有効であり、10-3モル〜10-1モルの範囲が特に有効
である。
【0055】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感
色素によって比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光ま
たは赤外光に分光増感されてもよい。増感色素として
は、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックス
シアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロ
ホーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色
素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用い
ることができる。本発明に使用される有用な増感色素は
例えばRESEARCH DISCLOSURE Item 17643 IV −A
項(1978年12月p.23)、同 Item 1831X項
(1979年8月p.437)に記載もしくは引用された
文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光
特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択す
ることができる。例えば A)アルゴンレーザー光源に対しては、特開昭60−1
62247号、特開平2−48653号、米国特許2,
161,331号、西独特許936,071号記載のシ
ンプルメロシアニン類、B)ヘリウム−ネオンレザー光
源に対しては、特開昭50−62425号、同54−1
8726号、同59−102229号に示された三核シ
アニン色素類、C)LED光源に対しては特公昭48−
42172号、同51−9609号、同55−3981
8号、特開昭62−284343号に記載されたチアカ
ルボシアニン類、D)半導体レーザー光源に対しては特
開昭59−191032号、特開昭60−80841号
に記載されたトリカルボシアニン類、特開昭59−19
2242号に記載された4−キノリン核を含有するジカ
ルボシアニン類などが有利に選択される。以下にそれら
の増感色素の代表的化合物を示す。 A)の具体的化合物例
【0056】
【化22】
【0057】B)の具体的化合物例
【0058】
【化23】
【0059】C)の具体的化合物例
【0060】
【化24】
【0061】
【化25】
【0062】D)の具体的化合物例
【0063】
【化26】
【0064】これらの増感色素は単独で用いてもよいが
次の一般式(V)の化合物と組み合わせて用いることが
より有効である。
【0065】
【化27】
【0066】式中Z3 は5員又は6員の含窒素複素環を
完成するに必要な非金属原子群を表わし、例えばチアゾ
リウム類{例えばチアゾリウム、4−メチルチアゾリウ
ム、ベンゾチアゾリウム、5−メチルベンゾチアゾリウ
ム、5−クロロベンゾチアゾリウム、5−メトキシベン
ゾチアゾリウム、6−メチルベンゾチアゾリウム、6−
メトキシベンゾチアゾリウム、ナフト〔1,2−d〕チ
アゾリウム、ナフト〔2,1−d〕チアゾリウムな
ど}、オキサゾリウム類{例えばオキサゾリウム、4−
メチルオキサゾリウム、ベンゾオキサゾリウム、5−ク
ロロベンゾオキサゾリウム、5−フェニルベンゾオキサ
ゾリウム、5−メチルベンゾオキサゾリウム、ナフト
〔1,2−d〕オキサゾリウムなど}、イミダゾリウム
類(例えば1−メチルベンツイミダゾリウム、1−プロ
ピル−5−クロロベンツイミダゾリウム、1−エチル−
5,6−ジクロロベンツイミダゾリウム、1−アリル−
5−トリクロロメチル−6−クロロ−ベンツイミダゾリ
ウムなど)、セレナゾリウム類〔例えばベンゾセレナゾ
リウム、5−クロロベンゾセレナゾリウム、5−メチル
ベンゾセレナゾリウム、5−メトキシベンゾセレナゾリ
ウム、ナフト〔1,2−d〕セレナゾリウムなど〕など
を表わす。R13は水素原子、アルキル基(炭素原子数8
以下、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基など)、アルケニル基(例えばアリル基
など)を表わす。R14は水素原子、低級アルキル基(例
えばメチル基、エチル基など)を表わす。X2 は酸アニ
オン(例えばCl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、p−
トルエンスルホン酸など)、Z3 の中で好ましくはチア
ゾリウム類が有利に用いられる。更に好ましくは置換又
は無置換のベンゾチアゾリウム又はナフトチアゾリウム
が有利に用いられる。一般式(V)で表わされる化合物
の具体例を以下に示す。しかし本発明はこれらの化合物
のみに限定されるものではない。
【0067】
【化28】
【0068】
【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
【化31】
【0071】
【化32】
【0072】上記一般式(V)で表わされる化合物は、
乳剤中のハロゲン化銀1モル当り約0.01グラムから
5グラムの量で有利に用いられる。前述した本発明の増
感色素と、一般式(V)で表わされる化合物との比率
(重量比)は、本発明の増感色素/一般式(V)で表わ
される化合物=1/1〜1/300の範囲が有利に用い
られ、とくに1/2〜1/50の範囲が有利に用いられ
る。本発明で用いられる一般式(V)で表わされる化合
物は、直接乳剤中へ分散することができるし、また適当
な溶媒(例えば水、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロパノール、メチルセロソルブ、アセトンなど)
あるいはこれらの溶媒を複数用いた混合溶媒中に溶解
し、乳剤中へ添加することもできる。その他増感色素の
添加方法に準じて溶液あるいはコロイド中への分散物の
形で乳剤中へ添加することができる。一般式(V)で表
わされる化合物は、前述した本発明の赤外増感色素の添
加よりも先に乳剤中へ添加されてもよいし、あとに添加
されてもよい。また一般式(VI)の化合物と赤外増感色素
とを別々に溶解し、これらを別々に同時に乳剤中へ添加
してもよいし、混合したのち乳剤中へ添加してもよい。
本発明の組合せに、更に次の一般式(VI)の化合物を加え
ることができる。
【0073】
【化33】
【0074】ここでAは2価の芳香族残基を表わす。R
21、R22、R23、及びR24は各々水素原子、ヒドロキシ
基、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロ
ゲン原子、ヘテロ環核、ヘテロシクリルチオ基、アリー
ルチオ基、アミノ基、置換又は無置換のアルキルアミノ
基、置換又は無置換のアリールアミノ基、置換又は無置
換のアラルキルアミノ基、アリール基、メルカプト基を
表わす。但しA、R21、R22、R23及びR24のうち少な
くとも1つはスルホ基を有している。W3 及びW4 は−
CH=、又は−N=を表わす。但し少なくともW3 及び
4 のいずれか一方は−N=を表わす。一般式(VI)を更
に詳細に説明する。式中、−A−は2価の芳香族残基を
表わし、これらは−SO3 M基〔但しMは水素原子又は
水溶性を与えるカチオン(例えばナトリウム、カリウム
など)を表わす。〕を含んでいてもよい。−A−は、例
えば次の−A1 −または−A2 −から選ばれたものが有
用である。但しR21、R22、R23又はR24に−SO3
が含まれないときは、−A−は−A1 −の群の中から選
ばれる。
【0075】
【化34】
【0076】
【化35】
【0077】
【化36】
【0078】R21、R22、R23及びR24は各々水素原
子、ヒドロキシ基、低級アルキル基(炭素原子数として
は1〜8が好ましい。例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、n−ブチル基など)、アルコキシ基(炭素
原子数としては1〜8が好ましい。例えばメトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基など)、アリー
ロキシ基(例えばフェノキシ基、ナフトキシ基、o−ト
ロキシ基、p−スルホフェノキシ基など)、ハロゲン原
子(例えば塩素原子、臭素原子など)、ヘテロ環核(例
えばモルホリニル基、ピペリジル基など)、アルキルチ
オ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基など)、ヘテ
ロシクリルチオ基(例えばベンゾチアゾリルチオ基、ベ
ンゾイミダゾリルチオ基、フェニルテトラゾリルチオ基
など)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリ
ルチオ基)、アミノ基、アルキルアミノ基あるいは置換
アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基、エチルアミ
ノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、ドデシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ
基、β−ヒドロキシエチルアミノ基、ジ−(β−ヒドロ
キシエチル)アミノ基、β−スルホエチルアミノ基)、
アリールアミノ基、または置換アリールアミノ基(例え
ばアニリノ基、o−スルホアニリノ基、m−スルホアニ
リノ基、p−スルホアニリノ基、o−トルイジノ基、m
−トルイジノ基、p−トルイジノ基、o−カルボキシア
ニリノ基、m−カルボキシアニリノ基、p−カルボキシ
アニリノ基、o−クロロアニリノ基、m−クロロアニリ
ノ基、p−クロロアニリノ基、p−アミノアニリノ基、
o−アニシジノ基、m−アニシジノ基、p−アニシジノ
基、o−アセタミノアニリノ基、ヒドロキシアニリノ
基、ジスルホフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、ス
ルホナフチルアミノ基など)、ヘテロシクリルアミノ基
(例えば2−ベンゾチアゾリルアミノ基、2−ピリジル
−アミノ基など)、置換又は無置換のアラルキルアミノ
基(例えばベンジルアミノ基、o−アニシルアミノ基、
m−アニシルアミノ基、p−アニシルアミノ基など)、
アリール基(例えばフェニル基など)、メルカプト基を
表わす。R21、R22、R23、R24は各々互いに同じでも
異なっていてもよい。−A−がA2 −の群から選ばれる
ときは、R21、R22、R23、R24のうち少なくとも1つ
は1つ以上のスルホ基(遊離酸基でもよく、塩を形成し
てもよい)を有していることが必要である。W3 及びW
4 は−CH=又は−N=を表わし、少なくともいずれか
一方は−N=である。
【0079】次に一般式(VI)に含まれる化合物の具体例
を挙げる。但しこれらの化合物にのみ限定されるもので
はない。 (VI−1) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ベンゾチ
アゾリル−2−チオ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ス
チルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−2) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ベンゾチ
アゾリル−2−アミノ)ピリミジン−2−イルアミ
ノ)〕スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウ
ム塩 (VI−3) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ナフチル
−2−オキシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕スチルベ
ン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−4) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ナフチル
−2−オキシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ビベンジ
ル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−5) 4,4’−ビス(4,6−ジアニリノピ
リミジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジ
スルホン酸ジナトリウム塩 (VI−6) 4,4’−ビス〔4−クロル−6−(2
−ナフチルオキシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕ビフ
ェニル−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−7) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(1−フェ
ニルテトラゾリル−5−チオ)ピリミジン−2−イルア
ミノ〕スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウ
ム塩 (VI−8) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ベンゾイ
ミダゾリル−2−チオ)ピリミジン−2−イルアミノ〕
スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−9) 4,4’−ビス〔4,6−ジフェノキシ
ピリミジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−
ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−10) 4,4’−ビス〔4,6−ジフェニルチ
オピリミジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’
−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−11) 4,4’−ビス〔4,6−ジメルカプト
ピリミジン−2−イルアミノ)ビフェニル−2,2’−
ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−12) 4,4’−ビス〔4,6−ジアニリノ−
トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−
ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−13) 4,4’−ビス(4−アニリノ−6−ヒ
ドロキシ−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−
2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−14) 4,4’−ビス〔4−ナフチルアミノ−
6−アニリノ−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベ
ン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−15) 4,4’−ビス〔2,6−ジ(2−ナフ
トキシ)ビリミジン−4−イルアミノ〕スチルベン−
2,2’−ジスルホン酸 (VI−16) 4,4’−ビス〔2,6−ジ(2−ナフ
チルアミノ)ピリミジン−4−イルアミノ〕スチルベン
−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩 (VI−17) 4,4’−ビス〔2,6−ジアニリノピ
リミジン−4−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジ
スルホン酸ジナトリウム塩 (VI−18) 4,4’−ビス〔2−ナフチルアミノ)
−6−アニリノピリミジン−4−イルアミノ〕スチルベ
ン−2,2’−ジスルホン酸 (VI−19) 4,4’−ビス〔2,6−ジフェノキシ
ピリミジン−4−イルアミノ〕スチルベン−2,2’−
ジスルホン酸ジトリエチルアンモニウム塩 (VI−20) 4,4’−ビス〔4,6−ジ(ベンゾイ
ミダゾリル−2−チオ)ピリミジン−4−イルアミノ〕
スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム塩
【0080】一般式(VI) で表わされる化合物は公知で
あるか又は公知方法に従い容易に製造することができ
る。本発明に用いられる一般式(VI)で表される化合物
はこれらの2種以上の混合物を用いてもよい。一般式
(VI) で表わされる化合物は乳剤中のハロゲン化銀1モ
ル当り約0.01グラムから5グラムの量で有利に用い
られる。増感色素と、一般式(VI) で表わされる化合物
との比率(重量比)は、色素/一般式(VI) で表される
化合物=1/1〜1/200の範囲が有利に用いられ、
とくに1/2〜1/50の範囲が有利に用いられる。本
発明に用いられる一般式(VI) で表わされる化合物は直
接乳剤中へ分散することができるし、また適当な溶剤
(例えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチル
セロソルブ、水など)あるいはこれらの混合溶媒中に溶
解して乳剤へ添加することもできる。その他増感色素の
添加方法に準じて溶液あるいはコロイド中への分散物の
形で乳剤中へ添加することができる。また特開昭50−
80119号公報に、記載の方法で乳剤中へ分散添加す
ることもできる。
【0081】本発明の感光材料に用いられるその他の各
種添加剤、現像処理方法に関しては特に制限はなく、例
えば下記に示す該当箇所に記載されたものを好ましく用
いることができる。 項目 該当箇所 1)ハロゲン化銀乳剤と 特開平2−97937号公報第20頁右下欄12行 その製法 目から同第21頁左下欄14行目及び特開平2−1 2236号公報第7頁右上欄19行目から同第8頁 左下欄12行目。 2)界面活性剤・帯電防 特開平2−12236号公報第9頁右上欄7行目か 止剤 ら同右下欄7行目及び特開平2−18542号公報 第2頁左下欄13行目から同第4頁右下欄18行目 。 3)カブリ防止剤・安定 特開平2−103526号公報第17頁右下欄19 剤 行目から同第18頁右上欄4行目及び同右下欄1行 目から5行目。 4)ポリマーラテックス 同第18頁左下欄12行目から同20行目。 5)酸基を有する化合物 同第18頁右下欄6行目から同第19頁左上欄1行 目及び特開平2−55349号公報第8頁右下欄1 3行目から同第11頁左上欄8行目。 6)マット剤・滑り剤・ 特開平2−103526号公報第19頁左上欄15 可塑剤 行目から同第19頁右上欄15行目。 7)硬膜剤 特開平2−103536号公報第18頁右上欄5行 目から同17行目。 8)染料 同第17頁右下欄1行目から同18行目。 9)バインダー 特開平2−18542号公報第3頁右下欄1行目か ら20行目。 10) 現像液及び現像方法 特開平2−55349号公報第13頁右下欄1行目 から同第16頁左上欄10行目。
【0082】本発明の感光材料は全処理時間が15秒〜
60秒である自動現像機による迅速現像処理にすぐれた
性能を示す。本発明の迅速現像処理において、現像、定
着の温度および時間は約25℃〜50℃で各々25秒以
下であるが、好ましくは30℃〜40℃で4秒〜15秒
である。本発明においては感光材料は現像、定着された
後水洗または安定化処理に施される。ここで、水洗工程
は、2〜3段の向流水洗方式を用いることによって節水
処理することができる。また少量の水洗水で水洗すると
きにはスクイズローラー洗浄槽を設けることが好まし
い。更に、水洗浴または安定浴からのオーバーフロー液
の一部または全部は特開昭60−235133号に記載
されているように定着液に利用することもできる。こう
することによって廃液量も減少しより好ましい。また、
水洗水には、カビ防止剤(例えば堀口著「防菌防ばいの
化学」、特開昭62−115154号公報に記載の化合
物)、水洗促進剤(亜硫酸塩など)、キレート剤などを
含有していてもよい。上記の方法による水洗または安定
浴の温度及び時間は0℃〜50℃で5秒〜30秒である
が、15℃〜40℃で4秒〜20秒が好ましい。本発明
における全処理時間とは自動現像機の挿入口にフィルム
の先端を挿入してから、現像槽、渡り部分、定着槽、渡
り部分、水洗槽、渡り部分、乾燥部分を通過して、フィ
ルムの先端が乾燥出口からでてくるまでの全時間であ
る。以下、本発明を実施例によって具体的に説明する
が、本発明がこれらによって限定されるものではない。
【0083】
【実施例】
実施例1 43℃、pH4.5に保たれた表−1の1液に2液と3
液を攪拌しながら、同時に24分間にわたって加え、
0.21μmの粒子を形成した。続いて表−1の4液、
5液を8分間にわたって加え、ヨウ化カリウム0.15
gを加えて粒子形成を終了した。その後常法に従ってフ
ロキュレーション法によって水洗し、ゼラチンを加えた
後、pHを5.2、pAgを7.5に調整し、チオ硫酸
ナトリウム8mgと塩化金酸12mgを加え、65℃で最高
感度になるように化学増感した。
【0084】
【表1】
【0085】さらに安定剤として、2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデン50
mg、防腐剤としてフェノキシエタノールを100ppm に
なるように添加し、最終的に塩化銀を80モル%含む平
均粒子径0.24μmのヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤A
を得た。(変動係数9%)
【0086】乳剤Aと全く同じ粒子形成を行った後水洗
し、ゼラチンを加えた後pHとpAgも乳剤Aと同じに
調節した。その後チオ硫酸ナトリウム3mgとトリイソプ
ロピルホスフィンテルリド2mgと塩化金酸10mg及びベ
ンゼンチオスルホン酸ソーダを4mgとベンゼンチオスル
フィン酸ソーダを1mg添加し、55℃にて最適感度とな
る様に化学増感した。さらに安定剤及び防腐剤も乳剤A
と同じ様に添加した。この乳剤をBとした。
【0087】塗布試料の作成 前記乳剤Aをゼラチンで希釈してA−〜A−を、ま
た乳剤Bを同じくゼラチン希釈してB−〜B−とし
た後、オルソ増感色素A−6を180mg/モルAg加え
てオルソ増感を施した。さらに強色増感および安定化の
ために4,4’−ビス−(4,6−ジナフトキシ−ピリ
ミジン−2−イルアミノ)−スチルベンジスルホン酸ジ
ナトリウム塩と2,5−ジメチル−3−アリル−ベンゾ
チアゾールヨード塩を銀1モルに対しそれぞれ300mg
と450mg加えた。さらにポリエチルアルリレートラテ
ックスをゼラチンバインダー比25%、粒径10mμの
コロイダルシリカを乳剤層のゼラチンバインダー比30
%、硬膜剤として2−ビス(ビニルスルホニルアセトア
ミド)エタンを指定の膨潤値となる様に添加し(20mg
〜100mg/m2)ポリエステル支持体上に銀量3.0g
/m2、そして表−2に記載の保護層上層および保護層下
層を同時に塗布した。
【0088】
【表2】
【0089】この時、各層のゼラチン塗布量及びポリヒ
ドロキシベンゼンの添加量は表−3に示すごとく塗布し
た。なおポリヒドロキシベンゼンは保護層上層に添加し
た。
【0090】
【表3】
【0091】なお本実施例で使用したサンプルの支持体
は、下記組成のバック層及びバック保護層を有する。
【0092】 〔バック層〕 ゼラチン 2.0g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 染料 100mg/m2 染料 100mg/m2 染料 100mg/m2 染料 100mg/m2 1,3−ジビニルスルホン−2−プロパノール 60mg/m2
【0093】
【化37】
【0094】 〔バック保護層〕 ゼラチン 0.5g/m2 ポリメチルメタクリレート(粒子サイズ4.7μm) 50mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物 2mg/m2 化合物 1mg/m2 シリコーンオイル 100mg/m2
【0095】
【化38】
【0096】試料の評価 1)処理液組成依存性の評価 表−3の試料1〜18を、488nmに透過のピークを
もつ干渉フィルターと連続ウエッジを介して、発光時間
10-6sec のキセノンフラッシュ光で露光し、富士写真
フイルム(株)製の自動現像機FG710NHを用いて
下記に示した温度及び時間でセンシトメトリーを行っ
た。 現 像 38℃ 14秒 定 着 37℃ 9.7秒 水 洗 30℃ 9秒 スクイズ 2.4秒 乾 燥 55℃ 8.3秒 合計 43.4秒 この時、現像液及び定着液は表−4及び表−5に示す組
成のものを使用した。感度は濃度3.0を与える露光量
の逆数の対数をとって表わし、現像液(イ)及び(ロ)
における感度差(△log E)を、処理液組成依存性とし
た。感度差が小さいもの程安定で性能上望ましい。
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】結果 表−3より明らかな様に、ゼラチン塗布総量が2.5g
/m2以下でかつテルル増感を施した乳剤よりなる試料は
処理液組成依存性が小さくなることが分かる。この時さ
らに保護層のゼラチン塗布量が0.5g/m2以下の時、
及びポリヒドロキシベンゼンを併用すると又膨潤率が6
0〜150%の時液組成依存性が改良されており本発明
の効果がみられる。
【0100】実施例2 38℃、pH=4.5に保たれた表−6の1液に2液と
3液を攪拌しながら同時に40分間にわたって加え、
0.17μmの粒子を形成した。続いて表−6の4液、
5液を10分間にわたって加えヨウ化カリウムの1%溶
液を30cc加えて粒子形成を終了した。その後常法に従
ってフロキュレーション法によって水洗し、ゼラチンを
加えた後、pHを5.2pAgを7.5に調整し、チオ
硫酸ナトリウム10mgと塩化金酸15mgを加え、65℃
で最高感度になるように化学増感した。
【0101】
【表6】
【0102】さらに安定剤として2−メチル−4−ヒド
ロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデン50m
g、防腐剤としてフェノキシエタノールを100ppm に
なるように添加し、最終的に塩化銀を60モル%含む平
均粒子径0.21μmのヨウ塩臭化銀立方体乳剤Cを得
た。乳剤Cと同じ粒子形成を行った後、水洗しゼラチン
を加えpHを5.2pAgを7.5に調節した。その後
チオ硫酸ナトリウム4mgとN,N−ジメチルセレノ尿素
2mgとブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリド2mg
と塩化金酸15mg及びベンゼンチオスルホン酸ソーダを
5mgとベンゼンチオスルフィン酸ソーダを3mg添加し、
60℃にて最適感度となる様に化学増感した。さらに安
定剤及び防腐剤も乳剤Cと同じ様に添加し乳剤Dとし
た。
【0103】塗布試料の作成 前記乳剤C及びDをゼラチンで希釈してC−〜及び
D−〜をつくり、共通にパンクロ色素B−4を20
0mg/モルAgを加えて色増感を施した。さらに強色増
感及び安定化のために4,4’−ビス−(4,6−ジナ
フトキシ−ピリミジン−2−イルアミノ)−スチルベン
ジスルホン酸ジナトリウム塩と2,5−ジメチル−3−
アリル−ベンゾチアゾールヨード塩を銀1モルに対しそ
れぞれ350mgと450mg加えた。さらにポリエチルア
ルリレートラテックスをゼラチンバインダー比25%、
粒径10μmのコロイダルシリカを乳剤層のゼラチンバ
インダー比30%、硬膜剤として2−ビス(ビニルスル
ホニルアセトアミド)エタンを指定の膨潤値となる様に
添加し(30〜120mg/m2)ポリエステル支持体上に
銀量3.2g/m2、そして表−7及び表−8に記載の保
護層上層および保護層下層を同時に塗布した。
【0104】
【表7】
【0105】
【表8】
【0106】この時、各層のゼラチン塗布量及びポリヒ
ドロキシベンゼンの添加量は表−9に示すごとく塗布し
た。尚この時ポリヒドロキシベンゼンは乳剤層に添加し
た。
【0107】
【表9】
【0108】またここでの塗布試料の支持体は実施例−
1で使用したものと同じバック及びバック保護層をもつ
ものを使った。
【0109】試料の評価 1)処理液組成依存性 表−9の試料19〜31について、633nmに透過の
ピークをもつ干渉フィルターと連続ウエッジを介して発
光時間が10-6sec のキセノンフラッシュ光で露光し、
自動現像機FG460Aを改造して線速度だけ速くした
ものを用いて下記に示した温度及び時間でセンシトメト
リーを行った。 現 像 38℃ 12秒 定 着 38℃ 9秒 水 洗 35℃ 9秒 スクイズ 2秒 乾 燥 55℃ 12秒 合計 44秒 線速度2050mm/分 この時使用した現像液及び定着液は実施例−1で用いた
ものと同じものを使い同様な方法で評価を実施した。
【0110】2)サーモ性 感材の経時性についての評価は、50℃で5〜10%の
相対湿度下に感材を5日間保存した時(通風缶に保存)
の感度及びカブリ値の変化を、通風缶にいれないで室温
保存しておいたサンプルとの差で表した。この時自現機
は処理依存性の評価に使ったものと同じFG460Aの
改造機を使用し、現像液は前記表−4の(イ)で行っ
た。
【0111】結果 表−9より明らかに、ゼラチン塗布総量が2.5g/m2
以下でかつテルル増感を施した乳剤は、処理液組成依存
性及びサーモ性のいずれも良化していることが分かる。
さらに保護層のゼラチン塗布量が0.5g/m2以下で、
又ポリヒドロキシベンゼンを添加すること更に膨潤率を
60%〜150%にすることでより一層組成依存性及び
サーモ性が良化することが分かる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の同一面上に少なくとも1層の感
    光性ハロゲン化銀乳剤層と少なくとも1層の保護層から
    なるハロゲン化銀写真感光材料において、該感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤がハロゲン化銀1モル当たり10−5モル
    以下のイリジウム化合物を含み、かつイオウ増感又はセ
    レン増感に加えてテルル増感剤により増感されており、
    更に該ハロゲン化銀乳剤層側のゼラチン塗布総量が2.
    5g/m以下であることを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料。
  2. 【請求項2】 感光性ハロゲン化銀乳剤層の保護層のゼ
    ラチン塗布量が0.5g/m以下であることを特徴と
    する請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 下記一般式で表わされるポリヒドロキシ
    ベンゼン化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする
    請求項1、および請求項2記載のハロゲン化銀写真感光
    材料。 【化1】 XとYはそれぞれ−H、−OH、ハロゲン原子、−OM
    (Mはアルカリ金属イオン)、−アルキル基、フェニル
    基、アミノ基、カルボニル基、スルホン基、スルホン化
    フェニル基、スルホン化アルキル基、スルホン化アミノ
    基、スルホン化カルボニル基、カルボキシフェニル基、
    カルボキシアルキル基、カルボキシアミノ基、ヒドロキ
    シフェニル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルエーテ
    ル基、アルキルフェニル基、アルキルチオエーテル基、
    又はフェニルチオエーテル基である。
  4. 【請求項4】 感光性ハロゲン化銀乳剤層側の膨潤率が
    60%〜150%であることを特徴とする請求項1、
    2、および3記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 現像〜定着〜水洗〜乾燥までの時間が6
    0秒以内で、フィルムの搬送速度(線速度)が1500
    mm/分以上である自動現像機で処理することを特徴と
    する請求項1、2、3および4に記載の感光材料の現像
    処理方法。
  6. 【請求項6】 現像液および定着液の補充量が感材1m
    あたり200cc以下であることを特徴とする請求項
    5記載の現像処理方法。
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