JP2823347B2 - タービン制御装置 - Google Patents

タービン制御装置

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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、タービン制御装置に係り、特に加減弁急閉
条件発生時、蒸気加減弁およびタービンバイパス弁の制
御に好適なタービン制御装置に関する。
(従来の技術) 第4図は、一般的な発電プラントの主管系統を示した
ものである。図示するように、蒸気発生器1で発生した
蒸気は主蒸気管2を経由し、加減弁3でその量が制御さ
れてタービン4に流入する。
そして、このタービン4で仕事をした蒸気は復水器5
で復水される。また、蒸気発生器1で発生した蒸気のう
ち加減弁3を経由してタービン4に流入しなかった蒸気
は、バイパス弁6を経由して直接復水器5に流入する。
さらに、タービン4には発電機7が同軸に連結されてお
り、この発電機7で発生した電力は遮断器8を介して系
統9に供給される。
一方、圧力センサ10により主蒸気圧力が、また速度セ
ンサ11によりタービン速度との各々が検出されるように
なっている。
これらの各検出値は上記加減弁3、バイパス弁6の開
度を制御する際に使用されるパラメータとなるものであ
る。
次に、上記した加減弁3、バイパス弁6を制御するデ
ィジタル制御装置内のコントローラの一例について第5
図に示すブロック構成図に従って説明する。
まず、加算器20では、圧力センサ10で検出された主蒸
気圧力Aと圧力設定器21で設定された圧力設定値Bとの
偏差が演算される。そして、この偏差に増幅器22でゲイ
ンK1を乗じたものが圧力制御信号Eとなる。ここで、1/
K1は一般に圧力調定率と呼ばれており、例えば、(2.1k
g/cm2)/(100%負荷)のような値が使用される。
一方、加算器23で演算して得られる速度設定値Dと速
度センサ11で検出されたタービン速度Cとの偏差は、増
幅器24でゲインK2を乗じられる。そして、その出力であ
る速度制御信号Fと負荷設定器25で設定された負荷設定
値Jとを加算器26で加算したものが速度負荷制御信号G
となる。ここで、1/K2は一般に速度調定率と呼ばれてお
り、例えば、(5%定格速度)/(100%負荷)のよう
な値が使用される。
次に、低値選択器27によって圧力制御信号Eと速度負
荷制御信号Gのうちの低い値の方が選択され、これが加
減弁流量要求信号Lとなる。そして、加算器28によっ
て、圧力制御信号Eからこの加減弁流量要求信号Lを差
引いたものがバイパス弁流量要求信号Kとなる。
ところで、このようなタービン制御装置においては、
一般に以下のような制御機能を備えている。
まず、一つは、タービン保安機能で、これは、タービ
ン、発電機等が故障した場合タービンを安全にトリップ
させるタービントリップ機能である。
もう一つは、負荷遮断によるタービン出力と、発電機
負荷の不均衡発生時タービンのオーバースピードを押さ
えるため加減弁3および低圧タービンを有する場合はそ
の流入蒸気量を調整する組合せ中間弁を強制的に急閉さ
せるパワーロードアンバランス機能である。
さらに具体的に説明すると、タービントリップ機能
は、プラント異常等の加減弁急閉条件発生により、非常
油圧力を低下させ機能的に加減弁3を急閉させるもので
ある。パワーロードアンバランス機能では、加減弁3の
制御油圧力を低下させ加減弁3を急閉させるために設け
られた急速作動電磁弁を動作させることによりタービン
トリップ同様加減弁3が急閉動作するものである。
なお、上記した加減弁3を急閉する動作をさせるため
に第6図に示すように、タービントリップ信号またはパ
ワーロードアンバランス信号のいずれか一方の入力によ
りCV急閉信号を出力して加減弁3が急閉するようにロジ
ック回路が設けられている。
一方、バイパス弁6にも加減弁3と同様に制御油圧力
を低下させバイパス弁6を急開させるために急速作動電
磁弁は設けられている。ところが、このバイパス弁6
は、タービントリップ信号またはパワーロードアンバラ
ンス信号では、直接、急速作動電磁弁を動作させず、通
常の制御演算の結果により行われる。すなわち、タービ
ントリップ信号またはパワーロードアンバランス信号に
より負荷設定器25の負荷設定値Jをクリアする。
これにより、加算器26で加算された速度負荷制御信号
Gは圧力制御信号Eより低い値となり、この圧力制御信
号Gの値が低値選択器25から加減弁流量要求信号Lとし
て出力される。従って、加減弁流量要求信号Lは低い値
となるから、加算器28の偏差出力であるバイパス弁流量
要求信号Kは高い値となる。
このバイパス弁流量要求信号Kは図示しない変換部を
介してバイパス弁作動信号Mとして第7図に示すバイパ
ス弁制御回路に入力される。
このバイパス弁制御回路は、ハード構成によるフィー
ドバックサーボ回路を形成している。
この回路では、通常時にバイパス弁6に付属するサー
ボ弁30の弁位置を検出する弁位置検出器31のバイパス弁
開度信号Nと上記バイパス弁入力信号Mとの偏差が加算
器32で演算される。この結果はバイパス弁位置制御偏差
Pとしてサーボアンプ33に入力され、このサーボアンプ
33の出力によりサーボ弁30が制御される。
ところで、前記したようにタービントリップまたはパ
ワーロードアンバランスの加減弁急閉条件が発生する
と、バイパス弁制御回路のバイパス弁入力信号Mが高い
値となり、サーボ弁30を駆動させようとする。しかし、
サーボ弁30の機械的遅れによりバイパス弁開度信号Nは
一時的に現状の位置の値を維持しているから、この閉回
路の加算器32によって演算されたバイパス弁位置制御偏
差Pの値が増大し、開方向に飽和する。このバイパス弁
開方向飽和を検出器34が検出する。この検出器34の検出
信号により図示しない駆動部を介して急速作動電磁弁を
励磁させバイパス弁6を急開させる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、近年、制御装置がアナログ制御装置か
らディジタル制御装置化されるに従い、ディジタル制御
装置特有のデータ入出力時間および演算時間の遅れによ
り以下の問題が生じるようになった。
かかる問題について第8図を参照して説明する。
タービントリップ時およびパワーロードアンバランス
時加減弁3は、急速作動電磁弁により、図に示すよう
に、時刻t1で急閉しはじめ、t4で全閉となる。しかし、
バイパス弁6が急開になるためには次の時間を要する。
まず、タービントリップおよびパワーロードアンバラン
ス信号がディジタル制御装置内のコントローラに入力さ
れ、負荷設定器25の出力Jを零にクリアする。そして、
コントローラ内部でバイパス弁流量要求信号Kを演算
後、そのバイパス弁流量要求信号Kをコントローラから
出力するための遅れ時間t2−t1分が必要である。
さらに、コントローラからバイパス弁流量要求信号K
を図示しない変換部でバイパス弁作動信号Mに変換して
ハードで構成されるバイパス弁制御回路に入力するため
にt3−t2の時間を要する。
これにより、ハードで構成される演算部の検出器34に
よりバイパス弁開方向飽和を検出し、これに伴いバイパ
ス弁6の急速作動電磁弁が動作するため、急開し始める
のは、結局t3の時点となる。つまり、タービントリップ
およびパワーロードアンバランスの条件発生時、加減弁
3は、第6図で説明したロジック回路によりそれとほぼ
同時に急閉する。
しかし、バイパス弁6は、t3−t1={(t2−t1)+
(t3−t2)}の時間遅れで急開することになる。
この遅れにより、加減弁3とバイパス弁6との開度
(流量)不均衡が生じ、主蒸気圧力Aが上昇させ、これ
が蒸気発生器側への外乱となるため、好ましくないとい
う問題があった。
そこで、本発明は、このような問題を解決するため、
加減弁急閉条件発生により加減弁が急閉する場合にも、
主蒸気圧力の変動をおさえることにより、蒸気発生器側
への外乱をより小さくするディジタル型タービン制御装
置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記した問題を解決するため本発明は、蒸気発生器で
発生した蒸気のタービンへの流入量を制御する加減弁
と、蒸気発生器で発生した蒸気のうちタービンをバイパ
スさせる蒸気量を制御するバイパス弁と、主蒸気圧力と
設定圧力との比較結果ならびにタービン速度と設定速度
との比較結果に基づいて加減弁およびバイパス弁の開度
を制御することによりタービン速度およびタービン入口
蒸気圧力を制御する制御手段と、加減弁急閉条件の発生
により加減弁強制閉機構を動作させ加減弁を全閉させる
手段とを備えて構成されるタービン制御装置において、
主蒸気圧力と設定圧力との偏差に応じた圧力制御信号に
基づいて、加減弁開度を制御して加減弁流量を調整する
手段と、加減弁流量をバイパス弁に流したと想定した場
合の全バイパス弁流量相当を予め複数のバイパス弁の個
々について分担するように定め、圧力制御信号に応じて
分担するバイパス弁を全開させる検出信号を出力する複
数のバイパス弁に対応させた各検出器と、これらの検出
器からのそれぞれの検出信号と加減弁急閉条件とのAND
条件によってバイパス弁強制開機構を動作させ、加減弁
の全閉と各検出器に対応したバイパス弁を全開させる手
段とを備えるものである。
(作用) 上記の構成により、タービントリップ時およびパワー
ロードアンバランス時加減弁が急閉動作してからバイパ
ス弁が急開動作するまでの遅れ時間がなくなる。これに
より、不要なタービン入力蒸気圧力の変動を防止するこ
とができ、蒸気発生器側への影響を防止することができ
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に沿って説明する。
第1図は本発明の一実施例を示すタービン制御装置内
のコントローラのブロック構成図、また、第2図は加減
弁およびバイパス弁を動作させるロジック回路の構成図
である。
第1図において、前述した第5図と同一符号は同一又
は相当部分を示し、第5図と異なる点は、加減弁が全閉
したと想定した場合のバイパス弁全開流量相当を主蒸気
圧力Aと設定圧力Bとの比較結果に基ずく圧力制御信号
Eから検出する検出器29−〜29−nを備えている点で
ある。
即ち、本実施例ではバイパス弁6はn個のTBV1弁〜TB
Vn弁から構成され、このTBV1弁〜TBVn弁の全部または一
部によって加減弁3が全閉した場合のバイパス弁6の全
流入量が分担するようになっている。そして、先行的に
タービントリップまたはパワーロードアンバランスの加
減弁急閉条件の発生を予測し加減弁全閉、つまり加減弁
流量要求信号L=0となったときのバイパス弁開度すな
わちバイパス弁流量要求信号Kを算出するために圧力制
御信号Eの出力回路に検出器を備えている。これによ
り、先行的にタービントリップまたはパワーロードアン
バランスの条件発生時のバイパス弁開度を決定してい
る。
例えば、バイパス弁が100%流量を負担すべく8弁を
有するものとして、今50%流量で加減弁が開度しタービ
ン出力運転しているものとすれば、対応する圧力制御信
号Eにより4つのバイパス弁を開とするように対応して
設置される4つの検出器が作動する。このようにして、
バイパス弁1弁全開相当流量の圧力制御信号Eが出力さ
れている時には、TBV1弁用検出器29−が検出信号を出
力する。また、バイパス弁2弁全開相当流量の圧力制御
信号Eが出力されているときにはTBV1弁およびTBV2弁用
検出器29−および29−弁が検出信号を出力し、さら
に、バイパス弁n弁相当流量の圧力制御信号Eが出力さ
れている時には、TBV1弁〜TBVn弁用検出器29−〜29−
nが検出信号を出力するように構成されている。
本実施例では、第2図に示すように、タービントリッ
プ信号またはパワーロードアンバランス信号を加減弁急
閉信号とすると共に、これらの信号と、前述の各TBV1
〜TBVn弁用検出器29−〜29−nにより検出された各信
号とのANDをとる各AND回路とこれらAND回路出力信号を
一定時間のみ発生させる各シングルショット回路とを備
え、これらシングルショット回路出力を各バイパス弁の
急開信号としている。
次に、第1図および第2図において説明した本実施例
の制御動作を第3図に示すタイムチャートを参照して説
明する。
通常の圧力制御運転中、圧力制御信号Eが低値選択器
27により選択され、加減弁流量要求信号L=圧力制御信
号Eとして加減弁3の開度制御を行っている。
この状態において、バイパス弁1弁全開相当流量が圧
力制御信号Eに流れている時には、TBV1弁用検出器29−
が検出信号を出力する。このようにして、圧力制御信
号Eに応じて順次TBV弁用検出器が検出信号を出力し
て、バイパス弁n弁相当流量が圧力制御信号Eに流れて
いる時には、TBVn弁用検出器29−nが検出信号を出力す
る。そして、TBV1弁用検出器29−〜TBVn弁用検出器29
−nによって検出されたTBV1弁〜TBVn弁全開流量相当の
各信号は、第2図に示すロジック回路に入力される。
これにより、タービントリップ信号またはパワーロー
ドアンバランス信号が発生すると、まずCV急閉信号が出
力する。この動作と同時に、検出器29−〜29−nによ
って検出された各信号と、タービントリップ信号または
パワーロードアンバランス信号のAND動作により対応す
るTBV1弁〜TBVn弁に対してシングルショット回路を経て
TBV急開信号を一定時間発生させる。
このTBV急開信号により加減弁急速作動電磁弁がt1
に励磁するのと同時にバイパス弁急速作動電磁弁が励磁
し、加減弁3およびバイパス弁6が同時に動作を開始
し、t4時に加減弁3の閉と同時にバイパス弁6が開とな
る。
以上説明したように、通常の圧力制御運転のときにタ
ービントリップまたはパワーロードアンバランス条件が
発生すると、加減弁閉動作に遅れることなくバイパス弁
開動作が行われ、主蒸気圧力の変動をおさえることがで
きる。
なお、第2図のTBV急開指令の必要性は、過渡応答時
におけるコントローラの遅れ分の補償であり初期的なも
のである。つまり、第1図に示す制御装置内のコントロ
ーラの演算では、タービントリップ時またはパワーロー
ドアンバランス時負荷設定信号Jが0となり、このた
め、速度負荷信号Gが0となる。そして、低値選択器27
により加減弁流量指令Lが0となって、バイパス弁流量
指令Kが発生することにより検出器34が動作するまでの
時間が必要となるからである。そこで、その時間を十分
カバーできる時間だけTBV急開指令を発生させるため、
シングルショット回路を設けている。しかし、TBV急開
指令はロジック回路から出力しっぱなしとしてもよく、
必ずしも、シングルショット回路を設ける必要はない。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、タービントリッ
プおよびパワーロードアンバランスの加減弁急閉条件発
生時に加減弁の閉動作に遅れることなく、バイパス弁が
開動作するから、主蒸気圧力の変動をおさえることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るタービン制御装置内のコントロー
ラのブロック構成図、第2図は同装置内の加減弁および
バイパス弁を動作させるロジック回路の構成図、第3図
は同装置の加減弁およびバイパス弁の動作状態を示すタ
イムチャート、第4図は発電プラントの主管系統図、第
5図は従来例を示すタービン制御装置内のコントローラ
のブロック構成図、第6図は加減弁を動作させるロジッ
ク回路の構成図、第7図はバイパス弁制御回路のブロッ
ク構成図、第8図は、従来例を示す加減弁およびバイパ
ス弁の動作状態を示すタイムチャートである。 1……蒸気発生器、3……加減弁、4……タービン、6
……バイパス弁、29−1,29−2,29−n……検出器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気発生器で発生した蒸気のタービンへの
    流入量を制御する加減弁と、前記蒸気発生器で発生した
    蒸気のうちタービンをバイパスさせる蒸気量を制御する
    バイパス弁と、主蒸気圧力と設定圧力との比較結果なら
    びにタービン速度と設定速度との比較結果に基づいて前
    記加減弁およびバイパス弁の開度を制御することにより
    タービン速度およびタービン入口蒸気圧力を制御する制
    御手段と、加減弁急閉条件の発生により加減弁強制閉機
    構を動作させ加減弁を全閉させる手段とを備えて構成さ
    れるタービン制御装置において、 前記主蒸気圧力と設定圧力との偏差に応じた圧力制御信
    号に基づいて、加減弁開度を制御して加減弁流量を調整
    する手段と、 前記加減弁流量をバイパス弁に流したと想定した場合の
    全バイパス弁流量相当を予め複数のバイパス弁の個々に
    ついて分担するように定め、前記圧力制御信号に応じて
    前記分担するバイパス弁を全開させる検出信号を出力す
    る複数のバイパス弁に対応させた各検出器と、 これらの検出器からのそれぞれの検出信号と前記加減弁
    急閉条件とのAND条件によってバイパス弁強制開機構を
    動作させ、加減弁の全閉と前記各検出器に対応したバイ
    パス弁を全開させる手段とを備えることを特徴とするタ
    ービン制御装置。
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JPS6480706A (en) * 1987-09-21 1989-03-27 Hitachi Ltd Turbine control device

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