JPH04339105A - 発電プラントの負荷制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】［発明の目的］

【産業上の利用分野】本発明は、ボイラ等蒸気発生装置
と蒸気タービンとを有する発電プラントの負荷制御装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にボイラ等の蒸気発生装置は、蒸気
タービンに比較して負荷変動特性が悪く、火力発電プラ
ントの許容負荷変化率は、蒸気発生装置の許容出力変化
率によって低く抑えられている。

【０００３】ところで、発電プラントに対して蒸気発生
器の許容出力変化率以上の負荷変動が要求される場合が
ある。特に比較的小さな容量の電力系統内で瞬時負荷変
動量の大きな電気炉やローリングミル等が運転される場
合等には発電プラントに対して大きな負荷変化率が要求
される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
場合であっても、従来火力発電プラントの出力変化は蒸
気発生装置の許容出力変化率によって規定されてしまい
系統負荷側が要求する負荷変化率を実現出来ないため、
電力系統内の需給バランスが崩れて系統周波数や電圧の
低下あるいは上昇等の不具合が発生したり、負荷制御器
の運転を制限する等の不具合を生じていた。

【０００５】本発明は、蒸気発生装置の許容出力変化率
以上の負荷変化を行うことの出来る発電プラントの負荷
制御装置を提供しようとするものである。

【０００６】［発明の構成］

【課題を解決するための手段】本発明の負荷制御装置は
、蒸気発生装置と蒸気タービンとの間から蒸気タービン
をバイパスして蒸気を流出させることができる蒸気配管
系統を有する発電プラントに対する負荷要求信号および
先行負荷予測信号を出力する負荷指令装置と、負荷要求
信号に対し主蒸気タービン設備側の許容条件を満たすよ
うに制限を加えたタービン負荷指令信号を演算する制限
器と、負荷要求信号および先行負荷予測信号に基づいて
負荷上昇時には蒸気タービンの負荷上昇に間に合うよう
に先行して蒸気発生装置の出力指令信号を演算し負荷下
降時には蒸気発生装置の出力変化追従能力に見合った蒸
気発生装置の出力指令信号を演算する出力指令演算装置
と、タービン負荷指令信号と蒸気発生装置の出力指令信
号とからその偏差に見合ったタービンバイパス弁開度信
号を演算する減算器とを備えている。

【０００７】

【作用】本発明では、現在の負荷要求値と数分後の負荷
予測値とから、タービン負荷指令、蒸気発生装置の出力
指令およびタービンバイパス弁開度指令を演算し、負荷
上昇させる場合には実負荷上昇以前に予め蒸気発生装置
の出力を上昇させておき、負荷上昇要求が発せられた時
にはただちに蒸気タービンを追従させて要求に見合った
負荷をとる。また、負荷下降させる場合には負荷下降要
求に従ってただちに蒸気タービン負荷を下降させ、蒸気
発生装置は自己の許容する変化率に従って出力を下降さ
せる。そして、負荷上昇あるいは下降時に生じるボイラ
発生蒸気量と蒸気タービン飲み込み蒸気量との差である
余剰蒸気は、タービンバイパス弁開度指令によってター
ビンバイパス系を使用して復水器等へ回収される。

【０００８】このようにして、蒸気発生装置の許容出力
変化率によって制限を受けずに、電力系統側からの負荷
要求に従って負荷変動を行う発電プラントの負荷制御装
置が実現される。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例について説明する。

【００１０】図１は、本発明の一実施例の制御対象とな
る発電プラントに本発明の負荷制御装置を適用したブロ
ック構成図である。

【００１１】同図において、ボイラ１によって発生した
蒸気は、蒸気管を通り主蒸気止め弁２、蒸気加減弁３を
介して蒸気タービン４に導かれる。この蒸気は、蒸気タ
ービン４および発電機５を回転させて発電エネルギーと
して使われた後、復水器６に至り復水される。

【００１２】蒸気タービン４に入り込む蒸気量よりボイ
ラ１による発生、蒸気量が多い場合、余剰蒸気はタービ
ンバイパス弁７を通って復水器へ流出する。

【００１３】負荷指令装置１１は外部の制御装置類の信
号を受けるか、あるいは運転員等による設定操作により
、負荷要求信号ａと先行負荷要求信号ｂとを出力する。 すなわち、負荷指令装置１１は発電プラントに対する現
時点における負荷要求信号ａと、予め定められた数分後
ないしは数十分後の先行負荷予測信号ｂとを作成し出力
する。ここで、先行負荷予測値は、電力系統に擾乱を与
えるような電気炉やローリングミル等の大きな負荷制御
器の運転予定を予め把握し入力することにより算出する
。

【００１４】負荷要求信号ａは制限器１２に入り、ター
ビン４および発電機５側の許容出力絶対値および許容出
力変化率に対する制限を受けて、タービン負荷指令信号
ｃ即ち時々刻々のタービン発電機５に対する負荷指令値
となる。

【００１５】一方、出力指令演算装置２２の減算器１３
では先行負荷予測信号ｂと上記のタービン負荷指令信号
ｃとの差を演算し、現在から予め定められた時間後まで
に変化させるべき負荷変化量信号ｄが出力される。

【００１６】ボイラ先行出力演算器１４はこの負荷変化
量信号ｄと予め設定されたボイラ許容負荷変化率から、
現時点から予めボイラ出力を先行して変化させるべき量
、すなわちボイラ先行出力変化量を演算する。この演算
は、例えば次のような演算によって求める。

【００１７】先行負荷予測値を定めるため予測時間をｔ
Ｂ　とし、ｔＢ　間に変化しうるボイラの許容最大出力
変化量をΔＬＢＭＡＸとすると、 ｄ≦ΔＬＢＭＡＸのとき　　　　　　ｅ＝０ｄ＞ΔＬＢ
ＭＡＸのとき　　　　　　ｅ＝（ｄ−ΔＬＢＭＡＸ）／
ｔＢ

【００１８】加算器１５はボイラ先行出力変化量信
号ｅとタービン負荷指令信号ｃを加算してボイラ先行出
力信号ｆを作り、さらに高値選択器１６にてタービン負
荷指令値ｃとの高値選択演算が行われる。これは負荷下
降予測時にボイラ出力のみが先行して下がっていくのを
防止するためである。高値選択器１６の出力ｇは変化率
制限器１７にてボイラ設備の許容変化率制限を受けてボ
イラ出力指令信号ｈとなる。

【００１９】ここで、ボイラ出力指令値ｈとタービン負
荷指令値ｃとの差が減算器１８にて演算され、ボイラ出
力とタービン負荷とのアンバランス量に見合ったタービ
ンバイパス弁開度指令信号ｋが演算される。

【００２０】このタービン負荷指令信号ｃ、タービンバ
イパス弁開度指令信号ｋおよびボイラ出力指令信号ｈは
それぞれタービン負荷制御装置１９、タービンバイパス
弁開度制御装置２０およびボイラ制御装置２１の指令値
として与えられ、各制御装置にて制御される。

【００２１】図２は、火力発電プラントに要求される負
荷要求信号ａが時刻ｔ３　にΔＬ上昇し、時刻ｔ６　に
ΔＬ下降するケースを示している。電力系統に接続され
た負荷の運転予定から、このような負荷要求信号ａが必
要とされる場合、負荷指令装置１１は、先行負荷予測信
号ｂとして、負荷要求信号ａに対して先行した時刻ｔ１
　にΔＬ上昇し時刻ｔ５　にΔＬ下降する先行負荷予測
信号ｂを出力する。

【００２２】タービン負荷指令信号ｃは負荷要求信号ａ
に対し、タービン４および発電機５側からの制限が加え
られ、時刻ｔ３　より上昇し始め時刻ｔ４にΔＬの上昇
を終了し、時刻ｔ６　から降下を開始し、時刻ｔ７　に
ΔＬ分の下降を終了する信号となる。

【００２３】タービン発電機５の出力はタービン負荷指
令値ｃに従って変化する。

【００２４】ボイラ出力はタービン４に先行して時刻ｔ
２　から上昇し始め、時刻ｔ３　にはΔＬ相当の出力上
昇を終了し、タービン４の負荷上昇に応じられるように
なっている。負荷下降時は時刻ｔ６　から出力降下を開
始し、タービン負荷ΔＬ減少到達より遅れて時刻ｔ８　
にΔＬ相当分の出力降下を終了する。

【００２５】タービンバイパス弁開度は、ボイラ出力と
タービン負荷のアンバランス分に相当する余剰蒸気を流
すため、時刻ｔ２　より開き始め時刻ｔ３にΔＬ相当開
度に達し、タービン負荷上昇とともに閉まり始めボイラ
出力とタービン負荷が一致する時刻ｔ４　に全閉となる
。同様に時刻ｔ６　に開き始め時刻ｔ７　に開度上昇か
ら下降に転じ時刻ｔ８　に全閉する。なお、図２の特性
は系の遅れなどを無視したものを召している。

【００２６】このように電力系統の負荷側から要求され
るボイラ許容出力変化率以上の負荷変化要求に対しても
追従しうる火力発電プラントが実現される。

【００２７】以上の実施例では蒸気タービンが単純な復
水タービンの例であるが、抽気タービン、背圧タービン
、再熱サイクルについても同様にして実現できる。さら
にタービンをバイパスするラインのかわりにボイラから
蒸気タービンに至る途中に系外へ導くラインを設けても
よい。

【００２８】また、以上の実施例では、ボイラ先行出力
値ｆとタービン負荷指令値ｃとの高値選択をして負荷下
降前にボイラ出力を下げないように演算しているが、タ
ービン負荷指令ｃと先行負荷予測値ｂと比較して先行負
荷予測値の方が大きい場合にのみボイラ出力指令が先行
的に上昇していくようにすれば、その判断回路をどの部
分に入れても最終的に同じ出力指令を得ることが出来る
。

【００２９】さらに系統の状況や制御対象プラントの特
性などにより、図２におけるボイラ出力上昇終了時刻ｔ
３　とタービン負荷上昇終了時刻ｔ４　とを一致させる
ことも制御装置内の調整によって可能である。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、本発明によればボイラ等
蒸気発生装置の許容出力変化率にとらわれることがなく
、速い負荷変化要求に追従できる発電プラントの負荷制
御が可能となる。また、本発明の負荷制御装置を採用す
ることにより、比較的小さな電力系統内に瞬時負荷変動
量の大きな電気炉やローリングミル等が設けられる場合
でも、系統周波数や電圧に大きな擾乱を生じないように
でき、系統運用上有益であると同時に、負荷側機器に対
する運転制限も不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の負荷制御装置の一実施例を示すブロッ
ク図。

【図２】本発明の負荷制御装置の動作説明図。

【符号の説明】

１　　　　ボイラ ２　　　　主蒸気止め弁 ３　　　　蒸気加減弁 ４　　　　蒸気タービン ５　　　　発電機 ６　　　　復水器 ７　　　　タービンバイパス弁 １１　　　　負荷指令装置 １２　　　　制限器 １３　　　　減算器 １４　　　　先行出力演算器 １５　　　　加算器 １６　　　　高値選択器 １７　　　　変化率制限器 １８　　　　減算器 １９　　　　タービン負荷制御装置 ２０　　　　タービンバイパス弁開度制御装置２１　　
　　ボイラ制御装置 ２２　　　　出力指令演算装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　蒸気発生装置と蒸気タービンとの間か
   ら蒸気タービンをバイパスして蒸気を流出させることが
   できる蒸気配管系統を有する発電プラントの負荷を制御
   する負荷制御装置において、前記発電プラントに対する
   負荷要求信号および先行負荷予測信号を出力する負荷指
   令装置と、前記負荷要求信号に対し主蒸気タービン設備
   側の許容条件を満たすように制限を加えたタービン負荷
   指令信号を演算する制限器と、前記負荷要求信号および
   前記先行負荷予測信号に基づいて負荷上昇時には前記蒸
   気タービンの負荷上昇に間に合うように先行して蒸気発
   生装置の出力指令信号を演算し負荷下降時には前記蒸気
   発生装置の出力変化追従能力に見合った蒸気発生装置の
   出力指令信号を演算する出力指令演算装置と、前記ター
   ビン負荷指令信号と前記蒸気発生装置の出力指令信号と
   からその偏差に見合ったタービンバイパス弁開度信号を
   演算する減算器とを備えたことを特徴とする発電プラン
   トの負荷制御装置。