JPH04219405A - タービン制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の目的】

【産業上の利用分野】本発明はタービン制御装置に係り
、特に電力系統外乱発生によりタービン速度変動が生じ
た場合や、負荷遮断によるタービンオーバスピートを防
止する機能であるパワーロードアンバランスが動作した
場合に、原子炉スクラムを招くことなく原子炉運転を継
続させることができるタービン制御装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】第４図は一般的な発電プラントの主管系
統を示したものである。蒸気発生器１で発生した蒸気は
主蒸気管２を経由し、加減弁３でその量が制御されてタ
ービン４に流入する。そして、このタービン４で仕事を
した蒸気は復水器５で復水される。タービン４には発電
機６が同軸に連結されており、発電機６で発生した電力
は遮断器７を介して系統８に供給される。また、蒸気発
生器１で発生した蒸気のうち加減弁３を経由してタービ
ン４に流入しなかった蒸気は、バイパス弁９を経由して
直接復水器５に流入する。さらに、このような主管系統
においては、圧力センサ１０により主蒸気圧力を、また
速度センサ１１によりタービン速度をそれぞれ検出する
ようになっており、これらの各検出値は上記加減弁３、
バイパス弁９の開度を制御する際に使用されるパラメー
タとなるものである。

【０００３】従来、上述の加減弁３、バイパス弁９の制
御は第５図に示すような制御装置によってなされている
。圧力センサ１０で検出された主蒸気圧力Ａは圧力設定
器２０で設定された圧力設定値Ｂと加算器２１において
比較され、その偏差が演算される。そして、この偏差に
増幅器２２でゲインＫ１　を乗じたものが圧力制御信号
Ｃとなる。ここで、１／Ｋ１　は一般に圧力調定率と呼
ばれており、例えば（２．１　ｋｇ／ｃｍ２　）／（１
００　％負荷）のような値が使用される。

【０００４】一方、速度センサ１１で検出されたタービ
ン速度Ｄは速度設定値Ｅと加算器２３で比較され、ここ
で得られる偏差は、増幅器２４でゲインＫ２を乗じられ
て速度制御信号Ｆとなり、ついで負荷設定器２５で設定
された負荷設定値Ｇと加算器２６で加算され、速度負荷
制御信号Ｈとなる。ここで、１／Ｋ２　は一般に速度調
定率と呼ばれており、例えば（　５％定格速度）／（１
００　％負荷）のような値が使用される。

【０００５】かかる圧力制御信号Ｃと速度負荷制御信号
Ｈのうちの低値の方が低値選択器２７によって選択され
、これが加減弁流量要求信号Ｉとなり、加算器２８にお
いて圧力制御信号Ｃからこの加減弁流量要求信号Ｉが差
し引かれたものがバイパス弁流量要求信号Ｊとなる。

【０００６】このような制御装置において、発電プラン
トの通常運転時には、通例負荷設定値Ｇは加減弁流量要
求信号Ｉよりも１０％上に設定されるため、圧力制御信
号Ｃの方が速度負荷制御信号Ｈよりも小さくなり、加減
弁流量負荷制御信号Ｉは圧力制御信号Ｃに等しくなり、
バイパス弁流量要求信号Ｊは零となる。すなわち、蒸気
発生器１で発生した蒸気は全て加減弁３を通ってタービ
ン４に流入し、バイパス弁９は、全閉とするように制御
が行われる。

【０００７】したがって通常運転時、速度設定値Ｅとタ
ービン速度Ｄとの偏差からなる速度制御信号Ｆが−１０
％（５０ＨＺの場合、０．２５ＨＺに相当する）以上と
なるタービン速度上昇に対して加減弁３は応答せず、圧
力制御が優先的になされている。一方、速度制御信号Ｆ
が−１０％以下（５０ＨＺの場合０．２５ＨＺ以上の周
波数上昇）となるタービン速度上昇に対しては、速度負
荷制御信号Ｈが圧力制御信号Ｃ以下となり、加減弁３は
絞り込まれる。この加減弁３の絞り動作により余剰とな
った蒸気は、圧力制御信号Ｃから加減弁流量要求信号Ｉ
を差し引きした信号がバイパス弁流量要求信号Ｊとなり
バイパス弁９を開いて処理される。このように加減弁３
とバイパス弁９とを協調動作させると、原子炉圧力はほ
とんど変化することなく、プラント運転を安定に継続で
きることになる。

【０００８】しかしながら、系統事故などの急激な外乱
が発生した場合には、加減弁流量要求信号Ｉおよびバイ
パス弁流量要求信号Ｊの変化速度および変化量は同様で
あるに対し、実際の加減弁３の開／閉速度およびバイパ
ス弁９の開／閉速度は弁の機械的制約から特性が異なり
、特にタービン速度上昇後もとの基準値に復帰する際、
加減弁３の開速度に対してバイパス弁９の閉速度が速い
ため、主蒸気圧力が上昇して原子炉圧力制御に悪影響を
与えるなどの問題があった。

【０００９】そこで、最近第６図に示すように加算器２
６と低値選択器２７の間にさらに変化率制限器２９を設
け、加減弁３の開閉速度に合うように速度負荷制御信号
Ｈの変化率を制限し（Ｈ′）、結果的に加減弁とバイパ
ス弁の動作速度を一致させる方式が考えられてきている
。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】このような方式によっ
て、確かに系統擾乱時の原子炉圧力制御の安定化は可能
となるが、この方式は負荷遮断時に次のような問題があ
る。第７図のタイムチャートに示すように、負荷遮断に
よるタービン出力と発電機負荷の不均衡発生時にタービ
ンのオーバースピードを抑えるため加減弁を強制的に急
閉させるパワーロードアンバランス機能が通常プラント
運転中に動作した場合、加減弁は通常のタービン制御装
置からのサーボ弁制御によらず、加減弁の急速閉動作を
目的として加減弁急速作動電磁弁が作動し、加減弁の制
御油圧力が低下して加減弁は急速作動電磁弁の作動時刻
ｔ１　から時刻ｔ４　の間に急閉する。しかしながらバ
イパス弁では、一般にはタービン制御装置の演算結果に
より開方向の信号が急増すると、バイパス弁の急速開動
作を目的としてバイパス弁急速作動電磁弁が作動してバ
イパス弁の制御油圧力が低下しバイパス弁が急開動作す
るようになっているが、この場合には速度負荷制御信号
Ｈ′の変化率が通常の加減弁動作速度となっているため
速度負荷制御信号Ｈ′とともにバスパス弁流量要求信号
Ｊの動作遅れが生じ（時刻ｔ２　〜時刻ｔ５　）、開方
向の信号が急増しないため、バイパス弁急速作動電磁弁
が動作せずにサーボ弁制御のままとなり、加減弁の急閉
速度（時刻ｔ１　〜時刻ｔ４　）に対して、バイパス弁
の開速度（時刻ｔ２　〜時刻ｔ５　）が遅れ、その結果
主蒸気圧力の上昇が時刻ｔ１　、ｔ５　間に生じ原子炉
保護インターロックが作動して原子炉スクラムに至る恐
れがある。

【００１１】本発明はかかる点に対処してなされたもの
で、パワーロードアンバランス機能の動作により加減弁
が急閉するような場合にも、主蒸気圧力変動を抑えて、
原子炉側への外乱をより小さくし、不要な原子炉スクラ
ムを回避して原子炉運転を継続することができるタービ
ン制御装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【発明の構成】

【課題を解決するための手段】すなわち、蒸気発生器で
発生した蒸気のタービンに流入する蒸気量を調整する加
減弁とタービンへ流入しない蒸気をバイパスするバイパ
ス弁のそれぞれの開度を制御するタービン制御装置にお
いて、本発明のタービン制御装置は、主蒸気圧力検出値
と圧力設定値との比較に基づいて圧力制御信号を求める
圧力制御信号演算回路と、タービン速度検出値と速度設
定値との比較に基づいて速度負荷制御信号を求める速度
負荷制御信号演算回路と、速度負荷制御信号の変化率特
性を加減弁の開閉動作速度相当とする変化率制限を行い
、加減弁の急速閉動作発生時にはその変化率制限を解除
する変化率制限切替回路と、この変化率制限切替回路か
らの速度負荷制御信号と圧力制御信号演算回路からの圧
力制御信号に基づいて加減弁およびバイパス弁の開度を
それぞれ制御する加減弁流量要求信号およびバイパス弁
流量要求信号を求める弁流量要求信号演算回路とから構
成される。

【００１３】

【作用】本発明のタービン制御装置においては、電力系
統の外乱などによるタービン速度変動に対しては、速度
負荷制御信号の変化率が加減弁動作速度相当に設定され
ることにより、バイパス弁の動作遅れが防止される。一
方、負荷遮断時のようなパワーロードアンバランス機能
が動作した場合の急速作動電磁弁による加減弁の急速閉
動作に対しては、速度負荷制御信号の変化率を通常の加
減弁動作速度相当とする変化率制限が解除されることに
より、バイパス弁は急速作動電磁弁によって急速開動作
が行われ、加減弁の閉動作に対するバイパス弁の急開動
作遅れが防止される。

【００１４】したがって、どのような場合にも加減弁と
バイパス弁の動作を協調させることができ、不要な主蒸
気圧力の上昇を抑制してプラント運転の安定性を向上さ
せることができる。

【００１５】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。なお、従来例と同一部分については同一符号を付
記し、その説明を省略する。第１図に本発明のタービン
制御装置の一実施例を示す。図中、符号３０、３１、３
２はそれぞれ圧力制御信号Ｃを出力する圧力制御信号演
算回路、速度負荷制御信号Ｈを出力する速度負荷制御信
号演算回路、加減弁流量要求信号Ｉおよびバイパス弁流
量要求信号Ｊを出力する弁流量要求信号演算回路を示し
、これらの部分は従来例と同じである。本実施例で第６
図に示した従来例と異なる点は速度負荷制御信号演算回
路３１と弁流量要求信号演算回路３２との間に変化率制
限器２９および切替器３３からなる変化率制限切替回路
３４を設けたことである。すなわち、変化率制限器２９
をバイパスするルートを設け、このバイパスルートと変
化率制限器２９を通るルートのどちらかを選択する切替
器３３を設けている。この切替器３３は、パワーロード
アンバランスが動作していない時は、変化率制限器２９
を介した速度負荷制御信号Ｈ′が低値選択器２７に入力
するよう動作し、逆にパワーロードアンバランスが動作
している時は、変化率制限器２９をバイパスした速度負
荷制御信号Ｈが低値選択器２７に入力するよう動作する
ものである。

【００１６】次に上記構成のタービン制御装置の作用に
ついて説明する。通常の圧力制御運転中は、前述したよ
うに系統擾乱を考慮して変化率制限器２９の出力信号で
ある速度負荷制御信号Ｈ′が低値選択器２４に入力する
よう切替器３３によって変化率制限器２９と低値選択器
２７が接続され、この状態からパワーロードアンバラン
ス機能が動作した場合、切替器３３は変化率制限器２９
を通さない速度負荷制御信号Ｈが低値選択器２７に入力
するよう動作する。

【００１７】パワーロードアンバランス機能が動作する
と、第２図にタイムチャートで示したように、加減弁急
速作動電磁弁が作動し、加減弁は急速作動電磁弁の作動
時刻ｔ１　から時刻ｔ４　の間に急閉する。この時バイ
パス弁は圧力制御信号Ｃから加減弁流量要求信号Ｉをさ
し引いた偏差分で開方向に変化するが、加減弁流量要求
信号Ｉとなる速度負荷制御信号Ｈが時刻１　から時刻ｔ
３　の間に急速に減少するためすぐに開方向の偏差信号
が増大し、バイパス弁の急速作動電磁弁が時刻ｔ２　に
作動してバイパス弁を急開し、時刻ｔ４　には加減弁の
閉動作とともにバイパス弁の開動作が完了する。

【００１８】このように、通常は加減弁流量要求信号Ｉ
（速度負荷制御信号）は変化率制限器２９により加減弁
動作速度相当の変化速度で制御されているが、パワーロ
ードアンバランス動作時には変化率制限器２９によらず
、タービン速度上昇速度に見合った変化速度となり、バ
イパス弁開方向速度が早められ、バイパス弁開き遅れに
よる主蒸気圧力の変動が小さくおさえられる。

【００１９】第３図に本発明のタービン制御装置の他の
実施例を示す。前述の実施例と異なる点は、変化率制限
切替回路３４を変化率制限器２９および変化率切替器３
５で構成したことである。本実施例においては、通常時
には変化率切替器３５のスイッチ３６のｏｆｆ　により
、変化率制限器２９は従来と同様に速度負荷制御信号の
変化速度が加減弁動作速度相当となるように制限動作す
る。 一方、パワーロードアンバランス時には、スイッチ３６
のｏｎにより、変化率切替器３５は変化率制限器２９に
変化率制限値を最大に設定するような変化率信号を送り
、速度負荷制御信号の変化速度が加減弁動作速度程度に
制限されることなくステップ的な信号変化にも追従でき
るようにしたものである。

【００２０】このような構成により前述の実施例と同等
の効果を得ることが可能となる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
力系統外乱によるタービン速度変動に対し主蒸気圧力の
変動を防止するようなタービン制御装置においても、パ
ワーロードアンバランス動作時のバイパス弁の閉動作遅
れを改善し、主蒸気圧力の変動を抑えて不要な原子炉ス
クラムを回避することができ、プラント運転継続耐力を
向上させることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明のタービン制御装置の一実施例を示
す信号系統図

【図２】　　本発明のタービン制御装置の作用を示すタ
イムチャート

【図３】　　本発明のタービン制御装置の他の実施例を
示す信号系統図

【図４】　　一般的な発電プラントの主管系統を示すブ
ロック図

【図５】　　タービン制御装置の従来例を示す信号系統
図

【図６】　　タービン制御装置の従来例を示す信号系
統図

【図７】　　図６に示す従来のタービン制御装置の
作用を示すタイムチャートである。

【符号の説明】

１　　…蒸気発生器 ２　　…主蒸気管 ３　　…加減弁 ４　　…タービン ５　　…復水器 ６　　…発電機 ７　　…遮断器 ９　　…バイパス弁 １０　　…圧力センサ １１　　…速度センサ ２０　　…圧力設定器 ２１、２３、２６、２８　　…加算器 ２２、２４　　…増幅器 ２５　　…負荷設定器 ２７　　…低値選択器 ２９　　…変化率制限器 ３０　　…圧力制御信号演算回路 ３１　　…速度負荷制御演算回路 ３２　　…弁流量要求信号演算回路 ３３　　…切替器 ３４　　…変化率切替器回路 ３５　　…変化率切替器 ３６　　…スイッチ Ａ　　…主蒸気圧力検出信号 Ｂ　　…圧力設定信号 Ｃ　　…圧力制御信号 Ｄ　　…タービン速度検出信号 Ｅ　　…速度設定信号 Ｆ　　…速度制御信号 Ｇ　　…負荷設定信号 Ｈ、Ｈ′　　…速度負荷制御信号 Ｉ　　…加減弁流量要求信号 Ｊ　　…バイパス弁流量要求信号

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　蒸気発生器で発生した蒸気のタービン
   に流入する蒸気量を調整する加減弁とタービンへ流入し
   ない蒸気をバイパスするバイパス弁のそれぞれの開度を
   制御するタービン制御装置において、主蒸気圧力検出値
   と圧力設定値との比較に基づいて圧力制御信号を求める
   圧力制御信号演算回路と、タービン速度検出値と速度設
   定値との比較に基づいて速度負荷制御信号を求める速度
   負荷制御信号演算回路と、前記速度負荷制御信号の変化
   率特性を前記加減弁の開閉動作速度相当とする変化率制
   限を行い、前記加減弁の急速閉動作発生時には前記変化
   率制限を解除する変化率制限切替回路と、この変化率制
   限切替回路からの速度負荷制御信号と前記圧力制御信号
   演算回路からの圧力制御信号に基づいて前記加減弁およ
   びバイパス弁の開度をそれぞれ制御する加減弁流量要求
   信号およびバイパス弁流量要求信号を求める弁流量要求
   信号演算回路とを具備したことを特徴とするタービン制
   御装置。