JP2822858B2 - 内燃機関用フィルタ再生装置 - Google Patents

内燃機関用フィルタ再生装置

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JP2822858B2
JP2822858B2 JP5232927A JP23292793A JP2822858B2 JP 2822858 B2 JP2822858 B2 JP 2822858B2 JP 5232927 A JP5232927 A JP 5232927A JP 23292793 A JP23292793 A JP 23292793A JP 2822858 B2 JP2822858 B2 JP 2822858B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンから
排出される排気ガス中に含まれるパティキュレート(粒
子状物質)を捕集する内燃機関用フィルタを高周波エネ
ルギを利用して再生する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球環境保全に関して、森林破壊を招く
酸性雨が大きな問題となってきている。酸性雨は硫黄酸
化物や窒素酸化物などの大気汚染物質が汚染源となって
生じる自然現象であり、近年世界各国でこのような大気
汚染物質の排出規制がコ・ジェネレーションなどの固定
発生源や自動車などの移動発生源に対して強化される動
きにある。特に、自動車の排気ガスに関する規制は従来
の濃度規制から総量規制へ移行され規制値自体も大幅な
削減がなされようとしている。
【0003】自動車の中でもディーゼル車は窒素酸化物
と同時にパティキュレートの排出規制の強化が行われて
いる。燃料噴射時期遅延などの内燃機関エンジンそのも
のの燃焼改善による従来の排気ガス中の汚染物質低減対
策だけでは排ガス規制値以下にパティキュレート発生量
を抑制することは不可能とされ、現状では排気ガスの後
処理装置の付設が不可欠である。この後処理装置はパテ
ィキュレートを物理的に捕集するフィルタを有するもの
である。
【0004】ところが、パティキュレートが捕集され続
けるとフィルタは目詰まりを生じて捕集能力が大幅に低
下するとともに排気ガスの流れが悪くなってエンジン出
力の低下あるいはエンジンの停止といったことに至る。
これを解決するために、現在フィルタの捕集能力を再生
させるための技術開発が進められている。
【0005】パティキュレートは600℃程度から燃焼
することが知られている。パティキュレートをこの温度
に昇温するためのエネルギを発生する手段方式として、
バーナ方式、電気ヒーター方式あるいはマイクロ波方式
などが考えられている。本発明者らは昇温効率の良さ、
安全性あるいは再生制御性の良さなどを考慮してマイク
ロ波方式によるフィルタ再生装置を開発してきた。
【0006】マイクロ波方式によるフィルタ再生装置と
しては、たとえば特開昭59−126022号公報があ
る。同公報に開示されている装置を図5に示す。同図に
おいて、1はエンジン、2は排気マニホルド、3は排気
管、4は排気分岐管、5はフィルタ、6はフィルタ5を
収納した加熱室、7は高周波発生装置、8は高周波発生
装置7の発生したマイクロ波を加熱室6に導く導波管、
9はマイクロ波反射板、10は空気ポンプ、11は空気
供給路、12は高周波発生手段7の駆動電源、13はマ
フラー、14は空気切換バルブ、15は排気ガス流切換
バルブである。
【0007】上記した構成において、エンジンの排気ガ
スは排気ガス流切換バルブ15によってフィルタ5に導
かれたり、直接大気へ排出されたりする。パティキュレ
ート捕集サイクルにおいて、排気ガスはフィルタ5に導
かれ排気ガス中に含まれるパティキュレートはフィルタ
5に捕集されるが前述したようにフィルタ5の捕集能力
は有限である。捕集能力が限界に達すると排気ガス流切
換バルブ15が制御され排気管3への排気ガスは遮断さ
れ排気ガスのすべては排気分岐管4を経て大気に排出さ
れる。この間にフィルタ5の再生が行われる。このフィ
ルタ再生サイクルにおいてパティキュレートを加熱する
エネルギは高周波発生装置7からまた燃焼に必要な空気
が空気ポンプ10より同時に供給される。所定の時間を
経てフィルタ再生が完了すると排気ガス流切換バルブ1
5が再び制御されてフィルタ5に排気ガスが導かれる。
この捕集と再生のサイクルがくり返される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、フィルタに捕集されたパティキュレートを
燃焼再生する場合、同じように高周波や助燃用気体を供
給すると、パティキュレートの捕集重量によって、燃焼
状態が異なるという問題がある。すなわち、被加熱燃焼
物であるパティキュレートの量が少ないと発生燃焼熱が
少ないので燃焼が穏やかであり、パティキュレート量が
多いと燃焼が激しくなる。一方、現在開発されているパ
ティキュレート捕集用フィルタの実用的な耐熱温度は最
高でも約1000℃である。パティキュレートを再生燃
焼させる際には、耐熱温度を越えないようにしなければ
ならないので、パティキュレートの捕集量が多いときに
は、助燃用エアを少なくするなどして燃焼抑制しなが
ら、燃焼させる必要がある。
【0009】したがって、パティキュレートの捕集量を
検出して、それに対応した燃焼制御をすることが、装置
の信頼性向上のために不可欠であった。
【0010】本発明は上記課題を解決するもので、パテ
ィキュレートの捕集量を検出して加熱する高周波加熱手
段を備えた排ガス浄化装置を実現するこを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波加熱装置
は上記目的を達成するため、下記構成としている。
【0012】すなわち、内燃機関の排気ガスを排出する
排気管と、前記排気管内に収納され前記排気ガス中に含
まれるパティキュレートを捕集するフィルタと、前記フ
ィルタを収納し前記パティキュレートを加熱燃焼させる
加熱室と、前記パティキュレートを加熱するための高周
波を発生する高周波発生装置と、前記加熱室に設けられ
加熱室内の高周波を検出するためのアンテナと、前記パ
ティキュレートを燃焼させる助燃気体を前記フィルタに
供給する送風手段と、前記フィルタのフィルタ温度測定
手段と、前記フィルタ温度測定手段の信号に基づき前記
アンテナからの検出信号を補正して得られる情報に基づ
いて前記高周波発生装置と前記送風手段の動作を制御す
る制御部とを有する構成としている。
【0013】また、内燃機関の排気ガスを排出する排気
管と、前記排気管内に収納され前記排気ガス中に含まれ
るパティキュレートを捕集するフィルタと、前記フィル
タを収納し前記パティキュレートを加熱燃焼させる加熱
室と、前記パティキュレートを加熱するための高周波を
発生する高周波発生装置と、前記加熱室に設けられ加熱
室内の高周波を検出するためのアンテナと、前記パティ
キュレートを燃焼させる助燃気体を前記フィルタに供給
する送風手段と、前記排気ガスの温度を測定する排ガス
温度測定手段と、前記排ガス温度測定手段の信号に基づ
き加熱室の高周波を検出するアンテナの検出信号を補正
して得られる情報に基づいて前記高周波発生装置と前記
送風手段の動作を制御する制御部とを有する構成として
いる。
【0014】また、前記排ガス温度測定手段は加熱室外
部に設けてあり、かつ、フィルタを収納する加熱室の排
ガス排出部近傍に設けた構成としている。
【0015】さらに、排ガス温度測定手段を加熱室の排
ガス上流側および下流側の両方に設け、前記上流側排ガ
ス温度測定手段と前記下流側排ガス温度測定手段の温度
がほぼ同じになったとき、前記排ガス温度測定手段の信
号に基づき加熱室の高周波を検出するアンテナの検出信
号を補正して得られる情報に基づいて高周波発生装置と
送風手段を制御する制御部を備えた構成としている。
【0016】また、さらに、アンテナは同軸線路の中心
導体からなり、前記フィルタを収納して覆う壁面に設け
た構成としている。
【0017】
【作用】本発明は上記構成によって、下記の作用を有す
る。
【0018】本発明の内燃機関用フィルタ再生装置は、
マグネトロンから発生した高周波によって生じる電界の
一部を、加熱室に設けたアンテナで受ける構成をしてい
る。そして、そのアンテナに生じる電界強度は、フィル
タに捕集されたパティキュレートの量によって変化す
る。その理由は、加熱室内の電界強度の分布が、高周波
の波長の周期で変化し、高周波の波長が電界中の物質の
誘電率によって異なるためと、捕集されたパティキュレ
ートが供給された高周波を吸収するのでアンテナに到達
する高周波の絶対量が変化するためである。すなわち、
加熱室内のパティキュレートの量が変わると加熱室のフ
ィルタ部分において等価誘電率が変化し、加熱室内の電
界強度が変わり、それとともに、前記アンテナで受ける
電界が変化するのである。
【0019】このようにすることで、パティキュレート
の捕集量を検出することができるが、パティキュレート
およびフィルタそのもので高周波の吸収状態は、温度に
よって変化する。すなわち、セラミック系の材料は高温
になると誘電損失が増加する傾向にあるため温度が高い
とアンテナに生ずる電界強度が低くなり、あたかも、パ
ティキュレートの量が多いような高周波特性を示す。し
たがって、加熱室の電界強度を測定することで、パティ
キュレート捕集量を検出するためには、フィルタの温度
によってアンテナに生じる電界強度を補正する必要があ
る。排気ガス中のパティキュレートを捕集しているとき
のフィルタの温度は排ガス温度とほぼ同じなので、本発
明では排ガス温度測定手段を設けて排ガス温度を測るこ
とで、フィルタ温度を推定している。
【0020】また、排ガス温度の測定には、熱電対によ
る測定やサーミスタなどの温度により特性の変化が大き
い素子を利用するが、これらの電気部品は高周波電界の
大きい加熱室内部では使用できない。このため、排ガス
温度測定手段は加熱室の近傍で排ガス下流に設けること
で、排ガス温度の測定が可能となる。フィルタの下流の
排ガス温度はフィルタ内部を通過した排気ガスなので、
よりフィルタ温度に近いものとなる。
【0021】さらに、排ガス温度測定手段をフィルタの
上流と下流の両方に設け、その両方の排ガス測定手段の
温度がほぼ同じになったときに、その温度をフィルタの
温度と判定することで、より正確なフィルタ温度を検出
でき、アンテナによるパティキュレート量の情報を正し
く補正することができ捕集量の検出精度があがるため、
最適なフィルタの再生制御を行うことができる。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例を図を参照して説明す
る。
【0023】第1の実施例を図1に示す。図1におい
て、16はエンジン、17は内燃機関の排気ガスを排出
する排気管、18は排気管17の途中に設けられた加熱
室、19は加熱室内に収納され排気ガスが通過する間に
排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するフィ
ルタ、20は加熱室18に給電する高周波発生装置とし
てのマグネトロン、21はマグネトロン20の発生した
高周波を加熱室18に伝送する導波管、22は加熱室1
8に助燃気体を供給する送風手段である。この気体は開
閉バルブ23を開成することにより加熱室18へ流入さ
れる。24は排気ガス分岐管であり、バルブ25により
排気ガス流の排出経路としてフィルタ19を含む排気路
あるいは排気分岐管24が選択される。26、27は加
熱室18を限定する高周波遮蔽手段であり、パンチング
孔構成からなる。28はフィルタ19の外周と加熱室内
壁との間に設けられたフィルタ保持材であり、断熱作用
も兼ねている。
【0024】排気ガスは図中矢印aで示した方向から排
気管内を流れフィルタ19に流入される。フィルタ19
はウォールフロータイプのハニカム構造体で構成され、
排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集する機能を
有している。このフィルタ19に捕集されたパティキュ
レートの量が増大すると、フィルタ19の圧力損失が増
大し内燃機関であるエンジン16の負荷が増加するとと
もに最悪の場合にはエンジン停止に至る。したがって、
フィルタ19に所定のパティキュレートが捕集されると
フィルタ19を再生する必要がある。
【0025】高周波発生装置としてのマグネトロン20
から出た電波は、導波管21を介して伝送され、加熱室
18内ではその形状で決まる定在波となって分布し、フ
ィルタ19に捕集されたパティキュレートを加熱する。
パティキュレートの加熱分布は電波の分布によって決ま
る。
【0026】パティキュレートの重量は、フィルタ18
の側面に設けたアンテナ29によって検出される。すな
わち、パティキュレートを本発明のようにマイクロ波で
加熱再生する際に吸収されずに反射する波によって生ず
るの定在波の電界を、アンテナ29で検出し、その検出
信号がパティキュレート量によって変化することを利用
して、パティキュレート量を推測する。アンテナに検出
される高周波の電界量は温度によって変化する。すなわ
ち、捕集されたパティキュレートも含んだフィルタ部分
19の誘電率と誘電損失は温度特性をもっており、高温
の方が誘電率が大きく誘電損失も高くなる。これは、フ
ィルタに使われている材料がコージェライトやムライト
などのセラミック系の材質が持つ性質によるものであ
る。したがって、排ガス温度検出手段30を用いて排気
ガスの温度を検出することで、フィルタの温度を推定し
ている。この排ガス温度検出手段30はフィルタ19の
温度を推定するために使用されるので、フィルタ温度検
出手段30aの役目を果たしている。排ガス温度検出手
段30は、排気ガスに混じる硫化系成分に腐食されない
ようにステンレスで覆われたシースド熱電対を使ってい
る。温度検出素子は、検出温度範囲と精度により熱電対
やその他の温度特性の大きい素子を利用してもかまわな
い。
【0027】制御部31は排ガス温度測定手段30の信
号に基づき加熱室の高周波を検出するアンテナ29の検
出信号を補正してパティキュレート重量を判別し、それ
に応じて高周波発生装置20や燃焼用気体を供給する信
号を出す。
【0028】32は消音用のマフラーである。排気ガス
がフィルタ19を流れて捕集されているときは、装置自
体がマフラーの役目をしている。
【0029】図2にアンテナ29部の詳細図を示す。加
熱室18壁面にはアンテナ29で高周波を検出するため
の検出孔33が設けられており、そこにセミリジッド同
軸ケーブル34が挿入されている。同軸ケーブル34の
中心導体は、周囲導体より長く突き出した構成とし、こ
れがアンテナの役目をする。本実施例では、高周波の電
界強度を検出する構成となっている。前記同軸ケーブル
の絶縁体35は、高周波特性がよく耐熱性が比較的高い
フッ素樹脂が用いられている。
【0030】図3にパティキュレート捕集量とアンテナ
検出量の一例を示す。図1の構成で約6Lの加熱室に
2.5Lのフィルタを設置し、2450MHzの400
Wの高周波を供給する。図2の構成でアンテナの長さ3
6を5mmにした場合の特性である。図3に示したよう
に温度測定装置によりパティキュレートの捕集量を補正
することで、捕集量を検出可能になる。たとえば、排ガ
ス温度が300度の場合でアンテナの出力が5mWの場
合、フィルタの捕集量が7g/Lと推定可能になる。排
ガスの温度は内燃機関エンジンの回転数とその負荷によ
ってほぼ推定は可能であるが、排ガス温度測定手段がな
い場合は図3からもわかるように捕集量の検出精度は著
しく低下する。
【0031】図1、図2において、制御部31はパティ
キュレート重量ごとに最適な高周波電力量をあらかじめ
記憶している制御手順にしたがってフィルタ19のパテ
ィキュレートに供給し、続いて燃焼用の助燃手段により
助燃気体を供給する。したがって常に効率よくパティキ
ュレートを加熱することができる。
【0032】捕集されたパティキュレートの燃焼再生の
タイミングは、捕集量が所定以上で排気管の背圧が上が
ってエンジンを損傷しない範囲ならばいつでもよい。し
かしながら、例えば、移動体の車では、バッテリが充分
に充電されていないときや、エンジンが停止していると
きなどで、充分な再生用の加熱エネルギを供給できない
場合には、再生ができない。しかも、パティキュレート
の単位時間当りの発生量はエンジンの回転数、負荷、さ
らに、加熱燃料の性質により大きく変動する。このた
め、再生時の捕集量は一定とは限らない。したがって、
再生条件の整ったときに各々の捕集量に応じて、最適な
高周波給電と助燃気体の供給を行っている。
【0033】次にフィルタ19再生の基本プロセスを説
明する。パティキュレート捕集量がフィルタ再生を実行
する状態になると、フィルタ再生が開始する。この再生
制御指令は本装置の一構成要素である制御部31より発
せられる。再生開始の指令はエンジンの動作時間積分
や、フィルタ19の前後の気圧差、フィルタ19の温
度、または、定期的にマグネトロン20を短時間動作さ
せて得たアンテナ29と排ガス温度測定手段30からの
信号を制御部31の演算装置で内部処理することで再生
実行可能状態と再生制御アルゴリズムを決定している。
この制御部31の指令に基づいて、まずバルブ25が切
り替わる。これにより、排気ガスは排気分岐管24に導
かれる。次に、マグネトロン20に駆動電力が供給され
る。マグネトロン20からのマイクロ波は導波管21を
伝送して加熱室18内に給電される。この際、前述のよ
うにパティキュレートの量に応じて制御部31により高
周波による加熱量が決められる。適当な時間経過後、フ
ィルタ19の排気ガス下流側に存在するパティキュレー
トは燃焼可能温度に到達する。この時、フィルタ19を
流れる排気ガスはほぼ完全に遮断されている。これによ
ってマイクロ波で加熱されたパティキュレートはその燃
焼可能温度域に向かって効率よく温度上昇していく。
【0034】この後に、バルブ23が制御され適当な流
量の酸素を含む気体が助燃気体として送風装置22によ
りフィルタ19へ供給される。この気体の供給量もパテ
ィキュレート捕集量により異なる。こうして、フィルタ
19のパティキュレートが燃焼開始し、パティキュレー
ト捕集量に応じた適当な時間を経てフィルタ19のほぼ
全域のパティキュレートが燃焼し除去される。
【0035】なお、マグネトロン20の動作はフィルタ
19全域のパティキュレート燃焼が完了するまで継続す
る必要はなく、フィルタ19の排気ガス下流側に存在す
るパティキュレートが燃焼状態に移行した後、適当な時
期に停止させたりマイクロ波パワーを低下させたりする
ことができる。
【0036】フィルタ再生サイクルが終了するとバルブ
23は元の状態に制御される。その後、バルブ25が制
御され、フィルタ19に排気ガスが流入され、パティキ
ュレート捕集が行われる。
【0037】このようにパティキュレートをその捕集さ
れた量に応じて、効率よく加熱することは、内燃機関用
フィルタ再生装置の効率を高めることを可能とする。
【0038】また、図2で示すように、アンテナ29は
フィルタ19の周囲に設けられたフィルタ保持材料28
によって、おおわれた構成をしている。この保持材料2
8は、断熱作用と緩衝作用をあわせもち、フィルタ19
を保護するとともに、検出用のアンテナ29も保護す
る。
【0039】図3に示すように排ガス温度が480度ぐ
らいになると、アンテナ29からの出力はほとんどなく
なってしまう。これは、フィルタ19の誘電損失が大き
くなるためである。したがって、排ガス温度が高いとき
は、捕集量による最適な再生制御ができなくなる。しか
しながら、一般的な内燃機関は、排ガス温度の高い状態
は長時間続くことはないので、排ガス温度の高い状態で
再生をしないことで、パティキュレート捕集量検出の誤
りを防ぐことができる。
【0040】図4に本発明の他の実施例を示す。図4に
おいて、図1と同じ構成要素は同符号を付して説明を省
略する。排ガス温度を測定する装置は、上流側排ガス温
度測定装置37と下流側排ガス温度測定装置30の2つ
設けてある。排ガスの温度は、エンジン負荷と回転数に
応じて、短時間に変化するが、フィルタ19の温度は熱
抵抗が大きいため時定数が大きい変化をする。このた
め、排ガス温度とフィルタの温度が必ずしも一致しない
ことがある。これを避けるためにフィルタの上流と下流
の2ヶ所で排ガス温度を測定し、この温度差が少ないと
きにマグネトロン20を短時間動作させて、パティキュ
レート量を検出する構成となっている。上流の温度と下
流の温度がほぼ一致するところでは、フィルタ19の温
度と排ガスの温度がほとんど等しいと言える。
【0041】このような2つの排ガス温度測定装置を設
けることで、フィルタの温度の測定精度が向上し、捕集
されたパティキュレート量がより正確に検出できる。こ
れにより、最適なフィルタの再生制御が可能な内燃機関
用フィルタ再生装置が実現可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明の内燃機関用
フィルタ再生装置には以下の効果がある。
【0043】パティキュレートの物理量を高周波を検出
するアンテナに受信される電力量で検出し、排ガス温度
情報でその検出量を補正するため、パティキュレートの
量に応じて再生制御のための高周波電力と助燃気体を供
給するため、フィルタの燃焼温度を抑制した加熱再生が
可能となり安全性や耐久性が向上する効果がある。
【0044】また、排ガス温度測定装置の取付をフィル
タの排ガスの排出部近傍に設ける構成で、排ガス温度の
測定精度を向上させることができる。
【0045】また、排ガス温度が高い場合には再生動作
を停止することで、パティキュレート量の検出精度を向
上でき、間違った再生制御をすることを防げる。
【0046】さらに、排ガス温度測定手段をパティキュ
レートフィルタの吸入部と排出部の両方に設けることに
よって、フィルタ温度の測定がより正確になるため、最
適なフィルタ再生制御が可能になり、信頼性の高い内燃
機関用フィルタ再生装置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における内燃機関用フィルタ再
生装置の構成図
【図2】本発明の実施例における内燃機関用フィルタ再
生装置の部分詳細図
【図3】本発明の実施例におけるアンテナ検出電力とパ
ティキュレート捕集量の特性図
【図4】本発明の他の実施例における内燃機関用フィル
タ再生装置の構成図
【図5】従来の高周波加熱装置の構成図
【符号の説明】
17 排気管 18 加熱室 19 フィルタ 20 高周波発生装置(マグネトロン) 22 送風手段 28 フィルタ保持材 29 アンテナ 30 排ガス温度測定装置(下流側) 31 制御部 37 排ガス温度測定装置(上流側)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野 俊郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 藤原 宣彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−301119(JP,A) 特開 平5−202733(JP,A) 特開 平4−121415(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/02 321

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気ガスを排出する排気管と、
    前記排気管内に収納された前記排気ガス中に含まれるパ
    ティキュレートを捕集するフィルタと、前記フィルタを
    収納し前記パティキュレートを加熱燃焼させる加熱室
    と、前記パティキュレートを加熱するための高周波を発
    生する高周波発生装置と。前記加熱室に設けられ加熱室
    内の高周波を検出するためのアンテナと、前記パティキ
    ュレートを燃焼させる助燃気体を前記フィルタに供給す
    る送風手段と、前記フィルタのフィルタ温度測定手段
    と、前記フィルタ温度測定手段の信号に基づき前記アン
    テナからの検出信号を補正して得られる情報に基づいて
    前記高周波発生装置と前記送風手段の動作を制御する制
    御部とを有する内燃機関用フィルタ再生装置。
  2. 【請求項2】内燃機関の排気ガスを排出する排気管と、
    前記排気管内に収納された前記排気ガス中に含まれるパ
    ティキュレートを捕集するフィルタと、前記フィルタを
    収納し前記パティキュレートを加熱燃焼させる加熱室
    と、前記パティキュレートを加熱するための高周波を発
    生する高周波発生装置と。前記加熱室に設けられ加熱室
    内の高周波を検出するためのアンテナと、前記パティキ
    ュレートを燃焼させる助燃気体を前記フィルタに供給す
    る送風手段と、前記排気ガスの温度を測定する排ガス温
    度測定手段と、前記排ガス温度測定手段の信号に基づき
    前記アンテナからの検出信号を補正して得られる情報に
    基づいて前記高周波発生装置と前記送風手段の動作を制
    御する制御部とを有する内燃機関用フィルタ再生装置。
  3. 【請求項3】排ガス温度測定手段は加熱室外部に設けて
    あり、かつ、フィルタを収納する加熱室の排ガス排出部
    近傍に設けた請求項2記載の内燃機関用フィルタ再生装
    置。
  4. 【請求項4】排ガス温度測定手段を加熱室の排ガス上流
    側および下流側の両方に設け、前記上流側排ガス温度測
    定手段と前記下流側排ガス温度測定手段の温度がほぼ同
    じになったとき、前記排ガス温度測定手段の信号に基づ
    き加熱室の高周波を検出するアンテナの検出信号を補正
    して得られる情報に基づいて高周波発生装置と送風手段
    を制御する制御部を備えた請求項2記載の内燃機関用フ
    ィルタ再生装置。
  5. 【請求項5】アンテナは同軸線路の中心導体からなり、
    前記フィルタを収納して覆う壁面に設けた請求項1また
    は請求項2記載の内燃機関用フィルタ再生装置。
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