JP2780638B2 - 内燃機関用フィルタ再生装置 - Google Patents

内燃機関用フィルタ再生装置

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JP2780638B2
JP2780638B2 JP6102666A JP10266694A JP2780638B2 JP 2780638 B2 JP2780638 B2 JP 2780638B2 JP 6102666 A JP6102666 A JP 6102666A JP 10266694 A JP10266694 A JP 10266694A JP 2780638 B2 JP2780638 B2 JP 2780638B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンから
排出される排気ガス中に含まれるパティキュレート(粒
子状物質)を捕集する内燃機関用フィルタを高周波エネ
ルギーを利用して再生する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球環境保全に関して、今日では地球温
暖化対策すなわちCO2低減対策が大きくクローズアッ
プされているが、森林破壊を招く酸性雨の対策も無視で
きない。
【0003】酸性雨は硫黄酸化物や窒素酸化物などの大
気汚染物質が汚染源となって生じる自然現象であり、近
年世界各国でこのような大気汚染物質の排出規制がコ・
ジェネレーションなどの固定発生源や自動車などの移動
発生源に対して強化される動きにある。特に、自動車の
排気ガスに関する規制は従来の濃度規制から総量規制へ
移行され規制値自体も大幅な強化がなされようとしてい
る。
【0004】自動車の中でもディーゼル車は窒素酸化物
と同時にパティキュレートの排出規制の強化が行われ
る。燃料噴射時期遅延などの燃焼改善による従来の排気
ガス中の汚染物質低減対策だけでは排出ガス規制値を達
成することは不可能とされ、現状では排気ガスの後処理
装置の付設が不可欠である。この後処理装置はパティキ
ュレートを捕集するフィルタを有するものである。
【0005】ところが、パティキュレートが捕集され続
けるとフィルタは目詰まりを生じて捕集能力が大幅に低
下するとともに排気ガスの流れが悪くなってエンジン出
力の低下あるいはエンジンの停止といったことに至る。
したがって、現在世界中でフィルタの捕集能力を再生さ
せるための技術開発が進められているが、今だ実用には
至っていない。
【0006】ディーゼルエンジン排ガス中に含まれるパ
ティキュレートは600℃程度から燃焼することが知ら
れている。パティキュレートをこの温度域に昇温するた
めの手段方式として、バーナによる加熱方式、電気ヒー
ター方式あるいは高周波加熱方式などが考えられてい
る。
【0007】本発明者らは昇温効率の良さ、安全性ある
いは再生制御性の良さなどを考慮して高周波加熱方式に
よるフィルタ再生装置を開発してきた。
【0008】高周波加熱方式すなわちマイクロ波方式に
よるフィルタ再生装置としては、たとえば特開昭59−
126022号公報がある。同公報に開示されている装
置を図4に示す。同図において、1はエンジン、2は排
気マニホールド、3は排気管、4は排気分岐管、5はフ
ィルタ、6はフィルタ5を収納した加熱室、7は高周波
発生装置、8は高周波発生装置7の発生したマイクロ波
を加熱室6に導く導波管、9はマイクロ波反射板、10
は空気ポンプ、11は空気供給路、12は高周波発生手
段7の駆動電源、13はマフラー、14は空気切換バル
ブ、15は排気ガス流切換バルブである。
【0009】上記した構成において、エンジンの排気ガ
スは排気ガス流切換バルブ15によってフィルタ5に導
かれたり、直接大気へ排出されたりする。パティキュレ
ート捕集サイクルにおいて、排気ガスはフィルタ5に導
かれ排気ガス中に含まれるパティキュレートはフィルタ
5に捕集されるが前述したようにフィルタ5の捕集能力
は有限である。捕集能力が限界に達すると排気ガス流切
換バルブ15が制御され排気管3への排気ガスは遮断さ
れ排気ガスのすべては排気分岐管4を経て大気に排出さ
れる。この間にフィルタ5の再生が行われる。このフィ
ルタ再生サイクルにおいてパティキュレートを加熱する
エネルギは高周波発生装置7からまた燃焼に必要な空気
が空気ポンプ10より同時に供給される。所定の時間を
経てフィルタ再生が完了すると排気ガス流切換バルブ1
5が再び制御されてフィルタ5に排気ガスが導かれる。
この捕集と再生のサイクルがくり返される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の構
成において、パティキュレートを燃焼させるためには高
周波のエネルギーで発火点までパティキュレートの温度
を上昇させる必要があり、その加熱エネルギーの供給に
次のような困難な点があった。
【0011】すなわち、内燃機関は乗用車やバスなどの
移動体に搭載されることが多く、電気エネルギーは搭載
された二次電池であるバッテリーになる。しかしなが
ら、高周波発生装置で必要十分な熱量を得るためにはバ
ッテリー容量を大きくしなければならず装置の価格が上
昇し、さらに、バッテリーの過放電によるバッテリ上が
りの危険性もあった。
【0012】また、パティキュレート加熱燃焼時には、
その捕集重量密度や成分によって燃焼時の発熱量が異な
り、加熱エネルギーや燃焼用の気体の供給具合を調整し
なければ、フィルタが異常加熱のため温度が上昇しすぎ
て、ひび割れなどの破損を起こしたり、再生が十分に行
われないという現象があった。それを回避するために
は、パティキュレートの捕集密度に応じて、それぞれ異
なった再生制御を行なわなければならなかった。さら
に、必要以上にパティキュレートが捕集されるとフィル
タの圧損が高くなり、エンジンを損傷する可能性があ
る。
【0013】しかしながら、従来、パティキュレートの
捕集密度を精度よく検出することは、困難であった。
【0014】本発明は上記課題を解決するもので、パテ
ィキュレートを加熱燃焼させる際にバッテリの過放電の
心配がなく、かつ、フィルタに捕集されたパティキュレ
ート量を精度よく検出可能な内燃機関用フィルタ再生装
を実現することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関用フィ
ルタ再生装置は上記目的を達成するため、下記構成とし
ている。
【0016】すなわち、内燃機関の排気ガスを排出する
排気管と、前記排気管内に収納され前記排気ガス中に含
まれるパティキュレートを捕集するフィルタと、前記フ
ィルタを収納する加熱室と、前記パティキュレートを加
熱するための高周波を発生する高周波発生装置と、前記
高周波発生装置からの高周波を前記加熱室に導く導波管
と、前記パティキュレートを燃焼させる助燃気体を前記
フィルタに流す送風手段と、前記フィルタに捕集された
パティキュレートに前記高周波発生装置から高周波を供
給し前記加熱室に設けた高周波受信部によって得られる
物理量を検出する捕集量検出手段と、前記検出手段から
の信号に基づき前記高周波発生装置および前記送風手段
を制御する制御部と、前記高周波発生装置に電力を供給
する高周波電源と前記電源トランスの出力側に設けた高
圧コンデンサおよびダイオードと、前記高周波電源にバ
ッテリから電力を供給するDC−ACインバータ電源
と、同じく前記高周波電源に電力を供給する商用AC電
源用の接続部と、前記DC−ACインバータ電源と前記
商用AC電源とのどちらか一方から前記高周波電源に電
力を供給するための切り替え部を備え、前記切り替え部
と同期して前記コンデンサの容量を切り替える構成とし
ている。
【0017】また、パティキュレートの捕集量に応じて
再生制御をするために、パティキュレートの物理量を検
出する検出手段は、加熱室内の所定の位置に受信部を設
け高周波発生装置から前記加熱室内に供給される所定量
の高周波を前記受信部で受信し、その電力がパティキュ
レートの物理量によって変化することで検出する構成と
している。
【0018】さらに、商用AC電源より電力を供給する
ときは、高圧コンデンサの容量をより大きくし、DC−
ACインバータ電源より電力を供給するときは、前記高
圧コンデンサの容量を小さくする構成としている。
【0019】また、商用AC電源接続部に商用電源電圧
が印加されたとき、自動的に高圧コンデンサの容量を切
り替える構成としている。
【0020】
【作用】本発明は上記構成によって、下記の作用を有す
る。
【0021】すなわち、本発明の内燃機関用フィルタ再
生装置は、内燃機関の運転中にはフィルタに捕集された
パティキュレート量を高周波によって検出する。フィル
タを再生するときは、内燃機関を停止して、商用AC電
源に接続し、高周波加熱によって燃焼再生する構成であ
る。
【0022】パティキュレート量の検出は、高周波をフ
ィルタに供給し、フィルタの側面に設けた受信部で受信
することで、高周波の減衰量を測定する方法で行う。す
なわち、減衰量が多いことはフィルタのパティキュレー
トに高周波が多く吸収されていることになり、パティキ
ュレートの量も多いと判断できる。
【0023】このとき高周波を発生させるために、バッ
テリーからの電力エネルギーをDC−ACインバータで
商用AC電源と同じ電圧と周波数に変換し、高周波電源
を駆動する。そのときの高周波は、フィルタを加熱しな
いので少ない量でよく、電気エネルギーも加熱再生時の
3分の1程度でよい。その高周波を受信部で受け、その
信号の強さにより捕集されたパティキュレートの捕集量
を検出する。
【0024】そして、フィルタに捕集されたパティキュ
レートを高周波で加熱燃焼させる際は、商用AC電源か
ら高周波電源を駆動し、高周波発生装置にエネルギーを
供給するように切り替える。このため、バッテリの過放
電の心配がなく安心して再生が可能になる。
【0025】また、商用AC電源を接続部に印加したと
きに、自動的に電源が切り替わる構成となっているた
め、誤操作によるバッテリーの過放電を防止できる。
【0026】さらに、高周波電源を商用AC電源に接続
しているときは高圧コンデンサの容量を大きく、バッテ
リーDC電源に接続しているときは小さく切り替えるこ
とで、バッテリーDC電源に接続したときには高周波発
生電力量を自動的に小さくしている。このため、制御部
での高周波出力調整が不要になり、自動的にバッテリー
電源のときには高周波出力を小さく切り替えることがで
きる。
【0027】換言すれば、フィルタの加熱再生エネルギ
ーは商用AC電源から供給し、内燃機関動作中はバッテ
リのDC電源よりパティキュレートを捕集したフィルタ
に高周波を供給しその高周波を受信する受信部の信号の
強弱により捕集量されたパティキュレートの物理量を検
出する。そして、フィルタを再生する必要がある量のパ
ティキュレートが溜まった際には、内燃機関を停止して
商用AC電源を用いて加熱エネルギーを供給する。した
がって、フィルタの再生中に加熱エネルギーをバッテリ
から供給しないので、バッテリを過放電させる危険性が
ほとんどない。また、運転動作中には捕集されたパティ
キュレート量を検出するために高周波の吸収が捕集され
たパティキュレート密度により異なる性質を利用して再
生時期を判断して報知することで、再生時期の判断が可
能となる。
【0028】
【実施例】以下本発明の実施例を図を参照して説明す
る。
【0029】第1の実施例を図1に示す。図1におい
て、16は内燃機関、17は排気ガスを排出する排気
管、18は排気管17の途中に設けられた加熱室、19
は加熱室18内に収納され排気ガスが通過する間に排気
ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するフィル
タ、20は加熱室18に給電する高周波を発生させる高
周波発生装置としてのマグネトロン、21は高周波発生
装置20の発生した高周波を加熱室18に伝送する導波
管、22は加熱室18に酸素を含む気体を供給する送風
手段である。この気体は開閉バルブ23を制御すること
により排気管17への流入が実行され、排気管17内を
流通して加熱室18に配流される。
【0030】排気ガスは排気管17内を流れフィルタ1
9に流入される。フィルタ19はウォールフロータイプ
のハニカム構造体で構成され、排気ガスに含まれるパテ
ィキュレートを捕集する機能を有している。フィルタ1
9に捕集されたパティキュレートの量が増大すると、フ
ィルタ19における排ガスの流れに対する圧力損失が増
大し内燃機関であるエンジンの負荷が増加するとともに
最悪の場合にはエンジン停止に至る。したがって、フィ
ルタ19に所定のパティキュレートが捕集されるとフィ
ルタ19を再生する必要がある。
【0031】高周波発生装置20としてのマグネトロン
から出た電波は、導波管21を介して伝送され、加熱室
18内では加熱室18の形状で決まる定在波となって分
布し、フィルタに捕集されたパティキュレートを加熱す
る。パティキュレートの加熱分布は電波の分布によって
決まる。
【0032】捕集されたパティキュレートの物理量また
は重量は、加熱室18に設けられた電波の受信部24に
あらわれる信号によって検出される。受信部24の信号
は検波回路25で検波整流される。受信部24と検波部
25とからなる捕集量検出手段の信号により制御部27
はパティキュレートの捕集量を判別する。その値を表示
装置で表示し、フィルタの再生必要な時期を報知す
る。また、フィルタの加熱再生の際には、捕集量に応じ
て制御部27の信号を変化させる。すなわち、送風装置
22の動作タイミングと高周波発生装置20の導通タイ
ミングを捕集量に応じて変化させる。26は温度センサ
であり、排気ガスの温度を測定することでフィルタの目
詰まりを監視するとともに、捕集量検出手段の温度補正
を行う。
【0033】28は高周波電源であり高圧トランスと高
圧コンデンサおよび高圧ダイオードからなる。高周波電
源28は、商用AC電源電圧を昇圧整流し高周波発生装
置20に高圧直流電圧を印加して、高周波を発生させ
る。
【0034】29はDC−ACインバータであり、バッ
テリーDC電源30をスイッチングしてACに変換す
る。31は商用AC電源接続部であり、商用電源はAC
電圧が発生している。切り替え部32により商用AC電
源31とバッテリーDC電源30を切り替える。
【0035】図2に、本発明の内燃機関用フィルタ再生
装置の回路図を示す。図1と同じ構成要素は同符号をつ
け、説明を省略する。
【0036】高周波電源28は電源トランス33、高圧
コンデンサ34、35、高圧ダイオード36により構成
される。高周波発生装置20としてのマグネトロンは約
4kVの直流電圧によって駆動され、高周波を発振す
る。高圧コンデンサ34、35は高圧切替スイッチ36
により並列接続され容量が変化する。高圧トランス33
の出力電圧が同じ場合、高周波の出力を高くするために
は高圧コンデンサの容量を大きくして高周波発生装置の
導通期間を長くし出力を増加することが可能である。ま
た、逆に高圧コンデンサの容量が小さい場合は高周波出
力が小さくなり、消費電力も少なくなる。高圧切替スイ
ッチ37は、商用電源接続部31を商用AC電源31a
に接続すると同時に接点が閉じて高圧コンデンサ34、
35を並列接続し、高周波発生装置への電力供給が大き
なるようにしている。
【0037】バッテリー30には、内燃機関から得た動
力を電力に変換するオルタネータ38が並列接続され、
内燃機関の動作中にバッテリー30が充電される。バッ
テリーDC電源30の出力には、DC−ACインバータ
29が接続されDC電源をAC電源とほぼ同じ電圧、周
波数に変換している。このため、電源トランス33を共
通化できる。DC−ACインバータ29はスイッチング
部39とトランス部40とからなりバッテリー電源の低
電圧をスイッチング部39で交流に変化させてトランス
部40で所定の電圧に昇圧している。
【0038】捕集量検出手段41は、受信部24と検波
部25とからなる。受信部24は同軸線路で構成されて
いる。検波部25は、高周波の余分な周波数成分をフィ
ルタ回路により除去し、整流して制御部27に信号を送
る。
【0039】42は前記温度センサ26を主体に構成し
温度検出部で、フィルタを通過する排気ガスや再生燃
焼の気体の温度を測定して制御部27に信号を送る。
【0040】内燃機関16が動作している際は、制御部
27から定期的に接点45を導通させる信号を送出す
る。このとき切替部32を構成する接点43、45によ
り、エネルギー供給源が切り替わる。接点45が導通す
るとAC−DCインバータ29が動作し、高周波発生装
置20が動作する。高周波発生装置20からの高周波は
フィルタ19に捕集されたパティキュレートで減衰され
て、受信部24に到達する。したがって、その受信され
た高周波の減衰量でパティキュレート量を検出する。
【0041】フィルタ19にパティキュレートが所定量
捕集されると表示装置に捕集量を表示して、フィルタの
目詰まり状況を報知する。所定以上パティキュレートが
捕集されると、内燃機関を停止させて再生をする必要が
生じるため、再生を促す表示で、内燃機関の使用者に報
知する構成となっている。
【0042】パティキュレートを加熱燃焼再生するとき
は商用AC電源接続部31に商用AC電源を接続させ、
電源トランス33を駆動し高周波発生装置から高周波を
フィルタ19に供給しパティキュレートを加熱燃焼除去
する。
【0043】フィルタに捕集されたパティキュレートの
加熱再生は、次のような順序で行われる。商用AC電源
が接続されると商用AC電源31aの電圧発生を感知し
て高圧コンデンサ切替部37が高圧コンデンサの容量を
大きくするように切り替わる。フィルタ19の再生が指
示されると再生制御指令が本装置の一構成要素である制
御部27より発せられる。この制御部27の指令に基づ
いて、高周波発生装置20に駆動電力が供給される。こ
のとき切替部の接点43を導通させることにより商用A
C電源31aから電力が電源トランス33に供給され
る。高周波発生装置20からの高周波は導波管21を伝
送して加熱室18内に給電される。この際、捕集された
パティキュレートの物理量に応じて高周波の供給時間が
異なる。適当な時間経過後、フィルタ19のパティキュ
レートは燃焼可能温度に到達する。この後に、送風手段
22が制御され適当な流量の気体をフィルタ19へ供給
する。こうしてフィルタ19のパティキュレートが燃焼
を始め、時間を経てフィルタ19のほぼ全域のパティキ
ュレートが燃焼し除去される。
【0044】なお、高周波発生装置20の動作はフィル
タ19全域のパティキュレート燃焼が完了するまで継続
する必要はなく、フィルタ19のパティキュレートが燃
焼状態に移行した後、適当な時期に停止させたりマイク
ロ波パワーを低下させたりすることができる。その後
は、パティキュレートの燃焼熱が送風手段22からの気
体の流れにそって熱伝達が行われる。
【0045】フィルタ再生が終了すると、終了表示を行
い、内燃機関の動作が可能であることを知らせる。その
後、バルブ23が閉状態に制御される。その後内燃機関
16が動作されると、フィルタ18に排気ガスが流入さ
れ、パティキュレート捕集が行われる。
【0046】図3に捕集量センサ部の断面の詳細図を示
す。19はフィルタ、46はフィルタの外周にありフィ
ルタ19と加熱室壁面47を断熱するとともに、フィル
タを保持しているフィルタ保持材である。加熱室壁面4
7には凹部48が設けられ受信部24が挿入されてい
る。受信部24は先端が中心導体を突き出した構成とな
るセミリジッドケーブルからなり外部導体は加熱室壁面
と同電位なっている。このように構成することで、中
導体がアンテナとして働き高周波による電界の大きさ
に応じた電力がケーブルを通じて伝送される。
【0047】パティキュレートの捕集状態を知る検出手
段として加熱室内の高周波の電界を検出部でもとめるも
のを示したが、温度センサによるフィルタの温度情報
や、エンジン動作時間の積分値などの情報を組合せるこ
とによって一層の捕集量精度の向上が図れる。すなわ
ち、温度情報によりパティキュレートの誘電損失の温度
特性を補正することが可能であり、また、エンジン動作
時間情報により再生後のフィルタに残る未燃焼パティキ
ュレート量を推定可能となる。
【0048】上記のような構成とすることで、高周波に
よりパティキュレートの捕集量が検出可能で、かつ、高
周波加熱によりパティキュレートの再生が可能な内燃機
関用フィルタ再生装置が実現できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明の内燃機関用
フィルタ再生装置には以下の効果がある。
【0050】(1)高周波電源への供給電力に同期して
高圧コンデンサの容量を切り替える構成としたことによ
り、誤操作によるバッテリーの過放電を防止できる。
【0051】(2)共用化構成の高周波発生装置を用い
て、フィルタが捕集したパティキュレートの捕集量を検
出することができる。
【0052】(3)パティキュレートの加熱燃焼に商用
電源を用い、パティキュレートの捕集量検出にはバッテ
リからの消費電力を抑制したことにより、バッテリーの
過放電を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における内燃機関用フィルタ
再生装置の構成図
【図2】同内燃機関用フィルタ再生装置の主要部分の回
路構成図
【図3】同内燃機関用フィルタ再生装置の部分詳細図
【図4】従来の内燃機関用フィルタ再生装置の構成図
【符号の説明】
16 排気管 17 加熱室 18 フィルタ 20 高周波発生装置 21 導波管 22 送風手段 24 受信部(捕集量検出手段) 27 制御部 29 DC−ACインバータ電源31 商用AC電源用の接続部 32 切り替え部33 電源トランス 34、35 高圧コンデンサ 36 ダイオード
フロントページの続き (72)発明者 荻野 俊郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 中島 昭彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−301119(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/02 321 F02D 45/00 395

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気ガスを排出する排気管と、
    前記排気管内に収納され前記排気ガス中に含まれるパテ
    ィキュレートを捕集するフィルタと、前記フィルタを収
    納する加熱室と、前記パティキュレートを加熱するため
    の高周波を発生する高周波発生装置と、前記高周波発生
    装置からの高周波を前記加熱室に導く導波管と、前記パ
    ティキュレートを燃焼させる助燃気体を前記フィルタに
    流す送風手段と、前記フィルタに捕集されたパティキュ
    レートに前記高周波発生装置から高周波を供給し前記加
    熱室に設けた高周波受信部によって得られる物理量を検
    出する捕集量検出手段と、前記捕集量検出手段からの信
    号に基づき前記高周波発生装置および前記送風手段を制
    御する制御部と、電源トランスとその出力側に設けた高
    圧コンデンサおよびダイオードとからなり前記高周波発
    生装置に電力を供給する高周波電源と、前記高周波電源
    にバッテリから電力を供給するDC−ACインバータ電
    源と、同じく前記高周波電源に電力を供給する商用AC
    電源用の接続部と、前記DC−ACインバータ電源出力
    と前記商用AC電源出力とのどちらか一方から前記高周
    波電源に電力を供給するための切り替え部を備え、前記
    切り替え部に同期して前記コンデンサの容量を切り替え
    る構成とした内燃機関用フィルタ再生装置。
  2. 【請求項2】パティキュレートの物理量を検出する検出
    手段は、加熱室内の所定の位置に受信部を設け高周波発
    生装置から前記加熱室内に供給される所定量の高周波を
    前記受信部で受信し、その受信電力がパティキュレート
    の物理量によって変化することで検出する請求項1記載
    の内燃機関用フィルタ再生装置。
  3. 【請求項3】商用AC電源より電力を供給するときは、
    高圧コンデンサの容量をより大きくし、DC−ACイン
    バータ電源より電力を供給するときは、前記高圧コンデ
    ンサの容量を小さくする請求項1記載の内燃機関用フィ
    ルタ再生装置。
JP6102666A 1994-05-17 1994-05-17 内燃機関用フィルタ再生装置 Expired - Fee Related JP2780638B2 (ja)

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