JP2822691B2 - 掘削工法 - Google Patents

掘削工法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アンカーの各種工事、
各種作井工事、あるいは各種基礎杭孔工事等に適用され
る掘削工法において、掘削工具を用いて地盤や土砂等を
掘削し、その結果形成された孔の周囲を孔壁崩壊防止用
のパイプで補強してなる掘削工法に係わり、特に、回転
力により掘削するとともに、工程が簡略かつ経済性の高
い掘削工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地盤や土砂等を掘削する工法としては、
従来より例えば特開昭63−11789号公報に開示さ
れているような掘削工具を用いた工法が知られている。
以下、その工程を、図10ないし図13とともに説明す
る。
【0003】この掘削工具は、図10ないし図12に示
すように、圧縮空気を駆動源とするハンマ(図示せず)
の衝撃力およびハンマシリンダ1の回転力を受けるデバ
イス2の底面に、当該デバイス2の中心に対して点対称
に2個の軸穴2a,2bを形成し、各々の軸穴2a,2
bに、ブロック軸3a,3bを軸回りに回転自在にかつ
抜け止めして嵌入し、各々のブロック軸3a,3bの先
端部に、デバイス2の径とほぼ同径の略半円形状をな
し、かつ先端面に多数のチップ4が植設されたブロック
5a,5bを互いの直状端面6a,6bを対向した状態
で設け、ブロック軸3a,3bの位置を、デバイス2が
所定の方向に回転した際に、ブロック5a,5bの各々
一方の端部が共にデバイス2の外周面より所定の掘削量
だけ突出し、かつその際に両ブロックの直状端面6a,
6bが互いに当接するようデバイス2の中心から偏心さ
せてなるものである。
【0004】上記掘削工具を用いた掘削工法において
は、まず、ブロック5a,5bをパイプ7先端から突出
させた後、デバイス2をハンマシリンダ1により所定方
向(図11中矢印X)に回転させる。すると、ブロック
5a,5bが、図11に示すような状態から掘削抵抗に
よりブロック軸3a,3bを軸として自転し、図12に
示すように、ブロック5a,5bの直状端面6a,6b
の一端部がデバイス2の外周面より所定量だけ突出する
とともに、直状端面6a,6bの一部が互いに当接し、
ブロック5a,5bの自転が停止する。この状態でブロ
ック5a,5bに前記ハンマの衝撃力およびデバイス2
の回転力を与えると、ブロック5a,5bが上下動し、
チップ4による地盤17の局部的な圧潰と剪断破壊が起
こり、掘削が行われる。
【0005】また、掘削の結果生じた土砂等は、ハンマ
シリンダ1内をハンマピストン1aが落下する際に吐出
される圧縮空気が、デバイス2の底面に設けた空気孔8
a,8bから吹き出されることにより当該掘削工具先端
から離間され、その後、デバイス2に設けた排出溝2c
を経由してパイプ7内に移り、そこから更に上方に排出
される。
【0006】掘削が終了した場合には、ハンマシリンダ
1を前記所定方向と逆の方向に回転させ、ブロック5
a,5bを図11の位置へと戻した後、ハンマシリンダ
1を上方へと引き上げることにより、前記掘削工具を、
掘削孔18の孔壁に触れることなく掘削孔18内から除
去し、更に、孔壁の崩壊を防止する目的で、図13に示
すように、掘削孔18内に、掘削孔18の内周を覆う円
筒状のケーシングチューブ9を挿入する。ここで、ケー
シングチューブ9の挿入を可能とするために、掘削孔1
8の内径とケーシングチューブ9の外径との間には、十
分な隙間αがなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
掘削工法においては、回転力によるよりもむしろ衝撃力
による掘削を行っているため、掘削工具のブロック5
a,5bに設けられたチップ4は掘削孔18の底面側に
向けて凸な曲面状をなしているのが一般的である。一
方、地盤等を掘削する場合、衝撃力による破砕よりも、
剪断によるカッティングの方が掘削時の力が少なくて済
み、小さい荷重で速い掘削速度を得られることが知られ
ている。
【0008】このような掘削を行うには掘削工具を回転
させればよいが、上記従来の掘削工具ではチップ4が掘
削孔18の底面側に向けて凸な曲面をなしているので、
工具を回転させても十分な剪断力を得ることができず、
回転力のみによる掘削には不向きであった。
【0009】また、上記掘削工具は、図12に示すよう
にブロック5a,5bのデバイス2の外周面より外方へ
突出する一端部(以下、外周刃Aと称す。)により掘削
を行うものであるが、従来技術におけるブロック5a,
5bの底面は、その中心部が平面とされてそこにチップ
4が植設され、穿孔時には、このブロック5a,5bに
衝撃が加わる構成となっているため、穿孔時、ブロック
5a,5bが振れやすく、この衝撃等に起因してブロッ
ク5a,5bが破損しやすいという問題があった。
【0010】更に、上記従来の掘削工法においては、掘
削終了後、改めて掘削孔18にケーシングチューブ9を
挿入する必要があり、また、掘削孔18の内径をケーシ
ングチューブ9の外径に対し十分大きくするため、過剰
な掘削を行わなければならないという問題があった。し
かも、掘削孔18とケーシングチューブ9との間に生じ
た隙間αが大きいため、掘削孔18内におけるケーシン
グチューブ9の安定性を高める目的で、必要に応じ、ケ
ーシングチューブ9の挿入後、この隙間αにコンクリー
ト等を充填する作業を行うことがあった。そして、これ
らの作業は、工程を複雑化させ、工期を長期化させるの
みならず、資材の節約という点からも問題であった。
【0011】なお、上記従来の方法においては、地盤1
7を直接安定化させる手段をもたないため、軟弱な地盤
17に対しては、掘削孔18の作成が困難であるという
問題もあった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転力を受け
るデバイスの底面に一対の掘削部を設け、各々の掘削部
が、前記デバイスの径とほぼ同径の略半円形状をなし、
かつ先端面に多数のチップが設けられたブロックと、こ
のブロックを支持して前記デバイスの底面に取り付けら
れるブロック軸とを有し、このブロック軸の位置を、前
記デバイスが掘削方向に回転した際に、前記各ブロック
のそれぞれ一方の端部が共に前記デバイスの外周面より
所定の掘削量分だけ突出し、かつその際に前記各ブロッ
クの直状端面が互いに当接するようデバイスの中心から
偏心させてなる掘削工具を用いて被掘削物を掘削すると
ともに、掘削により形成された掘削孔の周囲を孔壁崩壊
防止用のパイプで補強してなる掘削工法において、
【0013】前記各ブロックの底面と前記直状端面との
間に、両ブロックのそれぞれ一方の端部が共にデバイス
の外周面より所定の掘削量分だけ突出している時に、互
いに対向配置されて前記ブロックの中心にデバイスと同
心円状の凹部を形成する凹陥部を設け、前記チップを前
記デバイスの回転方向側に向けてなる掘削工具と、円筒
状をなし、その内部に前記掘削工具が挿通されたパイプ
とからなる掘削設備を有し、
【0014】前記ブロックを前記パイプ先端から突出さ
せ、かつ拡径させた状態で掘削を行いつつ前記パイプを
地中に挿入し、掘削終了後、前記ブロックを縮径して前
記掘削工具のみを前記掘削孔より引き上げてなる掘削工
法である。
【0015】
【作用】本発明においては、掘削工具のチップがデバイ
スの回転方向側を向いているので、デバイスを回転させ
て掘削を行った際に、掘削部位に十分な剪断力が作用
し、回転力による掘削を効果的に行うことができる。そ
して、個々のブロックには、凹陥部が形成されて、ブロ
ックの拡径時にそれらの中心位置に凹部が形成されるた
め、穿孔時に当該ブロックが地盤に食い込む形態とな
り、掘削中にがたつきが生じにくく良好な掘削が行える
とともに、凹部で生じる推進力の分力が、半径方向に作
用して前記ブロックの外周部に作用する力に対抗するよ
うに働き、前記ブロックの首折れを有効に防止すること
ができるため、工具の寿命が延長される。
【0016】また、掘削により形成された掘削孔の内径
が前記掘削孔に挿入されたパイプの外径以上で、かつ前
記内径と、前記外径との差が極めて小さいので、掘削の
際前記掘削孔に挿入されたパイプを直接前記掘削孔の外
壁として使用することができる。そのため、掘削の工程
が簡略化される他、掘削に要する資材が節約される。
【0017】
【実施例】以下、図1ないし図9を参照して、本発明の
実施例について、更に詳しく説明する。
【0018】本発明に用いられる掘削工具の例を図1な
いし図3に示す。上記各図において、符号10は掘削部
を示す。この掘削部10はブロック11とこのブロック
11を支持するブロック軸12とを主体として構成され
ている。
【0019】上記ブロック11は平面略視半円形状をな
す板状のものであり、その上面外周部には外方に向かう
に従い漸次デバイス2の軸方向基端側に傾斜する傾斜面
11aが形成されており、この傾斜面11aとブロック
11の上面には多数の刃体13が設けられている。この
刃体13は断面略L字状をなすものであり、一端部がブ
ロック11の先端面に植設固定された断面L字状の突部
13aと、この突部13aの他端部に接合された切刃部
13bとから形成されている。この切刃部13bは円板
状のものであり、超硬基板13cとダイヤモンド層13
dとの一体積層構造となっている。そして、各刃体13
の刃面となるダイヤモンド層13dが上記デバイス2の
回転方向側に向けられている。
【0020】また、上記両ブロック11の底面と直状端
面11bとの間には、両ブロック11のそれぞれの一方
の端部が共にデバイス2の外周面より所定の掘削量分だ
け突出している時に、互いに対向配置されてブロック1
1の中心にデバイス2と同心円状の凹部15を形成する
凹陥部16がそれぞれ形成されている。
【0021】この凹陥部16は、図4に示すように、底
部16aと、この底部16aからブロック11の先端面
に向かうに従い漸次ブロック11の外周側に傾斜するテ
ーパ面16bとから構成されている。なお、凹陥部16
の形状はこれに限ることなく、例えば、図5に示すよう
なテーパ面16bのみを形成した形状や、図6に示すよ
うなテーパ面16bをなくし底面からほぼ垂直に延びる
壁部を形成した形状にしてもよい。
【0022】一方、上記掘削工具は、上記切削工具とほ
ぼ同径のパイプ19内に摺動可能に挿通され、パイプ1
9の先端部内周には、デバイス2の外周面に形成された
拡径部(図示せず。)に径合する縮径管20が、溶接等
の方法で一体に固着されている。
【0023】更に、パイプ19の一部には、必要に応
じ、図7および図8に示すように、パイプ19の壁面を
貫通する貫通孔19aが設けられている。この貫通孔1
9aは、パイプ19壁面から掘削孔周辺の地盤への液体
の浸出を可能とするためのもので、その形状は、掘削を
行う地盤の地質等に合わせて任意に設定可能である。こ
こで、図7は貫通孔19aとしてパイプ19の軸線方向
に沿ってスリット状の長穴を設けた例、図8は丸穴を設
けた例である。
【0024】次に、上記掘削工具を用いた本発明におけ
る掘削工法について説明する。図2に示す状態におい
て、ブロック11をパイプ19より突出させ、デバイス
2を矢印Y方向に回転させると、ブロック軸12および
ブロック11がデバイス2と一体的に同方向へ回転す
る。ブロック11の回転に伴い、当該ブロック11が掘
削抵抗によりブロック軸12を中心に自転し、その結
果、図3に示すようにブロック11の直上端面11bの
一端がデバイス2の外周面より突出し、この部分が外周
刃Aとして機能する。ここで、ブロック11が自転する
とき、各ブロック11の直状端面11bが相互に当接
し、これらが互いにストッパの機能を果して、各ブロッ
ク11のそれ以上の自転を規制する。この状態でブロッ
ク11がデバイス2の回転力を受けて刃体13により地
中を掘削する。
【0025】なお、上記掘削工具においては、刃体13
の切刃部13bのダイヤモンド層13dがデバイス2の
回転方向側を向いているので、デバイス2を回転させて
掘削を行った際に、このダイヤモンド層13dにより掘
削孔の壁面に十分な剪断力が作用し、回転のみによる掘
削でも小さい荷重で高い切削速度を得ることができる。
【0026】また、掘削時において個々のブロック11
に形成された凹陥部16により、ブロック11の拡径時
にその中心位置に凹部15が形成されるため、穿孔時に
ブロック11が地盤に食い込む状態となり、掘削中にが
た付きが生じにくく良好な掘削が行われる。しかも、図
3に示すように、凹部15で生じる推進力の分力Fa
が、半径方向に作用して外周刃Aに作用する外圧Fbに
対抗するように働くため、ブロック11の首折れが有効
に阻止され、工具の寿命が延長する。
【0027】一方、縮径管20が前記拡径部の下方に位
置しているため、前記拡径部と縮径管20との接触およ
びパイプ19の自重により、パイプ19先端は掘削とと
もに地盤に食い込み、その結果、掘削孔孔壁の崩壊が有
効に防止されている。
【0028】掘削が終了した場合には、ハンマシリンダ
1を前記所定方向とは逆方向に回転させ、ブロック11
を図2の位置へと戻すことにより、掘削工具がパイプ1
9内を摺動可能となるので、ハンマシリンダ1を上方に
引けば、前記掘削工具のみを掘削孔から上方に引き出す
ことができる。その結果、掘削孔内には、図9に示すよ
うに、パイプ19と縮径管20のみが残留する。
【0029】なお、本発明においては、ブロック11の
拡径時の外径とパイプ19の内径がほぼ同径とされてい
るので、掘削孔18の内径と、掘削孔18に挿入された
パイプ19の外径との間の隙間は極めて小さくなってい
る。そのため、掘削孔18内におけるパイプ19の安定
性は非常に高くなり、パイプ19を掘削孔18の外壁と
して直接使用することができる。また、パイプ19の一
部側面に貫通孔19aを設けた場合には、貫通孔19a
から地盤に向け水ガラスやベントナイトのような充填剤
を圧入し、充填剤を、掘削孔18周辺の地盤17へと浸
出、拡散させることにより、その部分の地盤17を強固
なものとするとともに、パイプ19と地盤17とを一体
化することもできる。その結果、軟弱な地盤17に対し
ても常に安定した掘削孔18が作成される。
【0030】更に、パイプ19内に鉄筋かごや鉄骨等の
補強部材を挿入した後コンクリートの打ち込みを行った
場合には、貫通孔19aから地盤17中に浸出したコン
クリートと掘削孔18内のコンクリートとが貫通孔19
aを介してともに凝固するので、非常に安定した基礎杭
が得られる。
【0031】ここで、拡径可能なブロック11の分割個
数は3個以上の複数個としてもよく、必要に応じ、ハン
マシリンダ1先端に、上記例のような拡径自在なブロッ
ク11の代わりに従来形の掘削工具を取り付け、更なる
穿孔を行うこともできる。
【0032】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明においては、
刃体の切刃部がデバイスの掘削回転方向を向いている回
転掘削工具を用いたため、掘削の際に前記切刃部により
掘削孔の壁面に十分な剪断力が作用し、掘削を効果的に
行うことができる。また、個々のブロックには、凹陥部
が設けられ、ブロックの拡径時にそれらの中心位置に凹
部が形成されるため、穿孔時に当該ブロックが地盤に食
い込む形態となり、掘削中にがた付きが生じにくく良好
な掘削が可能である。更に、前記凹部で生じる推進力の
分力が、前記ブロックの半径方向に作用し、その外周部
に作用する掘削抵抗に対抗するように働く結果、前記ブ
ロックの首折れが有効に防止され、前記工具の寿命が延
長する。
【0033】一方、掘削孔の内径が前記掘削孔に挿入さ
れたパイプの外径以上で、かつ前記内径と前記外径との
差が極めて小さいので、前記パイプを直接掘削孔の外壁
として使用することができる。そのため、掘削の工程が
簡略化される他、掘削に要する資材が節約される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に用いられる掘削工具の拡
径状態の側面図である。
【図2】本発明の第一実施例に用いられる掘削工具の縮
径状態の底面図である。
【図3】本発明の第一実施例に用いられる掘削工具の拡
径状態の底面図である。
【図4】本発明の第一実施例に用いられる掘削工具の一
部側断面図である。
【図5】本発明の第一実施例に用いられる掘削工具の一
部側断面図である。
【図6】本発明の第一実施例に用いられる掘削工具の一
部側断面図である。
【図7】本発明における、貫通孔の形状の例を示す図で
ある。
【図8】本発明における、貫通孔の形状の例を示す図で
ある。
【図9】本発明の第一実施例における、掘削終了時の状
況を示す掘削孔の側断面図である。
【図10】従来の掘削工法に用いられる掘削工具の一部
断面図である。
【図11】従来の掘削工法に用いられる掘削工具の縮径
状態の底面図である。
【図12】従来の掘削工法に用いられる掘削工具の拡径
状態の底面図である。
【図13】従来の掘削工法における、掘削終了時の状況
を示す掘削孔の側断面図である。
【符号の説明】
1 ハンマシリンダ 1a ハンマピストン 2 デバイス 2a,2b 軸穴 2c 排出溝 3a,3b,12 ブロック軸 4 チップ 5a,5b,11 ブロック 6A,6B,11b 直状端面 7,19 パイプ 8a,8b 空気孔 9 ケーシングチューブ 10 掘削部 11a 傾斜面 13 刃体 13a 凸部 13b 切刃部 13c 超硬基板 13d ダイヤモンド層 15 凹部 16 凹陥部 16a 底部 16b テーパ面 17 地盤 18 掘削孔 19a 貫通孔 20 縮径管 A 外周刃 α 掘削孔の内径と、掘削孔に挿入されたパイプの外径
間の隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 猛 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田 1528番地 三菱マテリアル株式会社 岐 阜製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−11789(JP,A) 特開 昭63−219792(JP,A) 特開 平4−41891(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21B 3/00 - 4/20 E21B 7/20 - 7/22 E21B 10/00 - 10/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転力を受けるデバイスの底面に一対の
    掘削部を設け、各々の掘削部が、前記デバイスの径とほ
    ぼ同径の略半円形状をなし、かつ先端面に多数の刃体が
    設けられたブロックと、このブロックを支持して前記デ
    バイスの底面に取り付けられるブロック軸とを有し、こ
    のブロック軸の位置を、前記デバイスが掘削方向に回転
    した際に、前記各ブロックのそれぞれ一方の端部が共に
    前記デバイスの外周面より所定の掘削量分だけ突出さ
    せ、かつその際に前記各ブロックの直状端面が互いに当
    接するようデバイスの中心から偏心させてなる掘削工具
    を用いて掘削を行うとともに、掘削により形成された掘
    削孔の周囲を孔壁崩壊防止用のパイプで補強してなる掘
    削工法において、 前記各ブロックの底面と前記直状端面との間に、両ブロ
    ックのそれぞれ一方の端部が共にデバイスの外周面より
    所定の掘削量分だけ突出する際に、互いに対向配置され
    て前記各ブロックの中心にデバイスと同心円状の凹部を
    形成する凹陥部を設け、前記刃体の切刃部を前記デバイ
    スの回転方向側に向けてなる掘削工具と、円筒状をな
    し、前記掘削工具が挿通されたパイプとからなる掘削設
    備を有し、 前記ブロックを前記パイプ先端から突出させ、かつ拡径
    させた状態で掘削を行いつつ前記パイプを地中に挿入
    し、掘削終了後、前記ブロックを縮径して前記掘削工具
    のみを前記掘削孔より引き上げることを特徴とする掘削
    工法。
  2. 【請求項2】 前記パイプの一部に、前記パイプの壁面
    を貫通する貫通孔を形成し、掘削後、前記掘削孔内に充
    填剤を圧入して前記貫通孔から地盤中にこの充填剤を浸
    出させることを特徴とする請求項1記載の掘削工法。
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