JP2821958B2 - 減圧気化冷却装置 - Google Patents

減圧気化冷却装置

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JP2821958B2 JP3201285A JP20128591A JP2821958B2 JP 2821958 B2 JP2821958 B2 JP 2821958B2 JP 3201285 A JP3201285 A JP 3201285A JP 20128591 A JP20128591 A JP 20128591A JP 2821958 B2 JP2821958 B2 JP 2821958B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却室内を減圧状態に
して被冷却物を気化冷却するものに関する。具体的に
は、各種反応を行う反応釜の冷却装置、食品等の気化冷
却装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の反応釜の冷却装置として、例えば
特開平1−315336号公報に示されたものがある。
これは、エゼクタとタンクとポンプを組合せた組合せポ
ンプと、反応釜の流体室に組合せポンプの吐出水の一部
を供給できる切替え弁手段と、エゼクタ内を通過する流
体の温度を制御する温度制御部とから成り、反応釜の流
体室に、冷却用の組合せポンプからの吐出水を供給し
て、反応釜を気化冷却するものである。エゼクタで生じ
る吸引力即ち減圧度は、エゼクタを通過する流体の温度
に対する飽和圧力となるために、エゼクタでの減圧度を
高め、ひいては冷却室の減圧度を高めて、気化冷却をよ
り促進するためには、温度制御部によりエゼクタ内を通
過する流体の温度を低下せしめることによりできる。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】上記従来のもので
は、減圧度を変化させ、気化冷却の度合を変化させる場
合に時間遅れを生じる問題があった。反応釜において
は、反応の過程において温度を精度良く調節する必要が
あり、時間遅れを生じると反応物が劣化したり、損傷し
たりする恐れがある。この時間遅れの原因は、エゼクタ
を通過する流体の温度を速やかに変化させることができ
ないためである。即ち、上記従来のものでは、温度制御
部から冷却水をタンクに供給し、タンク内の流体の温度
が低下して初めてエゼクタを通過する流体の温度も低下
するため、タンク内の水温を調節するために時間がかか
り、遅れを生じるのである。
【0004】従って本発明の技術的課題は、時間遅れを
生じることなく、気化冷却の度合即ち冷却温度の変更を
行うことのできる減圧気化冷却装置を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の減圧気化冷却装
置の構成は次の通りである。エゼクタとタンクとポンプ
を組合せた組合せポンプと、該エゼクタと連通した気化
冷却室と、上記タンクに冷却水を供給する冷却水供給通
を接続すると共に、当該タンクを複数個配置して、複
数個のタンクと上記ポンプを弁手段を介して連通したも
において、複数個のタンクの内少なくとも1つのタン
クに冷媒の流下する冷却管から成る冷却手段を設けたも
のである。
【0006】
【作用】タンク内の流体をポンプによりエゼクタに供給
することにより、エゼクタ部では流体温度に応じた飽和
圧力となる。流体温度を100度以下とすることによっ
て大気圧以下の減圧状態とすることができる。エゼクタ
で減圧状態となると連通した気化冷却室も減圧状態とな
り、冷却水は気化して被冷却物を気化冷却する。熱を奪
って気化した蒸気及び残余の冷却水はエゼクタに吸引さ
れ、1つのタンクに至る。タンク内の冷却水により蒸気
は液体化し、ポンプによってエゼクタに供給される。気
化温度を変える場合、即ち減圧度を変える場合、弁手段
を操作して他方のタンクとポンプを接続する。この他方
のタンクには、冷却手段により所望減圧度に応じた温度
の冷却水を貯溜しておくことにより、エゼクタ部には必
要とする温度の流体が速やかに供給され、所望の吸引力
即ち減圧度を発生する。
【0007】
【実施例】図示の実施例を詳細に説明する。本実施例に
おいては、気化冷却装置として反応釜を用いた例を示
す。気化冷却室としてのジャケット部5を備えた反応釜
21と、組み合せポンプ22と、タンク1,2と、冷却
水供給通路28とで減圧気化冷却装置を構成する。反応
釜21は、ほぼ全周にわたりジャケット部5を形成する
と共に、原料入口3、製品出口4、撹拌器6、被冷却物
の温度を検出する温度センサ―20を備え、ジャケット
部5には冷却水供給口15,16と流体排出口7を設け
てある。
【0008】組合せポンプ22は、ポンプ30がタンク
1,2に吸込側を接続され吐出側をエゼクタ32のノズ
ル33に接続し、エゼクタ32のディフュ―ザ34が弁
51,52を介してタンク1,2の上部空間に接続され
た構成のものであり、エゼクタ32と反応釜21の流体
排出口7とが弁10とトラップ12を介して接続されて
いる。この組合せポンプ22は、ポンプ30の作動によ
りタンク1又は2内の水をエゼクタ32に供給して吸引
作用させ、タンク1又は2に戻すようになっている。タ
ンク2内に冷却手段としての冷却管17を取り付ける。
冷却管17内に冷媒を流下させて、タンク2内の水を冷
却する。
【0009】冷却水供給通路28は、タンク1あるいは
2内に冷却水を供給すると共に一部水温を制御するよう
に設けたものであり、タンク1又は2内に弁53,5
5,56を介して冷却水を供給することによって制御す
るようになっている。タンク1あるいは2には、それぞ
れの水位と流体温度を検出する水位センサ―57,5
8,59,60と温度センサ―61,62を取り付け
る。タンク1,2は弁手段8,9を介してポンプ30と
連通する。
【0010】冷却水供給通路28からジャケット部5に
弁63を介して冷却水供給管26を、取り付ける。
【0011】ポンプ30とエゼクタ32を接続する通路
の一部を分岐して余剰水排出弁25を取り付け、タンク
1及び2内の水位センサ―57,58,59,60から
の信号により、タンク1及び2内の水位を所定範囲に保
つようにする。各弁及びセンサ―は図示していないが制
御部と接続して集中制御できるようにすることもでき
る。
【0012】被冷却物を冷却する場合、即ちジャケット
部5で気化冷却を行う場合、冷却水供給通路28から弁
53,55を介してタンク1内に冷却水を供給すると共
に、弁63を介してジャケット部5にも冷却水を供給す
る。この場合弁9,52,56は閉じ、弁8,10,5
1は開いておく。ポンプ30によりタンク1内の流体は
エゼクタ32に至り吸引力を生じる。エゼクタ32の吸
引力により、ジャケット部5内も減圧状態となり、冷却
水は被冷却物の熱により気化し、被冷却物を冷却する。
気化した蒸気は弁10を通り、エゼクタ32に吸引され
タンク1に至る。
【0013】冷却度合を変えるために、ジャケット部5
内の減圧度を変える場合、あらかじめタンク2内に冷却
管17により所望の温度に冷却した冷却水を溜めてお
き、弁8,9,51,52を操作することにより、タン
ク2の所望温度の流体をエゼクタ32に供給することに
よって速やかに変えることができる。
【0014】本実施例においては、タンク1,2に対し
てポンプ30を1台用いた例を示したが、それぞれのタ
ンク1,2に、例えば流体の温度に適したポンプを複数
台設置することもできる。
【0015】本実施例においては、ポンプ30からエゼ
クタ32に至る通路を分岐して弁67を設けたことによ
り、ポンプ30の吐出水の一部を冷却水供給口16から
ジャケット部5に供給して冷却することもできる。
【0016】また本実施例においては、弁69を介して
加熱用の蒸気供給通路68を設けたことにより、減圧気
化冷却のみならず、減圧蒸気加熱あるいは正圧蒸気加熱
を行うこともできる。
【0017】
【発明の効果】本発明は次のような効果を奏する。冷却
手段により必要とする減圧度に応じた温度の冷却水を他
方のタンクに貯溜しておくことによって、速やかにエゼ
クタの吸引力を変化せしめることができ、減圧度即ち気
化温度を変更する場合に時間遅れを生じることがない。
【0018】また冷媒を用いた冷却手段により、通常の
冷却水の温度より大幅に低い冷却水をタンク内に溜め置
くことができ、冷却水のみによる冷却と比較して更に時
間遅れを小さなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の減圧気化冷却装置の実施例の構成図で
ある。
【符号の説明】
1,2 タンク 5 ジャケット部 8,9 弁手段 17 冷却管 21 反応釜 22 組合せポンプ 28 冷却水供給通路 30 ポンプ 32 エゼクタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エゼクタとタンクとポンプを組合せた組
    合せポンプと、該エゼクタと連通した気化冷却室と、上
    記タンクに冷却水を供給する冷却水供給通路を接続する
    と共に、当該タンクを複数個配置して、複数個のタンク
    と上記ポンプを弁手段を介して連通したものにおいて
    数個のタンクの内少なくとも1つのタンクに冷媒の流
    下する冷却管から成る冷却手段を設けたことを特徴とす
    減圧気化冷却装置。
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