JP2820977B2 - ヨウ素またはヨウ化物不純物の除去 - Google Patents

ヨウ素またはヨウ化物不純物の除去

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JP2820977B2 JP1246617A JP24661789A JP2820977B2 JP 2820977 B2 JP2820977 B2 JP 2820977B2 JP 1246617 A JP1246617 A JP 1246617A JP 24661789 A JP24661789 A JP 24661789A JP 2820977 B2 JP2820977 B2 JP 2820977B2
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    • C07C51/573Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カルボニル化プロセスの生成物からヨウ素
またはヨウ化物不純物を除去する方法に関する。特に、
本発明は、アルコール、オレフィンまたはエステルのロ
ジウム触媒カルボニル化により調製されるカルボン酸ま
たはカルボン酸無水物からヨウ素またはヨウ化物不純物
を除去することに関する。
[従来の技術] アルコール(例えば酢酸に至るメタノール)やオレフ
ィン(例えばプロピオン酸に至るエチレン)並びにエス
テル(例えば無水酢酸に至る酢酸メチル)のカルボニル
化を行うロジウム/ヨウ化物触媒の使用は周知である。
また、カルボン酸またはカルボン酸無水物生成物は、ヨ
ウ素または可溶性ヨウ化物の形態でヨウ化物を保持する
傾向があることも知られており、これをその後除去する
必要がある。
ヨウ化物の除去を行う多数の方法が開発されており、
幾つかは、カルボニル化技術を使用するプラントで商業
的に運転されている。US4029553号には、20ppb未満のヨ
ウ化物を含有する高純度酢酸を生成する蒸留方法が記載
されている。異なるアプローチがUS3772156号に記載さ
れており、これは2つのカラムによる蒸留方法を開示す
るが、その際、粗製酢酸とアルカリまたはアルカリ土類
金属化合物とを単独または次亜リン酸と組合せて接触さ
せる。最後に、US3709795号は、酢酸からハロゲン化物
不純物を除去する方法を開示し、これはカリウムのよう
な強力な無機酸化剤の使用を包含する。有効ではある
が、この後者の方法は、商業的に実施するのは容易では
ない。
関連する他のアプローチには、銀イオン交換樹脂の使
用(EP196173号)および過酸の使用(DE3612504号)が
包含される。
US4664753号は、カルボニル化プロセスの生成物から
ヨウ素および可溶性ヨウ化不純物を除去する特に有効な
方法を開示する。この特許には、生成物と、(a)アル
キルまたはアリールホスフィンまたは複素環式芳香族窒
素化合物および(b)銅、銀、亜鉛またはカドミウムか
ら選択される金属の混合物とを接触させることが記載さ
れている。
[発明が解決しようとする課題] US4664753号に記載されたアプローチに関し、この種
の2つの成分系を用いる場合、前記した成分の最初のも
のによりカルボニル化生成物が汚染される可能性がある
という点で問題が生ずる。よって、解決すべき問題は、
この種の汚染を回避すると共に効率的なスキャベンジ系
を維持するというものである。
[課題を解決するための手段] よって、本発明によれば、カルボン酸またはカルボン
酸無水物からヨウ素または可溶性ヨウ化物不純物を除去
するに際し、カルボニル化プロセスにより予めカルボン
酸またはカルボン酸無水物を製造し、(a)担体に担持
されていないスキャベンジャを用いてヨウ素または可溶
性ヨウ化物不純物を含有する不純なカルボン酸またはカ
ルボン酸無水物を20〜250℃の温度で処理する工程と、
(b)その後処理したカルボン酸またはカルボン酸無水
物をスキャベンジャから分離する工程とからなり、スキ
ャベンジャが、トリアルキルホスフィン、トリアリール
ホスフィン並びに複素環式芳香族窒素化合物の非存在下
に、処理するカルボン酸またはカルボン酸無水物に対応
する陰イオンを有する銀塩よりなることを特徴とするヨ
ウ素または可溶性ヨウ化物不純物の除去方法が提供され
る。
本発明は、US4664753号から金属(銀)を選択するこ
とにより問題点を解決するものであり、これは、ホスフ
ィンまたは複素環式芳香族窒素化合物がなくともより有
効である。US4664753号は、高純度の生成物を得るため
にはホスフィンが必要であることを示唆するため(実施
例1および3を参照するとよい)、これは予期し得ない
ものである。
銀塩は、ヨウ化物と反応して不溶性ヨウ化銀を生成し
得るいずれのものともすることができる。好ましくは、
この塩は、カルボン酸またはカルボン酸無水物に可溶性
とすべきである。可能であれば、処理するカルボン酸に
対応する陰イオンを有する銀塩を使用するのが最も好適
である。よって、酢酸については、酢酸銀が最も好適で
あるのに対し、プロピオン酸については、プロピオン酸
銀を使用すべきである。
また、生成に供する液体媒体に銀塩が不溶性であるか
僅かにしか溶けない場合は、銀塩の懸濁物を使用するこ
ともできる。これらの場合、懸濁物を微細に分割するの
が好適である。
本発明の方法は、300ppmまでのヨウ素または可溶性ヨ
ウ化物不純物を含有するカルボン酸またはカルボン酸無
水物を処理するのに特に適切である。銀は、処置するか
処理して適切な銀塩を生成させ得るヨウ化銀としてプロ
セスから回収する。スキャベンジャおよびカルボン酸ま
たはカルボン酸無水物は、実質的に全てのヨウ素または
ヨウ化物がスキャベンジされるまで接触させたままとす
る。80〜150℃の範囲の好適な温度で操作するプロセス
につき、適切な接触時間は、10〜100分の範囲のもので
ある。所望に応じて混合物を混合するか攪拌することが
できる。典型的には、本発明の方法により、ヨウ素また
は可溶性ヨウ化物不純物のレベルを、100ppb未満、好ま
しくは20ppb未満程度のレベルに低減することができ
る。
本発明の方法は、(a)ロジウム/ヨウ化物触媒メタ
ノールカルボニル化により生成した酢酸、(b)ロジウ
ム/ヨウ化物触媒エチレンカルボニル化により生成した
プロピオン酸並びに(c)酢酸メチルのロジウム/ヨウ
化物触媒カルボニル化により生成した無水酢酸を精製べ
く使用するのに特に適切である。しかしながら、この方
法は、カルボン酸およびカルボン酸無水物供給原料をヨ
ウ化物感受性触媒と組合せて使用する方法の反応がまに
対して同等に適用し得る(例えば酢酸ビデオ単量体製
造)。
[実施例] 以下の実施例を参照して本発明をここに説明する。
バッチ反応−一般的方法 500mlの三つ首丸底フラスコに、ユーロサーム(Eurot
herm)調節加熱マントル、熱電対ポケット、2つの広い
ボア・タップ(1つはリービッヒ冷却器に接続し他は蒸
留器頂部コンデンサに接続する)並びに受容器を装着し
た。フラスコに450mlの不純な酢酸(ニュートロン活性
化分析により測定したヨウ化物レベル)、前もって必要
な量のスキャベンジャ並びに少量の耐衝突用粒子を装填
した。コンデンサおよび蒸留装置の双方を窒素によりパ
ージした。
コンデンサのみに開口するタップを用い、装置を穏や
かな還流に供した(沸騰寸前)。1時間後、第2のタッ
プを開け、第1のものを閉じた。還流を増加させて処理
した酢酸を迅速に蒸留した。90%の酢酸を集めた時点で
実験を終了した。蒸留した酢酸を全ヨウ化物含量につい
て分析した(ニュートロン活性化分析によった)。
例1およびA乃至C 酢酸銀塩と、酢酸銅(II)およびUS4664753号による
2つのスキャベンジャ系とを比較する。例A乃至Cは、
本発明の一部を構成するものではない。結果(第1表)
は、ホスフィンの非存在下における酢酸銀の予期し得な
い優秀性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭61−209053(JP,A) 特開 平1−110643(JP,A) 米国特許3709795(US,A) 米国特許3658467(US,A) 米国特許3772156(US,A) 米国特許4029553(US,A) 米国特許4664753(US,A) 欧州公開196173(EP,A) 西独国特許公開3612504(DE,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 53/08 C07C 51/12 C07C 53/12 C07C 51/487 C07C 51/573

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸またはカルボン酸無水物からヨ
    ウ素または可溶性ヨウ化物不純物を除去するに際し、カ
    ルボニル化プロセスにより予めカルボン酸またはカルボ
    ン酸無水物を製造し、(a)担体に担持されていないス
    キャベンジャを用いてヨウ素または可溶性ヨウ化物不純
    物を含有する不純なカルボン酸またはカルボン酸無水物
    を20〜250℃の温度で処理する工程と、(b)その後処
    理したカルボン酸またはカルボン酸無水物をスキャベン
    ジャから分離する工程とからなり、スキャベンジャが、
    トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン並び
    に複素環式芳香族窒素化合物の非存在下に、処理するカ
    ルボン酸またはカルボン酸無水物に対応する陰イオンを
    有する銀塩よりなることを特徴とするヨウ素または可溶
    性ヨウ化物不純物の除去方法。
  2. 【請求項2】銀塩を酢酸銀とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】不純なカルボン酸またはカルボン酸無水物
    が、300ppmまでのヨウ素または可溶性ヨウ化物不純物を
    含有する請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】処理したカルボン酸またはカルボン酸無水
    物が、全重量の100ppb未満のヨウ素および可溶性ヨウ化
    物不純物を含有する請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】カルボン酸またはカルボン酸無水物を、酢
    酸、プロピオン酸並びに無水酢酸より成る群から選択す
    る請求項1乃至4いずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】工程(a)を、80〜150℃の範囲の温度で
    行う請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】不純なカルボン酸またはカルボン酸無水物
    を、担体に担持されていないスキャベンジャにより10〜
    100分の範囲の時間の間処理する請求項1記載の方法。
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