JP2820964B2 - スチレン系重合体の精製方法 - Google Patents

スチレン系重合体の精製方法

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JP2820964B2 JP1193880A JP19388089A JP2820964B2 JP 2820964 B2 JP2820964 B2 JP 2820964B2 JP 1193880 A JP1193880 A JP 1193880A JP 19388089 A JP19388089 A JP 19388089A JP 2820964 B2 JP2820964 B2 JP 2820964B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスチレン系重合体の精製方法に関し、詳しく
は重合体連鎖の立体化学構造が主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体を効率よく高度に精
製する方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来からラジカル重合法等により製造されるスチレン
系重合体は、その立体構造がアタクチック構造を有して
おり、種々の成形法、例えば射出成形,押出成形,中空
成形,真空成形,注入成形などの方法によって、様々な
形状のものに成形され、家庭電気器具,事務機器,家庭
用品,包装容器,玩具,家具,合成紙その他産業資材な
どとして幅広く用いられている。
しかしながら、このようなアタクチック構造のスチレ
ン系重合体は、耐熱性,耐薬品性に劣るという欠点があ
った。
ところで、本発明者らのグループは、先般、シンジオ
タクティシティーの高いスチレン系重合体を開発するこ
とに成功し、さらにチタン化合物及び有機アルミニウム
化合物と縮合剤との接触生成物(アルキルアルミノキサ
ン)からなる触媒を用いることによりシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体が得られることを示し
た(特開昭62-187708号公報等)。
このようなシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体は、スラリー重合,塊状重合等により製造され
るが、触媒活性及び生産性の点からスチレンを高濃度に
して重合を行うことが有利である。また、得られる重合
体製品中に残留する触媒成分を脱灰により低減すること
が望まれている。
しかしながら、転化率の低いものあるいはスチレンを
低濃度にして重合した重合体製品は、脱灰が容易である
が、転化率が70%以上と高い場合の重合体製品は、転化
率の上昇とともに、その後の脱灰洗浄が困難となるとい
う問題があった。
そこで、本発明者らは、上記従来技術の問題点を解消
し、高転化率のスチレン系重合体を効率よく脱灰(残留
触媒の除去)することができ、高純度に精製しうる方法
を開発すべく鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、転化率70%以上で塊状重合により製造され
たスチレン重合体に特定の溶媒を添加して膨潤度が2以
下になるように膨潤させた後に、脱灰処理を行うことに
より上記の課題を解決できることを見出した。本発明は
かかる知見に基いて完成したものである。
すなわち、本発明は(A)アルミノキサン及び(B)
遷移金属化合物からなる触媒を用いて塊状重合により得
られた主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体を精製するにあたり、転化率70%以上で製造
された前記スチレン系重合体に芳香族溶媒及び/又はス
チレン系単量体を添加して膨潤度が2以下になるように
膨潤させた後に脱灰することを特徴とするスチレン系重
合体の精製方法を提供するものである。
本発明に使用する触媒の(A)成分であるアルミノキ
サンとは、各種の有機アルミニウム化合物と縮合剤とを
接触して得られるものである。反応原料とする有機アル
ミニウム化合物としては、通常は一般式 AlR1 3 …(I) 〔式中、R1は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕で表
わされる有機アルミニウム化合物、具体的には、トリメ
チルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソ
ブチルアルミニウム等があげられ、中でもトリメチルア
ルミニウムが最も好ましい。
一方、有機アルミニウム化合物と縮合させる縮合剤と
しては、典型的には水があげられるが、この他にアルキ
ルアルミニウムが縮合反応するいかなるものを用いても
よい。
(A)成分であるアルミノキサンとしては、一般式 〔式中、nは重合度を示し、2〜50の数であり、R1は炭
素数1〜8のアルキル基を示す。〕で表わされる鎖状ア
ルキルアルミノキサンあるいは一般式 で表わされる繰り返し単位を有する環状アルキルアルミ
ノキサン等がある。このようなアルキルアルミノキサン
のうち、R1がメチル基であるもの、すなわちメチルアル
ミノキサンが特に好ましい。
一般に、トリアルキルアルミニウム等のアルキルアル
ミニウム化合物と水との接触生成物は、上述の鎖状アル
キルアルミノキサンや環状アルキルアルミノキサンとと
もに、未反応のトリアルキルアルミニウム、各種の縮合
生成物の混合物、さらにはこれらが複雑に会合した分子
であり、これらはアルキルアルミニウム化合物と水との
接触条件によって様々な生成物となる。
この際のアルキルアルミニウムと水との反応は特に限
定はなく、公知の手法に準じて反応させればよい。例え
ば、アルキルアルミニウムを有機溶剤に溶解してお
き、これを水と接触させる方法、重合時に当初アルキ
ルアルミニウムを加えておき、後に水を添加する方法、
さらには金属塩などに含有されている結晶水、無機物
や有機物への吸着水をアルキルアルミニウムと反応させ
るなどの方法がある。なお、上記の水にはアンモニア,
エチルアミン等のアミン,硫化水素等の硫黄化合物,亜
燐酸エステル等の燐化合物などが20%程度まで含有され
ていてもよい。
本発明に用いるアルミノキサン、特にアルキルアルミ
ノキサンとしては、上記の接触反応の後、含水化合物等
を使用した場合には、固体残渣を濾別し、濾液を常圧下
あるいは減圧下で30〜200℃の温度、好ましくは40℃〜1
50℃の温度で20分〜8時間、好ましくは30分〜5時間の
範囲で溶媒を留去しつつ熱処理したものが好ましい。こ
の熱処理にあたっては、温度は各種の状況によって適宜
定めればよいが、通常は上記範囲で行う。一般に、30℃
未満の温度では、効果が発現せず、また200℃を超える
と、アルミノキサン自体の熱分解が起こり、好ましくな
い。熱処理の処理条件により反応生成物は、無色の固体
又は溶液状態で得られる。このようにして得られた生成
物を、必要に応じて炭化水素溶媒で溶解あるいは希釈し
て触媒溶液として使用することができる。
このようなアルキルアルミノキサンの好適な例は、プ
ロトン核磁気共鳴吸収法で観測されるアルミニウム−メ
チル基(Al-CH3)結合に基くメチルプロトンシグナル領
域における高磁場成分が50%以下のものである。つま
り、上記の接触生成物を、室温下、トルエン溶媒中でそ
のプロトン核磁気共鳴(1H‐NMR)スペクトルを観測す
ると、Al-CH3に基くメチルプロトンシグナルは、テトラ
メチルシラン(TMS)基準において1.0〜−0.5ppmの範囲
に見られる。TMSのプロトンシグナル(0ppm)がAl-CH3
に基くメチルプロトン観測領域にあるため、このAl-CH3
に基くメチルプロトンシグナルを、TMS基準におけるト
ルエンのメチルプロトンシグナル2.35ppmを基準にして
測定し、高磁場成分(即ち、−0.1〜−0.5ppm)と他の
磁場成分(即ち、1.0〜−0.1ppm)とに分けたときに、
該高磁場成分が全体の50%以下、好ましくは45〜5%の
ものが本発明のアルキルアルミノキサンとして好適に使
用できる。
一方、本発明に使用する触媒の(B)成分である遷移
金属化合物としては、チタン化合物,ジルコニウム化合
物,ハフニウム化合物あるいはバナジウム化合物があ
る。チタン化合物としては様々なものがあるが、好まし
くは、一般式 TiR2 aR3 bR4 cR5 4-(a+b+c) …(IV) またはTiR2 dR3 eR4 3-(d+e) …(V) 〔式中、R2,R3,R4及びR5はそれぞれ水素原子,炭素数1
〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素
数6〜20のアリール基,アルキルアリール基,アリール
アルキル基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,シクロペ
ンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデ
ニル基あるいはハロゲン原子を示す。a,b,cはそれぞれ
0〜4の整数を示し、d,eはそれぞれ0〜3の整数を示
す。〕 で表わされるチタン化合物およびチタンキレート化合物
よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であ
る。
この一般式(IV)又は(V)中のR2.R3,R4及びR5はそ
れぞれ水素原子,炭素数1〜20のアルキル基(具体的に
はメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,アミル
基,イソアミル基,イソブチル基,オクチル基,2−エチ
ルヘキシル基など),炭素数1〜20のアルコキシ基(具
体的にはメトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブト
キシ基,アミルオキシ基,ヘキシルオキシ基,2−エチル
ヘキシルオキシ基など),炭素数6〜20のアリール基,
アルキルアリール基,アリールアルキル基(具体的には
フェニル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基な
ど),炭素数1〜20のアシルオキシ基(具体的にはヘプ
タデシルカルボニルオキシ基など),シクロペンタジエ
ニル基,置換シクロペンタジエニル基(具体的にはメチ
ルシクロペンタジエニル基,1,2−ジメチルシクロペンタ
ジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基な
ど),インデニル基あるいはハロゲン原子(具体的には
塩素,臭素,沃素,弗素)を示す。これらR2.R3,R4及び
R5は同一のものであっても、異なるものであってもよ
い。さらにa,b,cはそれぞれ0〜4の整数を示し、また
d,eはそれぞれ0〜3の整数を示す。
更に好適なチタン化合物としては一般式 TiRXYZ …(VI) 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基又はインデニル基を示し、X,Y及びZはそ
れぞれ独立に水素原子,炭素数1〜12のアルキル基,炭
素数1〜12のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール
基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数6〜20の
アリールアルキル基又はハロゲン原子を示す。〕 で表わされるチタン化合物がある。この式中のRで示さ
れる置換シクロペンタジエニル基は、例えば炭素数1〜
6のアルキル基で1個以上置換されたシクロペンタジエ
ニル基、具体的にはメチルシクロペンタジエニル基,1,2
−ジメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシク
ロペンタジエニル基等である。また、X,Y及びZはそれ
ぞれ独立に水素原子,炭素数1〜12のアルキル基(具体
的にはメチル基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,
イソブチル基,アミル基,イソアミル基,オクチル基,2
−エチルヘキシル基等),炭素数1〜12のアルコキシ基
(具体的にはメトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,
ブトキシ基,アミルオキシ基,ヘキシルオキシ基,オク
チルオキシ基,2−エチルヘキシルオキシ基等),炭素数
6〜20のアリール基(具体的にはフェニル基,ナフチル
基等),炭素数6〜20のアリールオキシ基(具体的には
フェノキシ基等),炭素数6〜20のアリールアルキル基
(具体的にはベンジル基)又はハロゲン原子(具体的に
は塩素,臭素,沃素あるいは弗素)を示す。
このような一般式(VI)で表わされるチタン化合物の
具体例としては、シクロペンタジエニルトリメチルチタ
ン,シクロペンタジエニルトリエチルチタン,シクロペ
ンタジエニルトリプロピルチタン,シクロペンタジエニ
ルトリブチルチタン,メチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,1,2−ジメチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,1,3−ジメチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,1,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル
トリメチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニル
トリメチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニル
トリエチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニル
トリプロピルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニ
ルトリブチルチタン,シクロペンタジエニルメチルチタ
ンジクロリド,シクロペンタジエニルエチルチタンジク
ロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルメチルチタ
ンジクロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルエチ
ルチタンジクロリド,シクロペンタジエニルジメチルチ
タンモノクロリド,シクロペンタジエニルジエチルチタ
ンモノクロリド,シクロペンタジエニルチタントリメト
キシド,シクロペンタジエニルチタントリエトキシド,
シクロペンタジエニルチタントリプロポキシド,シクロ
ペンタジエニルチタントリフェノキシド,ペンタメチル
シクロペンタジエニルチタントリメトキシド,ペンタメ
チルシクロペンタジエニルチタントリエトキシド,ペン
タメチルシクロペンタジエニルチタントリプロポキシ
ド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリブト
キシド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリ
フェノキシド,シクロペンタジエニルチタントリクロリ
ド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロ
リド,シクロペンタジエニルメトキシチタンジクロリ
ド,シクロペンタジエニルジメトキシチタンクロリド,
ペンタメチルシクロペンタジエニルメトキシチタンジク
ロリド,シクロペンタジエニルトリベンジルチタン,ペ
ンタメチルシクロペンタジエニルメチルジエトキシチタ
ン,インデニルチタントリクロリド,インデニルチタン
トリメトキシド,インデニルチタントリエトキシド,イ
ンデニルトリメチルチタン,インデニルトリベンジルチ
タン等があげられる。
これらのチタン化合物のうち、ハロゲン原子を含まな
い化合物が好適であり、特に、上述した如きπ電子系配
位子を1個有するチタン化合物が好ましい。
さらにチタン化合物としては一般式 〔式中、R6,R7はそれぞれハロゲン原子,炭素数1〜20
のアルコキシ基,アシロキシ基を示し、mは2〜20を示
す。〕 で表わされる縮合チタン化合物を用いてもよい。
さらに、上記チタン化合物は、エステルやエーテルな
どと錯体を形成させたものを用いてもよい。
上記一般式(V)で表わされる三価チタン化合物は、
典型的には三塩化チタンなどの三ハロゲン化チタン,シ
クロペンタジエニルチタニウムジクロリドなどのシクロ
ペンタジエニルチタン化合物があげられ、このほか四価
チタン化合物を還元して得られるものがあげられる。こ
れら三価チタン化合物はエステル,エーテルなどと錯体
を形成したものを用いてもよい。
また、遷移金属化合物としてのジルコニウム化合物
は、テトラベンジルジルコニウム,ジルコニウムテトラ
エトキシド,ジルコニウムテトラブトキシド,ビスイン
デニルジルコニウムジクロリド,トリイソプロポキシジ
ルコニウムクロリド,ジルコニウムベンジルジクロリ
ド,トリブトキシジルコニウムクロリドなどがあり、ハ
フニウム化合物は、テトラベンジルハフニウム,ハフニ
ウムテトラエトキシド,ハフニウムテトラブトキシドな
どがあり、さらにバナジウム化合物は、バナジルビスア
セチルアセトナート,バナジルトリアセチルアセトナー
ト,トリエトキシバナジル,トリプロポキシバナジルな
どがある。これら遷移金属化合物のなかではチタン化合
物が特に好適である。
本発明の方法においては、上記の遷移金属化合物の他
にさらに所望により他の触媒成分、例えば有機アルミニ
ウムなどを加えることもできる。
この有機アルミニウムとしては、一般式 R8 kAl(OR9)mHpXq …(VIII) 〔式中、R8及びR9はそれぞれ独立に炭素数1〜8、好ま
しくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xはハロゲン
を示し、kは0<k≦3、mは0≦m<3、pは0≦p
<3、qは0≦q<3であって、しかもk+m+p+q
=3である〕 で表わされる有機アルミニウム化合物があり、これを加
えることにより、活性が更に向上する。
前記の一般式(VIII)で表わされる有機アルミニウム
化合物としては、次のものを例示することができる。p
=q=0の場合に相当するものは、一般式 R8 kAl(OR9)3-k 〔式中、R8及びR9は前記と同じであり、kは好ましくは
1.5≦k≦3の数である〕 で表わされる。m=p=0の場合に相当するものでは、
一般式 R8 kAlX3-k 〔式中、R8及びXは前記と同じであり、kは好ましくは
0<k<3である〕 で表わされる。m=q=0の場合に相当するものは、一
般式 R8 kAlH3-k 〔式中、R8は前記と同じであり、kは好ましくは2≦k
<3である〕 で表わされる。p=0の場合に相当するものは、一般式 R8 kAl(OR9)mXq 〔式中、R8,R9及びXは前記と同じであり、0<k≦
3、0≦m<3、0≦q<3で、k+m+q=3であ
る〕 で表わされる。
前記の一般式(VIII)で表わされる有機アルミニウム
化合物において、p=q=0で、k=3の化合物は、例
えばトリエチルアルミニウム,トリブチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム又はこれらの組み合わせ
から選ばれ、好ましいものはトリエチルアルミニウム,
トリ−n−ブチルアルミニウム,トリイソブチルアルミ
ニウムである。p=q=0で、1.5≦k<3の場合は、
ジエチルアルミニウムエトキシド,ジブチルアルミニウ
ムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシ
ド、エチルアルミニウムセスキエトキシド,ブチルアル
ミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセ
スキアルコキシドの他に、R8 2.5Al(OR9)0.5等で表わさ
れる平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアル
キルアルミニウムをあげることができる。m=p=0の
場合に相当する化合物の例は、ジエチルアルミニウムク
ロリド,ジブチルアルミニウムクロリド,ジエチルアル
ミニウムブロミド等のようなジアルキルアルミニウムハ
ロゲニド(k=2),エチルアルミニウムセスキクロリ
ド,ブチルアルミニウムセスキクロリド,エチルアルミ
ニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウムセ
スキハロゲニド(k=1.5),エチルアルミニウムジク
ロリド,プロピルアルミニウムジクロリド,ブチルアル
ミニウムジブロミド等のようなアルキルアルミニウムジ
ハロゲニド(k=1)等の部分的にハロゲン化されたア
ルキルアルミニウムである。m=q=0の場合に相当す
る化合物の例は、ジエチルアルミニウムヒドリド,ジブ
チルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウム
ヒドリド(k=2),エチルアルミニウムジヒドリド,
プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニ
ウムジヒドリド(m=k)等の部分的に水素化されたア
ルキルアルミニウムである。p=0の場合に相当する化
合物の例は、エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブ
チルアルミニウムブトキシクロリド,エチルアルミニウ
ムエトキシブロミド(k=m=q=1)等の部分的にア
ルコキシ化及びハロゲン化されたアルキルアルミニウム
である。これらの中でも特に好適なものは、トリイソブ
チルアルミニウム,ジイソブチルアルミニウムヒドリド
である。
本発明に用いる触媒は、前記の(A)及び(B)成分
を主成分とするものであり、前記の他さらに所望により
他の触媒成分を加えることもできる。この触媒中の
(A)成分及び(B)成分の配合割合は、各種の条件に
より異なり、一義的には定められないが、通常は(A)
成分中のアルミニウムと(B)成分中の金属との比、即
ちアルミニウム/金属(モル比)として1〜106、好ま
しくは10〜104である。
スチレン系重合体を製造するには、上記の(A)及び
(B)成分を主成分とする触媒の存在下でスチレン系単
量体を重合(あるいは共重合)する。ここで、スチレン
系単量体とは、スチレン及び/又はスチレン誘導体を指
称する。スチレン誘導体の具体例しては、p−メチルス
チレン;m−メチルスチレン;o−メチルスチレン;2,4−ジ
メチルスチレン;2,5−ジメチルスチレン;3,4−ジメチル
スチレン;3,5−ジメチルスチレン;p−エチルスチレン;m
−エチルスチレン;p-tert−ブチルスチレンなどのアル
キルスチレン、p−クロロスチレン;m−クロロスチレ
ン;o−クロロスチレン;p−ブロモスチレン;m−ブロモス
チレン;o−ブロモスチレン;p−フルオロスチレン;m−フ
ルオロスチレン;o−フルオロスチレン;o−メチル−p−
フルオロスチレンなどのハロゲン化スチレン、p−メト
キシスチレン;m−メトキシスチレン;o−メトキシスチレ
ン;p−エトキシスチレン;m−エトキシスチレン;o−エト
キシスチレンなどのアルコキシスチレン、p−カルボキ
シメチルスチレン;m−カルボキシメチルスチレン;o−カ
ルボキシメチルスチレンなどのカルボキシエステルスチ
レン、p−ビニルベンジルプロピルエーテルなどのアル
キルエーテルスチレン等、あるいはこれら二種以上混合
したものがあげられる。
スチレン系単量体の重合(あるいは共重合)は、塊状
重合により行われる。塊状重合は、生産性及び芳香族溶
媒の重合体に対する含浸性において優れている。
また、重合温度は特に制限はないが、一般には0〜10
0℃、好ましくは20〜80℃である。
さらに、得られるスチレン系重合体の分子量を調節す
るには、水素の存在下で重合反応を行うことが効果的で
ある。
このようにして得られるスチレン系重合体は、主とし
てシンジオタクチック構造を有するものである。ここ
で、スチレン系重合体における主としてシンジオタクチ
ック構造とは、立体化学構造が主としてシンジオタクチ
ック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対
して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反
対方向に位置する立体構造を有することを意味し、その
タクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13
C‐NMR法)により定量される。13C‐NMR法により測定さ
れるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合は
トリアッド,5個の場合はペンタッドによって示すことが
できるが、本発明に言う「主としてシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体」とは、通常はラセミダ
イアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラ
セミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシン
ジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(ア
ルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ
(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)及びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とす
る共重合体を意味する。なお、ここでポリ(アルキルス
チレン)としては、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エ
チルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ
(ターシャリーブチルスチレン)等があり、ポリ(ハロ
ゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン),
ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチレン)等
がある。また、ポリ(アルコキシスチレン)としては、
ポリ(メトキシスチレン),ポリ(エトキシスチレン)
等がある。これらのうち特に好ましいスチレン系重合体
としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン)、さらにはスチレンとp−メチルスチレン
との共重合体をあげることができる。
本発明の方法においては、上記のようにして重合を転
化率が70%以上となるまで続ける。転化率は、使用する
触媒,重合温度,時間などの重合条件によって調節する
ことができる。
本発明の方法においては、上記のようにして転化率70
%以上で製造されたスチレン系重合体に、芳香族溶媒及
び/又は上記のようなスチレン系単量体(ただし、必ず
しも製造されたスチレン系重合体に対応するスチレン系
単量体と同一であることを要しない。)を添加して重合
体を膨潤させた後に、脱灰、洗浄を行う。膨潤処理の際
に少量のアルコール等の失活剤を含んだ芳香族溶媒及び
/又は上記のようなスチレン系単量体を用いてもよい。
ここで、芳香族溶媒としては、ベンゼン,トルエン,エ
チルベンゼン,クメン,キシレンなどを使用することが
できる。このような芳香族溶媒又はスチレン系単量体
は、重合体の膨潤度が2以下、好ましくは1.8以下、特
に0.4〜1.35の範囲となるように添加する。膨潤は通常
0〜100℃、好ましくは20〜80℃にて行なう。なお、膨
潤度とは、下記の式で算出されるものである。
(式中、未反応単量体とはスチレン系重合体に転化さ
れずに残ったスチレン系単量体を指称し、溶媒とはスチ
レン系重合体の製造後に添加した芳香族溶媒及び/又は
スチレン系単量体を指称する。) 上記のような割合で芳香族溶媒及び/又はスチレン系
単量体を添加して膨潤させたスチレン系重合体を、例え
ば塩酸と炭素数1〜8のアルコール(好ましくはメタノ
ール)との混合物(塩酸濃度0.05〜15重量%程度)又は
水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムと炭素数1〜
8のアルコール(好ましくはメタノール)との混合物
(水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムの濃度0.05
〜15重量%程度)等を含む洗浄液で脱灰処理し、洗浄,
減圧乾燥を経てAl等の金属含有量300ppm以下の極めて高
純度で、かつシンジオタクティシティーの大きいスチレ
ン系重合体が入手できる。
さらに必要に応じてメチルエチルケトン等の溶媒で洗
浄して可溶分を除去し、得られる不溶分をさらにクロロ
ホルム等で処理することもできる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
比較例1 窒素置換した2lのオートクレーブにスチレン400mlを
入れ、70℃に昇温後、触媒成分としてトリイソブチルア
ルミニウム4ミルモル及びメチルアルミノキサン4ミリ
モルを入れ、30分間攪拌後に触媒成分としてペンタメチ
ルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド0.02
ミリモルを入れ、70℃で1時間重合を行った。次いで、
更にトリイソブチルアルミニウム4ミリモル,メチルア
ルミノキサン4ミリモル及びペンタメチルシクロペンタ
ジエニルチタニウムトリメトキシド0.02ミリモルを加
え、引き続き4時間重合を行った。
その後、50mlのメタノールで触媒を失活させ、別の容
器に移し、メタノール2l及び水酸化ナトリウム20gを加
えて室温で2時間攪拌した。濾過後、新たにメタノール
2lを加え、室温で1時間攪拌して洗浄を行った。この洗
浄操作を更に1回繰り返した後、濾別し、乾燥した。
得られた重合体について金属分析を行ったところ、ほ
とんど脱灰できておらず、Tiは8ppm,Alは1200ppm含まれ
ていた。なお、重合体の収量は260.4g、転化率は72.3%
であった。
実施例1 比較例1において、重合後にスチレン200mlを加え、7
0℃で1時間攪拌して膨潤度0.84で膨潤させた後に、上
記の比較例1と同様の脱灰,洗浄操作を行った。
得られた重合体について金属分析を行ったところ、Ti
は3ppm,Alは200ppmしか含まれていなかった。
実施例2 重合後に、スチレンの代わりにエチルベンゼン200ml
を加えたこと以外は、実施例1と同様にして後処理し
た。
得られた重合体について金属分析を行ったところ、Ti
は3ppm,Alは170ppmしか含まれていなかった。
実施例3 重合後に、スチレンの代わりにエチルベンゼン400ml
を加えたこと以外は、実施例1と同様にして後処理し
た。
得られた重合体について金属分析を行ったところ、Ti
は2ppm,Alは150ppmしか含まれていなかった。
実施例4 比較例1と同様に重合を行った後、トルエン200mlを
加え、70℃で1時間攪拌して膨潤度0.84で膨潤させた。
その後,50mlのメタノールで触媒を失活させ、別の容
器に移し、メタノール2l及び塩酸を加えて室温で2時間
攪拌した。濾過後に、新たにメタノール2lを加え、室温
で1時間攪拌して洗浄を行った。この洗浄乾燥を更に1
回繰り返した後、濾別し、乾燥した。
得られた重合体について金属分析を行ったところ、Ti
は3ppm,Alは150ppmしか含まれていなかった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、スチレン系単量体を高濃度,高転化
率として重合させたスチレン系重合体を効率よく脱灰洗
浄できるので、高純度のスチレン系重合体が得られ、高
純度スチレン系重合体の生産性を著しく向上することが
できる。
したがって、本発明は主としてシンジオタクチック構
造のスチレン系重合体を高純度でしかも効率よく製造す
る方法として、工業的価値が極めて高い。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アルミノキサン及び(B)遷移金属
    化合物からなる触媒を用いて塊状重合により得られた主
    としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
    体を精製するにあたり、転化率70%以上で製造された前
    記スチレン系重合体に芳香族溶媒及び/又はスチレン系
    単量体を添加して膨潤度が2以下になるように膨潤させ
    た後に脱灰することを特徴とするスチレン系重合体の精
    製方法。
  2. 【請求項2】遷移金属化合物がチタン化合物,ジルコニ
    ウム化合物,ハフニウム化合物あるいはバナジウム化合
    物である請求項1記載のスチレン系重合体の精製方法。
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